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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和4年7月27日開催)

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開会

午後3時00分 開会

  • 中澤企画課課長補佐
    それでは、予定の時刻がまいりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開会いたします。 委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきましてありがとうございます。
    初めに、食料・農業・農村政策審議会食糧部会臨時委員として長らくお務めいただき、また、食糧部会の部会長代理も務めていただきました根本委員が退任され、新たに岩村委員が就任されておりますので、御紹介いたします。本日はウェブで参加いただいております。
    開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況でございますが、ここに御列席の皆様、そして今回は山波委員、岩村委員、大桃委員、長部委員、金戸委員、平田委員、山崎委員、山田委員におかれましては、ウェブで御出席いただいております。なお、二村委員、菅原委員は所用により会議途中からウェブで御出席の予定で、大橋部会長につきましては所用により急遽御欠席となりました。結果、全体の3分の1以上の委員に御出席いただいておりますので、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項及び第3項の規定により、本部会は成立しております。
    それでは、開会に際し、中村農林水産副大臣から御挨拶をお願いいたします。

農林水産副大臣あいさつ

  • 中村農林水産副大臣
    農林水産副大臣の中村裕之です。食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げます。
    委員の皆様におかれましては、本日はお忙しい中、御出席いただきましたこと、誠にありがとうございます。感謝を申し上げます。また、本日の食糧部会から新たに岩村委員に御就任いただくことになりました。お引き受けいただきましてありがとうございます。感謝を申し上げます。引き続きお世話になる委員の皆様にもどうぞよろしくお願い申し上げます。
    さて、今年は梅雨が短いという感じでしたけれども、6月下旬に猛暑があって、しかし、その後に梅雨の戻りのような気候になりまして、一部の地域では被害も出ているようであります。被害に遭われた皆様にはお見舞いを申し上げるところであります。
    さて、令和4年産の主食用米については、全国で3.9万ヘクタールの作付転換に向け、農林水産省としても昨年9月から全国会議や各産地での説明会を重ねてきたところでありますが、各地域において関係者の皆様が一丸となって取り組んでいただいた結果、米の需給の安定に向けて4.3万ヘクタール程度の転換が進んでいるという報告であります。本日の食糧部会では、この1年の米の需給動向等に基づいて策定する米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針について委員の皆様に御審議の上、答申を頂きたいと考えております。
    農林水産省としましては、引き続き需要に応じた生産販売を推進し、生産者の皆様が消費者の皆様のニーズに応えることを通じて、食糧の安定供給の実現を図る考えであります。このため、生産者、消費者を始め、関係者の皆様方の御意見をお伺いしながら政策を後戻りさせることなく、納税者の理解も得ながら必要な取組を推進してまいります。委員の皆様からの忌憚のない御意見、活発な御議論をお願い申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

議事

  • 中澤企画課課長補佐
    ありがとうございました。
    中村農林水産副大臣におかれましては次の予定があるため、ここで退席されます。
    恐れ入りますが、カメラ撮りにつきましてはここまでといたしますので、よろしくお願いいたします。
    本日の食糧部会では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防ぐための対策を講じておりますが、御出席の皆様におかれましても、会場におけるマスクの着用につきまして御協力をお願い申し上げます。また、換気につきましても、適宜実施いたしますので、あらかじめ御承知おきください。
    会場に御出席の皆様におかれましては、御発言の際に事務局がマイクをお持ちいたします。こちらは御使用のたびにアルコール消毒をいたします。ウェブ参加の委員の皆様方におかれましては、常にこちらの音声が聞こえる状態にしていただいて、御発言の際にはマイクをオンの状態に、御発言が終わりましたらオフの状態にしていただきますようお願いいたします。動作の不具合等が発生した際には事務方に合図をしていただきたいと存じます。
    それでは、議事に入ります前に本日の資料の確認をお願いいたします。資料は会場の皆様方の机上のタブレット及び紙媒体にてお配りしておりますが、ウェブで御参加される委員の皆様は先ほど電子メールでお送りしたファイルを御覧ください。資料一覧に記載してある資料一式がそろっているか御確認いただき、資料の不足などがございましたらお申し出くださいますようお願いいたします。
    この後の進行につきましては、本来であれば大橋部会長にお願いすべきところではありますが、本日、大橋部会長が御欠席のため、事前に預かっております部会長からの言づてを読み上げさせていただきます。それでは、読み上げます。「議事に入る前に、部会長代理であった根本委員が退任されましたので、改めて部会長代理の指名を行います。部会長代理は食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員及び臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名することとなっています。部会長代理に関しましては、令和元年7月から本部会の委員をお務めいただいており、食糧政策にも知見が豊富である宮島委員を指名したいと思います。また、御承認いただける場合には食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項、食料・農業・農村政策審議会議事規則第3条第3項及び第8条に基づき、本日の議事の運営につきましても宮島委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか」とのことです。皆様、いかがでしょうか。
    ありがとうございます。それでは、皆様から御承認いただきましたので、そのようにいたしたいと思います。早速ですが、宮島部会長代理に本日の議事進行をお願いできればと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  • 宮島部会長代理
    では、今日、司会を務めます宮島です。よろしくお願いいたします。
    本日の部会の取扱い及び議事の進め方について確認いたします。本部会につきましては、審議会議事規則第3条第2項の規定により、会議は公開することとされています。会議の傍聴につきましては希望される方を公募し、ウェブで傍聴されております。また、本部会における皆様の御意見等につきましては議事録として取りまとめ、公開いたしますのであらかじめ御了承をお願いします。
    本日は、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定につきまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がありました。事務局からの説明の後、委員の皆様からの御意見、御質問を頂戴した上で、基本指針(案)が適当であるかどうか議決したいと思います。委員各位、それから、事務局におかれましては、効率よく議事を進められるよう円滑な進行に御協力いただきたいと思います。全体としてはこのような進め方でよろしいでしょうか。ありがとうございます。では、そのように進めてまいります。
    それでは、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について御審議いただきます。まずは事務局から諮問文書の読み上げと資料の説明をお願いいたします。
  • 三野企画課長
    農産局企画課長の三野でございます。本日もよろしくお願い申し上げます。
    食料・農業・農村政策審議会会長殿。
    農林水産大臣金子原二郎。
    諮問。
    米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
    以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございました。
  • 三野企画課長
    資料の説明をまずさせていただきます。
  • 宮島部会長代理
    よろしくお願いします。
  • 三野企画課長
    お手元に用意しております資料、参考資料1、参考資料2を中心に御説明を申し上げます。
    まず、参考資料1を御覧いただければと思います。ポイントをできるだけ簡潔に分かりやすく御説明申し上げたいと思います。
    まず、一番上の需要動向でございます。令和03月04日年の需要実績は、前年の704万トンから約2万トン減少し、速報値で702万トンでございます。また、民間流通における令和4年6月末の在庫量は、前年から1万トン減少しまして、速報値で217万トンとなっております。
    次に下の右側の表の令和03月04日年の主食用米等の需給実績の速報値及び04月05日年の主食用米等の需給見通し、こちらを御覧ください。まず、上の令和03月04日年の需給でございます。Aの令和3年6月末の民間在庫量218万トン、Bの令和3年産生産量701万トン、その合計であるCの令和03月04日年供給量は919万トン、ここまでは既に決まっていた数値でございます。それに加え、今回、Eの令和4年6月末の民間在庫量が217万トン、これが明らかになりました。Cの供給量の919万トンから、今、申しました217万トン、これを差し引くことによりまして、Dの令和03月04日年需要量702万トンが出てくる、こういうわけでございます。
    次に、その下の令和04月05日年の需給でございます。Eの令和4年6月末の民間在庫量217万トンに、Fでは昨年11月の基本指針でもお示ししました令和4年の生産量675万トンをそのまま据え置き、Gで令和04月05日年の供給量の合計を892万トンとしております。また、Hの令和04月05日年需要量につきましては692万トンとなっておりますが、これは従来、過去の1人当たりの消費量の実績に基づくトレンドから算出したものでございます。 具体的には参考資料1の2枚目をお開きいただけますでしょうか。左側の表を御覧いただきたいと思います。令和04月05日年の1人当たりの消費量の推計値でございます。赤い字で一番下のところですけれども、1人当たり消費量(推計値)55.4キログラムに、令和4年の人口の推計値1億2,497万3千人を乗じて算出しております。こちらが根拠となる数字です。
    また1枚目にお戻りください。これらの基礎となるデータを基に右下のGを御覧ください。令和04月05日年の供給量の合計892万トンからHの令和04月05日年の需要量692万トンを引きますと、Iの令和5年6月末の民間在庫量が200万トンとなります。
    今、お示ししました需給見通しのポイントにつきまして幾つか補足させていただきます。まず、注目されたいのはDの702万トン、需要量でございます。昨年11月の基本指針でお示しした見通し702~706万トン、左側のブルーのところですけれども、こちらの範囲に収まったということでございます。昨年11月の時点では、この需要見通しにつきましては、トレンド回帰式で算出した1人当たりの消費量に人口推計値を乗じると、先ほど申しました従来の手法により算出した需要量が702万トンでした。
    コロナウイルス感染症の影響などの特別な要因による需要への影響を把握するために行った米卸業者の販売動向調査におきまして、販売数量が前年に比べて0.65%増加していることが分かりました。この増加率がこのまま継続すると仮定した場合は、年間の需要量としては約4万トン増加することが見込まれたことから、従来のトレンドにより需要量の見通し702万トンに4万トンの幅を持たせて702~706万トンというふうに見通したところでございます。これは令和元/2年以降、トレンドによる需要見通しを下回る水準で推移しておりましたけれども、今、申しました新型コロナウイルス感染症の影響による大きな需要の変動が緩和されつつあることなどにより、需要が回復傾向にあるものと考えております。
    なお、コロナの影響につきましては、需要におきまして、プラスマイナス両方の原因があると見ており、訪日外国人の旅行者の減少によるインバウンド需要の減少、それから、外食の自粛などによる中食・外食需要の減少、これらが指摘される一方で、外食の自粛などによります小売・家庭用需要の増加、それから、後ほど触れさせていただきますが、ネットによる食料品の購入額の増加、こういったプラスの要因もございまして、販売動向の見極め、データ収集に引き続き努めていきたいと考えております。こちらが今、申しましたDの702万トンのところでございます。
    次にFを御覧ください。令和4年産の生産量でございます。ここは参考資料2の10ページを併せて御覧いただければと思います。令和3年産実績との比較による各都道府県の主食用米の作付意向、こちらは6月末時点ですけれども、減少傾向が40県、前年並み傾向7県、増加傾向はございませんでした。下の左側の主食用米というところですが、減少傾向とした40県のうち、1~3%程度減少傾向は22県、3~5%減少傾向は15県、5%超の減少傾向は3県となりまして、4月末に私どもが調査した段階よりは3~5%超の減少傾向の県が4県から15県と、大幅に増加しております。
    そして、こちらのポイントでございますけれども、6月末の作付意向を集計しました結果、全国の主食用米の作付面積は前年比で約4.3万ヘクタール減少すると見込まれております。中村副大臣が冒頭の御挨拶の中で申し上げました4.3万ヘクタールの減少でございます。需給安定を図る上で必要な作付転換面積3.9万ヘクタールを上回る見込みということでございます。
    ここでまた、参考資料1にお戻りいただければと思います。今、申しましたように3.9万ヘクタールを超える4.3万ヘクタールの転換が実現する見込みでございますが、Fのところの675万トンは左側の3月時点の数字を据え置いております。ここで右側の黄色いところの下の注1を御覧いただければと思います。令和4年産の主食用米の作付面積は今、申しましたように6月末時点での作付意向調査の結果、4.3万ヘクタール減少と見込まれますが、これを生産量に置き換えますと、昨年の平年作の696万トンだった場合と比較して23万トンの減少となり、生産量は673万トンとなる見込みでございます。数量ベースでも昨年11月にお示しした675万トンの水準を達成する見込みということです。昨年に引き続き本年も各地域において、関係者の皆様に作付転換に御尽力いただいた結果であると考えております。
    なお、昨年もそうですが、7月の段階では当該生産量は確定前ということもございまして、前年の基本指針の数値を置いております。現時点では作付面積が確定していないこと、また、作柄によって大きく変動する可能性もあることから、現時点においては指針、需給見通しそのものの数値に反映することは行っておりません。令和4年産の主食用米の作付面積の確定値は、統計調査によりまして10月上旬から中旬に公表される予定となっており、その後、この需給見通しに反映させていく予定としております。
    次に、H、692万トンでございます。令和03月04日年の需要実績である702万トン、Dから10万トンの減少でございます。結果として、回帰式に乗せた計算ではありますけれども、近年のトレンドに沿った減少幅になっております。この692万トンは今後、変動する可能性はございますけれども、令和元年以降の需要実績はコロナの影響が生じた期間、具体的には令和元/2年は半年程度、令和02月03日年は通年でございますが、これに関係なくトレンドを10万トン程度下回ってきておりました。
    現時点でもなお、コロナが需要に与える影響を定かに見通すことは非常に困難ではございますけれども、引き続き販売動向の見極め、データの収集に努めていきたいと考えており、需給動向を注視していかなければならないと考えております。特に第7波ということで感染が大変拡大しておりますので、引き続き関係の皆様方の御協力も頂きながら、販売動向の把握に努めてまいりたいと考えております。
    それでは、参考資料2のデータ集の16ページをお願いいたします。こちらが米穀周年供給・需要拡大支援事業ということで、令和4年度予算による本年4月以降の3年産の主食用米に対する取組として、昨年度から継続して調整保管している分、拡充支援分23万トンも含みますけれども、申請ベースで約40万トンの調整保管の申請があったということでございます。16ページの一番下、3年産というところを御覧いただければと思います。これは過去最大の規模になっております。
    この事業を活用した場合、最低限、生産された年の翌年の10月までは保管することが義務付けられます。これにより販売期間が遅れることで、増加する概算金の支払に係る借入金の支払利息、米穀の保管経費などの2分の1を国が支援するものでございます。
    今回、お示ししております需給見通しでは、参考としてこの事業を活用して2年産米を対象として昨年秋に創設したコロナ影響緩和特別対策、いわゆる特別枠を除いた数量もお示ししております。
    この16ページの図の真ん中のピンクのところでございますけれども、この特別枠に対しましては12万トンの申請を頂いております。事業実施主体からの申請報告を取りまとめた結果、6月末までにこの12万トンの中から3万トンが販売されており、6月末の段階での在庫見込み数量は約9万トンとなっております。そして、2年産の通常支援の分約1万トン、それから、先ほど述べた3年産の約40万トンと合わせまして大体約50万トンの保管料を支援するという内容になっております。こちらが、調整保管に要している数量でございます。
    再び、参考資料1にお戻りいただければと思います。昨年は、調整保管した数量約33万トンを供給量と民間在庫量から差し引いた数量を示しておりましたが、今年は2年産について特別枠として在庫見込み数量に該当する数量12万トン、令和03月04日年の供給量のCのところでございますけれども、それから、その後は9万トン、これは令和4年6月末の民間在庫量E以降、こちらを差し引いた数量をお示ししているところでございます。令和4年6月末の民間在庫量、先ほど217万トンと申し上げまして、Eのところにその数字が入っておりますけれども、そちらから9万トンを引いた数字をその右側に208万という数字も併せてお示しているところでございます。
    この事業に対する調整保管の申請については、現在の需給環境を踏まえ、JAグループを始めとする集荷団体の皆様が令和2年産の主食用米の長期計画的な販売を行っていただくと考えておりまして、農林水産省としましてもこの在庫が市場に悪影響を与えないよう、しっかり売っていただくことが重要であると考えており、産地、生産者が需要に応じた生産・販売にしっかり取り組んでいただけるよう、引き続き市場環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
    参考資料1の説明は以上です。
    それから、参考資料2、ポイントを簡潔に御説明申し上げます。3ページをお開きください。こちらが米の販売数量、民間在庫の推移でございます。人口減少や、1人当たりの消費量の減少などによりまして、毎年約10万トン、約1.4%が減少することが見込まれる中、直近1年間の状況を見てみますと、対前年比で小売事業者向け、家庭向けで3%のマイナス、中食・外食事業者向けではプラス2%ということで、全体では1%程度の減少となっております。赤い線で囲ってある部分が今、申しました内訳の一部でございます。
    それから、5ページをお願いいたします。相対取引価格、全銘柄平均の価格でございます。令和3年産米ですけれども、最新の令和4年6月の相対取引価格、全銘柄平均で前の月との差が84円のマイナスでして、出回りからの年産平均価格は前年産から1,678円マイナスの1万2,851円になっているところでございます。一方で、6ページに目を移していただきますと、相対取引契約の月別数量、それから、月末の累積の数量、比較的堅調というか、特に相対取引契約の月別の数量が2月のところで大きく伸びており、物の動きという意味では、かなり大きな動きが見られるということでございます。
    それから、9ページをお願いいたします。こちらは前回の審議会で複数の委員の皆様方から、近年の販売・購入の動向におけるふるさと納税ですとか、インターネットの通信販売を調べてみるべきではないかという御指摘を頂きました。私どもはその御指摘を踏まえまして、今般、米穀の出荷・販売事業者の皆様の御協力を頂きまして、今回、取りまとめ、御報告を申し上げるものでございます。
    令和3年度におけるふるさと納税の返礼用の販売は2.5万トン、インターネット等の通信販売につきましては9万トンということで、合わせますと10万トンを超える約12万トンでして、いずれも近年、増加傾向で推移していることがお分かりいただけるかと思います。コロナ禍における巣籠もり需要の増加、それから、運送の問題などからこの傾向というのは今後も伸びる可能性がございますので、ここで一旦、取りまとめて御報告させていただきました。
    10ページは先ほど御説明したので省略させていただきます。
    それから、13ページ、輸出でございます。米・米加工品、一番上の欄を御覧いただきますと、あられですとか煎餅、米菓、お菓子、日本酒なども含みますけれども、これらの2021年の輸出数量は4万5,959トンということで、対前年比で25.7%の増加、金額も524億円で同じく51.0%増加ということで大きな伸びとなっております。2022年に入ってからも、輸出数量では2万154トン、対前年比では14%、金額では233億円で同じく23%増となっております。
    一昨年に取りまとめられた農林水産物食品の輸出拡大実行戦略におきましては、米、パック御飯、米粉、米粉製品は、今後更なる輸出拡大が期待される重要品目の一つに選定されておりまして、2025年の輸出額目標は125億円、また、ターゲットの国・地域を香港、アメリカ、中国、シンガポールと設定した上で、達成に向けた課題、方策について整理しております。今後、需要拡大をしっかりやっていかなければいけませんが、国内需要の飛躍的な伸びがなかなか難しい中では、輸出はしっかり取り組んでいかなければいけない大きな課題だと思っておりますので、海外の需要開拓、プロモーション、それから、低コスト生産の取組、パック御飯の製造ライン、これは輸出も含みますが、こういったことの支援などに引き続き対応してまいりたいと考えております。
    次は18ページをお願いいたします。備蓄の関係でございます。令和3年産の備蓄米の政府買入れの入札につきましては、買入れ予定数量20万7,000トンに対し、第4回の入札で全量が落札されております。落札結果につきましては、現下の主食用米の需給動向などを踏まえまして、需要に応じた生産に向けて産地がその判断により、政府備蓄米に取り組んだ結果によるものと考えております。
    次、19ページをお願いいたします。ミニマムアクセス米の輸入状況でございます。国内の需要動向を反映し、用途限定のない主食用米にも回り得るSBSですが、2万1,000トンということで、昨年の6万トンから大きく落ち込んでいるのがお分かりいただけるかと思います。
    21ページをお願いいたします。こちらはCPTPP、いわゆるTPP11の交渉結果によりまして、豪州に与えた米の枠の運用でございます。2021年は枠数量6,240トンの数量に対しまして、その10分の1にも満たない620トンということでございます。今年に入りましてからは6月末時点でまだ実績はございません。なお、この枠につきましては、未消化分は翌年度に持ち越されることはございません。
    最後に22ページの水田活用の直接支払交付金についても少し触れさせていただきます。水田活用の直接支払交付金、令和4年度の当初予算で3,050億円ということでございます。需要に応じた生産、麦・大豆加工業務用を始めとする野菜などへの作付転換、それから、魅力的な産地づくり、こういったものを導入・定着を支援するものでございますけれども、予算としては非常に大きな規模の3,050億円となっております。
    このことにつきまして24ページでございます。今、申しましたように主食米の需要減少が止まらない中、主食用米からほかの作物への転換を進める予算ではございますけれども、今から6年前になりますが、平成28年6月、政府内の予算執行調査で指摘を受けました。ポイントは二つございます。米の生産が既にできない農地、これが一つ、もう一つは米を生産しようと思えばできるけれども、既に米以外の生産が継続している農地、この二つにつきましては交付対象から除外すべきだという指摘を受けております。
    これに対応して平成29年に、米の生産ができない農地、すなわち水稲の作付が困難な農地といたしまして、畦畔、湛水設備等を有しない農地、それから、用水供給設備を有しない農地については交付対象から外すという方針を固めまして、交付要綱を改正して施行しているわけでございますけれども、現場ではなかなか徹底できていないのではないかという指摘もございまして、今般、これを再徹底したというのがまず1点目でございます。
    それから、指摘の2点目でございますが、水田機能はある、すなわち水路、畦畔などはあるけれども、既に畑作物、米以外の生産が継続している農地につきましては、現場の課題を検証しつつ、今後、5年間に一度も水張りが行われない場合につきましては、交付対象水田としない方針というのを決定したところでございます。このことについては、産地から様々な御意見を頂いておりまして、私どもは現場にずっと入りながら意見を聞きつつ、冒頭に申し上げました作付転換、需要に応じた生産、これもお願いしながら、今回、令和4年産の需要に応じた生産・販売を推進してまいりました。
    それから、25ページでございます。昨年9月から全国会議を開催しつつ、地方にもお邪魔しまして意見交換を重ねてまいりました。本省対応、農政局・支局対応を合わせまして4,000回を超えております。主産県、北日本、東日本が中心でありますけれども、それ以外の県にもお邪魔していろんな意見交換をさせていただきました。その中で転換について需要に応じた生産を相当程度進めていただいたということのほかに、26ページ以下でございますけれども、今、申しました水田活用交付金、こちらの交付対象水田から外れる場合の課題把握・検証を進めているところです。
    5月に一旦、中間取りまとめをしまして、それを整理、公表したのが27ページ以下ですが、この7月中に今年度の分につきましては最終的に締め切り、取りまとめて、秋プロセスの中で具体的な交付対象水田の具体化、また、それに伴って必要となる対策を整理していきたいと考えております。27ページ以下に、実際に現場から出されている課題、影響、中間取りまとめの段階のものではございますけれども、整理させていただいております。
    細かな説明をここでは省略させていただきますが、事業をやっている場合はどうなのか、5年ではブロックローテーションが回らないのではないか、あるいは水張りの確認方法、実際に水を張る方法、それについての詳細な確認方法、それから、畑地化を進めたいけれども、現行の畑地化の支援だけでは不十分であると、こういうような声も頂いております。繰り返しになりますが、7月中に現場の課題を最終的に上げていただきまして、それを踏まえた検討を進めてまいりたいと考えております。
    私からの説明は以上とさせていただきます。
  • 宮島部会長代理
    この後、質疑応答でございますけれども、ウェブの方で少し音声が途切れたところがあったということですので、一旦、事務局にマイクをお返しします。
  • 中澤企画課課長補佐
    農林水産省の事務局ですけれども、冒頭について音声トラブルがあり、事務局から説明した内容が一部聞こえなかったということで、現場に出席いただいている方には繰り返しになってしまいますが、改めて、今日、大橋部会長が御欠席ということで言づてを紹介させていただきつつ、ウェブ参加の方にも御意見があれば伺いたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
    それでは、繰り返しになりますけれども、大橋部会長の言づてをもう一度、読み上げさせていただきます。
    「議事に入る前に、部会長代理であった根本委員が退任されましたので、改めて部会長代理の指名を行います。部会長代理は食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項の規定に基づき、部会に属する委員及び臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名することとなっております。部会長代理に関しましては、令和元年7月から本部会の委員をお務めいただいており、食糧政策にも知見が豊富である宮島委員を指名したいと思います。また、御承認いただける場合には食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項、食料・農業・農村政策審議会議事規則第3条第3項及び第8条に基づき、本日の議事の運営につきましても宮島委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか」とのことです。
    既に議事が始まっている中、大変恐縮ではございますが、音声トラブルということで改めてもう一度、ウェブで参加されている皆様にも御意見を伺えればと思います。異議などございましたら、御発言もしくはチャットで御連絡いただければと思いますが、いかがでしょうか。
    ありがとうございます。特段、コメントですとか、チャットの方でも異議はないと確認できましたので、それでは、このまま宮島部会長代理ということで議事の運営についても進めさせていただきたいと思います。
    それでは、宮島部会長代理にお返しいたします。どうぞよろしくお願いいたします。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。
    ここから90分ほど意見交換をしたいと思います。会場の方でもウェブの方でも、どなたからでも挙手をお願いいたします。馬場委員、お願いします。
  • 馬場委員
    いつも最初で申し訳ありません。まず、最初に確認ですが、前回までに示された基本指針から在庫が確定したことによって、需要量が702万トンと確定したということもありますが、併せて生産量が673万トンとなる見込みとの注意書きがされております。作付転換に尽力してきた結果ということで、生産量について、需要見通しの数字は675万トンになっていますが、現時点での見込みとしては673万トンという状況です。この状況は、言わば需給は一定の改善がなされているものと考えてよろしいのかということを再度、確認したいと思います。
    一方で、今年の6月末在庫は217万トンということで、持ち越し在庫も多いことから、4年産の需給価格の安定を図るためにも従前のような周年供給事業の拡充等をお願いしたいと申し上げます。また、今後の作況によって予期せぬ需給緩和が発生する場合、政府としても需給改善に係る支援の御検討をお願いしたいと考えております。
    生産現場では4年産の作付転換に尽力してまいりましたので、需要に応じた生産の努力が報われるような予算の確実な確保をお願いします。また、中長期的に見れば年々主食用米の需要は減少していきますので、令和5年産以降も地域の実情に応じて主食用米以外の作付転換を進めていくということが必要と考えております。
    そういう面では、水田リノベ事業の措置も含めて、作付転換の裏付けとなる、戦略作物助成や産地交付金など、水田活用に係る直接支払交付金の予算の確保、更に言いますと、昨今のウクライナ情勢など、今後の穀物情勢をふまえると、麦や大豆、飼料作物、飼料原料の国産代替といった転換について、それこそ畑地化の拡大も含めた抜本的な方針なり、万全な政策支援ということが食料安全保障の観点からも求められるのではないかと考えているところでございます。併せて日本の国民の食を守る食料安全保障の観点からも、令和5年産以降も堅実かつ安定的な備蓄米の運営をお願いしたいと思っております。
    最後に申しますが、これまで生産現場では2年連続の米価下落という中で、不安定な国際情勢により燃油、資材が価格高騰しており、稲作生産者は営農継続ができないといった声もあります。政府にはコスト高騰の影響緩和対策を講じていただいておりますし、JAグループとしても肥料原料の調達先の多元化や、堆肥など国内資源の有効活用、土づくり、適正施肥といった生産コストの抑制に向けた取り組みも、今後とも進めてまいりたいと思っております。
    併せて令和4年産米については、実需者に向けて米の適正な価格形成の働き掛け、更に消費者に対する理解醸成を行うことを進め、営農継続が可能となる適切な価格形成の実現と、国産米の消費拡大の取り組みを進めてまいりたいと考えています。国としても米の適正な価格形成の実現のための取り組みについて御理解、後押しをお願いいたしたいと思います。以上です。
  • 宮島部会長代理
    御質問があったようですけれども、三野課長、お答えいただけますでしょうか。
  • 三野企画課長
    馬場委員からの御質問、御意見、多くの部分が御意見、御提言だと承りましたので、その方向を受けて畑地化を含め、需要に応じた生産についてはしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
    説明と重なる部分がございますが、今の御意見、御質問にお答えさせていただきますと、6月末の作付意向調査の結果、4.3万ヘクタール減を基に試算いたしますと、御指摘のとおり平年予測の場合、673万トンということでございますが、需要見通しの692万トンよりも約20万トン少ない水準になりますので、この見通しでお示ししている分からしますと、需要を大きく下回る生産量ということで、単純に当てはめますということで申し上げますならば、需給の一定の引き締まり、それから、令和5年6月末の民間在庫は200万トンになることは先ほど説明の中で触れさせていただきました。
    また、これも繰り返しになりますけれども、特別枠による2年産米の9万トン、それから、周年事業による3年産米の40万トン、こういう調整保管を踏まえますと、市場環境は改善の方向に向かっていると、価格が大きく下がるような環境には現時点ではないと考えておりますが、もちろん、今後の天候、作況、それらを踏まえた価格の動向につきましては、しっかり注視してまいりたいと思っております。
    それから、備蓄に関しても御指摘がありましたので、本部会でこれまで議論されてきておりますことと併せて申し上げますならば、適正備蓄水準、これは今、100万トン程度となっておりますが、10年に一度の不作、作況92、それから、通常程度の不作、作況94が2年連続した事態でも、国産米による主食用米の供給ができる水準にしております。しかしながら、この100万トン水準を決めたのは平成13年で、このときは年間需要量が900万トンを超えておりました。現在は700万トン程度まで需要が減少しておりますので、これを引き下げるべきではないかという意見もこの部会の中では頂いているところでございます。ここで食料安全保障の観点からこの備蓄をどう考えるべきか。今後の議論の中で、これまでも役所の中ではいろいろ検討しておりますけれども、両論がございますので、引き続きの検討を進めていきたいと考えております。
  • 宮島部会長代理
    馬場委員、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
    では、ほかの方、御意見はいかがでしょうか。では、ウェブ参加の大桃さん、よろしくお願いします。
  • 大桃委員
    丁寧な説明をありがとうございました。今、令和5年6月末の民間在庫見通しが200万トンということで、需給的には200万トンより多いか少ないかで価格が決まってくると言われている中で、調整がうまくいっているのではないかなと感じております。ありがとうございます。
    そして、最近のウクライナの状況ですけれども、これから作物が届かない、又は不作が続いた場合に日本としてはどうしていくのかということ、あと、肥料などは、農家の方に対して、これから補塡をすることなどは考えていらっしゃるかということもお聞きしたいです。よろしくお願いいたします。
  • 宮島部会長代理
    大桃さん、すみません、今、音声が余りよろしくなくて、最後の御質問のところが正確に聞き取れなかったのですが、もう一回お願いできますでしょうか。
  • 大桃委員
    ウクライナの情勢もありまして、今、肥料が高騰しています。農家の方々は自分たちが農業を継続できないほど肥料の高騰が続いているということで不安を感じている方が多いですが、今後、この高騰が続く場合に国として補塡していく、又は補助していくということは考えていらっしゃるかということをお聞きしたいです。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。三野課長、お願いします。
  • 三野企画課長
    ありがとうございます。大きく分けて2点、御質問を頂いたと理解しております。
    まず、1点目の在庫の水準につきましては、一つのメルクマールとして200万トンでございますけれども、御指摘の向きによっては180万トンぐらいまで下げる必要があるのではないか。市場の見方は少し幅がありますけれども、私どもが需給見通しを作る上では令和5年6月末の民間在庫水準が200万トン以下になるようにということで、令和4年産のお米の生産量をどこまで調整、作付転換すればいいかということで進めてまいりました。その需給見通しでお示しした4年産米の生産量、現時点では作付意向を全国の協議会から報告していただいた結果、675万トンを下回る水準で実現が図られそうだということでございます。
    そういう意味では、一定の引締め効果を期待しているわけではございますけれども、すなわち民間在庫も過大にはならない、現時点では昨年より1万トン減ということですが、この出来秋の状況、天候、作況をよく見ていかないと現時点ではまだ確定的なことは申し上げられない状況です。引き続き販売、それから、作況、天候、この辺をしっかり見ていきたいと思っております。
    肥料対策につきまして、各資材の中でも肥料につきましては7月末までに予備費により対策を検討せよとの総理指示もございます。それを踏まえ、緊急的な対応としまして、正に今、肥料の高騰対策を検討しており、間もなく決定、公表される運びとなっておりますので、改めて御報告、御説明を申し上げたいと思っております。
  • 宮島部会長代理
    大桃委員、よろしいでしょうか。
  • 大桃委員
    ありがとうございました。
  • 宮島部会長代理
    何人か、お手が挙がっていらっしゃるので、次は会場の藤尾委員、お願いいたします。
  • 藤尾委員
    私の方からも質問させていただきたいと思います。まず、私の方からは参考資料1の基本指針の右下のHのところで04月05日年の主食用米の需要量のところ、692万トンと出ております。それで、昨年度は702万トンということで、10万トン需要が減ると試算されております。これは先ほど説明がありましたように今までのトレンドでの減り方で、そこから計算式で多分、出てきたのかなと思いますが、私自身は、この辺りは今の環境も入れていくべきじゃないかなと思います。
    皆さん、御存じのように今回のロシアのウクライナ侵攻により、小麦の値段の高騰、また、小麦粉を使う製品のパン、麺類、この辺りが影響を受けておりまして、その分、米は逆に3年産が大幅に下がりましたので、米の割安感というのが非常に出てきておりますので、この辺りが消費に対してプラスに働いているんじゃないかと我々は思っておりますので、ここの数字に対してその辺の環境の変化の部分も少し入れていただきたいなと思います。
    民間在庫については、この200万トンというところが多分ポイントになってくると思うんですけれども、先ほど大桃委員からもありましたように、確かに参考資料2の方の2ページ目のところ、ここを見たら多分、分かると思うんですけれども、200万トンを切っているときは値段が1万5,000円台とかで推移しているということで、200万トンを切って190万トン、180万トンになれば、1万2,000円台まで落ちているお米が1万5,000円台まで上がればということで多分、議論がなされていると思うんですが、ですから、今回のこの指針もそうですけれども、ここの部分に関しましては今後の4年産の価格に影響を及ぼすんじゃないかなと思っています。
    この2ページの動向というのは多分、皆さん、例えばスーパーさんとか外食産業さんとかバイヤーさんとかも知っていると思います。ですから、ここは逆に需要量のところをもう少しポジティブに考えて、在庫200万トンがもう少し切れるというふうになれば、価格に対しての影響がプラスに働いてくるんじゃないかなと思います。
    それがまず1点と、もう1点は先ほど大桃委員からもまた馬場委員からもありましたように、肥料だけじゃなく資材など全てが高騰しております。ですから、この部分を考えると米の値段を上げないと本当に生産が持続できない状態に陥ると思います。逆に生産量が落ちることによって在庫が減ることにつながっていくので、一時的にはいいように思うんですが、ここも食料安全保障で考えた場合に本当に10年後、20年後、30年後を見据えたときに、果たしてそれでいいのかと。
    農業就農者は今、130万人まで減っております。この25年間で300万人ぐらい減っているんですよね。その上、農業就農者の平均年齢は68歳、また70歳以上が農業就農者の50%以上を占める。ということは、10年後はどうなるんだろうと思うんです。急激に減るんじゃないかとか、20年後だったら今の半分になっているんじゃないかとかいう問題も出てくると思いますので、需給が今年から逆転しているというふうに今、課長の方から説明がありましたけれども、もっと開いてきたらどうするのかということなんです。需要の方はそんなに落ちないのに、生産ばかりがどんどん落ちていってということも考えていくべきじゃないかなと思いますので、その辺りも含めて御意見を頂きたいなと思います。
  • 宮島部会長代理
    これに関しまして、三野課長、お願いします。
  • 三野企画課長
    御意見、御指摘をありがとうございます。
    まず1点目の692万トン、この推計方法は回帰式、トレンドに乗って過去の1人当たりの需要と人口推計から出しているというのは全く御指摘のとおりでございます。ここから先の来年までの需要をどう見通すかということは非常に難しいですが、昨年、社長にも御協力いただきまして特別な調査を10月までと1月までにやりまして、そこからプラス0.65%、それから、プラス1.21%ということで、ベースは702万トンだったところ、そこから0.65%の増加についてはプラス4万トン、1月まで引っ張ったときは1.21%の増加で、これは単純に引けば709まで伸びるということで、正に卸業者の皆様の御協力、調査の結果から、足元の状況が分かったわけでございます。しかし、3月の食糧部会で審議を頂くときにオミクロン株の急拡大がまたございましたので、ここは堅めにいこうということで702~709ではなくて702~706でお出しして、結果、今回は702だったということでございます。
    この先、どうなるかということに関しましては、昨年から今年にかけて御協力いただいた調査の実施も含め、より足元の実情に近い正確な数字をお示しできるようなことを考えていきたいと思っているところでございます。
    それから、2点目の御指摘につきましては、国が平成30年産から配分をやめまして、正に産地において、農家、生産者、それから、団体の皆様が需要に応じた生産ということで、市場の状況を見ながら、支援策も使いながら、どういったものをどれぐらいの価格で、どれぐらいの量を供給していくかということをお考えいただくという方向に政策が変わりまして、それを私どもは支援策で後押しさせていただくことに変わりました。
    そういった中で法律の規定は当然、まだ残っておりまして、基本指針の中で需給見通しをお示しさせていただくわけでございますけれども、それを踏まえて、需要に応じた生産、もちろん、米を作ってはいけませんということでは決してなくて、需要が減る中でも一定の需要はきちんとあるわけでございます。需要の中には海外の需要も含みます。ですので、お米を作る場合は付加価値を付ける、あるいはコストを下げる、こういったことに取り組んでいただきながら需要に応じた生産、それは畑作物の生産も含みますけれども、需要に応じた生産というのをより強力に推進していきたいと考えているところでございます。
  • 宮島部会長代理
    藤尾委員、大丈夫でしょうか。
  • 藤尾委員
    もう1点だけ御質問したいんですが、参考資料2の9ページなんですが、前回、ふるさと納税のことを言わせていただいたんですけれども、今回、農水省の方でお調べになっていただきまして誠にありがとうございます。ただ、この数字に疑問を感じておりまして、上と、下の参考というところがあるんです。参考は平成28年で2万3,700トンというふうになっているんです。これは2016年ですよね。それで、上で2019年になると逆に減っているんです。多分、調査の仕方が変わっているからだと思うんですが、減っていることはまずないと思います。
    それで、これから考えると平成27年から28年が1万トン増えているんですよ。ということは、単純に考えると2019年のところに対しても1万トンずつ増えていると考えれば、3万3,000トンぐらいになっていると考えられるので、ひょっとしたら、21年のところは今、2万5,000トンになっていますけれども、逆に6万トン、7万トンになっているんじゃないかなというふうに考えられるんですが、その辺りについて御説明をお願いしたいなと思います。
  • 宮島部会長代理
    お願いします。
  • 三野企画課長
    前回の部会で指摘を頂き、初めての試みの調査の概要はここにお示ししているとおりでございますけれども、玄米の取扱い数量年間500トン以上の事業者、1,300事業者の御協力を頂きました。それから、期間を遡らずに、業者の皆様の負担も考えまして3年間ということにさせていただきました。おっしゃるように、これを更に遡って27年、28年まで遡ってお調べいただいた数字を頂ければ、今、おっしゃったような数字になった可能性はございますけれども、御協力いただく皆様の負担も考えて3年間ということにさせていただきました。
    まだ、これが完全なものだとは思っておりません。率直に申し上げますならば、今回、アンケートをお願いして、その数字を素直に取りまとめているものですので、今、おっしゃったような問題点、課題があると思っております。ふるさと納税返礼品やインターネット販売は非常に重要な物の流れの一つになってきておりますので、この調査の精度をどう高めていくかの検討をしてまいりたいと思っておりますので、今回はすみませんが、こちらでご容赦いただければと思います。
  • 宮島部会長代理
    よろしいでしょうか。
    では、次にウェブでお待たせしました、山田委員、お願いいたします。
  • 山田委員
    まず米穀の価格安定に関する基本方針案につきましては、御説明いただいた内容で特段の異議はございません。私の認識としては、前回、前々回の食糧部会において、今後の見通しという中で702万トン~706万トンで本当に進むのかという議論がり、もう少し低くなるのではないかという意見もあったかと思います。今回この想定の範囲で決着したことは需給において、一定の改善ができたものと考えています。こうした結果は、作付転換が強力に進められ、またそのご尽力の結果と思っております。たしかに令和4年6月末の民間在庫が217万トンは多いですが、前年よりは1万トン減ったということで歯止めが掛かっていると私自身は見ております。価格水準は先ほどの皆さんから御指摘のように下がってはいるのですが、今の需給バランスの範囲内であり、極端に落ちているようには見ておりません。但し、先ほど馬場委員がおっしゃられたように、コストインフレの影響が確実にありますので、この価格帯で本当にいいのかという議論はしていかなければならないと思います。
    先ほど藤尾委員から、需要について話がありましたけれども、1人当たりの消費量は55.9キロと、今回は歯止めが掛かっています。コロナの影響を踏まえた中身の検証も必要ではないかと思っております。
    私どもの小麦粉関連では、ホールセール関連の食パンの販売数量が前年から大きく落ちています。パン類は小麦粉価格の高騰もありまして、本年1月と7月に、値上げをしておりますので需要が減少していると見ております。一方、コンビニのおにぎりなどは需要が堅調に推移しております。小麦については先ほど来のウクライナの問題もありまして、相場の高騰や円安の影響を受けております。次回の10月の麦価は、価格がさらに上がる見込みではないかと思っております。その場合、パンを含めた小麦粉二次加工品の再度の値上げが十分考えられます。私どもとしては頭が痛いのですが、小麦粉の需要が落ちると思っていますし、逆に言いますと、米の需要についてはプラスに作用すると見ております。先ほどコストインフレによる価格の引き上げの話もしましたが、一方でこうした需要の影響が、価格水準に今後どう影響していくのかバランスを見極めていくことが重要と考えております。
    これは質問ではなくて私の意見ですが、どうしても議論が結果論になっていると見えます。結果こういう需給だった、だからこうなりますは理解できるのですが、今後どうすべきかという話で、例えば本当に適正な米の価格水準はどこなのか、そのための理想の需給バランスは、どこをターゲットにして、そのために何をしたらいいのかという点についてフォーカスした議論も必要じゃないかと私は個人的に思っております。確かに難しいとは思いますので、あくまで意見としてご理解ください、以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。
    御意見に関しましてはお三方ほどに頂いてから、課長に伺いたいと思います。では、次にウェブの平田委員、お願いいたします。
  • 平田委員
    平田でございます。まず、報告内容ですけれども、これまで皆さんからもご意見がありましたとおり、6月末の民間在庫200万トンというのは少し安堵しているところですが、農家からしますと豊作になるとこの200万トンが上振れしてしまうということからすると単純には喜べない。先ほど馬場委員から予期せぬ需要緩和という言葉がありましたけれども、ちょっと複雑だなという心境です。ただ、先ほど藤尾委員が触れておりました基幹的農業従事者の統計の件については、御指摘のとおりで、高齢化率が確か過去最高であって、70歳以上が6割というような報道がされたと思っています。これは何もしないでいると、御指摘のとおり10年後に今から更に半分になってしまうということであります。
    地元の新規就農者を見てみますと、新規就農そのものは好調ですけれども、増えている中身を見るとほとんどが法人形態への就職就農のようです。つまり、残された少数の担い手が経営の改善強化を目指して法人化をすると。そこで、その経営の中で農業界以外からリクルートするということと、それから、大量に放出される農地を維持するということ、それを一手に引き受けているという形になっていると思います。
    一方で、これまでの兼業家族経営と比べると、法人経営になりますと当然、少しシビアに成績を求められるという側面があります。その意味では、令和3年の米価下落というのは非常に影響が大きかったのだと思います。繰り返し指摘されているとおり、資材価格が急騰している令和4年産ですから、多少であっても米価の回復がどうしても必要ということについては、藤尾委員から指摘されたのを僕はありがたく聞いておりました。一時的なのかもしれませんけれども、需要の減少が少し鈍化したというのはよかったなというふうに思っていますが、それは目の前の危機を避けられたということなのかもしれませんけれども、状況が改善してはいないんだろうなと思います。
    作付意向の内容を見ると、飼料用米とWCSが増えているように見えます。どうしても現場にいますと生産調整の目安というか、情報が入ってくるのが種の注文が終わってからなんですよね。そうすると選択肢が狭まってしまって、小麦の転作が難しく、WCSを選ぶことになります。その結果が出ているんだろうなと思いますが、そこを何とか脱して本作化といいますか、つまり、転作、生産調整ではなくて自分たちの長期ビジョンの上に立った新しい作物の育成をいかにするかということを更に言いたいんですけれども、行政主導ではなくて現場の経営者発でそういう動きが出てくるということが求められるのではないかなと思います。
    非常に手厚くしていただいているセーフティネット施策もあります。これらの普及も併せて、農業界全体が、経営体数が少なくなる中でも、強靱化していくということが非常に急いで求められているんじゃないかなということを現場で感じておりましたので、御報告しました。以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。では、山崎委員、よろしくお願いいたします。
  • 山崎委員
    今日はありがとうございました。
    私からは1点お伺いしたいんですけれども、今、ロシア、ウクライナの影響で小麦製品の価格が上昇している中、一般家庭などで小麦から米需要へのシフトも起きているのではないかと思います。また、パン製造の面でも米粉の需要が増してくるのではないかと思いますが、こういった状況も見込んでの数量なのかということをお伺いしたいのと、あと、数字なんですけれども、今後の作況によってもコロナの影響によっても変わってくると思いますので、適宜、検討することが必要なのではないかと思います。以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。では、よろしくお願いします。
  • 三野企画課長
    順不同になるかもしれませんが、今、御意見、御指摘いただいたことについてお答えを申し上げます。
    まず、長期ビジョンを示した上で、経営者発で需要に応じた生産をというのは正に私ども行政が今、進めている政策の方向性そのものでございます。国会が6月に閉じましたけれども、色々な議員、先生方から御質問いただく中で、主食用米の減少に伴う作付転換をどうするかというときに、私ども農林水産省、政府が一貫して申し上げていたことは、収益性、定着性が高い作物への転換ということでございます。具体的に申し上げますならば、戦略作物の中でも、麦、大豆、それから、飼料作物への転換をお願いしたいということで、先ほど全国4,000回以上の説明会をということを申し上げましたが、その中でもそういったことをつぶさにお願い申し上げ、かつ、それに対する支援策も講じさせていただいております。
    私からの冒頭の説明の最後でも少し触れさせていただきましたが、水田活用の直接支払交付金、こちらも正に畑地化、水田機能を失っているところに払うということは今後、現行ルールの関係でもできませんし、畑作物が定着しているところについては畑地化やブロックローテーションを検討いただきたいというのは、正に今、平田委員から御指摘いただいた方向そのものでございます。これも今後、強力に推進していきたいと考えているところでございます。
    それから、山崎委員から、実際には米の需要が回復しているのではないかと御指摘いただきました。参考資料1の2枚目を御覧いただければと思います。いろいろな海外情勢、それから、先進国を中心とするインフレ、円安、こういったことの影響が足元で出ておりますが、それ以前も国内産の米穀の価格低下、それから、在庫の積み上がりなどにより、令和02月03日年、それから、03月04日年のところの1人当たり消費量のところを御覧いただきますと、速報値で令和03月04日年が55.9キログラムということで、僅かではございますけれども、前年よりも上昇に転じているところです。
    今年の推計値は過去トレンドで見ますと、こういった形で僅かに下がることになっておりますけれども、先ほど藤尾社長から御指摘いただきましたように足元の状況、これは必ずしも今後の推計値については反映できておりませんので、直近の状況を反映できる努力を今後もしてまいりたいと思いますし、この基本指針は7月に策定いたしますが、11月と3月に2回、改定するということが法律及び政令で決まっております。ですので、11月の段階では作況も出てきますので、生産量のところがまず変わってきます。需給見通しに速報値らを反映していきますので、11月、3月に需要をどう反映していくかというのを今の御指摘を踏まえてしっかり検討して、また、この部会で御議論いただけるようにしていきたいと考えております。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。続いて、稲垣委員、お願いします。
  • 稲垣委員
    ありがとうございます。まず、本題の需給見通しの話ですけれども、今、いろいろ御意見がございましたけれども、私自身の意見としては需要も目標もそれぞれ上振れ、下振れのリスクはあるんだろうと思うんですけれども、現時点の情報を基に判断すれば、これは上振れ、下振れのリスクが両方ともバランスが取れて、200万トンという適正な在庫を見込んでいるわけですけれども、現時点ではぎりぎり適正なものだろうと思っております。
    リスクの話についていいますと、供給サイドでは作付意向の方は馬場委員からもお話がありましたけれども、非常に御努力されて現時点では十分な生産調整がされたということだと思います。平年作ということであれば、こういう供給量ということだろうと思います。
    ここから先は取らぬ狸という話ですけれども、副大臣からの御挨拶もありましたけれども、北海道で梅雨みたいな状況が続くとか、非常にここのところ天候が不順であって、その影響が懸念される一方、今から勝負時ですが、米にとっては大変な猛暑は余りよくないんですが、日照はしっかりしていますし、水不足の方もどうもそんなに心配はなさそうだなということであれば、豊作が必ずしもという御意見もありましたが、価格のことを考えればそうなんですけれども、豊作の可能性もあるのかなと思っております。いずれにしましても、ぎりぎりの適正在庫という200万トンぐらいの見込みでございますので、作況いかんによってはまた上振れてしまう可能性はあるのだろうとは思っています。そのことは頭に入れておいていただきたいなと。
    需要についていえば、これも見方はいろいろあるんですけれども、参考資料1の2枚目の方にあるように、ここのところのトレンドは回帰式でもそうですけれども、見ていくとコロナの影響があって大分不安定になってきているということなんですけれども、平成から令和に掛かる辺りのところから長い目で見ると702万トンという数字はほぼ中期のトレンドに戻った、出発点に戻ったという感じが、私はそう見ます。特に参考資料2に販売数量の資料がありますけれども、これも中食とか外食が戻っているということだと思うんですけれども、これもコロナの反動で、トレンドとしては恐らく続かないだろうなと見るべきだと思いますし、残念ながら中期で見ると食生活の変化に加えて高齢化が進行するということで、私個人のことを言って申し訳ないんですけれども、お米は食べるのも飲むのも大好きでございまして、ただ、大食らい、大酒飲みの私でもやっぱり歳を取りますと、はかはいかないということでございます、年10万トン減というのはやむを得ないトレンドではないかと考えております。
    一方で、足元のことを言いますと、下振れの要因としては、需要者の要因としては第7波の影響が心配されるというところかと思います。一方で、中食や外食用の事業者向けの増も今しばらくは続くかもしれないということと、先ほど御指摘があった、これももう少ししてから見なければいけないんですが、私は実を言うと余り大きな効果は期待できないんじゃないかと個人的には思っているんですけれども、麦からのシフトというものも何がしかはある可能性はあるなというように思っております。
    そこで、本題でもないんですが、米の需給にも関わってきますので、麦の話について一言、言わせていただきます。非常に不安定な価格動向の中で、関係者の皆さんは大変御苦労されているということですが、私も昔、役人をしておりましたので、農水省事務方に申し上げるのは大変気の毒なような気もするんですけれども、これだけは言っておかざるを得ない。10月期の麦の価格改定につきまして、ルールどおりの改定から抑制するという話が、参議院選挙の中で出てきたんだと私は認識しておりますけれども、これは言語道断な話だと思っております。インフレで国民みんなが苦しんでいる中で、何かやったということにしないといけないということで、ちょっとやっちゃいましたみたいな話なんですが、結果として誰も喜ばない施策じゃないかと思っています。
    パンとか麺とかに占める小麦価格はそんなに大きなものじゃない。むしろ、今、大変なのは、輸送費だとか包装費だとか燃料費とか、そういったものの増が大きく影響していると。そんな中でちょっとだけ根拠なく抑制しても、本当に消費者が実感できるようなメリットがあるのかと思います。それから、他方、もっとけしからんことはやらないでくださいねという話なんですけれども、小麦価格を抑制したからといって、事業者がほかの増で苦しんでいるのに、製品価格を抑制してくださいと、こんなことはとんでもない話、あまりに酷な話だと思います。インフレの中、価格転嫁にみんなが苦しんでいるわけですから、それをむしろ進めるべきであって、妨げるようなことはやってはいけないと思っています。
    それから、価格弾力性はそんなに高くないんじゃないかと私自身は思っているんですけれども、足元の米の需給のことも考えれば、麦価格もきちっと上げることで何がしかの米の方への需要シフトというのを期待しないわけではないというところかと思います。ここのところの足元の小麦、私もつぶさに見ているわけじゃないんですけれども、在庫なんかの状況だと思いますが、国際価格の高騰も少し一服してきたかなというところもありますし、これもよく分からないんですが、ウクライナの輸出が再開するかもしれないと言っておりますので、これにも期待していまして、10月の改定までに少し収まってくれれば有り難いなと思っています。
    あともう一つ、政府備蓄の話がございました。これは質問なんですけれども、参考資料1の2枚目の数字を見て、21万トンを買い入れて販売量が13~21万トンということだったんですが、適正備蓄が100万トンということになっていて、これ自体、先ほども三野課長からお話がありましたが、需要減を考慮するとどうかなと思うんですが、少し在庫を積み上げようと思って13万トンという下の数字を出しているのか、それとも実際に売却に苦労されているので、正直に言ってこんなものという数字にされているのか、そこのところをお伺いしたいですし、特にコンスタントに売っていかないと販売ルート、またすぐ21万トンに戻すことはできませんから、きちんとやる意味でも余り積み上げとかは考えずにやっていった方がいいと思います。
    そこを心配しているというところと、特に備蓄の数量に関していうと、これから食料安保の話、これは重要な話だと思っています。この話が出てくると安易に備蓄を積み上げろという話になって、結局、施策としてむちゃくちゃになってくるという可能性もありますので、御注意いただきたいと思います。
    最後に、水田活用の直接支払交付金につきまして、最近、私はネットの記事を見まして、直接支払交付金をもらうために大豆畑を水田にしなければいけないということで、来年、また大豆畑に戻すと排水設備を作らなければいけなくて、金が掛かってやっていけないという記事で、すぐこれは大変だと同情してしまったんですけれども、よくよく考えてみると変な話で、何で水田でもないところにお金を出さなければいけないんだということだと思うんです。純粋に畑作でやっている大豆農家と比べても、何で水田でもなくなってしまったようなところにお金が出ていくんだというのは説明がつきませんし、言葉が過ぎるかもしれないんですけれども、水田でもないところに水田の交付金を出すというのは、最近、問題になった持続化給付金の詐欺じゃないですけれども、要件に合わないところに出せというのはひどい話なんだろうと思っています。
    米の生産調整を始めて半世紀が経っています。構造改革していなければおかしいんです。これができていないということは、今は3,000億、前はもうちょっと多かったときもあると思いますけれども、そういうお金を毎年毎年出し続けているということは、なかなか説明がつかないのではないのかなと思っています。企業の平均寿命というので30年説というのがあるらしいんですけれども、農業と企業とまた単純に比べるのも乱暴過ぎるとは思いますけれども、半世紀が経って構造が全然変わっていないと言われるのは、それなりに変わった部分もあるんですけれども、いかがなものかなと。少なくとも水田でないものに補助金の支払を継続する、これだけは是非ともやめていただきたいと思っています。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。今、御質問もありましたので、最初に三野課長、そしてその後、平野課長にもお願いいたします。
  • 三野企画課長
    備蓄運営について御質問いただきました。先ほど馬場委員の御指摘の際も申し上げましたが、適正備蓄水準についてはいろいろ議論があるところでございますので、今後も政府部内でしっかりと議論してまいりたいと思います。結論から申しますと、13~21万トン、それから、91~99万トンの幅を持ってお示ししておりますが、近年、6月末の政府備蓄米の在庫は91万トンということでずっと推移しておりますので、販売量も契約数量に見合った、すなわち毎年の主食用米の供給に必要な21万トンに見合った販売を実現した結果、91万トンで推移しており、これが上振れしているということは現状ございませんので、今後もそのような運用をしていきたいと考えております。
    水田活用交付金については非常に現場から多くの声を頂いております。7月末までに課題を取りまとめて、一定の方向性、対策、それから、交付対象水田のルールの具体化、これを示したいと思っておりますが、現状を申しますと、現場を回りますとまだ50年前のこと、政府に我々は協力してきたんだと、それなのに交付金の交付の仕方を変えて、国ははしごを外すのかという御意見をたくさん頂きます。こういった生産現場の感情があることは事実でございますので、私どもはきちっと丁寧に、かつ事実と理屈で誠意を持って説明し、この見直し、ルールの徹底の方向性を御理解いただくべく、引き続き努力してまいりたいと考えております。
  • 宮島部会長代理
    平野課長、お願いします。
  • 平野貿易業務課長
    貿易業務課長の平野でございます。
    輸入小麦の政府売渡価格につきまして、御意見、御指摘を頂きましてありがとうございます。御案内のとおり、輸入小麦の政府売渡価格につきましては、年2回、4月期と10月期、価格を改定しているところでございます。次回10月期の政府売渡価格に向けましては、9月第1週までが算定期間でございまして、引き続き小麦の国際価格等の動向を注視しつつ、改定に向けまして対応を検討してまいりたいと考えております。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。続いてウェブの方々など御発言はいかがでしょうか。では、最初に岩村委員、お願いいたします。
  • 岩村委員
    今、御紹介にあずかりました経団連常務理事の岩村でございます。今回、初めて参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
    まず、本日、お示しいただいた需給見通しについて異論はございません。その上で1点御質問、音声が冒頭の御説明のときに途切れてしまったので、御説明がもしあったら恐縮ですけれども、輸出の拡大について様々市場開拓であるとか、プロモーションであるとか、支援の拡大について対応されているという御説明があったかと思うんですけれども、個別の産地であるとか個々の企業とかで一生懸命努力してもなかなか限界があるものですから、具体的にどういう支援の拡大をされているのかを教えていただければと思います。以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。課長、お願いします。
  • 三野企画課長
    御質問をありがとうございます。
    まず、生産者、産地側に関しましては新市場開拓用米ということで、水田活用交付金の中で、もちろん、これは輸出だけではございません、WTOルールとの整合性を慎重に見極めまして、新たな市場を開拓するためのお米の生産、販売を、水田活用交付金の中で支援させていただいているというのが1点でございます。
    それから、今後、更なる増加を目指していくためには、輸出先国・地域の市場の調査や販路開拓をしっかり進めていかなければいけません。しかも品目ごとの特性は全く違います。同じお米でも粒とパック御飯、それから米粉、それぞれ違いますので、現状、今日、藤尾社長も御出席いただいておりますけれども、おすし、レストランなどにつきましては、香港、シンガポール、こういったところでも販路が拡大しておりますが、これまでの日系のレストラン、おすしなどから現地系のレストランチェーンなど、これまで輸出事業者が進出していない地域に新たな市場を開拓していきたいと思っておりますし、今、申しましたパック御飯や米粉につきましても、規模の大きいアメリカですとか、そういったところにもまだまだ開拓の余地があると思っております。
    ですので、今、申しました産地への支援、それから、流通、市場開拓を、個々の企業、ましてや産地だけの取組では厳しい部分がございますので、それぞれの調査ニーズ、事業ニーズを踏まえて後押しをしっかりしていきたいと思っております。海外の市場の棚を日本同士で取り合うことがないように、全体のパイを広げていかなければいけません。これは正に国の役割だと思っております。米につきましては法律も改正されて通りまして、輸出のための団体も今後、認定の手続を進めまして、オールジャパンでの取組をしっかり進めていきたいと考えております。
  • 宮島部会長代理
    岩村委員、よろしいでしょうか。続きまして、ウェブ参加の二村委員、お願いいたします。
  • 二村委員
    ありがとうございます。途中からの参加で失礼いたしました。
    基本的に御提案いただいた見通しの内容については、伺っている範囲でありますけれども、妥当な数字だと思いますので、よろしいかと思っています。その上で質問があります。 作付の取組の状況の表を見せますと、結局、飼料用米に転作されて、そこで吸収されているという感じがいたしました。今、輸入飼料の価格がすごく上がっていると私どもも聞いていますので、国産の飼料を増やしていくということ自体はすごく大事なことだと思います。ただ、これは水田の側から見ると主食用米から飼料用米に切替えたということで、この先、国産飼料の自給率をもっと高めていくことになると、この場だけの検討ではなくて、畜産であったり、それ以外の例えば子実コーンなどと併せてどう自給率を上げていくという議論が必要になってくるかと思いました。飼料用米全体の使われ方の構造を強くするというか、国産飼料の展開を強くするというような観点での検討も必要ではないかと思いましたので、その辺りについて情報を頂ければと思いました。
    それから同じような理由で、米粉についても以前に比べるとスーパーなどでも手に取れるようになってきた感じはありますけれども、普通の消費者が普通に利用するということでいうと、流通上の課題ですとか、あるいは加工するときの産業としての課題みたいなものがまだまだあるのではないかと思います。この辺りはどう検討されているのかということも教えていただきたいと思いました。結局、水田をどううまく使って、もちろん、大豆や麦などに転作するというのもあるのでしょうけれども、数字を見ている限り、何らかの形でできるだけ米を作るという流れは生産のところでは強いのかと思います。そこを支援していくような施策が重要になってくるのではないかと思いましたので、飼料用米と米粉について質問させていただきます。
  • 宮島部会長代理
    御質問ですので、三野課長、お願いします。
  • 三野企画課長
    まず、飼料用米、飼料政策の観点からの作付転換について御質問いただきました。今の二村委員の御質問の趣旨は、作付転換を、水田政策・米政策ではなくて飼料政策から見た場合にどう評価され得るのかという御質問だと理解いたしました。
    ポイントとしましては、粗飼料、濃厚飼料、それぞれ飼料自給率というのを基本計画の中で定めております。粗飼料、牧草などの草、こちらは既に現在でも76%の自給率がございまして、更に上を目指していくということになっておりますが、問題は飼料用米、それから、子実用トウモロコシなどの濃厚飼料の方でございます。こちらについてはほぼ全量を海外輸入に頼っている状況で、こちらを上げていこうという目標も同時に定めておりますけれども、莫大な財政負担を伴うということが一つでございます。そして、令和12年度までに70万トンという目標を立てて推進しておりましたけれども、主食用米の価格動向により、転換が近年どんどん進んでおります結果、8年後の目標が間もなく達成する段階にまで圧倒的に早くに来てしまっております。
    飼料自給率という観点だけから見れば、積極的な評価も可能だとは思いますけれども、政策の費用対効果、それから、幾つか飼料用米につきましては問題点もございまして、話合いを早期にして、定着性、収益性が高い麦、大豆、加工業務用の野菜などに高収益作物の方に転換を我々は図っていきたいと考えておりますが、例えば話合いが遅れて一般品種を作付けた結果、作付転換ではなくて仕向け先を転換することによって飼料用米の方にいくと。5月、6月になってから価格動向などを見ながら、主食用米を出荷する予定だったのが、飼料用米にいってしまうというようなことも実際に起きています。この評価については、率直に申しまして政策としていかがなものかという指摘もございまして、先ほど来、申し上げておりますように需要に応じた生産の需要とは何か、圧倒的多くの財政負担を投じて需要を作り出すようなことが果たして持続的なのかという指摘も頂いているところでございます。
    一方で、足元の需給を考えますと、主食用米がどんどん増えるようなことがあっては、今日、議論いただいております需給見通し上の生産量の見通しは上振れしてしまいますので、そうなると在庫が積み上がり、価格は非常に厳しいことになるという面もございます。そういったことも重ね合わせながら、飼料用米政策の在り方については引き続き議論していきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。米粉については東野課長の方からもよろしいでしょうか。
  • 宮島部会長代理
    東野課長、お願いいたします。
  • 東野穀物課長
    穀物課長の東野でございます。 米粉につきましては、今、非常にチャンスだと思っております。この機会にしっかり伸ばしていきたいと思っておりますけれども、実は米粉に本格的に取り組み始めました平成20年代につきまして、需要がそれほどまだないにもかかわらず、川上から旗を振ったことで需要を大幅に上回るような生産が継続して行われた結果、生産者の段階、あるいは流通・製粉の段階で行き先のない米粉用米を抱えて、その後数年間、その在庫の処理に苦労したということがございました。その結果、長い間、米粉用米については取組が停滞したという苦い経験がございます。このために川下の需要から拡大していく必要があると思っております。
    今、小麦が高くなっておりますけれども、小麦の代替として米粉を普及すると、小麦の価格が元に戻ったときに米粉の需要がまた元に戻ってしまうということがありますので、小麦の代替という面もございますが、消費者に進んで選んでいただけるような米粉ならではの特徴を活かした製品開発というのが大事なんだろうと思います。川下の需要を伸ばすことに伴って国産米粉の生産も増やしていく。そういう順序でやっていく必要があると思っております。今回、予備費でたくさん予算も付けていただきましたけれども、まずは食品製造業者の方にそういった米粉の特徴を生かした製品づくりを後押しするような支援をしております。これに伴ってもう一度、米粉をしっかり伸ばしていきたいと思っております。
  • 宮島部会長代理
    よろしいでしょうか。ありがとうございます。では、続きましてウェブの金戸委員、お願いいたします。
  • 金戸委員
    御説明いただいた数量の説明と今年の見込みにつきましては理解いたしました。10月、11月の取れ秋の数字を見てからだと思います。需要見込みに対して生産量を絞り、価格を上げる方向へというのは、現在の物価上昇の中で生産者の収入も安定させたいという意向は当然だなとは思います。一方で、生活者の感覚としては様々な食材や燃料費が上がっている中で唯一、お米は安定しているという消費者から見て良いイメージ、買い得感は薄れるだろうとは思います。 米の消費を喚起したい中、今年の新米以降、仮に豊作でも値段が上がるという状況が予想されますが、例えば前年産米が当年産米よりも価格的にはかなり買い得感が出るような消費者へのサポート対策があると良いと思います。コンビニでもスーパーでも色々なものが1か月、2か月前に比べ、次々に値を上げてきている。その中において、この商品は上がりませんよとアピールできる品目が店頭にあると、その印象は効果的だろうと思います。
    それから、資料2の3ページのところも、小売等の分類ごとの数量のパーセントが昨年比較との推移で載っていますが、実績値が載っていないので下段の購入数量の推移とうまく整合しているのかがよく分からないと思います。販売数量の動向も前年産米と当年産米を区分して表示されると理解がしやすいと思います。当年産が欲しい人はきちんと当年産を購入できる、前年産を買いたい人は買い得感とともにそれも購入できるというようなことを消費者にアピールできると良いと思いました。以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。御意見ですので、お三方でいきたいと思います。この後、最初の御発言になります菅原委員、お願いします。この後、山波委員にいきたいと思います。では、菅原委員、お願いいたします。
  • 菅原委員
    途中参加ですみませんでした。
    私は、数字に関しては需要がもうちょっと伸びてほしいなという気持ちはあるんですけれども、この数字で妥当なのかなと思っています。現場では対策も進んでいて大豆も増えていますし、飼料用米やWCSがすごく増えているなと感じているところです。私たちは契約栽培でお米を生産しているので、全部を転作するのはなかなか難しいところではあるんですけれども、可能な限り、今、努力しているところです。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。では、続きましてウェブの山波委員、お願いします。
  • 山波委員
    山波です。本日もよろしくお願いします。
    先ほど来、三野課長から御丁寧な説明をありがとうございました。私の方からも簡潔にお話させていただきますが、私も委員になって1年、3回か4回、出席させていただきまして、令和4年の需給の見通しというのは11月からずっと議論していただいている中で、今回、需給見通しを出していただいた。これについては非常に緻密なデータを出していただきながら、今の数字を出していただいておると思いますので、適正であると考えております。
    その中で意見をお話ししたいと思うんですけれども、本当に今回、この需給をきちっと私たちが思い描くところへ適正に持っていくのに数年は掛かるであろうという想定の下に動き始めたところが、農水省の皆さん、また、関係者の皆さんの色々な御努力により、このように今回、4.3万ヘクタールの目指すべきところを超えたということで、本当に一生産者として感謝を申し上げます。その中でも本省の方々、それから、各支局の方々が現地へ出向いてきちっと状況を説明していただいた結果、資料2の11、12ページにあるように、令和3年に作付転換がなかなかできなかったところがその説明を受けて、その意向を酌んできちっと作付転換がなされた、こういうデータになっているんじゃないかなと思います。
    ただ、この中で先ほど来、皆さんからお声も出ていますけれども、資料2の10ページを見ていただくと、どうしても作付転換しやすいものになって、ここでいえば飼料用米というのが45県ということで圧倒的なものになっているんですけれども、この流れがずっと変わっていないというのは一つ、これから皆さんと御議論しながら改善を図っていかなければいけない部分だと思います。先ほど来、トレンドで需要が10万トン減少していくこと、これは誰も否定はできない流れなのではないかと思いますので、短期的に今することと、長期的に日本の農地を守りながらきちっと作付転換をして、それで経営が成り立つような、そういう農業経営ができるようになっていかないと、この膨大な予算は国民の方々に理解が得られないんじゃないかなと私一個人としては感じております。
    その辺は、また皆さんと一緒に議論しながら考えていければと思うんですけれども、その中で米という部分でいえば、先ほど来、三野課長からも需要という言葉がたくさん出ていておりますけれども、私も全く同意でして、本来であれば実需者の方々の需要があって初めて生産できるというのが世の中では普通であるわけで、製造業であれば当たり前のことなんですけれども、それが今、現時点では需要量がこれくらいだから、こういうふうな作付転換をしてくださいという流れの中で予算付けをしていただいて、それに対して生産者が判断していくという、普通の取引と違うようなこの流れは本来のあるべき姿なのかなということを常々考えております。
    ですので、しっかりと川上から川下までがきちっと需要でつながるような流れにしていくために、需要やしかも数量だけではなくて価格も入った中できちっとつながっていく、そして、その契約が履行されるような、そういう仕組みを作っていただいて、需給は自然と安定していく。そういうことを是非ともまた皆さんと一緒に考えていければというふうに考えております。以上です。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。では、続きまして長部委員に先にお願いして、その後、2回目の御発言にいきたいと思います。長部委員、よろしくお願いいたします。
  • 長部委員
    ありがとうございます。まず、本日の基本指針案の数字においては、皆さんのきっちりした計算に基づいていますので、異議はございません。ただ、先ほど山波委員がおっしゃったとおり、私も計算上はこの流れですけれども、在庫量を200万トンぐらいにとどめるという前提があり、逆算的に作付面積も減らさなければならないという、こういう流れが続いているものですから、もちろん、米の価格の安定性は大切だと思いますし、それが農業の方においては必須だとは思うのですが、長期的に見るとこの流れも限界があるのではないかなと感じます。
    需要を上げるためにどうしたらいいかですが、国内は人口もお米を食べる人も減っている一方で、輸出は伸びています。パック御飯が伸びていたり、日本産のブランド米のニーズも非常に高まっているところです。現状、農水省にも補助金を出していただいたりしているので、そこは更に強化いただきながら、更に需要量を増やすという視点で、もっと企業レベルでも協力していくべきだなと思っております。この会議においては、本日もそれぞれの立場の皆さまから現実的なお話を聞けて、非常に有意義な議論になっていると感じておりました。
    日本酒でいうと米の総需要量全体からいえば僅かですが、2021年は海外への輸出が401億円を超えました。これをざっくり米換算すると、1万8千トンぐらいで、今、上半期が終わろうとしていまして、既にお米の数量面でいうと約20%増という流れになっていますので、年間で見ると将来的に目指していた600億円というのも本当にあと1年、2年で到達するのではないかというような勢いになっています。
    精米歩合が高い吟醸酒、純米酒がよく出ていますので、そういう意味合いでいうと、将来的に3万トンぐらいのお米がここに投入されていくというような流れになるのかと思います。また、海外でもSDGsや環境に配慮した商品への流れがあり、有機米や有機農作物に関心も高まっており、農水省からの支援も出していただいていますが、新しい技術や情報が足らないというところがまだまだあると思いますので、長期的な目線で米の需要が伸びる分野での御支援も更にお願いできればと思っています。簡単ですが、本日の皆さんからの御意見は私も非常に参考になりましたし、不透明な状況下において、これからも各方面の現場の皆さんとの意見交換の場がもっと持てるように進めていければと考えます。ありがとうございました。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。では、ここまでのところで、三野課長、お願いいたします。
  • 三野企画課長
    金戸委員、菅原委員、山波委員、長部委員と4名の委員の方々から政策の推進方向について御理解いただき、大変貴重かつ有り難い御意見をいただきました。ありがとうございます。
    総じてのお答えになるかもしれませんけれども、繰り返し申し上げておりますように、需要のあるものを作っていただくということが全ての政策の基本だと思っております。その方向で今後も政策を進めていく、この方向性は変わらない、変えないと考えております。その上で繰り返しになりますが、農家所得をどう上げていくか、その中で農地面積をどういうふうに維持していくのか、そういったことを起点に政策をしっかり考えていくということが必要だと思っております。
    そういう基本的な方向性の中で、今日、いろいろ御指摘いただきました飼料用米政策の在り方、それから、菅原委員からもお話がありましたように契約栽培をやっておられると。正にこれは需要に応じた生産でございますので、我々は事前契約研究会というものを催させていただきまして、その方向を進めていくことは今後も変わりません。今、頂いた御意見をそれぞれの今後、また夏の概算要求などにもしっかり反映いたしまして、この政策の方向性をしっかり進めていきたいと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
  • 宮島部会長代理
    続きまして、2回目のお手が挙がっています。先に平田委員、お願いいたします。
  • 平田委員
    平田です。2回目ですので恐縮です。短く。
    先ほど水活の件で意見があったと思います。前回も私も発言させていただいたんですけれども、法治国家日本ですから、既存の決まりがあって、だけれども、それが都合が悪いから大目に見て頂戴というのは通らないと思います。水田でもないところに水活の予算が執行されるというのは、確かに不適切極まりないと思いますので、そこは理解できます。一方で現場での影響がものすごく大きいんだろうと思います。だからこそ、全国の産地からその声が今、農水省に届けられているということなんだと思います。ならば、なぜ5年前にこのルールができたときに、この議論が盛り上がらなかったのか、この議論がなされなかったのかというのが非常に不思議でなりません。何で誰も反対の声をそのときに上げなかったのだろうという気がしております。
    とはいえ、過去のことですので決まりは決まりです。この件が先ほど1回目の私が発言のときに申し上げたような新しい本作、新しい主力作物の育成のきっかけになってほしいということを希望しています。場合によっては、水田面積をはっきり除外することを進めて、新しい作物の育成の方に、場合によってはそれに対するインセンティブを加えるということも考えるべきなのではないかなと思いましたので、御意見を申し上げました。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。続いて、山崎委員、お願いします。
  • 山崎委員
    先ほど輸出支援の説明をしていただいて、一言、どうしてもお願いがあって2回目の手を挙げさせていただきました。弊社は2013年から輸出をしていますが、都市によってニーズが違います。実際に現地の棚で日本産米が価格競争、といった状況も見受けられます。先ほど現地の棚を日本産米で競争ということがないよう、オールジャパンでという力強いお言葉を頂きましたので、是非ともよろしくお願いいたします。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。
    皆さんに御意見いただきまして、一応、私も委員ですので意見を申し上げたいと思います。多くは皆さんの御意見のとおり、まず今回の数値に関しましては非常に皆さんの減反への御努力その他がありまして、適度な数字になっていると思います。今回に関してはほっとしているような感じが皆さんもおありかなと思います。コロナに関連して私たちはいろいろニュースを取材しているんですけれども、今、正に小麦が高くてパンが高いからお米を食べようかという空気は一般の人たちの中でも実際にありますので、今、そこは大きなチャンスかと思います。ここのチャンスは本当に生かしていただきたいと思います。
    一方で、チャンスはありながらも、中長期的に見ますとこの状態、特に人口が減るということは避けられない状態だと思います。その時にどうしていくのかということを、ほかの製造業その他から見るときに今のこの状況を維持するために、一体、どのぐらいお金を使うのだというふうに思ってしまいます。私は財政の議論もしますので、どうしても色々なところのお金のコストパフォーマンスを考えてしまうんですけれども、本当にこれが国民が使ってほしいお金の使い方なのかというところは考えていただきたいですし、それぞれのお立場の方がここは保持したいとか、そういうのも分かるんですけれども、だったら、本当に食料安保のところできちんと納得がいくような説明が必要ですし、このゴールはどこなのか、この先、10年後、20年後はどうしていくのかということを説明いただかないと、これだけのお金を出し続けることに関しては、特に多くを赤字の形で背負う次の世代はなかなか納得がいかないのではないかと思います。
    そして、その借金で行う政策は、正に変化のところにお金を使いたいのではないかと思います。どの産業も今、時代に合わせて変化しようとしていて、どの産業も次の世代のために努力しようとしている中で、今の状態を維持したいというところにお金を渡すということは、残念ながら国民の納得は得られないと思います。極力、20年後や30年後、次の世代がいい状態になるためのお金の使い方というのをみんなで考えていく、だから、もちろん、先ほどから出ているルール違反もよくないですけれども、そもそも、そのルールが合理的かとか、一つ一つ考える必要があると思います。
    更に言いますと、先ほど農業への人の参入が弱いというようなお話がありましたけれども、正に若い人たちは見ていると思うんです。これから変わろうとしているところなのか、今のまま維持して、このままじり貧になりそうなところなのか。だから、農業法人には人が来るけれども、今までどおりをやろうとしているところには人が来ないんじゃないかと思います。そういう意味でも、農業人口を増やすという意味でも正に変わろうとしているところ、次の世代を見通しているところにお金がいくということは、農業人口を増やしていくことにもつながると思いますので、今日の数値はともかくして、中長期的に見たらその方向に関してはみんなが心を合わせて次の世代のために頑張る必要があるのではないかと思います。
    以上です。
    活発な御議論をありがとうございました。慣れぬ司会でどうも恐縮でございました。
    ここまで御審議いただきましたけれども、御意見につきましては更に今後、事務局において検討していただくものとしまして、本部会としましては本日、農林水産大臣から諮問がありました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定については、適当と認めてよいと考えますが、いかがでしょうか。その旨、決議してよろしいでしょうか。
    どうもありがとうございます。異議なしということで認めます。
    それでは、食料・農業・農村政策審議会令第8条第2項の規定により、議事の決定に必要とされている出席委員の過半数を超えておりますので、本件につきましては適当と認める旨、議決いたします。本食糧部会の議決につきましては、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。なお、農林水産大臣への答申の文面につきましては、私に御一任願いたいと存じますが、よろしいでしょうか。
    ありがとうございます。それでは、議事その他につきまして事務局から何かございますでしょうか。
  • 中澤企画課課長補佐
    ございません。
  • 宮島部会長代理
    ありがとうございます。 では、これで本日の議事につきましては全て終了いたしました。 最後になりますが、本日の議事につきましては議事録として整理し、公開することとなりますので、後ほど事務局から確認の御連絡をいたします。 それでは、進行を事務局にお返しいたします。今日は活発な御議論をありがとうございました。
  • 中澤企画課課長補佐
    宮島部会長代理、どうもありがとうございました。 それでは、閉会に当たりまして、松本農産政策部長から御挨拶を申し上げます。
  • 松本農産政策部長
    農産政策部長の松本でございます。
    本日は長時間にわたり、御議論いただきまして誠にありがとうございました。また、本日、大臣より諮問いたしました米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針につきまして適当と認める旨の答申を頂き、誠にありがとうございました。本日は様々な点にわたり、忌憚のない御意見を頂いたところでございます。
    前回が3月2日でございまして、令和に入りましてから2年半余りは需給の関係についてコロナの状況をどう見るかということが中心であった中で、3月2日以降でいきますとロシアによるウクライナ侵攻、こちらの状況の中で例えば穀物の状況、また、化学肥料といった生産資材の動向などを含めた形の議論、生産、流通、消費という観点からの御議論を頂いたと思っております。
    また、需要に応じた生産というものは、海外の依存度が高いけれども、ニーズがあるものに対して、どう国内で頑張っていくのかという観点かと思っております。それは他の作物、例えば小麦ですとか大豆、加工用野菜というのもございますが、あとは、需要を作り出したところに物を送り出していく、海外の市場であったりですとか、新たなニーズを捉えたものの中でお米を出していくというもの、それもまた需要に応じた生産になっていくかと思いますので、我々は皆様から頂いた意見を含めて、今後の政策に反映させていただきたいと考えております。
    改めまして本日の精力的な御議論に感謝を申し上げ、閉会の御挨拶といたします。本日はどうもありがとうございました。
  • 中澤企画課課長補佐
    それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了いたします。 長時間にわたり、ありがとうございました。

午後5時18分 閉会

お問合せ先

農産局農産政策部企画課

代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961

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