食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和6年10月30日開催)
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開会
午後1時00分 開会
- 島本企画課課長補佐
定刻となりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開催させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
開会に先立ちまして、委員の皆様の本日の御出席状況について御報告させていただきます。
ここに御出席の皆様、そして今回、二村委員、長部委員、菅原委員、藤尾委員がウェブからの御参加となっております。また、金戸委員、馬場委員、山田委員におかれましては、所用により御欠席との連絡を頂戴しております。
それでは、舞立農林水産大臣政務官から御挨拶をお願いいたします。よろしくお願いいたします。 - 舞立農林水産大臣政務官
皆様、お疲れさまでございます。農林水産大臣政務官の舞立でございます。
本日は、お忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございます。
冒頭、私の方から、食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開会に当たりまして、一言御挨拶させていただきます。
本日の食糧部会では、7月に策定した米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針に関し、令和6年産米の予想収穫量等を反映させた変更について諮問させていただき、御審議いただくとともに、この夏の米の品薄状況の背景・原因の分析に関する御報告、また、米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針につきましても、今後の策定に向けた検討を進めるべく、諮問をさせていただく予定でございます。
今年の作柄は、一部地域で低温や断続的な日照不足等の影響があったものの、多くの地域で総じて天候に恵まれたこともあり、令和6年産米については、9月25日現在で全国の作況指数が102、予想収穫量は令和5年産に比べて22万トン多い683万トンと見込まれているところでございます。
なお、9月25日より後に収穫を迎える地域における台風や大雨による被害の影響については、今後更新される予想収穫量に反映されることとなりますので、米の全体需給にどの程度影響が生じるのか、引き続き状況を注視していきたいと思っております。
これを踏まえ、需要に応じた生産・販売の実現に向けて、各産地において、令和7年産米の作付けの検討に資するよう、最新の作況や需要動向を踏まえた今後の需給見通しをお示しし、委員の皆様に御審議を賜りたいと考えております。
また、先般発生しました米の品薄状況に関しまして、背景を分析し、今後の対応を検討いたしました。この夏、南海トラフ地震臨時情報等を受けた買い込み需要により、各流通段階からの供給が追い付かず品薄状況が顕在化いたしました。
多くの消費者の皆様に不安を抱かせたこととともに、生産・流通・小売の関係者の皆様に様々な御対応を頂くこととなったことを踏まえ、農林水産省としても、今後のどのような対応が必要か改めて検討したものとなります。
農林水産省といたしましては、お米の需給と価格の安定が図られるよう、引き続き生産者、消費者を始め関係者の皆様方の御意見をお伺いし、きめ細やかな情報提供を行いながら、必要な取組を推進してまいります。
本日は、委員の皆様からの忌憚のない御意見、活発な御議論をお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 - 島本企画課課長補佐
ありがとうございました。
舞立農林水産大臣政務官におかれましては、次の御予定がございますため、ここで退席となります。
では、恐縮でございますが、カメラ撮りについてはここまでとさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
では、議事に入ります前に本日の資料の御連絡をさせていただきます。
資料については、会場の皆様の机の上のパソコンと、あと紙でお配りさせていただいてございます。ウェブで御参加の皆様には、先ほどメールでお送りさせていただいたファイルを御覧になっていただければと存じます。
資料一覧に記載してあります資料がおそろいか、御確認いただければと存じます。資料の不足などございましたら、事務局までお申し出くださいますようお願いいたします。
それから、進行の方法でございますが、会場に御出席の皆様におかれましては、御発言の際にお手をお挙げいただけましたら、事務局の方からマイクをお持ちさせていただきます。また、オンラインで御参加の皆様におかれましては、こちらの音声が聞こえている状態にしていただきまして、御発言の際にはマイクをオンに、御発言が終わりましたらマイクをオフにしていただきますようお願いいたします。
動作の不具合等がございましたら、チャット等で事務局の方へお知らせいただければと存じます。
それでは、この後の議事進行については、大橋部会長にお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。 - 大橋部会長
皆さん、こんにちは。
大変お忙しいところ本日も御参集いただきまして、ありがとうございます。また、オンラインでも御参加ありがとうございます。
本日は、議題は四つございます。適宜、効率的に進めてまいりたいと思いますが、先ほど農林水産大臣政務官からもありましたとおり、自由闊達に是非御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。
議事の一つ目は、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更についてということでございまして、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございました。今回は、議事の2として、今年発生した米の品薄状態について事務局の分析、今後の対応を含めて御報告をさせていただくということで、こちらの方は一括して御説明させていただいた後、御意見、御質問を頂戴するということでありまして、その後、基本方針の変更の案が妥当かどうかということについての議決をさせていただきたいということでございます。
まず、事務局から諮問文書の読み上げを頂いて、併せて資料の御説明もお願いいたします。 - 武田企画課長
農産局企画課長の武田でございます。
それでは、私の方から、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更につきまして、まず諮問文を読み上げさせていただいた後に資料の御説明をさせていただければと思います。 まず諮問文でございます。資料1を御覧いただければと思います。
6農産第2910号、令和6年10月30日でございます。
食料・農業・農村政策審議会会長殿。
農林水産大臣、小里泰弘。
諮問。
米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第7項において準用する同条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
以上でございます。
それでは、実際の基本指針は資料2でございますけれども、いつものとおり、また、この基本指針の変更のポイントというものを作成いたしました。また、それに関して参考となるデータも参考資料2で取りそろえてございますけれども、今日は時間の関係もございますので、参考資料1で御説明をしていきたいと思います。
まず参考資料1の1ページでございますけれども、左側に二つの表が載ってございます。これは皆様方に7月にお諮りし答申を頂きました令和5年から6年の需要実績の速報値と、令和6年から7年の需給の見通しでございます。これは一度御説明もし、答申も頂いてございますので、説明は割愛させていただきまして、右側に目を転じていただけますでしょうか。
右の上でございますけれども、主食用米の需要量の推移、これもいつも御覧いただいているものでございますけれども、かつては年間8万トン程度の減少でございましたけれども、赤の矢印にございますように、最近は年10万トン程度の減少のトレンドになっているということでございますけれども、令和5年から6年の需要のところでございます。7月にお諮りした段階では、702万トンということでございました。前年と比べると、前年は691万トンでございましたので、11万トン増ということでございます。
702の隣に、小さく括弧で705と書いてございます。これはまた後ほども御説明いたしますけれども、7月にお諮りしたときの在庫量は速報値でございました。この中で、農家の生産段階の在庫でございますけれども、これが確定値になりまして3万トンほど減少している、逆に申しますと、その分需要が増えたということになりますので、令和5年から6年の需要の実績は705万トンであったということでございます。
また、右の下の方のグラフに目を転じていただけますでしょうか。水稲の主食用作付面積、収穫量を整理したものでございます。下に棒グラフが二つございまして、グリーンが作付面積、オレンジ色が収穫量でございます。上の折れ線グラフが、いわゆる単収ということになります。
まず、グリーンの棒グラフ、作付面積でございますけれども、令和6年産は125.9万ヘクタールということで、昨年よりも1.7万ヘクタール、これは主産地を中心に作付けが増えたということになります。
上の折れ線グラフを見ていただきまして、10アール当たりの収量でございますけれども、こちらも>11キロほど増えて544キロということでございます。これを掛け合わせますと、オレンジの棒グラフのところに主食用の収穫量ということでございますが、令和6年産、9月25日現在ということでございますけれども、683万トン、昨年よりは22万トン多かったという、そういった状況でございます。
こういったことを踏まえまして、2ページ目をお開きいただけますでしょうか。
今回の指針の変更に関してということでございます。
左側が7月にお諮りしたもので、右側が今回お諮りするものということでございます。
まず一番上の表のところでございます。緑の楕円で囲われて矢印が伸びてございます。(ア)のところでございますけれども、先ほど御説明したとおり、7月にお諮りした156万トンから農家在庫が減少したということでございまして、153万トンということで確定をしているということでございます。そういたしますと、その差引きの関係でDの欄でございますけれども、青い楕円から伸びている矢印のところでございますが、7月の段階で702万トンというところが705万トンに上方に修正ということでございます。
次に、中段の欄でございます。令和6年から7年の需給の見通しということでございます。
まず赤い楕円で示している(ウ)のところでございます。これが先ほど申し上げた、元々平年並みで生産量669万トンと見てございましたけれども、その後、先ほど御説明したように、1.7万ヘクタール増え、そして単収も増えということでございまして、Fの欄でございますけれども、6年産の主食用米の生産量は683万トンということになってございます。
次に、ブルーの楕円の(エ)でございますけれども、今度はHの欄、6年から7年の主食用米の需要量でございます。これはまた後ほど見ていただきますけれども、先ほど御説明いたしました令和5年から6年の主食用米の需要量の実績が705万トンと3万トンほど上方に修正したことを受けまして、推計をし直しました。これをいたしますと、元々7月の段階では673万トンと見通しをしておりましたけれども、674万トンという、上方に1万トンほど修正をしたということでございます。
そういたしますと、今度はグリーンの楕円の(オ)のところでございます。令和7年6月末の在庫量ということになりますけれども、152万トンという見通しに対して、右側のところ、Iの欄でございますけれども、162万トンという上方に修正をされるということでございます。
最後に、令和7年から8年の需給の見通しということでございます。
ここが今回お諮りするものの一番のポイントだろうと思います。赤の楕円の(カ)番のところ、Jの欄でございます。7年産の主食用米の生産量ということでございますけれども、私どもは現在の需給状況などを踏まえますと、来年7年産の生産量は、今年の6年産の生産量と同水準の683万トンが適当ではないかというふうに考えてございます。まず、そういったことで、Jのところは683万トンということでございます。
その後、Lの欄でございます。青い楕円のところの(キ)でございますけれども、こちらは先ほど御説明したHの欄と同じように1年推計を延ばしまして、663万トンという見通しになります。
そういたしますと、Mの欄でございます。グリーンの楕円のところでございますけれども、丸の8番でございます。再来年の6月末の民間在庫ということになりますけれども、これは182万トンという数値になるということでございます。
ただ、左側にちょっと目を転じていただけますでしょうか。今回お示しした、例えばFの欄の令和6年産の生産量683万トンというふうに申し上げましたけれども、これは9月25日現在のものでございまして、この後10月、そして12月には収穫量を確定するというようなことでございます。
また、これは事前にいろいろ御説明をして、参考資料2の方にもデータを付けてございますけれども、今年の精米の歩留りは、9月末の時点では、昨年よりも歩留りはいいわけでございますけれども、ただ、例年、例えば過去3年の令和2から4年と比べると、それほどよくもないというようなこと。あるいは、在庫の推移は9月末現在でいうと、引き続き堅調な減少というか、そういった状況もありますけれども、一方で消費に関していうと、少し鈍化しているような状況も見てとれるというようなこともございまして、このあたりの収穫量でございますとか、精米の歩留りでございますとか、在庫販売の動向でございますとか、こういったものを、この後10月、11月、12月と進んでいくところでいろいろなデータを精査をいたしまして、今回一度お諮りをした上で、683万トンの令和7年産生産量というようなことでどうかということでやりますけれども、令和7年、年明け以降に改めて食糧部会を開催させていただいて、また改めてこの需給見通しについても諮問をさせていただければというふうに考えているところございます。
次に、3ページをお開きいただけますでしょうか。
先ほど御説明をいたしましたHの欄やLの欄に関して需給の見通しに関してでございます。
これは左側には、いつものとおり、全体の需要を人口で割り、1人当たりの需要を出しまして、それを指数関数を用いて回帰分析をして推計を出し、それにまた人口を掛けてやっているということでございます。今回また改めて推計をいたしますと、一番下のところに書いてございますけれども、当てはまりも決定係数も妥当というようなことでございます。
ただ、例えば令和5年から6年の需要が700万トン台、705万トンというふうに先ほど御報告いたしましたけれども、ここから見通しでいうと673万トンということで、30万トンも減少するのかというような御疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。こういったところを過去と比較するということでございまして、3ページの右側に整理してございます。過去も30万トン台、あるいは20万トン台の需要の減少があった年がございます。
この需要の減少がどういった要因で起きたのかということを、なかなか特定するところは難しいわけでございますけれども、共通して言えますのは、下に整理してございますけれども、相対取引価格が例えば20年から21年に関しては982円高かったようなことがございました。あるいは、(イ)のところ、24年から25年は1,286円高かった。こういったことが需要の減につながったのではないかというふうに私どもは見ているところでございますし、また、過去もこういった30万トンぐらいの減があったということを踏まえると、今回の需要の見通しは妥当ではないかというふうに考えているところでございます。
次に、4ページは、今縷々御説明したことを整理したものでございますので、説明は割愛させていただきます。
このあたりの参考となる資料に関しましては、参考資料2で整理してございますけれども、このあたりは、また、この後の質疑なり、そのときに必要に応じて使いたいというふうに思ってございます。
次に、参考資料3をお開きいただけますでしょうか。
この夏の品薄状況に関しての整理、分析ということになります。
まず1枚目でございますけれども、私どもは、改めてこの夏の動き、あるいは足元の動きにつきまして、出荷段階、あるいは販売段階の皆様方から聞き取りを行ってございます。
まず一番上の囲みでございますけれども、出荷段階の皆様方からの御指摘でございます。
まず一番上の丸でございますけれども、令和5年産の集荷に関しまして、令和5年産は生産量が減少したということで集荷量が減少したということ、一方で、販売は非常に好調であったというようなことで、それによって在庫が減ったということでございます。
また、次に中段の販売段階、卸売業者さんからの指摘でございます。
まず一つ目の丸でございますけれども、ここも一つ目の丸の中頃に書いてございますけれども、小売向けの販売が一段と好調であったというようなことで、このあたりは手持ち在庫を消化して販売に充てたということでございますけれども、一方で原料の手当てが、その分十分にできずに在庫は減っていきましたというようなこと。また、二つ目の丸でございますけれども、精米歩留りの低下といったところが指摘を受けているところでございます。
三つ目の丸でございます。先ほど申し上げたように、小売向けの販売が好調だったというようなことでございますので、当然その小売向けのストックが減って、在庫が減っていたということでございますけれども、業務用向けのストック、在庫から振り替えて小売に供給をしたというようなことで、供給を維持したというような御指摘をおっしゃった事業者が多うございましたということでございます。
また、4丸目でございます。これは、また後ほどデータで見ていただきますけれども、8月になるまでは計画的に供給を行って、新米が出回るまでは何とか供給が維持できるかなという見込みであったけれども、8月の南海トラフ地震の臨時情報なりで、かなり需要が大きく、買い込み需要などが大きくなったために、スーパーなどで品薄、欠品の状況になったということでございます。
最後の丸でございますけれども、10月以降は納品先から来るオーダーに対して、基本的に制限をかけずに供給をしているということでございますけれども、販売の方は、お取引先の方の販売の動向ということでございますけれども、鈍化してきているというような状況が指摘されているところでございます。
また、一番下の欄、スーパーさんなり米穀店、お米屋さんに対しても聞き取りを行ってございます。
まず一番上の丸でございますけれども、私も農水省としては、年間の全体需要は逼迫していないという説明をしてきてございますし、データ的にもそういうことでございますけれども、一方で、やはり消費者の皆さんはスーパーさんなり、お米屋さんが対峙している消費者の皆さんは、店頭からやはり消えてしまうと不安に感じるということで、購入に行ったというようなことであろうということでございます。
また、二つ目の丸でございますけれども、地震なりで家庭に食品をそろえておこうということで、家庭内備蓄というようなことでの動きもあったんだろうけれども、品薄を伝える情報が多く見られると、やはり購買行動としてはそこに不安を感じて行動を起こしてしまうと。ですので、入荷をしてもすぐ売り切れてしまうような状況であったということでございます。
3丸目でございます。卸さんからは10月以降というふうに言われておりますけれども、スーパー、米穀店からは、9月の後半あたりから販売は鈍化しているということでございます。また、価格が上がっているというような影響もあったのではないかということでございまして、このあたりは私どもも引き続き見ていきたいというふうに思ってございます。
また、4丸目、5丸目でございますけれども、やはりスーパー、米穀店、そういった消費者の皆さんとの接点でございますので、そういったセクターに対してしっかりと情報提供を、例えば新米がいつから出回るかとか今の在庫の状況とか、そういったものについてもしっかり情報提供してもらいたい。重ねて5丸目でございますけれども、そういった情報をしっかり伝えることで、今回のようなことというのはある程度は回避できたのではないかというような御指摘も頂いてございまして、私ども農水省に対しての情報発信をしっかりやってほしいというお声を頂いているところでございます。
次に、2枚目でございます。
左側には、今回の品薄状況に至るまでの、あるいはその期間にそれぞれどういった供給がなされていたかというのを、それぞれの段階のものを同じ時間軸で整理をしております。4月から10月の下旬まで整理をしてございまして、一番上の欄が生産者から集荷業者、次のグラフが集荷業者から卸売業者、次のグラフが卸売業者から小売業者、最後は小売の皆さんから消費者の皆さん、いわゆるPOSのデータということで、4月から少し情報を取っている時点が週であったり月であったりということでありますけれども、同じ時間軸で置いているということでございます。
これを見ていただいて分かるように、上から三つのグラフは、8月に入るまでは、この赤い線がちょうど昨年と同じところの100を示しているわけでございますけれども、若干のでこぼこはあるわけでございますけれども、基本的には昨年、あるいは昨年以上の供給がなされていたということでございます。
一方で、一番下のところのグラフはずっと100を上回るような、そんな状況。逆に言うと、こういった販売が好調だったから、供給サイドからはそこに呼応して昨年同等、あるいは昨年以上の供給がなされていたということでございます。
一方、ポイントとしては、上から二つ目のグラフの8月の上旬のところを見ていただきますと、ここで87という数値になってございます。少し産地から卸さんへの供給のところが、ここで昨年を少し下回るような状況が見てとれる。一方で、その下のグラフのところ、卸さんから小売に対しては100ぐらいの状況を保っていたというようなことでありました。
一方、そういう中で、先ほどヒアリングでもあったように、8月まで何とかやっていたわけでございますけれども、8月の第1週から一番下のグラフでございますけれども、昨年と比べると139、121、149ということで120から150%近いぐらいの需要の急増があったということで、正に供給が追い付かなかったというようなことでございます。
一方、その後、供給は引き続き続いて、特に後半からは新米が出回ってきているわけでございますけれども、一番下の消費段階のところは9月に入って逆転、反転して反落しているような、そんな状況であるということでございます。
次に、右側の上のところでございます。
こういった状況に対して、私ども農水省の取組を整理してございます。取組に関しては、上のところが情報収集、情報発信について、下が流通関係団体との意見交換、あるいは働きかけについての整理でございます。
まず情報収集、情報発信でございますけれども、私どもはルーチンで、この食糧部会の開催もそうですし、あと毎月様々なデータを月次で収集し発表するということはやってきてございますけれども、やはり今回、先ほど御説明した、特に週次でデータを取るとか、そういったことに関しては、やはり8月の後半からということでございますし、農水省のホームページで、データが取れたら、今は週に2回ほど更新をさせていただいてございますけれども、こういった取組も8月下旬からの取組であったということでございます。
また、下のところの関係者との意見交換なり、そういった形の情報収集でございますけれども、ここに整理してございますように、4月から、かなりいろんな方々と意見交換をし、情報も取っていたわけでございますけれども、例えばそういった流通の円滑化に対しての働きかけを形にしたのは、8月27日に要請をし、また9月6日に再要請をしたというようなことでございまして、これも8月下旬からの取組になったということでございます。
ということを踏まえて、(3)のところで今後の対応に関してでございます。
まず(ア)のところでございます。今し方縷々御説明を申し上げたとおり、一つ目のポツでございますけれども、各流通段階からの供給というのは、昨年と同じ程度、若しくは昨年以上に供給を行っていたということでございますけれども、やはり8月の、かなり大きく上がった買い込み需要に対しては、それに対しての供給は追い付かなかったということが1点。
もう一つ、2ポツ目でございますけれども、そういった状況をなかなか予見はし難いところではございますけれども、私どもルーチンの情報収集なり働きかけというのは行っていたわけでございますけれども、やはり今回行ったような特別な頻度を上げた情報収集、頻度を上げた情報発信でありましたり、あるいは形としての働きかけというのは、品薄状況が顕在化した8月下旬からということになりましたので、こういったあたりはもう少し工夫ができたのかといったところでございます。
また、3ポツ目は、ヒアリングの中でも触れましたけれども、在庫に関して小売向け、業務向けとあるわけでございますけれども、そのあたりは一部調整をしながら供給もなされていたということでございます。
こういった分析なり、あるいはヒアリングを受けて、私どもとして今後の対応として、こういうことをやっていきたいということでございます。
(イ)のところでございます。
まず一つ目のポツでございますけれども、端境期は必ず来るわけでございますので、私どもは今回やりましたような主要な集荷業者さん、卸売業者さんに対しては、集荷量、販売量、在庫量を小まめに、月次ではなくて、もうちょっと細かい情報収集をしていきたいということでございます。
また、2ポツ目でございます。私どもはデータを見るだけでは、今流通が多様化している、流通チャネルが多様化している状況でもございますので、やはり消費者の皆様との接点であるスーパーさんなりお米屋さんで、あるいは外食事業者、中食事業者さんも含めて、こういったところに定期的に、何か事があってからヒアリングするのではなくて、定期的にヒアリングしないと、その変化も分からないと思いますので、そういったところをやっていきたいということでございます。
また、3ポツ目でございます。私どもは、データを出しただけで、やはりそこに甘んじたというところもございますので、私どもの省の広報担当なりのお力添えも頂きながら、分かりやすい情報発信、あと、広報、発信のチャネルも多様化させていく必要があるというふうに思ってございます。
また、最後のポツでございますけれども、やはり報道を通じて国民の皆様方に伝わる情報というのもすごく大きいわけでございますので、報道の皆さんに対して、いろいろ私どもが発信をしている情報に関して解説をするような機会、ブリーフィングの機会をしっかり定期的に設けていきたいということでございます。
また、この関係で参考となるような資料につきましては、参考資料4にまとめているところでございますけれども、今し方御説明したものが基本的には書かれているということでございますので、事前のときにも、このあたりを御説明させていただいておりますので、今日のところは説明は割愛させていただいて、また意見交換の中で必要に応じて触れていきたいと思います。
一旦、私からの説明は以上としたいと思います。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
2点御説明を頂きまして、1点目は基本指針の変更についての御説明、2点目は、この夏の米の市場状況について、相当丁寧に御検討いただいて、また対策としての方向性というか、案も示していただいたということであります。
今日は、こうした点も含めて自由に御意見を頂きつつ、最後は申し上げたように議決は取らせていただきますが、そこに限らず自由に意見交換できればなと思っています。
会場の方は手を挙げていただくなり、名札を立てていただくなり教えていただければ、指名させていただきます。オンラインの方は、手挙げ機能なりチャット欄なりを使っていただければ指名させていただきますので、それではよろしくお願いいたします。
皆さんの御意見を頂く前に、馬場委員から書面で御意見を頂いていますので、まず御紹介させていただきます。 - 武田企画課長
馬場委員から御意見を頂いておりまして、私の方から紹介していただければということでございますので、読み上げさせていただきます。
まず需給見通しに関してでございます。
今回示された基本指針の変更案については、9月25日時点における令和6年産生産量見込みやこれまで採用されている需要量の算出方法に基づいており、現段階の見通しとしては妥当と考えます。
令和7年産主食用米等生産量については、令和6年産生産量見込みと同数の683万トンと設計されていますが、米価の上昇による今後の需要への影響が懸念されるところであり、今回の見通し以上に需要が落ち込んだ場合、需給緩和に転じる恐れもあります。
このことから、今回提起されているとおり、年明け以降の次回食糧部会において、消費動向等を踏まえた需給見通しの見直し検討をお願いします。
その際、需給バランスの見込みいかんでは、令和7年産生産量の見直しを行い、需要に応じた生産の推進にも反映させる必要があります。
次に、需要に応じた生産の取組につきましてのコメントでございます。
今後各県において、国の需給見通し等を踏まえて令和7年産生産の目安が設定され、需要に応じた生産の取組が進められることとなります。
年明け以降、国が必要に応じて見直す需給見通しや、自県産米の需要・在庫状況の変化等を踏まえ、各県が機動的に目安の修正や推進計画の見直しを図ることができるよう、国からの必要な働きかけをお願いします。
あわせて、引き続き、需要に応じた生産の推進に係る万全な支援及び予算の確保をお願いするとともに、予期せぬ需要減や豊作への対応として、米穀周年供給事業等の必要な対策についても措置をお願いします。
3番目に、今夏の端境期の米の流通状況を踏まえた対応ということについてコメントがあります。
今夏の端境期の米流通をめぐる混乱について、その要因や国の対応についての検証内容が示されました。
今回の検証を踏まえ、混乱が生じることのないよう、流通関係者や消費者への正確かつタイムリーな情報提供に努めていただくようお願いします。ということで、以上ということでございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、意見交換の方を始めさせていただければと思います。
御準備よろしければ、お知らせいただければ幸いです。
それでは、稲垣委員、お願いいたします。 - 稲垣委員
二つの事柄を御説明いただきましたけれども、それぞれについて私の意見を述べさせていただきたいと思います。
まず最初の需給見通しの部分でございます。
これは今まで私も何回か、この食糧部会の会合に参加させていただき、需給見通しについていろいろコメントさせていただきましたが、その時点では、ベストの推計、中立的な推計だろうということで、やむを得ないものとして承認とずっと言わせていただいたと思います。今回についても、需給の見通しそのものはいろいろコメントすべき点はありますけれども、現時点においては中立的な推計であると、馬場委員もおっしゃっていましたが、そういうことだろうと思います。
ただ、後でちょっと詳しく申し上げさせていただきますが、7年産米の生産量ですけれども、これを6年産米の出来上がりベースと同じようなベースで置いてあるということには、非常に強い懸念を抱かざるを得ないと思っております。来年明けたところで見直しの会合を行うということではございますが、やっぱり心配です。
本来ならば、今回、需給見通し案について見直しをお願いすべきところではありますが、足元が不安定な状況の中で、私としても正直言って、ではどういう数字を置けばいいんだということを自信を持って言えることもございません。
結局、判断の先送りということかもしれませんけれども、結論を言わせていただければ、足元の動向が少しでも判明するのを待って、年明け以降に見直すという案でやむを得ない、のまざるを得ないのかなというように考えております。
若干細かなところで、需給の話についてコメントさせていただきますが、まず需要についてですけれども、インバウンドとか精米歩合とか南海トラフへの対応、あるいは価格変動の影響と、変動要因はいろいろありますけれども、現時点では、従来の推計方法を変える必要はないだろうと思っています。
特に、こちらの資料の38ページで、インバウンドと、それから精米歩合も考慮して検証していただいて、これは本当にありがとうございました。非常にいい試みだと思いますが、これは結果を見ても、そんなに大きな影響はない、影響は限定的だなということですので、今の時点では従来のやり方を変える必要はなかろうかと思っております。
ただ、ここから先は私の個人的な勘というか意見ですけれども、足元価格はかなり上昇していますので、消費者の節約効果は結構大きいんじゃないかと思いますし、また、南海トラフの買い込み需要で積み上げた分、これの反動というのも併せて考えると、今の時点では、どちらかというと需要下振れリスクの方が大きいんじゃないかなと。これはヤマ勘の世界ですので何の科学的な根拠もありませんけれども、そういう気がしております。
供給については、もちろんこれは作況次第ということですけれども、6から7年の生産量はそんなに大きくぶれないとは思いますが、7から8については、作況のほかに、先ほど私がヤマ勘と申し上げましたけれども、需要の下振れリスクというのが本年度あるだろうと思っています。これが顕在化すれば、7年6月末の在庫というのは、7から8にかけての期初在庫ということになるわけですけれども、これが増えて、全体としての供給は増える筋合いにあるということは、注意していかなければならないかというように思っております。
そこで、先ほど申し上げた7年産米の生産量でございます。6年産と同数と言っておりますけれども、そもそも6年産は、先ほど来お話が出ていますように作況は102ということですので、面積ベースに換算すると2%ぐらい作付面積を増やしていると、平年作で考えれば、ということになろうかと思っています。
そもそも、この時期に食糧部会をやることの意味合いなんですけれども、私が聞いております話でいくと、生産者が出来秋を迎えて次の年のことをちょっと考えてみようかなという時期に入っていくところで、生産目標数量の調整を始める、早いところはそういうところがあろうかと思います。また、肥料とか資材とかの手当てに入ろうかというところもあるということで、この時期にやってほしいという要望が強くやっているんだというふうに理解しております。
ということで、年が明けてから見直すんだとは言いながら、一旦この時点で緩めの数字を皆さん方にお示ししておいて、新しく厳しいやつを、そんなにいきませんよと言われても、これは極めて生産者としては面食らうと思うんですね。事柄の性格上、本当は今の時点ではきつめの数量を置いておいて、後から緩める方が、関係者にとっては気分的にもいいんじゃないかなというように思っております。
特に、これから、これはこの推計どおりだとしても少し在庫を積み上げるような形の見通しになっておりますので、これに需給の緩みが加わりますと、在庫の過剰基調というのが非常に強くなって、今の価格は、ちょっといろいろ南海トラフ等々があって、あまりにちょっと高くなり過ぎじゃないかと私自身は思っており、少しの調整は入るだろうと思っていますが、これがあまりに大きくなると資材価格等も上がっていますので、これは生産者の生産意欲を大きく損ねるという事態にもなりかねません。
私としては、先ほど申し上げましたように、現時点でも、繰り返しでございますが、本当にこのような数字を置くことはいかがかなというように思っております。ただ、代替案を示すデータも能力もございませんので、あえて今日はこれで了ということにさせていただきたいと思います。
ただ、年明け以降は、これは本当にきつくなるかもしれませんけれども、きちんと足元の状況を踏まえて見直しをしていただきたいと思いますし、生産者サイドの方々には、そういったこと、きついことが起こるかもしれないということは、強く警告というか、私が警告するというのは変なんですけれども、御注意いただきたいというふうに申し上げたいと思います。
それから、2番目のテーマでございますけれども、この夏のいわゆる米不足問題というやつに一言。これについては非常に詳細な分析をしていただきまして、ありがとうございました。私もこの分析のとおりだろうというように思っております。
低い相対価格に伴って代替需要が生じていたとか、南海トラフの買い込み需要へ対応したとか、それがたまたま端境期に起きちゃったということ。さらには、確かに報道ぶりもちょっといかがかなと思います。一つ一つは、そんなにすごく大きな要因でもないんですけれども、不幸が重なっちゃったなというふうに言うしかないのかなと思っております。対応としましても、農水省の方から情報の収集、発信について御対応いただけるということで、これも適当なものと思っておりますので、しっかりやっていただければと思います。
ところで、今、災害等もたくさん起きておりますけれども、この話をするときに、よく自助、共助、公助という話がされまして、今回について言うと、南海トラフ対応が行き過ぎた自助の発露というか、パニック的に家庭在庫を積み上げるというのはいかがなものかと、こんなのはふだんからちゃんとやっていくのが本当の自助だろうというふうに私は思っております。
もっとも、災害対応としては、お米は水と火が要りますので、そんなにいい備蓄だとは思わないんですけれども、いずれにしても、ちゃんとある程度のものは持っておくのが当然だろうというふうに思っております。
公助につきましては、先ほどから出ていますが、農水省の方でいろいろやっていただけるということで対応をお願いしたいと思うんですが、問題はその真ん中にあります共助の部分であります。あえて御批判覚悟で暴論だろうと思うんですが、そもそも公助のみで対応しろという話になると、これはもう昔の食管法じゃないですけれども、どこか違う国の話のように思いますが、国が完全にコントロールするしかありません、やっぱり自由流通というか、そういったマーケットメカニズムを入れてやっていこうという姿勢で今まで来たわけでございます。流通段階での関係者の責任というのも、やはり重いというように思っております。
もちろん、マクロの供給全体は農水省の方で見ていただきますし、我々もそれを見させていただいているということでございますが、流通関係の皆さんも供給責任を負う仲間だということでございます。これは極めて難しいことですし、コストもかかってくる可能性もございますけれども、適切に在庫コントロールをしていただくこと等を通して責任を果たしていただければと思いますし、それから、今の流通業というか、本来のと言った方がいいのかな、流通業というのは、そもそも物を売っていると同時に、本当は情報を円滑に受け渡すというのが流通業の役目じゃないかと、これは非常に観念的で申し訳ないんですけれども、思っております。
そもそも、農水省でいろいろ数字とかヒアリングとかをやっていただいても、全体をまとめていると、どうしても時間がかかっちゃいますので、その提供となると更に時間がかかるということです。やっぱり肌感覚で見ていただいている、あるいは生の情報に接していただいている卸とか小売の方、ここの情報というのは大事だと思いますので、そこからタイムリーな情報発信がなされるというのが望ましいというように思います。
どうも、先ほどの話じゃないですけれども、昔の食糧管理制度の名残がまだあって、普通の野菜とか果物に比べて、やっぱりちょっと見ていて、そこのところは弱いのかなと思いましたので、あえて申し上げました。暴論をお許しいただきたいと思います。
もちろん、米というのは、ほかの野菜とか果物とは違うと、極めて特殊な作物であるということも理解しておりますが、農水省を始めとする関係者の皆様の改善努力を期待したいと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
それでは、澁谷委員、お願いします。 - 澁谷委員
米屋をやっています澁谷と申します。
基本指針の変更については、皆様がおっしゃっているとおり、年明けの確定がしっかりと進んだ中で最終的にはというのは、私自身もそう思いますので、ただ、現在出していただいている内容につきましては、承認をさせていただきたいと思います。
いろいろ御説明もしていただいて対策も考えていただいている中で、米屋として3点ほど御意見だったりとか御質問をさせていただきたいと思います。
1点目が、需要の減少幅についてなんですけれども、出していただいている表の中の指針の変更の資料で、令和6年産から7年産の需要量というのが674万トンで、前年より31万トン減少するというふうにしているんですけれども、この減少幅を率にすると4.4%というふうになっています。
参考資料1の3ページ目のところの過去における米価と需要の関係のところで、(ア)、(イ)、(ウ)で同等の減少、需要量の対前年比の20から30万トンというところが出ているんですけれども、1が3.6%、2が3.9%で3でも2.9%の減少なので、4.4%というのは非常に高いかなというふうに感じておりまして、もちろん、今季、米価が非常に上がっているので需要減というのは当然想定はされるんですけれども、例えば今季、少しでも減少幅が鈍くなくなると、また今年みたいな形でスーパーに在庫がなくなってしまって米が消えてしまうんじゃないかということがすごく懸念されるので、そのあたりは今後の話合いの中にも盛り込んでいただいて御検討いただければと思います。
あと、2点目が、やはり米価についてお話をさせていただければと思います。
実際にお店に立っていても消費者さんの反応を見ていると、価格が高くなったということは非常に御理解されていて、報道等でもあるので理解はしていただいているんですけれども、当然生産者さんのことを考えると、この価格というのは正しいかもしれないというふうにおっしゃってくださる方も非常に多くいらっしゃるので、すごく有り難く感じているんですけれども、しかしながら、業務用については非常に厳しい状況がありまして、特に学校とか病院みたいに、法律で予算があって、なかなか上げてもらえないような状況のところもあったりはしますので、こういった場合は、農水省さんの方から各関係省庁の厚労省さんだったりとか文科省さんに対しても、現状を御説明いただいて柔軟に対応していただけるように御検討いただければと思います。
そして、最後に3点目が情報発信について、しっかりと振り返っていただいて御説明もしていただいたんですけれども、お話させていただきますと、6年産米が全国平均で、9月25日の現時点では作況指数102で平年並みというふうになっているんですけれども、集荷業者さんとか卸問屋さんにお話を聞くと、なかなかやっぱり思うように集荷が進んでいなくて、小売業者自体も、やはり今の高値の価格でお米を仕入れている現状がありまして、今後、年明け以降、例えば急激に下落してしまったりとかということを非常に心配していますし、最初に申し上げたとおり、6月以降、またお米がなくなってしまうんじゃないかという、両方の非常に懸念をしています。
5年産米について、お米の在庫というのは十分にありましたよというふうに農水省さんの方でも発信はしてくださっていたんですけれども、実際の現状、現場を見ると、お客様が不安になって更に買占めをしてしまうというような状況もありましたので、例えば今後、様々な情報を発信していただく中で、お米の在庫が、例えばどんな用途で、どんなふうな形で在庫はしっかりありますよとかという形で、その内容をその先、可能な範囲で踏み込んで発信していただけると、安心感につながっていくのかなというふうに考えます。
どうしてもお客様は目で見た情報を非常に信頼されてしまうので、積極的に週で、月で、マスコミの方に情報を出していただくというのは非常に有り難いので、丁寧な情報を続けていただけると伝わっていくと思いますので、是非お願いしたいと思います。
以上です。ありがとうございます。 - 大橋部会長
ありがとうございまありがとうございます。
続いて、オンラインで二村委員、お願いできますか。続いて、藤尾委員にもお願いいたします。 - 二村委員
ありがとうございます。
それでは、私からは、前半の議題の1の部分について2点と、それから後半の議題のところで2点、意見を申し上げたいと思います。
まず、需給の見通しについては、皆様からもありましたように、確定はこの後の様子を見てということには賛成です。一つお伺いしたいのが、全国の作況は102で生産量が683万トンというのが今年の推計で出されていますが、実際に産地に行っている方の話を聞いていると、やや実感と乖離があるのではないかと聞きました。そんなに作況がよいのかということですが、この部分について、どのように見られているのかお伺いをしたいと思います。
それから二つ目に、今年は集荷団体が非常にお米を集めるのに苦労しているということを聞いています。お米が集荷団体に集まらないということですけれども、こういう状況というのは、今後何か影響があるのではないか少し心配しています。集荷のルートですとか仕組みが急に変化するというのは、一種乱れるということかと思いますので、安定供給の面で不安がないのかということを心配しております。この点について、現状把握されていることですとか、あるいは、こういう仕組なので問題ないなら問題ないということも含めてコメントを頂ければと思います。
それから、後半の今回のお米の価格とか量をめぐる混乱ということです。今後に向けた方策のところで、主に示していただいたことは、情報の収集と提供の問題に集約をされているように思いますが、これ以外に、今回少し社会的にも話題になりましたが、例えば備蓄米の活用のルールを柔軟にするとか、そういうことは何か考えられないのかということをお伺いしたいと思います。
ほかの作物との比較で価格が変化している価格のグラフがありました。これを見ますと、それまで値頃感があったものが、急激に上がって、ある意味、ほかの作物と同じようになったということなのかもしれませんけれども、購入する側から見ると、やはり「急に上がった」というふうに思うわけですし、それからお米の購入頻度と量、1回に払う金額とか、そういったことを考えると、消費者の側からすると、やはり「ものすごく高くなった」とイメージする方が多いと思うんですね。そのことは、もちろん家計にも影響はありますけれども、消費者の「お米は高いね」というように、ちょっと誤った認識につながってしまうのではないかと思います。
当然コストも上がっているので、価格が上がっていくというのは仕方がないにしても、そこを、こういうことが起きないように調整していく必要があると思いましたので、この点についての御意見があれば頂きたいです。
それから最後に、基本的に今回の資料全部がそうですけれども、この後のお米の需要というのは減っていくという方向で動いています
しかし、国際情勢のことなども見ますと、国内で農業生産力を高めていくということは非常に重要です。そういう意味では、稲作というか、お米を作るということは非常に大事ですが、一方で、それが可能な土地ですとか水の利用環境などの確保が重要になってきて、この点は様々問題があるのではないかと指摘をされていますので、お米が減っていく想定でどんどん作付けを減らしていくということが本当にいいのかということは、消費者としては不安に思うところです。この点についても、こういう施策を打っていくとか、考え方としてはこうだということでコメントを頂ければと思いました。
以上です。ありがとうございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、藤尾委員、お願いします。 - 藤尾委員
今回の基本指針の変更について、非常に丁寧な説明ありがとうございました。本当に回を重ねるごとにつれて、だんだんと精度というのが上がってきているなというのを実感しております。そこでなんですが、より更に、このあたりの精度を上げていくために、ちょっと御質問があります。
まず生産量のところですが、今回、前年から比べると、5年産から比べると22万トンのプラスということで、また7月末の食糧部会での見通しの数字から見ても14万トンのプラスということで、大幅なプラスということで683万トンという生産量と今回想定されています。
その要因としましては、参考資料1のところにも書いてありますが、まず面積、これは当初からの想定どおりなんですけれども、面積が1.7万ヘクタール増えているというところと、私自身がちょっとこれは驚いたのですが、単収のところなんですけれども、単収は今まで大体、前年、令和5年産でいうと533キロ、それが11キロ増えて544キロということで、ここ近年にも増して一番高い単収になっているというところなんですね。ですから、ここまで単収が増えたところについて教えていただきたいなというふうに思います。
それと、需要量のところですが、これは今回非常に見通しを立てにくいなというふうに私自身も思っております。先ほど来、皆さんの方から、価格の高騰の話ですね、そこがありました。確かに、今スーパーの店頭価格を見ても驚くんですが、都内でしたら5キロ3,780円とか3,880円とかで普通に売られておりますけれども、キロ単価にしたら700円以上になってくるんですけれども、さすがにやっぱりここまで極端に上がると、消費者の方の、以前で言ったら10キロの価格ですから、ディスカウントスーパーとかで置いていた10キロの価格帯ですから、ここまで上がってしまうと、消費者の方も購買意欲というのを失ったり、また、あと私自身、これは直接需要量のところに対しては、ひょっとしたら影響はないかも分かりませんけれども、スーパーとか小売店で買うよりも、ふるさと納税の方で購入するというお客さんがより増えるんじゃないかなというふうに思います。当社の方からも、自治体から委託精米ができないかという問合せが今殺到しておりますので、そういう傾向にシフトするかなというふうに思います。
また、インバウンド需要におきましては、多分これは減ることはないと思います。むしろ逆に、まだインバウンドの来られる方は増えておりますので、ここは逆に去年よりまた増えてくるんじゃないかなというふうに私自身は思っております。
それと、あと去年でも需要増のところに歩留りの話が入っておりましたけれども、実は新米は当社の方もどんどん入ってきております。それで、精米工場の方に確認しましたら、昨年よりは少しいいけれども、当社でいうと、通常大体90%で見ているんですけれども、89ぐらいやっているんですね。だから、通常、例年より1%ほど低いというふうな状況ということで聞いております。
これは当社のデータですので、全国的な精米工場でのデータではないですので分かりませんけれども、ひょっとしたら昨年5年産ほどではないですけれども、6年産も通年よりは歩留りが悪い、やっぱり高温障害が出ているんじゃないかなというふうに思いますので、そのあたりも次回の食糧部会のときには是非データとして入れて、数字としてカウントしていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思います。
それとあと、最後になるんですけれども、民間在庫のところなんですね。この6月は156万トンということで、これは結構、米卸業界でも衝撃的な数字だということになりました。それで、これは大変だということで、この数字というのも、やはり米騒動の一つの要因として私らは捉えております。
ただ、この数字は今のシミュレーションでいくと、来年の6月末が162万トンということで、この156万トンから見ると、当初出さずに156万トンから見ると、6万トンとかぐらいで、それで今回修正した数字から見ると10万トンぐらいですか、増えるということなんですけれども、162万トンになれば、果たして、今年、当初156万トンと言われておったんですけれども、156万トンで、ここまで実際にパニックになったのに、162万トンになれば落ち着くのかというところなんですね。このあたりも、少し私自身も考えるべきじゃないかなと思います。
結局は、今回これも資料が出ていますけれども、米騒動の要因として相場を引き上げたということもありまして、参考資料2の6ページのところに相対価格が書いてあるんですが、相対価格が2万2,700円となっているんですね。これは前年比でいうと7,400円上がっています。プラス48%ということで、前月比でも6,567円、プラス41%、それで、また2万2,000円を相対価格が超えたのは平成15年以来ということを書かれておりますけれども、本当にこれは相対価格が上がったということは、生産者の人たちに行く概算金、また追加払いをプラスした概算金ですよね、これが物すごく大幅に上がっています。各産地も、例えば北海道のななつぼしでしたら概算金が令和5年産は1万二千七、八百円だと思うんですね。それが今2万円を超えていますから、もう大幅に上がっています。
これは、私自身は、非常に傾向としては、ちょっと上がり過ぎは上がり過ぎなんですけれども、概算金が上がったことで農家さんの手取りが上がることに関しては大賛成です。ただ、やっぱりこれだけ今年は極端に上がって、令和7年産が極端に下がるようなことがあれば、また生産者の生産意欲もそがれていくんじゃないかなというふうに思いますので、このあたりに関しましても一度考えていただきたいというふうに思います。
私の方からは以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、小林委員、お願いします。 - 小林委員
皆様、丁寧な資料と御説明を頂き、ありがとうございます。
需給見通しにつきましては、様々な要素が合わさってこの数字になっているので、現在の感覚として、全体感は妥当であると感じております。
一つの企業の立場で考えると、この在庫量というのは、自分が見て特段少ないと思うこともなく、逆に、在庫が余りにも多いと米は鮮度も必要なものなのでよくないところもありますし、そんな中での自然災害に対しての予見などはちょっと難しいなという肌感もあります。天候、災害による生産減だったり、歩留りだったり、消費の落ち込みなどを考えると、今後、年明けに検討する必要はもちろんあるものの、現時点では私は妥当だと考えております。
それとは別に、また肌感というところではあるんですけれども、消費者サイドの気持ちとしては、自分の周りを含めて米が不足しているという声が多く、社会全体としての不安感というものを感じていたのではないかと思っています。
その後、新米が出回るも、かなり本当に高騰していて、私自身も農家からお米を仕入れて販売すると仕入れ値の高騰というところでかなり厳しさを感じたのも正直なところです。
お米というのは当たり前に食べられる、私たちを支えてくれるものだという認識があっただけに、逆に今ちょっと気持ちが離れているなというのは、消費者サイドの気持ちとしてはあるのではないかと思っております。
また、その反面、生産者でもあるというサイドから考えていくと、毎年本当に肥料の高騰や気温の厳しさ、高齢化とか農業を続けていくことへのハードル、厳しさというものを感じてきた中では、何だか今年は少し報われているような気持ちがあるのも正直なところです。
先ほど稲垣委員や皆様もおっしゃられていましたけれども、今後価格が大幅に下がってしまうと、一度上がった価格を経験してしまったがゆえに、ちょっと心が折れてしまわないのか、生産意欲というところでちょっと心配になります。自分の立場や年齢ですらそう感じているのですから、やはり高齢の方だったり、農業を専業にしている人たちにとっては、よりそこは顕著に表れるのではないかなというふうに感じております。
生産と消費、どちらの気持ちにも共感でき、本当に難しいところではあるなと思いますし、不安感を感じずに価格も生産も安定していくことは、社会としては必要ではあると考えてはいるのですが、それでも、やはり当たり前に食べられるものではないというところは知っていってほしいなと思います。
そこについて、また情報発信というところでお話をさせていただくと、資料等、大変丁寧に説明いただきありがとうございます。そのおかげで、もちろん私など、お米に携わる人たちは、米不足についての知識は正しく得ていたので理解はできていたと感じるんですけれども、社会への共有というのは不足していたように感じます。また、不足していただけではなく、正しく伝わっていないというのも何となく感じてニュースを拝見しておりました。
今後、様々なヒアリングを進めていく中で、今このお米不足を機に「食についての関心」というのも高まっている状況だと思うので、その情報を危機的なとき以外でも発信するということは本当に必要なのではないかなと思います。
といいますのも、やはりお米が高いというと、何か生産者が儲けているんじゃないか、生産がちゃんとうまくいっていないのではないかという、不安が怒りに変わってしまったりという懸念もありますし、生産・消費の両者の対立関係になるというのはあまり好ましい状況ではないのかなと思うので、双方の理解を深めるためにも、生産への理解などを進められていくと、今後価格などが変動していったときに、双方への理解、リスペクトの中で、多少の気持ち的な怒りだったり不安だったりというのが抑えられていくのではないかなと思いますし、そう期待したいところだなと感じております。
以上です。ありがとうございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、山﨑委員、お願いします。 - 山﨑委員
今日は丁寧な御説明、分析、ありがとうございました。
基本指針の変更については、妥当であると思います。今後の収穫量の確定、精米歩留り、在庫、消費の動向を見極めて、適宜見直しをすることが必要だと思いました。
私からは1点、質問とお願いをさせていただきます。
昨日、フランスでの試食販売から帰国したんですけれども、フランスでも日本の米不足報道を知っていまして、日本のおいしいお米がフランスでは買えなくなるのではないかということを心配されておりました。令和の米騒動と言われていまして、日本国内、そして海を越えた海外でも話題になっておりました。こうした中で、情報発信や報道関係者のブリーフィングの開催とのことでありましたが、具体的にどのような情報発信をされる予定であるのか、お聞かせいただけましたらと思います。
また、農水省からのきめ細やかな対応、タイムリーな情報発信に大いに期待したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、平田委員、お願いします。 - 平田委員
平田でございます。
冒頭に、まず基本指針の変更について、ここまでも何人かの委員の皆さんが言っておられますけれども、年明けの部会開催と、そこでの詳細の再検討ということが続いておりますので、その上で了承させていただきたいというふうに思います。
先ほど冒頭に御指摘が出ておったと思いますが、この6月末在庫の162万、それから8年の182万という数字を、ここまでの議論では少ないという見方と多過ぎないかという見方が出ておりましたが、162万が24パーセントですね。
24パーセントを、過去の例えば800万トンのパイで掛けると192万ぐらいになるんですかね。ということなので、これは評価が難しいのは重々承知で申し上げますが、これまでの感覚でいうと、不足感を補うには割合十分なんではなかろうかというふうに私は個人的に思っておりました。
むしろ、この8年の182万というやつに800を掛けると、多分214万ぐらいになったような気がします。これは相当価格が下落するようなインパクトの数字だなというふうに思っておって、冒頭に御指摘があったように、7年産の生産量については、果たして横並びでいいのかというのは私も少し疑問を感じております。
今、小林委員からもありましたけれども、産地の生産マインドが厳しくなっているのは、そのとおりだと思っております。何かしらのきっかけがあると、リタイアにつながりかねない状況というふうに思っております。昨日、一昨日だかも、ある生産者さんが今年の高値の話をしたときに、ボーナスをもらって、ここで勇退した方がいいかなというようなことを言っておられて、何か象徴しているなというふうに思っておったところです。
2点目の論点とリンクしますけれども、これまで産地の価格、相場というのは、農協の概算金というのが圧倒的なプライスリーダーだったというふうに思うのですが、今年は明らかにそれが違ったというふうに言えます。民間勢の買入れ価格がもうものすごく農協の概算金との差があって、これは表現がどうか分かりませんが、ある民間の方は、農協の袋に入った米が大量にうちの倉庫に来ていますというようなことを言っておられて、象徴しているなというふうに思ったところです。
考えてみると、JA系統さんも始め我々もそうですが、通年で供給をする仕事をしている勢力は、今年のような状況になったときに、期中での価格の暴落が経営的に非常にまずいので、生産払いじゃなくて買入れでやっていると、それが非常に危ない話なので、秋の一瞬の相場に玄米ですぐに飛ばすといいますか、玄米販売をしてしまう業者さんに買い負けている面があります。
つまり、お米の流通業として真っ当なというと言葉はあれですが、真っ当な仕事をしているつもりの勢力が、アルバイトというとあれですけれども、一瞬の利益をボーナス的に狙ってくる業者に負けるということになるので、流通の制度そのものがもつ制度なんだろうかというのを少し不安に思ったりしております。
では、どのように変えていくべきなのかということについて、その解を持っているわけではありませんけれども、そういう意味では、今年の秋の相場、それから流通の実態を分析しておくことが非常に重要だなというふうに思っています。
いずれにしても、我々は、うちもそうなんですが、法人の形態で農業を営んでいる勢力は、我が身が死するとも法人の経営に生き残ってもらいたいという気概を持って仕事に取り組んでいますので、当然、食料の供給責任をしっかり果たすことで、我々の経営が生き残っていくという気概を持って仕事をしているつもりです。そういう意味では、供給の仕組というか機構を維持するために、その気概を持っている勢力を育成していただくということを念頭に置いていただきたいということを申し上げて、意見にさせていただきます。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
オンラインの菅原委員、お願いします。 - 菅原委員
菅原です。よろしくお願いします。
御説明いただいた内容については、妥当だと思います。
私からは、2点ほどお話ししたいと思います。
まず令和6年産米についてなんですけれども、今年も高温が続いたり、お米にとって大事な時期に台風だとか大雨だったり天気に左右されて、ちょっと心配していたところだったんですけれども、収穫が終わりまして、量と質ともに、まずまずいい状態だなと思っています。歩留りも、自社精米では昨年よりはいいのかなと感じているところです。価格も今年は上がりまして、やっと適正価格に近づいたんじゃないかなと、生産者のモチベーションが上がる価格になったなと感じている反面、価格が上がれば需要が下がるということなので、今後の動きをよく見ていく必要があるなと感じています。
ただ、資材とかが値上がりしている中で、米の価格が上がるというのは、消費者の皆さんには理解いただきたいですし、何で上がっているのかというところも、生産者からも発信も必要だと思いますし、農水省の方からも情報発信をお願いしたいなと思っています。
それから、令和7年産米についてです。令和6年産米がこれだけ価格が上がると、次の年は下がるんじゃないかという不安がすごくあります。データでもあるように、価格が上がった年の次の年は下がっているというデータもあるので、すごく心配だなと思っています。
多少の上がり下がりがあるのは分かるので、大幅な下落というのは、生産者にとってはすごく厳しい状況になっていくと思いますので、令和7年産の価格についても、すごく注意して考えていかなきゃいけないなと思っています。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
それでは、山波委員、お願いします。 - 山波委員
山波です。本日もよろしくお願いします。
今ほど事務局の皆さんから丁寧な資料をそろえていただきまして、御説明いただきまして誠にありがとうございました。
まず諮問のあった事項ですけれども、需給見通しについて、現時点では妥当寄りということで、それはなぜかというと、先ほども平田委員からも稲垣委員からも出ていましたかね、令和7年産の主食用米の生産量、これが683万トンというのが、ちょっと私は引っ掛かるんですね。令和8年6月末民間在庫量が182万トン、これがもし作況が同じように102だった場合、そうしたら一瞬にして200万トンを超える、当初から言われていた180から200の間にという中でずっと議論してきた中で、ここ最近では、その需要量自体が落ちているんだから、6月末在庫も比率で180にこだわる必要はないんじゃないかというところで話をされてきたと思うんですけれども、この数字というのは、これから生産量が確定し、そして歩留り等が、いろんなことが分かってきた中で、また、それこそ新年になって、もう一度需給見通しを再検討されるということなんですけれども、ここは慎重にやっていただきたい。1月といいますと、生産する側からすると、もうぎりぎりのタイミングですので、その辺はできるだけ早い段階で、国としてこういう見通しだということを示していければというふうにお願いしたいと思います。
この数字というのが、なぜ非常に、ちょっと危ういなと思っているのが、今、需要に応じた生産ということでずっと長年、事務局の皆様、農水省の皆さんで、この作付転換をすることに対して、いろんなお金を付けていただいて、そうやって生産誘導というものを御努力いただいていたんですけれども、今、全くもって主食用米と、それから作付転換したものの収入と全く合わないところに来ているのは事実なので、ただ、やっぱり需要に応じた生産ということは、これはもう絶対に必要だと思いますので、そういう観点からも、きちっと需要に応じた生産をする中で水田を、また畑をきちっと守っていくために、そこには国としても応援していきますよということを、引き続き是非ともキャラバンを続けていただきながら、私たち産地の人間も、仲間にもそういうふうに伝えていきたいと考えております。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
では、宮島委員、お願いします。 - 宮島委員
どうもありがとうございます。
まず最初に、諮問された変更案につきましては、私としても異論はございません。つまり、たった今ある状況からすると、いろいろな心配はあるんですけれども、この数字ではなくて別な数字だというような根拠があるものもありませんので、やはり今後の見直しをしっかりしていくということかと思います。
そして、今回のこの夏の騒動なんですけれども、まず丁寧に分析をしていただいて、そして、その分析の結果を受けた対応の方向性というのは、納得がいくものです。一方で、私はメディアにおりまして、その渦中にもいたので、若干これだけで大丈夫かという気持ちは持っています。
まず私は、生産者の側の理解はしようと思いつつ、自分自身は消費者側の情報の方が入りやすいので、あくまでその立場で申し上げるんですけれども、米の状況として、とにかくもったいないことになっちゃったなと思ってしまいます。
せっかく小麦とかパンとかうどんがすごく高くなって、みんな米を食べようという気持ちになっていて、米の需要が、米を食べる勢いがすごくあったこのタイミングで買いに行ったらないという状況になっちゃって、一般の人は、米がないんだったらカップヌードルでもいいかなとか、パスタをゆでれば何とかなったとか、むしろ米じゃなくてもいい経験を積む機会になってしまって、結果的に起こったことは、とにかくもったいなかったなと思います。
さらに言うと、高値になって、そして、せっかく今あると言われても、本当に値段は落ちないですよね、消費者から見たらですけれども、落ちないですよね。そうすると、ああ、お米はやっぱりもう高いものなんだという気持ちになっちゃって、確かに小麦もパンも高いんだけれども、選択肢の中で、米の優位性は落ちてしまうという状況に結果的になってしまったことは本当に残念なので、二度とこのようなことは起きてほしくないというのが、まず最初の気持ちです。
そして、原因の大きなところが、情報と言われていて、幾つかの段階があって、取っている情報が十分だったのかという疑念は持っています。つまり、流通がどんどん変わっている中で、ヒアリングする相手や取る状況は、やはりもっと精緻でなければいけなかったのではないか。特に、今の米の生産が正に需要に応じたというところで、非常に精緻な流通も含めたコントロールの中で維持しているという状況の中では、その流通の状況の変化ということを考えるべきではなかったのかと。
だとすれば、先ほどふるさと納税に行きそうだというようなお話もあったんですけれども、ここから先はボリュームを上げてくるかもしれないふるさと納税やインバウンドの需要ですとか、輸出を増やすとか、そういうことに関しても、よりビビッドに情報を取っていく必要があるのではないかと思います。
さらに、発信のところなんですけれども、私たちから見ると、やはり最初のアナウンスの発信は遅かったと思いますし、方法がこれでよかったかというのはすごくあります。最初に大臣が大丈夫だよとおっしゃったんですけれども、今、世の中は、恐縮ながら、政治家の方が大丈夫だよと言ったらみんなが大丈夫だと思う状況でもありません。実際にお店に行ったらないわけですから。SNSでの情報というのがすごく広くなってしまっている中で、もっと言うと、比較的ずっと省庁とも付き合ってきたメディアがちゃんと発信をすれば、それだけで止まるとも、ちょっと思えない状況なんです。
SNSで広がる情報に対して、もうダイレクトに、どういうふうにしていくかぐらいの気持ちを持たなければ、ちゃんとした情報が伝わらないということは、かなりあると思います。
むしろ今の世の中は、予防的なアナウンスということには慣れてきたなと思っておりまして、今回の災害情報がそうだったんですけれども、結果的には大したことにならなくても新幹線を止めるとか、いろいろな予防的措置をとるということに対しては、一般の国民も怒らなくなっていますし、もしかしたら、もっと相当早くリスクの可能性が出てきた段階で落ち着かせるための情報発信があり得たのではないか。ただ、それはもちろん、下手してしまうと、そこから買いだめが起こってしまうので非常に難しいんですけれども、今の国民の情報の扱いをしっかりと見極めながらの、今よりもずっと多チャンネルの情報発信ということを頑張るということではないかと思います。もちろん、これは全部後から見てですので、そのときの当事者の方々はすごく努力されたと思うんですけれども、ただ今の情報の広がる早さや、そのタイプに必ずしも合っていなかったと思います。
それを見て、この後の心配なんですけれども、ではこれは今年だけかというと、今後起こらないとも限らないと思うんですね。しかも、これだけぎりぎりの数値で需要に合った生産というのをやっている中で、今回のように一つか二つ予想と違ってしまったら、一気にここまで騒ぎになってしまうという状況に対しての体制をどこまで作っていくかが、すごく重要と思っています。
もちろん、需要と供給なんだけれども、事実上減反を求めていくという政策が本当に今後の消費に合っているかという、中長期的な視点も必要だと思います。正に新しい需要というのが今後出てくる可能性があるなら、今の人口減に合わせた、この一種ざっくりとした需要予測だけで本当にいいのか、いろいろなお立場のいろいろな方が今回の対応に意見を言っていらっしゃると思うんですけれども、今回これが起こってしまった以上、この延長で今後ももつのかということに関しては考える必要があると思って、正に基本政策の議論でもそうですし、こちらの食糧部会でももっと深める必要があるのではないかというふうに思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、岩村委員、お願いします。 - 岩村委員
「食料・農業・農村基本法」の改正で、食料安全保障は「良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され、国民一人一人がこれを入手できる状態」と定義されました。これに照らし、今回の米価の高止まりをどうするか、安定供給をどう実現するかを考えると、今回お示しになった需給見通しは、今の段階では、数字としては不確定要素が多いので、改めて年明けにお示しになるということで、これはこれで一つの御判断だと思いますし、現時点で妥当と思います。
他方、生産者の方が来年の生産計画を立てるにあたり、この数字をどう解釈すればよいかということに関して申し上げます。「今後、収穫量の確定、精米歩留まりや在庫、消費の動向等を見極め、令和7年から令和8年にかけての需給見通しの見直しについて、あらためて諮問する」と書いてありますが、仮に推計の前提となるそれぞれのファクターが、例えば作況が102から101になったり、それが98になったりしたら、この数字がどう変化するのか、歩留り率が何%になったらどう動くのか、また米の市場価格の変動によってこれらの数字にどのように影響が出るのか、などについて、丁寧な説明が大切だと思います。さもなければ、年明けにいきなり新たな数字を提示しても現場で混乱が生じかねないのではと考えています。
もう一つ、数字は数字として毎回お示しいただいておりますが、ある程度幅を持たせて数字を作ることについてどのようにお考えでしょうか。さすがに幅を持たせすぎると、相当程度現場が混乱するので、数字は一本化して示すということなのか、私も過去の経緯がよく分かっていないので素人的な発想で恐縮ですけれども、お考えを教えていただければと思います。
以上です。 - 大橋部会長
藤尾委員は2回目、補足があるということでお願いします。 - 藤尾委員
すみません。
ちょっと私、先ほど確認不足でしたので、改めて確認させてもらいます。
今回、皆さん御存じだと思いますが、SBSの方で外米の方がすごくヒートアップしておりまして、この要因の一つというのは、やはりこの米不足騒動で相場が大きく上がったことによりまして、例えば大手の丼チェーンとか、あと事業給食とか、そういった外食向けの米、ここに関してのオファーが物すごく我々に来ておりまして、それで第1回目のSBSで大体年間10万トンですので、それを4回に分けていますので、大体1回2.5万トンぐらいに対して、第1回目が大体7万5,000トン、3倍ぐらいの応札がありまして、第2回目も、また更にそれより応札が増えまして、7万七、八千トンあったということで、2.5万トンの提示に対して3倍ぐらいの応札がある状態なんですよ。それで、マークアップも第1回目150円、第2回目が200円ということで大幅に上がっております。
この状況というのは、多分10万トンそのまま買われると、落とされると思いますし、このままいきますと、当然それが外食の方にブレンドとして需要されるわけなんですよね。ですから、これは私の認識不足かも分からないんですけれども、需要と供給のところが先ほど来皆さんが言っているように、ぎりぎりのところに今来ているんですよね。それによって、7年産の米の価格がひょっとしたら大暴落するかもしれないし、あと今年6年産並みの値段を維持できるかも分からないしということによって、生産者のモチベーションが大きく変わると思うんですよね。
ですから、このSBSのところに関しては、今もし入れていたらちょっと別なんですけれども、需要のところに盛り込んでいっているかどうかということを確認したかったので、できたら説明をお願いいたします。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
長部委員はどうでしょうか。 - 長部委員
ありがとうございます。
皆さん、ほぼ御説明いただいたとおりで、今回の諮問については、提示されている需給見通しというところでは、これまでどおりの推計基準に従って、妥当なものではないかなというふうには思いました。
それ以前に、最近は非常にリアル感があるというか、その時々に合った鮮度のあるデータ収集を流通業界、各界ごとにヒアリングをしていただいて有難いと感じております。これからは、急激な変化というのがいろいろな要素で重なってくると思いますので、状況に応じて、より消費者に近いデータ収集というのを引き続きお願いできればというふうに感じております。
それと、7年産米の主食用の生産量や7年産米の主食用の需要量についても、毎年それぞれの理由で上げ下げがあるのですが、数年を総じて見たときに、特に主食用米の需要量の推移というのは、毎年10万トンぐらいの減少が続いているというのが大きな事実、流れでこれは否めないと思うんですね、人口も減るということもありまして。
ですので、以前も言ったかもしれませんが、中長期的な目線のこれからの方策、考え方というのを、備蓄米の適正な数量も含めてですが、どのようにお考えかなとお聴きしたいと思っております。
農業に従事の方、生産者の方の数字についても、農業法人という塊としては増えているように思うんですが、中小規模の農家さんへの支援というか足元の実態について、そこはもちろんキャラバンで地域にあちらこちらに回っていただいて、つかんではいらっしゃると思いますが、きめの細かい支援や政策をどのようにお考えかなという事も改めて思った次第です。
今回の米不足は、皆さんおっしゃるように、棚から米がなくなっていましたし、売り場での反応がすごく早くて、今回は地震のニュースが重なって、なおのこと消費者の方が慌ててしまい、買っておかなきゃというようなことも重なったと思うんですが、やはりテレビを見ていましても、米不足をあおるような、メディアのワイドショーや報道もあったり、SNSもフェイクに準じたような書き込みがあったりしていますので、そこをコントロールするのは非常に難しいとは思うんですが、逆に行政として、臨時的な実情を知らせる公共の発信があってもいいんじゃないかなと、ふと思ったりしました。ですので、消費者の方がちょっと過剰反応をして騒ぎ過ぎてしまう、そういうところを抑えるのは難しいけれども、やはり公の立場としての発信力というのも、もっとあってもいいんじゃないかなというふうに感じました。
私たち酒造業界としても加工用米が非常に少なく、金額も30%以上上がってきている。網下の特定米穀の方も一部使ったりしていますが、そのあたりは全く今は手に入らない状態です。来年度以降に関しては、今年以上にこの流れでいくとお米代が上がるんじゃないかと。一方で、お米の価格が上がると、やはり消費者も食べなくなって、需要が下がる。価格の動きにもいろんな要因があり、自然災害や地理的要因、それから海外の政治の地政学的状態も、いろいろな要因での変化が大きくなってくると予想されますので、これまで以上に、臨時的にでも皆さんこうやって有識者の方が集まって意見交換をされる場を作っていただくのが有効ではないかなというふうに感じております。
以上です。ありがとうございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
皆さんに御発言いただきまして、様々御質問も頂いたところですので、取りあえず事務局からお答えを含めてリプライいただければと思います。 - 武田企画課長
ありがとうございます。
少し答弁漏れがあったら御容赦、御指摘いただいたらと思いますけれども、まずは需給見通しでございます。需要なり在庫に対して、両面の見方が委員の皆様方から示されたと思いますけれども、私ども供給としては、何名かの委員からも御指摘ございましたように、今年の9月25日現在の生産量が出ましたけれども、それほど取れていないというようなお声も、また伺っているところでございまして、このあたりは、また後ほど統計部の方からも技術的なところでお答えいただくと思います。そういったことが一つ。
もう一つの歩留りでございます。これも委員の中からも御指摘がございましたように、昨年よりはいいような状況でございますけれども、等級でいうと、昨年よりも明らかにいい。しかし、工場でお聞きしている歩留り、これはデータで聞いていますけれども、昨年よりはいいけれども、例年よりは悪いというような状況があります。ですので、ここもまた両面あるといったこと。
また、流通のところでございますけれども、在庫のデータは、今日の段階までお示ししている在庫のデータというのは、昨年からずっと続いていて、在庫がはけていっているような、そういう挙動を示している。一方で、販売に関しては、ヒアリングの中でも出てきましたけれども、データ的にも少し鈍化しているような状況、POSのデータなんかもそうです。ですので、その両面があるというような中で、引き続き私どもはデータを整理しながらお示しする、その両方があるように感じているというところでございます。あと、またこういったことを産地にしっかり説明を、要は両面あるんだということをしっかりお示しをしていきたいと思っております。
また、岩村委員から幅で示したらどうかと、過去も何回か幅で示したことは実際あります。ただ、あのときの幅はかなり荒っぽいというとあれですけれども、そういったやり方でございました。私どもも、これだけいろんなデータが出てきて、我々もいろいろなデータを分析してございます。ただ、それぞれ見通しも有意な確率とかもございますし、統計も一定の確率でやってございます。これはまた人口も同じようなものでございますので、こういったものを見ながら、もしかすると幅というようなことも、今日つぶさには御説明いたしませんでしたけれども、ほかの手法での推計などもやってみると、大体傾向は一緒だけれども幅があるような形でございますので、そういったところは研鑽を積んでいきたいというふうに思ってございます。
あと、今後の中長期的なところの生産体制の確保なり、その政策に関して、あるいは備蓄のありように関しても含めてということで、何人かの委員から御指摘を頂いてございます。正に、先国会で成立いたしました基本法に基づきまして、基本計画の議論をしてございます。その中では、令和9年産以降の米政策の在り方を総合的に検討していくというようなこと、併せて備蓄の在り方についても検討していくということになってございますので、また、8月にもお示しをしたこれまでの20年間の生産動向、構造の変化、こういったことも踏まえて、私どもは主に企画部会での議論になりましょうけれども、企画部会でも御議論させていただいて、また食糧部会でも、この議論をフィードバックさせていただきたいというふうに思ってございます。
あと、価格の今後の見通しなり、あるいはそういったことが生産意欲に対してどう影響を与えていくのかというところでございますけれども、ここはなかなか難しいところでございます。私どもも今回の資料の中で、価格の上昇というものが二つの要素で構成されていると。一つは生産資材の価格の値上がりを受けた値上がりが一つ。もう一つは、やはり今回の品薄を受けた集荷競争によって上がった部分が一つということでございまして、こういったあたりの動向も、私どもは価格そのものに関与するわけではございませんけれども、そういった状況を関係者の皆様方に発信することで、それぞれがその情報をもって行動していただくというようなことではないかというふうに考えているところでございます。
あと、今申し上げた集荷競争が起きていて、私どもが今日お手元にお配りしているマンスリーレポートなんかでも、いわゆる通常、私どもが情報を取っている大手の集荷業者さんのところが集荷ができていないというような状況は把握しているところでございますけれども、一方で、お米は生産量としては、少なくとも9月25日現在ということでございますけれども、683万トン穫れているわけございます。この米が消えてなくなるわけではございません。
流通は多様化してございます。先ほど消費者とのチャネルという意味では、ECサイトとか、ふるさと納税の話もございましたけれども、こういったところがどうなっているのかというデータ的なところも押さえていきますし、あと、やはりデータで押さえられない部分は、情報収集をもうちょっと多様化していくべきじゃないかという御指摘もございましたけれども、ヒアリングなり、そういったところをやっていきたいということでございます。
あとは、今年の品薄の関係で、もう少ししっかり流通がその責任なりを果たしていくというようなことで、今回私どもが見ている限りでは、しっかり計画的に出していってはいたけれども、あの消費の跳ね上がりに対しては応えられなかったということでございます。
私も再々申し上げたように、前職は食品流通を担当してございまして、やはり各流通の段階で調整機能というのを果たしていくというようなことは重要だと思っております。そういった形が作れるように、先ほどの中長期的な検討の中でも、しっかり流通体制、需給と価格の安定が私どものミッションでございますので、そこを果たせるように、民間の方々とも協力しながらその体制を構築していきたいというふうに思ってございます。
あと、二村委員から、今年の品薄の状況で備蓄米をもう少し柔軟的にというようなお話もございました。私どもも再三申し上げているように、年間の全体の需給としては逼迫していないという状況でございましたけれども、他方で、今回供給がああいう需要の跳ね上がりに対して対応できなかったということは、また事実でございます。
こういった状況に対して、私どもが保管をしている備蓄米は、基本は大凶作などの不足、足の方の不足に対応したものでございますけれども、こういった備蓄米が全体の需給には影響を与えない、不足のときにやる、出すというような、その役割を維持しながらも、備蓄米が何かお役に立てる部分があるのかどうかというところは、いろんな方面からも御指摘も頂いているところでもございますので、少しまた、ここは検討、研鑽を積んでいきたいというふうに思ってございます。
また、情報収集、情報発信は先ほども申し上げたとおり、情報収集は、いろんな我々が常に取っているところだけではなくて、もう少し情報収集の幅を広げるとともに、情報発信は、なかなかフランスの方に理解いただくというのは難しいかもしれませんけれども、タイムリーな情報発信をというのは、今回ヒアリングをさせていただいた、特に消費者との接点の方々からも御指摘いただいているところでございます。
私どもは、どうしてもSNSを通じた発信とかというのは躊躇してしまうところはありますけれども、どういった形が分かりやすく、しかも正確に、分かりやすく不正確では困ってしまうので、正確に伝わるかといったところを工夫をしていきたいというふうに考えているところでございます。
あと、藤尾委員から先ほどございましたSBSに関しては、この需給表上は、正に国内で生産されたものの生産と需要ということでございますので、SBSはこの外数になっているということでございます。
以上、私がお答えすべきものは大体お答えしたと思います。あとは統計部の方から簡単に統計についての補足を頂ければといます。 - 橋本生産流通消費統計課長
ありがとうございます。統計部でございます。
先ほど二村委員と藤尾委員の方から、今年の6年産の見込み数量683万トンが、現場の実感からすると、これほど取れていないのではないかというような御指摘を頂いたのかなというふうに考えております。
こちらの統計調査のやり方ですけれども、統計調査の作況調査につきましては、全国で無作為に選んだほ場で実際に実測調査をさせていただいております。9月25日現在で収穫ができる場合は刈取りまで行い、9月25日現在で収穫期を迎えておらず、刈取りがまだできない場合は穂数、もみ数を数えて、9月25日以降は気象が平年並みに推移するという仮定を置いて予測をしております。このように、9月25日時点で各県ごとに実測調査をした調査結果の平均値を、公表値として公表させていただいております。
この調査結果を見ますと、単収が多いところから少ないところまで平均値を中心に偏りなく分布をしているので、統計調査としては適切に行われているのかなと思っております。一方で、この統計調査は、対象がごはんに供給ができる可能性があるお米ということで、1.7ミリ以上、かつ規格外を除いた一等、二等、三等を対象に調査をさせていただいておりますので、場合によっては農家さんからお話を聞くと、三等でそのまま出すのではなくて、色彩選別機とかで更に調整をして、もっと消費者にいいものを届けるということで、そういう意味で、こんなに統計ほどの収量には実際はなっていないんだというお話をお伺いしたり、また、1.7ミリよりも実際農家さんが使っているふるい目は1.8ミリとか1.85ミリ、1.9ミリとか、そういうところでふるっているというところで、今回公表している683万トン、また544キロという単収は、1.7ミリ、それから一等、二等、三等を対象とさせていただいておりますが、そういうあたりでちょっと実感と違う数字になっている可能性はあるのかなというふうに思っています。
ただ、今回9月25日現在ということで、まだ9月25日以降に収穫期を迎えるところにつきましては、正にこれから実際に収穫した結果を今取りまとめをしている最中でございまして、今度10月25日現在ということで、11月中旬にまた公表させていただくということで、今鋭意取りまとめ作業を進めているところでございます。
皆様に使っていただく数字ですので、引き続きしっかりと調査を進めていければというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
一通り御回答いただいたと思っているんですけれども、もし特段、漏れがあったりとか御発言希望があればと思いますが、いかがでしょうか。
ありがとうございます。
大変活発な御議論ありがとうございました。様々御意見あるところで、あと、この数字についても本当にいろんな見方を頂いたんだと思っています。6年産は、これから収穫量も確定していったりとか、あるいは歩留りや消費ももう少し見るとどうかという話もあるんだと思いますが、それはまた、年明けにもう一度、議論させていただくということでありまして、そこでまた需給の見通しを議論させていただくという点を踏まえて、今回は、この数字でいかがかということでの諮問、改定ということですけれども、皆さん、取りあえずこの数字について、特段御異論なりなかったのかなというふうに思っておりますので、本部会としては、諮問があった米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、適当と認めてよいのかなというふうに思っておりますが、この方向で御異論ないでしょうか。よろしゅうございますか。
(異議なし) - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、異議がないということでございまして、本日は議事の決定に必要とされている出席者の過半数を超えていますので、これは適当だという旨の議決とさせていただきます。
繰り返しますが、事務局からも収穫量などのデータを精査して、年明けに改めて諮問するということですので、この間しっかり御検討いただければと思っております。
本食糧部会の議決については、審議会の議決ということとなっておりまして、後ほど食料・農業・農村政策審議会として、農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたします。
なお、農林水産大臣への答申につきましては、書面にて行うこととなっておりますが、その文面について御一任いただけますでしょうか。
(異議なし) - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、これで議題の1と2が終了でございまして、お時間はちょっと超えちゃっているんですけれども、あと数分頂いて、議題の3と4をやらせていただければと思います。
議題の3は、米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針についてです。本件も農林水産大臣から審議会に諮問がございますので、まず事務局から諮問文書の読み上げを行っていただいて、資料の御説明も併せてお願いいたします。 - 尾室穀物課長
穀物課長の尾室でございます。
資料3の諮問を読み上げます。
6農産第2887号、令和6年10月30日。
食料・農業・農村政策審議会会長殿。
農林水産大臣、小里泰弘。
諮問。
米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針の策定について、米穀の新用途への利用に関する法律(平成21年法律第25号)第3条第5項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
以上でございます。
続きまして、資料4の説明をさせていただきたいと思います。
1枚めくっていただきまして、この法律の概要がありますけれども、今、主食用米の需要が減っていく中で、米粉用、飼料用といったものの新用途を拡大していかなければいけないという中で、平成21年に法律を策定しまして、この法律の中で、基本方針を策定して取組を進めるということにされているところでございます。この基本方針については、政令において、おおむね5年ごとに定めるということにされておりますので、令和7年度が見直しに当たるということでございます。
そうした中で、1枚めくっていただきますと、基本方針の前回決めたものがありますけれども、1から5番まで、米穀の新用途への利用の促進の意義であったり、米穀の新用途への利用の基本的な方向、生産製造連携事業及び新品種育成事業の実施に関する基本的な事項、米穀の新用途への利用の促進に関する重要事項、米穀の新用途への利用の促進に際し配慮すべき重要事項、こういったことを基本方針の中で決めております。この基本方針も前回の策定から5年経っておりますので、今の状況に合わせてアップデートしていきたいということでございます。
こうした需要拡大の流れをさらに進めていくための方針について、皆様に御審議いただきたく、本部会において諮問させていただきたいということでございます。
実際の御審議については次回の食糧部会においていただく予定でございます。
以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
今御説明いただいたとおりなんですが、事務局において、基本方針案の策定等の必要な手続は進めていただくということで、年明けの食糧部会で改めて御審議いただくということで、今回こうした形で御紹介させていただいたということですが、これにてよろしいですか。
ありがとうございます。
それでは、事務局におかれては、引き続き手続の方を進めていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
時間が過ぎてしまって大変恐縮でした。本日の議事については全て終了ということで、進行は事務局にお返しをいたします。活発な御議論、本当にありがとうございました - 島本企課課課長補佐
大橋部会長、どうもありがとうございました。
それでは、閉会に当たりまして、農産局長の松尾から御挨拶申し上げます。 - 松尾農産局長
本日は長時間にわたりまして御議論いただきまして、誠にありがとうございました。
また、本日大臣から諮問いたしました基本指針の変更につきまして、適当と認める旨、答申いただきまして、誠にありがとうございました。
武田課長の方からお話ししましたように、非常に私どもも今回慎重に物事をきちんとデータで分析していかなきゃいけないという強い思いを今持っているわけでございます。例えば一言だけ言わせていただくと、先ほど今年の品質が、等級がよくていいというお話と、ただ精米で見たら、もしかしたらちょっと去年よりいいけれども、平年よりは比べたらどうかなというお話がございました。
多分、私どもは8月とか早い時期に検査したものの等級は結構低かったわけでございます。それで、9月ぐらいにできてきたお米の検査結果というのは、非常に等級がようございます。ただ、9月のお米というのは、すぐに売られるわけではないので、今多分、8月、9月で売られている精米は、割と早い段階のお米なんだと思います。
そのようないろいろ違った側面が、よくよくデータを見ていくと一つにつながって、正しいものの見方ができるんじゃないかなということで、私どもはもう少し、例えば集荷とか検査とか、あるいは在庫とか、マクロのきちんとしたデータがもう少しそろうのを見させていただきたいということでございます。
他方で、やはり農家の方々、現場へのメッセージという意味では、作り過ぎたら当然よくないわけなんですけれども、昨年と同じということで今回出させていただいております。現場で来年混乱しないかということでございますけれども、年明けになって、例えば1割とか2割とか、そういうことではないので、例えば1%が7万トンぐらいなわけですけれども、そういう微調整のレベルで今年の生産はこうですかね、ああですかねというのがあるかもしれませんよねということなんだと思います。
そういう意味では、私どもは来年の準備をされる農家の方々にも、今年の生産量なり、あるいはこれからのいろんな要素、販売の動向もこれから出てきますし、いろんな要素も丁寧に、先ほどありました武田担当課長の方から、ブリーフィングについては、これからはデータを公表するだけではなくて毎月きちんとやっていく、そういう中でも、今年もまだあと何回もありますし、来年もきちんと情報提供、発信しながら誤ったメッセージにならないように、しっかり年明けに対応できるように、私どもも精力的にやっていきたいというふうに思っております。
少し長くなりましたけれども、重ねて本日の精力的な御議論にお礼を申し上げまして、閉会の御挨拶といたします。
どうもありがとうございました。 - 島本企課課課長補佐
以上をもちまして、本日の食糧部会は終了とさせていただきます。
委員の皆様におかれましては、長時間にわたり御審議いただきまして、本当にありがとうございました。
午後3時07分 閉会
お問合せ先
農産局農産政策部企画課
代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961