令和7年度 第1回 経営所得安定対策小委員会 議事録(令和7年12⽉19⽇開催)
開会
午後1時30分 開会
- 志野経営安定対策室課長補佐
それでは、予定の時刻がまいりましたので、ただいまから食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策小委員会を開会させていただきます。
委員の皆様におかれましては、お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
司会を務めさせていただきます農産局穀物課経営安定対策室の志野と申します。本日はよろしくお願いいたします。
それでは、開催に当たりまして、農産政策部長の山口から御挨拶させていただきます。
挨拶
- 山口農産政策部長
皆様、こんにちは。農産政策部長の山口でございます。
本日は、御多用のところ食料・農業・農村政策審議会食糧部会経営所得安定対策少委員会のために御参集いただきまして、大変ありがとうございます。
本日、皆様に御審議いただく議題といたしましては、畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策における数量単価の改定の件でございます。ゲタ対策と申しますのは、平成19年に制度が導入されておりますけれども、3年ごとに単価の改定をしているというのがこれまでの流れでございます。今回は令和8年産以降に適用される数量単価の改定に関するものについて御審議を頂きます。
交付単価につきましては、法律に基づいて算定をするわけですけれども、算定方法、我々は内規というか内部で決めておるわけですけれども、その法律の範囲内で、足元のインフレの動向の反映を今回すべきではないかということで、令和6年産、通常直近、統計が出ている年までの数字を取っているんですけれども、今年に関しては、より近い年である令和7年産について、数値を推計で出して算定に用いるといったような見直しを行っているところでございます。結果、単価が下がる品目もあれば、上がる品目もございますけれども、詳細についてはこの後、担当から御説明をさせていただきたいと思っております。
また、本日の直接の議題ではございませんけれども、ゲタ対象品目、麦や大豆といったものの現状と課題、それから生産面、流通面、消費面の対応につきまして、先日閣議決定しました補正予算、国会の方でも先日御了解を頂いたものでございますけれども、こちらについても参考資料としておりますので、後ほどこれも併せて説明をさせていただきたいと思います。
本日、小委員会において御意見いただいたものについては、今後開催される食糧部会の方に、平澤座長より御報告を頂く予定となっております。各委員の皆様方から御忌憚のない御意見を賜れればというふうに考えてございますので、是非よろしくお願いいたします。私の挨拶とさせていただきます。
- 志野経営安定対策室課長補佐
ありがとうございました。
それでは、本小委員会の委員の皆様方を御紹介させていただきます。
まずは、本小委員会の座長として御指名いただいております平澤明彦委員でございます。 - 平澤座長
こんにちは。座長を申し付かった平澤でございます。
皆さん御承知のとおり、昨年、基本法が改正されまして、今回大事だったのは食料安全保障が基本理念の第一になったことと、その規定の中で平時からの生産基盤の維持が重要であるということがはっきり書かれたわけであります。正にゲタとナラシはそこを支える非常に重要な制度ということになります。私、ふだんは欧米の直接支払などの農業政策を研究しておりまして、その関係でこちらの委員会に呼んでいただいております。そうした観点からすると、ゲタとナラシというのはなかなかよくできた制度でありまして、例えば国内外の生産費の格差をきちんと補正していくという、こういうタイプの制度というのは必ずしも一般的ではなくて、アメリカでは基本的に収入や価格の変動部分だけを埋めていくんですね。一方で、ヨーロッパはよく「安定した直接支払があっていい」などという言い方がされますけれども、実はこれは生産費が変動しても全然そこの補塡をしてくれないので、去年辺りは「生産費が上がったのでどうにかしてほしい」といって、農家がEU全体でものすごいデモをやると、そんなことになっているわけであります。
一応日本の制度は両方ちゃんと見てくれるということで、大変いいんじゃないかなと思っているわけです。そうした中で、正に皆さん御承知のように、今、生産費の上昇ということで畑作の経営が大分圧迫されていますので、その生産費の上昇をきちんと反映していくということで、本日は大変重要な手続ということになります。ですから、委員の皆様におかれましては、どうぞ活発な審議をお願いいたしたいと思います。
私からは以上であります。 - 志野経営安定対策室課長補佐
平澤座長、ありがとうございました。
続きまして、委員名簿に従いまして各委員の御紹介をさせていただきます。その際、私の方からお名前を読み上げさせていただきますので、皆様の方から一言ずつ頂ければと思います。
それでは、まず臨時委員から御紹介いたします。
本日ウェブで参加いただいておりますが、有限会社樫山農園代表取締役、日本農業法人協会理事の樫山直樹委員でございます。 - 樫山委員
樫山と申します。 - 志野経営安定対策室課長補佐
続きまして、有限会社アグリ山﨑国際事業部長の山﨑美穂委員でございます。 - 山﨑委員
山﨑です。
お米は毎日のように報道されていますが、麦・大豆などの畑作物も大切な農産物です。今日はよろしくお願いいたします。 - 志野経営安定対策室課長補佐
ありがとうございます。
次に、専門委員を御紹介いたします。
相模屋食料株式会社代表取締役社長の鳥越淳司委員でございます。 - 鳥越委員
相模屋食料の鳥越でございます。
私どもお豆腐を作っておりまして、大豆につきましては私たちは本当に基幹というか命になっております。全体的には今、年間6万3,000トンの大豆を使っておりまして、そのうちの約3分の1、1万8,000トンの国産大豆を使用しております。今回の部分を含めて大豆が活性化できるように頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 - 志野経営安定対策室課長補佐
ありがとうございます。
続きまして、上州百姓「米達磨」代表の山口あきら委員でございます。 - 山口委員
群馬から参りました、上州百姓「米達磨」の農園女将の山口あきらと申します。よろしくお願いいたします。
我々は新規就農で移住をして、異業種から農業に参入をして、私は10年目で夫は14年目になります。お米と麦と大豆を有機栽培する農園を営んでおります。ちょうど大豆の収穫が終わってほっとしたところの会議で、タイミングが良くてよかったです。ありがとうございます。 - 志野経営安定対策室課長補佐
以上、本日は5名で御審議をお願いいたします。
なお、本日御都合により御欠席となりましたが、北海道農業協同組合中央会副会長理事 上士幌町農業協同組合会長理事の小椋茂敏様、それから株式会社セブン-イレブン・ジャパン執行役員商品本部地区MD統括部長の羽石奈緒様、続いて株式会社若狭の恵 代表取締役の前野恭慶様、そして琉球大学農学部亜熱帯地域農学科准教授の山本淳子様の4名が、専門委員として御就任いただいております。
また、本日の会議につきましては公開とさせていただきます。
議事録につきましては、会議終了後に整理し、委員の皆様にも御確認いただいた後に公開させていただきますので、よろしく御了承のほどお願いいたします。
続きまして配布資料の確認等に移らせていただきます。
まず、本日の会議なんですけれども、対面とオンラインを併用する、いわゆるハイブリッド開催という形でさせていただいております。会場で御出席の皆様におかれましては、御発言いただく際には挙手を頂きましたら、係の者がマイクをお持ちいたします。また、オンラインで参加いただいている樫山委員におかれましては、常にこちらの音声が聞こえる状態にしておいていただきまして、御発言の際にはマイクをオンの状態にして御発言いただければと思います。また、御発言が終わりましたら、再度オフの状態に戻していただくという形でお願いいたします。
また、動作の不具合等発生した際には、事務方に何かしらの形で合図を、挙手ボタン等ですね、していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議事に入ります前に配付資料の確認をさせていただきます。皆様のお手元に、上から順になんですけれども、まず座席表、それから資料一覧、議事次第、委員名簿、それから経営所得安定対策小委員会の設置についてという縦紙です、こちらをお配りしております。
続きまして、その下に説明資料として2種類、一つは、どちらも横のスライド資料になりますけれども、畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の数量単価の改定についてと題したもの、それからゲタ対象品目の現状と課題についてと題した参考資料、こちら右肩に資料、それから参考資料とそれぞれ付しているものです。こちらをお配りしております。
資料の不足など、もしございましたらお申出いただければと思いますが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、この後の議事進行につきましては、平澤座長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
議事
- 平澤座長
それでは、ここからは私が議事進行させていただきます。本日、時間も限られておりますので、委員の皆さんと事務局におかれましては、円滑な議事の進行に御協力をお願いいたしたいと思います。
それでは、先ほど確認いたしました、こちらの資料について事務局から御説明をお願いいたします。
(1)畑作物の直接支払交付金(ゲタ対策)の数量単価の改定について
- 山田経営安定対策室長
経営安定対策室長の山田でございます。改めましてよろしくお願いいたします。
まず、私の方から畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策の数量単価の改定につきまして、資料に基づきまして御説明させていただければと思います。
ページをおめくりいただきまして、1ページを御覧ください。
ゲタ対策の概要でございます。我が国は小麦、大豆などの畑作物に関しまして輸入依存度が高く、食料安全保障の面からこれらの生産の増大というのを図っていくことが不可決と考えております。このため、この資料で御説明させていただきます畑作物の直接支払交付金、いわゆるゲタ対策では、法律に基づきまして、諸外国との生産状況の格差により不利がある農産物、麦、大豆、てん菜などを対象に標準的な生産費と標準的な販売価格との差額を交付することとしております。この単価は、先ほど部長の山口からの説明にありましたとおり、これまで原則3年ごとに改定してきておりました。
このページの下の方、算定式を御覧ください。この単価の算定式でございますが、10アール当たり生産費(直近3年平均)を平均単収(直近7中5平均)で割りまして、これで標準的な生産費を求め、直近5中3平均で求めた販売価格を引いたものが交付単価となります。
この直近というのは、データの確定値が出ている令和6年以前の数字で算定するというのがこれまでのやり方であればそうなるというふうな考え方であります。
このページの中頃を御覧いただければと思いますが、交付対象者は規模要件はございませんが、認定農業者などの担い手を対象としております。対象農産物は麦、大豆、てん菜、でん粉原料用ばいれしょ、そば、なたね。麦には小麦、二条大麦、六条大麦、はだか麦を含めております。支払方法については、数量払いを基本としまして、先払いで面積払いの部分を支払うという仕組みになっております。
2ページを御覧いただければと思います。
今回改定するに当たりまして、現行制度の課題について触れさせていただければと思います。
先ほどの挨拶の中にもありましたとおり、足元のインフレ状況というのを踏まえれば、令和7年産というのは生産費の上昇が引き続き見込まれているところでありますが、一方で販売価格というのは国際的な価格動向の影響を受けますので、実は必ずしも上昇しない。むしろ小麦では足元の状況を見ると下落基調にあるということで、7年産だけを見ると生産費と販売価格の差は拡大する見込みとなっております。先ほど御説明したこれまでのやり方だと、こうした部分が反映できない、こういった足元の生産費の動向というのをどう踏まえるかというのが課題となっております。
今のが全ての品目に共通する課題でありまして、次のページ、3ページ目が品目別の課題であります。
てん菜及でん粉原料用ばれいしょのゲタの単価の改定に関してですけれども、それぞれのゲタ単価の算定においては、糖度及びでん粉含有率の基準値を定めた上で単価を算出しているというものでございます。てん菜につきましては、令和5年の異常高温によって糖度が過去最低を記録しておりまして、また、でん粉原料用ばれいしょにつきましては、シストセンチュウ抵抗性品種、シストセンチュウというのが蔓延したということであって、それに対抗するための抵抗性品種の導入を進めたということでありますが、このでん粉含有率についても低下しているという状況があります。
こうしたてん菜においては糖度が下がっている、でん粉原料用ばれいしょに関してはでん粉含有率が下がっていると、こういった実情をゲタ単価の算定においての基準値に反映すべきだというような声も頂いております。
また、麦類に関しまして、令和5年にDONというカビ毒が、残念ながら基準値を超過した、そういったDONというカビ毒を含めた小麦が、残念ながら消費者のところまで流通したという事案がありました。こうしたことを受けて、令和6年以降、全国でDON検査というのが強化されたわけでありますが、この部分の費用の負担というのは増加しているということでございます。ただし、これはもともとゲタ単価の算定に使う生産費統計に反映されていないという部分があります。この点をどうするかというのが一つの課題であります。
以上の課題を踏まえた上で、見直しの方針というのは次のページ、4ページでございます。
先ほど御説明させていただきましたとおり、ゲタの単価に足元の令和7年の生産費の高騰部分を反映すべきという課題を踏まえまして、これまでのような確定値しか用いないといったことはせずに、足元のインフレ動向を反映すべく、令和7年産の生産費及び販売価格の数値というのを推計しまして、今回の算定に用いるということでございます。
また、先ほど御説明いたしましたてん菜の糖度、でん粉原料用ばれいしょのでん粉含有率の基準値も現状の北海道における温暖化であったりとか、病害虫の発生状況も考慮して、こういった基準値を見直すことを考えております。
また、麦類のDON検査費用に関しても、全国のデータを頂きましたので、それを踏まえましてゲタの単価に反映したということでございます。
なお、下の注釈部分に記載しておりますが、今回いろんな方々の声がありましたので、今後、算定根拠となる統計情報等に関し検証を進めて、今後の運用を検討することにしております。
次のページ、5ページです。
具体的に、では単価がどうなるかというようなことを御覧いただければと思います。この5ページが算定した交付単価でございます。左側が現行、右側が改定となっております。この書いてある免税事業者、課税事業者というそれぞれについてですけれども、前回の改定時、3年前から消費税の還付を受けている課税事業者向けと、そうでない免税事業者向けの単価というのをそれぞれ算出するということにしていましたので、今回も同様にして算出したということでございます。
御覧いただければ分かりますが、いずれも生産費は上がっているものの、小麦やでん粉原料用ばれいしょについては単価が現行より減額となっております。これは生産費は上がっているものの、単収が上昇又は販売価格が上昇しているため、先ほどの算定方式の見直しを行った上でも現行より減額となるということでございます。
もう少しここを詳しく御覧いただければと思うので、少し飛んで恐縮なんですけれども、9ページを見ていただければと思います。
小麦の場合を例にして御説明しますと、まずこのページでは生産費、単収、販売価格のそれぞれの算定期間での推移というのを整理していたものでございます。それぞれ赤の線、青の線があるかと思いますが、赤の線というのは前回算定時に求めたそれぞれの項目の平均値、青い線というのが今回の算定に用いた平均値となります。これを御覧いただけば分かりますとおり、前回算定時より小麦においては生産費は上昇、一方で単収も上昇していると。販売価格に関しては直近では下落傾向となっているものの、令和3年、4年の高値がありましたために、平均額は上昇しているというようになります。この数値をそれぞれ算定式に当てはめると、先ほど申し上げましたように、結果的には小麦においても単価は下がるということでございます。
このページ以降、それぞれ二条大麦、六条大麦、大豆、てん菜、もろもろ同じような形で整理させていただいておりまして、それぞれの平均値を使って単価を今回算定させていただきましたということでございます。
大変恐縮ですが、少し戻りまして6ページを御覧いただければと思います。
先ほど算出したのが平均交付単価というものでございます。まずはこれをベースとして、次に説明する作業をさせていただきました。それは何かというと、ゲタ対策の対象農作物に関しましては、やはりどうしても農業者間や地域間で品質格差というのが生じております。ですので、先ほど算出した単価を基準といたしまして、品質に応じた区分別の単価というのを設定しております。実際に農業者の皆様に交付する際は、こちらの区分別の単価で計算することになります。具体的には区分というのは1等、2等、更にはその中でも、例えば小麦であればたんぱく質の違いでAからDというランクを設けています。更に小麦特有ですが、パン・中華麺用加算として実需の引きはあるものの、なかなか生産が追い付いていないパン・中華麺用にはプラスアルファの加算をしているというものでございます。こういったことを通じて、実需が求める品質を持つ生産へのインセンティブにつながるものと考えているということでございます。
この品質区分の考え方及び価格差異については、前回と同じ考え方で設定しているものでございます。
以上が交付単価の改定につきましての私からの説明となります。
続きまして、参考資料につきまして御説明させていただければと思います。ゲタ対象品目の現状と課題についての資料でございます。
先ほど御説明しましたゲタ単価というのは、恒常的なコスト割れ部分を補塡するものでございましたが、食料安全保障や今後の農業者人口の動態を踏まえる中で、それぞれの品目ごとの現状と課題を分析して、しっかりと伸ばすものは伸ばす必要がありまして、それを政策で後押ししていくというもので、この資料では課題と支援策を併せて御説明させていただければと思っております。
ページをおめくりいただきまして1ページを御覧ください。
まず、小麦につきましてです。小麦は右下のグラフを見ていただければ分かるとおり、豊凶変動が非常に大きいものでありますが、大きなトレンドで見ると、生産量というのは増加傾向にあります。また、品質面も外国産に劣らない「きたほなみ」や「ゆめちから」などの銘柄も増えてきております。しかしながら、左上を御覧いただければと思いますが、消費仕向量、要は需要も少し増えてきているという部分もありまして、自給率というのが15から17%で推移しているというところが現状であります。ですので、ここの部分はまだまだ伸ばす余地はあるのかなと考えております。
また、課題としてもう一つは、右上のグラフを御覧いただければと思いますが、濃いオレンジの部分ですが、10ヘクタール以上の経営体が平成12年から令和2年の間で22%から64%に急拡大しているという現状でございます。しかしながら、よくよく見ると農地が分散しているため、なかなか単位当たりの労働時間の縮減につながっていないなどの生産性向上について課題があります。
更に、文章の三つ目と四つ目のところでございますが、流通面でいいますと、豊凶変動が大きい、その上、生産量は増加トレンドにあるということで、このような中で安定供給体制、物流機能確保というのが需要側、供給側にとっても大きな課題となっているところでございます。
こういった課題を踏まえまして、2ページを御覧いただければと思いますが、それに対してどう対応していくかということで生産対策、流通対策、消費対策として整理させていただいております。
生産対策といたしましては、生産性向上・品質安定化のために産地一体となって適切な施肥・防除体系を構築することへの支援であったり、ドローンなどのスマート農業の導入支援を行っていくことを考えております。
また、中ほどの流通対策に関しましては、先ほど申し上げましたが豊凶の影響がありますが、そういったものを緩和して安定的に供給するために豊作のときには保管し、そうでないときには供給するというストックセンターを整備。更には、天候条件等により保管せざるを得なくなった場合の掛かり増しの保管料や流通経費を一部負担するといった支援を措置することを考えております。
更に下側の消費対策としましても、食品製造事業者に対しまして、国産拡大促進するために施設整備の導入なども行ってまいりたいと考えております。
次、3ページは大麦・はだか麦の課題でございます。大麦・はだか麦、近年は焼酎用の二条大麦などを中心に外国産から国産への切替えも見られますが、まだまだそれは一部にとどまっているという状況でございます。また、小麦と同様に、規模拡大が進んでいる中で、まだまだ生産性向上であったりとか、同じように豊凶変動が大きいため、安定供給の体制の確立が重要になっております。こういったものに対しての対策ですが、先ほどの小麦とほぼ同様の対応をしていきたいと考えております。
この説明は割愛させていただきまして、次、5ページの大豆にいかせていただければと思います。
文章のところを御覧いただければと思いますが、大豆の自給率というのは全体の7%でありますが、実際全体の7割を占める油糧用はほぼ輸入大豆でありまして、納豆や豆腐などの食用の国産大豆の自給率は24%でございます。この点については、今後も需要は顕著に伸びるものというふうに考えております。ただし、表の右上を御覧いただければと思いますが、小麦同様に豊凶変動がありまして安定供給に課題があるということ。そして、右下の表を御覧いただければと思いますが、急速な規模拡大によりまして、小麦と同じように労働負担が増加しております。単収がなかなか伸び悩んでいるといったことが課題となっております。
また、文章のところでいきますと、四つ目になりますけれども、品種の更新が大豆においてはなかなか進んでいないというのが全体として見られる傾向でございます。そのような中で、令和5年、6年に育成されました現行普及品種と比べまして2割以上多収で豆腐などへの加工適性も有する「そらみずき」や「そらみのり」といった、いわゆる「そらシリーズ」というようなものの普及を今、推進中ということでございます。
6ページでございます。
こうした大豆の課題に対しての対応方針といたしまして、流通・消費対策に関しては小麦とほぼ同様でございますが、生産対策の部分については、特に極多収品種の種子生産も含めた生産性向上に向けたモデル的な実証というのを進めていきたいと考えております。
続きまして、てん菜でございます。7ページを御覧いただければと思います。
右下の図を見ていただければ分かるとおり、てん菜というのは育苗、定植作業の割合というのは非常に高くて、10アール当たりの労働時間が直播栽培の普及を進めていても、依然として小麦などと比べて長いという問題。更に、左側の図を御覧いただければと思いますが、生産費も物財費を中心に高いという状況でございます。このため直播栽培の更なる拡大などを通じて、一層の省力化、コスト低減を図っていくという必要があると考えております。
また、てん菜に関しては消費面で見ますと、国内砂糖消費量が長期的に見て減少傾向にあるというのも課題であります。
こうした課題に対応するためにということで、次のページでありますが、まず生産対策といたしまして、高温下で発生しやすい褐斑病への抵抗性品種の導入であったりとか、直播栽培の導入を支援してまいりたいと考えております。
また、基幹作業の外部化や共同化などの省力化・コスト削減に向けた取組の支援、更には国産の需要拡大に向けた新規需要製品の開発支援というものを、下のところに消費対策にありますが、こういったことの開発支援というのもしていきたいと考えております。
続きまして、でん粉原料用ばれいしょ、9ページでございます。
こちらもてん菜同様に、10アール当たりの労働負荷というのが非常に高くて、また、右の北海道の地図がありますが、一部地域におけるジャガイモシストセンチュウの発生によって種ばれいしょが不足し、ばれいしょの作付面積というのは減少、更に高温による収量やでん粉含有率の低下というのが課題となっているということでございます。
10ページになります。こうした課題に対応するため、種ばれいしょの安定供給体制構築のため、種ばれいしょ産地育成等の取組、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性品種の普及を支援、また、省力化に向けた植付機、収穫機等の省力機械の導入支援というようなことを行っていきたいと思っております。
最後に11ページになります。
そば・なたねでございます。そばの供給量というのは11から12万トン程度で毎年それぐらいの程度でありまして、このうち国産というのは3から4万トンと。左の図を御覧いただければ分かりますけれども、そばもなかなか作況の年次変動が大きく、これによって価格も大きく変動しているというような状態であります。なたねに関してですけれども、全体200万トンのうち、ほとんどが輸入でありまして、国産は僅か3,000から4,000トンとなっております。そばと同様に作柄の年次変動が大きいというのも課題となっております。
そのために単収の向上安定化を進め、加えて実需者ニーズに応じた品種転換を図る必要があると考えておりまして、次のページ、対応策でございますが、上の生産対策の部分でございますが、安定生産を図るため、湿害対策等の技術の導入支援。なたねにおきましては、食用や飼料用に余り適さない成分がより少ないダブルロー品種への転換支援など、下の流通対策のところでございますが、更に実需者との複数年契約の取引の拡大支援というようなものを進めてまいりたいと考えています。
今、御紹介いたしました支援事業の詳細につきまして、次のページ以降の今年度の補正予算の概要で、詳しいことは書いておりますので、お手すきのときに御覧いただければと思っております。
私からの説明は以上でございます。 - 平澤座長
ありがとうございました。
今回のゲタの単価の改定、また、その背景となる各品目の状況について詳しく御説明いただきました。
では、これを受けまして、次は質疑応答に入りたいと思います。本日の議事は、ゲタの対策の数量単価の改定についてとなっておりまして、こちらの審議、皆さんの御意見を頂きたいということと、あとせっかくの機会でありますので、それに限らず生産振興とか流通でも構いませんので、それぞれのお立場から幅広く御意見を頂戴できればと思います。それと、御発言のとき、まず最初に一言自己紹介をお願いできますと助かります。
それでは、会場にお越しの方とオンラインの方、どちらでも構いませんので、皆さん挙手の順に御意見を頂きたいと思います。それでは、御意見のある方、どちらからか、よろしくお願いいたします。オンラインの場合は挙手機能、あるいは画面の上で手を挙げていただく、どちらでも構いません。いかがでしょうか。
それでは、まず鳥越委員、よろしくお願いいたします。 - 鳥越委員
先ほど申しましたとおり、相模屋食料の鳥越でございます。
私どもお豆腐を作っておりますので、大豆の部分について、質問は特にないんですけれども、私どもの立場からのお話としましては、とても有り難いというような結論的にはそういったものになっておりまして、私どももこちら記載いただきましたとおり、大豆はほとんど油糧用で、食用というのが今、100万トンと言われているうちの半分の50万トンは豆腐だというように言われておりますけれども、こちらもほとんど輸入大豆がメインになっているというのが現状かと思います。
私どもでは8年前ぐらいからずっと国産大豆を振興しようということでやっておりまして、各地でお豆腐屋さんがどんどん潰れている中で、それを救済するためにM&Aをして再建をするということで、今、取り組んでいる中で、その中核の取組は国産大豆で執り行っております。
どうでもいい自慢をさせていただきますと、先月も1社債務超過を解消いたしまして、今12社がうちのグループになりまして、7社が全部資産超過に転換しております。黒字化は全部成し遂げているんですけれども、これは何につながるかと申しますと、その土地土地で作っている豆腐を中核に再建をしようとしておりますので、必ず国産大豆を中心とした再建となります。地域によっては、例えば九州の会社もあるんですけれども、隣が佐賀県ですので、ふんだんに大豆があったりとかするんですけれども、例えば岐阜とかになりますと、近隣、特に滋賀県の「ことゆたか」をよく使うんですけれども、なかなかだったりというところありますが、今回のこの取組の中で、大豆は非常に前向きに皆さん生産に取り組んでいただけるのかなと思いますので、使いたいときに大豆がないということが恐らく無くなるんだろうなということと、もっともっと私たちが国産大豆を中心に広げていけるという大きなきっかけになるなというように期待もしておりますし、確信もしておりますので、本当に有り難いと思っております。
以上でございます。 - 平澤座長
鳥越委員、ありがとうございました。
それでは、続いてどなたか挙手願います。
山口委員、よろしくお願いいたします。 - 山口委員
山口と申します。よろしくお願いいたします。
もともと愛知県出身で、御縁があって群馬の方に移住をして農業を始めました。もともとはお米が中心だったんですけれども、大豆や小麦など、大麦も今、栽培をしておりまして、農園主が就農してから14年、私が就農してから10年たち、かなり様々なお客様に直売をさせていただいております。といいますのは、我々の地域にJAさんはいらっしゃるんですけれども、有機農産物の取扱いがまだあまり無いということで、新規就農した頃から自分たちで栽培をしたものを販路を見いだすというような形で10年間、私は10年間、夫は14年間取り組んでまいりました。
その中で今、小麦、大麦、大豆が今回のゲタ対策品目で、我々は対象となっておりまして、我々も頂いておりまして大変助かっております。ありがとうございます。
やはり先ほどの御説明の中にもありましたが、今、インフレでかなり栽培をしていく中で肥料だったり資材だったり、あと機械類、全てのものが高騰している中、販売価格はなかなか上げられないというところが現状でございます。
特にお米もそうですが、日本の食文化の原点となる穀物ですので、余り急激に価格を上げるということは難しく、全ての消費者の皆さんの生活に関わってくるものですので、緩やかでも上昇しつつ、でも誰にでも手に取っていただけるような価格帯で、というのが本当に大事になってくるなと思います。
その中で今後検討が必要だなと思った項目が、群馬県が最低賃金が985円から来年3月から1,063円ということで、78円時給がアップするというような発表に今なっております。我々も農業にアルバイトに来ていただいたり、仕事に来ていただいている方たちのお給料を考えますと、今まで1,000円以内で収まっていたものが、時給が1,000円を超えてくる。更には労災のことですとか、まだまだ働きに来ていただいている方たちの安全ですとか生活面のことを考えると、出ていくお金もかなり増えてくるのかなというのも思います。
今回の改定の金額というのがこれから3年間を見据えた単価ということで、今後こうした栽培するときの経費はもちろん上がってくるんですが、こういった人材に来ていただくために、どんどん上がってくる賃金ですとか、その辺りも少しずつ状況を見ながら検討を進めていただけると良いかなと思いました。
あと労働時間なども経費の中に入っているかなと思いますが、最近気候変動の関係で栽培に費やせる時間というんですかね、朝早くから夏は作業したり、栽培をしていた10年前の作業時間と、今の暑い、群馬県は最高気温が更新して全国に名前をとどろかせた市がありますが、そういうことを考えますと、同じ作業をするにしても、1日で作業ができる時間がかなり限られてくるという夏の高温の事情ですとか、あと雨がなかなか降らないとか、雨ばかりが降るというような気候条件がこれまでとはかなり変わってきているということも考慮いただきながら、畑作は特に排水対策ですとか、大豆は適期に水がないと発芽をしないとか育たないとかって本当に手を掛けてあげなければいけない部分も多々ある作物でございますので、気候変動のことなども少し考慮に入れられるところがあればと思っております。
最後に先ほどDON検査のお話がございまして、穀物検査やDON検査など我々も実施をしております。経費の中に考慮していただいたということで大変助かります。穀物検査の関係は、お米の方は少し検査が簡素化されていくような流れが出ているかと思いますが、ちょうどこれまでの会議の議事録を少し見させていただいたところで、令和元年12月10日に開催されております、この小委員会の第2回の委員会で、衣笠委員が御質問されていまして、お米の方は穀物検査の方が緩和してきている方向性があるが、麦とかの方も穀物検査に対して見直しの検討等はどうですかというようなお話をされていました。穀物検査がこれまでかなり厳格にされてきていて、穀物検査を受けることが条件で今回のゲタ対策のお金が出るというような話ですが、今後穀物検査、お米の方は今、緩和されてきていますが、麦の方が今回のゲタ対策に対応している作物について、どのような方針になっているのかなというのを確認をしたいと思います。
以上です。 - 平澤座長
ありがとうございました。回答の方は事務局で後でまとめてということですかね。
特に新しい論点としては、人件費の上昇と、それから気候変動ですね。更に検査の緩和ということで提示していただいたと思います。ありがとうございます。
それでは、あとお二人残っておられますが、では、山﨑さん、お願いいたします。 - 山﨑委員
茨城県でお米をメインに栽培しておりますが、麦と大豆も生産しております、山﨑です。
大豆については味噌造りの原料などとして販売をしています。先ほど説明を頂いて、丁寧な説明ありがとうございました。数量単価の改定については異論はございません。生産者の立場として二つほど意見を述べさせていただきたいと思います。
DON検査費用の単価への反映というのはとても良いことではないかと思います。というのは、お米の検査でもある米の検査では、金属分析の検査だったり、残留農薬の検査というのを毎年しているんですけれども、やはり検査費用というのは決して安くはありません。
もう一点、小麦と大豆の生産の立場からの現状として、今、弊社では田植えと小麦の収穫の適期が重なるため、小麦の収穫が遅くなっているというのが課題です。また、大豆につきましては、稲刈りの準備などに追われてしまい、稲刈りの時期と重なってしまって適期防除ができないというのが現状です。大豆に関しては品種の更新が遅れているとのことでしたが、品種に関して病害虫に強い品種の改良などもお願いしたいと思います。
以上です。 - 平澤座長
ありがとうございます。
検査のところと、あとやはり新しい論点としては品種を改良して、特に皆さん品目がだんだん増えてきているということで、時期が重なる問題はかなり深刻だと思いますので、上手く作期の分散に適うような新しい品種をということで、ありがとうございます。
それでは、あとは最後ですね、樫山さん、よろしくお願いいたします。 - 樫山委員
よろしくお願いします。
徳島県で法人経営体として、トマト2ヘクタール、それとお米を110ヘクタール、それと有機の葉物野菜を1ヘクタール生産しております。社員が49名ほどいまして、県内では結構大規模でさせていただいております。
今回のゲタの単価の算定方法についてなんですけれども、事前説明も受けまして、その中で5中3などの計算方法においては、直近の生産費と販売価格と大きく変えてしまう可能性があるので、直近の傾向を基に予測を立てる方式を検討していただいているということですので、それはその方がいいなというふうに感じております。
また、ゲタの単価ですけれども、3年間の単価固定というのも、今日も日銀の政策金利が上がりまして、穀物におきましてはゲタの対象作物というのは海外の影響をかなり受けやすい作物になるのかなと思っておるので、3年間単価固定というよりは、毎年少しずつ見直していった方がいいんじゃないかなというふうには個人的に感じております。
これはまた当社の製造者としての観点ですけれども、こういうゲタ対象作物というのは、高効率な畑における作付けというのと、低効率な田における作付けの2種類あると思うんですけれども、2種類の作付けにおける条件の違いというのは、例えば田における条件不利をゲタで一律に支援することはできないとは思います。ですので、水活とかそちらの大きな枠組みの話にもなると思うんですけれども、最近の主食用米の高騰、また来年の価格の下落が予想されている中で、水活の戦略作物助成の支援水準では正直、畑作物を水田で作ること自体、メリットはないと感じております。
というのは、実は当社の地域におきましては、水田用に圃場整備をされていまして、あまり畑というのがございませんで、ですけれども、徳島県自体、平均耕地面積が約1反ほどで、当社におきましては1,100筆水田がございます。その中で、地域の耕作放棄地を出さないがために耕作依頼を極力受けるようにしてきたんですけれども、どうしても条件の悪い、水が入らないとか、用水で管理しなくちゃいけないとか、道路が狭いとか、遠いとか、そういうところにおきましては、水稲を作って水管理をするのが厳しいわけでして、ただ耕作放棄地にしないがために、水田に麦の作付けをしているの現状です。
麦の作付けをしているがために、耕作放棄地にならずに済んでいるという圃場が約8ヘクタール、9ヘクタールほどございまして、ですけれども、先ほど申し上げたとおり、米の価格高騰から比べて、今の交付単価、戦略作物助成の交付単価では、これやっている意味ないなというのが正直な、うちの社員とも話しているんですけれども、収益性が見込めないのであれば、やる必要はないという結論になってきておりまして、そうなると条件不利水田で水稲の作付けをする、これは毎日水番をしなくてはいけなくて、そうなってくると煩雑さと収益性も望めないので、その水田は耕作をお断りするということになってしまうんです。
そうなってくるのを是非、耕作放棄地の対策と、それと後継者不足というか、農家の減少と、そういう問題も含めて大きな観点で戦略作物についての水活と併せて考えていただきたいなと思っています。
例えば今回、米の高騰に対して小泉前大臣が備蓄米の放出を決めましたけれども、これは国家による米の価格形成に対する介入だと思っております。介入するなら、来年以降、下落が見込まれている米の価格に対してどういう対策を取るのかというのは、転作を使っての価格形成に対する介入ということは必要じゃないかなと思っていますし、もっと大きな議論でいいますと、民間輸入の米が増えているということで、新米が余り動いていないというのも聞いております。ですので、例えばそもそもの関税の増額、輸入米のですね、ということも踏み込んで考えなくてはいけない。
なぜ考えなくてはいけないかというと、目的は食料自給率の向上であり、食料安全保障の確保であり、生産者の確保です。20年前と比べて既に3分の1になっている担い手、これが今後20年で更に3分の1になるのは明白でございまして、それをどういう対策をもって国は国土の保全と食料の自給をするのかというのを、ゲタのみの話ではありませんけれども、食糧部会の方にも是非上げていただいて、先ほどもありましたけれども、経営環境が相当厳しくなっておりまして、最低賃金もそうですけれども、例えば所得制限の壁が103万から178万になりますが、社会保険料、厚生年金保険料の壁というのは130万のままでして、これは日本人のパートさんの労働抑制につながっている中で、仕事が回らない。しかも、単価は上がっている。なので、人数が必要、保険料もどんどんかさんで、原材料も高騰していて、本当に米の単価が来年下がったときに経営を続けられるのかなというのをすごく不安に思っております。
そういうところを払拭していただいて、さっきお伝えしたような国土保全と食料自給と、それと農家の確保ということを総合的に当然、基本計画に定められているとは思うんですけれども、再度議論していただきたいなというふうに思っております。
以上です。 - 平澤座長
ありがとうございました。多岐にわたる御意見ありがとうございます。
とりあえずゲタの交付単価はこれでいいけれども、ただ、3年固定ということでいいのか、今回の臨時での例外的な対応ということを考えてもやはり大きく動きがあるときにどうしていったらいいかということで、この改定の考え方についても重要な論点を提示していただいたと思います。
それから同様に、畑と水田ということでどうしていくのかということで、こちらは単にゲタ・ナラシで済む話ではありませんで、水田政策の方も関わる話ですので、食糧部会なりできちんとそこを総合的にどう考えていくかということを検討いただきたいという御指摘だと思います。
あとは今後の助成単価が上がる中で、これから米価が下がった場合どうするかというお話だったと思いますけれども、そこはまさに食糧部会の本当に一番重要なところだと思いますので、これもきちんと食糧部会の本体の方でしっかり検討していただくということになるのかと思っております。
それと、事務局から御回答いただく前に、私の方からも少し意見を幾つか述べさせていただきたいと思います。
まず、一つ目の単価の改定でありまして、今回やり方を少し変えようということで、実際生産費が上がっておりますので何かやる必要はあるということで、やってみることは大いに賛成なのですけれども、一つ注意です。
頂いた説明の方にもありますけれども、やはりやり方を変えると、しかもやや不確定要素もある予測値を使うということでありますので、実際やってみてどうだったかということの検証をきちんとする必要はもちろんあるわけでして、払い過ぎたとか少なかったとか、ある程度誤差が出てくるはずでありまして、毎年大きな誤差があるということであればどうしようかということをきちんと考えていかないといけないわけであります。補正をするなり、後から調整するなり、何か工夫が必要になるかと思います。ここはきちんと気を付けないと、やはり実績に基づいてやらないと後でしこりが残ってもいけませんので、きちんとやる必要があるのかなということであります。その辺はアメリカなどでも毎年の変化に応じて払うようなものは、作物取引の年度が終わって完全に確定してからやるというのが通常でありまして、8年前ですか、第1次トランプ政権で中国との貿易戦争で値段が下がったときに、年度の途中で急にお金を払ったら、その後大豆の値段が急回復して払い過ぎだといって随分後でもめたりしたことがあったので、その辺のところは注意が必要ということだと思います。
改定についてはそれぐらいでありまして、それ以外に申し上げたいことが4点ほどございます。
まず1点目ですけれども、冒頭で申し上げたとおり、ゲタ・ナラシというのは恒常的な格差の補塡と短期的な変動の補塡ということを両方備えている点が優れていると思うわけです。2年後を目指して今後、水田政策の見直しがありますので、そうするとゲタ・ナラシにも影響する可能性があると思いますけれども、こうした基本的で重要な機能は引き続き、何らかの形で提供できるようにする必要があると考えています。それが1点目です。
それから、2点目でありますけれども、事務局からも説明があったように、需要に見合ったものを作るとか、技術開発とか、それも大事なんですけれども、それを踏まえた上で、今後人口がどんどん減少していく中で、中長期的にはやはり輸入に依存している畑作物をどうやって生産と面積を拡大していくかということです。特に面積の拡大が重要になってくると思われるわけです。今までのところ、ゲタ・ナラシですごく面積が増えたという話は聞かないわけであります。だから、そこをどうしていくのか。それは水田政策もありますし、ほかの良い方法もあると思うので、必ずしもゲタ・ナラシに限る必要はないと思うのですけれども、実際に面積を増やしていけるような政策はどうやったら組めるのかということを是非検討していただきたいということが2点目であります。
3点目です。ややそれと重なるところもありますが、トウモロコシの扱いであります。やはり現状はトウモロコシは飼料用だということで、食料に関するゲタ・ナラシの対象外となっています。ただ、今後のことを考えると、やはり単収も高いし、餌として使い勝手もいいし、あるいは麦・大豆をうまく作っていくために非常に土壌改良の効果もあるということで、北海道などでどんどんやっている人も増えている状態ですから、トウモロコシをきちんと安心して作れるような制度が必要になっていくと思うわけであります。そこをどうやって何らかの形でどこの制度に組み込んでいくのか。今後もゲタ・ナラシを続けるのであれば、やはり基幹的な制度になりますので、そこにも入れるということをやっていかないといけないのかなと思っています。
それから、最後に4点目でありますけれども、先ほどお米の生産が今後減るのではないかという樫山委員からの指摘もあったように、少し先を考えると急激に、特に西日本から始まる形で、生産者が足りなくなってくるということが考えられているわけです。それに限らず、若い人たち、農業を始めても野菜ばかり作って土地利用型は余りやらないということがあって、これは参入のコストが掛かることが一つですけれども、もう一つはやはり収益性が低いということで、若い人にとって魅力がないんですよね。でも、ここを何とかしない限り、今のゲタ・ナラシを幾ら続けても、今やっている人は続けてくれるかもしれないけれども、これから世代交代が急速に進む中で新しくやる人にとって魅力的な農業にしないと、今後作る人がいなくなってしまうということになりますので、これは更にもう少し広い範囲で政策が必要になるかもしれませんけれども、ゲタ・ナラシも併せて、そういう人たちをどうやったら支えていけるのか、新しい人たちが参入できるのか、といったような観点からも今後検討が非常に重要になっていくと思っております。
私からは以上であります。
続いて、事務局の方からここまでの意見なり質問に対する御回答と、それと併せて欠席されている委員がおられますので、その方々からの意見の御紹介をお願いいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。 - 山田経営安定対策室長
ありがとうございます。
まず、皆様からの意見についてのコメントなり回答させていただければと思います。
鳥越委員から、大豆の単価が上がったということで、皆さんの生産意欲であったりが広がっているということでありまして、そういった形になったのは非常に有り難い話でありまして、ゲタに限らず、いろんな形で国産大豆の振興というのは支援させていただければと思っております。
続きまして、山口委員から一つ時給が上がってきているという部分であったりとか、気候変動もどういうふうに考えていくべきかというようなこと、なかなか大きい課題でありまして、ゲタの単価において、先ほど資料の中にも書かせていただきましたけれども、統計を使って単価算定させていただいておりますけれども、統計に反映した上で単価に反映するのか、統計に関係なく単価反映するのか、若しくはゲタではない別のアプローチをやるのか、そこら辺は検討させていただければと思っております。
気候変動の対応に関しても、それで作業時間が限られた時間になっているといった話もあるかと思います。こういった意味で、農業者の方々、非常に苦労されている部分も考慮していきたいというふうに思っております。
それで、穀物検査の簡素化の話も御指摘いただきました。米につきましては以前、御意見を踏まえてサンプルの取り方などを改善したところでございます。麦・大豆に関しては今、具体的な動きというのはないんですけれども、引き続き話を伺いながら、よくよくこれは検討させていただければ、前々回ですか、令和元年ですかにそういった話があったというのは、すみません、私が認識しておらず大変恐縮なんですけれども、それについてまた改めて御意見を伺わせていただければと思っております。
あと山﨑委員からは、単価改定に関して是としていただきましたけれども、DON検査だけではなくて、ほかの検査の部分についてもいろいろと掛かっているであったりとかお話しいただきましたけれども、今回DON検査の部分は本当に純粋に掛かり増しとなっていたということと、検査に係るデータを全国から集めたということで単価改定に反映させていただきました。ゲタの単価においては、ちゃんとコストが明らかに分かるようなものでないと反映は難しいところがありまして、そういった点も御了承いただければと思います。
いずれにせよ生産者の方々のコストというのをいかに見ていくかというのはよくよく検討していきたいというふうに思っております。
それと品種改良の部分も御質問いただきました。これは今、品種改良は常にやっておりまして、直近の気候状況の変化であったりとか、病害虫の発生も踏まえまして、農研機構などとよく連携していきたいと思っております。加えて品種改良の後で、いかに現場で普及していくかというところは、実需との連携も必要になってきますので、先ほど申し上げました実証モデルとかも使って、そういった観点で広げていきたいと思っております。
続きまして、樫山委員から3年ごとの単価改定ということに関して、見直す必要があるのではないかと御指摘いただきました。説明資料にも書かせていただきましたけれども、ゲタ単価について運用について検証していきたいと考えております。一方で、これまで3年固定としていた部分で、一度単価を固定した場合に、その後生産性向上して利益が出た分は、その3年間はそのまま、言い方悪いですけれども、まる得できたという部分もある、そういったメリットもあったと思います。ですので、今まさしくインフレの局面でありますが、今後のインフレ動向等も踏まえまして、本当にその期間が3年がいいのか、見直した方がいいのかどうかもよくよく検討していく必要があるのかなと考えております。
あともう一点、樫山委員から御指摘いただきました、田畑において生産コストがまず異なる上で、田の方ではゲタ単価だけでは面倒見れない部分があって、そのために今、水活があると。ただし、今は米価が高くなっていて、主食用米と比べると田での麦・大豆というのは採算が相対的に低くなっているということかと思います。これなかなか難しい御指摘でありますし、樫山委員がおっしゃるとおり、本当に米価がどうなるか、必ずしも下がるかどうか分からないところであり、今後の食糧部会で御議論になる話かもしれませんが、いずれにしてもコスト、水田政策の見直しとともに、ゲタの検証の中で、今御指摘いただいた点も含めて検討していきたいと思います。
平澤座長から御指摘いただいた分でございます。
今回インフレに対応するために推計値を使ったものに関して、今後もそれが実情に合っているかどうか検証をしっかりすべきだと御指摘いただきました。おっしゃるとおりだと思います。今後の検証の中で、今回の推計のやり方は本当に合っていたかどうかということも含めてよくよく考えて、今後の単価の算定に生かしていきたいと思います。
あともう一つ、先ほどの樫山委員に対してのお答えにも重なるところでありますが、ゲタ・ナラシというのは非常に良い制度だと御意見いただきまして、水田政策見直しの中で、しっかりとこの制度を維持していただきたいという、担当としては非常に力強いお言葉を頂きました。ありがとうございます。水田政策見直しの中でもしっかりとそういった面を平澤先生のコメントを心に刻みつつ、検討していきたいと思います。
それと、麦・大豆のことで人口減の中での安定供給ということを考え、食料安全保障を考えた中で、どうやって生産を維持、拡大していくかという御指摘があったかと思います。実際基本計画でも生産量を増やしていくという目標を設定させていただいたところでありますが、生産人口が減っていく中で、面積を増やすというアプローチなのか、それとも単収を増やすというアプローチなのかというのが論点になるんだと思います。今、基本計画上はどちらかというと、単収を増やしていくというアプローチなのかなと、なかなか面積を増やすのは難しいかなという前提で目標としておりますが、いずれにせよ生産拡大というのは必要だと考えておりますので、そこは頑張っていきたいと思っております。
それとトウモロコシに関して、なかなかゲタに最終的に入れていくのは難しいところでありますが、少なくとも日本の農地の中で、トウモロコシというのが実際田でも畑地でもいいと思うんですが、進めていくというのは、今、飼料作物を国内で作っていくという取組は進めているところでありますので、まずはやってみて、その中でトウモロコシの生産が広がった上で、ゲタであったりとかそういった面的な支援を進めていくかを検討していくということかなと思います。
あとは土地利用作物が若い人になかなか魅力がないというところはあるかと思います。やはり野菜とかトマトとかというのは取っ付きやすく、土地利用作物はなかなか難しいところではあるとは思いますが、水田政策の見直しの中でも生産性向上に向けた支援をしていくという考え方もあるかと思います。要は、努力すれば頑張った人たちが報われるという構図を作っていくのも一つの魅力の源になるのかなと思っております。なかなか難しい問題でありますので、私が全てお受けできず恐縮なんですけれども、しっかりとした視点というものを全省的に持っていければなと思っております。 - 平澤座長
ありがとうございます。
皆さん大体今の回答で大丈夫でしょうか。
私のコメントは後ろにいくほどだんだん風呂敷が大きくなっていますが、それはきちんと本体の委員会の方で議論いただきたいということで、そのように考えていただければと思います。
あとは欠席されている委員の御意見がありますので、そちらの方も事務局からお願いいたします。 - 山田経営安定対策室長
すみません、再び山田でございます。
本日欠席された2名の委員から意見書を頂いております。大変恐縮ながら、私の方から読み上げさせていただきます。
まず一つ目は、セブン-イレブン・ジャパンの執行役員MD統括部長の羽石様から意見書を頂いております。読み上げさせていただきます。
畑作物の直接支払交付金の数量単価の改定に関して提示された案で問題ありません。小売業の立場としては、小麦を使った商品に対するニーズは高まっていると考えます。生産者の方々には良いものを作っていただき、消費者には納得して購入していただくウィン・ウィンの形で好循環の関係性をともに作っていきたいと考えています。こういった御意見をいただいております。
もう一方、御意見いただいておりまして、北海道農業中央会副会長の小椋様から意見書を頂いております。読み上げさせていただきます。
本日の委員会に示された畑作物の直接支払交付金の数量払単価の改正については賛同いたします。今般の改正では、生産コストの高騰や温暖化による作柄の不安定化などにより、生産現場は厳しい状況に置かれていることを鑑み、生産費の推計値の反映や糖分とでん粉含有率の基準値の見直しなどが行われました。あわせて生産現場の意見を踏まえ、算出根拠となる統計情報等に関し意見交換を行いつつ、検証を進め、令和9年度における単価改定の是非を含め、制度の運用を検討するとされたことは関係者の尽力によるものであり、敬意と感謝を申し上げます。
今回の決定に基づく今後の政策推進に当たっては、国として適正な価格形成などに向けて食料システム法を制定することを踏まえ、ゲタ対策の対象品目についても持続的な生産と供給が実現できる価格形成が必要です。また、令和9年度からの水田政策の見直しに当たり、ゲタ対策も含めた各種直接支払制度をパッケージにすることが食料安全保障の強化に向けた生産者に対する国としてのメッセージになると考えます。持続的な農作物の生産には生産コストや安定供給のための流通保管経費を賄った上で、再生産に向けた投資が十分に行える農業所得の確保が必須でありますので、そうした観点からの検討を要望いたします。
最後に、農業をめぐる環境が大きく変化している中、畑作物の安定生産に向けた経営所得安定対策の在り方の検討に向け、各分野の専門家が集まっている本委員会において議論いただきますようお願い申し上げます。
以上でございます。 - 平澤座長
ありがとうございました。
ということで、これで一通り皆様からの御意見等を頂戴しました。活発な御議論ありがとうございました。
今日まだ時間に余裕あるようですので、更に一言これだけは言っておきたいという方がおられましたら。大丈夫でしょうか。
山﨑委員、よろしくお願いいたします。 - 山﨑委員
私が先ほど申しました意見に対して、多分ちょっと誤解があるような回答でしたので。先ほど言ったように、DON検査に検査費用を単価に反映したことはすごく良いことだということをお話ししたんですが、その話をするために、お米では検査費用に経費が掛かっているということを言ったまでで、お米の方にも検査費用を単価に反映してくれというような要望はございません。 - 山田経営安定対策室長
失礼いたしました。ありがとうございます。 - 平澤座長
大丈夫でしょうか。ということで、双方これで誤解はないようですので、大丈夫ですね。
そういうことで、大変円満な展開になりまして、今回の単価の改定という審議の本体の事項につきましては、皆様大変肯定的な評価を頂けましたということで、一応全会一致で賛成ということでよろしいでしょうか。
- 平澤座長
ありがとうございます。
異議なしということでございますので、これをもって食糧部会に報告ということですけれども、ほかに皆様いろいろ御発言等もありましたので、もう一度整理した上で、今月24日に開催予定の食糧部会の本体の方に報告させていただきたいと存じます。報告のやり方に関しましては、私、座長に一任いただきたいということでございますけれども、よろしいでしょうか。
(異議なし)
(2)その他
- 平澤座長
ありがとうございます。
それと、本日の議事内容につきましては、議事録として整理した上で公開することになりますので、後日、また事務局から内容につきましては御確認の連絡をさせていただきます。
それでは、事務局の方に進行をお返しいたします。最後になりますけれども、本日は皆さん、活発な御審議ありがとうございました。改めてお礼申し上げます。 - 志野経営安定対策室課長補佐
平澤座長、それから委員の皆様、ありがとうございました。
それでは、以上で本日の議事は全て終了となります。これをもちまして経営所得安定対策小委員会を閉会したいと思います。
本日はお忙しい中、御出席いただきましてありがとうございました。
午後2時46分閉会
お問合せ先
農産局穀物課経営安定対策室
担当者:ゲタ班
代表:03-3502-8111(内線5138)
ダイヤルイン:03-3502-5601




