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食料・農業・農村政策審議会 食料産業部会(令和6年1月24日)議事録

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日時及び場所

令和6年1月24日(水曜日)10時00分~
農林水産省第2特別会議室

議事次第

1.開会
2.部会長の互選
3.審議事項
食品リサイクル法に基づく基本方針の一部見直し等について
4.説明事項
(1)食品産業をめぐる情勢
(2)その他
5.閉会

議事録資料

10時00分開会

木村企画グループ長
それでは、定刻となりましたので、ただいまより食料・農業・農村政策審議会食料産業部会を開会させていただきます。
委員の皆様におかれましては、本日お忙しいところを御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
初めに、開会に当たりまして、農林水産省の宮浦総括審議官から御挨拶申し上げます。

宮浦総括審議官
総括審議官の宮浦でございます。
本日は本当に御多用の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
また、本日初めて本部会の委員に御就任を頂きました赤松委員、浦上委員、齋藤委員、それから、御欠席でありますが、竹下委員の皆様方には、今後どうぞよろしくお願いいたします。
まず、元日に発災いたしました令和6年能登半島地震に際しまして、被災地への支援に食品産業の皆様方には多大な御協力を頂いてございます。改めて御礼を申し上げたいと存じます。農林水産省といたしましても被災地への避難所の食料支援などを、関係省庁ですとか被災自治体と連携して取り組んでおりますし、今後ともまた引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
本日は、審議事項として、一昨年の9月に当時の野村大臣から諮問をさせていただきました食品リサイクル法に基づきます基本方針の見直しについて、これまでにこの部会の下に設置されております食品リサイクル小委員会で御議論を頂いておりましたが、その取りまとめがなされたということで、本日は本部会にて御審議を頂きたいと考えているところでございます。
また、説明事項といたしまして、その後に、現在農水省で議論を進めております食料・農業・農村基本法の見直しについて、今通常国会に改正案を提出するという方向で進んでおりますが、このうちの食品産業分野に関わるものについて御説明をさせていただければと考えております。
委員の皆様におかれましては、忌憚のない御意見、御助言を賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
どうぞよろしくお願い申し上げます。
冒頭、カメラ撮っていただきましたが、カメラ撮影はここまでとさせていただきます。よろしくお願いします。
カメラはありませんが、本審議会は公開ということで進めさせていただきます。
それでは、早速議事の方に入っていきたいと思います。
本日、進行を務めさせていただきます、大臣官房新事業・食品産業部企画グループ長の木村と申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。
本日は、食料・農業・農村政策審議会全体の委員改選を行いまして最初の部会でございますので、まず、最初に委員の皆様から簡単な自己紹介を頂ければと思います。3分程度ということで、御自身のこと、それから会社のこと、いろいろ御紹介を頂ければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
大変恐縮ですが、五十音順に自己紹介をお願いしたいと思いますので、まずはお茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授の赤松様から、どうぞよろしくお願いいたします。

赤松委員
お茶の水女子大学の赤松でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今回から委員を拝命いたしました。分からないことが多く皆さんにはお世話になることかもと存じますが、何とぞよろしくお願いいたします。
私は今、お茶の水女子大学で、管理栄養士養成施設の教員として研究、教育を行っております。私自身も管理栄養士の資格を持っておりまして、こういった行政のお仕事に関しては厚生労働省の栄養政策を中心に、他に文科省の栄養教諭関連のお仕事をさせていただいております。農水省については食育活動表彰の審査員と、今はニッポンフードシフトの委員をさせていただいております。
専門は栄養学ですが、その中でも食行動の変容について研究を行っております。人の行動はどのようにして変わっていくのだろうかということをテーマとしている関係で、栄養教育、食育、そして消費者教育を専門としています。最近では地球環境のことも取り上げる必要性があり、健康だけではなく、持続可能で、かつ健康な食生活を送るにはどうしたらよいかといった研究も行っております。
農業については不勉強なところもあり、的外れの発言もあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、継続されている委員の皆様にも自己紹介をお願いいますので、京都青果合同株式会社代表取締役社長の内田様、よろしくお願いいたします。

内田委員
京都から参りました内田と申します。京都市の中央卸売市場の中で青果物の卸売業を主に営んでおります。
多分、流通の立場としてこの会議に参加しているのかなと思っておりますが、この審議委員になってから五、六年がたつのかなと思っております。
子会社で、生鮮の野菜・果物を扱っている、輸出入をしているローヤルという会社、あるいは冷凍野菜を海外で作って日本に持ってきております京果食品という会社、それから、ロカボナッツ、ドライフルーツ、ナッツとかを販売しているデルタインターナショナルという会社を子会社に持っておりまして、幅広く食品関係の扱いをさせていただいているというところでございます。今輸入もしているので、この為替で相当会社は大変な状況になっているということでございます。
また、京都の経済界で京都経済同友会というのがございまして、そこの今代表幹事をさせていただいております。4年のうちの今3年目になるのですが、特に今年と来年に関しましては私がメインでやるので、食と農を考える研究委員会というものを立ち上げて、京都の経済界の方々に食と農、特に農について、もう少し理解を深めてもらおうという活動もやっているところでございます。よろしくお願いします。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、新たに委員になっていただきました、ハウス食品グループ本社株式会社代表取締役社長の浦上様、よろしくお願いいたします。

浦上委員
ハウス食品グループ本社の浦上でございます。今回より臨時委員を仰せつかりまして、微力ではございますが、尽力してまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
当社は、2013年にグループ本社制を敷いて、去年で10年になります。カレー、シチュー、スパイスを中心としたのがコア事業で、それに加えて健康食品と、アメリカで豆腐事業という形で、日本の食文化を今世界に広めようと頑張っております。ちょうどこの4月から新しい第8次中期計画も始まりまして、日本のお客様に鍛えられた食文化を、品質含めてグローバルに展開していくべく、尽力してまいりたいと思っております。
また、レトルト食品の絡みで、現在、缶詰びん詰レトルト食品協会の会長も仰せつかっております。
どうぞこれからよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、委員として引き続きになりますが、一般社団法人日本スーパーマーケット協会専務理事の江口様、よろしくお願いいたします。

江口委員
日本スーパーマーケット協会の江口と申します。本日よろしくお願いいたします。
私どもは、食料品を主体としたスーパーマーケットの全国団体であり、1999年にでき2015年に一般社団法人化したという組織でございまして、昨年、ヤオコーの川野会長からライフの岩崎会長に会長が交代したということで、かなりの若返りが図られており、新たにいろいろなことに取り組んでいるところでございます。現在76社で約10兆円の会員の売上げで、比較的大手中心の団体でございます。
現在、私ども取り組んでいるポイントとしましては二つございまして、一つは、人手不足の課題に対してどう対応していくのかということで、外国人の労働者の受入れと、もう一つは、年収の壁によって就労調整をする、パートさんを就労調整することなく働いていただけるようなことをお願いしたいということで、様々要望活動をしているところでございます。私どもの業界はパート比率が77%ぐらいで、多くはパートさんですので、この方たちが就労調整をしなければ今の人手不足をかなりカバーできると考えております、そういう活動も行っているということでございます。
もう一つは、いろいろと話題になっていますが、食品の物流の課題でございます。3年ほど前からその話については情報収集などいろいろやっていたのですが、昨年からは、製配販でいろいろと話合いをして、課題について情報の共有を図り、例えば3分の1ルールを2分の1ルールということで、入荷基準を変えましょうということや、発注のリードタイムを確保しましょうとか、本日の議題でもありますが、食品ロスにも影響を及ぼすと言われる部分についても、3月に主要企業と一緒にこれを、ルールを変えていこうということを宣言いたしまして、今、関係者と取り組んでいるというところでございます。
お隣席の三菱食品様も一緒に、フードサプライチェーン・サステナビリティ・プロジェクトという製・配・販の流通全体の効率化に向けて関係の方と意見交換をさせていただいて、加工食品物流については大分進んできたと感じています。これからは生鮮食品と、チルド食品の分野に取り組みたいと思っています。
以上でございます。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、三菱食品株式会社代表取締役社長、京谷様、よろしくお願いいたします。

京谷委員
皆さん、おはようございます。三菱食品の京谷でございます。
私はもともと三菱商事に入社しまして、凡そ35年間、大豆や穀物関連の原料取引に携わっておりました。その後、2021年から三菱食品の社長を務めております。
日本の食品流通においては、小売の数もメーカーの数も他国に比べると非常に多いという特徴があり、複雑な流通構造があるからこそ中間流通の機能が必要とされてきた歴史的な背景があります。一方、これから日本は人口が加速して減り始めるという時代に突入する中で、小売やメーカーの皆さん、そして中間流通であるわれわれ卸も自己変革が求められています。そのような時代の節目の中で、微力ではありますが、わたくしの知見も活用しながら、この会の議論に貢献できればと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

木村企画グループ長
よろしくお願いいたします。
続きまして、一般財団法人消費科学センター理事の工藤様、よろしくお願いいたします。

工藤委員
消費科学センターの工藤でございます。今日はありがとうございます。
振り返りますと、二点のことが大変記憶に残りまして、まず、昨年の5月にコロナが5類に変更しまして、それに伴いまして、まちが変わりましたし、私どもの行動が変わってきましたので、まだ1年経ちませんが、忘れてしまいましたが、大変苦しい2年半を過ごした記憶がございます。
それと同時に、消費生活の一番元になります流通での人の対応・非対応、非接触対応が進み、キャッシュレス決済が進んでおります。それに対応するために、戸惑いだとか分からないことも多くありますので、私どもでその意見を酌み上げて、少しずつ丁寧に、私どもも勉強いたしますが、皆様に分かっていただくことかと。デジタル化という大きな波が押し寄せておりますから、一人も残さずというお気持ちどおり、私たちもきめ細かに対応していくのが使命なのかなと思います。
もう一点ですが、同時に物価高騰が進んでおります。本当に記憶にないほどの物価が上がっておりますし、高値そのままでございます。これからも上がりますから、高騰当初は、何を買ったらいいのかとか、どういうふうにしたらいいのか、これからどうなるのかという声も多く寄せられました。正解はないのですが、今どういう状況なので、どういうふうに、どうして上がっているのか、こういったことも私たち勉強しまして、学んでいかなければならないと思います。
先ほど赤松先生がおっしゃいました食行動の変容。これは、二、三年たって、やっぱりいろんなことを乗り越えて、変わってきたのが分かってくるのではないかなと思いまして、是非そこら辺りもお話伺えればと思います。
その2点でございます。ありがとうございました。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、株式会社デリモ代表取締役社長、栗田様、よろしくお願いいたします。

栗田委員
おはようございます。
埼玉県草加市で惣菜工場をやっておりますデリモという会社で、社名変更してまだ2年で、よちよちの状態で会社を、実際は74年経っているのですが、新しい社名になって2年ということで、会社の体系を変えようという努力をしているところです。
現状1日10万食ぐらいで、もともと製麺業でした。10万食ぐらいを作る会社で、今、愛知から青森まで日配、デイリーで、麺を素材としたものです。私は粉から何でもできるということを従業員には言っていますが、麺から少し違う展開もしたいと思いながら作っている状態です。
我々惣菜業は、大体みんな365日動くというのが当たり前で、エネルギーの高騰、それと人手不足が課題です。大手と違って、みんな手作りです。大きなキッチンを基本としてやっていらっしゃるので、そういうところの課題が多く、4月、特定技能の2号の試験があるということで、うちの社内でも勉強会を一生懸命やってくれているのですが、私は合格率多分2%ぐらいと思って、うちの従業員には言って、勉強を更にやっているところです。
また、今回の能登半島の震災では、仲間の会社が1月2日から七尾の会社で、羽咋、七尾の会社が1月2日から頑張って開けています。そういう面では、地域密着型のそういう食を賄っている会社さんは、我々の仲間だと思っています。
現状、私、日本惣菜協会の関東支部長をやらせていただいています。また、埼玉県生産性本部の会長ということで、生産性向上の視点でIT、IoTとか、埼玉県全体で取り組もうという対応をしています。
実際に今回、農水省と経産省の補助金を頂きまして、日本惣菜協会を通しまして、昨日、新しいロボットが入って、ずっと機械屋さんが、工場の中からまだ出てこられず、あさってに見学会があるという状態で、どうなるかまだ分からないのですが、取り組まないといけないと思っています。ロボットでできるところはロボット、また、従業員がいろんな形でIT化に取り組むということも必要な時代になってきていると思っていますので、そういうところを皆さんに、農水省を含めてバックアップしてもらって、従業員の育成とともに、人でなくて良いところは機械で、人のところは人でという形に会社を、全体を変えていきたいと思っています。
今日はリサイクルということで勉強させていただきたいと思います。今日はよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、新たに本部会の委員に御就任をお願いしました公益社団法人日本農業法人協会会長の齋藤様、よろしくお願いいたします。

齋藤委員
日本農業法人協会の齋藤でございます。
日本農業法人協会は全国2,100社の大規模農場の集まりでして、まず、為替の円安、燃油の高騰で、物すごい勢いでコストが上がっておりますが、販売価格の方はもうほとんど上がっていないような状況ですので、コロナの中でいろんな行政の皆様からいろんな支援を頂いて経営が継続されているという、そんな状況でございます。
そして今、現場の方では、ほぼ毎日のように田んぼ、畑が空いて、借りてくれという話が毎日の話題になっています。ということで、経営計画どんどん立てているのですが、どんどん修正しながら、地域の中で法人存続させていただいているものですから、何とかお助けしたいというか、その農地を守っていきたいということで、みんな頑張っています。しかし、社員もなかなか、この現状、新たに雇入れすること自体が大変でして、全国どこに行っても似たような話題、コストは上がった、社員はいない、規模はどんどん増えていくっていうのが現実です。このままいくと、もう耕作をお断りする事態にもうすぐなるのだろうという、そういう現実ありますので、食品の方もロスなく皆さんから使っていただければと思います。
いろいろな面において、現場の方は大変苦労ありますが、当然、食料、大事な問題ですので、必死に続けてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
続きまして、株式会社インスパイア代表取締役社長、高槻様、よろしくお願いいたします。

高槻委員
おはようございます。高槻でございます。
私の会社は、2000年の創業以来、新規事業開発あるいはイノベーションの具現化ということを、当社だけというよりは、外部のいわゆる起業家あるいは大企業の新規事業担当の方々と御一緒にしてまいりまして、その中で今から10年ほど前、消費の拡大という観点で、日本だけに目を向けるのではなく海外でやろうということで、全世界を相手にするということではなく、一定の経済成長、人口ボーナスが残っている、あるいはこれから続く、第3のテーマとしては親日的な地域という、この三つの条件を考えた場合にASEANが非常に有望だろうと。当時既に5億人以上の人口を10カ国が抱えている地域でしたが、その半数以上がイスラム教徒ということでしたので、ASEANでいうとマレーシアとブルネイとインドネシアがイスラム教を国教にしている国なのですが、その中でマレーシアの政府系最大手産業育成会社と言えるPermodalan Nasional Berhad(プルモダラン・ナショナル・バハド)という会社と共同で、日本において初めてのイスラム法適格ファンドを作りまして、そのファンドを通じて様々な日本の企業のASEAN進出のお手伝いをしてまいりました。
具体的には井村屋、八天堂、フンドーキン醤油、リョーユーパン、グルメ杵屋など、日本の地方に本社を構える会社の海外展開を御一緒したということで、それを10年ほどやっている中で農林水産省が投資円滑化法を改正されまして、改正前はいわゆる一次生産者のみにリスクマネーを供与するという法律でしたが、改正後はフードバリューチェーン全てに関わるあらゆる事業者に対するリスクマネーを供与できるという形になりましたので、この新しい改正投資円滑化法の下で、農水大臣の承認を得た第1号のファンドというものを2022年9月に組成しております。このファンド、一次産品のところだけではなくて、食品の加工をする機械とか、あるいは保管する倉庫のための技術であるとか、あるいは物流、最終的には商社の方々へ売るときのITも含めまして、本当に広範なフードバリューチェーン全般に関わるリスクマネーの供与ができるのですが、その話を今進めているところでございます。
今の日本の状況の中で、この食品産業というのが非常に海外における力を持っているといいますか、外国の方々も日本の食品に注目しておりますし、あるいはその加工技術とか包装、パッケージの技術にも注目されているというところで、これから大いに海外でもその価値が伸びるのではないかと思っており、そういった観点を含めた意見なども述べることができればと思っている次第でございます。よろしくお願いします。

木村企画グループ長
よろしくお願いいたします。
続きまして、キッコーマン株式会社代表取締役会長、堀切様、よろしくお願いいたします。

堀切委員
ありがとうございます。キッコーマンの堀切でございます。
私は日本醤油協会の会長もさせていただいて、かつ食品産業センターの会長も仰せつかっております。食品産業センターというのは、200を超える業界団体あるいは企業が集まって、業界唯一横断的な一般財団法人として運営されているわけでございます。そういった食品産業の立場から、この審議会に参加させていただいて、いろいろ意見を申し上げています。
昨年の食料・農業・農村基本法の検証部会にも参加をさせていただきました。それから、幾つかの分科会ございますが、この食料産業部会、企画部会、食育とか、いろんな部会が活動している中で、いろんな食品産業の立場からいろいろ意見を申し上げているということで、今回も参加をさせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
ありがとうございました。よろしくお願いいたします。
御出席いただいている皆様は以上でございますが、本日御欠席の方を、お名前を紹介したいと思います。まず、東京大学副学長の大橋様、竹下製菓株式会社代表取締役社長の竹下様、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社フェローの吉高様、一般社団法人日本フードサービス協会理事の赤塚様、大都魚類株式会社取締役会長の網野様、丸京製菓株式会社常務執行役員の紙徳様、レッドライスカンパニー株式会社代表取締役の難波様の7名が今日御欠席ということでございます。
本日の部会は、以上17名の委員中10名の皆様に御出席いただいておりますので、全体3分の1以上で、食料・農業・農村政策審議会令第8条第1項及び第3項の規定により、会議が成立しておりますことを御報告させていただきます。
農林水産省側の出席者につきましては、お手元の座席表を御覧いただければと思います。御紹介に代えさせていただきます。
また、本部会は、審議会議事規則第3条第2項の規定により、公開することとなっております。会議での御発言につきましては、審議会議事規則第4条の規定により、議事録として取りまとめ、委員の皆様に御確認を頂いた上で公開をいたします。よろしくお願い申し上げます。
本日の資料につきましては、配布資料一覧が資料の中に入っておりますので、今日は資料1から資料4までとなっております。不足等ございましたら、事務局の方にお申し出いただければと思っております。
本日、この委員の皆様で進行していきますが、今回、改選後最初の部会ということでございます。まず、部会長の選出を頂きたいと思っております。部会長につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定により、委員の互選により選出することとされております。つきましては、部会長候補につきまして、どなたか御意見がございましたらお願いいたします。

高槻委員
はい。

木村企画グループ長
高槻委員、お願いいたします。

高槻委員
委員の皆様はそれぞれ幅広い見識をお持ちでございますが、食品産業界におきまして特に幅広い御見識と御経験をお持ちである堀切委員を部会長に推薦させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

木村企画グループ長
ただいま高槻委員より堀切委員を推薦する御意見がございました。皆様、いかがでございましょうか。
(「異議ありません」の声あり)(拍手)
木村企画グループ長
ということで、御異議ないようでございますので、堀切委員に部会長をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
では、座席の御移動をお願いいたします。
それでは、まず、堀切部会長から御挨拶を頂きたいと思います。よろしくお願いいたします。
堀切部会長改めまして、ただいま部会長を仰せつかりました堀切でございます。どうぞよろしくお願いします。
まず、この度の能登半島地震で被災された、また、日々厳しい生活を強いられている皆様方にお見舞いを申し上げ、そして、亡くなられた方々に御冥福をお祈りしたいと思います。
余談ですが、能登というのは日本四大杜氏のところなのです。ですから、能登町だけでお酒の造り酒屋さんが十何社、今回全部被災されたということで、大変厳しい状況でございますが、何とか一日も早く復興・復旧がなればということを祈るばかりでございます。
さて、御承知のとおり、日本の食料産業は持続性に配慮しつつ国民に多様な食品を安定的に供給する重要な役割を担っております。また、今申し上げたような重要な地域の産業でもあるわけでございます。
しかし、世界を見渡すと、現在、ロシア・ウクライナの戦争、あるいはイスラエルとガザ地区、いわゆるパレスチナ紛争、あるいは、国内では円安、今回の地震などの災害によりまして、食品産業を取り巻く状況は大変激しく変化し、いつ収束するのかも分からない状況が続いておるわけでございます。
また、食品産業に欠かせない原料、エネルギー、容器包装、物流など、また価格についても、先行き大変不透明な厳しい状況が続いております。本日の議題にもなっておりますが、食品産業では食品リサイクルなどによる環境負荷低減にも積極的に取り組んでおり、持続的な食品産業の発展のため、今後もより一層取り組んでいく必要があると考えております。
本部会は所管法令が多岐にわたっておりますが、委員の皆様のお力をお借りいたしまして、適切に審議を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

木村企画グループ長
堀切部会長、どうもありがとうございました。
それでは、以降の議事進行につきましては堀切部会長にお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

堀切部会長
それでは、これより私の方で議事進行をいたします。
本日の部会は12時までの予定となっておりますので、円滑な進行に御協力を頂きますようお願い申し上げます。
まず、食料・農業・農村政策審議会令第6条第5項の規定により、部会長の職務代理する委員について、部会長があらかじめ指名するということになっております。私の方からは、本日は所用により御欠席ですが、引き続き吉高委員にお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
堀切部会長
ありがとうございます。
御異議がないようですので、吉高委員にお願いいたします。
さて、本日の議題でございますが、審議事項が1件、説明事項が1件でございます。
最初に、審議事項「食品リサイクル法に基づく基本方針の一部見直し等について」、事務局から説明の後、御審議、意見交換をさせていただきたいと思います。
その審議終了後、説明事項について事務局から説明いただいた後、委員の皆様に御意見を頂きたいと思います。
それでは、事務局から説明をお願いいたします。

五十嵐外食・食文化課長
外食・食文化課長の五十嵐でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私から、食品リサイクル法の基本方針の見直しの背景、経緯について、御説明させていただきます。
お手元の資料1を御覧ください。
1ページおめくりいただいて、1ページ目のところです。令和3年に、内閣府特命担当大臣規制改革担当の下に設置された再生可能エネルギー等に関する規制等の総点検タスクフォースにおいて、再生エネルギーの利用の推進が議論となり、その中で食品リサイクル制度に関する意見が二つ出されました。
これらについて食品リサイクル法の基本方針に反映させるべきかなどについて御意見を頂くため、令和4年9月に農林水産大臣より食料・農業・農村政策審議会に諮問がなされたところです。資料としては資料3になります。
一つ目の意見は、CO2排出削減の観点から、エネルギー利用の推進、焼却・埋立ての削減、社員食堂などからの食品廃棄物削減の重要性を明らかにすべきというものです。
二つ目の意見は、学校給食などの食品関連事業者以外の者についても、食品リサイクル法のメリット措置、すなわち、廃棄物の収集運搬のための市町村の許可を不要とする措置の対象とするべきというものになります。この二つ目の意見は、地方からの提案などに関する対応方針においても同様の意見が出されております。
続きまして、2ページ目を御覧ください。
まず、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律、これが通称「食品リサイクル法」と言われておりますが、この法律は廃棄物を所管する環境省と当省との共管となっております。この食品リサイクル法の第3条第3項で、基本方針を改定するときは、食料・農業・農村政策審議会及び、環境省の審議会である中央環境審議会の意見を聞かなければならないとされております。
当省の審議会には、食料・農業・農村政策審議会令に基づき、食料産業部会を置くことができるとされており、この部会の議決をもって審議会の議決とすることができるとされております。そのため、今回の諮問につきましては、本部会での議決をもって審議会の答申という形にさせていただきたいと考えております。
また、食料・農業・農村政策審議会議事規則において、部会長は専門性を有する特定の事項については小委員会に調査審議を付託することができるとされております。今回の食品リサイクルに関する論点については、食料産業部会長により食品リサイクル小委員会に審議が付託されております。
なお、今回の小委員会は環境省側の委員会である食品リサイクル専門委員会と合同会合を開催し、審議いただいております。これまでの合同会合の開催実績でございますが、諮問後、合同会合を4回開催して、令和4年から令和5年にかけて御議論いただいております。
また、御参考までに、合同会合の委員名簿については、ページをおめくりいただいて、3ページに付けさせていただいております。
今回の基本方針の見直しの背景、経緯は以上となります。
食品リサイクル小委員会での議論の結果につきましては、食品リサイクル小委員会の座長である渡辺先生にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

渡辺食品リサイクル小委員会座長
御紹介いただきました食品リサイクル小委員会座長の渡辺でございます。よろしくお願いいたします。
食品循環資源の再生利用等の促進に関する基本方針の一部見直しについて、食品リサイクル小委員会で取りまとめた内容を御説明いたします。先ほどの資料1の続きで説明をしてまいります。
規制改革のタスクフォースにおける食品リサイクル制度に対する意見は、先ほども説明ありましたように、主な意見というのは二つあります。
その一つ目の意見として、基本方針への明記について三つの項目があり、審議結果、この三つ、それぞれ一つずつ説明してまいります。
先ほどの資料1の4ページを御覧ください。まず、エネルギー利用の促進についてです。
カーボンニュートラルを推進する上で食品のエネルギー利用の推進の必要性が求められている一方で、食品リサイクル法の基本方針における再生利用の手法の優先順位、これは食品循環資源の有する成分や熱量―カロリーですね―の有効利用の観点から定められています。再生利用の個別の事業内容次第でCO2排出量が大きく変動するということを踏まえると、再生利用手法のみをもってその優劣を一律に判断することはできないということから、基本方針で定める優先順位、これを維持した上で、エネルギー利用の推進も含めた再生利用の推進がカーボンニュートラル実現の観点から重要であるということを明記する結果となりました。
また、諮問時においては論点になっておりませんが、規制改革フォースの議論の中で取り上げられたリサイクルループ計画の認定にエネルギーも対象にすべきかどうかについても、基本方針で定める優先順位等の観点から、引き続き対象としないとする結果となりました。
続きまして、5ページを御覧ください。焼却・埋立ての削減についてです。
食品リサイクル法の目的は食品リサイクルの促進であることから、再生利用等実施率に関する目標を定めているところです。全体を100%としたとした場合に、再生利用等実施率を引いた値がおおむね焼却・埋立ての実施率となります。
このように自動的に定める目標を改めて定める必要はあるのかという議論もあったところでありますが、焼却・埋立ての削減目標をあえて明示することによって、再生利用等を実施していない食品廃棄物の存在を認識することで再生利用等実施率を高める、そういった意識をより働くようにするという側面もあるとの意見もございましたので、結論として、この焼却・埋立ての削減についての実施率について、参考値として明記することとなりました。
続きまして、6ページを御覧ください。基本方針への明記の三つ目の項目です。社員食堂等からの食品廃棄物削減についてです。
現行の基本方針の中でも、食品関連事業者以外の者についても再生利用等を促進するよう努める旨の記載がありますが、今回の議論を踏まえて改めて、持続可能な社会を構築していくためには社会全体での取組が重要であるということを記載することとしております。
続きまして、二つ目の意見として、7ページ目を御覧ください。食品関連事業者以外の者についても食品リサイクル法のメリット措置の対象とすべきとの意見についてです。
この食品リサイクル法のメリット措置というのは、登録再生利用事業者制度等において、食品関連事業者が委託を受けた収集運搬業者が食品廃棄物をリサイクル施設等に運搬する場合、本来、荷卸しの際に必要となる市町村長の許可、これを不要とすると、不要となるというものです。これ、廃棄物処理法の特例のことを指しています。
今回要望のあった学校給食施設や社員食堂、老人福祉施設について、個別に実態を把握いたしました。その結果、学校給食や老人福祉施設などでは、食品関連事業者である給食事業者にその運営を委託している場合が大半であるということが分かりました。そのため、現行でも廃棄物処理法の特例措置の利用が可能であるということでした。
物流倉庫業からの食品廃棄物については、一般的に食品関連事業者にその所有権があり、食品関連事業者が廃棄処理を委託する場合が大半であるため、これも特例措置の利用が現行でも可能であるということが分かりました。
メリット措置を講じるということは、裏を返せば、食品リサイクル法において再生利用等の努力義務や食品廃棄物に関する報告義務等の規制を掛けることとなるということであるため、実態を踏まえた上で、こうした食品関連事業者として取り組むべき措置等の履行を求めてまで特例措置の対象とするということは適切ではないとの結論となりました。
一方で、現在でも廃棄物処理法の一部特例措置の活用が可能であるにもかかわらず、要望が上がってきたということを踏まえますと、制度自体の周知不足といった側面もあるということが考えられるため、この結論が出た後に、農林水産省からは食品関連事業者へ、環境省からは都道府県・市町村に対し、改めてこの制度を周知する文書を発出したと聞いております。
以上が合同会合における審議結果です。
実際の基本方針の改定案については資料2という形で示されております。資料2の方を御覧ください。
今の説明と順序が若干前後して恐縮ではありますが、資料2の順に見ていきますと、エネルギー利用の推進の審議結果は、資料2の2ページの基本方針の冒頭部分と6ページの下の方の赤字部分が今回の審議結果を踏まえて追記した部分となります。2ページ、6ページです。
続きまして、焼却・埋立ての削減目標の審議結果につきましては、10ページをおめくりください。10ページ、真ん中辺りに赤字で追記した部分、こちらになります。
最後に、三つ目の社員食堂等など食品関連事業者以外からの食品廃棄物削減の重要性についての審議結果は、これは戻って恐縮なのですが、4ページに赤字で追記した部分となります。
以上が私からの報告でございます。

堀切部会長
渡辺先生、ありがとうございました。
ただいま御説明いただきました食品リサイクル法に基づく基本方針の一部見直し等について、御質問等がございましたら御発言いただければと思います。いかがでございましょう。
はい、どうぞ、赤松委員、よろしくお願いします。

赤松委員
赤松でございます。
事前の説明でも申し上げたことですが、説明を伺いまして私が感じた意見を、3点ほど述べさせていただきます。
まず、もともとこれはカーボンニュートラルを目的としていますので、これでいいと思いますが、食に関する環境の課題は、CO2以外にもリン、窒素、土地や水の問題もあります。もう少し広い視野を持って考える必要はあるのではないかと思っております。
2点目は、これも食品リサイクル法の話です。今のご説明の内容でよろしいのですが、食ロスの問題は発生の抑制、作り過ぎをしないというところが一番の根本解決だと思っています。本来ならばそこにもっと力を入れていくべきではないかなと思っております。計画的な生産というのを考えていく必要があるのではないかと思っております。
3点目は、これは是非御検討いただきたい事項です。学校給食、社員食堂、そして老人福祉施設と、給食施設の特定の名前が挙がっていますが、ほかにも給食施設はあります。このように「等」って入っているので、ほかも含んでいることを意味しているとは思いますが、総称、例えば特定給食施設、あるいは給食施設でもよいので、総称を用いた方が全ての給食施設を指すことになると思います。多分ここでおっしゃっているのは、全ての給食施設が対象だと思いますので、そのような言葉を使われた方がいいのではないかと思います。
以上になります。

堀切部会長
ありがとうございます。
ほかに、いかがでございましょう。
私の方から渡辺先生に一つ伺ってよろしいですか。
この食品リサイクル小委員会と、それから環境省の食品リサイクル専門委員会と、4回ほどですか、いろいろ議論をしていただいている中で、その立場の違いというか考えの違いとか、今、赤松委員からもございましたように、単にCO2の問題だけでなくて、そういう廃棄物から出てくる環境的な問題も含めて、その委員会の中で意見が食い違うとか、そういうことはあったのでしょうか。

渡辺食品リサイクル小委員会座長
御質問ありがとうございます。
意見の食い違いということではないのですが、元々がエネルギー利用を促進するためという形で諮問をされたわけですが、エネルギー利用の促進をすることによって別のことが発生してしまうと、CO2の発生が起きてしまうとかいろんなほかの、今、赤松委員からも御指摘があるような様々なことで影響すると思いますので、そういうエネルギー利用だけを優先して考えるとこういうことが起きる、ああいうことが起きるという御指摘を頂いて、それを事務局で整理いただく時間が多少掛かりましたので、この審議時間も結構、若干長くなったのですが、対立というよりも、いろんな論点を出して洗い直して今回の結論に、この食品リサイクル法で言える範囲で何が、この基本方針の中で言える範囲で何が言えるかという形で整理させていただきました。

堀切部会長
ありがとうございます。
ほかに、いかがでございましょう。
よろしいでしょうか。
それでは、今、赤松委員からございましたような御意見、御質問について、事務局から何かお答えを頂けますか。

五十嵐外食・食文化課長
今、赤松委員から三つ御指摘を頂きました。
1点目の御指摘についてですが、おっしゃるとおり、今回の審議では、先ほど渡辺座長からもお話があったとおり、エネルギー利用を推進することによって例えば別の側面で環境に負荷がかかる可能性等、そういった意見もいろいろ出てきた結果、今回の結論になりました。おっしゃるとおり、その環境の視点というのは重要だと思いますので、今後もそういうことを念頭に置いて議論を進めて行きたいと思います。
それから、2点目の発生抑制というのは、正に先生おっしゃるとおりで、資料1の11ページの方でもご紹介させて頂いておりますが、基本方針において再生利用等の優先順位を定まっております。
第一に、まず発生抑制ということで、我々農水省としても、まず出さないということが重要ということで、食品企業の方々と共に、商慣習の見直しなども含めて進めているところであります。
3点目の御指摘の点ですが、他の法律から引用する言葉が適切かという点を含めて、今後検討して行きたいと思います。
以上です。

堀切部会長
ありがとうございます。
ほかに、よろしいでしょうか。
はい、どうぞ、齋藤委員。

齋藤委員
私は実は養豚場も経営しておりまして、昔、50年も近く前なのですが、埼玉のサイボクというところに研修行っていましたら、残飯、それも東京都内の結婚式場とかと契約でやっていた農場がすぐ近くにあって、お手伝い、研修していたもので、研修生が入れ代わり立ち代わり、そういう流れで勉強させてもらいました。今現在、最初に飼料化って書いてあるのですが、現実あんまり養豚の農場では、大体、食品工場の残渣みたいなものはリキッドフィーディングやっている農場では使っている事例いっぱい見受けられるのですが、残飯の飼料化というやつに取り組むと、なかなかカロリーとか栄養価が安定しないので使いづらいってことで、ほとんど実績なくなっているような気がするのですが、その辺りの活用状況はつかんでいるのでしょうか。

堀切部会長
いかがでしょうか。

月岡食品ロス・リサイクル対策室長補佐
実際に飼料化として再生利用した量のうち残飯由来がどの程度あるかについて、数値的にはつかんでおりません。ただ、工場などから出ますと分別がスムーズですので飼料などに使いやすいと聞いておりますが、残飯といった食べ残しになりますとハードルが少し上がってきますので、そこをどう活用するかという問題意識についてはおっしゃるとおりかと思います。
一方で、家庭系から出てくる残飯については、環境省ともよく相談していかないといけないと思っておりますので、優先順位の観点も含めて、省庁間で連携を取って対応してまいりたいと思います。

堀切部会長
とにかく出さないってことが第一なのですがね。
一般家庭から出る量というのも半端でないのです。これは食育部会でもよく議論されるのですが、昔だったら、例えば大根一つ取っても、へたの葉っぱまで使い切ったが、今はざっくり切ってぼんぼん捨てちゃうとか。そういうところの食に対する意識を変えていくっていう、非常に草の根的なことかもしれませんが、そういうところから立ち返って、食に対して取り組んでいかなきゃいけないのかなという意見もほかの部会でも出ています。
いかがでしょう、ほかに特にございませんか。栗田委員、お願いします。

栗田委員
齋藤さんの事例、うちでもやっています。うちでは分別を、生ごみの分別をして、養豚屋さんの方に飼料として買い取っていただけるものだけを分けていて、通常よりも安いです。たしか11円ぐらいで引き取っていただけています。
発生抑制で、うちの社内で問題になっていることが一つあります。当社、年末にオーダーが飛ぶ場合があるので、前もって御注文いただきたいというお願いを量販店さんにいたします。ところが、これがなかなかうまくいかない。適当に出されて、実際には大量に残るということをしていて、この辺りの量販店さんの協力が必要で、多分農家さんも一緒だと思います。いろんな季節イベントのときは今までと違うものが動くので、我々も御迷惑掛けないように、いろんな形で御注文をお願いするのですが、そのオーダーの御注文の信憑性がすごく低くて、こないだの12月も大量に残って、フードバンクにあげるだけです。あげるものでないものもたくさん残って、苦戦している状態で、営業の相談報告書を見ていると、そんなことできないという回答が出てくるのは大手さんの量販店さんで、中小の方は、ごめんなさい、頑張りますという回答が出てくるのですが、食を大切にするという中で、何かそういうところも取り組んでいただかないと減らないのかなと思います。
当社は輸入商品も取り扱うのですが、4月に頼んで12月に使います。ところが、なかなか、独自性を出したいということで、違うものが欲しいとかって言われるのですが、いつ注文するのというところでお話をしたりするので、できるだけロスの出ないところについて、私たちのお客様も考えていただける体制を是非御検討いただけると、もう少し減るような気がします。
できるだけ捨てないように、フードバンクさんには取りに来てもらっていますが、私どもとしては利益の損失なので、そこの辺りも考えていただけるとよいです。
私は、農家さんが一番大変だろうなと思っています。うちも頼むのですが、頼んでいる方も、むちゃを言っているなと思いながらやっています。

堀切部会長
ありがとうございます。

五十嵐外食・食文化課長
よろしいですか。

堀切部会長
どうぞ、お願いします。

五十嵐外食・食文化課長
とても重要な視点、どうもありがとうございました。季節商品のフードロスについては、恵方巻きで、農水省が旗を振って企業と一緒に取り組んだ事例があります。恵方巻きについては、事前に予約しましょうと消費者に呼びかけたり、食べきれる分だけのハーフサイズの恵方巻きを作っていただいたり等を行ってきました。それは企業と連携して割とうまく消費者の皆さんにも発信をできて、消費者の皆さんにもそういう意識が広がっていきました。このため、恵方巻きのロス削減に取り組む企業も増えてきました。今頂いた御意見も参考にしながら、効果的な方策を今後検討していきたいと思います。

栗田委員
恵方巻きの応援がなくなったと聞いています。メーカーさんがみんな応援に行くのですが、今年はないって聞いています。
五十嵐外食・食文化課長今後の状況を踏まえて、また研究を進めてまいります。

京谷委員
よろしいですか。

堀切部会長
はい、どうぞ。

京谷委員
今のお話に関連するのですが、これまでの人口が伸びている時代というのは、常に需要が供給を上回って推移してきたわけですが、これから人口が加速して減っていく、つまり供給が常に需要を上回る傾向が強まる中で、消費者の皆さんの意識も少しずつ変化してきているように思います。
例えば、恵方巻きのロス削減の取組みに対して消費者の皆さんがなぜ納得されたかというと、これまでは非難の対象であった「売り切れ御免」型の売り方であったとしても、食品ロス削減のためであれば容認される世の中に徐々に近づいてきていると感じます。これからますます需要が縮小していく中で食品ロスを減らしていくためには、これまでの商習慣や常識にとらわれない、もっと効率的なやり方が必要であることを、消費者の皆さんに知っていただく必要があるのではないでしょうか。
それこそ農林水産省とか、政府の方から様々な啓蒙活動を進めていただけると、理解浸透のスピードが上がっていくのではないかと思います。
また、もう一つのポイントとして、消費者の皆さんの理解浸透のみに頼るのではなく、デジタル技術がますます進化している中で、われわれ民間企業も、業界のデータを活用・分析しながら、需要予測や在庫管理の精緻化を行い、サプライチェーン上のムリ・ムダ・ムラ削減を同時並行的に推進する事が必要です。但し、先ほど申し上げた通り、日本市場の場合は、食品産業にかかわるプレーヤーの数が物凄く多いので、業界横断型の統一データベース構築のハードルが極めて高いというのが現実です。
このような分野でも、農林水産省や政府の支援があると、ロス削減や生産性向上のスピードが上がると思います。
また、セキュリティが整備された環境下で、全てのデータが一カ所に集約できれば、かなり精度の高い需要予測や生産・在庫管理ができて、廃棄の大元の発生が抑制できると考えますし、それでも廃棄が発生するカテゴリーの商品については、「売り切れ御免」の浸透が効果を及ぼすでしょう。

堀切部会長
ありがとうございます。
今の話は結構基本法部会の中でも、農業のスマート化というのでしょうけど、その情報相違化ということも大きな議題として取り上げられています。
工藤委員、よろしいでしょうか。

工藤委員
ありがとうございます。工藤でございます。
食品ロスのことになりますと、必ず家庭、消費者ということは常々、もう十数年前から言われておりますので、私だけが消費者を代表するわけではないのですが、どの世代が一番出しているかというデータを見ますと、私は若い方だろうと思いましたが、違っており50代、60代以上がかなり出しています。これは推測の域出ないのですが、買いましたけれど使えなかった。だから、今までの常識が通用しない。あるいは、体が弱ったのかもしれませんし、家族数が減ったというのもあるのですが、買ってしまったというようなことが、起きているのではないかと思いました。
ですから、世代別に少し対応をお考えになるとか。あるいは、私どもも高齢化していますし、小売のいろんなパック惣菜なんかありますが、それが本当にその量でいいのかとか、あるいは、その味付けでいいのかということも含めまして、買ったものを全て消化する、廃棄に出さないような、サプライチェーンの中で考えていくべきなのかなと思ったりもします。
私も高齢者の方に廃棄が多いというのは、とてもびっくりしました。当たり前のことかもしれませんが、私たちも勉強していかなきゃならないなと思いました。
廃棄量を世代別に見たグラフがありまして、若い人は若い人なりのいろんな事情もあるかと思いますので、そこら辺りは一概にこれだということは、私も何とも判断はできないところです。

栗田委員
私には、富山に80歳に近いおばがいて週末行くたびに冷蔵庫を見るのですが、同じものを買ってきている。それを何度言っても同じものを買ってきて、最後には廃棄しています。そういう高齢者独特の過去に買っているものを買ってしまう。賞味期限を見ないで買ってしまうし、いつも食べているもの見ると全て期限切れです。余りひどいと、私は捨てろと言って、冷蔵庫の中をまとめて帰ってくるのです。
よく高齢者の方が何を買うか、スケジューリングを政府の方で何かしないと。本当に同じもの毎週買っているのですが不思議です。

堀切部会長
ありがとうございます、いろんな角度から御意見を頂きまして。
ほかに、よろしいでしょうか。
どうぞ、江口委員。

江口委員
すみません、何となく小売からの観点で発言させていただきます。
皆さんおっしゃるとおり、経済が伸びているときは競争も激しくて、自社のシェアを伸ばそうと思って、製配販みんなが一緒になって、実はそういう今の制度を作り上げてきたと思います。私もスーパーでの仕入れの部門が長かったので、そういう時期をずっと経験してきて、リードタイムはどんどん短くなり、商品数もどんどん増えていきして、今の形ができ上がってきたと考えております。
しかし、世の中が変わったということもありますので、そのやり方は変えなきゃいけないというのは正にそのとおりだと思っています。
そういう中で、リードタイムというものは、今の前日発注というのはかなり無理があるので、これは見直す必要があると思いますし、特売商品は、たとえば1週間以上前から数量を確定することによって物流そのものも安定化させることが必要だと思います。そこで私が思うのは、消費者の方にも御協力いただかなきゃいけない点が実はあって、今まで、例えば豆腐のように、3日しかもたなかった商品が、実は1週間から10日ぐらいもつような商品になっているのですが、買う段階になると、消費者の方は鮮度が新しい商品を望まれる。こういう構造があって、もう少し、いや、この商品は実は1週間も、10日ももつのですよ、製造日翌日でなくても大丈夫なのですということを、我々は伝えていかなきゃいけないのではないかと思います。そういうことをやることによって、過度な鮮度に対する消費者の認識というのが変わっていくのではないかなと。
それによってリードタイムを延ばして食品ロスを減らしていけますし、消費者のニーズに応じて販売はされていくので、どこかで予測というのは入るのですが、一定のリードタイムを持つことによって、皆さんで緩和していくということも必要なのではないかなと考えております。
それと、この中で出たバイオガス発電というのも、実は私ども惣菜工場等も会員の皆さんは持っていて、そういう取組が実は出始めております。是非これは進めていきたいなと思います。この取組、確かにその発生抑制が大事、次に再生利用が望まれるということなのですが、どうしても多店舗でいろんなものが混ざって少しずつ集まってくる。また、域内処理という原則があるので、同じチェーンとはいえ、どこからでも持ってこられるわけでもなくて、どうしても効率的な対応が難しいので、一つの地域の中で、できたら例えばスーパーマーケットとか関係なく、この領域はこのトラックで全部集めてくるみたいな効率的なことがもしできて、それが発電につなげる施設に持っていけるとか、こういう効率化って図れないものかというのを、ずっと去年ぐらいから関係者の方といろいろと意見交換もしているのですが、そういうこともこれからは必要なのではないかと感じているところでございます。
以上でございます。

堀切部会長
ありがとうございます。
ほかに、ございますでしょうか。
はい、どうぞ。

工藤委員
工藤でございます。
食品ロスで、お話しするのはこの機会かなと思いまして、お話しさせていただきたいのですが、食品ロスが21年度、家庭から出るごみの量が変わらないという数字が出ております。ただ、23年度で、何万トンという単位で、大分減ったのです。これの理由といいますか、そこら辺りの背景は教えていただきたいと思うのが1点です。
期限表示、鮮度志向というお話も長らく言われておりまして、期限表示、消費期限に関しては、皆さん、その期限まで食べようということで分かっているのですが、問題といいますか、ソースであったり、調味料であったりとか、あるいは今、冬ですとお餅、お漬物、こんなものも賞味期限で出ております。表示のところに、開封したらすぐお食べください、できるだけ早くお食べくださいというのが付いているので併せて見ますと、開けたらすぐという、早く食べなければ問題あるのだというふうに感じてしまうのではないかなという印象もあります。賞味期限と消費期限の違いは大分分かってきているのですが、賞味期限に関しては、家庭の中で開けてしばらく放置する時間がありますので、そこら辺り少し考えていかなきゃならない点ではないかなと思います。

堀切部会長
ありがとうございます。
では、事務局から。

五十嵐外食・食文化課長
初めに申し上げればよかったのですが、農水省が所管しているのは事業系のごみの削減ということで施策を進めています。ということなので、家庭から出るごみの量が減った理由というのは我々分からないのですが、環境省が出している資料を見ると、ライフスタイルの変化が理由とされております。
期限表示についても、御指摘の点、もっともだと思います。期限表示の制度を所管している消費者庁において、賞味期限のアピールの仕方とか愛称募集とか行っておりますので、今後とも消費者庁と一緒に周知だとか効果的な施策を考えていきたいと思っております。

堀切部会長
よろしいでしょうか。
はい、どうぞ、栗田委員。

栗田委員
先日、埼玉県でミーティングがあったときにお菓子屋さんの方が、バームクーヘンの端切れのロスで困っていたという話がありました。偶然ほかの会議で北海道の畜産の方と出会って、ふん尿を発酵させるのに、それだけでは駄目なところに、そのお菓子の焦げたものを入れるとすごく良くなるとのことで、すごく驚いて、今取りに来てくれ、すごく助かっているのだよという話を聞きました。知らない同士が、情報がないために生かせない状況があります。その北海道の方がどれだけ費用掛けて取りに来ていらっしゃるか分からないのですが、焦げたところなので日持ちがするそうです。それを集めて、北海道の方が取りに来て渡して、堆肥ができているという話を聞いています。
堆肥化の場合に一番いろんな問題があるのが、発酵の際にすごい匂いがするということもあり、関東だとすごく難しいです。何かいい技術があって、県内のどこかで発酵させても大丈夫なことができると、もっと飼料化とか堆肥化ができるようになってくるのかなと思います。
齋藤委員では、関連して、いいですか。

堀切部会長
齋藤委員、お願いします。

齋藤委員
今、養豚事業、酪農の方の事業では、バイオガス発電ということでやっていらっしゃる大型農場がいっぱい出てきますが、なかなかカロリー不足で、堆肥でそのままメタンガスを発酵させて、発電のディーゼルを回すのですが、ほとんど失敗しています、それはカロリー不足です。おっしゃるとおり、食品産業からの一番カロリーある油脂をもらっても今ほとんど足りなくて、一般廃棄物みたいなものも、集荷業者の免許も取りまして、一緒にぶっ込んでメタンガス発酵プラントを何とか回しているという状況です。
食品産業の油脂分とかカロリーのあるものであれば、畜産のバイオガス発電プラントにぶっ込めば、有効活用はできるのだろうと思うのですが、なかなかミスマッチで、ほかのところから持ってくること自体が、やっぱり産業廃棄物なものですから、なかなか面倒です。それから、運賃の問題もあり、なかなかうまく回っていないというのが現状ですので、うまく地域の中で回せれば有効活用できると思います。
以上です。

堀切部会長
貴重な御意見ありがとうございます。
それでは、更なる御意見、御質問等ないようでしたら、今回の食品リサイクル法の一部見直しについては、この部会で審議し、異論がないということでよろしいでしょうか。この資料2の赤字の変更点でございますので、確認を頂きたいと思いますが、よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
本部会の議決につきましては、食料・農業・農村政策審議会令第6条第6項の規定によりまして、審議会の議決とすることとされておりますので、後ほど、食料・農業・農村政策審議会として御了承いただいた内容で農林水産大臣に答申を行いたいと存じます。
それでは、諮問答申事項の審議はここまでということにさせていただきます。
次の議題に移りたいと思います。
説明事項について、事務局からお願いいたします。

木村企画グループ長
続きまして、私の方から、資料4になりますが、今大変充実した御議論いただきました食品ロスも含めて、食品産業に係る情勢全般について御報告させていただきたいと思います。
時間も、大分議論が盛り上がりまして、押していますので、簡略にさせていただきますが、是非説明の後、皆様からも、今後の食品産業についてどうしていくべきか、御意見を賜りたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、資料4の表紙をおめくりいただきまして、今日は、1ページ目にありますが、食料・農業・農村基本法について別の部会での答申を頂きましたので、その報告、それから、その中で大きなテーマとして二つ、食品産業の持続的な発展、適正な価格形成ということで、今日、資料を御用意いたしました。
まず、基本法ということで、2ページお開きいただきまして、3ページでございます。
先ほども部会長からもお話ありましたが、食料・農業・農村基本法の見直しということで、上の囲みの中に書いてありますが、この農政の根幹の基本法、制定後、約20年以上経過したということでございまして、総合的な検証を行って見直していこうということで、昨年の9月から、この同じ審議会の中に基本法検証部会という部会を立ち上げまして、約1年にわたり検討、審議をしていただきました。
右側に検証部会の委員の名簿がございますけれども、この中には本部会にも御参画いただいて今日御出席いただいている齋藤委員、高槻委員、それから堀切部会長に委員として皆様に1年間にわたって活発な御議論を頂き、その答申を去年の9月に頂いたものが次の4ページでございます。
この検証部会取りまとめで、左側に青い色がついているところに、先ほども議論の中にありましたが、この約20年間、大きく経済・社会情勢が変わってきたということで、黒い丸のところ、国際的な食料需要が増加する一方、食料生産・供給が不安定化してきたということ。
それから、二つ目の黒丸ですが、食料・農業をめぐる国際的な議論が進展してきていると。括弧の中に書いてありますが、食料安全保障に関する国際的な議論とか、二つ目のポツにありますが、SDGs、環境、人権、持続可能性、こういった議論が国際的にも進展してきたと。
それから、三つ目の黒丸にありますが、国際的な経済力の変化と我が国の経済的地位の低下ということで、食料のかなりの部分、輸入している部分についての影響、これが出ていると。
それから、四つ目の黒丸ですが、我が国、国内では、人口減少、高齢化、国内市場の縮小と。
こういった変化が近年起きてきているという中で、右側の上のオレンジ色のところに、今後20年見据えた課題ということで幾つか挙げておりますが、左側に上から、平時における食料安全保障を考えていかなきゃいけないとか、その下、国内市場の一層の縮小にどう対応していくのか、さらには、持続性に関する国際ルールの強化、これに対応していかなきゃいけないと、こういう課題が提起されたところでございます。
それに対して、その下になりますが、緑色のところ、この今後20年の変化を見据えて現行基本法をどう見直していくかということで、答申を頂いております。
まず1.基本理念というところでございますが、この部会に関係するところに赤く囲みをしておりますので、そこを中心に御説明しますが、この食料安全保障を国民一人一人が考えていかなきゃいけないという、食料安全保障について位置づけていくべきと。
その中で、(イ)にありますが、全ての国民が健康的な食生活を送るための食品アクセスを改善していかなきゃいけないとか、次の(ウ)海外市場も視野に入れた産業への転換、さらには、(エ)適正な価格形成に向けた仕組みの構築と。後ほど、この辺りはもう少し詳細を御説明いたします。
それから、下の(2)でございますが、環境等に配慮した持続可能な農業・食品産業への転換を図っていかなきゃいけないと。こうした基本理念についての御提言を頂いたところです。
次の5ページでございますが、基本法は食料・農業・農村それぞれの基本的な施策を定めておりまして、この部会に関係するものとして、左の上に食料に関する基本的施策とありますが、この中に具体的な施策の方向として、食品アクセスとか、先ほどもあった適正な価格形成、それから食品産業の持続的な発展、さらにバリューチェーンの創出、新たな需要の開拓、こういったことに取り組むべきということで答申を頂いたところでございます。
6ページに、今申し上げた四つの項目それぞれ、こういうことで提言を頂いておりますが、時間の関係もございますので、一つ一つの御紹介は割愛させていただきます。
こうした答申を受けまして、次の7ページになりますが、政府の方で政策の方向ということで決定したものがこの7ページでございます。
政府全体で、総理が本部長を担っております食料安定供給・基盤強化本部というところで、昨年の1227日、年末に決めた施策の全体像ということで整理をされております。
食料の関係では、上の食料の安全保障の強化というところでございますが、先ほどの食料安全保障を政策の柱に位置づけていこうということで、その右に具体的な政策の方向を赤く囲っておりますが、適正な取引の仕組みづくりに向けたコスト調査をやっていくとか、今日御議論いただいた食品ロスの削減の取組の促進、さらに、その下三つ並んでおりますが、食品原材料の調達安定化を促進する金融・税制措置の整備を、今年の国会提出を視野に取り組んでいくとか、食料システムの関係者による適正な価格形成の推進、これは後ほど御紹介しますが、5年度に協議会を設置して検討を現在行っているところです。
さらに、先ほどの食品アクセスを含む物流効率化に向けた法的枠組みの創設を関係省庁と連携していこうと、これも今年の通常国会提出を視野に取り組んでいくと。こうした方針を昨年の12月に政府として決定したところでございます。
8ページ以降に、今申し上げた方向の具体的な施策の内容が整理されておりますが、この8ページの左側が昨年6月に決めた新たな展開方向という政策の方向性、それに対応する右側が具体的な施策の内容ということで、少し方向が具体的な施策に落とし込まれているということでございます。
食料の関係では、次の9ページ御覧いただくと、左側に、適正な価格形成という項目の中に、マーカーが引いてあるところでございますが、昨年の6月に食料システムの各段階の関係者が協議できる場を創設して議論していこうということで決めまして、右側のような具体的な施策の内容で進めていますが、後ほど、この価格形成については別の資料で御説明させていただきます。
それから、10ページにありますが、円滑な食品アクセスの確保ということで、この食品アクセス、物流問題でございますが、下のマーカーのところに書いてありますが、産地から消費地までの幹線物流について、いわゆる2024年問題を始め、こういうトラックドライバーの人材不足の深刻化にどう取り組んでいくのかということについて、右側に具体的な施策の内容で、真ん中ぐらいにア、イ、ウとありますが、九州、北海道、産地からの幹線輸送、大ロット化して中継共同物流拠点の整備をしていこうとか、二つ目の標準仕様のパレットとかトラック予約システムとか、こういったことに取り組んでいこうと、そういう方針が示されたところでございます。
少し駆け足になります。次の11ページにいっていただきまして、左側にあります、このいわゆる買い物困難者の問題、それから、(ウ)のところは経済的に困窮している方へのフードバンク等の支援ということで、具体的な施策を進めていこうということで整理してございます。
それから、12ページでございますが、これは(8)食品産業の持続的な発展ということで、この左側、B.の展開方向の中でもマーカーのところに書いてありますが、(ア)産地・食品産業が連携して取り組んでいこうとか、(イ)GHGの排出抑制等の環境負荷低減、人権に配慮した原材料調達、フードテックなどの新技術の活用等々に取り組んでいこうということでございます。
その下に、特にマーカーのないところですが、先ほどの食品ロスの削減に向けて、製造段階での効率化、賞味期限延長のための技術開発、納品期限3分の1ルール等の商習慣の見直し、さらに、フードバンクへの寄附量の開示の促進等々についても具体的に取り組んでいこうということで、右側に記述されているところでございます。
ということで、基本法の見直しに沿った食品産業関係の政策は以上でございまして、13ページから、先ほど申し上げた食品産業の持続的な発展について検討をしていくということで、14ページにございますが、これは基本法の検証部会とは別に、この持続的な発展に向けた検討会というのを、去年の8月から開催をしております。
左側に、生産者、製造業者から消費者、スタートアップ企業まで幅広く御参加を頂いて、食品産業の発展の方向について御議論いただいております。本日御出席のスーパーマーケット協会の江口専務にも御参加いただいているところでございます。
右側のように、2週間に1回ぐらい精力的に議論をしまして、課題の洗い出しをしてまいりました。
次の15ページを、御覧ください。
左側が、先ほども基本法のところで申し上げた食品産業をめぐる現状と情勢の変化ということで、こういう変化が起きてきている中、右側に検討事項ということで七つ掲げております。
1番、先ほども基本法の中でもありました環境や人権への配慮等の、国際的なマーケットに向けた取り組みです。
2番目の世界の食市場の確保、食産業の海外展開。
それから3番目、新たな需要の開拓ということで、新技術の活用とか新ビジネスの育成。
それから4番目、原材料の安定調達と、国産原材料の利用促進とか農業と食品産業の連携強化。
それから5番目、食品産業の生産性の向上、AI、ロボット等の活用。
それから6番目、食品産業の事業継続・労働力確保と、事業承継の円滑化等。
それから7番目、物流の効率化。
こういった食品産業をめぐる主要な課題をテーマに検討会を行ってきたところです。
16ページに開催の実績。
有識者の方に御参加いただきまして議論を重ねてきております。特に1124日の最後の会には、今日お越しの栗田委員にも来ていただきまして、課題の洗い出しを行ってきたところでございます。
17ページから、各課題についての整理をしてきております。
17ページ、まず環境の問題、どうしていくのかということで、めぐる情勢ということで整理していますが、環境については、SDGsの取組というのは既に多くの企業に取り組んでいただいているのですが、今一番課題になっているのは、上の囲みのところに書いてあります気候変動に係る情報開示、これが会計基準に順次各国で採用されてきていると。さらに、生物多様性とか自然資本に関する情報開示も求められるようになってきているということで、左側の方に絵が描いてありますが、気候変動はTCFDというもの、それから生物多様性についてはTNFD、こういったものがどんどん国際的にルールが決まっていくという中で、我が国の食品産業はきちんと対応していかないと海外でのビジネスもうまくいかなくなるということでございますので、こういった対応についてしっかりと国としても関与していかなきゃいけないと、そういう議論が行われたところです。
18ページに、検討会・PTで出た意見ということで、例えば1番目、環境を含むサステナビリティ課題の国際的な評価の向上が必要だとか、2番目、中小企業で特に対応が遅れているのではないかとか、3番目、カーボンフットプリント等による消費者への理解の促進が重要ではないかと、こういった御意見を頂いて、これに対して我々が更に政策的な対応も含めて考えていこうと、こういう形で議論を進めてきているところでございます。
もう一つ、19ページでございますが、環境と、もう一つ人権という問題も、食品産業をめぐっては一つ取り組むべき課題になっておりまして、上の囲みに書いてありますが、2011年に国連の方でビジネスと人権に関する指導原則というのが全会一致で支持されたということを受けて、各企業の人権配慮の取組が評価されるようになってきているということです。
20ページに、検討会で出た意見、整理していますが、1番目、国際的な指標で日本企業が低評価を受けているとか、人権の取組が遅れているというような評価を受けているとか。2番目、食品産業特有の問題があるのではないかということで、食品は、最初の丸のところに書いてありますが、サプライチェーンが長くて非常に複雑だと、非常に分かりにくい構造にあるとか、二つ目の丸に書いてありますが、食品産業は原材料の調達をどうしても海外途上国に頼っている部分もありますので、特にこの人権のところでの対応が必要だとか、こういった意見を頂いたところでございます。
時間の関係もありますので、あとの課題は最後の方のページにまとめておりますので、いろんな課題が食品産業はあるなということをおめくりいただきながら見ていただいて、まとめたのは35ページに、今申し上げた環境・人権を含む七つの課題について整理をいたしております。
左側に各課題の性格、進捗状況とありまして、それぞれの課題についての状況を整理してございますが、こうした課題について、右側にアプローチということで、こういう方向で考えてはどうかということで整理をさせていただいております。
35ページの右側でございますが、四つ丸がありますが、二つ目を御覧いただくと、「これらの課題」とありますが、環境とか人権含めて、こういった課題については海外の動向、国際的なルール形成などが非常に大きく影響するものでありまして、企業価値を含めた国際的な我が国の評価、食料安全保障の確保を含めた中長期的な影響への考慮が必要だと。こういう課題が、ほかにもフードテックだとか、原材料の調達だとか、そういう面で大きく影響しています。
三つ目の丸ですが、これらの課題への対応については、国としての対応方針を示して、国がイニシアティブを取って、ルール形成に積極的に関与していくことが必要ではないかと。
その上で、国内の食品企業に対して必要な支援を講じつつ、自主的な取り組みを促していくこととしてはどうかということで、1から4は、どちらかといえば国際的な対応が、しっかり国が旗を振って取り組んでいかなければならないのではないかと、こういう課題として整理をしているところでございます。
一方、36ページの方でございますが、個々に御紹介はできなかったのですが、左側、生産性の向上を図っていかなきゃいけないとか、あと、事業継続とか労働力確保の面で取り組んでいく必要がある、人口減少の中、どう継続していくかという問題、さらには一番下の物流の問題ということです。
これらについては、右側にありますが、二つ目の丸ですが、これらの課題は、個社の判断のみに任せていては対応が進まないものであり、関係業界で協調した投資・将来展望、物流業界との利害調整・協調した取組の必要性への考慮が必要ではないかと。
その下ですが、これらの課題については、食料システムの持続性を確保する観点から、国も一定の関与をしつつ、協調して対応する食品企業の取組を評価して、必要な支援を講じつつ、自主的な行動・取組を促していくこととしてはどうかということです。5、6、7はどちらかといえば国内の対応で、今まではコストダウンの競争ということでやってきた課題も多いのですが、そうでなくて、協調して対応していくということも考えていく必要があるのではないかという形で、昨年時点では整理したものでございます。
今後、各課題について具体的な政策の対応、民間での取り組んでいただく方向について、更に具体的に議論を続けていきたいと思っておりますので、是非、皆さんからも御意見を頂ければと思います。
それから、37ページにいっていただいて、もう一つの大きな課題であります適正な価格形成ということで、いわゆる価格転嫁の話でございます。
38ページに長期の物価の動向とありますが、左側にGDPデフレータの推移が載っておりますが、日本以外の国は、この約30年間、着実に物価が上がっていたと。一方、日本だけ、いわゆるデフレ状態で来たということで、長期的にはこういう傾向です。
それから、次の39ページにいっていただきまして、これは直近の動向です。
30年間物価は上がらなかったのですが、左側御覧いただくと、2021年1月からですから、約3年前から物価の変化を見ると、この3年間で急に上がり始めまして、総合物価は105.7、それに対して食料はもっと上がっていまして113.1ということで、これは去年の夏なので少し古いのですが、急激に物価が上がってきたということでございます。
こうした中、次の40ページ御覧いただきますと、この物価高の中、農業生産者が非常に厳しい状況にあるということが言われていますが、データで見ますと、40ページの左側、同じく3年前と比較した生産資材の指数の中で、ぐっと上がっているのが、オレンジ色の肥料と、青い色の飼料、餌で、この二つが大体3年前と比べて1.5倍ぐらいまで上がってきたと。最近少し落ち着いては来ているのですが、農業生産者が購入する資材が非常に高くなっているという状況が出てきております。
それに対して右側ですが、農産物の価格指数ということで、農家が販売する価格の指数なのですが、見ていただくと、唯一上がっているのは鶏卵、卵です。これは鳥インフルエンザで供給が一気に減ったということもありまして、これも最近落ち着いていますが、一気に上がりました。
一方、鶏卵以外の品目についてはほぼ横ばいなのですね、100前後ということで。資材は上がったが、販売する農産物の方は上がっていないと。こういう状況にありまして、このギャップが生産者の今の苦しい状況につながっていると、そういう面がございます。
そういう中、41ページでございますが、この価格形成について、いわゆるサプライチェーンの関係者で議論していこうということで、生産者だけでなくて、左側にありますが、製造業者、小売業者、外食・中食、消費者まで入っていただいて、いわゆるサプライチェーン、食料システム全体で議論していかなきゃいけないということで議論を、これも去年の8月から議論を進めております。こちらの方にもスーパーマーケット協会の江口専務に御参加いただいているところでございますが、堀切部会長の食品産業センター、それから齋藤委員の農業法人協会などにも御参画いただいているところでございます。
この議論、42ページにありますが、こういう考え方で議論していこうということで、この下にあります「目指すべき食料システムの姿」というところを御覧いただきますと、左側に農林水産業がありまして、それから真ん中に食品産業、それから消費者ということで、矢印は原料・物の流れを示しておりますが、この食料システムの関係者が、それぞれ矢印が下に向いておりますが、例えば農林水産業であれば生産性や付加価値の向上を図っていく。それから、食品産業であれば多様な商品・サービスの提供を進めていく。さらに、消費者であれば生産・流通への理解をもっと深めてもらうと。
こういったことで持続可能な食料システムを実現していこうということなのですが、右上に赤く書いておりますが、対象とするものが農産物、食品でございますので、消費者の理解というのは、これは欠かせないと思っております。まず消費者の理解を得るということで、その消費者の理解の下、この食料システムの持続性を確保するために協調していくことが必要だということで、それぞれ、この絵にありますステークホルダーの間で取引が行われていますが、どっちかがもうかって、どっちかが損するということでなくて、協調しながら、どうやったら持続的な取引の関係できるのかと、そういう考え方で議論をしようということで、議論を重ねているところでございます。
最後、43ページになりますが、こちらの方の協議会もまだ議論を継続している状況でございまして、一番上の丸に書いてありますが、これまで、食料システム各段階の状況や課題、他のステークホルダーに求める対応等を共有してきております。消費者の理解の下、今申し上げましたが、協調していくことが必要であることを確認しながら進めているところです。
二つ目の丸ですが、今後、この適正取引を推進する仕組みを具体化していくために、品目を特定して、品目ごとに価格形成やコスト構造、取引の実態等について検討を進めていくこととしてはどうかということで、具体的には、(1)まずは流通経路が簡素でコスト把握も比較的容易、生産等の持続性を確保すべき品目として、飲用牛乳、それから豆腐・納豆、いわゆる日配品についてワーキンググループを設置して検討を行っているところでございます。
それから、(2)上記以外の品目につきましても検討していこうということで、価格交渉に必要なコストデータを把握・収集できるのかとか、業界全体でコスト指標を作成していけるのか、さらには、価格交渉とか契約においてどういった課題があるかと、こういった点について議論を重ねてきているところでございます。
まだ具体的な結論には至っておりませんが、引き続き今年も議論を続けて、関係者が同意できるような、そういう議論の進め方を進めていきたいと思っております。
長くなりましたが、以上でございます。

堀切部会長
御説明ありがとうございました。
食品産業をめぐる情勢ということで、大変広範にわたる議論の内容について御説明を頂きました。こういった全体を通しての御意見とか御質問ございましたら、どうぞおっしゃってください。
京谷委員、お願いします。

京谷委員
正直なところ、余りに範囲が広過ぎて、どこから手を付けていいのか、全く気が遠くなるような印象ですが、わたしは今回の基本法の改正に当たって、最も重要なのは「農業の再生」だと強く感じています。先ほど齋藤さんからもお話がありましたが、どういう形の農業をこれから目指していくのか、20年先、30年先に、日本の農業は一体どういう形になっているのか、より具体的に、誰が何を作って、何を国内で流通して、何を輸出に回して等々、具体的なアクションに繋げていくためには、そこまでの絵を描いていく必要があります。それがあって初めて、日本市場における農産物の公正価格ってどういうことなのだろうという話になっていくと考えています。
先程、40ページ目のグラフを拝見しましたが、肥料と飼料の値段がこんなに上がっていて、米の値段がなぜ上がらないのか。これは残念ながら必要とされていないからなので、需給が全然見合っていない。
様々な地政学リスクを踏まえた食料安全保障という視点も加えながら、これから加速して人口減少に向かう日本の農業、農産物の将来需給の在るべき姿を考え、担い手が誰で、何を作るべきかという根本的なところからもう一度見直して、その上で公正価格の議論を進める、或いはもう一度、農業を魅力ある成長産業に育成していくことが重要だと考えております。

堀切部会長
ありがとうございます。
浦上委員、お願いします。

浦上委員
今の京谷さんのお話にもつながるところですが、実は昨年、ドル円が150円を超えていったときに、カレーの原材料として小麦粉でなくて米粉、国産の米粉を使えないのかと調達担当に問うたことがあります。というのは、麺だとグルテン質があるから、なかなか米粉難しいかもしれないですが、カレーは、例えば我々のアレルゲン対応の製品では米粉も使っていますし、そういう意味では代替は可能なのではないか。ただ、やっぱりどうしても箸にも棒にも引っ掛からないというような、品質の問題、物量の問題、コストの問題があります。その辺りを少し掘り下げて議論していくと、今の消費者として米を食べるのはないとしても、その需要の裾野を広げていくというのは一つの選択肢としてはあるのではないだろうかと。
昔、6次産業という話があったとき、1次と2次をつなげるという、この矢印のパイプをつなげるために、具体的に何が足りなくて、何をどうやっていけばこれがつながるのか、そういった議論というのは大事かなと感じたところです。
それと、農業については、私も非常に京谷さんと同感です。今、当社がやっているコーポレートベンチャーキャピタルで、アグリ系のスタートアップさんとも話す機会があります。そのときに、農家さんの自分たちの製品・作物の価格の問題も出るのですが、もう一つ出てくるのは規格の問題で、やっぱりその規格が整わないと出荷することもできないというものがたくさんあると。
だから、これを消費者にお届けすることででも、農業従事者の方の生活レベルを上げることは可能なのではないかという問題意識を持っていられる方もいらっしゃるので、この規格に関しては、話も出ていたように、やっぱり消費者の方をいかに啓発するかがテーマになってくると思います。そこを、この21世紀、これだけ物を大事にしなきゃいけないと、環境問題に意識が高まってきている中で、やっぱり消費者の方も御理解いただける方はたくさん出てくるはずだと思いますので、そういう観点は必要かなということです。
豆腐の賞味期限の話も啓発の一環なのかなと思いますが、私たちがアメリカでやっている豆腐の賞味期限は65日で、それでも競合社よりも短いです。大体競合社は90日なので。もちろん製品化するときの細菌の問題と、流通過程の温度帯の問題、温度管理の問題ありますが、そんなことも啓発の一つかな、と思っています。
それと、話は変わりますが、最後に、今回の取りまとめで、輸出拡大の後に海外進出という言葉も入れていただいていまして、これは大変有り難いなと思っています。これまでどうしても輸出、輸出というのが前面に出ていたような気がしますが、食品という製品ですから、お客様の上代でも100円、200円というものが多いので、海外マーケットのマーケットゾーン狙うのであれば、地産地消というのが一つ大きな選択肢としてはあるはずで、こういういろいろなモデルを広く視野に入れて海外の広がり、取り組んでいくようなことを一緒に議論できればと思っています。
以上です。

堀切部会長
栗田委員、お願いします。

栗田委員
2点。
一つは、うちの会社でも起きているのですが、食品作っている工場に入った新卒の学生たち、社員が農業を知らない、体験をしたこともない。このところ、農家と契約したところについて農業体験に、本当に簡単な1日ですが、行かせています。その中で、2026年から大学のインターンシップの内容が変わったという中で、そこに農業って義務付けることできないのでしょうか。自分の食べるものを、一回経験、5日間してくると大分違うと思うのですが、何かそんなことを感じています。
うちの会社でも、小学校で食品の作り方ということで、うどんの体験をしてもらったりしているのですが、全く知らないというのがあります。昔は家でいろんなものを作っていたので知っていた世代が多いのに、今の子たちは知らない。
笑い話ですが、うちの女子社員は麦を見たことがないって言いました。麦畑に連れていって今やっている状態なので、この間麦踏みに行っていました。
その辺りが1点。
もう一つは育成就労の件です。
外国人就労者が農業から私たちの惣菜製造、外食産業にと移動していきます。今度1年になったときに、何らか農業にいる人たちにメリット、例えば住民税が要らないとか、何かを付けないと農業に残らなく、試験を受けて自分の行きたいところに移動していきます。我々のところにいる子たちも外食の試験を受けて外食に行きたいという話が年に四、五人来ます。
でも、条件が一緒で、農業の方々もすごい時給を払っていらっしゃる。1,300円ぐらい、技能実習生でもお支払いが全国の平均相場かなと思うのですが、特に労働のきついところは高い。それと、農業の場合あるのが、年間の残業時間でなくて月の残業時間を言われる。繁忙期、我々もそうなのですが、繁忙期で残業60時間超えたら駄目なのです。45時間以内にしなさいって。でも、農業って収穫のときそんなこと言っていられないのに、それで官庁から指摘を受けて、報告書を出しなさいって言われるのです。
このいろんな食に関わるといろいろあるので、そこを一把一からげで、デスクワークしている人たちと同じで見られると、農業はますます苦しくなるのではないかなと思います。その辺りの見直しを是非、横断しないとうまくいかないと思うのですが、農業を支えないと駄目だと思っています。
私も一生懸命国産化、今取り組んでいて、熊谷JAに無理言って今新しい麦をまいてもらって、大分非難を受けているのですが、頑張ろうと思っています。
以上です。

堀切部会長
内田委員、お願いします。

内田委員
すみません、発言のタイミングをミスってしまいまして、最後になりましたが、2点言わせてもらいます。
1点は、やっぱり農業のことですが、我々、農家の方、農協の方と日々お付き合いしていますので、来られるたびにコストが上がって大変だと、もうやっていられないことを訴えてこられます。ただ、生鮮青果物は需要と供給で値段が決まるので、なかなか故意的に値段を上げることはできない状況はあるのですが、消費者の方の理解を得て、消費者教育と言ったら失礼なのですが、消費者の方が喜んで国産の農産物に対してはお金を払う、それだけの価値があるのだということを教えていく必要があるのかなと思っております。
一つの方法は、子供の段階からの農育・食育活動ということで、我々、農育活動をもう20年前からやっているのですが、やると子供たちは一生懸命ピーマンとかトマトとかを育てながら、作ったものは嫌いでも食べますし、残しません。それが全てフードロスの関係にもつながってくるのかなというふうに思っておりまして、こういう活動、すぐに成果が出ることではないと思いますので、長い目でしていく必要があるのかなと思っております。
もう1点は、前も言ったポジティブリストの関係とかで、いわゆる国際化している中で、海外との基準が違うところが多々あります。農薬基準もそうですし、この前聞いてびっくりしたのは、アーモンドをアメリカから輸入するのですが、アフラトキシンが出てしまったってことで、何回かシップバックしています。でも、海外のアメリカ人から言わすと、いや、そんなはずはないと、うちの検査では大丈夫やったと言うので、なぜかって聞くと、検査のいわゆる収去の仕方が違う、個数が違うってことで、日本の方が出る確率高いということになってしまって、送り返すのですが、普通、送り返したら相手がお金払ってくれるのですが、これに関しては理解してくれないので、僕らが半分コストを持つみたいな形になっていることがあります。ここら辺りの世界基準と日本の基準を、ポジティブリストの残留農薬基準だけでなくて、検査の仕方というところまで合わせていった方がいいのかなというふうに思っております。
以上です。

堀切部会長
ありがとうございます。
高槻委員、お願いします。

高槻委員
先ほど京谷委員からもありましたが、非常にこの範囲が広くて、それぞれが重要なのですが、私は基本法検証部会の方も出ておりまして、どのようにそういう広範な話の中で議論を整理したかということで、恐らくこの部会でも役に立つと思われるので、補足的に申し上げますが、一つは、「平時と不測時を分けて議論する」ということをやりました。不測時の方は、不測時ですから全てを予測できないのですが、幾つか典型的な起こり得ることというのはあるので、そういうことについて議論しようではないかということをやりました。
それからもう一つは、「需要に応じた生産」というのは非常に重要なキーワードになっているわけですが、その需要には「内需と外需があって、それぞれが要求するものが違う」ということです。需要といっても、今は内需の需要について議論しているのですか、今は外需の需要に応えるための議論をしているのですか、ここを整理して議論しないとなかなか話がかみ合わないということがありまして、そういった工夫をした結果、かみ合っていったという記憶がございます。恐らくこの部会もそうではないかと思います。
もう一点、最後に、食料・農業・農村基本法なので、確かに農業はとても重要なのですが、食料という観点でいえば、これは農産物ばかりではなくて、水産物とか畜産物、こういったものも重要ですし、特に我が国は水産資源という観点では非常に恵まれた状況にあるというところもありますので、農業のことばかりでなく、その周辺にも目を配るのが食料産業部会としても重要かなと思います。
以上でございます。

堀切部会長
ありがとうございました。
大分時間が迫っておりまして、皆様方から大変活発な御意見を頂戴しまして、ありがとうございました。
これまでのところで事務局の方から何かお答えいただくことがあれば、お願いします。

木村企画グループ長
限られた時間の中、本当に貴重な御示唆いただきまして、ありがとうございました。
御紹介した検討会、協議会はまだ議論を続けていきますので、是非これからも委員の皆様方から御示唆いただきたいと思います。
特に、食品産業は、農産物を活用して、加工して、それを消費者に届ける。消費者に対面しているのが食品産業だと思います。是非、農業の再生というお話しいただきましたが、農業、食品産業、両方が発展していくことが大事だと思っておりますので、また引き続き御意見、御示唆いただければと思います。よろしくお願いいたします。

堀切部会長
ありがとうございます。
本日は、大変皆様御多忙の中、御参加賜りましてありがとうございます。
それでは、本日の議題は以上となります。
委員の皆様におかれましては、円滑な議事進行への御協力ありがとうございました。
それでは、進行を事務局にお返しします。

木村企画グループ長
堀切部会長、どうもありがとうございました。
それでは、時間になりましたので、最後になりますが、農林水産省新事業・食品産業部長の小林の方から閉会の御挨拶を申し上げます。

小林新事業・食品産業部長
本日は、本当に長時間にわたりまして御議論いただきまして、本当にありがとうございました。議事の進行いただきました堀切部会長に感謝申し上げますとともに、貴重な御意見を賜りました委員の皆様方にも感謝を申し上げたいと思います。
本日は、審議いただいたのは食品リサイクル法の基本方針ということなのですが、この基本方針につきましては、次の見直し時期が近づいてきておりまして、具体的には、令和6年度が5年に1度の基本方針の見直しの年でもございます。
今日は食品廃棄の削減についても活発な御議論いただいたのですが、こういったものも含めて、今後も更に議論を進めていく必要があると考えております。
また、本日は食品産業をめぐる情勢につきましても御報告し、御意見を頂きました。
皆様から頂きました御意見は本当に重要な御意見でございまして、しっかり受け止めて施策を進めていきたいと思いますので、引き続き御指導、御協力、よろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。

木村企画グループ長
それでは、これをもちまして部会を閉会させていただきますが、次回は、今お話ありましたが、5年に1度の食品リサイクル法の基本方針の見直しについてお諮りしたいと思っております。時期、内容につきましては、また追って御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日は以上でございます。誠にありがとうございました。

お問合せ先

新事業・食品産業部新事業・食品産業政策課企画グループ

代表:03-3502-8111(内線4139)
ダイヤルイン:03-6744-2065

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