食料・農業・農村政策審議会食糧部会 議事録(令和7年7月30日開催)
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開会
午前10時02分 開会
- 国枝企画課長
それでは、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会を開会いたします。
初めに、食糧部会臨時委員として長らくお務めいただきました馬場委員が退任され、新たに藤間委員が御就任されておりますので、御紹介いたします。 - 藤間委員
藤間でございます。よろしくお願いいたします。 - 国枝企画課長
それでは、開会に際しまして、小泉農林水産大臣からごあいさつをお願いいたします。 - 小泉農林水産大臣
皆さん、おはようございます。本日は大変お忙しい中、このようにお集まりを頂きまして、ありがとうございます。皆さんには、委員の方によっては、私の在任期間以上に、圧倒的に長く農水省がお世話になっている方々も多くいらっしゃると思います。皆さんにお目に掛かるのは、私が大臣着任の5月21日以降、このような場では初めてになると思いますが、本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
4月に定めました食料・農業・農村基本計画におきましては、米を増産をする方針を打ち出しました。将来にわたって生産者の方々が安定的に米を生産し、消費者の方々に手に取りやすい価格で供給できる米の安定供給の実現が重要な課題となっています。
しかしながら、米の価格は5月には昨年の2倍と異常な状況であります。これは消費者の米離れにつながるだけでなく、外国産米の輸入が増え、国産米のシェアを外国産米に奪い取られかねず、消費者にも、生産者にとっても好ましくないと考えています。
ちなみに、トランプ大統領との関税交渉は合意をしましたが、MA米の枠内ということでアメリカ産米の総量は増えないと、外国産米の総量は増えないという形に決着をいたしましたが、枠外の民間の貿易の中では昨年と比べて何と120倍、海外産米が日本に入ってきています。この要因は、高い関税を払ってでも民間の企業が買い付けて、その高い関税を乗せてもなお、国産米よりも安く売れる、こういった状況が続いていることが結果として棚に外国産米が増えるということにもなりますので、備蓄米の放出というのはそういった海外産米に棚を取られないために放出をしているという思いも是非御理解を頂きたいというふうに思います。
このマーケットの鎮静化を図るために、今申し上げましたとおり、私が大臣に就任してから米対策チームを省内に設置をして、次官がトップの下で随意契約による政府備蓄米の売渡しを開始いたしました。これによりまして、米価は今価格下落傾向にありまして、28日に発表したPOSデータでは3,585円と9週連続の下落となり、着実に効果が現れてきております。引き続き、随意契約によって売渡した備蓄米を着実に出庫していただくとともに、価格動向、需給動向を注視をして丁寧に情報発信をしていく考えであります。
今般の米の価格高騰については、その要因や対応の検証を行って、短期と中長期の対応策を検討するように石破総理から指示を受けております。
本日の部会におきましては、各委員の皆様それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお伺いして、その議論の内容を検証の結果に反映してまいります。
今日は全員の方に御発言を頂くお時間を取らせていただいておりますので、どうぞ忌憚のない御意見を頂ければと思います。
また、この先1年の「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」について諮問をさせていただき、御審議いただく予定ですが、米穀の需給見通し等については検証結果を踏まえ、改めて御審議を頂くことにしております。
活発な御議論をお願いをして、私の冒頭のごあいさつとさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 - 国枝企画課長
大臣、ありがとうございました。
カメラ撮りはここまでとさせていただきます。
それでは、この後の議事進行につきましては大橋部会長の方にお願いいたします。 - 大橋部会長
皆さん、改めましておはようございます。
それでは始めたいと思いますが、本日は「米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針」の策定ということで、小泉農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございます。
事務局から御説明の後、委員の皆様方から御意見、あるいは御質問を御頂戴した上で、基本指針の案が適当かどうかの議決をさせていただきたいと思います。
まずは事務局から資料の御説明をお願いいたしますが、事前にもう既に委員の方には御説明されているということですので、簡潔にお願いできればと思います。 - 国枝企画課長
では、改めまして農産局農産政策部企画課長の国枝でございます。
まず諮問につきましては、米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針、お手元の資料1のとおりでございます。読み上げについては省略をいたします。
それから、基本指針の案について御説明をいたします。参考資料1のポイントを御覧ください。
米穀の需給の見通し部分につきましては、現在検証等を踏まえて検討の上、決定することをしております。大臣からも言及がありましたとおり、米の安定供給等実現関係閣僚会議、こちらの方で石破総理の方から、消費者の方々に持続的に安心いただける価格で米を提供する、生産性向上を通じた持続的な農業生産により、米の安定的な供給を実現することが必要であること、これらのために今般の米の価格高騰の要因や対応の検証を行うこと、その上で検証を踏まえた短期と中長期の対応策を検討することという御指示を受けておることに対応するものでございます。
この検証を踏まえて決定をいたしますことですけれども、令和7年・8年の需要見通しの推計、需給見通しについては検証の結果ということで、今回は具体的には記載をしておりません。
それから、米穀の備蓄運営に関する事項につきましては、政府備蓄米の加工原材料用向けの販売について、入札のほか随意契約による販売ができるようにする見直しを行いますことに加えまして、買入れ又は買戻しの環境が整った場合において、備蓄水準の回復に向けて計画的に行うことを定めております。
また、加工原材料用として7.5万トンを今後売却する旨も記載してございます。
こうした状況を踏まえた具体的な備蓄運営につきましては、今後行う検証等を踏まえて検討するということでございます。
このほか、輸入に関する事項については現行と同内容で定めておるところでございます。
また、基本指針には今回含めておりませんが、需給見通しについて現時点で分かっている値については参考資料3、米の基本指針(案)に関する主なデータ等の2ページの方にお示ししております。需給見通しのフレームのうち、令和6年・7年の供給量につきましては、期末在庫と生産量に加え、政府備蓄米が36万トンございまして、本年6月末の民間在庫量157万トンを用いて、従来同様機械的に計算をしますと、6年・7年の需要量は711万トンということになってございます。
また、令和7年・8年産でございますが、今年6月末の主食用米の作付意向によりまして、対前年56万トン増の735万トンとなってございます。
需要量見通し、それから来年6月末の民間在庫につきましては、検証を踏まえて今後提示をいたします。
それから、データ集の3ページ以降につきましては、集荷、それから卸段階の在庫量のデータとなってございます。説明の方は省略をさせていただきます。
次に、7ページの方を御覧ください。7ページ以降が米価高騰の検証のために行った追加調査等の結果となってございます。この調査は、これまで調査対象となっていない取扱数量20トン以上の届出業者約7万事業者の調査対象の方に調査を実施いたしまして、約2割から回答を得た結果でございます。全体としましては、この範囲におきましては在庫は6万トン程度あったということでございます。
次に10ページをお願いいたします。10ページは川下の小売・中食・外食における在庫量等の調査でございます。
これらの結果、これらの川下におきまして、在庫形態はほぼ精米でありまして、いずれも数日程度の在庫のみというふうになってございます。
これらを総合しましたのが11ページでございます。総合いたしますと、生産者からの出荷先、これがJA系統からそれ以外の方に、下半分の矢印の方、こちらの方に移行しておるということが見てとれるわけでございます。
一方、緑色の四角の集荷業者の方から仕入れができなかった薄い青い四角の卸売業者の方、こちらの卸売業者の方が不足分を、下から回ってくる矢印のルート、こちらの方から調達をしている構造にあるということが明らかになっております。
次に13ページをお願いいたします。13ページは精米の歩留りの状況であります。令和2年から4年産米の平均と比べまして、大体90%くらいでございますけれども、令和5年産米につきましては、これと比べてマイナス1.4%、6年産につきましては、これより少ないですが、マイナス0.8%と減少しておりまして、精米供給量に換算しますと、それぞれ10万トン、6万トン程度減少しているということになります。これがその玄米の消費量の増加につながったというふうに考えられております。
続きまして15ページをお願いいたします。こちらは備蓄の状況でございます。96万トンの水準でございましたけれども、これを入札による売却で31万トンが売却済みであります。それから、随意契約による販売、こちらが最大で50万トンということになっておりまして、仮に予定している全ての備蓄米を販売した場合については在庫数量は15万トン程度ということになるものでございます。
あとは主食用米の作付意向が56万トン程度増加していること、この内訳等が20ページ以降で説明をされてございます。
あと最後の辺りに消費のトレンドが、必ずしも減少はしていない、増加に転じているものもあるというデータを示させていただいてございます。
以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
それでは、諮問の内容に加えて、追加調査の結果に関しても皆様から御意見、御質問を頂ければと思います。
本日大臣からもありましたが、全員の皆さんから、実は毎回そうですけれども、御発言いただければと思います。
まず参加されている方に御発言いただいて、その後にオンラインの方となります。本日は時間の効率化のために名簿の順で私の方から指名させていただいて、御発言をお願いできればと思います。
それでは、早速ですけれども、あいうえお順で恐縮ですが、稲垣委員からお願いできますでしょうか。 - 稲垣委員
どうもありがとうございます。皮切りで発言させていただきます。
今回の基本指針についてでございますけれども、先ほどメンションございましたけれども、政府備蓄のあるべき水準、それから需要見通しという大きな2点について今後要検討、ペンディングということでございますので、1回休み、パスということかと思いますが、あえてこの2点について今の時点で私が思っているところをコメントさせていただきます。
まず政府備蓄のあるべき水準でございますけれども、現時点で本当に見直す必要があるのかどうかについては、やや疑問なしとはしません。そもそも政府備蓄は生産量の大幅変動に対処するために積んでいるということでございまして、前回御説明ありましたけれども、生産量、いろいろ言われておりますけれども、この見方は精度向上に向けて一層の努力はしていただきたいとは思うんですが、大きく変える必要もないのかなというふうに私は思っておりまして、生産面の変動に対処するための政府備蓄の水準を今の時点で大きく変える必要はないんではないかというように考えております。
ただし、ここからは内心忸怩たるものがあるんですが、今回我々は大きく需要見通しを外してしまったというわけでございます。今までは需要面のぶれが何十万トンというレベルで極端に変動する可能性というのはないということを、やや暗黙の前提としながら我々は需給見通しを立ててきたように思います。
ただ、今回生じた事態を踏まえると、需要面の大幅変動というのも起こり得るということでございますので、これに耐え得る体制というのを考えておく必要があるのかもしれないなというように思っております。
しかし、その場合であっても、需給見通しの大きな変動に対して対処するのは政府備蓄のみということではございません。バッファーとしては、まず民間在庫、その次に輸入、最後に虎の子の政府備蓄という順で対処するのがあるべき順番だというように考えます。
民間在庫について申しますと、今回も集荷業者や卸売業者の在庫水準は前年と比べて大きく変動していないということを参考資料の方で示されております。悪徳米問屋が買占め、売惜しみをしていたというのが今回の騒動の原因ではないかという風評を払拭できたということは非常によかったと思うんですけれども、民間在庫のバッファー機能を考えるなら、もう少し積極的な取崩しがあってもよかったのではないかというのが私の感想でございます。
もちろん、ビジネスを円滑に回すためにそう極端に在庫を減らせないというのも分かっておりますが、価格高騰に量的に対応できないのでは、バッファーとしての在庫機能は不十分であると言わざるを得ないかと思います。
次にMA米等の活用でございますけれども、先ほど大臣からもメンションありましたが、今回トランプ関税交渉と重なっていたと、非常にタイミングが悪かったということで使いづらかったという点はございますけれども、本来であれば麦ではそうですし、平成5年産米の大幅不足の時もそうでしたけれども、輸入で不足を補うというのが順当な在り方ではないかというように思っております。
今後、政府備蓄米の水準を見直すに当たっても、MA米の活用も含めて考えるということが必要になってくるんではないかというように考えております。
次に2点目の需要の見通しの話でございますけれども、正直言って、いまだになぜこんなに大きくぶれたのか、現在判明している情報では全く謎だというふうに言わざるを得ないと思います。恐らくは南海トラフ地震情報を契機とします災害への懸念だとか足元の米騒動を受けて、家庭、あるいは中食業者、飲食業者というところが手持ち在庫を増やしたというのは想像に難くないところであります。このほかにインバウンド消費も少し増えていると思いますし、精米歩留りの変動といった要因が重なっているのは間違いないところですが、それにしてもここまで大きな変動が生じるのか、エビデンスをもって説明し切れていないというのが現状かと思います。これは農水省当局にお願いでございますけれども、引き続き解明に努めていただきたいと思います。
原因が分からない中でのコメントでございますけれども、先ほど申し上げましたように、精米の形ですけれども、在庫の積み増しによって需要増が創出されているという部分がありますが、これは一時的要因でございますので、継続的な需要増要因にならないばかりか、取崩しということになれば逆に需要減要因となって効いてくる可能性もあります。そういう点からもきちんと注意をして、その原因が一体何だったのかと、量的なインパクトはどれぐらいかということをあらかじめ計測しておくことが必要だろうと思います。
あと、ここであえて、資料3の2ページの仮の需給見通しなんですが、私が勝手に置いて申し訳ないんですけれども、今の増えた生産量を前提に、これも作況次第なんですけれども、8年6月の民間在庫水準を計算すると、恐らく200万トンを大きく上回るものになってくるんではないかというように思います。これ買戻し条件付きの備蓄米の買戻しを発動して減らすにしても、相当な在庫水準となることに加えまして、今私の計算、需要を今年の711万トンで仮置きしていますので、先ほど申しました下振れの可能性があることを考えると、在庫が更に膨らんで価格が逆の意味で変動して、市場に動揺をもたらすんではないかということも、ややこの局面で何を言っているんだという御意見もあろうかと思いますけれども、心配はしているところでございます。
以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
それでは、続いて岩村委員お願いします。 - 岩村委員
ありがとうございます。米穀需給の見通しについては、今後行われる検証等を踏まえて検討されるということで、状況を注視してまいりたいと思います。米価高騰が大きな問題となっておよそ1年が経過しましたが、大臣の強力なリーダーシップによって米価の安定化に向けてスピード感を持って対応されたことに敬意を表したいと思います。今後とも我が国の食料安全保障の確保を実現すべく、中長期的な観点から取組を着実に進めていただきたいということを総論として申し上げます。
以下、各論について申し上げます。本日の参考資料3の7ページでは、全ての届出事業者の報告状況について、宛先不明者が26%、4分の1を超えているということで、食糧法に基づく届出業者の把握が果たしてできているのか疑問であり、制度運営の綻びが可視化されたものと受け止めております。仮に流通の可視化が必要であるということであれば、こういった事象以外に不都合な事実が存在しないか検証し、必要な改善策を講じるべきではないかと考えます。
それから、農業者への支援の在り方について申し上げます。私どもは農業生産法人やJAの方々に様々なお話を伺いました。こうした中、令和9年の水田政策の見直しに期待を寄せる声が大きい、という印象を持っております。食料安全保障の確保や生産性向上といった観点から、担い手を確保して、持続可能な日本の農業を再構築するためには抜本的な改革が必要でないかと考えます。
例えば、補助金の改革に関しては様々御議論があるということは承知しておりますが、やはり意欲と能力のある担い手を集中的に支援するなど、生産性向上に資する取組を継続的に促す仕組に転換していく必要があると考えます。
最後になりますけれども、私ども経団連では先月中旬、小泉大臣との懇談会を開催し、食料・農業政策における重要課題等について議論したところでございます。生産基盤の強化、またスマート農業ほか、我が国農業における課題の解決に向けて今後連携を深めていくということで合意されました。とりわけスマート農業における新技術の導入等について、経済界としても貢献できる余地が少なくないと思っております。今後とも関係各所と連携して検討を深めて、我が国農業の活性化に向けて尽力したいと考えていますので、引き続きの御指導をどうぞよろしくお願い申し上げます。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、続いて小林委員お願いします。 - 小林委員
本日はお時間を頂き、ありがとうございます。主食用米の需給及び価格の安定に関することについて、米農家という立場から現場の肌感として、三つの観点からお伝えしていきたいと思います。
まず一つ目です。誰にとっての適正価格なのかという問いです。まず一つ目は、私は本当に10年前、リフレッシュに良いと家族に勧められて父の友人の田んぼで稲作のお手伝いに携わり始めました。お米のおいしさですとか農業の楽しさですとか引かれて続けていくのですが、2021年に家族の体調不良とコロナによって行き来が難しく、一時継続が困難になりました。その際に、もし自分がお米を作れなくなったら私は何を食べるんだろう、そんな危機感を感じて起業という選択を取りました。
私はお米が、そして農業が、新潟が本当に好きで、できる限り続けていきたいというふうに思い、継続的に関わり、自社でも農地を借りて農業を今も続けております。そんな私でも、やっぱり大変だなと思う日があり、稲作の事業を継続することの難しさを感じる日もあります。特に近年の猛暑、そういった中では作業の効率が落ちて、熱中症対策で、これまで1本で済む予定だったペットボトルの飲料というものも3本必要になったりですとか空調服着用、休憩室の整備、肥料、輸送費の高騰、一つ一つは小さく見えても確実にコストがかさんでいっています。にも関わらず、お米の価格というのはずっと変わってこず、赤字になることもあり、胃が痛くなるような思いをすることもありました。
そんな中、今年の米騒動と言われる出来事を受けて、「お米作っているんだね」と声を掛けられる機会が急に増えたんです。10年やっていて急にです。関心が高まったことというのはうれしい反面、私と同世代、30代の特に子育て世代の女性たちが周りにいっぱいいるので、「お米が高くて手が出ない」とかスーパーにお米が売っていないという声も耳にしました。弊社の従業員も8割以上が女性なので、お米を探しているとか、別のスーパーまで行ったという声が寄せられていました。
農業をお手伝いする中で、その大変さを知っている自分としては何だか努力が報われるような思いを感じていました。しかし、農業の関心が高まる中で、お米の価格の高さへの困惑の声に触れる機会も増え、私は改めて適正価格というのは誰のもののためなのだろうかということを強く考えさせられました。農家が暮らしていけること、そして誰もが安心してお米を買えること、その両立がなければ持続可能な米作りは成り立たないと心から今痛感しています。
そして二つ目です。これも少し一つ目にかかってくるお話なのですが、天候に関する生産不安です。今年の夏は例年にない暑さと雨の少なさが続いていまして、私たちの農園でも作物が枯れる被害がありました。水源に恵まれている私の新潟の棚田でさえ先行きには不安を感じています。毎日のように最高気温が更新される中で、高齢の農家にとっては命に関わるような環境もあります。梅雨はいつだったのかなと思うほど日照りが続いて、今は雨水に頼っていた畑というのも今年は水やりをしないと枯れてしまうような状況です。雨に任せる農業というのがもはや通用しなくなってきている。一時的な異常気象ということではなくて、常態化した気象リスクとして検討していく必要があるのではないかなと思っています。
また三つ目です。作付が増えたその先ということに対する不安です。まず初めに、毎回の食糧部会、またこの度のこういった部会に対して皆様が丁寧に情報を整理し、数字をお示し下さり、生産から消費まで様々な立ち位置の方に対して追加の調査や検証を行って下さったことに改めて感謝申し上げます。
私も参加させていただく中で、これだけの方々が調査されているにも関わらず、今回のことに対して「明確な要因が見つからない」という点に私は強い疑問と不安感を感じています。人口が急増したわけでもなく、生産量が急減したわけでもなく、それなのにお米が市場からなくなっていた。こんなにも皆様数字で見ていたはずなのに。一体どこへ消えたのかというのが、これだけたくさん資料を見せていただいても見えてこないんです。今日、稲垣委員が仰られていたように、これに耐え得る対策というのを検討していくに当たって、「原因が明確にわからないこと」一番そのことに不安を感じております。
今年は多くの農家さんが主食用米の作付を増やしましたというお話もありました。米農家としてそれ自体はとても喜ばしいことだと思っています。しかし、この先もし供給の過剰というところで価格が急落してしまったら、ようやく努力が報われ始めたという思いを抱いていた農家の心が折れ、再び離農が進んでしまうのではないかという懸念も否めません。そうなれば、また数年後に同じように米不足が起きてしまうのではないか。それに備えた今後の対策として若手の就農も大切であるが、私自身も新規就農で若手として農業を始めていく中での難しさも感じていて、今は先行き不安の中にいます。今後これから始めようという方にとっては、新規就農はさらにハードルが高い状況ではないかなというふうに感じています。
誰かが手を抜いているわけでもなく、調べていないわけでもなく、それでも原因が見えてこない、この不透明さというのを今後どうしていったらよいのか、現場は不安が募っていく状況です。原因が分かれば対策ができる、このまま分からなければ何をすれば良いか分からない。そのような状況から農業の現場というのは次の一手というのを打つことができません。現実的には、なかなかできることが少ないとは思いますし、既にみなさまが御尽力もされているとは思いますが、私自身も現場の経験を生かして模索していきたいと考えております。
お米というのは日本の食の基盤であり、文化でもあると思っています。誰かだけが食べられるものであってはならない。そして、作り手がいなくなってしまってもいけない。安心して作れることと安心して食べられることの両側面から同時に守れる仕組というのを、どうか皆様のお力とお知恵を借りてお支えいただければと心から思っております。御清聴ありがとうございました。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
それでは、澁谷委員お願いします。 - 澁谷委員
この度は貴重なお時間を頂き、誠にありがとうございます。米屋を営んでおりますお米マイスターの澁谷梨絵と申します。本日は米屋の立場で3点ほどお話しさせていただきたいと思います。
1点目は需給についてになります。令和6年7月から7年6月末までの消費量が前年より6万トン増加していて、前年の消費量は数字上では14万トン増加しておりますので、皆さんも仰ったとおり、この2年間で20万トンも増加しているという計算になってしまっていて、ただ人口減少だったりとか、私自身、米屋の店頭に立って販売していても、肌感覚ではここまで大きな数字というのがちょっと考えづらいかなというのが本音であります。本当に米の消費というのがここまで増加しているかということは、私たち自身、非常に懸念に感じております。
大臣も昨日の記者会見でお話しされておりましたが、歩留り等による生産量の目減りというのは非常に大きくて、御報告に上がっている生産量についても正確性が非常に、皆さんも仰っていただいているとおり、今後検証が必要になってくるかと思います。生産量と在庫量から消費量を試算されておりますので、どうしてもこの数字になってしてしまうというのは致し方ないかとは思うのですが、この数字というのは、米価に対しても非常にインパクトがありますので、統計の見直しをしていただけるということでしたので、引き続き正確な把握に努めていただければと思います。
さらに、消費量が増えていくというのは非常にうれしいことではありますので、今お米を非常に注目いただいているここのタイミングで、また米の消費拡大に向けていろいろな施策を打っていただいて、私たち店頭でも精いっぱい頑張らせていただきますので、一緒にお取組できたらと思っております。
2点目は、全届出事業者の調査についてです。今回、20精米トン以上取り扱う者全て、約7万事業者にも調査を行っていただき、私たちも初めて対象事業者として回答させていただきました。今回の調査は、これまで対象事業者ではなかった我々中小規模の米穀店も含まれておりまして、調査の結果、記載にもありますとおり、一定の数字を持っているということが判明したものと思います。
米というのは日本全国、隅々に生産されたお米を届けるという意味で独自の流通網を築いていると思うんですが、今はその独自性から流通網が問題視されていたりもするのですが、実際に我々中小規模の米穀店というのはお取引先に、一般消費者だけではなくて、地元の飲食店さんだったりとか学校給食さん、地域の病院や学校など、本当に見落とされがちなんですけれども、主食を必要としているところに細やかにしっかりとお米を届けているということがあります。我々、実際の現場にお米を届けているという自負があります。大変御苦労かとは思うんですけれども、我々の先の最終消費者を見据えつつ、全届出事業者の調査というのは、なかなか宛先不明で返ってきた部分はあるかと思うんですけれども、そういったところも精査していただいて、できれば続けていただければと思います。
最後に3点目、備蓄米についてお話しさせていただきます。この備蓄米の短期間での導入というのは本当に現場の皆さんにとっては御負担が大きくて大変な作業であったんじゃないかなというふうに思います。私も何度かお電話をしてしまったりもしたので、皆さん本当にお忙しくいらっしゃったと思います。こうして対応していただいたからこそ、昨年の夏のようなお米騒動は回避できたんではないかなという風に感じておりますので、改めて本当に感謝を申し上げます。
しかしながら、6月初旬の購入の備蓄米が2か月経った今日でも、まだ手元に届き切れていないというお米屋さんの声も多数届いておりまして、私たちも共同購入でお願いはしているんですけれども、本日入荷の予定でございます。2か月です。
我々中小規模の米穀店というのは大手の小売事業者さんの購入の、その次のタイミングで申込みがスタートしておりますので、ちょっと飽和状態にあった物流がだんだん後ろになってしまって、荷物の到着が大幅に遅れているというのは致し方ない状態かなと思っております。物流業界の方も本当に対応して下さっているとは思うんですけれども、何度もお電話してしまったんですけれども、順番にという中で本日になってしまったのかなというふうに感じています。
そこで最後、お話ししたいのが販売期限と販売先の制限についてです。
まず販売期限については一律、8月末までとなっております。7月末時点でまだ手元にない備蓄米を8月末の期限内に売り切るのが難しいというお声もあります。もちろん、8月末で売り切れる量を申し込んで下さいというふうに再三お話しいただいたという事実もございます。新米の入荷時期を考えての8月末という期限設定かとは思うんですが、令和7年産の新米のスタート価格もかなり高くなるという見込みも出てきておりますので、残ってしまった場合の対応策などについて、もし何かお考えだったりとかというのがありましたら、お聞かせいただければと思います。
もう一点、販売先の制限についてなんですけれども、先ほども申し上げたとおり、我々中小規模の米穀店の取引先というのは一般の消費者だけじゃなくて、地域の飲食店さんだったり学校さん、病院さんなど地元に密着した様々な業態にわたっておりまして、また独自にも精米能力を有するので、届いたらすぐ迅速に、かつ効果的に今回の備蓄米を市中にお届けすることができる存在にはなっています。
例えばなんですが、ここまで踏み込んでお話しして良いかどうか分からないんですが、さきの8月末までの期限を考慮していただいた上で、米穀店の随意契約の備蓄米を消費者向けではなくて、中食・外食・給食事業者さんへの提供なども可能にしていただくなど、柔軟な対応も御検討いただければというのが現場の声でございます。
実は量の問題で購入できなかった小規模の中食・外食・給食事業者さんも多くいらっしゃって、私たち米屋はそういったお客様とお取引が非常に多くございます。買戻しなどの対策はもちろん考えていただいているかもしれないんですが、可能な限り、せっかく届けていただいた備蓄米なので、必要な方にお米を届けることができればと思っておりますので、是非対策を御検討いただければと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
続いて、菅原委員お願いします。 - 菅原委員
岩手県から参りました菅原紋子と申します。よろしくお願いします。
まずは御説明いただいた内容についてですけれども、今後検証するということですけれども、今年のこの天候、暑くて雨が少なくて水不足だということ、秋の収穫がどうなるかというのは生産者もすごく不安に思っていることですので、今後どうなっていくか、状況を見てしっかり落とし込んでもらいたいなと思っています。
私からは現場のことを少しお話ししたいなと思っています。
私は岩手県雫石町で生産・販売しています。就農して14年目、親元就農です。前職はサラリーマンで地元を離れていたんですけれども、後継者ということで地元に戻ってきました。雫石町で生まれ育ってきて、やっぱりこの環境が、景色がすごく好きだなというふうに感じながら作業をしています。
就農当時から社長、私の父からは、農業は食料を生産するだけではない、地域、国土を守っているんだぞということを常に言われてきました。私なりに、これからこの好きな景色をどうやって守っていったら良いのかというのを考えながら今生産しています。
昨年からお米の価格が高くなって、生産者の中にはモチベーションも上がって、規模拡大を進めている方も多くいらっしゃるんですけれども、米価が上がったからといって生産者が増えるわけではなく、むしろ減っていく中で、今すごく価格の方に目がいきがちなんですけれども、将来のためにどのように農地を守って、どのように食糧を確保していくのかというのを皆さんの立場からいろいろ考えを聞かせてもらいたいなと思っています。
そして、今年の主食用米の作付が増えて、増産できるというふうになっていますが、簡単に増えたり減らしたりできるものじゃないというのは忘れてはほしくないです。そこには生産者の努力があってこそですので、そこは忘れないでもらいたいなと思っています。
今、ある意味すごく農業のことに興味を持たれたり注目されたりしています。生産者にとっても、消費者にとっても良い方向に向かってもらえるように取り組んでもらいたいなと思っています。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
続いて、藤間委員お願いします。 - 藤間委員
JA全中の藤間でございます。本日より食糧部会に参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
まず米の需給見通しについて、これまで生産者や本日もお集まりの多くの関係者が、米の需給見通しの情報を基に需要に応じた生産を進め、消費者の安定供給に取り組んできたという経過があり、需給見通しは大変重要という認識です。
本日は現時点でのデータをお示しいただきましたが、引き続き生産・流通・在庫段階に関する検証を進めていただき、できるだけ速やかに改めて食糧部会を開催いただき、需給見通しの審議をお願いします。
また生産現場では、先ほども小林委員等からの御意見ありましたが、この検証結果や備蓄米の動向によっては、今後需給が大きく緩和するのではないかというような不安の声も出ております。これまでも小泉大臣が発信いただいていますように、需給環境を見ながら備蓄米の買戻し、買入れにより適正備蓄水準まで回復を行う、また備蓄米の販売は新米流通への影響の配慮から、買受者は8月20日までに引き取り、8月末までに消費者への販売を完了すること、このことについて適切な実施をお願いします。
備蓄制度の運用につきましては、9年度以降の水田政策の見直しと併せ、本年実施した備蓄米の売渡し、流通などの検証も踏まえ検討していく必要があると考えてます。
次に、加工原材料向け備蓄米の販売方法の変更についてです。
今回の指針で随意契約で販売できることになります。国産米の安定供給による加工品製造への配慮について、これは十分理解いたしますが、加工原材料市場は大変小さく、その用途や業態も多岐にわたるため、随意契約の販売による数量、価格が市場に与える影響も大きいと考えます。そして、令和7年産米から主食用米への生産変更により、需要に応じ用途変更ができるように、8月20日まで営農計画の修正が延長されています。状況によっては加工用米から主食用米への生産変更によって加工業者との取引への影響も生じること、さらに令和8年産米以降の生産にも影響が生じることが懸念されております。
このようなことも踏まえ、需要に応じた加工原材料用米の生産が継続できるよう、慎重な対応及び支援をお願いいたします。
最後に、先ほどの資料3の最終ページにある、水稲の収穫量調査について、収量コンバインや衛星等の近年の技術発達、これも踏まえて精度を高めていくというような資料があります。より多くのデータを簡易に、そして正確に収集できるよう検証・研究いただき、生産者の感覚とそごのないように情報提供を頂けるように期待をいたします。
私からの発言は以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございました。
続いて、平田委員お願いします。 - 平田委員
山形の生産法人で平田と申します。
ここまで何人かからご指摘がありました需給の状況について。もし37万トン本当に需要が増えていたのだとすれば、我々にとっては非常にうれしい話ではありますが、ちょっとにわかには信じられない規模の需要増かと思っています。
もう一つ。今回提示を見送った6月末の在庫について。市中で250万トンとか300万トンとかいううわさを聞くことがあり、その規模に大きな不安を覚えます。
それを受けて2点お願いしたいと思います。価格は市場が決めるのであって、役所は価格にはコミットしていないという発信が何回かあって、言ってみれば農林省、政府の公式見解というように受け止めておりました。ところが総理が国会答弁の中で「米は5キロあたり3,000円台でなければならない」と発言され、強い口先介入がなされました。さらにその後、備蓄米の放出という実際の市場介入があって、価格の下落が実現しました。この件だけについては私は、強い、もっと言うと強烈な違和感を持っておりました。しかし、大臣が冒頭で触れられたとおり、消費減退であったり、我々にとってどうしても我慢できない輸入の急増につながる可能性が出てくるということからすると、消費者だけでなくて生産者にとっても不健全な高値になってしまった。このことに対するストップ高でしょうか。表現が正しいかどうかですが、サーキットブレーカーが働いたということであって、市場経済を無視したというものではないと、自分なりに理解をしております。
その要因は農水省の方でしっかり検討してくださると思います。敢えて現場感覚をお伝えするならば、小林委員からもお話があった、産地の弱体化が根底をなす問題として顕在化していると感じます。JAさんの記事で、稲作農家の時給が10円という報道があって、友人に「そんなわけないだろう」とあおられた経験があります。しかし、実際には長い間、米生産だけでは農家の生活が成り立っていない時代が続いていたと思います。にもかかわらず、農家というのは幸か不幸か、この仕事が好きで、時期になると種をまくんです。ある農家が、これは生活習慣だからと言っていました。もはや産業じゃなくなっている。しかし冷静に、子供たちにそれをやらせて良いかと考えるとやはり迷う。しかし冷静に、生活が成り立たないような収入しかない一方、ほかの仕事では親世代の給料より好待遇が示される。それでも続けさせて良いのか迷うということが起こって、結果的に後継者が育たず今に至っていると思っています。
ですが、今回の過程で少し残念だなと思ったのが、目立った担い手対策なり産地の振興策が具体的になかったことです。大臣が説明されている通り古い米の投入とは言うものの、今の米の生産原価の統計から考えると、明らかに原価を割れ1万700円の米が市場に大量に投入されたわけで、担い手のマインドを冷やすことは、避けられないと思いましたし、このままでは将来また同じことが起こる、若しくはもっと深刻化して起こることになりかねないと思っているところです。
これを避けるという意味でも、サーキットブレーカーというのは不健全に高い価格にも当然出ますが、不健全に安くなってしまった市場にも作動すべきだと思います。つまり、これまであったような原価が完全に割れてしまって、生活が成り立たないような価格について、なにかしらかの制度が必要なのではないかなというのが1点目のお伝えしたいことでありました。
2点目を申し上げます。6年産で学習したなと思った件です。我々の年代はこれまで、「日本の稲作農家は要するに経営改善努力が足りない。生産性が上がってこないから海外勢に負ける。だから、生活が改善しない。」との指摘を受け続けた世代だと思っています。
農水省による玄米60キロ当たりの生産コストの統計によると、瞬間値であるものの一番高いところと低いところの比較では30%ぐらい下がっているようです。30%は大きな数字だと思いますけれども、それにしては経営が改善した、生活が改善した実感が全くありません。そこで、売価の参考にJA相対価格を見直してみるとその下落幅はさらに大きくて瞬間的な高値と安値の間では半分を割っているようでした。つまり、生産コストの改善を実現しても、言ってみれば「安く作れるようになったんだから安く売ってね」と売価が下げられてしまい、全然経営が改善に結びつかなかったように思います。
振り返って、今年の6年産では多くの農家さんが黒字に転じたのではないでしょうか。では、今まで言われてきたとおり、その多くの農家さんが今年急に、すごく経営改善努力をしたということなんでしょうか。恐らくそうじゃないです。つまり、値段が、または相場が健全でさえあれば再生産を確保できるのです。個々の経営で他社に負けない生産性を実現する努力を前提にしながら、業界全体では生産調整をしっかりやることが、農家の生産意欲の増進にうまく作用すると確信したところです。
生産者マインドを刺激して下さるという意味で、フル作付800万トン生産というのは非常に盛り上がるといいますか、生産者が喜ぶ方向にいくのかもしれません。しかし出口戦略をしっかり定めないで需要を大きく超えた生産をしてしまうことは非常に大きな不安を持ちます。今年57万トンも余計に作ったことに表れているように、残念ながらプレーヤーが100万もいる産業界においては自分たちの力だけでの需給調整はかなり高いハードルです。しかしそれが、生産者にとって必ずしも悪ではないことをお伝えしたい思います。
2点でした。以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、藤尾委員お願いします。 - 藤尾委員
株式会社神明ホールディングス、藤尾でございます。本日は米卸は唯一私一人なので、米卸の立場からして御意見又は御質問させていただきたいと思います。
まず3点ほどありまして、主食用米の需要量、また生産量、それと当社の米の販売のデータについて説明したいと思います。
まずですが、先ほど来皆さんの方からも御意見等があったと思いますが、主食用米の需要量ですが711万トンということで、当初の基本指針での予測から見ますと37万トンプラスというふうになっております。また、昨年も705万トンということで、昨年も基本指針の予定数量から見ますと24万トンということで、2年にわたりまして60万トン近く誤差があったということがあります。
この要因というのは、食糧部会でも以前から話はあったんですけれども、やはり極端に増えておりますインバウンドの需要、この半年間で2,000万人以上のインバウンドの方が来られていますので、今年におきましては多分4,000万人以上の方が来られます。当然、旅行の期間も長くなっておりますし、ほとんど米を主体に食事をされているということですので、これもかなり大きな需要としてインパクトがあるかなというふうに思います。
また、ここ近年言われております健康志向による、消費者の米に対しての回帰、米戻り、これも実際データをきちんと拾ってみると意外に増えているかも分からないというふうに思います。
それから、先ほど大臣の方からも話がありました歩留り減、これも5年産におきましては10万トン、6年産におきましては6万トンということで結構な数字のインパクトがあると思いますので、この辺りを今後きちんと精査しまして、需要量の予測を立てる時には反映していくべきかなというふうに私自身も見ております。
それと、あと生産量においてですが、先ほど大臣の方から増産という言葉がありました。そして、この7年産におきましては56万トン増えるということになっております。面積でいいますと125万9,000ヘクタールから136万3,000ヘクタールということで、10万4,000ヘクタールの主食用の面積が今回増えているということになっているんですけれども、中身を見ますと我々としては不安があります。一番大きいのは飼料用米から4.9万ヘクタール、25万トン以上のお米が転換してきているというところもありますし、それと政府米として3万ヘクタール分、これをこの中にカウントされておりますので、そういった意味で転換が生産量を増やしているというような形になっております。
ですから、先ほど大臣が言われたように、この増産の意味とは食い違ってくるかなというふうに思っています。大臣は多分、農地をもっと、田んぼをもっと増やして、もっともっとお米を作るんだということの増産かなというふうに思いますので、その辺りも危機感として我々としても捉えて、今後考えていきたいというふうに思っております。
それと、当社のデータなんですが、本当に大臣の方から早い判断をしていただきまして、随意でお米を早急に出していただいたことに関しましては非常に感謝しております。もし、この政府備蓄米が出てきていなかったら、我々卸は多分去年と同様で、7月ぐらいから品切れ続出の状態だったんです。下手したら、早い卸さんによりますと、もう6月ぐらいから品切れするところだったんですけれども、今回政府備蓄米を出していただいたことによりまして、店頭を切らすことなく供給できたということに関しましては非常に感謝しております。
それで、当社の直近のデータを説明させていただきたいと思うんですけれども、まず物量で説明させていただきます。スーパーも中食も外食も全部含めた精米の販売の状況なんですが、この4月は前期比で102%、前々期比で114%。ですから、前期というと24年の4月です。前々期は23年の4月ですけれども。前期比で4月は102%、前々期比で114%。5月におきましては前期比で96%、前々期比で119%。6月におきましては随意契約の米が本格的に出てきたんですけれども、前期比で103%、前々期比で119%ということで、前期は米不足ということもありまして非常に米が売れていたんです。6月までも当社はまだ供給できる余力があったんですけれども、7月ぐらいから厳しくなったんですけれども、まだ6月は上回っているということで、前々期比にすると、もう20%近く当社の方は物量が増えております。
また、ここから量販店だけを取り出してみました。量販店だけを取り出しますと、4月は前期比で95%、前々期比で107%、また5月は前期比で94%、前々期比で101%、6月におきましてはほぼ前期並みに出せることはできました。これは随意契約のお米が入ってきたので、それが上積みされたので、前期比並みで出せることはできました。また前々期比で見ますと118%ということで、スーパーにおきましても前期と比較しますと少し割っているような状況ではありますが、前々期と比較すると大幅に増えているような状況というふうになっております。
また、さらにですけれども、今回当社の方では銘柄米、これは5キロ4,000円以上の米で、産地の銘柄の米です。あきたこまちとかコシヒカリですけれども、この6年産の銘柄米、5キロ4,000円以上の米と、中間価格米と我々は言っているんですけれども、これは最初の入札の政府備蓄米を半分ぐらい使っております。そして、あと半分は当社が調達している6年産の米です。それをブレンドしたお米で、大体価格帯は5キロ3,300円から3,500円。大臣が言われた大体、今の平均価格ぐらいの米ですけれども、それを中間価格米としています。
あと随意契約のお米ですけれども、これは5キロ2,000円というところで、この三つの価格帯が今主になっております。この三つの価格帯で比較しておりますと、まず去年の7月から今年の3月まで、ここはもうほとんど6年産ばかりというか、銘柄米しかなかった時なんですけれども、銘柄米ばかりの時の数字を100%と置きまして、入札の政府米が出てきて、政府備蓄米が出てきて、あとその後随意契約が出てきて、中間米とか随意契約米が出てきてどうなったかなんですけれども、4月におきましては銘柄米ばかり売っていた時を100%としましたら、114%。5月におきましては120%。6月におきましては127%ということで、当社の実績で言うと大幅に伸びております。
それと、またあと銘柄米だけに限っての販売の状況なんですけれども、4月は96%、5月は90%、6月は79%というふうになっております。
それで、ここで6月だけ取り出してみました。6月だけ取り出してみまして、銘柄米が62%、中間米が27%、随意の米が11%となっております。ただ、随意の米に関しましては、どうしても入ってくる量に限界がありましたので、これはもっと入ってきたら、ひょっとしたらこの随意のお米がもっとシェアを取っていたかも分かりませんけれども、ここで我々考えたんですけれども、全体の量も増えていますし、またこのような形で中間米、最初の入札の備蓄米と当社のお米をブレンドしたお米、3,300円から500円のお米も順調に売れていますし、また今回の随意契約のお米も本当に店頭に並べばすぐに売れてしまうような状況なんです。ということで、消費者が選択肢増えたのかなというふうに思います。それによって購買意欲が増して、それで全体が増えたかなというような形がデータを取って見えると思います。
また、今回当社の大手の量販店さん、1社なんですけれども、この1社の大手の量販店さんの6月のデータなんですけれども、ここには随意契約のお米が結構潤沢に入っておりましたので、銘柄米が51%、中間価格帯の米が27%、随意契約の米が22%ということで、随意契約の米が入ったら、随意契約のお米も売れるというような状況となっております。
また今回、政府の方から入札米、随意契約米ということで政府米を出していただいたことによりまして、当社の販売数量なんですけれども、3月から比較しますと4月は108%、5月におきましては105%、7月におきましては107%ということで毎月伸びていっているような状況となっております。
以上、ちょっと御報告とさせていただきます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、宮島委員お願いします。 - 宮島委員
どうもありがとうございます。
まず基本方針の諮問ですけれども、これに関しては今回は時期的な問題で白紙委任みたいなものだと思いますので、今後データや検証の後にしっかりと議論をする機会を頂きたいと思います。
追加調査、大変お疲れさまでした。検証は正にこれからだとは思うんですけれども、少なくとも流通のところや歩留りのところなど、これまでの調べ方では十分に実情が把握はできなかったということを確認したと理解しています。
去年からいろいろ議論をしていて、もう不安だという声、去年のかなり早い時期からありましたが、現場の声とのずれをもう少し早く反映できなかったのかなという気持ちは、この部会のメンバーみんなあるのではないかと思っております。
去年もお伝えしたんですが、ふだん様々な市場を見ている立場からしますと、価格はその時の実力だけで決まるものではなくて、それに様々な心理とか情報の伝わり方とか、そういうことが加わっていき過ぎることがあります。それは株価などそういうもので。実際にお米はあるはずだということを伝えても、やっぱり店頭にはないんだという現場とのギャップが膨らめば膨らむほど、よりみんなが不安になって状況が加速するという状況だったのかなと思います。
ですので、どうしても市場にはそうしたぶれがあるということを分かった上で、特に高値になる可能性に関しては様々な準備が、対応の準備が足りなかったのではないかと思います。
今年も天候が心配だというお話はありますし、災害に関しては、もう今や10年に一度では済まなくなっている。台風なんかしょっちゅう「史上最大」みたいなことを言っていますし、そういったことに関してもうちょっと様々なバッファーを持つ対応というのが必要ではないかと思います。
データの検証はこれからですけれども、流通事業者、7万事業者に対する調査が今回答2割というのは、まだこれだけでは厳しいので、ここは今回は諦めずに、かなり難しいところがあってもしっかりとリーチしていただきたいと思います。
あと分析を見た印象ですけれども、正に数字上の実需が大きく増えているのは何なのかと。シニア世帯の購入が増加していますけれども、これは売られたんだけれども、本当におなかに入ったのかというところ、そしてこれが一時的なことであるのかということは気になります。つまり、行動の変化です。例えば地方の鉄道がなくなる、廃線になるというような話があると、ふだん車に乗っていて、ほぼ鉄道を使わない人まで反対して、鉄道大事だと言います。だから、今回も米が足りなくなった、やっぱり米が大事だということになって、少し増える分がどのくらいだったのかです。この食糧部会では米をもっと食べていただきたいという話をずっと議論していますので、それでみんな米が本当に大事だと戻ったんだったら良いんですけれども、これがどこまで一時的な現象なのか、今のムードに乗ったものなのかということも心配になっています。この辺りもしっかり見極めも必要だと思いますし、米を実際にずっと食べていただくための様々な取組というのは必要だと思います。
随意契約による備蓄米の放出に関してですけれども、これが政府がこうした決断をしたということは、大変な緊急事態において必要だったと私も思います。ただ、政府が価格を決めるのだというふうに映ったことは間違いなくて、これは本当に2倍ぐらいの緊急対応だったからしたことだということをしっかり押さえる必要があると思います。今後、ここまでじゃなくて高値になることもあるでしょうし、増産して余るということもあるでしょうけれども、その度に政府が買ってくれるんだとか、政府が何とかしてくれるんだと思うようになっては、今までの努力が残念なことになってしまうと思います。
米は今でも一定程度特別な存在ではあって、税金も相当使われてはいますけれども、方向性としてはほかの作物に近付ける、そして市場に任せる、生産性の向上を目指すという方向はみんなが確認しているということだと理解していますので、これが揺らぐようなことになってはいけないと思います。
大規模化などはまた別の機会でもいろいろお話になると思いますけれども、幾つか阻害要因があると思っておりまして、国交省が絡む土地の問題ですとか道路の問題ですとか地域計画の問題ですとか、今も全力でやって下さっているとは思うんですけれども、他省含めもっとそこをイレギュラーな早さで生産性を上げるための努力は必要だと思います。
また一方で若い人たちの参入が、農業に入るということが、できれば新規に企業に入るということとあまり変わらないぐらいの安心感を持って農業法人などに入っていただける環境にすることがとても大事だと思います。そういったこれまでの努力の方向性も引き続きお願いしたいと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、山﨑委員お願いします。 - 山﨑委員
茨城県でお米の生産から販売をしております有限会社アグリ山﨑、山﨑と申します。今回は多忙な小泉大臣との意見交換という大変貴重な機会を設けていただき、お礼申し上げます。
今回の米穀需給の見通し、備蓄運営に関して今後も状況に応じた対応が必要であると考えます。現場の状況から3点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
1点目ですが、お米の在庫逼迫により増産とのことですが、現場は簡単には対応が難しいのではないかと思います。なぜならば、来期の種子は前年の8月中に注文を行いますので、すぐ増産といいましても、種子の不足が見込まれるのではないかと思いました。
2点目ですが、輸出を35万トンにとのことですが、国内での米騒動、また令和6年度のように国内米価が高いと、輸出より国内に販売した方が生産者にとっては有利な状況だと考えられます。弊社は取引先との信頼関係の構築を築いているため、一般的な国内価格よりも抑えて、営業に自ら出向き、12年間輸出を続けて、10か国に販路を拡大してきました。コロナ禍で国内販売が減少した中で、現在国内4割、輸出6割になっております。現在の国内価格ですと、国内に販売した方が有利な状況の中で、新たに輸出に取り組むことは難しいのではないかと考えますが、国として今後どのように輸出拡大をしていくのか、お聞かせいただけましたら幸いです。
最後に、作況指数の公表廃止についてですが、以前から食糧部会でもギャップがあるのではないかと意見してきました。衛星を利用し、出穂日や病害虫の予測、弊社も利用していますが、出穂日などはほぼ一致しております。ふるい目の変更、衛星を活用、新たなデータ活用に大いに期待しております。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、山田委員お願いします。 - 山田委員
日清製粉の山田でございます。
まずは米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針については特に異存ございません。ただ、皆さんも申し上げているように、課題の需給見通しが今回スキップしていますので、改めてその辺のところはしっかりと、いろいろな算出方法も見直すべきなのではないかなというところはあります。そのことも踏まえて、大体こういう場でいろいろそういうふうにやると、1回やってしまうとなかなか直しが利かないとかあるんですけれども、やっぱりトライアルしたら常に見直すというような形で臨機応変にやっていく方が良いのではないかなと私は考えております。
私自身、この部会には8年ほど参加をさせていただいていますが、昨年からの米不足の問題に関しては時間に制約があったとはいえ、この場でもう少し議論を深めてもよかったのかなと、思っております。
現在小泉大臣を先頭にした農水省の皆さんの御尽力で確実に備蓄米が浸透して、価格も下落している事実というのは、その方法の政策効果は発揮されたというか、これは大変高く評価できるものだと思っております。
ただ一方で、今回の事象を踏まえて、今後の米政策どうあるべきかということが問われているんだと思います。これに改めてしっかり向き合うというタイミングであるし、そういう必要性があるのだろうと。ただ、米政策というのは常にいつも複雑で、意見も分散化しますので、そうした意味において、まず論点整理をしっかりすべきなのではないかな思います。
その論点整理という意味では、先ほど冒頭大臣が申し上げられたように、短期と中長期にきっちり分けて、その論点整理をした方が良いと私自身は思っております。
まず短期の問題ですが、これは皆様仰られているように、今回の米不足による米の高騰、いろいろあるかと思うんですが、基本的には米の需給バランスが崩れたことによるものだということは明解だと私は思っています。では、なぜ需給バランスが崩れたのか。そもそも昨年度の生産量が統計上増加していましたが、実質は本当は減少したのではないかとか、それから、あるいはタイトな需給バランスの中で何らかの原因で流通段階のスタックが生じたのかと。その両方なのか。
今回いろいろな、本当に農水省の皆さんが御努力されて、追加調査を含めたデータを拝見していますけれども、その点、いまだにまだはっきりしていないのかなと感じております。
今後はそのように、この一連の事象におけるステータスについて、なかなかはっきりしないのであれば、仮説を作って、その仮説を含めて検証して、至急対応を検討すべきではないのかなと、考えます。
例えば生産量の不足の問題であれば、当然そういうことが起き得るということもあって、今後も備蓄米を含めたフレキシブルな需給管理の施策、これは喫緊の課題となりますし、流通段階の問題であれば、精米とか、さらに物流についての効率化を促す、構造的な課題への仕組とか、そういうものに対する取組というのが必要なのかなと思っております。
何より重要なのは、中長期的な問題ではないのかなと考えます。
2018年以降、減反政策の廃止に伴う需要対応型の転換をして、人口減、高齢化などによって市場がシュリンクするということで、生産量の調整を促して、余剰による価格の下方方向性を是正していくというのが一連の今までのアプローチだったと私は理解をしております。ただ、今回実は起きたことは全く逆で、価格の上方方向性を是正する必要になりまして、要するに今までのアプローチが全く通用しなくなったと認識をすべきだというふうに思います。
そういう意味では、まずしっかりと、先ほどお話が出ているように生産量の確保を図ることは必要だと思いますし、その意味において、現時点では食料安全保障の視点も含めて増産が前提だというのは私は大変理解できるところだと思います。
ただ、そうすると、皆さんも御心配をしているように、価格の下方方向性の問題というのは必ず出てくると思っています。
ここからは私見でございますけれども、こうしたことに対応するためのフレキシブルな体制を作るというのが必要なのですが、ちまたで言われているような転作助成とか所得補償に頼るというのではなくて、先ほど皆さんからも話が出ているように、抜本的な生産性の向上に向けて農地制度を含めた大規模化の推進や新たな経営体制、技術革新によるスマート農業をもっと促す、そういう意味での政府の強力な施策というのがこれから必要になるのではないかと私は個人的には思っております。
このことが本来の「価格は市場で、経営安定は政策で」ということに最終的につながるものだと思っております。
なかなかこういうお話をすると、以前のこの部会でもありましたが、どうしても棚田を含めた美田や日本の食カルチャーに言及されることがありますので、もちろんそういうエモーショナルな議論というのが論点がないとは言いませんけれども、今最大のイシューは生活者、それから生産者における最適な経済合理性がどうあるべきかというところが問われているところではないかと思いますので、そこにフォーカスして議論をすべきなんではないかなと、思っております。
まずはこうした論点整理が必要と考え、まずは問題提起をさせていただければと思います。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
会場で御参加の方の御発言は一とおり頂きましたので、続いてオンラインの方から御発言いただきたいと思います。
最初に、金戸委員お願いします。 - 金戸委員
聞こえますでしょうか。 - 大橋部会長
大丈夫です。 - 金戸委員
弊社、武蔵野は大手のコンビニエンスにいろいろな商品を納品していますが、お米を使う商品としては当然、弁当、おにぎりの類いなのですが、およそ年間5万トンぐらいを必要としています。そうすると一番期待する点は、生産量の数字と需要量の数字について、より正確度を上げていただきたいと思っています。
前年の6月末の民間在庫、および翌年の6月末の民間在庫の正確性はもちろん必要ですが、川上と川下で、どれだけ作って、最終消費者に一番近いところでどれだけ使われたのか、その数字は重要で、ぶれてしまうと今回のように本当に需要に見合う生産量であったのか否か、疑問が生じてきます。今後も台風や地震とかが起きると、消費者はもう一袋買っておこうと考えると思います。そういう場合に家庭でもう一袋買われたとしても大丈夫な程度には、少し余裕を持った生産量を考えていただきたいと思います。
それからまた今後、備蓄米が今回のように緊急で放出される場合に、どのタイミングで、どこの数字なり、どの状況を見て、その決断をされるのかというところも今後は明確にしていただきたいと思います。
今回は、昨年の7月にスーパーでほとんど米がなくなった、棚からお米がなくなっている、あるいは一人一袋に限定して下さいというようなことがありました。でも実際に備蓄米の入札が始まったのは年が明けて、そこからまた精米をしてスーパー等に現物が届いたのは、そこからまた1か月、2か月を要していますから、こういう緊急の場合に、何に基づいて判断するかということが明確であると、今回のように一袋2,000円が倍になったという事態がもう少し薄まっていたのではないかと思います。
それから、資料の7ページの農水省のアンケート調査の回収率が18%、さらに郵送で送った調査票が宛先不明で戻ってきたのが1万8,000件あるという状況ですから、その点も正しく、回収100%はなかなか難しいでしょうが、7割以上程度はきちんと回答されるような指導や仕組みを整えていただきたいと思います。
私の方は以上です。 - 大橋部会長
よろしいですか。ありがとうございます。
続いて、二村委員お願いします。 - 二村委員
日本生協連の二村です。音声大丈夫でしょうか。 - 大橋部会長
はい、大丈夫です。 - 二村委員
それでは。発言の機会を頂き、ありがとうございます。
私からは大きく二つ、この間の対応についてと、それから今後に向けてということで意見を申し上げたいと思います。
最初に、この間の対応についてです。
今般、備蓄米を柔軟に活用いただいたということについては一定の効果があったと評価をしております。ただ、以下、これから申し上げます三つについては今後検討・検証をしていただきたいと思っております。
一つ目は政策の効果ということで、これを予断なく評価いただきたいと思います。入札による備蓄米の活用と、それから随意契約の方式、それぞれについて効果と課題の両方があると思います。関係者に幅広くアンケートを行うなどして評価をしていただきたいと思います。
それから、二つ目に、政策の決定と実行のプロセスについてはやや課題があったのではないかと思います。昨年の今時分も備蓄米が活用できないのかというお話はあったと思うのですが、その時にはこれは2年連続で不作というようなすごい状況でなければ活用できないものなのだということでの御説明があったと思います。その後、備蓄米の入札方式が始まる時には、これは流通の目詰まりを解消するのであって、いわゆる売渡しはするけれども、戻してもらうのだということで、これは運用のルールの範囲だということで御説明を頂いたと認識をしております。
その後に、今度は結局、随意契約での売渡しということになりました。備蓄米を活用して頂くということは、私たちも柔軟に活用した方が良いのではないかということはずっと申し上げてきたので、それ自体は良いことだと思うのですが、どういうルールで活用するのかということについては整理をしておく必要があると思います。備蓄米というのは公共のものだと思います。その活用が恣意的になされることはあってはならないと思いますので、今回それぞれの政策判断をした時の根拠と、それから運用上こういうふうに解釈したということについて、改めて整理をして公開をするべきだと思います。
その上で、先ほどの今回の政策の評価というものも踏まえて、今後に向けて備蓄米の位置付けと運用のルールを整備する必要があると思います。
それからもう一つ、これは政策そのものではないのですが、今般、備蓄米を活用する中で明らかになった課題が幾つかあると思います。入札備蓄米は流通までに一定の時間を要しましたし、随意契約の備蓄米も当初すごく素早く流通したということで報道などもされて、すごく期待をした向きもあったのですが、その状態というのは持続しておりません。先ほど何人かの委員からも御発言があったのですが、小売の現場からは、契約をしているけれども、なかなか納品されないということを聞いています。断片的には、入出庫だとか精米や運搬などに関わる人手の問題があるとか、米の袋の製造能力の問題があるとかいろいろ聞いているのですけれども、これは米の生産だけではなくて、流通に関わる様々なインフラにも課題があるということではないかと思います。米のサプライチェーン全体にわたってどこにどんな課題があるのかということを是非精査をしていただきたいと思います。
今後に向けてです。まず短期的なことで、今回備蓄米をたくさん使ってしまっていますので、これをどういうふうにこの後積み増していくのかということの計画は早急に明らかにしていただきたいと思います。
それから、2025年産米の見通しについて、雨が少ないとか、この暑さなどで作柄が心配されています。今後、価格高騰した場合の対策としてどのように考えておられるのかということを伺えればと思います。
それから、今回御説明いただいた中で消費のデータというのが出てきて注目をしています。家計調査を活用している点なども試みとしてはすごく大事だと思います。消費がどれぐらいなのかということのデータは意外と難しいと思います。幾つかのデータを参照しながら目的に合ったものを指標として活用していけるようになると良いかと思っています。あえて言うなら、家計調査のデータは、可能であれば月度ごとなど、もう少し細かく見て、価格との対応関係がどういうふうに現れるのかというようなことも検証できると良いのかなと思っています。
それから、飼料用米が今回大分主食用米の方に切り替わったと聞いておりまして、これはここの部会の直接の議題ではないかもしれませんが、もちろん米が増産されるということ自体が駄目ということではないのですが、飼料用米をこれまで活用してきた方も当然いらっしゃると思います。畜産事業者の方々だと思うのですが、そこにはどういう影響があるのかということについては把握はしていただきたいと思っています。
それから、中期的な課題として2点申し上げたいと思います。
一つは今飼料用米のことも触れましたが、水田というインフラをどういうふうに残して活用していくのかということは検討すべきで、一つはもちろん輸出ということもあると思うのですけれども、飼料用米というのも水田の維持という観点から改めて考えてみる必要もあるのではないかなと思いました。
それと輸出の件です。今回の示していただいたデータの中でも2024年度、輸出量がとても大きく伸びていて、消費者としては正直複雑な思いを持つところであります。輸出の強化という方針は理解しておりますけれども、国内でお米が足りないという時に、輸出分を国内に回すということはできるのかどうかというのはとても気になるところでして、その際に何か制度的な、あるいは経済的な課題というのがあるのであれば、そこについては明らかにして検討しておくべきではないかと思いました。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
続いて、山波委員お願いします。 - 山波委員
山波です。本日もよろしくお願いします。大丈夫でしょうか。聞こえておりますか。 - 大橋部会長
よろしくお願いします。 - 山波委員
ありがとうございます。
私は新潟県で米生産・販売を事業としております山波農場の代表を務めさせていただいておりますけれども、本日は米の需給見通しということで、これはまた次へ持ち越しということで、また機会を持って御議論させていただければと思いますけれども、本日は本当に農水省の皆さんや、毎回毎回本当に過密スケジュールな中、丁寧な資料を作っていただいたことには本当に感謝を申し上げますし、そしてお忙しい中、本日大臣、御出席ありがとうございます。大臣が御出席いただいているので、私、生産者という立場から2点お話しさせていただきたいと思います。
1点目、まず今回の事の騒動の発端に戻りますと、令和5年産のお米が7月、8月に大分少なくなってきたと。令和5年産のお米が少なくなってきた理由が令和5年産米が品質・収量ともに良くなかったんじゃないか。そういうことで、そこにまた地震の関係する、またニュースが飛び込んできたりして国民の皆さんに、また重なって購買意欲となって、ちょっと少なくなっていったということがあり、その後に、そこをもって、これは6年産米のお米がもしかしたら集まらないんじゃないかということで、集荷される皆さんが高値を付け始めた。高値を付け始めたことによって、生産者が収穫時期には大手集荷団体の皆さんと契約をしていたにもかかわらず、平年集荷していただく皆さんに5割、また5割に満たないような分しか集まらなかったと。それ以外のお米というのがどこかにいってしまったというところが、私が考えるには一番大きな根幹のところではないかなというふうに考えています。
そのお米がどこへいったんだということで皆さんからいろいろなところで調査・検討が始まったというふうに認識しておりますけれども、そこのところで、私前から言っているんですけれども、米を生産・販売するということが民民で行われることであるとすれば、契約なのできちんと履行されるべきところが履行されていないというのは、ここのところをスルーして良いのかなというのが私個人的な考え方です。それは、きちんと集荷する方々にも需要のあるものを、きちんと生産者に伝えているわけですので、生産者はなぜそこに出さずに、そのまま何もおとがめがなくこの状態が来たのかというのは今でも非常に疑問に思っております。
そのことが今も何事もなく来ているわけなんですけれども、そこから年末になっても、なかなか隠れていると言われたお米が出ずに年が明けて、国の方でこれはということで備蓄米という、放出ということになったわけですけれども、ここについてまた発言させていただきますが、農林水産省とずっと意見交換、議論させていただく中で、平成30年ですか、生産調整を撤廃して、これからは国は情報提供して、価格操作ということには手を付けないということを仰っていたというのが私の記憶なんですけれども、その中で自分たちできちんと需要のあるものを生産して、需給バランスを取りながら自分たちが見合う価格で売っていけるような経営体となりなさいということで私たちは御指導を受けながらやってきたつもりでした。
そういった意味からいうと、正に需給が拮抗したこのところというのは、生産者側からすると、正に目指してきたところだと私は思っていて、その目指してきたところに対して、仮に物が足りないんであれば、備蓄米を出してもらって良いんですけれども、これは大臣の発言だったかどうだったかはちょっと記憶が定かではないんですが、4,000円という価格は高いということで、下げるために備蓄米を出すということで仰っていただいたような気がするんですが、これは明らかに価格に対してメスを入れたということではないかなということ。では、私たち生産者側からすると4,000円というのは高いんだなということで、原価、そういったものとは一切関係ないところで価格は決められたというふうに認識してしまうところがありまして、今生産者の方ではなかなかこれから、今まで需給バランスを考えながら生産してきたものを国民の皆さんに、明日はお米があるかもしれないけれども、今日米がないという状況はノーということであるならば、私たちは常にだぶついた状態でお米を供給しなきゃいけないのかということで、生産者の方というのは今米価下落というのを非常に懸念しているというのが私の周りのところで議論されているところです。
私からはこの2点というところを是非とも、この食糧部会というところがある程度ベクトルというものを生産者に対して出すんであれば、きちんと議論していただいて、検討後お示しいただきたいというふうに考えております。
以上です。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、オンラインの方の御発言も以上ですので、本日欠席された長部委員から事前に御意見書を頂いていますので、事務局から代読をお願いします。 - 国枝企画課長
長部委員からでございます。
昨今の米問題に対して社会的関心が高まる中、政府各位、農林水産省皆様におかれては、生産、需給、在庫の見込みについて定例どおりの見込計算ではなく、新たな方針の下での調査や柔軟で幅広い観点での食糧部会の場を設定され、また國酒である酒類業界にも目を向けていただき、感謝を申し上げます。
一方で、流通等へのアンケート調査の回収率が低い中で、それぞれの分析値については考慮の必要もあるかと感じたことを申し添えさせていただきます。
國酒である日本酒及び一部の本格焼酎の製造には、国産の原料米は不可欠であり、昨年来の米価格の急騰は企業努力では対応困難な水準にあるとの声も多く聞いております。
このような状況下で飯米のみならず備蓄米の売渡し対象に酒類を含めて検討いただけたら業界としても大変有り難いことです。本格焼酎業界では備蓄米の使用は問題なく可能との認識ですが、日本酒業界では新米による仕込みの慣習もあり、加工用米の不足が見込まれる中、酒造りの現場としては備蓄米への一定の需要があるものと受け止めております。
備蓄米の売渡しに際して検討いただきたい事項でございます。
製造者のほとんどは全国の中小規模蔵元が多数を占めておりますので、等しく申込みが可能となるよう、十分な手続の期間の確保と事務手続の簡便性、また各県の酒造協同組合を通じた申込みも想定されるので、その観点からも公平な配分が叶うよう御配慮いただければ幸いです。
最後に、米価格の急騰により、山田錦を除く多くの酒造好適米作付が大きく減少しております。日本酒は農林水産省の輸出重点品目、またユネスコ無形文化遺産登録された日本の伝統的食文化の重要な品目にも位置付けられていますのでその原材料の米の安定的な確保として、来年以降の作付に向けては離れた農家が戻ってもらえる持続可能な米作りに適切なご支援、措置の導入を検討いただきたく存じます。
また広く日本の食文化の原料となっている加工用米への助成金額もご検討いただき、コメ価格の安定化が早期に図られることをお願いして私の意見とさせていただきます。
以上でございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
私も委員なので、すみません、一言だけ述べさせていただきます。
この部会はおおむね年4回ぐらい会合の中で、特に米について丁寧に需給の見通しと実績及びその民間在庫の推移を追いながら、食糧法の目的である主要食糧の需給と価格の安定を図るということで議論してきました。この会議の開催の尺と今回の米価格の高騰がうまく議論の尺に合わなくて、そういう意味でいうと今回、この高騰に対して大臣のリーダーシップ及び事務局、大変な御尽力で、まだ終わっていないとは思いますけれども、一定の方向性を見せていただいたというのは、大変すばらしいと思い、大変頭が下がる思いでおります。
委員の皆様方からもありましたが、今後検証するということで、これは短期の検証としては更に数字等を精査していただくということが重要というのはもちろんのことだと思います。
他方で、大臣からも頂きましたが、中長期の検証というのは、これもしっかりやっていただくことが重要なのかなというふうに思っています。需要に応じた生産ということで取り組んできたわけですが、この考え方は実は価格の決定に若干擦り寄った考え方なのかなという気がしています。
他方で、安定供給という観点で言うと、農地の在り方であるとか、あるいは経営、相当多様化した経営体である経営の経営体としての在り方ということも実は見ていかないと、価格というのは結局そこにつながっていくものですから、そういう意味でいうと、もう少し広く俯瞰的に議論が本来はされるべきなのかと思います。現状だと各局に分かれてそれぞれ議論しているという感じだと思いますが、つなげていくことが重要だと思いますし、またDXの活用のお話もありましたけれども、そうしたことで生産現場だけではなくて、多分流通の在り方というのもしっかり見ていかないといけない、見える化をしていくような方向性に持っていかないといけないと思います。
政府統計に我々専ら頼りがちですけれども、なかなか年間、早くて四半期ぐらい。これはまた速報版だ、確定版だとかいろいろあって、結局半年から1年以上待たないと確定しないみたいなことがある中で、もう少しデジタル的なことを考えてみると、今日大臣冒頭でお話しされていましたPOSデータを使っていくとか、もう少しいろいろなデータのソースというのは実はあるはずで、網羅性には欠けるかもしれませんが、ただ他方でシグナルを得るという意味ではいろいろな入口というのは本来あるのかなと思いますので、そうしたことも中長期的な観点の一つとして検討していただきたい。
それから政策の中身ですが、実は政策の仕組についても検討する余地があるのではないか。これは政策立案のシステムとしての検証だと思いますけれども、この部会では実のところ、基本指針の需要、需給量とか在庫量とか、その数字がどうかという話が結局問われていて、行政として、我々、だけどこの数字は結局良いとは言っているんですが、ただ、いろいろな留保付け、条件付きで良いと言っていて、そこにいろいろな御意見を実は頂いていたところがあります。
この意見が実はこの部会で、その場でいろいろ返してはいただきますが、政策にどう反映されたかという観点での返答というのは多分なかった。ある意味ブラックホールに吸い込まれたような形になっていて、なかなか政策立案の過程の中で我々の意見がどう生かされてきたのかというのは、実は余り見た記憶がないのかなと思っています。
いろいろなステークホルダーがいる中での部会の位置付けだとは思ってはいますけれども、そうした我々の意見が政策に反映される、あるいはされなくても良いんですけれども、何かしっかり年間、あるいは四半期のタームの中でやり取りができるような形になれば、もう少し議論の積み上げができるようになってくるんだというふうに思いますので、こうした点での検証も是非御検討いただければなというふうな思いでいます。
すみません、長々失礼いたしました。
以上、各委員から頂いた御意見になります。大変恐縮ですけれども、もし小泉大臣の方から御発言等いただけるようであれば幸いです。 - 小泉農林水産大臣
ありがとうございます。大変お忙しい中、お一人お一人から大変貴重な御意見を頂きました。
まず冒頭に申し上げたいのは、私、5月21日に就任をして、2か月ちょうどたったぐらいであります。この間、就任した初日に随契を決めて、そしてそれから矢継ぎ早に、今までに前例のないような判断、決断を繰り返してきた中で、皆さんの中で一部御指摘のあったような、今後検証が必要なこともあると思います。それは全て私の責任です。大臣として、これは平時ではなくて有事だと。こういった判断の中で、時にこの随契の判断も、公平性に対する御指摘はメディアも含めてありました。しかし、私ははっきり言いましたけれども、求めているのはスピードだと。この有事の対応というのは全方位に気を遣ったらできません。一定の強烈な判断をしなければ対応できないというのが有事の対応ですので、その判断の中で様々な御指摘があるとしたら、今後の部会でも忌憚のない検証をしていただいて、その上での功罪含めて御指摘を頂くことだと思います。私からすれば、それを覚悟でやっています。
そして、有事の対応の中で、私が大臣に就任した初日からトップスピードで農水省の職員は本当によくやってくれていると思います。それは、まだ闘いは終わっていません。今でも日々私は毎日米チームと会っています。その中での、様々な進めている中で今までとは違うスピード感でやっていますので、部会の開催のタイミングと皆さんが意見を言いたいタイミングが合わないことは、そのとおりだと思います。ただ、私も今回出させていただいて、政策に生かせるような本当に貴重な御提言、御意見もあるので、また今後も是非このような機会を頂きたいなと思います。
それと、今回は特に部会の皆さんに諮るべき需給の見通し、これは諮らずということにさせていただいた思いは、我々今検証作業をしているところで、この米価高騰がなぜ起こってしまったのかということが突き止められていないのに、相も変わらず需給見通しを我々が出すという、そんな不遜なことはできないだろうと。特に自戒を込めて申し上げますと、私が大臣になる前ですけれども、新米が出てくれば大丈夫だと言ってきたんですよね、去年は。大丈夫じゃなかったわけじゃないですか。こういったことも含めて、我々やってきたことが全て正しいとは思いません。そして、見直すべきや見直さなきゃいけないことがいっぱいあると思います。こういったことを、まず今検証の詰めの作業をやっていまして、この検証をせよというのは石破総理から指示が出ていて、最終的には石破総理が議長の米に対する関係閣僚会議で我々農水省が検証結果を報告すると、こういったことになっていて、今その最終段階にありますので、これを踏まえて需給をどういうふうに見通すのか、これが順番だと思っています。
こういったことについても、また皆さんとも議論させていただきたいと思いますが、今回そこの需給の見通しという本丸部分も今回はあえて諮らずという思いは、そういった状況の中での判断だということは御理解を頂きたいと思います。
そして、様々な御指摘がありました。備蓄米、実際に届くのが遅いじゃないか。入札前の課題、そして随契前の課題、それぞれあると思います。ただ、私も今回このような立場で見ていて思うことは、これもしも本当の国家の存立が危ぶまれるような有事、安全保障上の局面、こういった時に初めて備蓄米を出すということではなくてよかったと率直に思っています。なぜかというと、こんなにも時間が掛かる、そしてこんなにも備蓄米の流通の課題が多い。これが本当の有事の時の初体験だとしたら、目も当てられないことになっていたんじゃないかと。国民の皆さんの本当に飢えかねない、そういった状況の中でのことではなくてよかったと。この状況も私はある意味有事だと思いますけれども、今回の課題を次に必ず生かさなきゃいけないと思っています。
本来であれば、私の頭の中では大分コロナのワクチンのオペレーションと似たような頭でやっていましたから、どこに目詰まりがあるか、どこが課題か、どこまで届いているか、常に見ていました。物すごく歯がゆかったのは、澁谷さんのお店だったら備蓄米、玄米のまま持っていっても精米していただけるかもしれませんが、世の中の大半はそんなわけにはいきません。では国が精米施設を国有で持っていますかといったら、持っていません。もしも、本当に最速のスピードでと考えたら、全部のサプライチェーンを全部国ができるということが確立できていればですよ。それは別にやるということじゃなくて、仮にという話で言えば。それがない中でいかに早く届けるか。その中で随契は全部飛ばして、もう小売にいきなりいくぞという形で試みをしてやりました。その中で、またその課題もあるでしょう。ただ、今回の緊急事態という中での判断だったということは御理解を頂きたいと思いますし、今後よく様々な観点から検証いただければと思います。
その過程の中で生まれたような今までの政策との一定のそごだとか、整合性だとか、こういったことは指摘をされることは全部のみ込んだ上でやっていますので、その責任は私に帰すということで、農水省、よくその下で頑張ったということは大臣としては言っておきたいというふうに思います。
その過程の中でいろいろな見直しが既にありました。例えば一つは作況指数。これもどなたかからありましたけれども、これ一部誤解があるんですが、統計みたいな専門分野、大臣の一存で廃止とかしません。私も驚いたんですけれども、これは統計部が作況指数の廃止を私に提言してきたんです。普通役所としてはあまりない、思い切った判断だと思います。そういった中で私として最終的に了としました。この思いというのは、結局、収穫量調査、そしてその収穫量調査に基づいて、過去30年間の平年のものに直して、その作柄を出しているのが作況指数だったわけです。それは、需給の見通しに本来は使っていただくものは、作況指数ではなくて収穫量調査であるべきなんです。それは収穫量調査は前年との比較ですから。しかし、長年これを使っている中で30年の過去の比較の中の作況指数というのは数字も分かりやすいので、ある意味100とか101とか99とか。いつの間にか、これは今日藤尾さんもいらっしゃいますが、卸の皆さんも含め、流通の中でも需給の見通しに作況指数を使うということは本来違うだろうと。ただ、現場の感覚も作況指数ほど本当は生産量ないよと。ふるい目も違うよと。こういった形の中のずれを統計の部局も感じてはいたんです。ですから、この機会に正さなければいけないという最終的な判断だったと私は聞いておりますが、その判断を私は尊重しました。
今後、人工知能、そして気象データ、また特に大規模農家さん、平田さんとかもそうだと思いますし、山波さんもそうかもしれませんが、収量コンバインを使っている方からは、生産者のデータを上げていただいて、今までの8,000筆を実際に標本調査やるという過度に標本調査に依存した体系から、最新の技術を活用するとともに、生産者の皆さんのデータをより活用する。ふるい目も1.7を今まで使っていましたが、そうではなく、生産者の皆さんが一般的に使っておられるふるい目に我々の場合も統一をしていく。こういった形で切り替えていく判断を統計部の方からも上がってきましたので、決してその時の一大臣が属人的判断で統計を揺るがすようなことは全くありません。是非こういったことも御理解を頂きたいと思います。
そして、生産者のお立場の方も今日は大勢いらっしゃいます。私としても大変心苦しく思いながら、この米価高騰を抑えなければいけないという立場は、本来であれば4,000円だろうと、5,000円だろうと、6,000円であろうと、極端な話、5キロで1万円だろうと、それが日本の経済力が高く、消費者としては全く気にせず安心してお米を買える経済力の強い環境だったら、それは一番良いんです。世の中も、米の業界、農業の業界以外を見れば、ようやく賃上げが進んできて、中小企業の様々な価格の転嫁もようやく回り始めた時に、この農業の世界も、米の世界も、そのサイクルに乗らなければいけない。これは間違いありません。ただ、日銀も物価高騰の要因の一つに、過去にない、初めて「コメ」というのを特出しで書いたように、米価だけほかのものと違って2倍、そして地域によっては2.5倍、この1年で上がっているというのは、あまりにも急に上がり過ぎているんです。これをある意味、例えば急に上がっているものが米のハイパーインフレに近いような状況だとすると、これをとことん下げにいっているのではなく、マイルドな状況の、段階的に上がっていく、そういった手取りがしっかりとそれを上回るような、こういったところにならしていかなきゃいけない。これが備蓄米を放出している思いです。ようやくそれが3,500円台の平均に乗ってきました。そして、また世の中、米の生産者の皆さんからは、これじゃやっていけないよという思いはありますが、そもそも新米と、備蓄米は古いものですから、同じ価値ではないのは皆さんお分かりのとおりです。ずっと2,000円が続くというのはそもそも考えていません。ようやく米の農家さんの現状なども世の中にも響き始めて、これから正に先ほどお話のありました、菅原さんも言っていましたけれども、生産者と消費者が双方が喜び合える、そして理解が深まる、そういった軟着陸に向けて私は歩みを進めることができる段階に入ってきたのではないかなというふうに思います。
一方で最近ものすごく心配をしているのは、小林さん、新潟ですか。 - 小林委員
はい、新潟です。 - 小泉農林水産大臣
新潟ですよね。水不足も含めて、昨日は東北の宮城で大崎のダムが貯水率がゼロ%ということなど、またカメムシ、こういったことについても、天候のリスクは今まで以上に高いだろうというふうにも思っていますので、去年と比べて56万トンは出るという見通しは立てつつも、これも最後まで注視しなければ、一方で稲垣さんが仰ったような、これ需給、相当緩むんじゃないかという、その不安も一部あるかもしれませんが、私はまだどちらの予断も持ってはならない段階だなというふうに思っているので、いずれにしても、今後増産という方向は、全員一律増産ですということではなく、増産という意欲を持たれている方が安心して増産ができる環境整備をしなければいけないという思いです。その中の一つには間違いなく、今の政治スケジュールの中で、これ中長期の議論になりますけれども、令和9年度に水田政策、大きく転換しますから、このことに向けてセーフティネットをどうするか。この収入保険の在り方、それと例えば今様々各党からも話出ていますし、環境支払いだとか中山間地、そして今までの直接支払いあります。こういった多面的支払いです。このことも含めて、安心の基盤をどうやって再構築ができるか。それで、その安心の基盤ができるから安心して増産に取り組める、こういった方向に、今来年度の予算要求作業を農水省としてもやっていますが、その方向性で作り上げていく予定です。
そして、私の頭の中にあるのは、毎年6万人が米農家さん減り続けるんです。これから2030年に向けて30万人減るんです。先ほど平田さんが現場の生産力の弱体化、これに触れられましたが、全く私の思いと同じで、これ増産をして下さいとか、増産できますよといったところで、大離農時代みたいな、黙っていても減る方向は明確です。その時でも消費者の皆さんに安心して安定的にお米を出していく。そのことを考えたら、やはり生産基盤の在り方は変わらなければいけません。大規模化、集約化、こういったことのためには農地バンク、中間管理機構の、これは機能強化は間違いなく必要だと思っています。これをやります。そして、地域計画をそれぞれ全国で作っていただいておりますけれども、全国平均で見れば、約3割が耕作者は不在です。地域によっては何と約5割という所あります。ですから、先ほど輸出の話もありましたけれども、耕作者不在をどういうふうに地域にも理解していただいて、よく外から入ってくる人は余り歓迎できないという地域的ないろいろな過去との、あり得るとも思いますけれども、本当にそれで放っておいたら誰もいないんですよと。それでも新たなプレーヤーの参入をそこに認めないんですかということを含めて、これから本当にこの在り方を考えていかなければいけない局面が来ていると思います。そして、この前私は乾田直播の現場、それと節水型乾田直播の現場も見ましたけれども、人手をかけなくてもできる新たな選択肢も農水省としてしっかり後押しする必要があると思っています。
水田も守ります。一方で、米作りの、水田だけではない乾田直播や節水型乾田直播も含めて、より労力をかけず、コストも安く、そして中山間地なども条件不利の中でも、もともと人も余りいない。そういった所でもやりやすいような、こういったことだって後押しする必要があると思っていますので、こういった新たなことの後押しも含めた政策を全面的に強化、また転換をしていく。人が少なくてもしっかりと生産力を守っていって、耕作放棄地を拡大することを食い止める。こういったことをやっていくということが今省内で進めている議論の方向性です。
本当はメディアが中にいなければ、もっと突っ込んで話はするんですけれども、今日はいないのかなと思ったら、後ろを見たらほとんどの農政クラブの皆さんはいらっしゃるので、これぐらいにとどめますけれども、大きな方向性としてはその方向性で考えています。
先ほど山﨑さん、輸出にすごい取り組まれていて、この局面で輸出どうするんだということや、二村さんからも国内が足りない時に輸出というのはどうなんだという話もありましたが、これは今年とか去年とかを見れば、国内足りないんだから国内に出してくれよという思いは分かります。一方で、中長期を考えたら、絶対に日本の中だけで考えていては回りませんので、将来のマーケット、大きく広がっていく世界のマーケットを取ると。こういったところと増産はセットですから、ある意味輸出というのは第2の備蓄みたいなものです。この第2の備蓄としての輸出というものは御理解を頂きたいし、山﨑さんのように今まで歯を食いしばってマーケットの世界で開拓をしてきた方がこのことでくじけないように後押しをし続けますし、そしてトランプ関税によって国内でやられている方はMA米の枠内ですから、よく守り切ってくれたということがあると思いますし、そう思っていただきたいです。一方で、15%ですから、例えば山﨑さんがアメリカに出すという時に、今まで以上のコストが掛かってくると。こういったことを乗り越えてもなおやるんだというふうに思っていただけるような政府全体の後押しは不可欠だというふうに捉えていますので、ここは現場の声を聞きながらしっかり進めていければと思います。
私の立場からすれば、まだまだ予断を許さない局面は続きますが、そう遠くないタイミングで、総理出席の閣僚会合が開催をされ、そこに我々として米価高騰の検証結果を我々として提出をして、そのことをもって新たな農政の方向性に向かっていくという、こういったある意味一つの歴史的な転換点を迎えていると思いますので、引き続き部会の皆様にはその中で感じること、御指摘の点、いろいろと率直にこれからもお伺いをしながら、正に生産者、消費者双方が理解をし合える、そして敬意を持ち合える、そんな農政に向けて新たな歩みを引き続き進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
全部答え切れたか分かりませんけれども、どうぞまた裁いていただければと思います。 - 大橋部会長
大臣、ありがとうございました。
大臣若干お時間を頂けるということですので、今の大臣の御発言を踏まえて、再度、委員の方々から御発言があれば是非頂ければと思います。若干お時間過ぎてしまって恐縮ですけれども、ちょっとお時間を頂いて、ある方は是非挙手なりいただければと思いますが、いかがでしょうか。
それでは、山﨑さんお願いします。 - 山﨑委員
大臣の今心強いお言葉を胸に、輸出を食いしばってきた中で今後も支援いただけるとのことで、すごく心強く思っております。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。遠慮されずにと言って全員挙げると困っちゃいますけれども、遠慮されず。 - 藤尾委員
すみません、ありがとうございます。本当に今大臣から貴重な意見を頂きまして、その中で私気になっておりますのは乾田直播の件なんですけれども、生産者の皆さんもなかなか乾田直播がうまいこといくのかということで、本当に合理的にやりながら、コストを下げながらしっかり収益を生んでいく。これが理想だというふうに思います。また、面積の拡大も理想だと思いますけれども、そこにおきまして、乾田直播のところなんですけれども、まだまだ不安が多いと思いますので、是非きっちりと大臣のところで検証していただいて、簡単にという言葉が良いのかどうか分かりませんけれども、本当に簡単に切り替えられるんだというようなふうにシステムか何かで持っていってほしいなというふうに思っております。 - 小泉農林水産大臣
ありがとうございます。再現性をどうやって担保するかというところが技術普及の課題だとは捉えているので、乾田直播もそうですし、節水型の方もそうですし、ただ一方で最近心強いなという動きは、もう全国47都道府県でやられています。そして、相当なコミュニティになってきているというのはあります。さらに、生産者だけで盛り上がったりとかではなくて、サプライチェーン全体が今巻き込まれてきていて、例えばこの前聞きましたけれども、味の素さんとかゼンショーさんとか、そういったところが現場とつながって、もう環境配慮型のお米をお店としては出したいと。なぜかといえば、もう大手の方からすれば、日清製粉さんもそうかもしれませんが、いかにスコープ3の対応をやるかという時に、例えばうちのチェーン店で、お店で提供している牛丼のお米は乾田直播ですとか、節水型乾田直播で作られていて、これは環境にとってもより良いですとか、こういったところについて、そういう米が欲しいんだという実需者側が一定出てきたなという感じがします。
そういったところでちゃんと出口があれば、ああ、そうか、この技術、一定のリスクは最初はあるかもしれないけれども、取り組んだ後はちゃんと出口があるんだなということになっていくと、農家としてもそのリスクを乗り越えてでもやろうということになってくると思いますし、我々としても、もしかしたら今まで日本はある意味水田一本足打法なので、この部分で強かったと思いますし、本当に大丈夫かなというケースや、あと地域として1年目うまくいかなかったことを見ていると、もうそれだけで頭の中がこれ駄目だというふうに凝り固まってしまって、大分改善されたりしても、なかなかそれが更新されなくて、もうこれイコール駄目みたいな、こういうイメージがずっと貼り付く。全然そこのイメージが改善されないというところを乗り越えていかなければいけないと思っていますし、今の水不足の状況を見ていても、本当にお天道様次第という状況から、例えば少しでも水に頼らないでもできるような、正に節水型とか含めて、いろいろな幅を持っていなきゃいけないと思うんです。なので、農水省としては政策的な幅。先ほど宮島さんが言われたとおりで、今までは需給に対して相当タイトな運営をやってきて、ちょっとでも需給が振れたら、どーんというふうに世の中が混乱になってしまうという政策の構えを、これからバッファーを作って、一定の需給の変動があっても対応できる政策体系に変えていくということをやらなければいけないと思っています。それは正に水田の現場、お米作りの現場でも、水田がこれからも日本のメインであり続けることは私は変わらないと思います。だけれども、水田、そして乾田直播、節水型乾田直播など、新しい形で様々な、その地域に合って作るというものの確立をしていくことが、結果として需給の安定にもつながるというふうに思っていますので、そんな御理解を、全部塗り替えるなんて思っていませんから、是非御理解を頂ければと思います。 - 藤尾委員
ありがとうございます。 - 大橋部会長
ありがとうございます。
ほかはいかがでしょうか。お願いします。 - 山田委員
まずは大臣に、これだけ具体的にいろいろなお話を承りまして、本当にありがとうございました。
私は先ほど申し上げたように、今本当に米政策については抜本的な見直しが必要なタイミングに来ているんだろうと理解をしていますし、先ほど申し上げたように中長期的な中で生産性の向上だとか、そういうことをしっかり図るべきだと。
今大臣から様々なお話を聞いた中で、本当に今しっかり取り組まれているのだなというのをすごく聞いて、実は安心をしたと思った次第なんです。ただ、さっき宮島さんも仰られていましたが、そういうことが本当に国民に伝わっているのかというと、正直言って、そこまでなかなか伝わっていないのではないかなというのが私の実感であります。例えば、先ほど出た作況指数一つ取っても、あれも食糧部会でいろいろ御説明していただいたのですが、実は私も作況指数の本当の本質的な意味合いはよく分かっていなかったなというのは正直なところで、それが一般の国民の皆さんに、本当に分かったのかどうかとか、もうちょっとその辺のところ、今日はマスコミの方もいらっしゃるのですが、工夫をして理解を求めるような、そういうインフォメーションの仕方というのがこれからとても重要になるのではないかなと、今日感じました。 - 小泉農林水産大臣
山田さんの仰ること、私は全く、本当に悩んでいる一つで、これだけ国民の皆さんが関心持っていただける米なんですけれども、政策としては物すごい複雑なんです。この世界の一般的に使われている言葉自体が一般的には全く通用しない言葉や考え方が多くて、昨日も記者会見で言ったんですけれども、最近、地域で概算金が幾らだという話がどんどん出ます。だけど、概算金というもの自体だって一般的には何のことかさっぱり分からないという方がほとんどだと思いますし、そもそも概算金の発表は、これは60キロで出しているんです。だけど、我々正に5キロで話す時というのは全く額が違うので、では一般国民の方からすると、どこどこJAで概算金が2万幾らです、またJAの阿蘇では3万円ですみたいなことが出た時に、多分分からないと思うんです、どう取って良いのかが。では、それは5キロ換算で幾らなのと。5キロ換算で農家の方に幾らが支払われているのが概算金何万という世界なのということに、私は発信の仕方もしていかなければいけないと思っています。そうなっていくと、ああ、そうかと。この概算金がこの額だと農家の方に支払われるのは5キロ当たり幾らで、店頭でこれが幾らになっているとなると、藤尾さんはいろいろ御指摘あるかもしれませんけれども、この流通の中でどれぐらい乗っかっているかということも含めて国民的な理解、農家の方も、俺たち今回、そんな2倍、2.5倍手取り上がっていないよというのが物すごい思われていることじゃないですか。そこについても、これだけお米の問題に関心を持っていただいた機会に、言葉から含めて、そして基本的な政策の基盤となっているような様々な政策の基本的なことも含めて、我々も発信の時に、よりコミュニケーション上注意をしないと、全然伝わらないところがあるなと。なので、作況指数についても相当まだ理解が進んでいるとは言い難い。収穫量調査と作況指数と別々なものだと思い込んでいる方、相当いると思います。
気候変動の話が小林さんからもありましたとおり、作況指数は過去30年との比較で、それを平年化するみたいな形なので、到底今の気候変動とかを加味すると参考にならないんです。だから、統計部はこれは廃止だということになったということも含めて、皆さんにもお願いをしたいのは、どうかそういった米の世界や農業の世界の一般国民の皆さんへの説明をどういうふうにしていくと伝わりやすいのかということについての農水省の政策広報の課題などは、今後も部会などでも引き続き御指摘を頂きたいと、改善には努力をしますけれども、お願いしたいと思います。ありがとうございます。 - 大橋部会長
大臣、ありがとうございました。
そろそろ、お時間も相当延びてしまっているところなので、特段急を要しなければ、ここで御議論の方は終了とさせて頂ければと思います。大臣には大変丁寧に御説明いただきました。本当に私からも感謝を申し上げます。
部会としてですけれども、本日は農林水産大臣から諮問のあった米穀の需給及び価格の安定に関する基本指針の策定について議決を採るということとなっております。こちらの方、いろいろ今後に向けての御意見ありましたけれども、今回はこの形で諮問させていただきたいということで、こちらの方決議をさせていただきたいと思いますが、適当と認めてもよろしゅうございますでしょうか。
(異議なし)
- 大橋部会長
ありがとうございます。
それでは、異議がないということで、今後、農林水産大臣への答申につきましては書面にて行うということとなっておりますので、この文面については御一任願いたいんですけれども、よろしゅうございますか。
(異議なし)
- 大橋部会長
ありがとうございます。それでは、このように進めさせていただきます。
事務局から何かあれば頂ければと思いますが、よろしゅうございますか。
それでは、議事についてはこれにて終了ということで、進行をお返しいたします。活発な御議論をありがとうございました。 - 国枝企画課長
部会長、ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、本日の食糧部会を終了いたします。
長時間にわたり、ありがとうございました。
午後0時21分 閉会
お問合せ先
農産局農産政策部企画課
代表:03-3502-8111(内線4971)
ダイヤルイン:03-6738-8961