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食料・農業・農村政策審議会 食料産業部会(令和7年2月12日)議事録

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日時及び場所

令和7年2月12日(水曜日)10時00分~
農林水産省第2特別会議室

議事次第

1.開会
2.審議事項
食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の制定等について
3.報告事項
(1)改正物流効率化法に基づく基本方針等について
(2)食品産業をめぐる情勢
4.閉会

議事録


木村企画グループ長
それでは定刻となりましたので、ただいまより、食料・農業・農村政策審議会食料産業部会を開会させていただきます。
私は、本日進行を務めさせていただきます木村と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
委員の皆様におかれましては、お忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
冒頭、大臣官房総括審議官の宮浦から御挨拶申し上げる予定でしたが、現在、国会の対応が少し長引いておりまして、先に私から諸事項について説明させていただきます。
まず、カメラ撮りのマスコミの方は、冒頭のみということで御退出をお願いいたします。
続きまして、委員の交替の関係でございます。従来、網野委員に御参加いただいておりましたが、今回、委員の交替ということで、網野委員に替わりまして吉田委員に本日御参加いただいております。
吉田委員の方から、大変恐縮ですが、自己紹介をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

吉田委員
ただいま御紹介いただきました吉田でございます。私は、お魚の豊洲市場にある築地魚市場株式会社という卸売業者の代表をやっております。今日から本審議会に参加させていただきますので、何とぞよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
よろしくお願いいたします。
それでは、本日の出欠について、私の方から御報告させていただきます。
本日、会場の方にお越しいただいている委員は計7名で、ウェブでオンライン参加していただいている方々は、大橋委員、高槻委員、吉高委員、京谷委員の4名でございます。
一方、本日は、日本農業法人協会の齋藤委員、竹下製菓株式会社の竹下委員、日本フードサービス協会の赤塚委員、京都青果合同株式会社の内田委員、ハウス食品グループの浦上委員、丸京製菓株式会社の紙徳委員の6名の委員については御欠席ということでございます。
本日の部会は、委員計17名中11名の御出席を頂いておりまして、全体の3分の1以上となりますので、審議会令第8条第1項及び第3項の規定により、会議が成立しておりますことを御報告させていただきます。
また、本日は当部会の下に位置付けられております食品リサイクル小委員会の渡辺座長、物流小委員会の矢野座長にも御参加いただいております。後ほど御説明をお願いいたします。
農林水産省側の出席者につきましては、お手元の座席表で紹介に代えさせていただきます。
本部会は、審議会議事規則第3条第2項の規定により、公開することとなっております。同規則第4条の規定によりまして、会議での御発言につきましては、議事録として取りまとめて、委員の皆様に御確認を頂いた上で公開させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それから、資料につきましては、配布資料一覧がございます。資料がそろっていないようでしたら、事務方にお申し付けいただければと思います。よろしいでしょうか。
総括審議官の宮浦の到着が遅れていますので、御挨拶は最後の方にさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日の会議の以降の進行につきましては、堀切部会長にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

堀切部会長
皆さん、おはようございます。部会長を仰せつかっております堀切でございます。よろしくお願いいたします。
これより私の方で、議事進行をさせていただきます。
本日の部会は12時までの予定となっておりますので、円滑な進行に御協力を頂きますようお願い申し上げます。
さて、本日の議事でございますが、議事次第のとおり、案件としては3件でございます。
最初に、審議事項であります「食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の制定等について」、事務局から説明後、意見交換をさせていただきたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

五十嵐外食・食文化課長
ただいま御紹介頂きました外食・食文化課長の五十嵐でございます。本日はどうぞよろしくお願いします。
私から、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の制定などの背景・経緯について御説明させていただきます。
お手元の資料1-1の1ページを御覧ください。
食品循環資源の再生利用や食品廃棄物等の発生抑制等を総合的かつ計画的に推進するため、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、これは通称「食品リサイクル法」と呼ばれておりますが、この基本方針をおおむね5年ごとに制定しております。この法律の第3条第5項で、基本方針を定めるときは、食料・農業・農村政策審議会及び中央環境審議会の意見を聴かなければならないとされております。
また、食品関連事業者の判断の基準となるべき事項を定める省令、こちらは通称「判断基準省令」と呼ばれておりますが、これを改定する際にも、同法第7条第3項で食料・農業・農村政策審議会及び中央環境審議会の意見を聴かなければならないとされております。
2025年度から2029年度までの基本方針の制定などについて御意見を頂くため、令和6年4月に農林水産大臣より食料・農業・農村政策審議会に諮問がなされたところです。
2ページを御覧ください。
食料・農業・農村政策審議会令に基づき、審議会には部会を置くことができることとされ、また、部会の議決をもって審議会の議決とすることができるとされております。このため、今回の諮問については、本部会での議決をもって審議会の答申とさせていただきたいと考えております。
また、食料・農業・農村政策審議会議事規則において、部会長は専門性を有する特定の事項については、小委員会に調査審議を付託することができるとされております。今回の基本方針の制定及び判断基準省令の改正については、令和6年5月に書面開催された本部会で御了解を頂き、食料産業部会長より食品リサイクル小委員会に審議が付託されております。
なお、今回の小委員会は、食品リサイクル法の共管省庁である環境省の食品リサイクル専門委員会と合同会合を開催し御審議を頂いております。
合同会合の開催実績ですが、付託後、合同会合を4回開催しております。合同会合の委員名簿については、ページをおめくりいただいて3ページに付けさせていただいております。
食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針制定などの背景・経緯は、以上となります。
食品リサイクル小委員会での議論の結果については、食品リサイクル小委員会の座長である渡辺先生に御説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

渡辺食品リサイクル小委員会座長
御紹介いただきました食品リサイクル小委員会座長の渡辺でございます。よろしくお願いいたします。
食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の制定等について、食品リサイクル小委員会で取りまとめた内容を御説明いたします。
まず、食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の議論に当たっては、2030年度に向けて更なる食品ロス削減を図るため、発生抑制の取組に力点を置くとともに、発生した食品循環資源のリサイクルを促進するということで、再生利用等について議論してまいりました。発生抑制ということと再生利用、この2本立てで議論を進めてきたということであります。
資料1-1の続きの4ページを御覧ください。
まず、発生抑制の側面です。
1、事業系食品ロスの削減に係る目標について、述べられています。
事業系食品ロスの削減目標は、2030年度までに2000年度比で半減することが現行の基本方針に定められています。直近の2022年度実績が一番新しい実績ですが、新型コロナウイルス感染症の影響というものがあるものの、食品関連事業者の不断の取組によって、この目標が達成されたという状況にあります。そのため、新たな目標を設定するということが課題となりました。
新たな目標につきましては、食品ロスの発生実績の趨勢を基本とする予測を行うとともに、今後の食品ロス削減に向けた取組の拡大余地や社会情勢の変化、新型コロナウイルス感染症の影響による社会情勢の変化、その間に起きた消費者の行動変容、こういったことを踏まえまして、2030年度までに2000年度比で60%削減という目標を立てました。
新たな目標の達成に当たっては、これまで半減に向けて取組を行ってきた食品関連事業者の取組だけではなく、それに加えて、特に川下の小売や外食において消費者の理解や取組が鍵となることから、国や地方公共団体、食品関連事業者、消費者等の様々な関係者が連携して、サプライチェーン全体で取組を推進する必要があるということを基本方針で位置付けました。この目標は、サプライチェーン全体の目標とするものであり、業種ごとに細分化した目標は設けておりません。
この目標の基になっているものが、参考資料として5ページに、業種別食品ロス量の推移を示しています。
6ページには、これまでの食品ロス削減に向けた取組と、どの業種で効果があったかといったことを整理しております。
また、7ページには、新たな目標達成に向けて食品ロス削減が期待できる効果的な取組を事例的に提示しております。
例えば、食品卸売業や食品小売業で食品ロスの発生量が多い納品期限切れ・販売期限切れの商品について、食品寄附の促進やAIを活用した需要予測推進等が有効であるといった整理をしております。
続いて、8ページを御覧ください。
2、食品関連事業者の食品ロス削減の取組促進については、これまでも食品ロス削減に向けて、食品寄附や3分の1ルールを始めとする商慣習の見直しの促進が行われておりましたが、これらの取組を省令において食品関連事業者の努力義務として明確に位置付けたというものであります。
3、食品関連事業者の取組の情報開示についてです。
二つ項目が述べられていますが、一つ目、事業者に行っていただくことで、未利用食品の提供量等の情報を、例えば有価証券報告書や統合報告書、あるいは企業のホームページに掲載するなどにより、世の中に情報提供するよう努める旨を省令に規定するというものです。
二つ目、政府側が行うことで、食品リサイクル法に基づき、年間の食品廃棄物等の発生量が100トン以上の食品関連事業者から毎年定期報告で報告を頂いている発生抑制等の取組について、国民に分かりやすく情報発信をする、仕組みを検討するということを基本方針に記載しています。
具体的な仕組み、どういった仕組みを導入するかにつきましては、来年度以降検討していくということなのですが、基本的な方向としては、優良な取組をしている事業者の取組の内容とか、事業者の名前を公表することを基本的な方向として検討するとしております。
9ページを御覧ください。
1、再生利用等の実施率に係る目標についてです。
下のグラフに記載されていますが、再生利用等の実施率の目標は、業種ごとに定められております。この現行の目標が2024年度目標であり、今般2029年度までの目標値を定めるということです。
議論の結果として、食品小売業者は、直近令和4年度の実績が2024年度目標を達成していることから、目標を5%引き上げ65%にする。その他の業種については据え置きとするということです。
具体的には、食品製造業は既に95%と取組が進んでいることから据え置き、食品卸売業と外食産業においては、直近の実績と目標値が乖離していることから目標を据え置きとしますが、再生利用実施率を引き上げる取組を一層推進するということを議論してまいりました。
10ページを御覧ください。
食品関連事業者の再生利用等を推進する施策として、食品廃棄物処理の観点から、関係者である地方自治体との連携強化であるとか、登録再生利用事業者制度の活用促進によるリサイクル事業者の確保、環境省が行っている食品廃棄ゼロエリアという面的な取組の先進的事例の構築と周知などが挙げられています。
特に年間の食品廃棄物の発生量が100トン未満の小規模事業者の再生利用等実施率が低いことが明らかになっておりますので、スライド下段にあるように、小規模事業者でも取り組めるリサイクルの事例の情報発信を強化するとしております。
目標が据え置きとなった外食産業においては、業界団体としてマニュアル等の普及や、小売など他業種やリサイクル事業者など関係者との連携強化を行い、取組を推進していくということを記載しております。
11ページ、最後ですが、環境省の食品廃棄ゼロエリアのモデル事業の概要を示しています。
以上が、合同会合における審議結果の概要です。実際の改正案につきましては、資料1-2として基本方針(案)、資料1-3として省令改正案としてお配りしております。
私からは以上です。

堀切部会長
ありがとうございました。
ただいま御説明のあった内容について、御出席の委員の方々から御意見や御質問を頂ければと思います。どうぞよろしくお願いします。
ウェブで参加の方は、挙手ボタンを押していただければと思います。よろしくお願いします。
江口委員、お願いいたします。

江口委員
質問ですが、6ページ目の参考の資料で添付されている中で、納品期限緩和のところに、効果としては製造段階での廃棄の削減と書かれていて、食品小売段階に○が付いているのでが、これはどういう効果を言っているのでしょうか。食品小売段階が一緒になってやらなければ、全体が効果が出ないというのは何となく分かるのですが、食品小売段階にどんな効果という話になると分からないので、質問させていただきました。

堀切部会長
では、よろしくお願いします。

鈴木食品ロス・リサイクル対策室長
おはようございます。農林水産省の食品ロス・リサイクル対策室長の鈴木でございます。よろしくお願いします。御質問ありがとうございます。
今御指摘の点、○と書いてありますが、委員御発言のとおり、小売段階が他の業種と一緒になって動くことによって効果が出るというふうに考えてございます。その意味で、小売段階でどのような効果が出るというような形でお示しするよりも、連携して示すこと、サプライチェーンで取り組むことが重要だということで○という表現でさせていただいてございます。ありがとうございます。

江口委員
分かりました。

堀切部会長
他に御意見、御質問等ございますでしょうか。
栗田委員、お願いします。

栗田委員
以前の説明の時にもお話ししたのですが、我々食品製造業として、リードタイムが長くなったという印象が全くないのですが、どこからもそういうお話を頂いていないのに○になっているのは、どこか他の業態では起きているのでしょうか。私たち惣菜業界では、お客様からのリードタイムの変化が全くない状況で、相変わらず同じようなパターンになっている状態なのに、○が付いている理由がよく分からないのですが、教えていただければ助かります。

堀切部会長
では、御回答、お願いします。

五十嵐外食・食文化課長
御質問ありがとうございました。
リードタイムの延長については、一部の業態においては取り組んだ結果、効果がありましたが、栗田委員御指摘のとおり、食品業界全体としては取組道半ばというところだと思います。特に惣菜業界もそうですし、乳飲料メーカーの方も取組が遅れているということで我々に意見が届いております。
これまでは納品期限の緩和に役所としても力を入れて取り組んだ結果、一定の成果が上がってきて、これは引き続き行っていきますが、リードタイムの延長についてはまだまだ不十分ということで、来年度からはここについてもしっかりと取り組んでいこうと思っています。
そのやり方としては、官、民、消費者の皆さんを構成員とする、特に民としては業界を代表する団体、大手企業の方に入って頂いて、情報連絡会といったものを設けております。そこで国が旗を振って進めていくとともに、また、予算事業においても、AIなどを活用した実証支援を行っていくこととしておりますので、ここは重点的に取り組んでいきたいと思っております。

栗田委員
ありがとうございます。

堀切部会長
赤松委員、お願いいたします。

赤松委員
こちらの資料のことで一言述べさせていただきます。
私は、発生抑制の中でも、この需要に見合った製造、販売というのが一番重要であると思っております。よって、この順番は一番上に持ってきていただきたかったと思っています。次のページにもありますとおり、AIによる需要予測推進、このような取組は、需要に見合った製造、販売につながるので、是非農水省でも力を入れていただきたいと思っています。
また、外食の方に関しましては、食べきり推進、食べきりの運動などが最近様々な自治体で行われていますが、適量提供をしないで食べきりを推進すると肥満など別の健康問題が起こってしまいますので、その点についても配慮いただき、推進いただきたいと思っております。
以上です。

堀切部会長
では、御回答、お願いします。

五十嵐外食・食文化課長
御指摘ありがとうございます。
資料の順番は、前の審議会の資料ということもありますが、いずれにしても委員おっしゃる通り、我々も同じ認識です。食品リサイクル法の基本方針において、取組の優先順位を掲げておりまして、発生抑制は、何にも増して一番であるということは現行の基本方針でも、それから新たな基本方針にも記載をしていまして、そこにまず取り組むこととしています。当然出さないのが一番よいということでございます。そのために、委員御指摘のとおり、需要予測をきっちりするということは効果的な施策だと思います。
先ほども御説明しましたが、AI等新たな技術を使ってそこをより効果的にできるように、まず実証について来年度の予算事業で支援をしていくこととしておりますので、ここはきちんと取り組んでいきたいと思っております。
食べきりの件に関してもごもっともだと思いますので、これは外食事業者・外食団体とも連携して今後進めていきたいと思っております。

堀切部会長
ウェブで御出席いただいております高槻委員から手が挙がっておりますので、高槻委員、お願いいたします。

高槻委員
高槻です。聞こえますか。大丈夫ですか。

堀切部会長
はい、よく聞こえます。

高槻委員
持ち帰りの推進という話が、今表示されているページもありますし、他にも書かれておりまして、事前に説明を受けた後に、精緻に調べたわけじゃなくて少し調べたのですが、例えばアメリカとかシンガポールあるいはマレーシアのような国々では、この持ち帰りというのはごく当たり前に行われているのに対して、我が国ではそんなに一般的ではないということで、その理由を本当にざっと調べたのですが、一番大きいのは法律の体系の違いで、我々は大陸法で英米法ではないということです。英米法でないと、事故が起きたときの訴訟というか、その後の問題の対応が非常に事業者側から見ると大変ということで、そう簡単に広がらないというのが現実だろうと思います。
その法律的な違いという話をした上で、友人の外食経営者に何人か聞いてみたところ、もちろん資源という観点では持ち帰りは推進したいのだが、一番怖いのは風評被害だと思います。要するに、きちんと衛生管理もしているし、安全な状態でパックしてお持ち帰りしていただけるような運営というか経営をしているが、それを持ち帰ったお客様の中に悪意等があって、SNSなどを使って、どこどこのレストランに行って持ち帰って食べたら、お腹が痛くなったというようなことを書かれてしまうと、それが事実でなかったとしても重大な影響がお店側に起きてしまう。
したがって、なかなか積極的にお持ち帰りの推進というのも、経営側ではやりにくいのだということを言っており、では、どうしたらいいのだという議論もしたところ、例えば農林水産省なのか厚生労働省なのか、権威のあるところが、このレストランはちゃんとした衛生管理をしている。したがって、持ち帰りを推奨されるお店ですというようなマークというかシールというか、そういうものを渡すということをやっておいていただければ、もちろんお店側が衛生管理上ミスがあれば別の問題なのですが、ルールどおりやっている限りにおいて、風評被害等が起きても、そこはちゃんとしたお持ち帰りができる体制が整え、対応できるという話をしている人が何人かおりました。
この辺り書いてあることは間違いないのですが、実際に持ち帰りを普及させようとすると、そう簡単ではないと思っておりまして、何かこの辺りの施策というのは農林水産省としては考えておられるかを教えていただければと思います。

堀切部会長
ありがとうございます。
それでは、お持ち帰りに関して。

五十嵐外食・食文化課長
御意見ありがとうございます。
食べ残し持ち帰り促進は、これまでソフト的に農林水産省も含めて政府全体で進めてきましたが、今般さらにステップアップして、消費者庁と厚生労働省で「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」を策定されています。これまでも食べ残しを推進していましたが、例えば事業者が、先ほど法律の話も出ましたが、民事上とか衛生上留意すべき事項や、あとは一方で、消費者に求められる行動とか自主自己責任の件も含めて政府のメッセージとしてきちんと整理をされていなかったというところもありますので、今回、「食べ残し持ち帰り促進ガイドライン」といった形で示しております。
委員御指摘の意見はとてもよい意見だと思いますが、まずガイドラインを普及して、その後、もしかすると、これを守っている外食事業者はマークを付けるということはこの先にあるのかなと思います。いずれにしろ、まず農林水産省としては、関係省庁とも連携して、このガイドラインを普及させていくといったことを、来年度はまず取り組んでいきたいと思っております。

高槻委員
分かりました。ありがとうございます。

堀切部会長
よろしいでしょうか。
他に、いかがでしょうか。
工藤委員、お願いいたします。

工藤委員
御説明ありがとうございました。
6ページになりますが、言葉の説明として、未利用食品というのは明確な定義のようなものはあるのでしょうか。それをお尋ねしたいと思います。

堀切部会長
未利用食品の定義について御質問がありました。

五十嵐外食・食文化課長
企業から出た未利用の食品について、フードバンクなどに寄附を促進するガイドラインを政府で作っております。未利用食品の定義が定められているとしたらそのガイドラインにあると思います。今調べておりますので、少々お時間をください。

工藤委員
ありがとうございました。
例えば、各段階で未利用食品はやはり違うのかなと私は思うのですが、未利用食品が当然一定量出ると思うのですが、一定量常に出た方がいいのか、それが寄附に回るから、寄附されるフードバンクのようなものは潤うのかというところもあるので、食品ロスのときにこの問題が出てきます。その辺りが消費者としても、未利用食品というのがきちんとしたものであるかということが知りたいということと、それがどう運用されていくのか、使われていくのかというのが気になります。ありがとうございました。

堀切部会長
では、後で答えを頂きます。
それでは、ウェブ出席いただいています吉高委員の方から手が挙がっておりますので、吉高委員、お願いします。

吉高委員
ありがとうございます。
御質問です。資料8ページの3番にあります有価証券報告書や統合報告書での開示について、どの辺りまで御検討されているのか教えてください。両方での開示ということになりますと、私が金融庁の方で関係しております点から、あまり話題なども出てきておりませんが、省令改正というのは、どの辺りのどういうことを言っていらっしゃるのかを是非詳しく教えていただきたいと思います。
あともう一点は、今回の背景として、コロナの影響についてはあるのですが、今後やはりサプライチェーンを考えますと、本当に地勢学リスク的なものとか、エネルギーの高騰、インフレなど相当これから5年間でサプライチェーンの影響というのは変わると思いまして、その際の影響というのは、今回のこの全体の今考えているものと、5年後に起こり得ることの影響というのはどのようにお考えなのか、この2点についてお願いいたします。

五十嵐外食・食文化課長
御質問ありがとうございます。
有価証券報告書などの件については、実際に省令の方には、情報の提供をしてくださいということで、具体的には未利用食品を寄附した量や、食品廃棄物の発生量等について、情報を分かりやすい形で提供するように努めてくださいねということで規定されています。その中の例示として有価証券報告書や統合報告書、あとはインターネットを利用するなどといったことが規定されています。例示といったことでございますので、上場企業の方は有価証券報告書などに記載していただくということもありますし、それ以外の方はサステナビリティレポートなどとか、どのような形でも構わないので取組を発信して、投資家も含めて消費者など一般の皆さんに評価をしていただいて、企業のさらなる取組を促進していくといったことを狙いとしています。

吉高委員
すみません。ちょっと音声が途切れ途切れなので、もう少し。確実に理解できていたか分からないのでもう一度、後ほどで構いませんので教えてください。

五十嵐外食・食文化課長
失礼しました。聞こえておりますでしょうか。

吉高委員
はい。今は大丈夫です。

五十嵐外食・食文化課長
省令の改正は、実際にどのような形でしているかというと、食品関連事業者は、未利用食品など寄附した量や、食品廃棄物の発生量等について情報提供に努めてくださいといったことを規定していて、その例示として、有価証券報告書、統合報告書など、その他インターネットの利用の方法によって提供してくださいねといった規定になっております。
一般的に上場企業であれば、有価証券報告書、統合報告書などもあると思いますが、それ以外にもサステナビリティレポート、環境レポートに記載していただくことでも結構です。狙いとしていることは、食品関連事業者が一生懸命取り組んでいらっしゃることを公表して、投資家も含めて世の中の方々にきちんと評価していただき、企業におけるさらなる取組を促進するということです。

赤松委員
少し確認してよろしいでしょうか。それは未利用食品をたくさん提供している方がよい会社ということを期待しているのでしょうか。

五十嵐外食・食文化課長
これなかなか難しくて、我々、食品産業を振興する部局ということもありますが、最終的には、食品廃棄物がゼロとなることが望ましいと思っています。需給予測でばっちり需要と供給が一致しているのが無駄がなく企業にとっても望ましいといったことにもなると思いますが、ただ、現実的には当然そうはなっていなくて、今後も、なかなかそこがゼロになるというのは難しいと思っています。なるべくゼロに近づけていく努力はするということです。ただ、そこに現に発生してしまったものがあるので、そこは食品ロスをしない、発生抑制といった観点から、寄附を促進するということだと思います。

赤松委員
その点は、気を付けていただかないと、何かわざわざ、未利用食品を増やそうということにならないか心配します。

吉高委員
ありがとうございます。
一応、有価証券報告書、サステナビリティ記載欄というのは、金融庁でも、その企業のリスクや機会について投資家に説明するということとされているので、今御質問ありましたように、企業の価値にどう関係するかということをある程度ベースがないと、統合報告書もそうですが、ただ努めましょうだけですと、基本的にそれに関わらないとなかなか開示につながらないので、提示などをやる必要があるのかなと思いました。

赤松委員
同意見です。

五十嵐外食・食文化課長
御意見ありがとうございました。今後、実際に省令改正した後に、その点も分かりやすいような形で企業の皆さんに伝えていきたいと思います。

堀切部会長
今お二人からあったように、あくまでも発生抑制というのが基本的なことで、どうしても発生してしまった後、それをどうするかという話が利用なので、それがおかしな条文にならないようにしていただくということが大事ということですね。ありがとうございます。
他に御意見、御質問はないでしょうか。
栗田委員、どうぞ。

栗田委員
今の未利用食品の寄附についてですが、弊社でも寄附はしているのですが、新規に出てきたフードパントリーさんから、保管場所、冷蔵庫がないということをよく相談を受けます。弊社にいらっしゃる一番最初に取り組んだ方が、偶然近所の市場が閉鎖に近い状態の場所を借りてやっていらっしゃるので、一番いい環境でフードパントリーさんとして、こども食堂さんにもたくさんお分けになっています。
新規に手を挙げた方は、なかなかそういう場所がないということで、取組が前に進んでなく、弊社みたく大量に出す企業じゃないところも近所にあるフードパントリーに出したいが、安全性の点で、冷蔵庫のあるところじゃないとなかなか出せない、冷凍庫のあるところじゃなければ出せないというところが解決しないのかなと思います。その辺についての援助する何か施策が必要じゃないかなと思っています。
私もフードパントリーさんに聞いたことはないのですが、フードパントリーさんてどうやって運営しているのだろうと、たまに思うことあるのですが、ボランティアだけでやっていらっしゃるのかと。一回本人に聞いてみればいいのでしょうが、何か例えば家賃を援助するとかあるのでしょうか。是非教えていただけると助かります。

堀切部会長
はい、御回答、お願いします。

鈴木食品ロス・リサイクル対策室長
御質問ありがとうございます。
保管場所、また冷蔵庫とか、こういったものが重要だということ、我々も認識しております。
農林水産省の中で食品アクセスを担当している消費・安全局というところがありますが、そこで保管用倉庫費なども補助で対応してございます。
それから、食品事業者さん、物流業者さん、フードパントリーさん、フードバンクさん、こういったいろいろな方々が連携して動くということが非常に重要だと認識しておりまして、そういったところを我々食品産業部で連携を促すような取組を支援しているところでございます。ありがとうございます。

堀切部会長
はい、どうぞ、お願いします。

五十嵐外食・食文化課長
あともう一つ、栗田委員の方からフードパントリーのお話がありました。
フードパントリーではなくてフードバンクの関係ですが、現在、消費者庁の方できちんとした一定の管理責任を果たすことができるフードバンクを認証しようといった検討をしております。来年度は実証的にまず認証をやってみて、うまくいけば、その翌年度から認証制度を開始することも聞いておりますので、もしそれがうまくいくと、信頼できるフードバンクだねということが分かるので、企業側の方は安心して寄附をできるといった流れができてくると思います。
それと、先ほど工藤委員から質問があった件ですが、未利用食品は、ガイドラインでの定義はありませんでした。一般的に我々が未利用食品という用語を使用する場合、関係者間で合意が取れている意味としては、製造メーカーなど食品関連企業において製造等の過程で出てきたもので、まだ食べられるものといった認識でおります。具体的には、納品期限や販売期限が過ぎてしまったものとか、あとは、食品表示の印字ミスで、品質には全く問題ないが販売できないものとか、あとは箱がつぶれてしまったものとか等を想定して未利用食品といった言葉を使っております。

堀切部会長
他に御質問、御意見等は、ございますでしょうか。
ウェブで御出席いただいております大橋委員が11時で御退出の予定ですが、その前に何か御意見、御質問等ございますでしょうか。

大橋委員
御丁寧にありがとうございます。
まだしばらくいられます。ありがとうございます。

堀切部会長
何かありましたら、その時点でよろしくお願いいたします。

大橋委員
はい。

堀切部会長
よろしいでしょうか。
ありがとうございました。他に御意見、御質問は、ないでしょうか。
では、事務局の方からお願いします。

五十嵐外食・食文化課長
すみません、失礼しました。吉高委員からあった2番目の御質問がまだご回答ができていないと思いますので、そこを御回答させていただければと思います。
4ページを御覧いただければと思いますが、目標設定する際、どういった考え方で設定をしたかということでございます。
資料には、食ロスの発生実績の趨勢を基本とする予測とございますが、これは、指数関数を用いてかなり長い期間を取ってこの予測をしております。それに加えて、昨今の劇的な変化であるコロナの影響と、その間に起きた消費者の行動の変容も加味して作っておりますので、今後5年間、仮に1、2年間の何らかの変化があったとしても、指数関数でやっておりますので、そこまで大きくずれていくことはないかなと思っております。
仮にずれた場合には、今後もまた見直しの機会がありますので、それを加味してまた設定をしていくといったことかと思います。

吉高委員
御回答ありがとうございました。
気候変動とか異常気象とか、あまりにもこれまでの趨勢と違うものが非常に起こっているので、それに関連してこういった食品循環のことも欧州で来ているものですから、この長い趨勢というのもちょっと分からなかったので御確認いただきました。ありがとうございます。是非そういうところもきちんと見直していただければと思います。よろしくお願いします。

堀切部会長
ありがとうございました。
他に御意見、御質問等は、ございませんでしょうか。
それでは、更なる御意見、御質問ないようでしたら、今回の食品リサイクル法に基づく基本方針の制定等については、この部会で審議し、異論がないということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

堀切部会長
ありがとうございます。
本部会の議決につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第6項の規定によりまして、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど食料・農業・農村政策審議会として御了承いただいた内容として農林水産大臣に答申を行いたいと存じます。よろしくお願いいたします。
さて、次の報告事項でございます。
「改正物流効率化法に基づく基本方針等について」、事務局からの説明後、意見交換させていただきます。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

丸田物流生産性向上推進室長
食品流通課物流生産性向上推進室長の丸田と申します。よろしくお願いいたします。
報告事項ということで、資料2-1の「改正物流効率化法に基づく基本方針等について」でございますが、最初の1ページ目を御説明させていただきます。
表紙をおめくりいただきまして、改正物流効率化法に基づく基本方針等についてでございます。
昨年5月に公布された改正法によりまして、今年の4月から「流通業務の総合化及び効率化に関する法律」が、「物資の流通の効率化に関する法律」に改正ということで、いわゆる物流効率化法、新物効法に改められました。そして、荷主・物流事業者に対する規制的措置が追加されております。
二つ目でございますが、物流効率化法に基づく政省令、基本方針、こちらは告示でございますが、これらを定めるに当たりましては、法律上、審議会への意見聴取は求められておりません。ただし、幅広く関係者の意見を聴くべきということで省庁の方で検討いたしまして、3省合同の審議会を開催するということとさせていただきました。
立て付けにつきましては下の図のとおりでございますが、3省共管の法律になっておりまして、国土交通省の交通政策審議会、経済産業省の産業構造審議会、それから農林水産省の食料・農業・農村政策審議会、これらのそれぞれの小委員会等ということで、農林水産省の審議会でいえば物流小委員会が合同会議に参画いたしまして議論を行いました。
こちらの合同会議の議論の結果につきましては、物流小委員会の座長であります矢野先生に御説明をお願いできればと思います。矢野先生、よろしくお願いいたします。

矢野物流小委員会座長
流通経済大学の矢野でございます。
まず、今ドライバー不足というのがいろいろなところで話題になっております。実際に非常に高齢化が進んでいまして、なかなか若い人が入ってこないという問題を抱えています。給料が、産業全体に比べて相当安いこと、さらに、労働時間が長いこと、こういうことが問題になっていまして、今後ドライバーが大きく減っていくだろうということが予想されています。
そういう中で、2022年より持続可能な物流の検討会というのが開催され、これにつきましては、先ほどありました国交省、経産省、それから農水省の3省でずっと検討してきたという経緯があります。
もともと物流の話というのは、どちらかというと国交省の物流事業者というところでどうやって対応するかという議論が中心だったのですが、なかなか物流事業者が検討できる、対応できる範囲というのが限られているために、どうしても荷主企業、実際荷物を運んでくれと頼む方の荷主企業も一緒になって取り組まないとなかなか難しいということで、農林水産省、それから経済産業省も含めて一緒に持続可能な検討会を開催され、さらに、2023年3月に関係閣僚会議で物流変革に向けて首相も含めた会議が開かれ、その後、いろいろ政策パッケージが発表されているという現状です。
中身は、いわゆる効率化という議論も当然なのですが、商慣行の見直し、あるいは企業あるいは消費者の行動変容といったことも含めて検討してきた経緯があります。そういう中で、確かにいろいろな形で物流を何とかしようというところでアクションプラン等も作ってきたのですが、なかなか頑張ってよと言っても直らないというところがありまして、いわゆる規制的措置を導入していくことを考えようと、そうせざるを得ないというところから、今から御説明いたします物流効率化法を改正して取り組んでいこうというのが現状ということです。
さらに、2024年4月から、2024年問題というふうに言われますが、いわゆる働き方改革の流れで時間外労働の上限規制がドライバーについては5年延期されていたのですが、去年4月から適用されました。これが実施されると、もちろんドライバーの労働環境の改善ということはあるのですが、どうしても供給能力が落ちてしまうということもあって、それも含めて何とかしていかなくてはいけない、物流改革をしていかなくてはいけないという流れで、この規制的措置を導入していこうという流れになっております。
資料2-1の2ページに、今回適用される、名前は長いのですが、物流効率化法という形で言っておりますが、このままでいくと、2024年に14%需要に対して供給が間に合わない。さらに、2030年においては34%不足するという予測が出ていて、これを何とか埋めていかなくてはいけないということの中で、荷主、それから物流事業者に対する規制的措置、つまり取り組むべき施策、措置というのがあるのですが、それに対して努力義務を課して、さらに、幾つかの判断基準の中でそれを守らない場合に対しては、勧告、命令も含めて対応していくという内容が今回のこの法律ということでございます。
そういう形で今回はこの法律が出来上がっているということで、具体的に3ページにポイントということで書いてあります。
効率化をいかに行っていくか。特にドライバーの拘束時間が非常に長くなっているという問題があります。ドライバーの拘束時間というと、運転時間が長いという感じはするのですが、それ以外にも、いわゆる荷待ち時間、これは物流センターに行っても、積むあるいは下ろすまでに2時間ぐらい待たさせるという荷待ち時間が相当発生している。あるいは荷役、積み下ろしの時間も多く発生しているという問題があります。
右側の円グラフがありますが、大体1運行当たり12時間半ぐらいなのですが、そのうちの1時間半が荷役、それから1時間半が荷待ち時間という現状になっています。もちろん運転時間はなかなか急に短くならないわけで、ここの荷待ち時間、荷役時間をとにかく減らしていこうと、そこで無駄が出ているということで、これを減らしていこうというのが、特に今回の規制的措置の中でも非常に重要なポイントになっています。
今こういう形で3時間超えになっているのですが、1運行当たりの荷待ち・荷役時間について、計2時間以内にしていくようにしましょうということ、さらに、積載効率が今大体4割ぐらいですが、積載効率を上げていこうということで、50%を5割の車両でやっていこうという形で目標があり、そして、それに向けて様々な施策を打っていこうというのが今回の法律の中身ということです。
そして、4ページがその判断基準ということですが、これは荷主企業に対して積載効率を向上する、あるいは荷待ち時間を短縮する、あるいは荷役等時間を短縮するということが一応今回の大きな視点になっています。
先ほど申し上げましたように、4割ぐらいの積載効率になっていますので、ここをいかにうまく束ねていくか、あるいは適切なリードタイムで持っていくとか、あるいはロットも非常に小ロットになっていますので、ここを何とか上げていくということによって積載効率を向上する。
さらに、荷待ち時間についても、トラック予約受付システムを導入するとか、あるいは計画的に車を入れていくとか、さらに、荷役時間の短縮ですが、特に手で積んだり、手で下ろしたりという作業が残っている部分が結構あります。そこの部分については、例えば10トン車ですと、大体積むのに2時間、下ろすのに2時間と、それぐらいかかっていますので、いかにパレット化して、フォークリフトで下ろすかと。こうなると15分ぐらいでいきますので、変えていくということが重要なポイントになっているということになります。
それで、実際に規制的措置を導入する。これは全事業者が本来守るべきところなのですが、特に特定事業者ということで、貨物量が多い荷主に対してきちんと現状把握をし、そしてきちんと計画を立ててくれということを要請しているという形になっています。
それが4ページの下ですが、荷主については、発あるいは着、それぞれ9万トン以上ということが一応基準になっていて、それ以上の事業者が特定事業者ということできちんとした現状把握、それから計画を立てていくということになっています。
実際に多くの事業者を見ていますと、自分のところからどれぐらい荷物が出しているかというのは大体は把握しているのですが、着の方は、つまり荷物が到着するのにどれぐらい車両が入っているかほとんど把握していない。ましてやこういう荷待ち時間というのがどれぐらい発生しているかについて、さらに、どうしてこう長くなっているのか、この辺についてはほとんど把握していないという現状があります。この辺も含めてきちんとした計画を立ててくれと、これが今回の大きな流れになっているということになります。
そして、5ページが今後のスケジュールということで、3省の合同会議をずっとやってまいりました。さらに、昨年パブリックコメントを実施し、さらに法律を施行するための省令等についてのパブリックコメントも終わりました。まだ特定事業者とか、さらに、物流統括管理者のところは今から細かく決めていくのですが、一応スケジュールとしてはこういう形で施行していくという状況になっています。
2024年問題ということで大きく問題になったわけですが、今のところ運べないというところまではあまり起きていないのではないかなと思います。これは幾つかの理由があるとは思うのですが、一つは、やはり荷動き量が非常にこの頃落ちていて、10%ぐらい落ちているというふうに言われています。これは物価が上がっているとかいろいろな理由があると思いますが、結果的には、今運べないということはほとんど起きていないと思われます。ただ、運賃の方は相当上がってきていると言われていて、これはあくまでもスポット的ですが、去年12月ですと、2010年に比べてですが、148という今までで一番高い値が出ていて、やはり運賃は相当上がってきています。
それから、特に長距離輸送が上がってきている可能性が高いのかなと思います。実際に、今回のこういう法律施行もあるのですが、中小物流事業者が長距離の輸送から撤退というのが出てきていて、今後特に長距離輸送が切迫する可能性が高いのかなと思われます。
その中で、これはあくまでも2021年時点の調査なのですが、いわゆるドライバーの拘束時間、これは運転とか荷役とか荷待ち時間全部合計した拘束時間というのがあるのですが、これが一番長いのが加工食品、飲料、それから2番目に長いのが農産品、水産品、この辺が一番長い。いわゆる農水さんが絡んでいるところが一番長いのです。こういう状況があって、当然そういうところが一番影響を受ける可能性が高いということになります。
特に現状で聞いていると、農産物というのがやはり一番影響を受ける可能性が高くて、他の品目に比べて長距離輸送が多いという状況があります。例えば東京都の中央卸売市場ですと、500キロメートル以上、長距離という言い方をしますが、これが大体重量ベースで、野菜ですと36%ぐらい占めています。ところが、関西になると60%ぐらいいっているのです。東京は千葉・茨城県があるので、近くから入ってくるので、意外に影響が少なくて、逆に大阪など関西は近くにないものですから、6割を超えてしまっている。あるいは福岡とか北海道なんかも3割を超えている。意外に地方だから地産地消かという話はそうでもなくて、全国の消費地が相当長距離で運んでいる現状があるという状況です。特に農産物、水産物等はそういう特色があるということになります。非常に影響を受けやすい。
それから、パレット化が非常に遅れているという現状があります。特に長距離輸送になるとパレット化はあまりしたがらないのです。これは理由があって、パレット化すると、いわゆる手積み、手下ろしに比べて積載率が2割ぐらい落ちるのです。ですから、一生懸命手で積んで下ろしてというのは特に長距離輸送でやるものですから、例えば九州から東京に持ってきて、それが手積み・手下ろしでやるというパターンが非常に多いという現状があります。
さらに例えば休息期間というのも延長するというのが適用されるのですが、そうすると、九州から東京に向かうのに、今までですと、大抵は3日目販売ということになっていたのですが、きちんと守ると4日目にしかなかなか販売できない。フェリーを使うとある程度適用できるのですが、フェリーになりますと、運賃がかかってきますので高くなるという問題を抱えていて、特に長距離輸送をせざるを得ない農産物については相当影響が大きい可能性が高いということかなと思います。
いずれにせよ、農産物・水産物系統はもともと貨物量の変動が大きいということがありますので、物流からいうと平準化をするのが一番効率化するのですが、これがしづらいという問題を抱えていて、今後どう対応するか。逆に言うと、物流事業者からいうと、ちょっと言い方は悪いかもしれないですが、敬遠したがる品目になっているということも間違いないという現状かなと思います。
先ほど申し上げたように、特に長距離については今後運賃が相当上がっていく可能性が高い中、2024年問題というわけではなくて、その前から生産地から消費地向けの市場向けの輸送の際に、従来ですと5か所ぐらいの市場に結構持っていくということが多かったのですが、最近は2か所ぐらいしか持っていけないかと。そこで、あとは自分たちで何とかしてねみたいな形が多くて、そういう意味では大きな卸売市場に集中化する傾向が強まっている。逆に言うと、小さな市場あるいは地方部などではなかなか集まってこない、自ら取りにいかなくてはいけないとか、そういうような現状も相当出てきていて、今回の、いわゆるドライバー不足問題、それから時間外労働の上限規制というのは、特に農産物・水産物については非常に影響を受けやすいのかなと思います。
さらに、加工食品あるいは飲料なども、他のものに比べて非常に小ロットで動いている。特に消費期限等があるために、一個一個、一つ一つの単位が非常にロットが小さいという特色を持っているために、物流コストが上がりやすいのです。そういうことで、いずれにせよ、一番影響を受けやすい食品、生鮮品ということで、今後いろいろな意味で対応が求められていることかなと思います。
物流は複雑で、卸売市場も非常に複雑ですし、加工食品でも小売業界の物流センターの運営等も非常に今ややこしくなっていて、その辺はやはり実際の現状に合わせた形でどうやってこれを適用していくか、この辺の議論は相当今から細かくやっていかないとなかなか難しいかなと思います。他の業種に比べても、特に農水さん関係は難しいかなと思っています。ただ、これが実効性あるものに持っていかなくてはいけないので、実情に合わせた形でこの法律を運用していくことが非常に重要かなと思っています。
以上でございます。

堀切部会長
矢野先生、ありがとうございました。
ただいま御説明があった内容につきまして、御意見、御質問を頂ければと思います。
江口委員、お願いします。

江口委員
物流の関係で食品が非常にタイトだというのは、確かにそのとおりで、我々も、最初は4社で始まったのですが、現在は19社で、売上げ規模でいうと6.4兆円という規模の企業が集まって、SM物流研究会というのを立ち上げました。参加企業は、全体の効率化につながることについては、各社の事情ではなく、全体のために取り組みしましょうということで、納品期限に関して3分の1を2分の1ルールに統一しましょう、定番商品の発注時間を見直しましょう、特売商品は1週間前に確定しましょうとかを、まずは加工食品から始めているところです。そういうことを流通全体の効率化のために取り組んでいます。
あと、センターの入荷時間の予約システムを入れるということ、これは当初15%から20%ぐらいが2時間超過だったのですが、今や5%以下ということで、効果はあるなと思っていますが、ただ、取組を進めて成果が出てくると違った課題も出てきて、固定されると、他のところを回ってくる時間がなくなるみたいな新たな悩みもあるようです。予約するのはいいのだが、すると今度は固定化されてしまってみたいなこともあって、そこを何とかしてほしいという要望も出てきて、物流は非常に難しいなと感じています。
ただ、まずは全体の2時間超過をなくすということについては、予約システムを入れると非常に効果が出るというのははっきりとしてきましたので、そういうことを地道に加工食品からやり始めて効果が出ていますので、次は生鮮食品にも取り組もうとなっています。これは市場が絡むので、我々としてどこまで何ができるかというのは非常に難しい課題だと考えています。
それから、チルド加工食品系は、いろいろリードタイムとかの課題があるのは確かなのですが、これを変えたりすると、ロスの関係がやはり小売業にも増える可能性もありますし、何よりも人の配置の問題もあって、お店に対する納品時間が変わると、そのときに人が手当てできるかどうかというので今非常に悩んでいて、みんな今までは朝全部入れていたものを、朝と昼に分ける。そうすると、朝は人が余ってしまうのですが、昼になると働いてくれる人がなかなかいなくて作業が追いつかないみたいな、こういう問題も実はあって、今現場では非常に苦労しながらオペレーションも変えているということでございます。
そういうこともやりながら、この法律に適切に対応しているという動きは、ひとつ大きく出来上がっているということを御報告させていただきます。

堀切部会長
ありがとうございます。小売業サイドからの取組について、江口委員から御報告がありました。
他に御意見はございますでしょうか。

吉田委員
吉田でございます。
私は、豊洲の卸売市場におりますので、先ほどから先生がいろいろ説明いただいた、特に生鮮、凍っていないもの、日持ちのしないものを取り扱っています。豊洲市場というのは、青果もですが、魚がかなり有名なところなので、その中の生鮮については、2024年問題について相当影響を受けている段階です。もちろん運賃が去年一年間で2回も3回も値上げされ、合計で20%、30%ぐらい上昇しているところがあって、それをコストに転嫁しなくてはいけないという問題があります。生鮮に関しては、先ほど矢野先生が、長距離を受ける業者が大分減っている、減るのではないかと、おっしゃるとおりだと思います。
例えば、北海道と東京を例に挙げますと、直送で来ると今までは13時間ぐらいかかりますが、これを維持することは無理かもしれないなと思います。最近の法律において、長距離トラックは高速を4時間走ったら30分休憩しなさいということなので、これでやっていると、生鮮のものはまず間に合わない。また、4時間走って30分どこで休憩するかについて、高速道路のPAが満杯の状態で休みようがないというところも出てくる。そのことを考えると、物流全体を2024年問題、物効法にどう対応するかという具体案を、これからさらに、作っていくのだと思いますが、トラックだけ見ていても、日本の特に生鮮物流は全く変わらない。変わるにしろ、変わっていく改善のスピードが相当遅くなるのではないかと思います。
もちろん小売の仕方も含めて日持ちの、例えば前の議題でも出ています賞味期限、消費期限をどうするか、リサイクルどうするか。そうすると、JR貨物を使おうかとか、フェリーをもっと使おうとなると、鮮度が落ちるとか、複雑な問題がいろいろ出てきますので、これを全体的に考えていく必要があると思います。特に生鮮については、という危惧を持っております。結果的に消費者に対する消費者の購買価格がどうしても上がってしまう、これでいいのかどうかという大きな問題を相当抱えておりますので、これについては時間をあまりかけないで、消費文化、特に生鮮に対する考え方を、根本的に変えていかないといけないのかなという気がします。
トラックの運転手さんは、今の給料では、これ以上増えない状況です。給料を上げるとまた物価が上がってくる、こういう悪いサイクルに入ってしまっています。しかし、大きな物事を変えるということになると、大きな視点から変えていかないといけないと思いますので、物効法に相当いろいろなものを突っ込んで長年議論をしてやっていかないといけないなと思います。
それと、一つの現実的な観点なのですが、着荷主ないしは発荷主の問題です。我々は着荷主の立場でございますが、生鮮というか農水産物と加工品の待ち時間が長いという御指摘がありました。一つの例として、豊洲市場はおかげさまで相当なお金を東京都、国にも補助いただいてかなり近代的な設備になって、この待ち時間に関しても築地時代に比べて大幅に改善していると思っております。
築地市場は古くて効率があまりよろしくないが、食品事故がほとんど起きていないということで、自慢をしていたのですが、豊洲に移ってからよくなったことはいっぱいあります。一つの例は、築地時代には、いわゆる待ち時間が相当あって、築地場内にトラックの10トン車が入っても、そこで数時間待たされる。つまり、荷下ろしができない状況で、理由は設備が古い、低温化設備がない、スペースも狭かったのです。したがって、築地場内の中で築地渋滞というのが、随分発生していたところです。豊洲に移って多少広くなって、低温化設備に対してもお金を相当かけましたが、そこで荷物を下ろしても荷物に対する悪影響はないという温度設定にしましたので、どちらかというとアイドルタイムの昼間に荷下ろしを豊洲市場が受けられるようになりました。築地時代は荷物を下ろしたら低温化設備ないため鮮度が落ちていたのですが、豊洲は低温化設備を作りましたので、暇な時間、昼過ぎにどんどん荷物を受け取っています。夜中の荷物というのは逆に減っており、効率がよくなりました。
トラックの運転手さんは、今、豊洲での滞留がかなり減っているはずです。それについては、トラックの運転手さんに貢献し、いわゆる2024年問題をまず減らすことについて随分貢献しているはずです。
これはどうしてできたかというと、設備がよくなったからで、お金の問題にかかってきます。豊洲市場は6,000億円かかっていますが、他の卸売市場はどうかというと、意外とそうでもないところもあると思います。だから、物事を効率化してよくするためには、どうしても最後はお金の問題にかかってくると思います。設備が高度化すると、今の問題はかなり解決します。これについては農林水産省さんだけでできるのかどうするのか、我々の審議会をもっと超えた問題になってくると思いますので、もっと大きな視点で考えていく必要があると思います。
意見と今の事情を少し御説明しました。すみません、長くなりました。

堀切部会長
ありがとうございます。
それでは、ウェブ出席の大橋委員から手が挙がっておりますので、よろしくお願いします。

大橋委員
合同会議の取りまとめは相当な前進だなと思って、丁寧に御説明いただいてありがとうございました。特定事業者に対する義務付けということで、多分御説明なかったのですが、恐らく私の理解は、この中期計画であるとか、あるいは管理者の設置に関する届出は、鉄建機構というかJRTTさんになされるというふうな理解で伺っていました。ということは、恐らく今回、特定事業者で農林水産省に関わる事業者は存在していないのかなというのが印象で伺っていました。
他方で、今回この特定事業者というのは、日本の物流の半分を占めるものを特定とするということですので、恐らく農林水産省的には、この上乗せで農産物の流通における大勢を占める事業者に対して、どうしていくのかということを考えていかないと、恐らく、御説明でもいただいたパレットの問題であるとか、そうしたものを解決するというのは相当難しいのかなというふうに全体としてお伺いしていました。
以上、コメントですが、感じたことを申し上げました。ありがとうございます。

堀切部会長
大橋委員、どうもありがとうございました。
では、事務局の方からお願いいたします。

丸田物流生産性向上推進室長
事務局でございます。大橋先生、ありがとうございます。今お話のありました計画の提出先につきましては、各荷主の所管大臣ということでございまして、農林水産関係でいいますと、農林水産大臣に提出ということになってございます。また、特定事業者3,200社を想定しておるところなのですが、その中の一定割合につきましては、農林水産関係も含まれると思っております。
以上でございます。

大橋委員
ありがとうございます。失礼しました。

堀切部会長
ありがとうございました。
他に御意見ございませんでしょうか。
難波委員、お願いいたします。

難波委員
弊社は清涼飲料と瓶詰めの食品を製造しております。やはり2024年、去年からトラックの集荷が、長距離のトラックがなかなか確保できないという状況にありまして、去年の夏ぐらいから、個人事業主の方が長距離で来てくださるようになりまして、関東の方から多いときには週4回ほど往復されて集荷に来てくださっているのですが、この法律だと、大手の事業者が指定ということでされていると思うのですが、その個人の事業主の方は、大手さんに規制を大分かけているということで、自分のところに仕事がたくさん来て、今すごく忙しいと。いい悪いは別として、今後、大手の事業者さんがされているところが、中小零細、個人事業主の方までこういう法が定められるようになるのかお聞きしたいなと思いまして、教えていただければと思います。

堀切部会長
御回答、よろしくお願いします。

丸田物流生産性向上推進室長
事務局でございます。
今、難波先生がおっしゃった部分というのは、トラック事業者さんのお話と理解いたしました。
この物流効率化法につきましては、トラック事業者につきましても努力義務、それから一定規模以上につきましては規制的措置がかかるということでございまして、そういう立て付けになっております。恐らくそういったものも含めまして、大きな事業者さんにつきましては、その他のいろいろなもろもろの法的規制もあって、なかなか動きづらいということで、個人事業主さん等にお仕事が割と来ているというような状況かと思っております。
そういった個人事業主さんにつきましても、今回の物流効率化法の努力義務という部分につきましては、規模の大小を問わず荷主、物流事業者、トラック事業者さん、それから関連事業者ということで倉庫事業者さんなどにつきましても、努力義務の対象となっておりまして、物流効率化に向けてお取組をしていただいて、その結果として対外的にこういったことで、効率化をしているのだというお話をしていただけるようなお取組ということをお願いしたいと思っております。
以上でございます。

堀切部会長
では、矢野先生、よろしくお願いします。

矢野物流小委員会座長
個人事業主というのが具体的にわからないのですが、実際に物流事業者は非常に多重下請になっております。実際の運送をしているのは結構小さいところなのです。大手が受けていても、元請があっても実際には3段階、4段階ということで、実運送のところは中小物流事業者がやっているという現状があります。そこのところも含めて、今回はそこの多重下請構造とのところもいろいろ見直しをしていて、先ほどでいいますと2ページのトラック事業者の取引に関する規制的措置というところで、別途今やっているということになります。
それから、個人事業主の意味が分からないのですが、例えば個人事業主はよくアマゾンで持ってくる軽貨物は個人事業主ですが、これについても2ページの3番のところに該当して、実はわりかし軽貨物は1人でやっているようなところも多く、非常に増えています。そこに安全面で問題が出ていて、きちんと管理をするという形で物流事業の方も非常に複雑な構造になっているところを、様々な形できちんと管理しようという流れになっているということになります。

堀切部会長
ありがとうございます。
他に、ご意見等ございますでしょうか。
では、栗田委員、お願いします。

栗田委員
弊社の状況を今確認していたのですが、物流費は、経費の何%を占めているのかと電卓をたたいたところ、11.5%ありました。同様に、原材料費が40%、労務費が22%を占めていました。
弊社では青森から愛知まで物流をかけている中、見直しをしていて、高齢の会社から今撤退しようとしています。やはり若い方が入ってこない会社が怖く、今一歩引いて出している状態で、若い従業員が入ってきている会社に乗せ変えをしようとしています。高齢の会社から、発注がなくなると会社が倒産してしまうと言われていて、今ちょっと悩んでいる状態です。
我々に対しての発注単位は1パックなので、ここを変えていただけると、もうちょっと違う形になるかと思います。昔は1ケース、6個とかそんな発注だったのですが、お惣菜は1パックが当たり前です。コンビニさんが2、3、4、スーパーさんは1、2、3、4と動いていきます。ケースで発注していただいているスーパーさんは2社ぐらいしかない状況です。110社ぐらいお客様はあるのですが、発注単位が少ない状態になっていて、その発注単位を少し上げるともう少し変わるような時代に来るのかなと思っています。今改めて11.5%って、そんなに払っていたと自分で感心していたのですが、もっと上がってくるのだろうと思っています。
もう一つの話としては、パレットの統一化について、大変ありがたいのですが、何度か申し上げていますとおり、スーパーマーケットさんのコンテナが千差万別で、最後の商品をコンテナに入れるところにも大きな労務費がかかるので、ここを早く対応を進めていただけると、変わってくるかなと思っていますので、御検討いただけるとうれしいです。

矢野物流小委員会座長
売上高に対する物流コスト比率は、トータルでいうと5%ぐらいです。ただ、食料品は率が高くて、今おっしゃったように10%ぐらいある可能性が高いです。これは物によって相当違うので、例えばお菓子みたいなのは相当高いですし、冷凍食品も当然に高いので、当然違いがありますが、大体5%から10%ぐらいが食品の平均ぐらいかなと思います。いずれにせよ、これが上がってくる可能性は当然あるのかなと思います。
それから、今おっしゃったように、ロットをまとめるのは非常に物流にとっては大きいと思います。今非常に小ロットで動いているために効率が悪い。これをいかにまとめるかというのは重要なポイントで、例えば毎日発注をかけなくてはいけないのか、多頻度で持っていかなくてはいけないのかという議論が当然あると思いますが、議論としては非常に重要だと思います。
それから、今通い箱の話ですが、パレットの標準化もあるのですが、通い箱も大型スーパーだと、下手するとクレートが七、八十種類ぐらいあります。各メーカーがあるいは卸しも含めてばらばらになっていて、これをいかに効率化するか。これは物流面、店舗にとっても効率化は非常に重要な点で、ある意味で物流の標準化のところは相当今からやっていくことによって、効率化するのではないかなと思います。

堀切部会長
ありがとうございます。
まだ御意見がございましたら、最後の時間の状況で、お願いしたいと思います。
それでは、次の議事にまいります。
「食品産業をめぐる情勢」について、事務局からの説明後、意見交換をさせていただきます。
それでは、事務局から説明をお願いします。

木村企画グループ長
改めまして、企画グループ長の木村でございます。よろしくお願いします。私から、資料3を御説明させていただきます。時間の関係もありますので、少し飛ばしぎみで御説明させていただきます。御容赦ください。
ページをおめくりいただきまして、3ページからになります。
食品産業に関しまして、中央に国内生産額とありますが、全GDPの約10%を占めているのは、農業・食品関連産業の114兆円でございます。
これに関しまして左下に、昨年6月に改正されました食料・農業・農村基本法の抜粋が記載されておりますが、今回、食料安全保障の確保ということで、第2条の4の食料の安定供給に「農業生産の基盤、食品産業の事業基盤」、こういったものをしっかり確保していくということが、今回明記されたということです。
それから、5のところに書いてありますが、食料の合理的な価格の形成については、「農業者、食品産業の事業者、消費者その他の食料システムの関係者により合理的な費用が考慮されるようにしなければならない」ということで、この食料の安定供給を食料システム全体で実現していこうとです。正にその中核に位置するのが食品産業であるということが位置付けられました。
具体的には、第20条ですが、食品産業の役割の重要性に鑑み、「持続的な供給に資する事業活動」、「事業基盤の強化」、「事業承継」、「農業との連携」、「流通の合理化」等々、こういったことを促進するための必要な施策を講じていこうということが去年6月に、基本法に位置付けられたということでございます。
今般これを受けて、現在行われている通常国会に、この食品産業関係の新しい改正案を提出することになっておりますので、その詳細を追って御紹介させていただきます。
ページをおめくりいただきまして5ページでございます。今回提出する法案の全体像を整理してございます。
今回の法律は、二つ柱がございます。一つは、左側ですが、コストを考慮した食品の価格形成を促していこうということで、約30年ぶりにデフレから脱却して物価上昇局面に入った中で、食品についても必要な価格転嫁を図っていく。そのために価格形成の仕組みを整備していこうということで、ここに書いてありますコストの把握・見える化をしていくとか、コストを考慮した取引の実施を促していくということで、コストを考慮した価格形成を実現していこうというのが柱の一つです。
それから、併せて右側でございますが、価格形成の協議会でも特に消費者団体の皆様から、単なる価格転嫁ではなく、併せて付加価値も向上させていくことで消費者の理解も得られるようにしていくという取組を、右側の食品産業の持続的な発展というところで後押ししていく制度を導入していきたいと思っております。
具体的な取組としては、(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)と書いてありますが、四つ主に記載しておりまして、まずは農林漁業者との安定的な取引関係の確立ということで、一次産業と食品産業の皆様との連携です。それから(イ)、今日もテーマになっておりますが、流通の合理化。それから(ウ)、これも今日、食品のロスがテーマになっておりますが、環境負荷低減の取組の促進、(エ)消費者の選択への寄与ということで、小売の食品スーパー等々の店頭で消費者の皆様に産地の情報だとかコストの情報を提供していくような取組を想定しております。この(ア)から(エ)に加えまして、※印のところに書いてありますが、技術の開発・利用、いわゆるフードテックの取組や、事業再編、企業の合併等の取組も併せて支援できるようにしていきます。
従来から、(イ)の流通の合理化を促す法律があるのですが、これを大幅に拡充する形にしまして、(ア)から(エ)の取組を含めて食品事業者の取組全般を後押しできるような制度に、今回大幅に拡充していきたいと思っております。
この二つを両方実現していくということが、今回の法律のポイントになっておりまして、一番下に書いてありますが、これらの両方を実現して消費者の理解を得ながら、この持続的な食料システムを確立していこうという法律案になっております。
6ページ、今申し上げた四つの柱、真ん中のところですが、(1)から(4)の内容の計画を食品事業者の皆様に作っていただいて、それを農林水産大臣が認定をしまして、認定を受けた場合には、一番右に書いてありますとおり、制度融資の低利の融資とか、税制特例等の支援が受けられるという食品事業者向けの支援制度になっております。
7ページ以降、具体例を幾つか掲載しておりますが、時間の関係上割愛させていただきますが、先ほど申し上げた四つの取組の方向に沿って、是非こういった計画を食品事業者の皆様には立てていただければということでございます。
それで、14ページまで飛んでいただきまして、この計画を食品事業者の方々に立てていただくと、このページにあるような支援がそれぞれ受けられるという制度になっております。
もう1ページおめくりいただくと、支援内容の詳細があります。低利の融資とか税制特例ということで、中小企業向けの税制やカーボンニュートラルの投資促進税制、事業再編の登記の税率軽減ということで、幅広く税制の特例を措置しております。
先ほどの四つの方向に関連するような、設備投資を行う際に御活用いただけるような特例を措置しておりますし、研究開発の面では一番右下に書いてありますが、公的研究機関が保有する研究施設とか設備、食品関係の分析機器等々ございますので、こういったものも民間事業者の皆様に、認定を受ければ活用していただけるような制度にしていきたいと思っております。
16ページ以降は、今申し上げた支援の詳細でございますので、これも割愛させていただきます。
少しページ飛びまして、今申し上げた話が食品事業者向けの付加価値向上の支援ということで、30ページから先ほど申し上げた二つの柱のもう一つの柱になりますが、合理的な価格形成ということで、32ページ左側にございますが、これまで日本は長い間デフレ下にあったということで、ここ2、3年でようやく物価が上昇してきました。その間、欧米諸国等々他国は着実に物価上昇をしてきていまして、今や日本は各国から物価の安い国だと言われる状況になっているということでございます。
右側にありますが、直近でこそ少し上がってきていますが、長い間ずっと食料も含めて物価が上がらない状況でございました。
次の33ページを御覧いただきまして、これは農業分野、左側が生産資材の価格指数ということで、肥料、飼料、家畜の餌等々の農業資材の価格です。これは、約3年前の2021年1月からのグラフになっていますが、徐々に上がりまして、2023年1月頃に、主に為替要因ですが、非常に大きく値上がりしてピークに至りまして、従来の約1.5倍ぐらいに、肥料、飼料が値上げされました。若干その後、落ち着きましたが、引き続き従来よりはかなり高い水準で推移してきております。
一方、右側の農産物の価格指数ということで、これは農家が販売するものの価格で、米、野菜、果実、鶏卵を取り上げて、同じ期間取っております。鶏卵だけは、鳥インフルエンザの影響がありまして大きく上がった年がありましたが、他の品目においては、上下はあるのですが、ずっとほぼ横ばいでした。2023年1月の段階でもほとんど上がっていないという状況でありました。直近、皆さん御案内のとおり、米が大きく値上がりしたり、野菜のキャベツ等々も値上がりしましたが、これまでずっと上がってこなかったことで農業者の皆さんは、生産資材は高いが、自分で販売するものは値上がりしないということで非常にこのギャップが経営を苦しめているという御意見を頂いております。ここを何とかしていこうということが、今回の法案の背景にございます。
34ページ以降、他のデータもございますが、割愛させていただきます。
飛びまして41ページ以降、具体的な制度の話になりますが、42ページにあります協議会の開催を約1年半重ねてきております。生産者から消費者団体まで幅広い関係者の方々に御参加いただいて、みんなで協調していくことを基本に議論を重ねてきました。
43ページを御覧ください。
今回の価格形成の全体の考え方でございます。下のサプライチェーンの絵を御覧いただきたいと思いますが、先ほどもありましたが、サプライチェーン全体でコストがどれぐらいかかっているのかというのを、まず把握、明確化していこうというのが(ア)です。その上で、下に(イ)とありますが、各段階でそのコストが考慮された取引を実施していこうと、それを促していくための制度を作っていこうということ、この(イ)のところが制度になっていきます。
それから、点線の先にありますが、(ウ)賃上げによる購買力の確保ということで、やはり食品は、最後、消費者に買っていただかないと意味がありませんので、消費者の皆様に賃上げを通じて購買力を確保していただく。賃上げは農林水産省だけでできる話ではありませんので、政府全体で取り組んでいるところですが、こういった(ア)、(イ)、(ウ)の全体がセットにならないと、うまく回らないという話だと考えております。
この(イ)のコストの考慮というのをどうやってやっていくかということなのですが、44ページにありますが、左側に売り手、右側に買い手とございまして、あくまでこの間で価格形成は、需給とか品質を反映して決定するというのが基本です。その上で、今回新たな仕組みとして、合理的な費用を考慮していこうということで制度を作っていきますが、売り手の下に文章がありますが、まず、売り手には生産・製造に要する費用を把握して、買い手に対して明確化・見える化していく。費用が変動した際には、その水準や要因を説明していただくということで、まず、真ん中の(ア)のところに書いてありますが、費用の説明を売り手側にしていただきます。その上で、買い手側には、売り手から費用の説明があった場合には、速やかに価格交渉に入っていただく。
さらに、売り手から説明があった費用を考慮して価格改定等を検討しましょうということで、この(イ)の費用の考慮をしていただきます。その上で、一番下の(ウ)に書いてありますが、双方合意の下、当事者間で価格を決定していただくという価格決定のプロセスについて制度化していこうということでございます。
今回制度ができれば、自動的にコストが反映されて価格が改定されるのだという誤解も一部ありますが、今回の仕組みは、行政が価格を決定するということではなくて、価格決定のプロセスをしっかりと費用が考慮される形でやっていこうということでございます。
次の45ページを御覧ください。
具体的な法律はこういう形になります。同じような売り手と買い手の絵があり、中央に農林水産大臣とありますが、まず、農林水産大臣が食品に関して取引実態調査を実施します。その上で、努力義務という形で、二つポツがありますが、まず最初のポツですが、持続的な供給に要する費用等の考慮を求める事由を示して協議の申出があった場合に、誠実に協議に応ずるということで、この事由を示してというのが、先ほど申した費用を説明してという部分になりますし、誠実に協議に応じるというところが、この費用を考慮するということになります。
これに加えまして、二つ目のポツにありますが、商習慣の見直し等についても取組の提案があった場合には協力に応ずるということで、こうした努力義務を売り手、買い手双方に規定します。
その上で判断基準、これは、いわゆる行動規範のようなものを農林水産省の省令で、法律より下のレベルの制度で定めまして、具体例が売り手の下にありますが、売り手の方は費用をきちんと把握して誠実に説明をするとか、商習慣の見直しを提案・協力するとしています。買い手の方は、その協議に速やかに応諾すること、さらに、費用をどう考慮したのか、誠実に説明することということで、こうした行動規範に照らして努力義務が果たされているかどうかというのを見ていくことになります。これに照らして取組が不十分な場合には、農林水産大臣による指導・助言、勧告・公表、それから公正取引委員会への通知等の措置を講じていくということでございます。
46ページにありますが、以上の措置は食品全般を対象にするものですが、この46ページについては、品目を指定して、指定した品目についてはコストの指標を作れるようにしていこうという考え方で規定を置きます。
品目指定の考え方のところ、右上にありますが、取引において、通常、費用が認識されていない品目を指定します。費用が認識されていないというのは、分かりやすく申し上げますと、消費者の、言わば、値頃感から逆算して取引価格が決められてしまうようなものが、費用が認識されていない品目と考えております。例えば、牛乳、豆腐、納豆とか、大体これぐらいだろうという値段から逆算して取引がされてしまうと、この生産や製造に要する費用が考慮されない、認識されないということになってしまいます。
こういう品目については、コスト指標の作成団体というところがデータを収集したり、関係者との合意形成をしたり、さらに、個社の情報を扱いますので、秘密保持義務を法律上かけて、こういった団体が作るコスト指標を用いて、先ほどのような考慮が行われているかどうかというのを、しっかりと見ていこうということでございます。
47ページは、今申し上げた措置の大まかな流れになります。
48ページになりますが、今回の措置を通じて、こうした取組をなるべくなくしていきたいということで、四つ箱がありますが、一番上の価格交渉の拒否のところから御説明しますと、例えば価格交渉の協議に一切応じないとか、一切回答がない、さらに、過度に詳細な費用の内訳の提出を求められるといったこと。
さらに、二つ目、これは農業分野で聞くことの多い話ですが、補助金等を理由に値引きを要請するということ。
さらに、三つ目、納品価格の一方的な決定ということで、コストを著しく下回るような価格で納入することを一方的に求めるということが常態化しているということ。
さらに、商習慣の改善ということで、やはり食品は常時棚に商品が並んでいないと、お客さんとの関係で問題だということで、過剰に常時陳列を優先して納品を厳しく要求するといったことを、不十分な取組として見ていくということでございます。
49ページ、市場取引での対応ということで、特に農産品のうち野菜などは、卸売市場を経由する割合がかなり大きいので、卸売市場の開設者が指定品目については、先ほどの指標を公表するような仕組みを、併せて導入していきたいと思っております。
50ページ、先ほどの資料を再掲しておりますが、今申し上げた価格形成の柱が左、それから最初の方に申し上げた食品の付加価値向上の取組は右ということで、これらを一体的に進めることが大事だと思っております。こうしたことで消費者の皆さんに理解をしていだたきたいと思っております。
最後、51ページ、52ページにあるコストの調査結果というのは、農林水産省が行ったものの抜粋を2枚だけ付けており、米については、足下では価格が高いですが、これは高くなる前の令和4年産の話でございます。北海道・東北産と産地が特定されないように、表示しておりますが、生産から集荷の地域段階、都道府県段階、卸売企業、小売、それから消費者と、このようなサプライチェーンで米が流通するわけですが、各段階でコストがかかっております。それがオレンジで示されています。各グラフ間に取引価格というのを書いておりますが、その両方を調べておりまして、その差額が、いわゆるマージンになります。
この51ページのケースは、各段階で青いマージンが出ていますので、こういう形でサプライチェーンが組めれば、持続的な供給ができていくことになるのですが、次の52ページを御覧いただきますと、別産地の同じ令和4年産の米ですが、生産段階、集荷段階でマージンがマイナスになっております。こういう形になりますと、この生産段階で赤字を出しながら供給していくということになりますので、持続的ではないということになります。
今回、我々の方でこういう調査を他の品目でもやっておりますが、こういった調査結果を材料にしながら、価格形成の制度を実効性のあるものにしていきたいと思っております。私の説明は以上でございます。

堀切部会長
ありがとうございました。
食品産業をめぐる情勢について説明を頂きました。この件に関して御意見、御質問があれば、お願いします。
赤松委員、どうぞ。

赤松委員
御説明ありがとうございました。
協議会の皆さんが話し合った結果ですので、このことについては特に意見はないのですが、やはりコメントしておきたいと思う点は、価格の上昇についてです。これはもうやむを得ないと思っていますが、それを消費者が最終的に負担するということにつきまして、農林水産省だけでは無理だと思いますが、最近のエンゲル係数が上がっているニュースを聞くたびに、日本が貧しくなっていっているようで悲しく感じます。他省庁や、いろいろな関係部署との連携で、国民の食生活は守っていただきたいと思います。よろしくお願いします。

堀切部会長
ありがとうございます。
他にいかがでしょうか。
ウェブ出席の方、よろしいでしょうか。
吉高委員から手が挙がっているようですので、よろしくお願いします。

吉高委員
すみません。ありがとうございます。
1点だけ。この価格に関しての協議会の御努力は大変評価させていただきたいと思います。1点だけ確認ですが、先ほどのいろいろなケースで48ページのような不十分な取組のことがあったときに、何かホットラインみたいなことをお作りになるとかそういう御計画はあるのでしょうか。なかなかこれまでの商慣習を変えるというのは難しいことだと思いますし、気軽にこういったものを言えるような場所というのができるというイメージなのでしょうか。それだけ確認させていただきたい。

木村企画グループ長
木村です。ありがとうございます。
今、吉高委員御指摘のとおり、実効性のある仕組みとしていくために、我々としても相談窓口のような形で事業者の方から、御連絡を頂けるような窓口を各地方農政局に設置をしていきたいと思っております。そのための人員の追加配置等も、今併せて検討しているところでございます。

堀切部会長
ありがとうございました。
時間も大分迫ってまいりました。皆様から各テーマについて大変活発な御意見、御質問を頂きましてありがとうございました。
大橋委員から手が挙がったようですが。どうぞ。

大橋委員
すみません。ありがとうございます。大変画期的なお取組だと思いました。
2点だけなのですが、まず、コスト情報を開示する。そして、事業者も含めて共有するというお話だと思うのですが、これ別の立場からすると、こうしたこととカルテル的な行為というのをどう切り分けるかというのが、多分一つ公正取引委員会的には重要な話なのかなと思います。そこの辺り、どういうふうにそこの点が押さえられているのかというのを一点教えていただきたいと思います。
あと2点目は、コスト情報というのを最後の2ページ目に付けていただきましたが、実際事業者で相当ばらつきはあるのだろうと思っているのですが、このばらつきというのは、これを平均値なり中位置なりを取って公表するというか、そういうイメージなのでしょうか。

木村企画グループ長
大橋委員、どうもありがとうございます。
まず1点目でございますが、今回コストの指標を作ろうということで、我々の方で制度に組み込んでいきますが、コスト指標というのは、あくまで各段階でかかったコストの積み上げの指標でございます。これを基にどういうふうに価格決定をしていくかというのは、事業者間の交渉に委ねられるということでございます。我々としては、価格指標ではなく、あくまでコストがどれだけかかって、どれだけ変化したのかというのを取引の交渉の中で参照していただく、そういう指標だと整理をしているところでございます。これが1点目。
それから、コストの指標の出し方のところですが、これは委員御指摘のとおり、事業者によって違いますし、農業で言えば、例えば産地によって違うとか、時期によって違うとか、いろいろなコストの違いがあると思います。それを全体の平均で出すのか、それとも産地ごとに出すのか、いろいろな考え方があると思います。大臣が指定した品目についてコストの指標を作っていきますが、現在、この協議会の下にワーキンググループを作りまして、そこで品目ごとにどういう指標にしていくべきかということも含めて議論しているところでございます。品目によって、全国一本で作るのか、又は産地ごとに作るのか、いろいろなケースはあり得ると思うのですが、取引に使われるようなものにしないと意味がありませんので、平均にしてしまっては意味がないような指標であれば、それは違う形での指標ということになります。
今後、議論の集約をしていますが、指標的な意味合いをしっかりと維持しながら、どういった指標が良いのかという議論を重ねていきたいと思っております。

大橋委員
ありがとうございます。

堀切部会長
では、予定の時間が迫っておりますので、議論はいったん終了し、事務局へ進行をお返しいたします。

木村企画グループ長
それでは、進行を事務局の方にお戻しいただきましたので、私の方から申し上げます。堀切部会長並びに委員の皆様、本日はありがとうございました。これで本日の会合は閉会とさせていただきますが、閉会に当たりまして、冒頭御挨拶申し上げられませんでしたが、農林水産省の大臣官房総括審議官の宮浦の方から御挨拶申し上げます。

宮浦総括審議官(新事業・食品産業)
冒頭遅れましたが、総括審議官の宮浦でございます。本日は、広範囲にわたりまして御議論いただきましてありがとうございました。
今日は、まず審議事項として御審議いただきました食品リサイクル法、あるいは食品ロスに関わるものは、政府全体で見ますと、消費者庁も中心になり、また、環境省、それから食品衛生の部分では厚生労働省、さらに、事故が起きたときの責任関係については、法務省と非常に多岐にわたって議論されている中のごく一部を、今日は御審議を頂いたという認識でおります。
また、物流の方は国土交通省が中心になって、荷主の方では経済産業省、それから私どもということで、非常に広い領域のことを連関して、いろいろ扱っているようなことではないかと思います。
最後に御説明を差し上げました食料システムのことも、これは生産段階だけじゃなく、製造・流通、販売、外食も含めて非常に多くの方々が関連する中で、コスト割れしないで持続的に供給をしていくためには、どうしていくのかという観点でいろいろと議論を重ねてきたというものでございます。
私どもの食品産業の分野というのは、性格上、いろいろなところとつながりながら、話をするというような仕事が非常に多うございますし、そういった中では、本日も御指摘の中であったように、全体を見て常に変えていくという観点で、いろいろと取組を進めていかなければいけないだろうと思ってございます。
時節柄、今は物価が非常に高くなっていますので、私どもの消費の視点も重視をしながら、きちんと生活実感として効果が出るような施策になるように引き続き取組を進めてまいりたいと思います。また、委員の皆様方には、いろいろな立場から御指摘を頂ければ大変光栄です。
本日は本当にありがとうございました。

木村企画グループ長
それでは、これをもちまして閉会とさせていただきます。
誠にありがとうございました。


お問合せ先

新事業・食品産業部企画グループ

代表:03-3502-8111(内線4139)
ダイヤルイン:03-6744-2065

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