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食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和7年1月31日開催)

PDF版は議事録(PDF : 552KB)

開会

午後3時00分 開会

  • 竹内企画課課長補佐
    定刻が参りましたので、ただいまから第64回食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開会いたします。
    委員の皆様方におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
    開会に先立ちまして、本日の委員の皆様の御出席状況でございますが、ここに御列席の皆様、そして今回は二村委員、金戸委員におかれましてはウェブで御出席いただいております。
    また、長部委員におかれましては所用により御欠席との連絡を頂いております。なお、馬場委員におかれましては、所用により遅れて御参加されるとの連絡を事前に頂いておりますので、御報告申し上げます。
    それでは、開会に際しまして、庄司農林水産大臣政務官からごあいさつをお願いします。
  • 庄司農林水産大臣政務官
    皆様、こんにちは。農林水産大臣政務官を拝命しております庄司でございます。
    食料・農業・農村政策審議会食糧部会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。委員の皆様におかれましては、本日は御多用のところを御出席を頂きまして、感謝を申し上げます。
    本日の食糧部会では、昨年10月に変更いたしました米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針に関し、令和6年産米の収穫量を反映させた変更につきまして、改めて諮問をさせていただき、御審議を頂きますとともに、米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針に関し、今後の策定に向けた論点整理について御議論を頂く予定でございます。
    令和6年産米につきましては、最終的な収穫量の見込みは679万トンとなりました。昨年10月に御報告をした予想収穫量683万トンよりも減った形となっておりますが、令和5年産米に比べて18万トン多い生産量ということになります。本日は、直近の販売動向や在庫等につきましても、併せて御説明をさせていただき、需給見通しの変更案をお示しをいたしますので、需要に応じた生産・販売の実現に向けて、各産地における令和7年産米の作付けの検討に活用を頂きますよう、委員の皆様に御審議を賜りたいと考えております。
    また、生産量は先ほど申し上げましたとおり、令和5年産米と比べ18万トン増加である一方で、集荷の大宗を担う全農・経済連・全集連系の集荷につきましては17万トンの減少と、集荷競争が起き、流通に滞りが生じている状況とお伺いしております。このような状況が続きますと、昨年夏のような品薄も懸念をされますことから、先般、江藤大臣からも会見で御発言させていただきました政府備蓄米を活用した対応案等についても御説明をさせていただきます。
    もう一つの議題でございます、米粉など米の新たな用途につきましては、全国のスーパー等でも米粉あるいは米粉商品をよく見掛けるようになってまいりましたが、米粉の需要量が令和5年度で5万3,000トンまで広がっている状況でございます。本日は、更なる利用拡大に向けた米穀の新用途への利用の促進に関する基本方針の策定に関しまして、米粉の現状等について説明をさせていただき、委員の皆様の意見を伺ってまいりたいと思っております。米に関しまして、昨年から米の価格等につきまして、消費者の皆様の関心も高いところでございます。
    農林水産省といたしましては、需給見通しの策定や生産者、消費者をはじめ、関係者の皆様方の御意見を伺い、きめ細かな情報提供を行いながら、需給の安定を図りつつ、今後の需給状況や価格動向につきまして、引き続き必要な取組を推進をしてまいります。委員の皆様から忌憚のない御意見、また、活発な御議論をお願いを申し上げまして、私の冒頭のごあいさつに代えさせていただきます。
    本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
  • 武田企画課長
    農産局企画課長の武田でございます。
    資料は、会場の皆様方の、いつものとおり机上のタブレット、そして一部紙媒体にてお配りしているというところでございます。ウェブで御参加される委員の皆様方には、先ほど電子メールでお送りしたファイルを御覧いただければというふうに思います。まず、資料一覧に記載してある資料一式がそろっているか御確認いただければと思います。
    また、今日、会場で御出席いただいている委員の皆様方のお手元には、参考資料5というものも併せて紙でお配りさせていただいております。
    これは現在、食料・農業・農村基本計画というものを同じく審議会の企画部会の方で御議論いただいているところでございますけれども、これに関して、お米を中心とした土地利用型作物について抜粋をさせていただいて、机上に置かせていただいているということでございます。
    今日、一つずつ御説明はいたしませんけれども、意見交換、質疑の中でこの辺りも必要があれば触れていきたいというふうに思っております。
    よろしくお願いしたいと思います。
  • 竹内企画課課長補佐
    ありがとうございます。
    続きまして、委員の皆様の御発言の際について、会場に御出席の皆様におかれましては、事務局がマイクをお持ちいたします。
    また、ウェブ参加の委員の皆様方におかれましては、常にこちらの音声が聞こえる状態にしていただき、御発言の際にはマイクをオンに、御発言が終わりましたらオフにしていただきますようお願いいたします。
    動作の不具合等が発生した際には、チャット等を通じて事務局にお知らせいただきたいと存じます。
    それでは、この後の議事進行につきましては、大橋部会長にお願いいたします。
  • 大橋部会長
    皆さん、こんにちは。
    本日は、お忙しいところ御参集いただきまして、ありがとうございます。
    また、ウェブからも御参加ありがとうございます。本日は時間が限られておりますけれども、いつもどおり闊達な意見交換ができればと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
    本日、議題は大きくは二つございまして、最初の議事から早速参らせていただきたいと思います。米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更案についてということで、農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございました。
    今回は、これまでの食糧部会で皆様から御意見のあった米の消費動向について、新たに事務局が行った分析も併せて御報告いただけるということでございます。
    それでは、早速ではございますけれども、事務局から諮問文書を読み上げていただいて、併せて資料の御説明もお願いいたします。
  • 武田企画課長
    引き続き、企画課長の武田でございます。よろしくお願いいたします。
    まず、諮問文の読上げをさせていただきたいと思います。資料1を御覧いただきたいと思います。
    6農産第4012号、令和7年1月31日付けでございます。
    食料・農業・農村政策審議会会長殿。
    農林水産大臣、江藤拓。
    諮問。
    米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の変更について、主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律(平成6年法律第113号)第4条第7項において準用する同条第4項の規定に基づき、貴審議会の意見を求める。
    以上でございます。
    それでは、またいつものとおり、指針に関しては皆様方のお手元に、参考資料1と参考資料2というものを用意してございます。こちらを用いて、今回の指針の変更のポイントなどについて、御説明をしたいと思います。
    まず、参考資料1を御覧いただけますでしょうか。まず、1枚目にございますのが需給見通しの変更(案)のポイントということでございます。これは先ほど農林水産大臣政務官からのごあいさつにもございましたとおり、昨年10月に一度7月に策定したものを基本指針を変更するということで諮問をさせていただき、答申を頂いたものでございます。
    その時にもお示ししていたとおり、その後のいろいろなデータ、当時は9月末のデータを用いて指針を変更したということでございますけれども、その後出てくる生産量であったり、あるいは販売、在庫の状況といったものを見て、改めて年明けに諮問をさせていただくということを含めてお諮りさせていただいたところでございまして、そのことについてでございます。
    まず、ポイントの一つ目の丸でございます。10月にお諮りした時から、先ほどの農林水産大臣政務官の挨拶の中でもちょっと触れられてございましたけれども、6年産米の主食用米の生産量でございますけれども、当時は10月公表のものを用いてございました。
    683万トンということで、これは9月25日現在のものでございましたけれども、12月公表のもので679万トンということで、4万トンほど下方に修正されてございます。ですので、まずここは機械的に米の基本指針における需給見通しにおける6年産の食用米等の生産量についても修正をしたいということでございます。
    また、二つ目の丸でございます。7年産の主食用米の生産の見通しでございます。
    これは10月の時に、その時の683万トンと同水準ということで、638万トンで見通したわけでございますけれども、後ほど幾つかデータを御確認いただきますけれども、その時とそれほどそれぞれのデータに大きな傾向の違いはないということでございますので、この7年産の主食用米の生産の見通しは683万トンで据え置く。ですので、それ以外のところも含めて据え置くということで、この1丸目で御説明をした生産量が4万トン下方に修正された部分だけを需給表示を修正をするということでございます。
    具体的に言うと、真ん中に表がございますけれども、まずBの欄でございます。繰り返しになって恐縮でございますが、令和6年産の主食用米の生産量を683万トンから679万トンに修正。そのことを反映いたしまして、Eの欄でございますけれども、令和7年6月末の民間在庫量も4万トンほど下方に行くということで、162万トンから158万トンということでございます。
    次に、令和7年から8年の需給見通しのところでございます。Fのところでございますけれども、こちらは683万トンで据え置くということでございます。
    最後、Iのところですね。令和8年6月末、来年の6月末の民間在庫量も、先ほどのEのところと同様に4万トンほど下方に修正をして、182万トンから178万トンということが適当ではないかということでお諮りさせていただければというふうに思ってございます。また後ほど、そのデータにあまり傾向の変化がないということは御確認いただくよう御説明したいと思います。
    もう1点でございます。1枚おめくりいただけますでしょうか。
    こちらは、先ほど御説明したとおり、令和6年産の主食用米の生産量というのは679万トンということでございまして、令和5年産と比べると18万トン多いということでございますけれども、昨年の夏の品薄を受けて、そのまま集荷競争がかなり激しくなっているような状況でございまして、主立った流通の大宗を担うようなところの集荷量が、生産量が増えている一方で、集荷量が11月末の段階では17万トン減、後ほどデータでも見ていただきますけれども、直近の数字は21万トンの減となっていることを受けて、私ども、こういった流通の滞りに対して対応できないかということで検討してまいりました。
    今回、買戻しの条件を付けた上で売渡しをするということを、政府備蓄米の活用方法として指針に盛り込むということを御提案させていただくものでございます。
    ちょっとおさらいがてら、今の備蓄の基本的な考え方も含めて御説明をしたいと思います。
    まず、(1)のところに書いてございますのは、まず柱書に書いてございますのは、100万トンを現行の適正備蓄水準として棚上げ備蓄で行っているということで、(ア)~(ウ)と略されていますけれども、こちらに棚上げ備蓄の手法論が書かれているということでございます。
    この棚上げ備蓄で備蓄後に、備蓄後のお米をどういうふうに処理というか、販売をするかというところが(エ)でございます。備蓄米は、備蓄後に飼料用等の非主食用として販売をするということが規定されてございます。
    また、なお書きでございます。これは昨年の7月を思い返していただけると、令和5年産は非常にふるいの下のお米、小さい粒のお米、主に加工用に回っているお米が少ないということもございまして、加工原材料に関して飼料用以外にもこういったことを棚上げした備蓄後のお米を販売するということをお諮りさせていただいて、答申を頂いてございます。そのことが書かれているというものでございます。
    (オ)番でございます。(オ)番は正に備蓄の本来の役割ということでございますけれども、大凶作や連続する不作の場合において、民間在庫が著しく低下するなどのお米が不足する時における備蓄の放出について規定されているというものでございます。
    次に、今回赤字で括弧で見やすくしてございますが、(2)ということでございますけれども、こちらは不作以外の―(オ)番は正に大凶作とかといった不作の時でございますけれども―不作以外の災害時、例えば東日本大震災の時に津波で倉庫が被災をしてしまいましたけれども、その時に代替供給というものを行いました。そのことについて位置付けているものでございます。
    今回お諮りいたしますのは、(3)番の部分でございます。(1)(オ)の放出というのは、先ほど申し上げた大凶作や連続する不作などにおいての放出でございます。
    (2)というのは、先ほど御説明した不作以外の場合の代替供給ということでございますけれども、今回主食用米の円滑な流通に支障が生じる場合であって、農林水産大臣が必要と認める時は備蓄の円滑な運用を阻害しない範囲で、買受資格者に対する主食用としての備蓄米の売渡しを、政府が当該買受資格者から一定期間後、1年以内に、当該備蓄米と同等同量の国内産米の買入れを行うとの条件を付した上でできることとしますということで、これを買戻し条件付売渡しということで行いたいということで御提案させていただくものでございます。
    要すれば、今その生産量、先ほど御説明したように、主食用米の供給が不足しているということではないわけでございますが、やはり流通に滞りが生じているということでございます。
    ですので、不足しているわけではないので、(オ)番の大凶作の時の放出には当たらないわけでございますので、私どもの政府備蓄米、売渡したものと同量を1年以内に買い戻す。ある種貸し出すような形をして、備蓄米を活用することでこの流通の滞りを解消したいというものでございます。また後ほど、図を見ていただくと分かりやすいかと思います。
    それでは、次に、参考資料2で今申し上げたことを簡単にデータで振り返っていきたいと思います。こちらはページをおめくりいただきまして、2ページでございます。令和6年産の主食用米の収穫量につきましては、先ほど御説明したとおりでございます。
    次のページは飛ばさせていただきまして、4ページをお開きいただけますでしょうか。
    令和6年産米の集荷業者、これは正に全農さんとか経済連さんとか全集連さんとかといった集荷業者さんの集荷なり販売の状況でございますけれども、右側に9月末時点のもの、12月末時点のものをまとめた表で整理してございます。
    これは正に9月末時点というのは10月の食糧部会で皆様方にお諮りした時点で、12月末というのは今の直近のデータでございますけれども、まず集荷の数量、右側の上の表ですけれども、9月末時点でも17万トン減ということでございますけれども、12月末の段階ではこれが21万トンということでございます。減少幅が広がっているということでございますけれども、生産量が増えているのに対して集荷量が減っているということの傾向は9月末、12月末で大きく変わりはないということでございます。
    また、販売数量でございますけれども、販売数量、これは集荷業者さんが卸売業者さんに販売する数量でございますけれども、9月末の時点ではプラス1.5、12月の末時点ではプラス6.4ということでございますので、集荷は先ほど申し上げたとおり減っているわけでございますけれども、卸売業者さんから多分確保したいという要請が強いということがこの辺りに出ているということでございますけれども、プラスだというところの傾向は変わらないということでございます。
    またページをおめくりいただきまして、5ページでございます。
    こういったことを受けて、集荷段階、集荷業者さんの在庫量の状況でございます。また、同じように右側の上の表でございますけれども、9月末現在のものと12月末現在のものを比較してございます。5年産と6年産の差を見ていただきますと、9月末現在で49万トンの減だったものが、傾向は変わらず、12月末現在は48万トンの減というようなことでございます。
    一方、6ページをお開きいただけますでしょうか。
    卸売業者さんの販売状況でございます。こちらも同じように、9月末現在、12月末現在を比べてございます。右の上の表の一番下の欄を御覧いただいたらと思いますけれども、販売計のところで比較していただくと、9月末現在、昨年との対比でいうと、卸売業者さんから小売事業者さん、中食・外食事業者さん向けに販売されているものは昨年よりもちょっと下回って97.7%で、12月末現在でその削減幅がちょっと大きくなって96.2%といったような状況になってございます。また、月別の推移もその下に載せておりますので、御覧いただければと思います。
    こういったことを受けまして、7ページでございますけれども、卸売業者さんの今度は在庫の状況でございます。
    これも同じように9月末現在のものと12月末現在のものと比較してございます。先ほど集荷業者さんの販売状況を御説明いたしましたけれども、その時に卸売業者さんの方の確保したいという意向がすごく強く出ているというふうに御説明いたしましたけれども、ここが正に卸売業者さんの民間在庫量のところにも表れてございまして、9月末の段階では前年差でいうとマイナス2万トンだったわけでございますけれども、12月末の段階ではプラス4万トンということで、傾向として大きく変わるかというと、それほど変わらないとは思いますけれども、プラスの方に働いているというようなことでございます。
    このように、先ほど御説明したとおり、10月にお諮りした段階と今回お諮りした段階と、それほど各段階における販売とか在庫の状況が変わらないということでございますので、先ほど申し上げたように、679万トンという収穫量の下方修正だけを今回修正したいということでございます。
    あともう一つ、11ページをお開きいただけますでしょうか。
    これが直近の令和7年産の産地の動向でございます。ここに示してございますのは、私どもが10月に683万トンという見通しをお示しした上で、各産地で見通しなり目安といったものを立てているものをまとめたものでございます。この11ページ左側が東日本、右側が西日本ということでございますけれども、全国の合計でいうと大体6年産対比で4万ヘクタール程度の生産増ということになっているということでございます。
    飛んでいただきまして、27ページをお開きいただけますでしょうか。
    我々は、令和7年産の需要に応じた生産・販売、正にもう少し需要に応じて生産をフレキシブルにしていった方が良いというようなことで、7年産から少し新しい取組をしたいということでございます。
    27ページ左側に三つほど記してございます。
    まず、これは今までもやっていたわけでございますけれども、1番に書いているように、産地といろいろな情報を用いて密に意見交換をしていくということ。
    2番目でございます。先ほど各産地で立てている見通しなり目安といったものをまとめたものを御覧いただきましたけれども、ここからそれぞれの現場現場で作付けの意向というものを取ってございます。
    1月末、4月末、6月末というものを私どもは取っているわけでございますけれども、これは今までは矢印で示していたわけでございますけれども、変更があり得るべしということを前提に、面積の情報を公表していこうというものでございます。
    次に、そのことと連動して、3番でございますけれども、今まで私ども、いろいろ営農の計画は6月末に出していただいたら変更を基本的には受け付けないような、そういったような形を取ってございましたけれども、こういったいろいろな情報を丁寧に発信していくことで、より需要に合った形で生産をやっていただこうというようなことで、一回6月末に出していただくんですけれども、8月20日までにその計画内容の変更を受け付けていくということで弾力的な対応を行っていきたいと。
    ただ、一方で、主食用米も最近、昨年の夏以降、やはり播種前に契約していくような傾向も強くなってございますし、あるいは加工用とかそういったものは制度的にも契約を前提としてございますので、もちろんこの契約の変更があって、その上で制度的な締切りの制約を弾力化したというものでございます。
    最後に、28ページでございます。先ほど備蓄米をある意味貸し出して、また戻していただくようなスキームというものを御説明をいたしたわけでございますけれども、そのことを含めたものを整理しております。
    まず、左側の上のところを御覧いただけますでしょうか。現状認識でございます。繰り返しになりますけれども、生産量は前年より多いという中で、集荷の大宗を担う集荷業者さんのところに、11月末時点では17万トン、直近でいうと12月末時点では21万トン減っているというようなことでございまして、これは大体在庫でいうと7割強のカバレッジになるんですけれども、そうじゃないところにお米が分散しているような状況ということで、円滑な供給に滞りが生じているというようなことであろうということで推察しているところでございます。こういった状況でございますので、矢印の下でございますけれども、私ども二つ取り組もうとしてございます。
    まず、一つ目は調査ということでございます。私ども、先ほど申し上げたように毎月の動態、在庫の動態とかは大体7割から8割ぐらいのところのカバレッジで把握をしているわけでございますけれども、それ以外の部分について、具体的には生産者、あるいは小規模な集荷業者、卸売業者のところの在庫の状況を食糧法に基づいて調査をするというものでございます。
    もう1点目は、先ほど文案でも見ていただきましたけれども、買戻し条件付き売渡しということでございます。全体として供給量に不作が生じているというわけではないということでございますけれども、通常の供給ルートに乗っていない流通が増えたことで、多くの一般の消費者の皆様方がお買い求めになるようなルートに乗っていないというような状況でございますので、少し流通に滞りが生じているということでございます。
    こういったようなことを放置していくと、昨年夏のような品薄みたいなことが起きかねないということでございますので、先ほど御説明したような政府備蓄米を、今回は集荷業者のところの集荷が集まっていないということでございますので、集荷業者向けの買戻し条件付きの売渡しを検討するということでお諮りするものでございます。
    具体的なイメージは、右側にあるように集荷業者さんのところから政府備蓄米を、これは私どもの備蓄米は入札か、あるいは随意契約になりますけれども、この(ア)のところで「申出により売渡し」と書いてございますけれども、この申出というのは入札であれば応札といった形になりますし、随意契約であれば見積り合せの見積りが提出されるというようなことになります。
    それに基づいて数量を売渡して、市場に供給をされた後、多分7年産になると少し余裕が出てくるということでございますので、その分がまた国に戻ってくるというような形で、需給上は同数量が行って、また戻ってくるというようなことで政府備蓄米を活用して、この流通の滞りを解消するというものでございます。
    以上、ちょっと長くなりましたけれども、私からの御説明は以上としたいと思います。よろしく御審議のほどお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    今回最後に諮問に対する議決を採らせていただきたいと思いますけれども、他方で今回事務局から様々な新しい資料も付け加えていただいたところもございますので、そういったところを含めて、是非委員の方々から御意見を賜れればと思っています。
  • 葛原穀物課米麦流通加工対策室長
    すみません、資料をもう一つだけ説明させて下さい。
    参考資料3になりますけれども、簡潔に説明いたします。
    私、農産局穀物課米麦流通加工対策室長をしております葛原と申します。
    前々回8月の会の時に消費動向について御紹介した中で、山田委員からTI値を使った分析など、そういう定性的な分析などをしてみてはどうかという御提案もございましたので、それを踏まえて近年の消費動向について分析したものがございますので、簡単に御紹介させていただきます。
    1枚おめくりいただきまして、こちらは炭水化物の摂取量のトレンドなのでございますけれども、だんだん落ちてきているわけですけれども、上の青いところが米になるわけですが、炭水化物が落ちている分、米がどんどん減ってきているという状況でございます。
    続きまして、2ページ目でございますけれども、こちらがTI値というので御提案いただいたものでございますけれども、こちらはライフスケープマーケティング社というところがモニターの方に御協力いただいて、食卓でどういうメニューが出ているのかというのをデータベース化しているものを販売しておられるわけですけれども、それを使いまして分析してみましたところ、米飯類のTI値、テーブルにどのぐらいの頻度でそのメニューが出現するかなんですが、2008年ぐらいをピークにだんだんと減ってきている。つまり登場頻度が減ってきているというのが見えます。
    3ページ目でございます。こちらの方は内容でございますけれども、どういうメニューかというのを見てみますと、いわゆる白御飯、おかずと一緒に食べるようなものでございますが、これが2001年から2023年にかけて55%から53%に若干減っているんですけれども、一方で若干増えているのがワンプレートものとか、おにぎりとかチャーハンとか丼、あるいは玄米とか雑穀御飯といった健康志向的ものがちょっと増えている。
    すしとか、5%から3%という形でちょっと減っていて、家でそういうものを作る機会が若干減っているのかなというふうに見てとれます。
    続きまして4ページでございますけれども、こちらは以前、家計調査の結果でも御紹介したのと同じような結果なんですけれども、20代は案外米の登場頻度というのは変わらないんですけれども、60代の方、黄土色のところでございますが、結構減ってきているなというところで、次のページなんですけれども、その60代の方のメニューを調べてみますと、特に朝御飯ですね。
    これは減少が激しくて、上の帯グラフのところでございますけれども、まず、そもそも主食類を食べていないという人が増えている上に、その中でも米飯というのが減っている。ただ、その米飯の中でも、やはり同じ傾向で簡便志向のワンプレートものとか玄米とか健康志向ものは割合としては増えている。
    続きまして6ページでございます。米類、これはどういう製品が売れているのかなということで、いわゆる米の商品のPOSデータの分析結果でございますけれども、米も増えているんですけれども、やはり米の加工品とかパック御飯などがございますけれども、冷凍米飯とか、こちらはその購入金額やSKUも大きく伸びているということが分かります。
    7ページでございます。こちらは同じ米でも、小売商品でどういうもののサイズが伸びているのかなということで、グラフ中見にくくて申し訳ないのですが、500グラム未満の次、黄色が500グラム以上1キロ未満、1キロ以上3キロ未満というふうに読んでいくんですけれども、これでいきますと、このだいだい色の500グラム未満のところで、ここは大きく、絶対数としてはまだまだ少ないんですけれども、例えば2合ものの袋売りとか、そういうものが結構販売数の伸びとしては大きいのかなというのが見てとれます。
    続きまして、8ページでございます。先ほど、すしが家庭でのメニューの登場回数としては減ってきたというのはあるんですけれども、こちらは外食の方に目を転じてみますと、この折れ線グラフの方が、その年間の使う頻度なんですけれども、全世代でも伸びていて、特に若者の世代、29歳以下の方はすごく伸びている。
    一方、その支出金額の方を見てみますと、この一番右端の斜線のところを見ていただくと若干減っている感じなんですけれども、若者はこの帯グラフの一番左端の黄土色で増えているんですけれども、トータルでいうと金額としては減っていて、下に表を載せてございますけれども、1回当たりの支出金額で見ると、かなり20年ちょっとで減ってきている、その代わりよく通うようになってきているという、そういう生活スタイルの変化が読み取れる。こんなことがわかりましたので、御紹介させていただきます。
    ありがとうございました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、委員の皆様方から御意見を頂戴できればと思います。御発言希望の方は手を挙げていただくなり、プレートを立ててもらうなり、お知らせいただければ指名させていただきます。
    オンラインの方も挙手で頂ければ、指名をさせていただきますのでよろしくお願いいたします。
    山田委員、お願いします。
  • 山田委員
    まずは丁寧に御説明を頂きまして、誠にありがとうございます。
    結論から申し上げますと、今回一番のテーマになっておりますのは、備蓄米の条件付き売渡しについてというこの施策だと思うのですが、これは基本的に私は賛成でございます。ただ、この施策の目的は、私の理解ですが、あくまでも市場に現物を促すということで、需給バランスを正常に向かわせることにあるというふうに拝察をしております。
    したがって、本施策で市場そのものを作るということではない、この点は改めて明確にすべきではないかなと思います。我々は民間ですから、原則市場価格というのは需給バランスが基本でございます。ただ、米の場合、これは私もこういうところに出て、ようやくそういうのは理解したのですが、なかなか市場形成の見えない部分、例えば過去より言われている縁故米などもありますので、ほかの商品に比べてその需給バランスがアンバランスになりやすいといいますか、そういう可能性があるのかなというふうに見ております。
    今回も、当初、新米が出れば供給が多くなって価格も落ち着くという見立てでしたが、先ほどのお話のとおり、集荷段階で不足が生じ価格が高くなっていると。先ほどの御説明のとおり、生産量、つまり供給余力はあるのに集荷段階の需給バランスというのが少しイレギュラーな形になっていて、そういう構図に対して備蓄米を放出することで通常の需給バランスに戻して価格を下打ちさせるという、こういう目的ではないかというふうに理解をしております。
    したがって、そうした流れになれば、改めて備蓄米を買い戻すというのは理にかなっているということだと思いますし、冒頭申し上げたように、今回のポイントは、私は促すということだと思っています。今回大臣が言及したことでアナウンス効果も出ていると思いますが、何度も言いますが、誘導して促すことが重要だと思います。
    つまり、今回の施策の前提は、生産量自体があるということが大前提でありまして、逆にその前提が崩れれば大きく変わってくる。実態として当初の想定とは違って生産量そのものが大きく減少しているとすれば、先ほどの説明にありました(オ)番の方にやはり適用を変えざるを得ないし、それは備蓄米の放出ということになるのではないかと思います。したがって、根本から施策が変わるのかなということになります。
    そのため、今回は小規模な集荷業者や卸業者などの調査もされているとお聞きしましたが、それがカバー率7割から8割をもうちょっと上げるということだと思うのですが、やはりその精度を高めるということが何よりも大事なのではないかなと。改めてしっかりと生産量の検証をすべきではないかなと理解をしております。
    あと、もう一つは、本施策は最終的にやっぱり国民に対して安定的に適正価格でお米を購入できるようにするということが目的かと思いますので、どうしてもKPIとしては価格水準ということが議論にならざるを得ないと思っています。ただ、政府が価格形成に介入することは避けなければならないと思いますので、公表するとまたいろんな思惑も出てくるので。ただ、ある意味で腹積もりはしていく必要があるんじゃないかなと思います。
    あらゆるもののコストが上がっている中で、生産者におけるコスト転嫁も必要ですし、生産ができなければ供給量が更に下がり負のスパイラルになると、こういうことも考えられますので、安ければい良いという発想ではなくて、再生産可能な水準を踏まえた価格、そうしたことを目安といいますか、KPIみたいなものとして、今回の施策の効果測定の基準として考えていく必要があるのではないかなと思っております。
    次回の食糧部会は、通常ですと3月ということになりまして、効果検証にはなかなか難しいのかもしれませんが、そうしたことをきっちり見極めて、今後の議論に結び付けていく必要があるんのではないかなと思います。
    最後に、話は変わりますが、先ほど説明していただいたTI値に関わる詳細な分析については、大変ありがとうございます。このようなデータを取ることが米飯類における生活者の動向や、需要予測を精緻にしていくということかと思いますので、是非今後とも定期的に対応していただければよろしいのではないかなと思います。
    私の方からは以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、馬場委員、お願いします。
  • 馬場委員
    まず、需給見通しの見直しについて、今回示された見直しについては、12月に公表された6年産米の収穫量は反映されており、現段階での見直しとしては妥当だと考えます。ただ、需要量についても6、7年の需要量については、10月末時点の需要見通しと同じ674万トンとなっておりますが、米の小売価格は出来秋以降も上昇基調にあって、今後消費への影響が懸念されるところですので、引き続き需要動向の調査、把握に努めていただき、適時適切な情報提供をお願いしたいと思います。
    また、2枚目のところにありました政府備蓄米の買戻し条件付きの販売について、御説明があったように令和6年産の集荷競争が激しく、集荷業者としての集荷量が前年度より大幅に減少しております。そういう面では食糧の安定供給に支障が生じている状況です。
    こうした中で投機的な動きも加わって米のスポット価格市場が高騰したり、過去になく加熱しています。今回の買戻し条件を付した上での政府備蓄米を販売するという考え方の提起ですが、米の需給への影響を配慮しつつ、主食用米の安定供給を確保するという意味では有効な手段だと思いますし、スポット価格、スポット市場を正常化させることも必要だと思います。
    一方で、今後、相対取引価格が下落して生産者手取りに影響するというようなことがないよう、販売数量や価格、実施時期等を慎重に御検討を頂くようお願いしたいと思います。
    最後に、7年産について、各県の生産の目安が出そろって、昨年から4万ヘクタール増産となっております。
    さらに、これを目安を超過して過剰作付けとなれば、再び米価下落ということが強く懸念される状況にあるかと思います。国においては、7年産米の需要に応じた生産、販売を円滑に進めるためにも、令和7年度の水田関係予算の丁寧な周知を行うとともに、作付け動向や需要、在庫状況等のきめ細やかな情報提供に努めていただければと思います。加えて、需要に応じた生産、販売がJAグループ外も含めた全ての関係者によって取り組まれるよう、国からも強い働きかけを改めてお願いしたいと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    続きまして、稲垣委員、お願いします。
  • 稲垣委員
    どうもありがとうございます。何点かちょっとコメントめいたことですけれども、言わせていただきたいと思います。
    まず、最初に今もお話がありました全体の需給の話ですけれども、資料等を拝見すると、精米具合の話、インバウンドの話とかかなり細かく見ていただいていますし、TI値なんかも見ていただいているようで、結論から言うと全体としてマクロの需要を大きく動かすものではないというふうにお考えだということですが、私もそのとおりだと思います。引き続き需要の動向についてはきめ細かく見ていっていただくことが重要だと思いますけれども、今回のところは、この6年産米の生産量を見直すだけということで結構ではないかというように考えております。
    ここで、私自身の見通しの悪さを恥じるしかないんですけれども、前回の部会で7年産米の生産量、その時の6年産米の生産量見通しと同量とするということで、結果として8年6月末の在庫が積み上がるということになるものですから、大丈夫かと指摘いたしました。
    その時の足元の動きはありますけれども、マクロの需要からすれば、早晩かなり大きな価格の下落とか在庫の積み上がりということになるんじゃないかという心配で、ひょっとしたら年明けたところで生産量の大幅調整というようなことにならないかということを申し上げましたが、全く外れておりました。もう足元の状況は皆さん御指摘のとおりでございますので、改めて私の不明をお詫びいたしたいと思います。
    ただし、引かれ者の小唄ではございませんけれども、作況次第ではございますが、こういう在庫量を積み上げていくタイプの需給の中で、7年産米には依然として価格下落とか在庫大幅積み上がりという危険性があることだけは、再度余計なことを言うようでございますけれども、御留意いただくようによろしくお願いします。
    それから、次に備蓄米の活用スキームの話でございます。
    本来、価格とか需給の調整というのはなるべく市場に任せるべきだというのが私の持論ではございますが、今のこの目詰まりを起こしたというか、おかしな状況というのは、為替マーケットでいうファンダメンタルズに基づかない価格形成が行われると言っても過言ではないと思いますので、一種のこういう介入手法でありますこういった措置を取られるのはやむを得ないことだと考え、賛成いたしたいと思います。
    特に先ほども武田企画課長から話がありました、これは売切りということではなくて買戻し条件付きということですから、一種の言ってみれば米のブリッジローンを手当てしているということで、全体の需給としては足りているけれども、ミクロの目詰まりに対するものだということで結構なことだと思います。
    18ページの図を見ると、これは7年産米で返してもらうという想定のようなんですけれども、うまくいけば6年産米の間に異常事態が解消されるようであれば、6年産米の時点でも結構ですから解消していただいて、なるべく早く備蓄の回復を図っていただきたいというように思います。価格とか期間とか、そういった細かいことはこれから詳細を詰められるということで、これは非常に大変な作業で影響も大きいと思いますけれども、なるべく円滑に運営できるように、これもお願いをいたしたいと思います。
    その際にちょっと御留意いただきたいと私が思っている点を、2点挙げさせていただきます。
    価格というか、これはそもそも高騰する、目詰まりを起こして足りなくなっているものを売って、価格が落ち着いたら買い戻すと、言ってみれば高く売って、安く買うということですので、為替の介入なんかもそうですけれども、売却益が出る可能性がある。もちろん必ずしもこれは保証はされていないんですけれども、米相場を張って、それで儲けろというつもりはさらさらないんですが、少なくとも損失が出るというような運用にならないようにはお願いしたいと思います。
    それから、もう一つ、このスキームの中でそこまで細かく調整できるのかなというのは私も分からないんですが、足元の状況を見ますと全体として価格水準がちょっとばかげたと言うと失礼ですけれども、おかしいというのに加えて、産地銘柄間の価格体系が随分崩れているんじゃないかと。
    このことは問題だというふうに思います。個人的な話で申し訳ないんですけれども、私は米だけはうまいものを食おうと思って、自慢じゃないんですが、近所の米屋で一番高い新嘗祭献上米とかいう札の貼ったいい米を買って、うちは老人二人だけですから、そんなに米を食べないのですごい負担になっているわけじゃないんですけれども、この前、米屋に行ったら、かつて一番高かった米が、ほかの米がみんな上がって一番安い米になっている。これはいかがなものかと。これは契約栽培でやっていることの結果だと思うんですけれども、実は産地銘柄の価格の表が出ていたと思うんですけれども……
  • 武田企画課長
    19ページです。
  • 稲垣委員
    19ページです。すみません、ありがとうございます。
    これは個別の銘柄について話をするとちょっと障りがありますので、それは申し上げませんけれども、どうも私なんか見ていてもおかしいなと思うようなところが見受けられるところでございます。せっかく市場の評価に応じた生産、販売ということを目指してやってきたのが随分崩れちゃっているんではないかなと思いますので、この辺にもきめ細かく御配慮いただくようなことができれば、よろしくお願いしたいと思います。
    最後に、これは申し上げようかどうか、こんな小姑みたいなことを申し上げて良いのかどうかと思いながらも、あえて言わせていただきますけれども、この備蓄米の活用スキームについては、先週大臣から発表があったという報道を拝見いたしました。大臣から審議会の了承を得てと大変御配慮は頂いているんですけれども、愚直なことを申しますと、私どもは追認機関ではございませんので、やはり大臣の御発言というのは大変重うございますから、これが先行するということはやっぱり少しおかしいなということだけは申し上げておきたいと思います。
    今回のことはなるべく早く市場を正常化に導きたいということで、アナウンスメント効果を狙って、為替で言う口先介入みたいなものですけれども、それをやられたものだというふうには理解しておりますし、すみません、もし何かデータがあれば、これが結構効いていたということもお示しいただければ有り難いのですが。
    それから、先ほど申し上げましたが、大臣からの御配慮で審議会の了承と言っていただきましたので、ぎりぎりやむを得ないかなとは思うんですけれども、あえて苦言を呈させていただきました。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、藤尾委員、お願いします。
  • 藤尾委員
    今回、この短期間の間に非常に丁寧で分かりやすい資料を作成いただきまして、誠にありがとうございます。また、需給見通しの変更ですね。6年産の主食用の生産量が10月公表の時683万トンから、今回4万トン減って679万トンに下方修正されたことを用いまして、新たに変更ということに関しましては私自身も適当かなと思います。
    ただ、このポイントの中で生産量のところだけにフォーカスしておりますが、私は需要量のところがちょっと気になっておりまして、やはり需要量、今回は現時点での分析によるとやはり674万トンということで、据置きというふうになっているんですけれども、できましたら次回の食糧部会までにもう少しこの辺りについて分析していただきたいなというふうに思います。
    理由としましては、この頂いている参考資料の中で、9ページですね。歩留まりのところが出てきておりましたけれども、確かに5年産に比べればかなり品質的なものもあって歩留まりが改善されているというふうにはなっておるんですが、例えば令和2年から4年の平均から比較すると0.6%マイナスなんですね。
    ですから、この辺りがやはり需要にプラスに働くというふうに思いますので、この辺りも見ていただきたいなという、もう少し詳しく分析していただきたいなというふうに思いますのと、それから、やっぱり大きく需要にとって左右するのは、25ページのインバウンドのところなんですね。これもそうなんですけれども、やはり23年と24年を比べますと極端に1,100万人増えております。また増え続けておりますので、このままいきますとこの25年におきましては4,000万人を超えてくるんじゃないかということになっておりますので、かなりインパクト的にこの辺も大きくなってくるかなというふうに思いますので、この辺りも含めて、それとあと、先ほど若い人の米の消費があまり減らなくてということで、若い人はやっぱり消費量の多いゾーンでもありますので、その辺りも多少影響してくるかなというふうに思いますので、またこの辺りも精査してほしいなというふうに思います。
    それとあと、生産のところはこれは非常に難しいと思うんですけれども、生産のところにおきましては少し気になっておりましたのが、集荷業者の集荷販売量のところで、4ページのところなんですけれども、この集荷量が9月末時点では前年の17万トンマイナス、先ほど説明がありましたね。12月末の時点では20万トンマイナスということでありましたので、やっぱりこの辺りが集荷量が減っているのは、これは集荷が非常に苦戦しているだけか、それともひょっとしたら生産量が減っているんじゃないかというところ、もう少しやっぱり少ないんじゃないかというところに影響してくるかなと思います。
    5ページの在庫量のところもそうなんですよね。在庫量も、12月末の在庫としては最も低い水準の197万トンと出ておりまして、これも私自身も衝撃なんです。200万トンを切っていますので。ということは本当に全農さんを中心とする集荷業者の集荷量が大幅に落ちているだけが原因なのかなというふうに思いますので、その辺りもまたきっちりと精査していただきたいなというふうに思います。
    それと、もう一つなんですけれども、私は食糧部会の委員でもあるんですけれども、全米飯の方の副理事長という立場もありまして、全米飯の方でも今の現状について、会員企業の皆様からいろいろと情報を取っておりますので、これも今回の政府米の件につきましては参考になるかなというふうに思います。
    この5年産、皆さん御存じのように、5年産におきましては去年の春先ぐらいからだんだんとタイト感が出てきておりました。それで7月ぐらいから品薄やなというふうに感じていた矢先に、8月の上旬に南海トラフの地震情報が入りまして、これで一気に需要が拡大されました。それで8月の後半におきましては店頭から本当に米が無くなっていくというような事態になりました。
    このような状況の中で、農水省の方からも、食糧部会でも話があったんですけれども、新米が出てきたらということで、ちょっと落ち着くということで見ていたんですけれども、どちらかというとこのような状態の中、極早稲の米、早稲の米と出てきたんですけれども、この極早稲の米、例えば宮崎とかでもそうですけれども、もう草刈り場のようにやはり業者、また一部の卸が産地に入ってということで、かなり極早稲、早稲を中心に前倒しになっていったんですね。
    ですから、この辺りがありまして、かなり6年産は前倒しで買われて需要されていったということもありましたので、今現状でいいますと本当に6年産は既に供給が非常に難しい状態になってきております。例えば、私ども神明におきましてもそうですけれども、1月からスーパーさんに大体前年の実績の7割から8割に今提示しております。ですから、二、三割カットしてくれというふうな、だから売らないでくれというようなことになっています。
    どういうことをやっているかと言いますと、スーパーに店頭の価格を大幅に値上げしてもらっています。それによって売りを抑制してくれということで、このような動きも走っていっております。現に全米飯の方で1月22日に、全米飯の組合員の64社からアンケート調査したところによりますと、6年産米の系統からの販売提示数量が軒並み例年に比べて二、三割減少しております。それによりまして、原料玄米の調達量も前年の七、八割にとどまっているというふうに卸の方から見ていますが、正に私が今言いましたように、こういったことをしていかないといけないような状況になっているというところがあります。
    原因としましても、これは米飯の中での議論なんですけれども、参考にはなるかも分かりませんけれども、やはり当初はブローカーと集荷業者又は生産者の段階での滞留ですね。なかなか、そこでやっぱり持たれているんじゃないかなというふうに考えておりました。
    それでこの生産者のところにおきましては、これは私自身の意見なんですけれども、今まではどちらかというと農家保有米とか、親戚、知り合いの分とかというところだけじゃなく、生産者が、最近若い生産者が特に多いんですけれども、ECとかでネット販売していますので、自分の生産者の持っているお客様の分を置いているんじゃないかなというふうに思っておる。
    6年産においてはそういう傾向も強いんじゃないかなというふうに思いますので、やっぱりこの滞留している一つの大きな理由としましては、5年産の米不足によりまして流通の大きな変化があったかなというふうに思いますので、この辺りも今後の課題の一つになってくるかなというふうに思いますので、今回、また備蓄米については時期とか価格帯とか量とか、そういう具体的なことは一切まだないとは思うんですけれども、早急にまたこの辺りについて、できましたら方針を出していただきたいなというふうに思います。
    私の方からは以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    続いて、岩村委員、お願いします。
  • 岩村委員
    「米の円滑な流通の確保のための対応策の検討」についてコメントいたします。
    米価の高止まりは、卸や食品事業者への影響のみならず、消費者物価の押上げという経路を通じて実質賃金の低下につながります。これは国民の消費行動にも大きな影響を与えるため、経済界が目下懸命に取り組んでいる、賃金引上げの効果が減殺されることを懸念しております。
    こうした観点から、本来であれば、備蓄米の売切りと米の大幅な増産をセットとする施策がすっきりとして分かりやすいと思いますが、今回の措置は、機動的な対応が必要との緊要性に鑑みて、現行法令下の枠組みの中で可能なスキームを追求したものと理解しております。
    ただし、今回のスキームについては、買戻し条件が付いている中、米価上昇のリスクを政府が負うということ、また、その反面、米価が下落した際のリスクは中間業者や流通業者が負うことになりかねないこと、この2点には留意が必要と考えます。また、貸戻しなのか売渡しなのか、その辺りの表現も統一していただいた方が良いと思います。
    気候変動リスクが高まる中、こうした事態が今後も発生し得るという認識の下に、長期的な視点に立った、対症療法にならないような制度を考えていくことが必要と思っております。
    これをいつ発動するか、具体的にどう発動するかはこれから検討されると思いますが、仮に発動された場合にも、その効果検証を踏まえつつ、これまでも議論されてきましたけれども、担い手の育成や農地の大規模化・集約化の促進、収穫された農作物の保管・流通網の高度化などの適切な制度の在り方について議論を深めていく必要があると考えております。
    以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
  • 澁谷委員
    米穀店を営みます澁谷と申します。
    需給見通しの修正については、現段階では妥当だと思っています。ありがとうございます。
    また、備蓄米の買戻し対応につきましては、やはり御説明のように、お米の流通が今円滑ではない状況というのは、本当に私自身日々、肌感覚でも実感しているので賛成いたします。ただ、その貴重な備蓄米の活用方法についてというのは慎重に議論を重ねていただく必要があるかなというふうに感じております。
    主食用米の円滑な流通を実現していただいて、どうすれば不安を消費者の方が感じることなく、皆様へ大切な主食をお届けできるのかなというのが、消費者の方が手に取る最後の最後まで留意していただけるように検討いただければと思います。お願いいたします。
    その上で、令和5年産から6年産にかけての米穀店の現状と要望を2点、伝えさせて下さい。
    まず、1点目は、作況指数だったり収穫量についてです。先ほど山田委員からもちょっとお話があったと思うんですけれども、昨年8月、令和の米騒動と言われるぐらいの事態が発生した時に、やっぱり我々米屋として主食を担っているという、携わっている米屋として、どうにか消費者の方に不安を与えないように、お米を切らさずに届けたいというふうに本当に強い使命感、意思を持って、全国の農家さん、更には卸さんなど皆さんと協力して、新米が取れた千葉には自分でもトラックで取りに行って、玄米を積んで、そのままお店に行ったぐらい、本当に必死でお米をつないでいた時期がありました。
    持っている在庫も、我々ももちろんそうですし、卸さんも集荷さんも、日に日に減っていっても目の前にお米を必要としている方に届けようということを優先しましたので、そこで値段をつり上げて利益を取ろうとか、そういったことを考えた方たちは、少なくとも私が関わった中では本当に1人も1社もいなかったと思います。
    令和6年産の新米が出てきてから、状況は少しずつ改善はされてきているんですけれども、先ほど藤尾委員が仰ったように、新米時に米の先食いと言われるような形で、本当に多くの新米を提供していたこともあって、在庫を積み増すことができなくて、現在やっぱり過去最低水準の在庫に陥ってしまっている部分もあるんじゃないかなというふうに感じています。それだけではなくて、米穀店仲間も生産者、集荷業者さんからも、実際の収穫量、作況について、そんなに取れていないんじゃないかなという話も聞いたりします。
    こういう状況だから聞かれてくる声というお話もありますけれども、ただ、一方で単収が違っているんではないかとか、面積が違っている、あと玄米のふるいに1.7ミリというのが今の状況に合っていないんではないか。
    その調査のタイミング、早稲だったり、中稲だったり、晩稲だったりという、調査の時期によっても単収が変わるんじゃないかといった、本当に様々な声を頂いています。
    数量の正しい把握というのは本当に難しいことだと思うんですけれども、やっぱり在庫数に非常に大きい影響も与えると思いますので、今後より一層作況指数、収穫量についての精査に努めていただければと思います。
    もちろん作付け意向とか面積の公表などは効果的かとも思いますので、是非併せて続けていただければと思います。よろしくお願いします。
    2点目は、米穀店の現状についてです。米穀店の全国団体、日本米穀商連合会の直近、令和7年1月、本当に直近のアンケートでは、仕入れに苦労していると仰った方が8割を超えています。急激な価格変動の影響もそうですし、もう集荷さん、卸さんになかなかないので、米穀店に回ってくるお米がそもそもないんじゃないか。資金力の差だったりとか、本当に様々、厳しいという声が出てきています。消費者の方ももちろん米騒動の経験から、先ほどお話があったようにネット販売、ふるさと納税、農家直売、米穀店ももちろんですけれども、購入がいろんなところ、多岐にわたって増えていて、購入行動にも変化があるように感じています。
    スーパーのPOSデータももちろんですし、いろんなデータがあると思うんですけれども、今後やはりどこにお米があるのかももちろんですけれども、誰がどんなふうに買っていらっしゃるか、購入データも検討いただいて、主食であるお米を安定してお届けいただけるように、情報収集に努めていただければと思います。
    最後になりますが、本当に昨年8月の事態が起きぬように、備蓄米の買戻し対応、情報発信に情報精査など、国の対策に期待しておりますので、是非よろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    菅原委員、お願いします。
  • 菅原委員
    岩手県から参りましたファーム菅久の菅原です。
    私自身、ここで実際に参加するのが初めてで、ちょっと緊張しています。的外れな話をしてしまったら申し訳ございません。
    まずは、御説明いただいてありがとうございます。説明していただいた内容については、消費者に米が行き渡って、生産者にしっかり支払されるということであれば異議はありません。私自身、生産して自分たちで販売している中で、昨年8月以降、非常に米の問合せは多いです。稲刈りが終われば少し落ち着くかなと思っていたんですけれども、やっぱりまだまだ問合せが多い状況で、私たちが持っている在庫も既に在庫調整をしながら販売しなきゃいけない状態になっています。実際、生産者から直接買いたいという業者の方や、一般の消費者の方が本当に多いなと感じていて、今私たちが持っている在庫の中では、もう新規取引ができない状態となっています。
    お米を食べる人が減っていたりとか、人口が減って米の消費も減っているというデータがある中で、こういう不足感があるということが、一体私たちが作ったお米はどこに行っているんだと、ちゃんと消費者の方が買って食べているのかどうかというのがすごく不思議に感じています。足りなければ、農地は余っているから作れば良いという話でもないですし、輸入すれば良い話でもないです。
    いろいろ世の中が変わっていく中で、これから食糧をどういうふうにしていくか、どう確保していくかというのはすごく大事なことなんじゃないかなと、考えていかなければいけないことじゃないかなと感じています。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    それでは、平田委員の後、山﨑委員、お願いします。
  • 平田委員
    平田でございます。
    先ほど来、指摘のあった委員の先生もいらっしゃいましたけれども、スポット価格が何しろ異常であるということだと思うんですけれども、もしデータをお持ちであればですが、スポット価格での流通の量というのは全体の流通の中のどのぐらいの比率を持っているものなのかなというふうに思います。
    恐らく想像するには、ほぼ微量な量なんだと思うのですけれども、それが米の相場全体の印象を歪めてしまっているというか、今お米4万なんですねというようなふうになってしまっているのは、非常に好ましくない状況というふうに思うのです。スポット市場の状況を農林省としてはどの程度、その指標性といいますか、どの程度の重要性を持って考えられるのかなというのを、もし御返答いただけるのであればお尋ねしたいというふうに思っております。
    ということと、問題のそのスポット市場の今の4万円を超えるような価格というのは輸入何というんでしたっけ。一般輸入というんでしたっけ。
  • 藤尾委員
    民間輸入です。
  • 平田委員
    民間輸入。
  • 武田企画課長
    はい、民間貿易の枠外輸入。
  • 平田委員
    その341円の関税を払って民間輸入をした時に、輸入品の方がその4万円よりも価格的に優位になるようなことになっていないのかなというのを非常に心配します。恐らくなっているんでしょう。
  • 藤尾委員
    なっていません。大体341円、関税払って引っ張ってきましたら、あと五百四、五十円ぐらいになるので、大体流通では600円前後なんです。
  • 平田委員
    やっぱりそういうことなんですね。
  • 藤尾委員
    だから5万円よりは安いです。
  • 平田委員
    ということになると、海外のお米が国家間の合意をした以上に大量に入ってくるということに仮になってしまったら、我々生産者としてはとてもいたたまれない状況です。ということを考えると非常に残念だなというふうに思っています。
    もちろん、先ほど山田委員からも指摘がありましたけれども、国家がその在庫や価格を管理すべしというつもりではないんです。そういうつもりではないのですけれども、例えば為替の相場ですら介入ということがあるわけで、その行き過ぎた過度な市場の変動を全く何のオプションも持たないで放置するというのは、やっぱりそれはそれで健全ではないというふうに思いますし、生産者として非常に不安になってしまいます。
    そういう意味では、先ほど指摘がありましたけれども、新規の財政出動が要らないばかりか、もしかしたら黒字なんじゃないかというお話でしたが、今既に持っている備蓄米を使ってそれを是正をするオプションを持ちましょうというお話だと思うので、これについてはそういうふうに理解した上で賛成させていただきます。
    それと一緒に、指針の修正についても賛成をさせていただきます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    続いて、山﨑委員、お願いします。
  • 山﨑委員
    山﨑です。
    今日は詳細な説明をありがとうございました。また、米の消費の近年の動向についてとても興味深いものでした。
    私の方からは、需給見通しの変更に関しては妥当なのではないかと考えます。2点ほど述べさせていただきたいと思います。
    備蓄米の放出、条件付き売渡しということですが、これは昨年の米騒動を踏まえての対策かと思いますが、これらを実施するに当たっては慎重に検討し、実施する必要があるかと思います。というのも、備蓄米を放出というところだけにフォーカスされてしまって、やはり消費者の方からは米がないらしいというような不安をあおるようなことはあってはならないと思います。報道の力とはとても影響力が大きく、前回の部会でも連携を密にしますということでしたので、今後もよろしくお願いいたします。
    あともう1点ですけれども、作況指数についてですが、作況指数はふるい下を含めた数字で、実際の主食用のお米として通る数量との差異があります。調査のタイミングもあるかと思います。この辺のことからも、澁谷委員も仰っていたかと思いますが、実情に合った作況指数の見直しも今後視野に入れていただけたらと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、山波委員、お願いします。
  • 山波委員
    山波です。本日もよろしくお願いします。
    今ほど詳細なデータを用いて、事務局からの丁寧な御説明、ありがとうございました。
    今回の諮問についてなんですけれども、需給見通しの変更、これについては私としては適当であるというふうに考えております。この度生産量が679万トンに下方修正されましたけれども、令和7年産の生産量を683万トンに置いていただいて、令和8年の6月末、これは民間の在庫率も27%ということで、大体4分の1、3か月程度分ということで、私も見させていただいて適当であるというふうに考えております。
    それと、この度、今大きな注目を浴びているこの備蓄運営の考え方なんですけれども、私の率直な感想というか、意見を述べさせていただきますが、もちろんこの基本法の中で国民一人一人の食料安全保障ということで、国民の皆さん誰か一人にお米が届かないようなことがあってはならないということはもう大前提で、皆さんこれは共有されていると思うんですけれども、ここに「円滑な流通に支障が生じる場合」という言葉があるんですが、この度私たちがこの部会の中でも答申してきていた令和6年産の生産量というものに対して、作況100か101ということで、取れているという中で、その円滑な流通ができていない理由はどこにあるのかということを皆さんと一緒に考えていきたい。そこが解決しない限り、やっぱり価格に変動があった場合には何かが起きるんじゃないかということが、私の中にはあります。
    そのことで言いますと、私、個人的見解なんですけれども、やっぱり基本的にこの川上から川下なのか、川下から川上なのか、この事前契約というものの有効性というものが全くないということが原因なんじゃないかと。
    恐らく大手の皆さん、今日ここにも集荷団体の方もおられますけれども、そういう方々がこれだけ今年生産して下さい、これだけ引き取りますということで御契約なさっていて作付けされていると思うんですけれども、それがなぜか出来秋になった時に、価格に大きな変動があった時に何かの意図で動くと。
    だけどそこには普通、民間、企業同士の契約の中で動くのであればペナルティーがあったり、今後そういうお取引が無くなるとか、そういうことまであるはずなんですけれども、なぜこの業界にはそういうことがないという、ちょっと、やっぱり事前契約というものの履行というところで、もう一度事務局の皆さんとも一緒に考えて、それをどうにか進めていって、需要がある生産、これをきちっと履行していく、ここのところを一緒に考えていければなというふうに考えております。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    では、宮島委員、お願いします。
  • 宮島委員
    どうもありがとうございます。
    米を買っている普通の人から見れば、去年からの米騒動はもちろん非常に珍しいことだったんですけれども、今もってまだ説明されていたこととちょっと違うんじゃないかなという気持ちは残る状況だと思います。
    つまり、ちゃんと生産ができているという説明を受けて、ちゃんと報道したいところはちゃんと報道したつもりなんですけれども、その時報道したのとも、たった今体感が違うと、もうちょっとしたら落ちるんじゃないのとみんなが思っていたけれども、今とてもお米は高い状態になっていて、そしてこんなにお米を食べる人が減っていることが問題だとされているのに、食べようと思うとお米がしっかりと手に入らないという状況は、現実に歪みが生じているということだと思うんです。
    私たちはもちろん流通のここが問題がありましたとかあるいは精米の歩留まりが悪くて品質が悪かったと説明されることは分かるんですけれども、やっぱり一般の人から見ると前言っていたのと違いませんかという感覚を持ってしまっていると思うんですね。
    データをできる限り、これは本当にお金とか人手とか限界はあると思いますけれども、お米の価格と生産に影響を与える要素を、より精度を高くデータをしっかり取ると。そして、それを伝えていくということはまずは大前提として必要だと思います。
    それから、去年あんなことがあって、もしもう一回、別の理由で同じ状況があったら、本当に信頼を失うのではないかという心配がありますので、そこは本当に覚悟を持ってやる必要があるかと思います。
    さらに、データがすごくきれいに取れて、情報を持っていたとして、今度情報としてそれが伝わるかというと、そこにはまた別の問題があると思うんですね。それはどの市場も、為替市場も株式市場もそうですけれども、現状に起こったことよりも市場の価格は大きくブレるものだということを前提にしなければいけないと思いますし、さらに、今は情報の伝達の仕方がすごく複雑になっているので、何か尖った情報が過剰に広がってしまった場合までも含めると、需要と供給が今回っているから大丈夫なんだということがそのまま素直に実現するという状況ではないのかなと思っています。
    そういう意味では、やはりその歪み、瞬間的な歪み、あらゆる歪みに対しての対処がとても重要だと思うので、まず今回、対症療法ではありますけれども、その歪みを少し修正する手を一個持つということに関しては賛成します。
    更に言いますと、これが対症的であってはいけないのではないかと思って、短期的に決められるものではないですけれども、もともとそういう歪みや突発的な大きな変更があるものだということを前提に、そうした時にどうしていくかということがこの先必要なのではないかと思います。
    今の農業基本計画の議論がされていますけれども、そもそもこんなに変動があるかもしれないのに、かつかつで調整をしているということで今後も一体もつのだろうかというような疑問があります。つまり、やっぱりちょっとはバッファーがないと、本当に欲しい人が食べられなくて、その食べられなかった経験で、その人がお米から離れるというのはとても残念なことなので、これは本当に食べる側からの我がままかもしれませんけれども、やっぱりもうちょっと余裕があっても良いんじゃないかと思います。
    ただ、その余裕はもちろん需給と供給に応じたということの前提において進めるべきだと思うので、十分な議論が必要だとは思うんですけれども、全体としてとにかくこんな残念なことがもう起きないようにするために、農業基本計画の今の米政策の在り方も含めて、もう一回考え直す必要があるのではないかと思っております。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それではオンラインで、大変お待たせしました、二村委員お願いします。
  • 二村委員
    御指名ありがとうございます。音声大丈夫でしょうか。
    それでは、私から何点か発言させていただきます。まず最初に米不足と今言われている状況についてお話をします。現時点でスーパーマーケットなどの店頭にお米がないということではないと思いますけれども、ただ、この後の米の供給についてはいろいろなところから不安の声を聞いています。
    このことに対する具体的な対策とメッセージが必要だと考えています。消費者団体の全国消団連がこの間ずっと米の調査を、消費者の協力で行っています。10月に入ってようやく品薄が解消したものの、店頭価格は高止まりしているということ、それから安価なお米に利用が集中していることなどが報告されています。また、地域によってはスーパーマーケットで11月の初旬まで1世帯1袋のみという制限が掛かっていたという報告もありました。調査に参加した消費者からは、他の食品類の値上げもあり、厳しさを感じますという声もありました。
    また、私が所属しています生協ですけれども、生協では基本計画でも推進している事前契約による実需と結びついた生産、販売というのに取り組んできています。これは単に生産者と生協の間で約束をするというだけではなくて、消費者にも協力してもらって、登録米ということで毎月一定量を年間通して購入する予約購入をずっと進めてきています。その現場で聞いてみますと、今年度の集荷量の不足によって、この登録米の受付を停止せざるを得ないという生協も出てきています。
    また、中には今まで何年も登録いただいている方にお約束どおりの量をお届けできないのではないかというような可能性まで聞いています。こうなりますと、事前契約ですとか年間契約の推進といった施策自体が疑われかねないと思います。
    また、生協に限らず小売、特にスーパーマーケットなどでは年間を通して売場づくりを考える必要があります。そうしますと、今のこの状況から既にこの先を見通して輸入米を手配する動きがあるということも聞いております。
    米については国内需給を行う方針であると思いますので、このような事態がこれ以上進まないよう、早急に対応する必要があると思います。
    次に、需給の見通しについて幾つか疑問に思う点などを申し上げたいと思います。
    といいますのは、今回非常に民間の在庫量が逼迫しているということでしたので、昨年の秋に推計した数字と、それから今の数字がどうなのかということで比べてみたところ、24万トン減少していて、これは率にすると約13.5%という数字でした。こんなに違うものなのかなと思って、それまでの年度について調べてみました。前年の秋と翌年の6月の在庫量ですね。
    そうしますと、それまではほとんど乖離はなくて、1から3%ぐらいの乖離ということでした。そうするとやはり今この瞬間の需給の見通しの正確性というのは非常に問われているのだと思います。ということで、幾つかコメントさせていただいて、その精査をお願いしたいと思います。
    一つ目は、生産量についてで、先ほど何人かの方からもありましたが、各地での作柄について決してよくないんじゃないかということを聞いております。そういう意味では作柄の見立てというのはどうなのか、実態と乖離しているということはないのでしょうか。具体的には、例えば調査対象となる圃場の選び方が昨今の生産現場の変化によって何か偏ってきている可能性などはないかとか、そういったことも検証いただきたいと思います。
    それから二つ目に需要についてですが、先ほどこれもどなたかが仰っていたのですが、需要の見通しの中で幾つか考慮すべきことがあるのではないかと思っており、それらがどう考慮されているか教えていただきたいと思います。一つ目は昨年夏からのいわゆる米不足で、新米が通常よりも早く消化されていると言われているのですが、それは反映されているのか。
    それから二つ目が、これもありましたけれども、インバウンドの影響が増加していることをどう考えているのか。今年は大阪万博もありますし、増加はもっと多いのではないか、ということです。
    それから三つ目に、値上がりしたとはいえ、やはりほかの食料価格が上がっていますので、お米の需要というのはもしかしたら堅調なのではないかと思います。
    これは8ページのところのデータで、7月から12月でならすと前年100%という数字が出ていますが、ただ、この時期は価格が上がっている。価格が上がっているけれども需要は落ちていないという見方もできるのではないか、ということです。なので、この辺りをどう考えるのか。今後の需要の見立、見通しについてもう少し精査すべきではないかと思います。
    それから、これはその先ということになるので今お答えはないかもしれませんが、備蓄米の貸付けを行った場合に、今度は同量を返還していただくということで考えられているので、その分についてどうカウントしていくのか疑問に思いました。これはその先のことでも結構かと思います。
    それから、大きな三つ目として、このような状況になる時に懸念されるのは、買占めですとか価格のつり上げ行為みたいなことがないかということを消費者としては心配します。もちろん自由に売買されるものですし、生産コストが上がっている分が上がるというのは理解もしているのですが、やはり流通のどこかの段階で投機目的の買占めのようなことが行われていなのか、そのことについての調査ですとか対処というものについて、お考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
    それから、最後に、今回提案されています備蓄米の運用についてです。本当にお米というのは消費者の生活にとっても大切なものですし、農業や農政への信頼にも関わる作物だと思います。量や価格の両面で安定的な供給が行われることが重要ですので、現時点で行える方式として、今回の活用については賛同したいと思います。その上で意見を2点申し上げます。
    一つは、集荷業者の出荷状況というので、12月末で20.6万トンという数字がたしか5ページぐらいに出ていたと思うのですが、この集荷の前年同期比の差は拡大の傾向にあると思いますし、先ほどのような前倒しで出荷しているという状況を考えると、今後もっと広がっていく可能性があると思っています。そのことを考えますと、この制度の運用とか運用の詳細、それから実施のスケジュールなどを早急に示す必要があるのではないかと思います。早く進めていただきたいということです。
    それから、二つ目の意見として、この制度がどう運用されたのか、その効果を測って、また今後の運用の改善につなげていくためにも、貸し付けたお米をどのように使ったのか、何らかの形で報告いただいて、公開すべきではないかと思います。初めてのことでもありますし、今後どういう状況があるか分からないので、この制度自体の発動の条件についてはあまりハードルを高くせず柔軟に考えるべきと考えておりますけれども、発動した際の結果についてはしっかり把握し、公開、検証していくべきではないかと思います。
    以上です。ありがとうございました。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    続きまして、金戸委員、お願いします。
  • 金戸委員
    備蓄米の買戻し条件付き売渡しにつきましては良いと思います。今年の今の状況を考えると、発動をきちんとやっていただいた方が良いと思います。それによって、昨年比で18万トン生産量が多いはずでありながら、一方で集荷が17万トン少ないという現状に対し、発動による改善効果がしっかりと実感をもって流通段階に反映できたか否かを検証していただきたいと思います。
    1年の期限の中で売渡した分を買い戻さなければならないという状況に際し、18万トン多いはずの生産量を実感できないままに買い戻さなければならないような事態になると、令和7年産米の生産量は本当に683万トンでい良いのかという心配も生じてくると思います。
    ただ今の御説明で17万トンが集荷段階で不足している中で、この方針を実際に発動する必要はもっともだと思います。価格においても相対取引で、平成5年あるいは平成15年を超えてしまっている現実もありますので、今後も価格面でも発動是非を判断する際の指標にしていただきたいと思います。
    いろいろな物価が上がっていますので、生産者の皆さんにとっても製造コスト、経費類は上がっていますから、市場価格が上がるのは理解できますが、今年は前年と比べて1.5倍の価格上昇になっており、取合いの状況なわけですから、ひと頃、スーパーにトイレットペーパーが無くなり、その結果、高騰を招いたり、コロナの時にマスクが店頭から消え、欠品状態が続き、1枚100円レベルになったことを彷彿とさせる状況にあると思います。
    これほどに米価が上がると輸入米に少しは切り替えようという動きも出るでしょうし、コンビニやスーパーの商品も、おにぎりでもお弁当でもそれなりに値上げしなければならない状況ですから、その結果、お客さんにとっても米離れ、米の消費減に繋がる環境を昨夏に作ってしまったと思っています。
    どういう指標に基づいて、例えば今年の場合はどのくらいの量を売り渡すのか、あるいは昨年の場合だったら、どのタイミングでどれだけの量を売り渡せば、今の状況は起きなかったのかというあたりも検討していただければと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございました。
    以上で、一通り委員の方から御発言いただいたところです。相当様々御意見を頂きましたけれども、もし事務局の方でコメント等を頂ければお願いいたします。
  • 武田企画課長
    企画課長でございます。
    まず、多くの委員の方々から御意見を頂きました。今回、政府備蓄米を活用した買戻し条件付きの売渡しに関してでございますけれども、まず私どもこれを行うのは、正に山田委員からも御指摘があったように、私どもは今回その流通に滞りが生じている、目詰まりを起こしているということでございまして、そこを解消する、そのことが結果として今の幾つかの委員からも御指摘あったスポット価格とか、そういったところに影響するということはあろうかと思いますけれども、私どもが見ているのは、正に生産量は多いのに集荷ができていないと、そこの流通の目詰まりのところをこれで解消していくということでございます。
    そのことを踏まえながら、幾つか委員からも御指摘がありました効果の検証ということであったり、あるいは市場に与える影響をなるべく軽減するというか、影響を与えないような形で運用していくというようなことを考えながらやっていくということでございます。ですので、価格に着目してこれを行うわけではないということは御理解いただければというふうに思っております。
    また、一方で需給見通しというか、その前提となるような生産量の検証といったことについても、これは多くの委員から御指摘を頂きました。統計手法に基づいて我々、まず面積に関しては私ども生産者から取って、単収に関しては8,000筆のサンプルを取ってやっているわけでございますけれども、多くの現場からも様々な御意見を頂いてございますので、改めてこれは資料も整理して、あと私どももその上で課題がないのかといったところも整理をしていきたいと思いますし、併せて需要の動向も幾つかの、例えばインバウンドの言及がございました。これまでも何回か御説明しました。
    もちろん今かなり需給が均衡している状態でございますので、1万トン、2万トンといったところの持つ価値というのはあると思いますけれども、この全体の700万トン近い需給に与える影響というのは、数万トンというところでありますのでそれほど大きな影響はないと思いますけれども、この辺りも含めて需要動向の把握をし、そしてこれもまた何人かの委員から御指摘がありましたように、そのことをしっかりと把握した上で需要によった生産というものを進めていくことによって、今起きている、例えば銘柄間の価格の状況とかといったところも例年のような形になってくるんじゃないかということでございます。
    その上で、私ども毎月調査しているものと、年に1回、6月末の在庫のためにやっている調査とございますが、今回はその流通の滞りが起きているという仮説の下に、年に1回ではなくて、ちょっとサンプル的にはなりますけれども、私どもが毎月把握できていないところの7割、8割把握できているというところの逆の2割、3割のところの状況を把握していきたいと思います。このことがある意味、生産量の検証とも付く引くの関係になってくるのかなと思います。
    しっかりと状況を把握した上で、需要によった生産を進めていきたいということでございます。
    また、そうした中で、これまた今日お時間がないのであまり御紹介できませんけれども、生産基盤の強化でありますとか、あるいはサプライチェーンの強化といったところも、こういう状況だからこういう打ち手を打って、そしてお米の安定供給につながるような生産流通の強化をしていくんだということにつなげていきたいと思いますし、そこの中では事前契約といったことで、需要によった生産の一つの形だろうと思いますので、この辺りも推進していきたいと思います。
    また、御質問の中でスポット市場に関しての御質問がござましたけれども、私ども、そういう意味では七、八割のカバレッジの中で、私どもが相対取引価格を把握しているところというのは大体700万トンの生産のうち300万トンとか、そういったところのオーダーのものということでございます。
    スポット価格は業界紙で公開されているものを私どもも拝見をして整理をしているので、そこがどれぐらいの厚みがあるかということでありますけれども、業者間の転売が基本的な市場でございますので、それほど取引としての厚みはないだろう。そういう意味では私どもも相対取引価格ほどの代表性はないとは思っておりますけれども、一方で先ほど申し上げたように、今は需給がかなり均衡した状態になっておりますので、そういう中ではスポット価格がある意味このタイト感を示すような、そういう意味は持っているということでございまして、私どももここは注目をしているというところでございます。
    また、枠外の民貿の話も御質問がございましたけれども、これは通常年ですと数百トンということでございますけれども、今のような状況でございますので、その辺の動向もしっかり把握していきたいというふうに考えるところでございます。
    あと情報発信です。把握もしっかりやっていきますし、検証もしていきたいと思っておりますけれども、情報伝達、これは昨年の夏から再々御指摘いただいているところでございます。私ども至らない点もあると思いますし、こういうやり方じゃ伝わらないぞというような叱咤も含めて、引き続き、委員各位の御指導を頂ければというふうに思います。答弁漏れがあるかもしれませんけれども、一旦私からの回答といたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
  • 橋本生産流通消費統計課長
    統計部でございます。
    本日はたくさんの委員の皆様から、生産量そのものがおかしいのではないか、本当に増えているのか、むしろ逆に減っていたら、そもそもの前提がおかしくなるのではないのかといった様々な御意見を頂戴したところでございます。実は今日の資料の参考資料6の米をめぐる状況についての10ページ、11ページに統計の概要という形で統計の仕組なりを載せてございます。
    我々も問題なく調査をしていると考えておりますけれども、一方で、この統計調査の仕組であったり、その調査結果の内容について十分に現場の方や、関係者の皆様に伝えられていないのではないかということは感じておりまして、今回も資料を準備いたしました。
    ただ、本日はお時間も限られているということですし、また次回、統計についてもお時間を取っていただけるということですので、その場で皆様にもしっかり御説明させていただければというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    全てにお答えいただいたわけでもないかもしれませんが、ただ、大どころについては一応事務局から回答はあったという認識です。もし特段追加で御意見等あればいただければと思いますが、よろしゅうございますか。
    活発な御意見ありがとうございました。様々御意見を頂きまして、そもそも需要の見立てについてどう考えていくのか、これで良いのかどうかというお話、また、ちょっと統計の話もありましたが、生産量について別の見方もあるのではないか、あるいは統計の継続性もあるけれども、今に合った仕方がなされているのかというふうな問題提起もございました。
    また、円滑な流通に支障が認められる場合における今回の買戻しということですけれども、その円滑な流通に支障があるとは一体何かと。これは難しい問題だというふうに認識していますので、それについては慎重に考えていくべきだし、やはりその検証も重要じゃないか。様々御指摘いただいたところだと思います。
    そうした点を踏まえた上で、今回諮問として頂いている米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針ということで、今回この改定についての数字及び備蓄の点も含めて、今後考えていかなきゃいけない点は頂きましたが、必ずしもこれは代案が今あるわけでもないというところですので、今後精緻な議論をしていくことを前提とした下で、今回この案でいかがかということで、特段の反対の御意見はなかったというふうな認識ではおるんですけれども、適当と認めてよろしゅうございますか。
                                                                   (異議なし)
  • 大橋部会長
    オンラインの方もありがとうございます。
    それでは、こちらで異議なしというふうにさせていただきます。
    議事の決定に必要とされる出席委員の過半数を超えておりますので、適当という議決とさせていただきたいと思います。
    なお、本食糧部会の議決については審議会の議決とされておりまして、後ほど食料・農業・農村政策審議会として、農林水産大臣に適当と認める旨の答申をいたしたいと思います。この大臣への答申については書面で行うことということで、この文面については御一任いただけますか。
                                                                   (異議なし)
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    それでは、こちらの方でセットさせていただきたいと思います。
    お時間、残り8分ということでございますが、ただ、一応これはやらなきゃいけないということなので、第2弾、ちょっとやらせていただきます。ちょっとお時間が延びちゃって本当に申し訳ないんですけれども、御都合、差し障りなければお付き合いいただければと思います。
    議事の2番目ですが、米穀の新用途への利用の促進に関する基本指針についてということで、本件は昨年10月の食糧部会にて農林水産大臣より審議会に諮問がありました。本日は、方向性に関する議論ということで、まず、事務局から資料3について御説明をお願いできればと思います。
  • 尾室穀物課長
    穀物課長の尾室でございます。駆け足でさせていただければと思います。
    今、諮問に関しては部会長の方からございましたので、早速中身の方から説明したいと思いますけれども、3ページをお開き下さい。
    まず、米粉をめぐる状況なんですけれども、庄司農林水産大臣政務官のごあいさつにもあったとおり、需要は最近、物がよくなってきたというのもあって、かなり増えてきております。ただ、その増えている中でも、やはりそれを支えているのが新しい商品の開発とか、そういったものもあるということで、そういうのをしっかり進めていかなければならないというのが課題として認識しているところでございます。
    また、その需要拡大の取組の中で、4ページになりますけれども、現在、米粉の用途別基準、菓子用とかパン用とか麺用ということで定めていたり、米粉のノングルテンというのが売りでございますので、その第三者認証制度もスタートしております。あとは生産者、実需者のマッチングを進めたりとか情報発信も進めているということでございますけれども、例えばノングルテンの第三者認証制度については活用がなかなか進んでいないというような課題もあるというふうに認識しております。
    続きまして、飼料用米の方でございます。5ページをご覧下さい。
    飼料用米については、令和6年産で9.9万ヘクタールの生産ということで、若干、ここ2年ほど減少傾向にあるという状況でございます。そういった中で下のグラフにありますけれども、全水稲の作付け規模15ヘクタール以上の大規模層による取組が進んでいるというような状況となっております。
    飼料用米に係る取組、6ページでございますけれども、特徴的な話といたしましては、左下にございますけれども、飼料用米を活用した畜産物のブランド化、これは全国で進展しておりまして、ほぼ、ほとんどの都道府県で飼料用米を活用したブランド畜産物というものが作られているというような状況になっております。
    こういった状況を踏まえて、7ページ、8ページでございますが、それぞれの関係者の方から御意見を伺って、それと我々が認識している課題を整理したものが8ページの方になります。
    まず、米粉用の課題とその対応の方向性ですが、まず需要の方なんですけれども順調に拡大しているものの更なる利用拡大に向けた取組が必要で、そのためには、やはり米粉の特徴を生かした新商品の開発・製造であるとか、新しい米粉の利用方法、こういったものに対して情報発信を行うということで、米粉の需要を創出して、これに対応して米粉の製造能力を強化していかなければいけないというふうに考えております。
    また、ノングルテンに関しては、日本の基準は1ppmというかなり厳しい基準ですけれども、一方、米国においては米国の第三者認証のグルテンフリー認証団体、GFCOというのがあるんですけれども、そこのノングルテンの基準というのは10ppmと、10倍違うため、こういうところに関心を向けられる方もいらっしゃるということで、我々はこれを海外市場への展開も視野にノングルテン米粉の製造工程管理JAS等の認証について、更なる活用拡大に向けた検討を行うとともに、海外制度の周知、こういったものもしっかりしていかなきゃいけないのではないかというふうに考えております。
    また、原料の調達の方でございますけれども、やはりこういった主食の状況になってくると難しくなってくる面もあるものですから、米粉用米の生産者と実需者とのマッチングが広域でもなされるようにする。こういった取組によって需要に応じた生産が進むようにしていくべきではないか。また、多収性の品種も最近良いものが出てきているので、そういったものも推進していく必要があるというふうに思っております。
    また、その専用品種のことです。パン用、麺用ということでなかなか良い品種ができて、良いパンができたり、良い麺ができるというような品種ができてきておりますので、これらの利用拡大を図る必要があるというような御意見も頂いております。それを踏まえて、こういったものの推進もしていきたいというふうに思っております。
    あとは表示の方なんですけれども、なかなか米粉、いろんな原料用米、また製法によって違って、出来上がってくる製品の性質もかなり特徴的になっているという中で、どのような表示、消費者が分かりやすい表示が望まれるというような御意見を頂いていますので、今の用途別基準のほかに、より消費者に分かりやすい表示についても検討していく必要があるのではないかというふうに思っております。
    飼料用米については、やはり価格の高いものではないので低コスト生産、非常に効率的な生産というのが求められているんですけれども、なかなか今そこまで全国的な平均で見るとたどり着いていないというようなものになっています。
    また、最近その生産が減っているというのは、やっぱり主食用米の需給動向に応じて飼料用米の供給が大きく変動してしまっているというような課題があるというふうに認識しておりまして、その解消に向けて多収品種の導入促進、また、生産コストの低減や実需者への安定供給を図るような取組というのを進めるべきというふうに考えております。
    雑駁、駆け足でございましたが、私の方の説明は以上でございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    若干お時間は限られていますけれども、御意見を頂ければと思います。
    では、小林委員、お願いします。
  • 小林委員
    先ほどの議題と重複になる部分があったので、議事の2番目の方でお話しさせていただければと思います。
    まず、様々な御説明を丁寧に頂きましてありがとうございます。
    私自身の肌感としてというところでお伝えさせていただければと思っています。私、日曜の朝6時から9時の3時間ほど、食と農に関するラジオの番組を持っております。その中で生産者の方々に旬を伺うコーナーや、様々な食のことについてリスナーさんにメッセージやSNSを通してコメントをいただいたり紹介することがあります。
    中でも人気のコーナーというのがパンで、毎週都内で注目のパン屋さんを紹介しているコーナーとなっています。これはリスナーさんからのコメントや、ここに行ってくれという推薦をいただき、そのパン屋さんの「こだわりや、おすすめのパン」というのをご紹介するのですが、それがSNSでトレンド入りするほどのたくさんのコメント、反応を頂けているという状況があります。
    その中で実際に私自身もたくさんのパン屋さんへの取材もしていまして、パン屋さん自体の健康志向、あと、今までだとパンというとあまり「新麦のパン」とか季節について言われてこなかったと思うんですけれども、「新麦コレクション」という新麦を使用したパンとか、「石臼でひいています」とか、特色やその季節感、またアレルギーフリー、あと米粉のもちもちした食感が良いからといって独自路線、商品の競争化なども進んでいる感じを大変感じております。
    こちらの資料にもまとめていただいているように、(3ページ)先ほど頂いていた米の消費の方で上がっていたように健康志向が、2.2%上がっているのと同じように、パンに対してもやはり健康志向というのが上がっていると感じています。麦を使ったパンですと、ライ麦みたいなものですとか、パンの種類も大分多様性してきているなというのを感じています。
    その後、6ページですね。パン類が2013年498だったのが、2023年682、これだけ関心が高まり、食べる方が増えているというのも肌感でも感じており、また、基本計画についての方の15ページでいただいているように、米粉というものに対しての関心、使いたいというパン屋さん側の意欲というところも感じております。
    そんな中で、先ほどの米の需給見通しなどと少し重なってくるところの話でいうと、本当にデータ上たくさんの予想をしていただいたり、集計をしていただいたり、皆さんの試行錯誤されているのももちろん知っていますし、私自身もそういった数字を拝見する中で大変勉強になっているんですけれども、ただ、農業に携わる者として、小さな地方の農家をお手伝いしている者としてお話をさせていただくと、実際生産の環境が酷暑など天候等によって農家自身の負担が強くなってくる中で、さらに農家が少なくなってきている中で、皆さんの生活、安定したお米を食べられる毎日というのを支えていけるのか、そういった「義務」のような「責任」のようなものを感じております。
    今年は年もう既に私たちも米不足で、昨年の新米は全て販売し切ってしまっている状況ですので、すごく不安感というのを感じています。でも、やはりこの価格が適正なのかというところは、先ほど流通とか生産、いろんな方々の視点から語られていて、私自身もどこが適正なのか、農家として考えるとやはりこれぐらいはもらわないと頑張っていけないよという気持ちもありますし、でも消費者の立場でいうと高過ぎるよという気持ちも正直あります。
    でも、その中で、米粉のことまで考えられるのか。そんなところまで私たちに負担「義務」や「責任」が来るのかという、農業に携わる者の気持ちでいうと少し荷が重いような気がしてしまうのも正直な感想です。
    ただ、私自身がメディアで携わっていったり、リスナーの方からお話を聞くと実際米粉の需要が感じられている。農家側の側面では、私自身も地方の高齢化の続く農家でお手伝いをしていることもあり、米粉への関心も低かった。どんなお米でどのように作るのか、恥ずかしながら知識もありませんでした。農家側でも私のような方が多くきっと認知が低いんだろうなというふうに感じていますし、これを機に勉強して、初めて自分ごととして捉え、7年度、少し取り組んでみようかなというふうに関心を持ったというところです。
    現状として主食用米の安定、価格の安定需給とか生産の安定はもちろん大切なことなのは理解しておりますし、大前提なんですけれども、価格が高いと怒られ、そして生産が少ないと私たち農家せいだとのお声もあり、少し閉塞感を感じている中で、こういった新しい魅力、「米粉」という需要や展開があることへの周知、それをどのように具体にしていくのか、価格と一緒に農業者へ伝え、そしてその仕組づくりですね、消費者、市場とのシームレスなつなぎ方を検討し、米粉を作った後どうするかまでを丁寧に説明していくことで、農家側への理解ですとか、あとモチベーションアップですね。
    やっぱりお米の価格が変動して、それによって喜んだり悲しんだり、この後、私たちはどうしていったら良いんだろう、少し閉塞感を感じている中でのある意味、活路のような気持ちというのもあるのではないかと思っています。
    この取組自体は最初は多分インパクトは出にくいとは思うんですけれども、でも農の魅力を伝えて、市場までのイメージがつながることが今後、今基本計画でもかなり農家さんの数が減っているというのを、4ページの方でもかなり減っていますし、その中で、若い農業者に対しての興味、関心など、離農へのブレーキというところになり得るのではないか。そのためには、先ほど他の方も仰られたように情報発信など、シームレスに生産者から消費者までつながっていくことが求められるのではないかなというふうに考えております。
    すみません、二つがつながってしまったものなので、コメントとして1個にまとめさせていただいてしまったんですけれども、肌感としてはこういうことを感じております。
    以上です。ありがとうございます。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    二村委員、お願いいたします。
  • 二村委員
    申し訳ありません。手短に発言させていただきます。
    飼料用米についてです。食糧自給の観点から、また、昨今の円安ですとか国際情勢などから飼料の国産化はとても重要です。
    ところが、今回この間の主食用米の価格高騰で、飼料用米の生産が減少するのではないかということで非常に懸念をしています。せっかく定着してきた飼料用米の活用が後戻りしないようにしていただきたいと思います。
    短期的にはやはり今年の作付け計画等を早めに確認しながら、もし必要な手が打てるのであれば是非打っていただいて、飼料用米の安定供給を図っていただきたいと思いますし、中期的にも多収品種の導入以外にも施策が検討できるのではないかと思います。
    是非御検討の方をお願いしたいと思います。
    以上です。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。ほかにも御意見あると思うので、よろしくお願いします。
    山田委員、お願いします。
  • 山田委員
    手短にします。すみません。米粉に関していうと、私どもの関連会社でも作っているものですから、ちょっとその1点だけ申し上げますと、基本的にはここに書いてあるように、着実に米粉って今伸びているのですけれども、ただ、ここに来て、やっぱりお米が高くなってきて、米粉自体の値段もやっぱり上がり基調にあるので、ちょっとやっぱり今踊り場に来ているというような状況があるというのも事実だと思います。
    もう1点は、そうした中で米粉を伸ばしていくとなると、それはやっぱり米粉の特徴を活かした商品群を、前にもここの場で申し上げたように、それを開発しないことには、何かの代替でやっていくという、そういう話ではないと思うので、それをまずやらなきゃいけない。
    そのためには何が必要かというと、ここにも書いてあるように、例えばミズホチカラって大変すごく良い特徴のあるお米なのですけれども、やっぱりお米の品種改良もきちっと、そこは米粉に向くようなものをしっかりやるべきなのだなと私自身は思っておりまして、是非そういうことも御検討いただければなと、こういうように思います。
  • 大橋部会長
    ありがとうございます。
    もし特段御意見あれば頂ければと思いますが、いかがでしょうか。
    皆さん、御意見ある場合、メールとか事務局にお寄せいただければ、事務局の方でしっかり受け止めさせていただきますし、また、その時オンラインでということであれば、そういうふうな御要望も柔軟に対応させていただければなと思いますが、そんな感じでよろしゅうございますか。ありがとうございます。
    それでは、事務局にお返ししてよろしいですか。ありがとうございます。
  • 竹内企課課課長補佐
    大橋部会長、どうもありがとうございました。
    それでは、閉会に当たりまして、佐藤生産振興審議官からごあいさつ申し上げます。
  • 佐藤審議官
    本日は長時間にわたり、御議論を頂きましてありがとうございました。
    また、本日大臣から諮問いたしました「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の変更につきまして、適当と認める旨の答申を頂き、誠にありがとうございました。
    本日、本当に様々な点にわたり御意見を頂きました。整理をいたしますと、皆様に共通していたのはやはり需給動向の把握、それは生産の部分、収穫量であったり、あるいは農家の状況、多様化している流通の状況、更には販売の仕方、ルートも変わってきているし、消費についてもインバウンドを含め、いろいろ状況が変わっているということで、それらに関する精度をどうやって上げていくのかということについては、また考えさせていただきたいと思っております。
    今回頂戴いたしました皆様の御意見を踏まえまして、備蓄米の買戻し条件付き売渡しの運用や検証のスキーム、そういったものも含め、今後に反映させていただきたいというふうに考えております。
    また、米の新たな用途に対する取組について、特に米粉の新しい可能性といいますか、そういったところについても御意見を頂きました。また、メール等で頂くことになりましたその御意見も踏まえて、次回、「米穀の新用途の利用への促進に関する基本方針」の案を策定して、次回お示しをさせていただきたいと思います。
    重ねて本日の精力的な御議論に御礼を申し上げまして、閉会の挨拶とさせていただきます。
    本日はありがとうございました。
  • 竹内企課課課長補佐
    ありがとうございました。
    それでは、以上をもちまして本日の食糧部会を終了いたします。
    長時間にわたり、ありがとうございました。




      午後5時10分 閉会

        お問合せ先

        農産局農産政策部企画課

        代表:03-3502-8111(内線4971)
        ダイヤルイン:03-6738-8961

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