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令和3年度第2回畜産部会議事録

令和3年度第2回畜産部会議事録 PDF版(PDF : 722KB)

1. 日時及び場所

日時:令和3年12月24日(金曜日) 9時31分~16時09分

会場:農林水産省 第2特別会議室(WEB開催)

2. 議事

午前9時31分開会

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、定刻を過ぎておりますけれども、ただいまから食料・農業・農村政策審議会令和3年度第2回畜産部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、本日は御多忙中にもかかわらずお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。私は、当部会の事務局をつかさどっております畜産局畜産総合推進室長の馬場でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、議場にて牛乳をお配りさせていただいております。この時期は牛乳の消費量が減りますけれども、今年の年末年始は特に厳しい状況が予想されておりますことから、現在農林水産省で「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」として牛乳乳製品の消費拡大をお願いしているところです。その一環として御用意をいたしましたので是非御賞味いただければと思います。
それでは、開会に当たりまして、森畜産局長より挨拶がございます。森畜産局長、どうぞよろしくお願いいたします。

◯森畜産局長
おはようございます。令和3年度第2回畜産部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げたいと思います。
委員の皆様方におかれましては、年の瀬を迎え大変お忙しい中、御出席をいただき、誠にありがとうございます。また、日頃から農林水産行政、取り分け畜産行政の推進に当たりまして格段の御理解、御協力をいただいていることに対しまして、深く感謝申し上げたいと思います。
本日は、令和4年度の畜産物価格等として、加工原料乳生産者補給金の単価、集送乳調整金の単価及び総交付対象数量、肉用子牛生産者補給金制度における保証基準価格及び合理化目標価格に加え、今回から新たに鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格について農林水産大臣から諮問させていただき、それを踏まえて御審議いただくということになります。委員の皆様方からはそれぞれのお立場から、畜産・酪農をめぐる様々な課題を含めて忌憚のない御意見を賜りたいと考えているところでございます。
先ほど牛乳の消費拡大を今現在呼び掛けさせていただいているというお話を紹介させていただきましたが、業界を挙げて取り組んでいる中、先般、私どもの大臣、副大臣からも記者会見で呼び掛けをしていただき、さらに、先日総理の方からも牛乳乳製品の消費拡大についてお話をいただいたと。そういった取組の輪というのが、かなり影響といいますか、予想を超えて広がっているというのが我々としても正直驚きがあるところでございます。いろいろな、例えば民間のスーパーを始めとした各事業者の方々とか、ネット上のレシピサイトなどでもこういった牛乳を使おうではないかという動きが出ているということで、我々としても、こういう一つ呼び掛けたことから広がりが起こりえるんだと、改めて発見をしているという状況でございます。こうした新しい動きや変化が、酪農、牛乳乳製品のみならず、今後の畜産業全体に、どのような経験を生かしていけるのかといった点も、我々としてはこれから非常に考えていかなければいけない課題だろうというふうに思っているところでございます。
意欲のある生産者の方々の前向きな畜産・酪農への取組ですとか、更なる我が国の畜産・酪農の発展に資するよう活発な御議論をお願いいたしたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
大変失礼でございますが、今日は12月24日ということで、例えば予算関係の省議等ございまして、私、途中で退席することもあるかと思いますが、あらかじめお許しをいただければというふうに思います。どうぞ今日はよろしくお願い申し上げます。

◯馬場畜産総合推進室長
ありがとうございました。
報道の方はここで終了といたしますので、御退室をお願いいたします。

(報道退室)

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、まず事務局より7月6日付け食料・農業・農村政策審議会委員の改選について御報告いたします。
公益社団法人日本農業法人協会副会長川上志江様、公益社団法人日本食肉市場卸売協会副会長駒井栄太郎様、神奈川中央養鶏農業協同組合連合会代表理事組合長彦坂誠様、協同組合日本飼料工業会会長正好邦彦様を委員としてお迎えすることになりましたことを御報告させていただきます。
なお、前田委員におかれましては臨時委員として引き続き御参画いただくこととなりましたので、併せて御報告させていただきます。
続きまして、本日御出席いただいている委員の方々を順に御紹介させていただきます。
小山委員、川上委員、角倉委員はリモートで御出席の予定でございますけれども、アクセスの状況が悪いということで、御参加された時点で御紹介をさせていただきます。
小山委員でございます。
川上委員でございます。

◯川上委員
よろしくお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
串田委員でございます。
須藤委員でございます。
角倉委員は、まだ入室できていないようでございますので、改めて御紹介させていただきます。
畠中委員でございます。
馬場委員でございます。
彦坂委員でございます。
前田委員でございます。
三輪委員でございます。
里井委員、正好委員におかれましては、所用により途中から御出席予定との御連絡を受けております。
また、荒谷委員、大山委員、加藤委員、駒井委員、西尾委員、羽田委員、福永委員、二村委員におかれましては、所用により本日は御欠席との御連絡を受けております。
審議会に関する規定では、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ会議を開き議決することができないと定められておりますが、本日は20名の委員のうち、10名の委員の皆様に御出席をいただいておりますので、規定数を満たしていることを御報告いたします。
続きまして、本日配布しております資料について確認させていただきます。
会議資料は、会場の委員の方はお手元のタブレット端末に資料一覧、資料1から8、参考資料の計18個のファイルが表示されているかと思います。
なお、資料4は枝番が2まで、資料5は枝番が3まで、資料6は枝番が5まで、資料7は枝番が3まであります。
タブレットの使用で御不明点がある場合には、お近くに控えている操作補助員に遠慮なくお問い合わせいただければと思います。
また、表示されている資料は紙でも配布しておりますので、どちらでも御自由にお使いいただければと思います。
それでは、議事を進めていただく前に、7月6日付けの委員改選を受けまして、食料・農業・農村政策審議会令第6条第3項の規定により、畜産部会の部会長を委員の互選により選任いただく必要がございます。
つきましては、部会長の選出についてどなたか御意見がございましたら御発言をお願いしたいと思います。
ないようでしたら、事務局として昨年3月の酪肉近見直し時の議論も含め、これまで4年間部会長を務めていただいていることから、引き続き三輪委員に部会長をお願いできればと考えておりますが、いかがでしょうか。

(異議なし)

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、三輪委員を部会長に再任という御提案について異議なく了承されたということで進めさせていただきます。
三輪委員は部会長席に御移動いただきまして、以後の議事進行をよろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
皆様改めまして、おはようございます。三輪でございます。ただいま部会長の方に再任をいただきました。
先ほど局長及び室長からお話しいただきましたように、今日は我々畜産部会としても一つ大きな山場となる部会でございますので、是非委員の皆様から忌憚ない御意見をいただければと思います。
また、先ほどからお話しありましたように、今日御用意いただいた牛乳の件もございますが、このような形で政府であったり我々部会の方から出しているいろいろな情報であったり、それに対するお願いに対して、このコロナ禍以降、国民の方々だったり事業者の方々が本当に応えていただけるような、メッセージを出せば、それに対して打ち返していただけるような状況になっているというふうに感じております。そのようなことに関しまして、事業者、消費者の方々に改めて我々畜産部会としてもお礼を申し上げたいと思っておりますし、農林水産省の皆様におかれましては、是非年明けに今回の国民の皆様、事業者の皆様の御協力がどのような効果があったのかということについて是非御検証いただいて、お礼も兼ねて、どれだけ大量の廃棄を防げたかというのは、これから結果が出てくるところでございますが、そちらについて是非フィードバックをいただくことによってこのような生産者、消費者が非常に近い形での新しい畜産・酪農の流通というのもできてくるのかなというふうに思いますので、そこを是非ともお願いできればというふうに思っております。
それでは、本日の議事の方に進めさせていただければというふうに思います。
それでは、本日でございますが、令和4年度の畜産経営の安定に関する法律に基づく総交付対象数量並びに加工原料乳の生産者補給金及び集送乳調整金単価、肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格、並びに、今年から新たに鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を定めるに当たりまして留意すべき事項について御審議をいただければと思います。
なお、本日の畜産部会での審議の結果、当部会答申が出ますと、規定によりましてそれが審議会の答申とされることとなっております。そのため、本日、お忙しい中ではございますが、審議には十分な時間を取らせていただきたいというふうに考えております。
ただ、それぞれいろいろな御意見がある中で、御多忙の中ではございますが、できるだけ効率的に運営を努めていきたいというふうに思っております。御協力いただければ幸いでございます。
本日のスケジュールでございますが、まずは事務局から、事前に委員の皆様からいただいております御意見に対する御回答を行わせていただいたり、それぞれの諮問内容に関して御説明をいただきまして、その後、委員の皆様から御意見を伺い、12時15分をめどに昼休みを1度取らせていただければと思っております。
その後、1時間後の13時15分から議事を再開いたしまして、14時半をめどに、午前中に引き続き御意見を伺うと。その後、委員の皆様から農林水産大臣からの諮問に対する賛否をお伺いしたいというふうに思います。その後、事務局に本日提出された意見の概要を取りまとめていただくという形で考えておりますので、その間、委員の皆様におかれましては、14時40分頃から1時間弱の休憩を改めて挟ませていただければと思います。
休憩後、そちらの意見の概要案を皆様にお諮りをいたしまして、意見の概要を取りまとめさせていただきたいというふうに思います。
その後、そちらを踏まえまして答申ということで、全体を通しまして16時15分という長丁場でございますが、そちらで終了したいというふうに考えております。
本日の議事の進行については以上のように考えておりますが、御異議ございませんでしょうか。

(異議なし)

◯三輪部会長
ありがとうございます。それでは御異議なしと認めまして、そのように進めさせていただければと思います。
それでは、議事に入りたいと思います。
まずは諮問に当たりまして、畜産をめぐる情勢につきまして、畜産局総務課長より御説明をお願いいたします。

◯西畜産局総務課長
ありがとうございます。畜産局総務課長の西と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
お手元の資料3、畜産・酪農をめぐる情勢について御説明をいたします。
資料は少し厚くなってございますが、ページを飛ばしてポイントを説明申し上げます。
まず、右下のページ番号の3ページにお進みください。
我が国の畜産の産出額は3兆2,107億円となっており、10年間で126%の増加となっております。
次に、7ページを御覧ください。酪農生乳の需要構造についてです。令和2年度の生乳生産量は743万トン、輸入乳製品は生乳換算で499万トンとなっております。
次のページを御覧ください。8ページです。最近の生乳の生産・処理状況についてです。2年間連続で生乳生産量は増加しており、3年度も4月から10月で北海道、都府県ともに増加をしております。
続いて、10ページを御覧ください。生乳需給の推移についてです。グラフの下の段に棒グラフで脱脂粉乳、バターの在庫量を示しております。直近の令和3年10月末の在庫数量については、令和2年度に引き続き新型コロナウイルスの影響で減少した業務用需要が回復し切っていないことなどから増加をしており、脱脂粉乳については9万トン、バターについては4万1,000トンとなっております。
引き続いて、14ページを御覧ください。乳用牛の飼養動向についてです。乳用牛の飼養戸数は減少、飼養頭数は増加をしております。
続いて、16ページをおめくりください。
酪農経営における労働負担の軽減についてです。酪農家の1人当たりの労働時間は、他の畜種よりも長くなっております。これを踏まえ、省力化のための機械の導入、酪農ヘルパーの利用促進、作業の外部化といった取組を支援しております。
20ページに記載のある加工原料乳生産者補給金制度については、後ほど牛乳乳製品課長から御説明いたしますので、説明は省略をいたします。
続いて、22ページを御覧ください。牛肉の需給状況についてです。全体で92万7,000トン、うち国産が33万6,000トン、輸入が59万1,000トンとなっており、輸入先国は豪州が25万6,000トン、米国が25万3,000トンとなっております。和牛肉生産が伸びる一方で、交雑種や乳用種が減少し、国産は横ばいで推移しており、自給率は重量ベースで36%となっております。
引き続いて24ページを御覧ください。中央10市場の枝肉卸売価格についてです。令和2年4月に新型コロナウイルス感染症の影響で、対前年同月比3割減と和牛は大きく低下しましたが、昨年秋以降はおおむねコロナ前の水準で推移をしております。
続いて、26ページを御覧ください。肉用子牛価格の推移についてです。肉用子牛価格について、昨年は新型コロナウイルス感染症の影響により低下をいたしましたが、その後、枝肉価格の上昇等により、コロナ前の水準まで回復をしております。
次のページを御覧ください。肉用牛の飼養戸数と頭数の推移についてです。肉用牛の飼養戸数は減少しております。繁殖雌牛の飼養頭数は平成28年から5年連続で増加をしております。
続いて、29ページを御覧ください。肉用牛の増頭奨励事業についてです。肉用牛生産基盤の強化を図るため、優良な繁殖雌牛を増頭した場合に奨励金を交付しており、令和2年度の実績は約2万6,000頭となっております。
32ページに記載のある肉用子牛生産者補給金制度については、後ほど食肉鶏卵課長から御説明いたしますので、説明は省略をいたします。
引き続いて、34ページをおめくりください。豚肉の需給についてです。全体は180万1,000トンで、国産が91万7,000トン、輸入が88万4,000トンとなっております。消費量が増加傾向である中、近年、生産量も増加傾向で推移し、自給率は重量ベースで50%となっております。
続いて36ページを御覧ください。豚枝肉卸売価格の推移についてです。赤の線が本年度の豚枝肉卸売価格です。本年度も過去3年の平均価格と同水準で推移しております。
次のページを御覧ください。豚の飼養戸数・頭数についてです。飼養戸数は減少していますが、飼養頭数は横ばいで推移しております。
続いて40ページを御覧ください。鶏肉の需要動向についてです。令和2年の消費量は251万6,000トン、生産量は165万6,000トンです。輸入量は85万9,000トンです。消費量が増加傾向である中、生産量も増加傾向で推移し、自給率は重量ベースで66%となっております。
次のページを御覧ください。41ページは鶏肉卸売価格の推移についてです。赤の線が本年度の鶏肉の卸売価格です。令和2年4月以降、新型コロナによる「巣ごもり需要」が旺盛となったため、価格は堅調に推移しております。現在も安定した需要が継続していることから、価格は例年を上回る水準となっております。
43ページを御覧ください。次は鶏卵の需給動向についてです。令和2年度の消費量は267万8,000トン、生産量は259万6,000トンとなっております。消費量は増加傾向で推移しているものの、直近ではコロナによる需要減の影響を受けています。自給率は97%と非常に高く、引き続き需要に応じた生産を推進する必要があります。
44ページを御覧ください。鶏卵卸売価格についてです。昨年の冬の鳥インフルエンザの発生による採卵鶏の殺処分羽数が多かったことから、令和3年2月中旬以降、前年を上回って推移をしております。
46ページに記載のある鶏卵の補塡基準価格等については、後ほど食肉鶏卵課長から御説明いたしますので、説明は省略いたします。
続いて48ページを御覧ください。主な配合飼料原料である、とうもろこしの価格は5月をピークに下落をいたしましたが、引き続き高水準となっております。また、海上運賃の上昇や為替の円安傾向も配合飼料価格の上昇要因となっております。
次のページ、49ページを御覧ください。配合飼料価格の上昇の影響を緩和する配合飼料価格安定制度については、直近では本年度第2四半期にトン当たり1万2,200円が生産者に交付されております。
異常補塡基金が使い切った状態となっている中で、第3四半期も補塡の発動が見込まれますが、生産者への補塡金交付が着実に実施できるよう、補正予算で異常補塡基金に230億円を積み増しております。
引き続いて53ページを御覧ください。令和2年度の飼料自給率は概算で25%となっています。このうち、粗飼料自給率は76%、濃厚飼料自給率は12%です。農林水産省では、令和12年度の飼料自給率の目標を34%としており、飼料生産基盤に立脚した足腰の強い畜産への転換が喫緊の課題となっております。
続いて、56ページを御覧ください。畜産物の輸出状況についてです。国産農林水産物・食品の輸出拡大に向け、昨年3月に策定した食料・農業・農村基本計画に2030年までに輸出額を5兆円とする新たな目標を掲げました。このうち、牛肉3,600億円を始め、意欲的な目標を設定しております。畜産物の輸出は着実に増加しており、2020年度は過去最高の593億円となっています。そのうち、牛肉が最大で約289億円、次いで牛乳乳製品約222億円となっています。
次のページを御覧ください。57ページでございます。代表例として、牛肉の輸出について御紹介いたします。2021年1月から10月の牛肉の輸出額は、輸出先国での小売・インターネット販売が好調だったこと等により、前年同期の約2倍、90%増となっております。牛肉を含む畜産物の輸出にあたっては、各産地において畜産農家、食肉処理施設、輸出事業者からなるコンソーシアムを構築して取り組んでいるところであり、更なる牛肉の輸出拡大を図るため、輸出拡大実行戦略に定める取組を着実に推進してまいります。
その他の個別品目についての説明は割愛いたしますが、引き続き58ページ以降、各品目の状況が書いてございます。
続きまして、65ページを御覧ください。畜産における温室効果ガスの排出状況についてです。畜産からは、我が国の温室効果ガスの総排出量の約1%が排出されております。畜産由来の温室効果ガス排出割合は少ない状況でございますが、環境負荷低減は非常に重要な課題であり、引き続き排出削減に取り組む必要があります。
67ページを御覧ください。畜産分野の脱炭素化への取組ですが、温室効果ガス削減に向けて、げっぷ中のメタンの削減効果のある脂肪酸カルシウムの給与や家畜排せつ物の強制発酵による温室効果ガス発生抑制の取組を推進してございます。具体的な取組方策をこの資料に記載をさせていただいております。
以上、時間の都合上、雑ぱくになっておりますが、以上で資料3の説明を終わります。ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
御説明ありがとうございます。
続きまして、委員の皆様からの意見と回答ということにつきまして、関係する各課室長より御説明をよろしくお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
まず総務課分につきまして、資料4-1に即して回答をさせていただきたいと思います。
まず3ページの一番下、大山委員でございますけれども、畜産振興に尽力する立場とともに、フードテックを推進する立場でも農水省はあるが、ある意味相反する二つの事柄をどのように整理して進めていこうとしているのかという意見と、6ページの、その他の項目の一つ目でございますが、西尾委員からでございますけれども、牛乳・乳製品の栄養価値は他に代替しにくい食料であり、こうしたプラスの側面について正しい情報発信を期待するというものについての意見でございます。
まずベジタリアン、ヴィーガンなど新しい食の需要に対応いたしまして、植物性食品を含めた代替タンパク市場が拡大をしております。
こうした代替タンパク市場につきましては、商品の開発状況に加え、消費者が本物の食肉と誤認しないような商品の表示の在り方や食品としての安全性に関するルール作りについて注視していく必要があると考えております。
一方、我が国の畜産業は、牧草など、人が食用に利用できない資源を食料に換え、畜産から生じる堆肥を農産物や飼料に換えて生産することにより、飼料、家畜、堆肥という循環を形成する。山間地など耕種農業が困難な条件不利地域において、草地や荒廃農地を有効活用し、地域の雇用につなげるといった役割がありまして、農業産出額の4割を占める我が国に必須の産業であると考えております。引き続き生産基盤の強化や畜産業が将来にわたり持続的なものとなるよう支援を行っていくとともに、畜産業の果たしている役割について分かりやすく発信をしていきたいと考えております。
二つ目でございますけれども、6ページの二つ目でございます。二村委員からの御意見でございますが、女性を含めた多様な人材の活躍について、関係主体間で情報交換しながら取組を進めていくことが重要という御意見に対してでございます。
畜産の生産現場は、委員のおっしゃるように、女性や障害者の方々が活躍できる非常に重要な場であると認識をしております。このため、畜種を超えた全国的な女性生産者の組織である全国畜産縦断いきいきネットワークの本年度の大会におきまして、コロナ禍でも前向きに畜産現場で御尽力されている畜産女性に対し応援メッセージをお届けしたいという思いから、ウェブ開催の強みを生かし、畜産局や消費・安全局の行政に関わる女性職員からのビデオメッセージを発表させていただきました。今後も畜産現場で御活躍されている女性を始めとした多様な人材の皆様方の情報交流の取組を支援させていただきたいと考えております。
総務課からは以上でございます。

◯関村企画課長
続きまして、企画課長の関村でございます。よろしくお願いいたします。
それでは、企画課の分、6点簡潔に御説明いたします。
4-1の1ページ目の二つ目の丸でございますが、ヘルパー等について御説明差し上げます。
ヘルパーにつきましては、引き続きヘルパー要員の確保と必要な支援を行ってまいる所存でございます。
2点目、1ページ目の一番下の丸でございますが、北海道における酪農家の既往負債の償還に係る金融支援についてでございます。いわゆる新型コロナの影響を受けました農業者への資金繰りにつきましては、昨日農林水産省から金融機関に対しまして、既往債務の条件変更への柔軟な対応と無利子・無担保の農林漁業セーフティネット資金等による支援を改めて要請したところでございます。しっかりと周知してまいります。
続いて3点目は、2ページ目の食肉関係の一つ目の丸でございます。繁殖雌牛の増頭支援でございますが、主要な事業であります増頭奨励事業、こちら今年度の補正予算でも確保しております。今年度、各県に配分しました64億円を上回る、所要額78億円を確保したところでございまして、引き続き生産基盤の強化に取り組んでまいります。
続きまして、3ページ目の下から二つ目の丸でございますが、肥育生産支援とコロナ発生農場等の経営継続対策についてでございます。新型コロナの関係で実施しておりました肥育支援につきましては、牛の枝肉価格がコロナ前の水準まで上昇して安定してきたと判断されたことから、本年5月で終了しております。引き続き枝肉価格の推移や経営状況を注視してまいりたいと考えております。
また、コロナ発生農場の経営継続につきましては、新型コロナウイルス感染症の基本的対処方針という政府全体の考え方を踏まえまして今後も対応していきたいと考えております。
続いて、4ページ目の飼料関係の一番下の丸、エコ畜事業についてでございます。エコ畜事業につきましては、輸入飼料から水田を活用した自給飼料生産への転換という支援のメニューを来年度から追加するということで、当初予算、増額要求をしているところでございます。温室効果ガス削減に取り組む農家をしっかり支援をしてまいりたいと考えております。
その後、次の点は7ページ目に飛びまして、一つ目の丸でございます。福永委員からALIC事業での簡易牛舎の整備についての御意見でございますが、この事業につきましては、リース方式で簡易牛舎を整備する事業でございます。農家の経営状況によってはリース業者の審査が通らない場合というのがあると聞いております。個々の経営とリース事業者間の契約の問題につきましては制度的な対応は困難ではございますが、セーフティネット資金のコロナ特例などを活用し、経営状況の改善に取り組んでいただくということが重要だと考えているところでございます。
また、須藤委員から新規就農対策についても追加で御意見をいただいていますが、新規就農者の育成・確保につきましては、クラスター事業におきまして家族内に後継者がおらず、第三者が経営を継続する場合につきまして、規模を拡大しなくても支援対象としているところでございます。また、経営発展のための機械施設等の導入は、地方と連携して親元就農も含めて支援すること、また新規就農者への技術サポート等を支援する取組というのを3年度の補正予算と4年度の当初予算で実施することとしておりますので、御了承いただければと思います。
以上でございます。

◯松本畜産技術室長
畜産振興課の松本でございます。畜産振興課に関係する分について説明させていただきます。
まず1ページ目の二つ目の丸、省力化機器の装置の導入、それから2ページ目の食肉関係の一番上の丸、こちらも生産性・省力化への支援、それから、その他のところ、6ページ目の四つ目の丸、AI、DXによる一層の合理化により生産性の向上、こういった形で生産性向上のための支援というふうなことで、委員の方から御要望がございます。こちらの方にございましては、これまで取り組んできました畜産ICT事業、それから今回の補正でスマート農業の支援のための事業というのを仕組みましたので、そういったものを利用していただいて、スマート農業に資する搾乳ロボット、それから発情発見装置、そういった機械の導入支援というのを行ってまいりたいと考えておりますので、現場の方での御活用のほど、よろしくお願いいたします。
それから、食肉関係になりますが、食肉関係の三つ目の丸、駒井委員から、消費者はサシの入った手頃な価格の牛肉を求めているという御意見がございました。こちらの方につきましては、令和2年3月に策定いたしました家畜改良増殖目標、その中に和牛の改良の方向として、サシの追求だけではなく、増体性や脂肪の質、そういったものに関係した和牛改良を進めていこうということを関係者は取り組んでいるところでございます。そういった取組を進めていきたいと考えているところでございます。
それから3ページ目、下から三つ目の丸になります。和牛の遺伝資源の適切な管理というところでございます。こちらにつきましては、令和2年10月から家畜改良増殖法、それから家畜遺伝資源に係る不正競争の防止に関する法律、これらに基づいて精液の流通管理の徹底と知的財産の保護に今現在取り組んでいるところでございます。生産者におかれましても、是非こういったことの取組、協力をお願いしたいと考えているところでございます。
それから、6ページ目になります。その他の部分になります。その他の三つ目の丸、家畜排せつ物処理の高度化や広域流通、この部分に関しましては、堆肥の肥料としての活用、そういったところが今現在強く求められているところですので、我々としても高度化や広域流通、こういったことのためのペレット化等の支援を行っているところでございますので、事業をうまく利用していただいて、そういった現在足りない肥料の流通、そういったところに協力していただければと考えているところでございます。
それから、同じく6ページ目の下の三つ、JGAP関係です。それから、アニマルウェルフェア、そういった部分に関して御意見、三ついただいているところでございます。こちらの方につきましては、アニマルウェルフェアの考え方自体もGAPの中に取り込んで、GAPの推進という中で畜産物の工程管理、それからアニマルウェルフェア、そういった取組を進めようとしているところでございます。そういった取組を現在普及しようとしているところでございますので、生産者の方におかれましても生産の過程の中でのGAP、それからGAPの考え方に基づいた生産、そういったところですね。GAP取得する、しないにかかわらず、GAPの考え方に基づいた生産工程管理というのを取り入れていただけたらと考えているところでございます。
それから、7ページ目になります。下から三つ目、豚熱の予防的ワクチン接種拡大する中という中で、種豚の流通円滑化、この部分でございます。ここにつきましては、種豚農家、種豚業者さんがワクチンを打っていない地域に種豚供給基地を整備するための事業、そういったハード面での支援、それから種豚業者さんに対して今現在足りないような情報を提供する、そういったソフト面での情報提供、そういったことも取り組んでおります。そういった形で我が国の種豚の流通円滑化というのを進めていきたいと考えているところでございます。引き続き関係者と連携しながら我が国の種豚流通の円滑化に向けて取組を進めてまいると考えているところでございます。
以上でございます。

◯冨澤飼料課長
続きまして、飼料課長、冨澤でございます。飼料関係についてお答えさせていただきます。
ページは4ページをめくっていただきまして、飼料関係の項目でございます。
まず一番最初の二つ、輸入飼料への依存が高まる中で、今後どのような施策を進めていくのかということや、輸入飼料への過度な依存からの脱却を図るべく、どのように進めていくのかということ、この二つは関連しますので、併せて御説明させていただきたいと思います。
御指摘のありましたとおり、特に最近ですと飼料価格の高騰を背景にいたしまして、国産飼料の利用拡大というものは非常に重要になってきているということでございます。我が国の耕地面積430万ヘクタールのうち、飼料作物の作付面積は96万ヘクタールということでございまして、飼料生産のための優良農地の不足や労働力の不足という点から、近年横ばいということになっております。
一方、主食用米の需要が年々減少してきている状況にありまして、この水田の活用も課題となっているということもございます。また、荒廃農地の面積のうち、再生利用可能なものが約9万ヘクタールはあるという状況にありますので、こういった状況を踏まえまして、水田を活用した飼料作物の生産拡大、未利用地や耕作放棄地を活用した放牧の推進、飼料生産の外部化・省力化等のコントラクターの機能強化等を支援しまして、国産飼料の取組の拡大を推進していくというところでございます。
続きまして、3ポツ目になります。川上委員から御指摘がありました飼料用米等の飼料作物の取組を推進ということ、エコフィードの利用の直接的な支援という御発言でございます。
まず、先ほどと重なりますが、米政策の中で水田フル活用の推進に向けまして、水田活用直接支払交付金として、水田を活用した中で飼料用米、稲WCS、青刈りとうもろこし、その他、自給飼料に対して交付金が支給されるということで支援が行われているというところでございます。
また、エコフィードの支援につきましては、直接、生産資材である餌になりますエコフィードを支援するというのはなかなか難しいところでございますけれども、エコフィードの取組については、地域の未利用資源を飼料化するための実証の取組や、それに必要な機材の導入等を支援しまして、こういった中、間接的な形でしっかり御支援をしていくということを考えておるところでございます。
続きまして、4ページの一番下になりますけれども、草地改良やコントラクターの機能強化等の御発言、御質問ということになります。国産飼料生産基盤の強化ということについては、やはり草地基盤整備によります草地の生産性向上、先ほどと重なりますが、コントラクター等の運営強化や機械導入、こういった取組に対する支援を令和4年度の予算要求の中でも行っているというところでございます。特に御発言の中にありました飼料用とうもろこしにつきましては、技術実証や収穫機械の導入等を通じた生産利用拡大やエコ畜の中でも、温室効果ガス削減の観点から、水田を活用した飼料用とうもろこしの生産拡大への支援が今回検討されていることもございます。また、令和3年度の補正予算で、水田リノベーション事業の中で子実用とうもろこしを新たに対象に追加するなど、国産濃厚飼料の生産拡大に向けた支援を続けておくというところでございます。
ページめくっていただきまして、5ページになります。5ページのポツの一番上になりますけれども、小山委員からの御指摘ということでございまして、繁殖農家さんが牛飼いに専念できるように、飼料の外部からの供給ということでのお話かと思います。
コントラクターということで、お話が重なりますけれども、私ども、飼料の労働負担を軽減していくためにコントラクターの支援を強化しているというところでございます。こういった中で、飼料生産の外部化を通じて、安定的な飼料の活用を進めていただけるということを考えております。
二つ目のポツになりますけれども、飼料米の生産目標が70万トンという中で、今後飼料米の安定的な供給、インフラも含めて対策の支援というところでございます。
飼料用米につきましては、水田でできる飼料用作物として畜産農家の利用が広がっているということは承知しているところでございます。飼料用米に係る交付金の加算の見直し等、水田政策全体の中で調整された結果ということになっておりますので、御要望いただいた事項につきましては担当部局にしっかりお伝えさせていただくというふうに考えております。
続きまして3番目になりますけれども、配合飼料価格安定制度における異常補塡についての積立てというところでございますが、先ほど総務課長から御説明がありましたように、不足する財源を補うためということで、異常補塡基金へ230億円の予算を計上したというところでございますので、引き続きしっかり安定した制度運営に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、ポツが下から三つ目になりますけれども、配合飼料価格安定制度の負担を平準化するために、国の方で制度の在り方検討会議において早期の検討を進めていただきたいという、正好委員からの御発言でございます。
今の配合飼料価格が高騰している状況でなかなか議論が進まない場面はございますけれども、既に立ち上げております制度の今後の在り方に対する検討の会議を引き続き関係者と議論を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
続きまして、下から二つ目になりますけれども、配合飼料のための穀物備蓄制度と、あと飼料の流通合理化のための予算確保というところでございます。
配合飼料の備蓄制度につきましては従来から支援しているところでございまして、令和4年度についても今回しっかり、要求中でございますので、必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
また、今回要求している中で、トラックドライバーの長時間労働や危険作業等もございますので、そういった面に配慮した流通の合理化等の対策についても現在予算要求中でございます。これを実現して流通改善の取組を進めたいと考えておる次第でございます。
5ページの一番下のポツになりますけれども、子実とうもろこしの品種開発というところでございます。
これまで農研機構を中心としました研究プロジェクトによりまして、地域の実態に合わせた最適品種の選抜等行われてきたところでございます。令和4年についても栽培方法の検討や省力的な栽培技術・高度化、こういったところについても引き続き研究を進めていくというところでございます。
以上でございます。

◯大熊牛乳乳製品課長
続きまして、私、牛乳乳製品課長の大熊でございます。
大熊の方から、資料4-1の1ページ、酪農・乳業関係のうち、牛乳乳製品課の部分について御説明させていただきます。座って説明させていただきます。
まず一つ目ですけれども、加工原料乳生産者補給金、あるいは集送乳調整金の単価、あるいは総交付対象数量について適切に設定をという御意見をいただいております。
これについて、まず算定についてですけれども、加工原料乳生産者補給金単価につきましては、加工原料乳の生産地域の再生産が可能となるよう、飼料費などの生産コストの変動、そして物価動向などを考慮します。
そして、次の集送乳調整金単価につきましては、指定事業者があまねく集送乳の確保が可能となるよう、燃料費などの集送乳に要するコストの変動や物価動向などを考慮します。
そして、総交付対象数量につきましては、飲用牛乳や乳製品の需給の事情などを考慮して、本年度もこれらのルールにのっとって適切に算定に努めたところでございます。
これにつきましては、後ほどまた改めて御説明させていただきたいと思います。
あと、紙には入っていないんですけれども、追加意見として須藤委員からの御意見でございます。本年度、令和3年度の補給金と調整金についてのお話でございます。
これは10円85銭というところですけれども、補給金が0.05円減じて、調整金の方は増額、増えているということで、酪農家分を削って指定事業者に回しているのではないかというお話と、併せて複雑な計算をしているものがぴったり一致するのはどうなのかというお話をいただいております。
これにつきましては、集送乳調整金はあまねく集送乳を行う際のかかり増し経費を支援するものでございまして、あまねく集送乳を行う指定事業者に交付されますけれども、指定事業者は集送乳調整金の交付額を生産者に交付しなければならないとなっておりますので、補給金と調整金、どちらも酪農家に支払われるものとなっております。
このため、仮に補給金を引き下げて、集送乳調整金を引き上げたとしても、酪農家分を削って指定事業者に回したということにはなりません。
また、昨年度の算定につきましては、審議会資料にございますとおり、ルールに基づいて、当時の直近の動向を織り込んで算定したところ、補給金については5銭引下げ、集送乳調整金は5銭引上げということになり、結果として合計負担額はプラスマイナスゼロということになったものでございます。
続きまして、二つ目の丸でございます。これの上の二行分でございます。都府県酪農の自家育成支援について継続いただきたいというお話がございます。
自家育成支援の継続についてですけれども、コロナ後の需要の回復を見据え、中長期的な酪肉近等の生乳生産目標の達成に向けた酪農の生乳生産基盤の強化は引き続き重要と考えております。都府県酪農の自家育成支援などの関連対策は継続して実施したいと考えております。
三つ目の丸のところでございます。高水準にある乳製品在庫の適正化を図るべく、乳製品の新たな需要拡大対策や、生産者団体・乳業一体となった全国での需給調整に向けた仕組みへの支援をお願いしたいという御意見でございます。
まず、乳製品の新たな需要拡大対策につきましては、牛乳乳製品の消費拡大に向けてインターネット販売への販売形態の変更による販路の拡大ですとか消費拡大のプロモーションなどの取組を支援したいと考えております。
また、乳製品の在庫を低減する方策につきましては、農林水産省も参加する中で全国の生産者と乳業メーカーで議論が行われており、取組のスキームに対する関係者の合意がおおむね得られたものと承知しております。農林水産省としても、このような業界の取組を後押しするため、脱脂粉乳を飼料用に転用する取組を支援することとしたいと考えております。
次、四つ目の丸でございます。年末年始や年度末等の生乳需給緩和への対応として、Jミルクの緊急対策を基本に業界の自主対策により対処することとしているが、牛乳乳製品の消費拡大など行政による側面的な支援を期待するという御意見についてでございます。
年末年始などの生乳需給緩和への対応として、Jミルクの生乳需給調整に係る緊急対策を始め、業界で自主的な対策が行われていることと承知しております。農林水産省では先週金曜日、「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」という形でこれを始動したほか、BUZZMAFFですとかツイッターを活用した消費拡大の積極的な呼び掛け、あるいは業界や企業が消費を促進するために運営しているレシピサイトや通販サイトなどのコンテンツ紹介を通して消費の拡大に取り組んでおります。
また、ALIC事業におきまして、牛乳乳製品の消費の維持・定着を図るために、業界団体によるPRイベントの開催ですとか、新聞への広告掲載などの取組を支援しております。引き続き関係者と連携を密にして取り組んでまいりたいと考えております。
続きまして、五つ目の丸の部分でございます。加工原料乳生産者経営安定対策事業、いわゆる加工原料乳のナラシについてでございますけれども、必要な予算額を十分に確保して、安定的な運用をお願いしたいという御意見をいただいております。
このナラシにつきましては、加工原料乳の価格が下落した際に生産者の拠出と国の補助金等による積立金により差額の8割が補塡金として支払われることとなっております。この制度は酪農経営の安定を図って、生乳の再生産の確保及び乳製品の安定供給に資することから重要と考えておりまして、制度の安定運用に努めてまいりたいと考えております。
続きまして、資料4-1で言えば、次の2ページの一番上の部分でございます。
国産チーズの増産、あるいはブランド化についての支援についてのお話でございます。
国産チーズの増産やブランド化に関する御意見でございますけれども、平成29年度の補正予算以降、EUなどから輸入されるチーズに品質面で対抗できるよう、原料の生乳の高品質化、あるいはコスト低減、国産チーズのブランド化などに対して支援を行ってきたところでございます。これによりまして、今年開催された国際的なチーズコンテストにおいても14の品が入賞するなど、海外のチーズに負けない高品質なチーズを生産する動きが進展しております。
さらに、昨年度の補正からですけれども、チーズ向けの生乳を増やした場合に奨励金を上乗せする支援を措置しており、令和3年度補正では昨年度と同額の60億円を確保したところでございます。引き続き国産チーズの競争力強化に努めていきたいと考えております。
最後に、2ページの二つ目の丸のところでございます。指定団体の需給調整機能は重要であるということで、契約遵守の必要性に係る周知、普及啓発等によって生乳取引の安定を図るということ、そして生乳取引ガイドラインや事例集の見直しは、生乳流通の安定に資する観点で実施してほしいという御意見でございます。
これにつきましては、生乳流通改革につきましては6月に閣議決定された規制改革実施計画に基づきまして、今年の夏に酪農家や乳業メーカーなどを対象に取引の実態調査を実施したところでございます。6,000を超える酪農家の方々から回答をいただきまして、課題の分析等を行っているところでございます。調査結果を踏まえ、今年度中に生乳取引ガイドラインの作成など、公正な取引環境の整備に向けた必要な対応を行っていきたいと考えております。
私からは以上でございます。

◯髙山食肉鶏卵課長
引き続きまして、食肉鶏卵課長の髙山でございます。私の方から、食肉・鶏卵関係につきまして事前にいただいたコメントに対して、御回答申し上げます。
まず一つ目、これは三輪委員から輸入品の価格高騰、こういうのが今後も続くんじゃないかということで、国産品にとってはチャンスであって、値頃感のある国産のものを供給する体制を強化すべきという御意見を頂戴しています。
ここは御指摘のとおりでして、長期的に見ましても、世界の人口増加ですとか、新興国の経済成長に伴って食肉の需要が増加傾向にあって、価格も上昇傾向に推移するんじゃないかと。そういう可能性を私どもとしても見ています。これはもう実際に、例えば牛肉について言いますと、中国が昨年からアメリカ産の牛肉の買い付けを始めまして、それがもう一気に日本を追い越すような勢いで今買っています。こうした需給の状況、それからあとロジスティクスの関係、物流の関係でも、今もうコンテナ船が足りないとか、あるいはカナダの方でも西海岸のバンクーバーの辺りの洪水があって物が流れてこないと、そういうロジスティクスの面なんかもあって、これでもう豚肉の調達も、輸入品、苦労されている状況です。以上のようなものがもう実際に牛丼の値上げとか、そういうので出てきているということでございます。
それで、我が国の消費者の方々の健康的な生活のためには、手頃な価格の良質なたんぱく質確保が重要であると考えていまして、そこには輸入食肉にも大事な役割がございますし、また国産の食肉にも消費者への安定供給ということで大きな役割があると考えておりますので、ここは国産の生産基盤の強化、生産コストの削減というのを着実に進めていきたいと考えています。具体的にはクラスター事業によりまして収益力の強化ですとか、省力化機械の導入を進めていきたいと思っていますし、また、増頭・増産のための奨励金の交付、それから国産飼料の生産利用の拡大、また、食肉処理施設の着実な整備。そうしたことを総合的に進めていきたいというふうに考えております。
それから、あとこれもまた三輪委員と、それから駒井委員から、消費者が値頃感のある牛肉に対するニーズがあると。それはもう高級牛肉のみでなくて、値頃感のあるものもニーズがあるという御指摘を頂戴しています。
このことにつきましては、現状、国産牛肉の消費を見ますと、大体半分が和牛、それから残りの4分の1を交雑とホルスタインが占めているという構図でして、やはりそこは多様な品質の牛肉の生産、そして供給が行われているということです。この中でも和牛肉については家畜改良の進展、肉質向上に向けた生産者の方々の努力というのがありまして、現状、令和2年度で言いますと、和牛去勢の格付割合は、A5が約50%、A4が34%ということで、A4以上の割合が8割を超えているという状況です。
一方で、委員おっしゃるように、消費者は脂肪交雑の多い牛肉だけでなく、近年は健康志向の高まりや食味・食感の良さとかを理由に、適度な脂肪交雑で値頃感のある牛肉も求める傾向があると承知しておりまして、このトレンドというのは我々としても注目すべきと考えております。
実際に、ある地域では、一つ御紹介させていただくと、肥育期間の短縮を目的とした飼料設計を行いまして、早期に十分な枝肉重量と肉質を確保しつつ、通常よりも早い月齢で出荷を行う出荷月齢の早期化に取り組んでおられると、そういう動きを承知しています。これは、出荷の回転が早まるなど、経営体質の強化につながる効果的な一つの生産方法になり得るのではないかと考えておりますので、今後の動きに注目していきたいというふうに考えております。
それから、次に変わりまして、輸出の目標に向けてハード面、それからソフト面でしっかりやっていくべきだと。国としても、それらの両面への支援をということで、これは馬場委員、それから駒井委員から頂戴しています。
これはハード面につきましては、輸出のインフラの施設の整備ということで、食肉処理施設の再編とかを行う。そういうものに必要な施設整備、機械の導入。それから、また現在のコロナ禍もありまして、スライス肉とか、そういうものの出荷に対するニーズがございます。そういうものを目的とした精肉とか、そういう加工施設、それから機械の導入を応援する、そういう予算を確保しているところです。
また、ソフト面で、少し具体例で申し上げますと、例えばアメリカに輸出するためには、アニマルウェルフェアですとか、あるいは懸垂放血といったものが必要です。こういうものに対応するためのマニュアルを作っていく、あるいはアニマルウェルフェアの問題で言うと、鼻の鼻かんで引っ張るのはかわいそうというようなことがアメリカ側から寄せられておりまして、そこは現場で利用しやすい簡易的な頭絡、そういうものの開発なども進めているところです。
それから、また同じくソフト面で言いますと、実際の販路の開拓、商流の構築が重要ですので、そこは産地が関係者で取り組む、コンソーシアムとして取り組む予算というものも確保しておりまして、こういったことをハード面、ソフト面、総合的に取り組んでいくことで輸出先国、お客さんというものの求めに応じて輸出を進めていきたいと考えているところです。
更に引き続きまして、輸出の関連で、馬場委員から、実際に輸出するに当たっては施設認定というのが輸出先国との間で必要ですけれども、やはり施設のハードの整備だけじゃなくて、こういう施設認定の迅速化ですとか、あるいは輸出先国のいろいろな規制の情報とか手続についての情報提供の強化ということで御指摘をいただいています。
前段の施設認定の迅速化につきましては、これは非常に大事なポイントで、施設をお金掛けて造ってみたけれども、そこからまた施設の認定を受けて実際に輸出ができるまで何年も掛かるということがございました。そこは時間が大変もったいないと、輸出の機会ロスということがございますので、輸出認定の早期取得が可能となりますように、施設整備の検討段階から、これはもう農林水産省だけでなく、厚生労働省、それから都道府県も参画いただいて、施設整備の段階から衛生管理の在り方についても協議を行うという仕組みを作っているところですので、この仕組みをうまく回すことで、ハードだけじゃなく、ソフト面も一緒にやっていくということで施設認定の迅速化を進めていきたいと思っています。
それから、後段の輸出先国ごとの規制の内容とかの情報提供ですけれども、ここも非常に事業者さんにとってもニーズの多いところと考えております。我々日本国政府としても、各地域にも在外公館、大使館とか、それからあとジェトロの海外事務所というのもありますので、そこと連携して輸出の応援プラットフォームを立ち上げるということで今進めておりますので、事業者さんの、どういう規制があるのか、そういう情報についてのニーズに丁寧に応えていけるように、外務省などともよく協調して準備を進めていきたいというふうに考えております。
それから、今度は輸入の関係で馬場委員から、昨年度発動した牛肉セーフガードに関連して、現在日米協議が続いておるわけですけれども、そのことと、セーフガードの関連でいきますと、豪州等のTPP11の関係国との協議を早急にということでこの御指摘をいただいています。
この前段の牛肉セーフガードを契機とするアメリカとの協議については、引き続きやり取りを行っているところです。我々農水省としても、しっかり関係省庁と連携して、国内の関係者の皆様の理解が得られるようにしっかり協議をしていきたいと考えております。
それから、後段のTPP11の豪州等との協議ですけれども、これについては日本国政府の中では内閣官房がリードをする形で、これまであらゆる機会を捉えて関係国に考え方を伝えてきているところですけれども、本件については大事なところですので、政府の中でもよく話をしていきたいと考えております。
それから、今度国内の話になりまして、馬場委員から家畜市場、ここの再編整備ですとか、機器や設備の導入の支援、それから今度インボイス制度が入ってきますので、それへの対応ということで御意見を頂戴しています。
前段の家畜市場の整備関係につきましては、家畜市場の再編整備というものの支援。それから、コロナもある中で、もともと人が密になりがちな家畜市場ですので、そこで人の密集を防止するための取組への支援というものの予算の確保を進めているところですので、こういう事業を効果的に活用いただきたいと思っています。
それから、あとインボイスの関係は、これが決まってから猶予期間が措置されているわけですけれども、令和5年の10月から、このインボイス制度が導入されるということになります。まだ猶予期間があるわけですけれども、しっかりそれに向けて関係者の意識も高めていくという必要がありますので、国税庁等の税務当局などにも説明会に参画いただくと。それから、家畜市場での具体的な対応についても、今関係団体の皆様と打合せを進めてきているところですので、インボイス制度の導入に際し、円滑な家畜取引が確保できるように進めているところです。この点については全中の御担当の方々にも大変な御協力をいただいているところですので、この場を借りて御礼を申し上げます。
それから、あと駒井委員から、原皮、副産物の関係で、卸売市場での価格が依然低い水準にとどまっているということで、商品原材料として供給し続けられるような方策が必要という御意見をいただいています。
この点については、国内で生産される原皮については、牛で言うと約半分、豚で言うとほとんどが輸出されているという状況にありまして、この取引価格というのは、海外での需給動向に大きく影響を受けるという構造になっています。
それで、実際の原皮の輸出価格の動向を見てみますと、コロナの影響で昨年は大変下落しました。それで、実際の原皮の処理経費を下回るような水準になったところでございます。
ただ、その後、中国ですとかアメリカですとかの経済の回復などに伴いまして回復が生じまして、足元での原皮の輸出価格は牛も豚もコロナの発生前を上回る水準まで上昇しているというところです。
そういう状況なんですけれども、駒井委員がおっしゃっているのは、卸売市場での取引価格が低いぞということかと思うんですけれども、やはりそこはこれまでの状況を見ますと、国内での原皮の取引価格は輸出価格の一時的な上昇・下落が直ちに反映されているわけではなくて、ある程度の長期的なトレンドとなった場合に、それを踏まえて卸売市場、と畜場と原皮業者との交渉において決定されていますので、輸出価格の動向というのは遅れて反映される傾向にあるというふうに承知しています。
そうした中で、現在輸出価格が上がってきている状況ですので、今後の原皮の取引価格がそういう状況を踏まえてどういうふうに行われるかということを注視していきたいと考えております。
それから続きまして、福永委員、馬場委員から、和牛肉についての保管を支援する事業、これを是非継続をということで頂戴しています。
この和牛肉の保管を支援する事業につきましては、昨年頭のコロナによって枝肉価格、それから子牛価格がどーんと下がった状況を受けまして、令和2年度、3年度、4年度の3か年ということで措置を、予定させていただいたところです。ただ、その後コロナの緊急事態宣言が解除されて、それから特に和牛の枝肉価格についてはコロナ前を上回る状況ということで、各方面から事業継続の必要性について指摘を受けていたというところでございます。
ただ、このことにつきましては、もともと2年度、3年度、4年度の3か年やるということをお話ししておりましたし、また、コロナの見通しも必ずしも万全ではないということで、関係方面と調整を行いまして、令和4年度については当初の予定どおり継続して措置するということとさせていただいたところでございます。
以上が食肉関係なんですけれども、それからあと鶏卵の関係でも御意見を頂戴しておりますので、説明をさせていただきます。
まず、畠中委員から鶏卵の安定事業の拡充ということ、それから、空舎延長事業という需給調整の事業がございますけれども、食鳥処理業者の受入れがボトルネックとなっているので、引き続き対策をということで御意見を頂戴しています。
これについては、空舎延長事業が発動したときに、成鶏処理場への出荷予約が殺到してなかなか出荷できないため事業に参加できない場合があるというお声があることを承知しています。このため、幾つかの改善策を講じてきたところでして、一つは平成26年度からは標準取引価格が安定基準価格を下回った期間の前後30日間も事業対象期間とするということで成鶏処理場への出荷の平準化が図られるよう措置したところです。これが平成26年度になります。それから令和2年度からの事業では、成鶏処理場に対する奨励金の単価を倍増しました。これによって成鶏処理場が鶏肉製品の在庫保管がしやすくなり、成鶏が受け入れられやすくなるというようなことをしているところです。
ただ、成鶏の受入れ状況というのは地域ごとに異なる状況にあるということも伺っております。この鶏卵の経営安定事業については、次の業務期間が令和5年度、6年度、7年度ということで始まっていきますので、またちょっとそこに向けて、今のままでいいのか、あるいは少しチューニングを加える必要があるのか、そういうこともよく御相談させていただきながら、令和5年度の予算編成に向けて検討していきたいと考えてございます。
それから、あと鶏卵事業に関連いたしまして、あと2点ほど。これは彦坂委員から頂戴しています。まず1点目は、生産費調査を是非使ってほしいと。それから計算式については業界とも共有いただきたいということでいただいています。
まず前段については、我々よく念頭に置いておく必要があるなと思っていますのは、鶏卵については自給率が非常に高いということで、牛や豚とか、そういう輸入が比較的多いものとは違いまして、鶏卵が上昇しても、鶏卵の輸入はほとんど増加しないと。そういう意味で、国内における需給は専ら国産により決まっているという特徴がございます。このことを考えると、生産費を基にして補塡を行っていくと、需給が緩和して価格が下がっても、なかなか需要に見合った生産が行われず、恒常的な生産過剰を招きかねないというおそれがありまして、我々としてはこれまで過去の鶏卵価格を基にした実勢の価格方式でやってきているところでございまして、これを基本に進めていきたいと考えております。
いずれにしても、先ほど畠中委員の御指摘に対して申し上げましたが、また令和5年度からの事業の見直しに際しましても、この実勢価格方式を使う場合にあっても、実際どういうやり方ができるのかというのをよく御相談させていただきたいと思います。
また、後段の計算式を業界と共有という御指摘については、これは価格を決めるにも透明性が必要という御認識だろうと思います。行政価格と申しますか、補助事業のターゲットとなる価格について決める際の透明性というのは非常に大切なポイントだと思います。正に当審議会で、今この場で御審議いただいているというのは、その流れに全くかなっているものでありますので、業界の方々にもきちんと共有して御説明できるように進めていきたいと思います。
それから、最後になりますけれども、鶏卵事業について補助割合が他の業種と同様になるようにということでございます。
これについては、この事業は二本立ての中で、一つの価格差補塡事業については現在は国費負担割合が8分の1ということで、これは令和2年度から8分の1になっています。これは、事業を開始した当初のものに戻している状況ですけれども、一方で需給調整の取組の方は国と生産者の積立ての割合が3対1ということで、国費補助率が4分の3になっています。これまでの事業の見直しの中では需給調整の補助率4分の3の方を重点化していくということでやってきているところでございます。この点につきましても令和5年度に向けた見直しの議論の中で個々のメニューの補助率の議論のみならず、全体のパッケージとしてよく議論をさせていただければと思っております。
私の方からは以上でございます。

◯石川動物衛生課長
引き続きまして、動物衛生課長の石川でございます。事前にいただきました御意見について、かいつまんで御回答いたします。
3ページ目の一番上でございます。畜産物の輸出先国との協議の加速化でございますけれども、中国との協議につきましては現在、中国による食品安全システムの評価を受けているところでございます。早期に評価が終了し、次のステップに移れるよう関係省庁と連携を図りながら、あらゆる機会を捉えて中国側に要請してまいります。
飛びまして6ページ目でございます。下から二つ目の丸でございます。農場HACCPの取組を大きく広げていくことが必要という御指摘でございます。
農場HACCPにつきましては、12月初め時点で423農場が認証を取得しており、ここ5年間で約4倍に増加しております。引き続き、農場HACCPの意義やメリットを積極的に周知するとともに、農場指導員の育成等を支援してまいりたいと考えております。
続きまして7ページ目、上から二つ目の丸でございます。水際検疫の強化の話と、あと慢性疾病対策の取組でございます。
まず、水際対策の強化につきましては、昨年7月に施行されました改正家畜伝染病予防法によりまして、家畜防疫官の権限強化に加えまして、検疫探知犬の増頭、家畜防疫官の増員といった水際の防疫体制を強化したところでございます。さらに、郵便物によります違法畜産物の摘発は増加傾向にあります。関係省庁や日本郵便との更なる連携強化を通じまして、水際対策に全力を挙げてまいりたいと考えております。
続いて、慢性疾病対策でございます。地域で課題となっております慢性疾病につきましては、それぞれの疾病の特徴を踏まえた対策を進めていくことが必要であります。民間管理獣医師の積極的な関与によります地域一体となった取組等を支援してまいりたいと思っております。
次の丸の豚熱のワクチン接種体制の更なる強化でございます。
まずは、ウイルスが農場に持ち込まれないように飼養衛生管理の向上を図ることが最も重要でございます。一方で、継続的なワクチン接種体制を強化するため、本年度より、都道府県知事に認定された獣医師に限って豚熱のワクチン接種を可能としたところでございます。引き続き現場の課題や御意見を踏まえながら、必要な対策に取り組んでまいりたいと思っております。
次の丸でございます。鳥インフルエンザの対策でございます。
鳥インフルエンザ対策として、防鳥ネット等の導入への支援につきましては、従来から消費・安全対策交付金により地域一体となった防鳥ネットの整備等の農場バイオセキュリティ対策に係る費用の2分の1を支援しているところでございます。
また、同じ丸の中で、感染経路につきましても御意見をいただいております。
感染経路への対策についてですが、固定観念にとらわれず、新たな科学的知見を踏まえながら、専門家の意見をいただきながら今後の防疫対策を随時検討してまいりたいと思っております。
また、野鳥が飛来するため池対策についてでございますけれども、今シーズンも改めて注意喚起を行ったところでございます。また、消費・安全対策交付金によりまして野鳥における家畜の伝染性疾病発生時には、ため池の周辺道路等の緊急消毒を行う地域の取組を支援しているところでございます。
続きまして、7ページ目の一番下の丸でございます。鳥インフルエンザ発生時の一元的窓口の設置でございます。
家畜伝染病が発生した際には都道府県と連携しながら、各地方農政局や支局において丁寧に対応させていただいております。引き続き畜産農家の方々が安心して経営継続できるよう支援してまいります。
最後のページ、8ページ目の一つ目の丸でございます。家畜防疫互助基金についての御質問でございます。
家畜防疫互助基金につきましては、牛、豚、鶏の重大な家畜伝染病が発生した際に備え、生産者が積立てを行っておるところでございますけれども、生産者同士が相互に支援する仕組みに対して国が支援する、補助する枠組みとなっております。事業への参加等は各生産者の経営判断によるところになりますが、事業参加時点、また追加積立てのお願いをする際には一層丁寧に説明し、混乱が生じないように努めてまいります。
最後の丸でございます。正しい情報の消費者への提供でございます。
これにつきましては、随時、農林水産省のホームページやSNS、またフェイスブック等を通じて、発生に関する情報や正しい知識を掲載しております。農林水産省としても、引き続きあらゆる手段を講じて対応してまいります。
以上でございます。

◯三輪部会長
御説明いただきまして、ありがとうございました。委員の皆様から貴重な御意見をたくさんいただいておった関係で、少し時間の方が押しているというところもございますので、運営の迅速化に御協力いただければ幸いでございます。
それでは、続きまして、諮問に関する議事に移りたいと思います。
本日付けで農林水産大臣から食料・農業・農村政策審議会に諮問がございますので、まず牛乳乳製品課長から諮問文の朗読をお願いいたします。

◯大熊牛乳乳製品課長

3畜産第1298号
令和3年12月24日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣金子原二郎
諮問
畜産経営の安定に関する法律(昭和36年法律第183号)第6条第3項(同法第8条第3項及び第15条第3項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、令和4年度に交付する加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価を定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして、ただいま御朗読いただきました諮問に関しまして、牛乳乳製品課長より御説明をよろしくお願いいたします。

◯大熊牛乳乳製品課長
資料の5-2でございます。これに基づきまして御説明させていただきます。座って説明させていただきます。
資料5-2でございますけれども、前半に算定の考え方を御説明し、後半にその考え方に基づく算定結果を御説明いたします。
まず、算定の考え方について御説明いたします。
1ページです。これは、令和4年度加工原料乳生産者補給金及び集送乳調整金単価の算定イメージをお示ししています。昨年同様、補給金単価は「生産コスト等変動率方式」により算定し、集送乳調整金単価は「集送乳コスト等変動率方式」により算定いたします。
2ページです。これは、生産コスト等変動率方式の概要をお示ししたものです。中ほどにある囲みにありますとおり、搾乳牛1頭当たりの生産費の変動率を搾乳牛1頭当たりの乳量の変動率で除して算出した生乳1kg当たりの生産費の変動率を令和3年度単価に乗じることにより、令和4年度の単価を算定します。
生産費の変動率につきましては、左下に記載しておりますとおり、「直近3年間の生産費」を分子に、「その1年前までの3年間の生産費」を分母に置いた上で、分子については本年8月から10月の直近3か月間、分母については1年前の8月から10月の3か月間の物価に修正して計算します。これにより直近の物価の動向を織り込んだ上で、昨年からの1年間の生産費の変動率を算出いたします。
3ページです。これは、集送乳コスト等変動率方式の概要をお示ししたものです。
算式は補給金単価と同じ構成ですが、中ほどにある囲みにありますとおり、加工原料乳の集送乳経費の変動率を加工原料乳の集送乳量の変動率で除して算出した加工原料乳1kg当たりの集送乳経費の変動率を令和3年度単価に乗じることにより、令和3年度の単価を算出します。
集送乳経費の変動率につきましては、先ほどと同様に計算します。これにより、直近の物価動向を織り込んだ上で、昨年からの1年間の集送乳経費の変動率を算出いたします。
4ページです。令和4年度総交付対象数量の算定方法についてです。
加工原料乳に対して交付される補給金や調整金は、交付される総数量の最高限度として総交付対象数量が設定されています。
総交付対象数量につきましては、推定乳製品向け生乳消費量から、カレントアクセス輸入量及びTPP11、日EU・EPA関税割当数量を控除して算定しています。
続きまして、算定結果について御説明いたします。
5ページです。補給金と調整金単価の算定の考え方に沿って算定した結果をお示ししています。
左が本年度の単価、右が令和4年度単価の算定結果でございます。
まず、下の青い箱でお示ししております補給金単価につきましては、本年度から据置きの8円26銭となりました。
次に、上の赤い箱でお示ししております集送乳調整金単価につきましては、本年度から据置きの2円59銭となりました。
その結果、この補給金と調整金を合わせた単価も本年度の据置きの10円85銭となりました。
6ページです。こちらが補給金単価の算定の詳細でございます。
搾乳牛1頭当たり生産費の変動率につきましては、初妊牛価格の下落、あるいは子牛価格の上昇に伴う副産物収入が増加傾向で推移する一方、飼料費が増加傾向で推移した結果、1.0190となりました。
搾乳牛1頭当たり乳量の変動率につきましては、搾乳牛1頭当たり乳量が増加した結果、1.0187となりました。
これらから、生産コスト変動率は1.0003となり、これを令和3年度単価である8円26銭に乗じると、令和4年度単価は8円26銭となりました。
7ページです。調整金の詳細についてです。
加工原料乳の集送乳経費の変動率につきましては、燃油価格の高騰により輸送費が増加傾向で推移した結果、1.0134となりました。
加工原料乳の集送乳量の変動率につきましては、加工原料乳の集送乳量が増加した結果、1.0120となりました。これらから、集送乳コスト変動率は1.0014となり、これを令和3年度単価である2円59銭に乗じると、令和4年度単価は2円59銭となりました。
8ページです。これは総交付対象数量についてです。
下の表にお示ししている項目のうち、総交付対象数量の算定に直接影響しますD3の推定乳製品向け生乳消費量につきまして、これは国民1人当たりバター、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、国産ナチュラルチーズの消費量等から算出しております。
令和4年度につきましては、業務用需要の一定の回復を見込むものの、乳製品の消費量は令和元年度の水準までには回復せず、下回るものと推定されます。
この推定結果を図示したものが次のページでございます。
9ページです。令和4年度の国産生乳需給の見通しを表しております。
総交付対象数量は、ピンク色で示されている推定乳製品向け生乳消費量である361万トンから、右上のカレントアクセス輸入量14万トン、令和3年度の関税割当枠の消化状況を考慮した令和4年度のTPP11、日EU・EPA関税割当数量2万トンを差し引いた結果、令和3年度と同じく345万トンとなりました。
以上、駆け足でしたけれども、説明を終わらせていただきます。

◯三輪部会長
御説明ありがとうございました。
それでは、続きまして、食肉鶏卵課長より諮問文の朗読をお願いいたします。

◯髙山食肉鶏卵課長
食肉鶏卵課長でございます。
資料6-1の諮問文です。
これは農林水産大臣から、食料・農業・農村政策審議会大橋会長への諮問となります。

3畜産第1300号
令和3年12月24日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣金子原二郎
諮問
肉用子牛生産安定等特別措置法(昭和63年法律第98号)第5条7項の規定に基づき、令和4年度の肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。

以上でございます。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして、本諮問に関しまして、食肉鶏卵課長より御説明をよろしくお願いいたします。

◯髙山食肉鶏卵課長
ありがとうございます。資料6-2、保証基準価格等の算定概要、これに基づいて説明させていただきます。
資料をおめくりいただきまして、1ページ目を御覧いただければと思います。
この補給金制度ですけれども、ページの上段の枠内にありますように、1つ目として、輸入牛肉自由化後における肉用子牛価格の低落に対処すること、それから2つ目として、中長期的には肉用子牛生産の合理化によって輸入牛肉に対抗し得る国産牛肉価格の実現を図る。これを目的としています。この目的のためには、保証基準価格、合理化目標価格を定めておりまして、右側の吹き出しにありますとおり、この保証基準価格は肉用子牛の再生産の確保を図ることを旨として定められる価格でありますし、それから、下の合理化目標価格は輸入牛肉に対抗し得る肉用牛生産を確立するための目標価格でございます。
制度の概要ですけれども、肉用子牛の平均売買価格が下落した際に、保証基準価格から合理化目標価格までの間については国が10分の10を補塡する。さらに、合理化目標価格を下回った部分につきましては、国、県、生産者が積み立てた財源から9割を補塡するということでございます。
これは令和3年度につきましては、黒毛和種の保証基準価格は54万1,000円、合理化目標価格は42万9,000円になってございます。
2ページ目をお開きください。
この保証基準価格の算定式について御説明いたします。
まず、和子牛についてでございます。これは平成30年度に見直しを行って以降、現在の算定方式を用いております。令和4年度についても同様です。
具体的には、まず左側の水色の部分ですけれども、平成23年から29年度までの7年間の生産費を基準としています。これは、毎年固定です。
次に、黄色の部分、生産コストの変化率につきましては、分母は平成23年から29年度の7年間の平均的な生産費、分子は毎年変化する部分で、今回は令和4年度の生産費の推計値を用います。
右側の緑色の市場取引換算係数につきましては、これは農家の庭先販売価格から市場取引価格に換算するための係数でございます。
それから、右端の赤色の部分の品種格差係数ですけれども、これは黒毛和種、それから褐毛和種などの3種類の和牛の子牛価格に変換するためのものでございます。
3ページ目をお開きください。
計算結果でございます。基準価格につきましては、50万1,162円となります。生産コストの変化率につきましては、分母の基準期間の生産費は53万8,763円、分子の令和4年度の推定生産費は55万1,825円ということでございます。
これに市場取引価格に換算するために係数を掛けまして、最後に先ほど申し上げた品種格差係数を掛けていくということでございます。これによりますと、1,000円単位で黒毛和種は54万1,000円、褐毛和種は49万8,000円、その他肉専用種は32万円ということで、対前年同額という状況でございます。
4ページを御覧いただければと思いますが、乳用種と交雑種の保証基準価格です。
こちらについては、品種格差係数は和牛と違ってございません。
5ページを御覧いただきます。
この算定式に基づいて計算しますと、乳用種は16万4,000円、交雑種は27万4,000円と。これも対前年と同額ということになります。
6ページ目を御覧ください。
これは、今度は合理化目標価格の算定式ですけれども、まず水色部分の輸入牛肉に対抗可能な子牛価格を求めます。輸入牛肉価格に国産牛肉と輸入牛肉との品質格差を加味して、輸入牛肉に対抗できる国産牛肉価格を算出いたします。それを生きた肥育牛の農家販売価格へ換算しまして、そこから合理的な肥育経費を差し引いて、肥育農家が購入する子牛価格を算定するというものでございます。
この価格に市場取引価格換算係数、それから品種格差係数を用いて品種ごとに出していきます。
7ページ目を御覧いただければ、先ほど申し上げた算定式に基づいて計算しますと、黒毛、褐毛、その他肉専用種、これらも前年同額ということでございます。
8ページを御覧ください。
これは最後に、乳用種と交雑種の合理化目標価格ですけれども、こちらについては和子牛と違って品種格差係数はないわけですけれども、9ページの具体的な計算ですけれども、こちらも計算をいたしまして、昨年度から据置きということでございます。
駆け足になりましたけれども、以上が肉用子牛の算定についての説明でございます。

◯三輪部会長
ありがとうございました。
それでは、続きまして、食肉鶏卵課長よりもう一点、諮問文の朗読をお願いいたします。

◯髙山食肉鶏卵課長
引き続きまして、鶏卵について御説明させていただきます。こちらも同じく農水大臣から食料・農業・農村政策審議会会長への諮問となります。

3畜産第1301号
令和3年12月24日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣金子原二郎
諮問
令和4年度の鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。

以上でございます。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして、こちらの諮問に関しまして、御説明をよろしくお願いいたします。

◯髙山食肉鶏卵課長
今度は資料の7-2に従いまして御説明させていただきます。
こちらをおめくりいただきますと目次が出てきますけれども、この経営安定対策事業の概要と、それから今回諮問させていただく補塡基準価格、安定基準価格の算定方法を御説明した後に、実際の算定結果について御説明をさせていただきたいと思います。
まず、鶏卵事業の概要から御説明させていただきます。
こちらをおめくりいただきますと、1ページ目にポンチ絵が登場いたします。
こちらは、鶏卵の生産者経営安定対策事業につきましては、上段の枠にありますように、一つ目が鶏卵価格が低落した場合に価格差補塡を行う。それから、二つ目が鶏卵価格が更に低下した場合に需給改善を図る取組に対して奨励金を交付すると。この二本柱によりまして生産者の経営の安定を図る、それから鶏卵の需給と価格の安定を図るということを目的にしてございます。
これは、右下の図にございますように、国と生産者が積み立てた資金から、価格差補塡につきましては生産者と国が7対1の負担割合で補塡を行う。それから、成鶏更新・空舎延長事業につきましては、生産者と国が1対3の負担割合で奨励金を交付するということでございます。今回は、この二つの事業の発動基準となる補塡基準価格、安定基準価格について、それぞれ諮問させていただいているものでございます。
2ページ目を御覧ください。
本事業のこれまでの実施状況、執行状況を記載しております。
続きまして、算定方法の説明にまいります。3ページを御覧いただければと思います。
まずは、補塡基準価格がございます。この補塡基準価格は低需要期に見られる平均的な価格低落を下回った場合に補塡金により経営の下支えを行うための基準として設定しているものです。
上段の枠内にあります補塡基準価格の基本的な考え方ですけれども、鶏卵価格については6年間の周期変動が見られているということに加えまして、夏場は需要が低迷して卵価が低落するという季節変動が見られているところでございます。したがいまして、過去6年間を基準期間として、その鶏卵価格の平均値を基に生産コストの変化率と低需要期の平均低落率を織り込んで補塡基準価格を算出しているものでございます。
4ページを御覧ください。もう一つの安定基準価格ですけれども、こちらにつきましては、通常の変動を超えた大幅な価格低落の際に需給改善に取り組む、その基準となる価格でございます。
算定といたしましては、補塡基準価格から基準期間の標準取引価格の平均と、それから標準偏差から算出した変動の幅を超えて低落した水準として、安定基準価格を算出するものでございます。
5ページに、補塡基準価格と安定基準価格のイメージの絵を置いてございます。この補塡基準価格と安定基準価格にある間の緑の線の範囲が補塡金により経営の下支えを行うというところでございます。
さらに、その下側の黄色の線のところが需給改善に取り組むというところをこの模式図で表しております。
最後に、算定結果の概要でございます。6ページを御覧いただければと思います。
この基準期間の標準取引価格の平均につきましては平成28年から令和3年までの直近6年間の平均価格でして、ここは189.16円となってございます。
続いて、生産コストの変化率ですけれども、生産費の約半分を占める飼料費につきましては、令和3年以降に大きく上昇しておりますけれども、ここについては配合飼料価格安定制度による補塡を考慮いたしますと、生産者の実負担額は小幅な上昇ということです。また、ひなの導入費につきましても、直近で上昇が見られております。
その他、労働費の生産費に含まれる各費目についても含めまして、生産コストの変化率、これらを算出すると1.013ということです。これに低需要期の平均低落率を掛けていくということです。これによりまして、補塡基準価格は今年度と同額の181円ということでございます。
それから7ページを、これ最後のページですけれども、御覧ください。安定基準価格です。
これにつきましては、補塡基準価格をベースに一定の下落率を乗じて算定するということでございます。変動係数は変更ございませんでしたので、補塡基準価格と同様、こちらも据置きの159円ということでございます。
私からの説明は以上であります。

◯三輪部会長
御説明ありがとうございました。
それでは、農林水産省からの説明については以上となります。
これより、委員の皆様から御意見を賜りたいと思います。
なお、これから皆様からいただく御意見につきましては、先ほど取りまとめていただいております事前にいただいた御意見と併せまして、改めて事務局で簡潔に整理をしていただき、この部会の場で委員の皆様に御承認を頂いた上で、「意見の概要」という形で取りまとめて、今後の施策の展開に当たっての参考にしていただきたいと考えております。また、そちらにつきましては部会終了後に公表したいというふうに考えておりますので、御承知おきください。
それでは、質疑応答・意見聴取に入りたいと思います。
委員の皆様におかれましては、お一人当たり、短い時間で恐縮でございますが、5、6分程度御発言をいただきたいというふうに思います。
いつもどおりの形となりますが、おおむね3人ずつ区切って御意見をお伺いいたしまして、その後、そちらの内容につきまして農林水産省からまとめて御回答をいただきたいというふうに思います。
なお、注意事項といたしまして、諮問内容に対する賛否につきましては、後ほど別のタイミングで改めて皆様にお一人ずつお伺いいたしますので、今からの質疑応答のタイミングでは賛否の有無には触れていただく必要はございませんので、そちらはおおむね御理解いただければ幸いでございます。
御発言順でございますが、原則五十音順と考えておりますが、途中で御退席予定でおられる角倉委員と途中一時離席をされます馬場委員に先に御発言をいただきまして、その後、五十音順という形で進行させていただければというふうに思います。
それでは、早速ではございますが、角倉委員、御意見、御質問等をよろしくお願いいたします。

◯角倉委員
本日はリモートで参加させていただいています北海道で酪農をやっています角倉と申します。よろしくお願いします。
御説明をいろいろ細かく御説明していただいて、分かりやすく説明していただけたのはすごく有り難いなと思っているんですけれども、私は酪農の生産者という立場から今日お話しさせていただきたいと思います。
コロナ禍に入って、いろいろな乳、脱脂粉乳だとかそういった在庫が増えてきて、何か今もう、何というんですか、私たちの経営に対しても結構制限というか、生産抑制に入っていくという現状なんですよ。なので、個々の酪農家さんに、もう来年度の一日の生産量はこれぐらいにしてくださいねという量を決められてきているんです。で、北海道はそういう対策をされているというところもそうなんですけれども。
そんな中で、あと今補給金のお話は先ほど説明していただいて理解をしたというところではあるんですけれども、今後、原油価格が上がっていたりとか、餌が高くなっているということで、私たちが掛かる経費みたいなのがどんどん上がっていくんです。そんな中で、何というんですか、こうやってコロナになったからこその何か緊急的な対策というか、何かそういうことがあったらなというふうには思ったりはしています。
そして、今年末年始にかけていろいろなテレビだとか新聞だとか、いろいろな放送で牛乳が廃棄されるかもしれないみたいな報道がされている中で、いろいろな企業さんだとかが、ちょっと半額にするから牛乳を皆さんで飲みましょうだとか、何かいろいろな、御飯屋さんとかでも牛乳を出してくださったりとか、そうやって消費を呼び掛けてくださっているというのはすごく有り難いことなんですけれども、実際酪農業界の中で危機だというのは今だけじゃなくて、今、何というんですか、こうやって皆さんが消費してくださるのもすごくいいことだし、有り難いことだと思っているんですけれども、そうじゃなくて、今だけを乗り切っても、その後も大変な状態が続くんですよ。
なので、そういったことを皆さん認識していただいて、国民の方、消費者の方々が、何というんですか、牛乳を消費するということを意識して、今後もずっと私たちが大変な状態は続くと思うので、そういったことを、みんなで消費していこうということをしていった方がいいんじゃないかなというふうに思っています。
今こういうふうに何か酪農に対してマイナスなイメージが続いているんじゃないかなって正直思っているので、だからこそ、今後酪農をやりたいという人が減るんじゃないかとか、何か酪農を目指さない方がいいんじゃないかとかって思う人が増えたら嫌だなというのが個人的には思っているところで、やっぱり何というんですかね、生乳生産を担うお仕事ですし、私は酪農が好きで今のお仕事をしているので、そういう若者が増えていってほしいから。何となく酪農ということが大変できつい仕事というイメージが今ついちゃわないかなということがすごく不安です。
こんな中で、私自身も今回大学生を受け入れたりとか、短期間ではあるんですけれども、酪農にちょっと興味を持ってお仕事をしてくださる若者を1週間受け入れたりとかしていたんですけれども、そういう子たちが言ってくれるのが、「牛乳1本の価値をすごく考えました」って言ってくださるんですよね。「こうやって、こんな大変な仕事で、牛乳が1本200円前後でスーパーで売られていて、僕はそれを、その安い牛乳を選んで買っていた自分がばかばかしい」とかというふうにお話をしてくれるんですけれども、そうやって、何か別にみんなが将来酪農をやらなくても、酪農に触れたことでそういう感覚を持って牛乳を消費するということを、今までよりは多く牛乳を買って消費しているという子たちもたくさんいるので、そういう意味で、何というのかな、私たちも伝えるということをもっと積極的にやっていきたいなとは思っているんですけれども、でも、そういう知ってもらうことで消費にもつながるんじゃないかなと実感しているので、何かそういうことを私は続けていきたいなと思っています。
そして、クラスター事業で生産が、施設を導入したりとかして生産の規模拡大している農家さんもいますし、それで労働力的にも助かっているという農家さんもたくさんいるのは分かっているんですけれども、生産が伸びたということは事実なんですけれども、その中で管理し切れず、さよならせざるを得ない牛もたくさんいるんですよね。そういう話を私も近所からもよく聞くんです。なので、そういった、どうしろということは言えないんですけれども、そういった現状があるんだよということを皆さんに理解していただきたいなとは思っています。
今日はそのような話をしたいなというところなんですけれども、何というんですか、今一番私が言いたいと思っているのは、先ほど言った年末年始の報道で、今だけじゃないよって、牛乳が大変なのは今だけじゃないから、何というのかな、安く売られて、それで今の現状、大変な状況が免れても、その後も大変な状況は続くので、そういう意味で、まあ、私たちも頑張っていかなきゃいけないんですけれども、皆さんもそういった状況を理解していただけるといいかなと思います。
何か上手にお話しできなかったんですけれども、以上です。

◯三輪部会長
角倉委員、貴重な御意見ありがとうございました。
それでは、続いて馬場委員、よろしくお願いいたします。

◯馬場委員
すみません、12時前に中座しないといけないので。
まず令和4年度の畜産物価格について、後ほど賛否を言うようでありますが、賛成の立場で何点か申し上げたいと思います。
加工原料乳生産者補給金や集送乳調整金、そして総交付対象数量、さらに、肉用子牛の保証基準価格等については、適切に設定いただいたと思いますが、今後も飼料価格を始め、資材の高騰や、新型の変異株といったコロナの影響など、畜産酪農をめぐる環境変動は大変激しいものがあるのではないか、厳しい状況が続くのではないかということも想定されるわけであります。
今後、算定している要素もありますけれども、今後の生産コストの動向をより注視して、必要に応じて価格の期中改定等も含めて柔軟な対応をお願いしたいということが1点であります。
それから、とりわけ生乳の関係でありますけれども、コロナの影響によって過去最高水準まで積み上がった脱脂粉乳の在庫解消、あるいは牛乳の消費拡大に向けて必要な措置をしっかりと打っていただいて、大変心より感謝申し上げる次第であります。これも、また変異株も含めて、コロナの影響も依然不透明でありますし、消費拡大の一層の取組とあわせて、生乳の需給環境の変動もあり得ますので、そういう場合、乳製品在庫の適正化に向けて、必要に応じ、追加的な取組も含め、機動的な対策を検討、実施していただきたいというのがお願いです。
最後に、国産の飼料生産の拡大であります。水田リノベーション事業や、エコ畜事業など、水田の飼料用とうもろこしの生産拡大にご支援をいただき、これも感謝申し上げるところでございますが、飼料価格が高騰している状況を踏まえれば、水田だけでなく畑地も含めて、飼料用とうもろこしを始めとした国産飼料の増産といいますか、生産拡大が極めて重要だと思っております。水田及び畑地等農地をフル活用した飼料用とうもろこしなどの生産拡大についても、是非とも強力に推進いただければと思っているところです。
以上です。

◯三輪部会長
御意見ありがとうございます。
それでは、続きましてリモートで御参加いただいております小山委員、よろしくお願いいたします。

◯小山委員
こんにちは。大丈夫ですか。

◯三輪部会長
はい、聞こえております。よろしくお願いいたします。

◯小山委員
宮城県の小山です。
私は宮城の山形県境の方に住んでいますので、最近豚熱とか出ましたけれども、何しろ、今宮城は繁殖和牛で11月、12月の市場で700万とか400万、300万の牛が出て、宮城市場はすごくにぎわっています。今それが話題の種になっています。繁殖部門は今恵まれていて、とても元気があります。
何が心配かといいますと、うちの方は宮城県でも県北の水田地帯でありますので、今回の減反政策、いろいろ今までは良い草を、牛を飼うために良い草を取るために排水をよくしたり、いろいろ努力してきて整備してきたんですけれども、今度は水を張らなくちゃいけないということも和牛増頭するのに支障が出てくるのかな。なおさら、労力的にももう大変だなというのと、今配合飼料が高い中でどうしてそんなことが今どんどん出てきているのかな、というのもちょっと疑問でもあります。
なおさら条件不利地なものですから飼料を作るのが大変なので、やっとこのシステムになってきたところで、今度は減反政策を見直せというのは、この辺は水田プラス和牛というのが多い所ですので、大変心配なところではあります。
あと、そうであれば、もう思い切って、たばこ生産のように畑地化する代わりに補助金支給などをしていただいて、もう田んぼとして見切りをつけて、切り替えられたら逆にすっきりするのかなとか、そんな話も仲間内では出ております。でもそれは耕作放棄地につながる事です。
とにかく繁殖は今恵まれているなとは感じておりますので、いろいろなお話を聞いたり、畜産の今の現状を聞くと、まあ、畜産は好きじゃないとできない、続けられない仕事ですので、その辺なかなか後継者が育たないとかありますけれども、何かうまく若者を引き止められる政策が加味されれば、ますます継続できるのかなと思います。
以上です。

◯三輪部会長
御意見ありがとうございました。
それでは、今の角倉委員、馬場委員、小山委員の3名からいただいた御意見、御質問に関しまして農林水産省より回答等ございましたら、よろしくお願いします。

◯大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
まず角倉委員からのお話がありましたけれども、酪農をめぐる状況、いろいろ厳しい状況、十分こちらも承知しているところでございます。先週、大臣、副大臣並んで記者会見で牛乳を飲んでいただいたりとか、先日は総理からも「牛乳を飲んでいただけないか」というお願いもさせていただきました。
様々今消費拡大に向けて、あとプラス酪農の現場とか、そういうことも含めて状況を知っていただこうということで、今大きな流れができているのかなと思っております。これを決して一過性のものにしないように、今後とも一生懸命取り組んでいくということがまず重要であると考えております。
今この時間ではまだ正式にしゃべれないんですけれども、来年度に向けても消費拡大対策頑張っていこうと、大きな予算でもって頑張っていこうとしようと思っておりますので、この年末年始だけではなくて、その後も消費拡大、あるいは酪農についての理解を深めるための取組を拡大していくという考えでございます。それによりまして、生乳需給、今緩和傾向でございます。北海道においても抑制的な生産ということで、団体の方でも話がされたということでございますけれども、牛乳の消費を少しでも拡大して加工に回る量を減らす、在庫量を減らしていくということがまずもって一番重要であると考えております。そういうことによって、少しでも環境が良くなればと考えております。
それと、来年度に向けてということで、馬場委員からもお話がありました、コロナの影響等もあるので場合によっては期中改定をといった話ですとか、あるいは追加的な、機動的な対策をという話もありましたけれども、これについては来年度どうであるか、かなり先を見通すことはなかなか困難であると考えております。まずは先ほど申しました消費拡大対策等を一生懸命取り組んで、飲用牛乳の消費を拡大していくということで取り組んでいきたいと考えております。生乳、酪農現場、非常に厳しい状況でございますけれども、少しでも好転するように我々も一生懸命努力していきたいと思っております。
以上です。

◯三輪部会長
お願いいたします。

◯関村企画課長
企画課長でございます。
角倉委員からクラスター事業での実施者の件での御発言をいただきました。クラスター事業で施設整備を行う場合、地域のクラスター計画に基づいて個々の施設整備をしていただきます。こちらについては作った後、地域で立てた目標に沿って適切に目標達成に向けて動いているかどうかというのをフォローアップ調査をしておりますので、そういった中で実態をよく把握した上で必要な指導等をしてまいりたいと考えております。
また、小山委員から後継者育成の話がありましたけれども、後継者育成については、やはり儲かる畜産というところは一番後継者を育成して、入っていただくという上で重要なポイントだと思っておりますので、そういったところについてはうまいPRの仕方も検討しながら進めていきたいと考えております。
以上です。

◯三輪部会長
お願いいたします。

◯冨澤飼料課長
飼料課長、冨澤でございます。
馬場委員から、国産飼料拡大に向けて、農地をフル活用して国産飼料生産拡大を進めるということで御意見いただきました。御指摘のとおり、輸入飼料を中心とした畜産経営ということになっておりますので、輸入飼料への過度の依存から脱却しまして、国内飼料生産基盤に立脚した足腰の強い畜産経営の実現というのは重要と考えております。
飼料自給率がなかなか伸びなかった要因として考えられますのは、やはり畜産経営が一つ規模拡大していく中でそれに応じた飼料生産に労働力の面等からなかなか追い付かなかったということや、あと近年、まあ、最近ですけれども、とうもろこし価格が安定していたということで、配合飼料価格もそれほど高くなかった、安く安定的な供給があって、そちらの方にどうしても頼る部分が出てきたということですけれども、現在、御指摘もあった中で、とうもろこし価格も非常に国際相場が高騰しております。高止まりというふうにも言われている状況にございますし、生産コストを下げる意味で飼料生産に取り組んでいただくということが非常に重要だと考えております。
そういった意味で私どもも草地や飼料生産基盤の整備ということや、労働力の面から、飼料生産を外部化していくということで、コントラクターの機能強化等々を支援しているというところでございます。
こういった取組を進めつつ、先ほど水田のお話もありました。水田での飼料用とうもろこしの生産拡大、耕畜連携という形で更に進めていくということで取り組んでまいりたいと考えております。
また、小山委員から、今般、水田政策全般の事業のいろいろな検討の中で水張り等の、今後5年間水張りをするというようなお話もございました。地域で大変厳しく、いろいろな議論が巻き起こっているというのは聞いているところでございますけれども、やはり水田政策に関する部分ということでございます。その水田政策全体の中で調整された結果ということでございますので、今回問題提起いただいた部分については、水田政策全般を担当いたします部局の方に伝えまして、対応いただくということをお願いしたいと考えております。
以上でございます。

◯関村企画課長
すみません、企画課長でございます。1点、紹介し忘れた件があるので、ちょっと御紹介させていただきたいんですが、資料3の畜産・酪農をめぐる情勢の19ページ目に、角倉委員が前回の畜産部会の中でワーキングホリデーの話をしていただきましたので、こちらの方でも角倉委員と、あと地元の市町村の方にもお聞きして記事をちょっと書かせていただきました。こういうような動きについては畜産・酪農の新たな人材活用という面で非常に重要だと思っております。こういう動きがあればどんどん取り上げていきたいと思いますので、引き続き情報提供等をお願いできればと思います。
以上です。

◯三輪部会長
ほかよろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、続いてまた3名、御意見をいただければと思います。川上委員、串田委員、里井委員の順番で当てさせていただければと思います。
それでは、まず最初に川上委員よろしくお願いいたします。

◯川上委員
川上です。よろしくお願いいたします。
今回、私初めてなんですけれども、この安定対策事業に関しての安定基準価格について詳細な説明をしていただき、ありがとうございました。よく理解できました。
その中で、今回酪農の関係の中で私がとても気になったのは、生産者として国が示す牛乳の生産目標780万トンに向けて皆さんが努力され、先ほどもありました畜産クラスター事業等で大規模化をし、生産量の維持に努めておみえになる。これは酪農だけではなく養豚でもそうなんですけれども、戸数が減っていますけれども、生産量に関しては維持、又は微増になっております。その生産者の努力ということをしっかり応援していただきたいということが一つ。
それから、今回生乳の廃棄の問題が出ましたけれども、養豚ではよくリサイクルということで循環型耕畜の中でうちもエコフィードを使っておりますけれども、せっかく皆さんが努力して作られた生産物がそのまま廃棄という、そういうことをこれからも将来続けていかなくてはいけないというのは、何か対策を立てなければいけないと私は考えております。
なので、こういう、もし廃棄になる前にそれを有効利用する研究とか仕組みを是非考えていただきたいと思います。無駄にしない、国内飼料、自給飼料の向上ということも国は指針の中で考えておみえになりますので、この廃棄というのはそれに反する方向になってしまうと考えておりますので、是非有効利用、研究を進めていただいて国内飼料の自給につなげていただけるようにしていただきたいと思います。
それから、飼料に続くんですけれども、飼料全体の中で粗飼料とか濃厚飼料で飼料用とうもろこしとか飼料米という話が出ましたけれども、沖縄では黒糖という、今年も1万6,000トンぐらいの在庫が余ってしまって、それをどうするかということが沖縄の方たちにはとても大きな問題になっております。今まではとうもろこしとか飼料用米ということだけ皆さん考えておみえになったんですけれども、日本国内では、北海道ではビートもありますし、沖縄では黒糖があり、その黒糖はもう30年前に農研機構で飼料用のものが育種されております。そういうところをもう少し国内飼料の自給ということでしっかり構築をしていただければと思います。まだまだ日の目を浴びていないというか、まだ開発されていない、周知されていないところがたくさんあるのではないかと思います。
このサトウキビに関しては製糖向けと、それから飼料用というところで、農林水産省の中では飼料用という担当になると思うんですけれども、担当が多分製糖─まあ、食料ということと飼料という二つの違う分類になる中で、どこら辺で国の中でそこをジョイントさせて日本の食料自給率を上げていく、無駄をなくすということに努めていただければうれしいかなと思います。
このとうもろこしも飼料用と製糖用ではハーベスタが今別々だそうなので、そのハーベスタを農研機構等で機械の改良等を早急にしていただいて、1台のハーベスタで製糖用、それから飼料用ともに一年間ずっと使えるような形にしていただければ、いろいろなところでコストの削減、それから自給飼料に結び付いていくと思いますので、是非そういう取組も新たにしていただければと思います。
今回、細かい数字等をお聞かせいただきまして、今までどういうふうにこの基準価格が決まっているのかというのは、豚に関してもそうなんですけれども、ちょっと不明なところがありましたので、とても助かりました。是非畜産に関わる生産者の方たちを応援していただきたいと思いますので、新たな取組も是非考えていただきたいと思います。
以上です。

◯三輪部会長
川上委員、ありがとうございました。
それでは、続きまして串田委員、よろしくお願いいたします。

◯串田委員
北農中央会、串田です。よろしくお願いいたします。
先般意見を述べさせていただいた中で、先ほど答弁いただきまして、大変ありがとうございます。またちょっと重複してしまいますけれども、私から改めて需給調整に関して、含めた御意見をさせていただきたいと思います。
今北海道の酪農におきましては、畜産クラスターを始め、多くの事業の中で非常に生産量も順調に増産体制ということで伸びているところでございます。その中でコロナの影響ということもありますけれども、急激な需給緩和によった中での、今現在に至った中でということで、生産者、メーカー、そして今回改めて農水省さんも入っていただいた中で、全国のJミルクとして在庫対策に取り組んでいただくということでございます。その中で本道酪農の役割という、加工原料乳の実態ではございますけれども、やはり需給調整、便利になりつつあるような現実的な形ということで、大きな、また改めた姿勢の中で今後取り組めるような体制づくりというのをしていただきたいと思います。
生産者の方々も実際、今対策費を出しながら、そして飼料価格の高騰、そして燃料費含めた全てにおいての、機械もそうですけれども、資材価格の高騰ということで、順調に来たわけですけれども、今後非常に懸念を抱いているということでよろしくまたお願いしたいと思います。
また、違った意味での生乳流通なんですけれども、先ほどの説明の中では今年夏に全国の酪農家に対する、指定団体の取組に対するアンケートの中で今取りまとめ中と、先ほどありましたけれども、今言ったような急激な需給緩和によった中でのアウトイン、インアウトですけれども、いろいろ一緒に、いいとこ取り対策として検討していただいているんですけれども、やはり指定団体、まあ、北海道の場合はホクレンですけれども、やはり出たり入ったり、これは1年の中ですけれども、今取組としては農協、JAが最終的な責任者になりつつあるということで、ここが出たり入ったりするというのは非常に、結局その中の酪農家の方々が調整しなくちゃいけないということで今進んでいます。
そうした、改めて意見のとりまとめの中で、その後の対応というのは是非私ども含めた中で、より意見を、情報として意見交換させていただきながら、今後に向けて取り組んでいただければなという要望でございます。
また、あと1点ですけれども、今脱炭素、カーボンニュートラルに向けて社会的に取り組んでいると思いますし、先ほどの説明の中で、畜産関係では今1%の状況ということでございます。もちろん、脱炭素に向けては2050年、まあ、2030年、少しでも早くいろいろな意味で取り組んでまいりたいと思うんですけれども、今、環境負荷軽減ということでエコ畜事業等あります。その中で、それも脱炭素に向けた取組ということで一緒な目的なのかなと思っていますし、やはり酪農・畜産においては出すだけではなくてしっかり吸収もしているということをより強調していただけるような取組を更に今後確立していただければなというふうに思います。
以上です。

◯三輪部会長
御意見ありがとうございます。
それでは、続いて里井委員、よろしくお願いいたします。

◯里井委員
よろしくお願いいたします。今朝ちょっと申し訳ありません、所用により遅れての参加となりましたが、本日はよろしくお願いいたします。
ざっくりと大きく分けまして、酪農乳業の方から一つと、畜産の方に関して一つ、意見及び私、フードジャーナリストとしての情報共有ということも含めての両方からの意見とさせていただきます。
若干重なることが多いんですけれども、まず酪農乳業の方に関しましては、担い手の方が希望を持って営農を継続していただけるような施策がいま一度必要なんじゃないかなと本当に強く痛感しています。先ほど角倉委員からもございましたように、消費者にとっての立場から今この「乳」ということをキーワードに考えてみましても、非常に何か大変なんだなというふうに漠然と思っている方もいらっしゃるかと思うんですね。我々といたしましても、今までもともと酪肉近などにおける生乳の生産目標、この達成に向けて本当に生産基盤を強化していこうと。この間、皆さんと強く意識し合って結論を出したのがつい最近ではないですかという状況です。そんな中、今また年末年始、このような大変な状況になってきていると。
そんな中で先ほど、来年にかけても様々な企画をしてくださっているということで若干安心はしているんです。ちょっと振り返ってみますと、このコロナ禍においても同じような、生乳が余ってしまうというような状況があったかと思います。そのときは、プラスワンプロジェクトというのを農水の皆さん、国の皆さんもプロジェクトとして動いていただき、大手の、例えばコンビニエンスストアさんが牛乳たっぷりのプリンを出してくださったり、何かおいしそうなレシピを公開されたり、様々な努力をしていて、とてもいい。いいというか、結果的にそこの危機というものもみんなで乗り越えられたんじゃないかという記憶も新しい状況です。
ただ、そのときというのは、消費者もとにかくコロナで大変だった。何か国、頑張ろうという意識がすごくあったんです。では、今消費者の心理というのがどうなっているかというのを、本当に全員が全員とは申し上げないんですけれども、いいにつけ、悪いにつけ若干少し、応援しようとかいろいろなことに対して、少しながら何か緩んでいるんじゃないかなと思います。それがいい悪いというのではなく、長年、2年間皆さん、消費者自身もいろいろなことで大変だという思いの蓄積もあるかと思う。そういう心理状態の方が増えているというのが現状だと思うんです。
そんな中に、もちろん年末年始、牛乳が大変です、いろいろな状況ですということをアピールしてくださり、ここの危機をみんなで乗り越えようという姿勢の施策というのは大歓迎ではあるんですけれども、いま一度、冒頭に申し上げました、では果たして継続してこの施策を使いながら、私たちが目指す生産基盤を強化しながら、畜産を支えて、生乳業界を支えていけるかという。単純にまた「今回も応援して」とお願いしようというだけでは、もう消費者の心理が付いてこないんじゃないかと思っているんです。
キーワードといたしまして、「大変だ」ということのアピールも重要ですけれども、何か明るいな、希望を持てるなということの長い目で見ての施策というものをどうぞお願いしたいです。
私も発信する立場といたしましては、今大変なんだよ、みんなで頑張ろうという姿勢よりも、例えばですけれども、生乳をたくさん使う、国産のチーズも食べよう。いろいろな意味での深い思いで、長く生乳業界が明るいんだ、みんな頑張っているんだということが続くようなことを発信し続けていけたらなと思っています。
そんな中、私はSNSですとか、いろいろなところへの情報発信をしている中、Jミルクの方々が「#ミルク鍋」というところで、みんなミルク鍋というのをレシピをしたものを明るく写真をしながら、牛乳のレシピなんかも楽しく公開されていると。
もちろん、状況として廃棄することは大変なことだ。そういう思いで一生懸命応援しようという心理に基づいた施策というのも重要ではあるんですけれども、一方で明るく何か元気がもらえるようなPRというもの、施策というものも今後連立していっていただけたらなというのが、思いが一つです。
あともう一つは、これもフードジャーナリストとしての最近の傾向ということでの単なる情報共有ということではあるんですが、お肉の問題です。畜肉の問題なんですけれども、消費者側といたしましては、最近皆さんもあるかと思うんですが、非常に国産和牛を応援しようという気持ちはとってもあるんですが、一方でサシがたくさん入ったお肉というのは敬遠しがちだという意見もずっとあるねということを話されてきたかと思います。そんな中で畜産の方々も含めて、赤身というものをもっと見直すべきではないかとか、今A5のランクだけがすばらしいとなってしまっている、このランク付けをどうしようなんていう会議も私も参加させていただきながら2年間来ました。
今年の一番の明るい話題といたしましては、やはりこの年末年始、消費者の方が一番、例えばお歳暮でもらいたいだとか送りたいだとかという中では、和牛のローストビーフ、これが断トツの1位でございました。これは若干、大手百貨店様、それから私、全国商工会連合会というところでも畜産の応援をさせてもらっているんですけれども、普通に単純に一般の方が分かりやすいブランドというのが神戸牛ですとか松阪牛というもので今までずっとその需要が多かったんですが、今年はちょっとアイデアで、赤身プラスサーロイン。同じローストビーフでもあか牛と黒毛和牛、これを少量ずつ組み合わせたというものがもう断トツの1位だったんです。アンケートを取った結果、「何かちょっと食べてみたかった」「食べ比べてみたかった」、そういう思いというものの心理に基づいたというところがそういう数値の結果になったのかなと思っています。
これはもう飽くまでも、とある百貨店様と一部の例ではございますし、全員が全員、ここの例だとは申し上げませんけれども、そうやってきめ細やかな消費者心理というものに基づいたという、ちょっとしたことが成功のきっかけにもなるんだなということを体感したばかりでございます。
今後も、何を申し上げたいかと申し上げますと、今までどおりというもちろんのセオリーも重要ではございますけれども、それだけ消費者だったり情報というものがスピード化して変化していっている。もう昨日言ったことと今日言ったこと違うやんというぐらいのことがもう日常茶飯事でございますので、どうぞまず明るく希望が持てるような施策、それから迅速な対応、そして消費者全て、消費者もそうですし、皆さんの心理に基づいた施策というものを強く要望いたします。
ちょっと大きな話からピンポイントの話、また重複した話ではございましたけれども、今後も明るく希望に満ちた国産の食品全体を応援してまいりたいと思っております。今年最後になるかと思いますが、また来年も引き続き応援し続けますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
ありがとうございました。
それでは、今の3名の委員からの御意見等について御回答等よろしくお願いします。お願いいたします。

◯大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
まず、川上委員からお話ございました生産基盤の強化につきましては、酪肉近で780万トンと書いているところであり、引き続き基盤強化に取り組んでいく必要があると考えております。その中で、現在こういう状況になっているという認識でございます。
それで、生乳廃棄の話がございましたけれども、まず大前提として、現時点で生乳廃棄は起こっていませんし、今後も絶対起こしてはいけないという、そういう認識でございます。それに向けて今生産者、乳業メーカーなどの関係者、あるいは国も含めて、あと業界団体も含めて、それぞれで今様々な取組をしているということでございますので、廃棄した場合の有効活用ということではなく、そもそも廃棄させないように取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
その後、すみません、ちょっと順番変えますけれども、里井委員からのお話でございましたけれども、プラスワンプロジェクトです。先週新たに始めました。大変大きな動きになってきていると思います。各企業もいろいろ様々な取組をしていただいて、直近のニュースで言えば、コンビニにおいてホットミルクが半額になるとか、牛乳と牛乳を使う商品を買うと割引になるとか、そういった取組を小売段階でもされているところでございます。
そうした中で、先ほどから申し上げたとおり今も行っており、来年度に向けても行おうと思っている消費拡大対策の中においては、単に「大変だ」という、そういう呼び掛けではなくて、今ミルク鍋の御紹介がありましたけれども、ほかには、例えばみそ汁に、みその代わりに牛乳を少し入れるというものですとか、そういう乳和食と言われるものが、じわじわと認識されつつありますので、そういった取組を更に広げるなど、前向きな明るい話をしながら、より理解が深まるような形で取り組んでいきたいと思っております。
それと、串田委員からお話ありましたけれども、まず先に規制改革については、畜安法の改正ありましたけれども、酪農家にとって出荷先を選択できるという、そういう環境を整えるということですとか、あるいはこれまでは補給金の対象にならなかった方にも補給金の対象になるようにしたと、そういう意義がある制度改正であるということで御理解いただきたいと思っております。
いろいろ御意見があるのは承知していますけれども、規制改革に関して申し上げれば、今年6月にありました規制改革実施計画に基づいた対応を行っていくというのが今考えているところでございます。それに基づいて実施していくということでございます。
あと最後に在庫対策の関係で、今生産者、乳業メーカーと国という形で3者で取り組んでいこうとしている中で、そのお話の中で御提案がありましたけれども、新たな体制づくりというお話がありましたけれども、これはどういうものなのか少し御提案いただければと思いますので、もし何かあれば再度教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
お願いいたします。

◯関村企画課長
企画課長でございます。
川上委員と串田委員から畜産クラスター事業についての御発言をいただきました。これまで多くの畜産クラスター協議会で施設整備を進めるに当たって、規模拡大を目標にした計画が多く、そういう形で整備が進められてきております。肉用牛をはじめとする、まだ生産伸ばしていく産業については、引き続きしっかり予算を補正予算で取りましたので、約600億の予算を取っておりますので、所要額はありますので、適切に対応していきたいと考えています。
また、酪農の方については、生乳生産量の問題がございます。こちらについて、クラスター事業の、目標の立て方は規模拡大だけではなくて、生産コストの低減や収益性向上といった目標の立て方もございますので、地域の中でどのような計画が適当かというのをよく御議論いただいた上で、必要な整備、施設整備や機械導入を進めていただければと考えております。
以上でございます。

◯冨澤飼料課長
飼料課長でございます。
川上委員からサトウキビを使った飼料化について御提案いただきました。実際食用の砂糖、黒糖生産のためのサトウキビにつきましては、絞った後のバガスや葉を使って飼料に活用されている事例等々ありました。今回、飼料用のサトウキビということでございます。技術的な課題、私も十分承知していなかったところがございますので、先ほどお話がありましたとおり、農研機構なり、農研機構を所管します技術会議等々ありますので、関係者の中で今回の御提案を共有いたしまして検討してまいりたいというふうに考えております。

◯髙山食肉鶏卵課長
すみません、食肉鶏卵課長でございます。
里井委員からコメントで、やっぱりサシ一辺倒ということじゃなくて、もっと多様なものをということでお話をいただきました。やはりお客さんのニーズが脂肪交雑というだけじゃなくて、もっと食味だとか食感だとか、あるいは値段だとかを含めたトータルで価値観が多様化しているというのを認識していて、今朝ほどの馬場委員や駒井委員からのコメントにもそういう視点から酪肉近なんかも引き合いに出してお話をさせていただいたんですけれども、ローストビーフのお話とかを改めてお伺いしていると、我々ももっともっとマーケットに敏感になって、そしてそれに応えていくという視点が一層大事だと認識しましたので、よく胸に刻んで、また一緒にやっていけたらと思います。よろしくお願いします。

◯三輪部会長
ほかにいかがでしょうか。
お願いします。

◯馬場畜産総合推進室長
畜産総合推進室でございます。
先ほど串田委員からありました畜産・酪農の脱炭素の取組についてでございますけれども、正に今世界全体で脱炭素化という取組が進む中で、我が国の畜産・酪農の排出量というのは日本全体の排出量の約1%ということで、世界的に見れば非常に少ないものではございますけれども、そういった世界全体のトレンドの中で我が国全体としても取組目標を定めておりますので、畜産としてしっかりできることはやっていかないといけないと考えております。
まだ技術的にできることに限りがあるということもございますので、まず今現場でできるような技術も普及をしながら技術開発を並行して進めていくと、こういうことが大事かと思っております。
また、畜産の意義は、非常に重要で畜産は人間が食べられない草を食料に換えていくという非常に大きな役割がございますので、そういった畜産の意義をしっかり消費者、国民の方々に向けてこれまで以上に発信をしていきたいと考えております。
以上です。

◯三輪部会長
ほかはよろしいでしょうか。
お願いいたします。

◯串田委員
先ほど答弁の中で大熊課長から、逆に他のどんな形か提案いただければ、というふうに逆に問い掛けられてしまったんですけれども、本当非常にいろいろな仕組み含めて、もちろん簡単に解決できるようなものではないというのは本当に認識していまして、ただ現実的に、例えば本州、酪農家の方が猛暑で生乳生産が落ちた。北海道から牛乳を送ってくれというような中で、そして今年度は冷夏ではありませんけれども、非常に本州含めて都府県の酪農も順調に生産を伸ばしていると。と同時に消費の方も、先ほど委員の皆さんからいろいろ言われるように、消費の減退も含めた中で、結局北海道では加工に回さざるを得ないというのが現実で、今回、Jミルクの中で全国的に対策をしていきましょうということで一歩、非常に私どもうれしいと思っております。
さらに、これは北海道の問題だけでなくて、改めて全国の問題として問題提起含めた中で、対策として全国の指定団体の皆さんとともに、より検討していただければなというふうに申し上げさせていただきたいと思います。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
活発な御質疑をいただきまして、ありがとうございます。皆様に運営に御協力いただいたおかげで、ちょうど今時間どおりの進行という形になっておりますので、ここで一旦午前の部として中断させていただきまして、昼休みとさせていただければと思います。
予定どおり13時15分から再開をさせていただきたいと思います。事務局から補足等ありましたら、よろしくお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、事務局の方から補足をさせていただきます。
委員の皆様の御昼食につきまして、2階にあります委員控室にて弁当を用意しておりますので、係の者が御案内をさせていただきます。


◯三輪部会長
それでは、午前の部、こちらで終了させていただきます。引き続き、13時15分よりよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

午後0時11分休憩
午後1時15分再開

◯三輪部会長
それでは、皆様、再びお集まりいただきましてありがとうございます。畜産部会を再開いたします。
午前からの続きで、各委員からの意見、御質問等をいただければと思います。午後につきましては、まず最初3名ということで、須藤委員、畠中委員、彦坂委員の順番でお願いしたいと思います。
それでは、須藤委員、よろしくお願いします。

◯須藤委員
皆さん、どうもお世話になります。酪農家でお世話になっております須藤でございます。何点かお話しさせていただきます。
まず今いろいろお話が出ております生乳の需給のお話なんですけれども、今皆さんの、もちろん酪農家の努力によって大変牛乳が減っていたのが増えてきて、やれやれと思ったら、今度は多過ぎて困るんだと、そういう話なんです。基本的に農産物というのは需給の話になっちゃうんですけれども、もういつも行ったり来たりになるんです。ですから、これはもうある意味仕方ないことなのかもしれませんけれども、やはり、情報通信技術、デジタルなど、いろいろあるわけですから、この繰り返しを緩和できるようなことに持っていきたいですよね。これは一番のお願いというか、私たちも含めてやらなきゃならないことだと思っています。歴史は繰り返すじゃないですけれども、私の先輩たちがやってきたこと、また同じことをやるんであれば、これは人間の英知ではないわけでして、やはり創意工夫をしてしっかり取り組むという姿勢がもう絶対必要かなと思っています。
私が心配しているのは、牛乳が足りないときは希望があって、酪農家を目指したけれども、こういうふうに余ってきますと、酪農家の競争になってくる、ということです。要するに、酪農家の質が今後求められてくると。牛乳がいいものでなければ買えないよとか、量がないと駄目だとか、遠隔地じゃちょっとどうなのかとか、そういう可能性も、余ってくると出てくるわけです。ですから、そこはもうもちろん避けたいわけでございまして、やはり平等に酪農家に寄与するためには、一元集荷多元販売をやっているわけですけれども、その辺も組み込んだ生産基盤を構築していくという必要がもう近々に出てきていると思っております。
そこで、この余るということは特に大規模の農家さん、酪農家さんは、経営的に大きな影響は受けにくいと思っています。それは、ハード・ソフト両面においてでも、飼料にしてもいろいろ対策が取れやすいためです。しかれども、小規模農家の皆さんは、まともに影響を受けるわけでございまして、より小規模農家さんのリタイアが加速するんではないかなという危惧しています。やはり、生乳が余っちゃうと牛乳が安くなっちゃうんじゃないかなと、生産者は心配します。そういうところから見ても、この対策をしっかりと打っていかなければならないと思っております。
基盤強化と言っていますけれども、そこが逆に弱体化していっちゃうんじゃないかなという危惧がございます。是非ともそこはしっかり捉えてやっていく必要があるかなと思っています。
そして、消費拡大においても、いろいろなテクニックを使って、プラスワンプロジェクトとかもございまして、もちろん酪農家として、何といいますか、頭を下げて、「大変なんでよろしくお願いします」。それもありだとは思いますけれども、やはりそうではなくて、酪農家としてのプライドとして、しっかりとした、里井さんも言っていましたけれども、酪農家としてのスタイルを大事にした、そういう経営をこれから目指すべきだなと思っています。例えば牛乳が駄目ならヨーグルトなり、飲むヨーグルトも発酵乳で今大変売れております。そういう観点からしてみても、様々なレシピを考えるのも、酪農家としての対策ももちろんあると思いますけれども、メーカー側といいますか、販売者側としての創意工夫が今求められているのかなと思っております。
生乳需給は以上です。
二つ目に飼料の自給についてなんですけれども、これは考えるに、日本の国土を見ても、皆さん御承知のように飼料を作れるというような余地は、山地が多いですから、ないということはもう自明の理でございますけれども、やっぱり北海道の皆さんは広大な農地がございまして、また離農用地なども取得して、規模拡大の人はより規模拡大をしているという状況がございまして、しっかりとした基盤強化がなされているのかなと。そして、いろいろな融資なんかをしっかり受けられていまして、北海道の皆様は本当意欲があれば、あの地で立派な酪農経営なり農業経営がやっていけるのかなというふうに、私は羨ましいというぐらいに思っております。しかれども、府県の状況は全く反対でございます。牛乳の需要等は一番あるわけです、人口が多いわけですから。にもかかわらず生産が落ちているという、そのちぐはぐなところがございまして、私たちが頑張るという、私も内地でございますけれども、やはり創意工夫が必要だなと。特に先ほどもお話出ていました田んぼだとか、どんどん米が余って、土地も今度余ってくると。そういう中で、では飼料畑にしよう。当然なことです。しかれども、やはり日本は米の国ですから、1回田んぼを畑にしちゃうと、なかなか戻すのが大変です。
ということであると、どういった品目で、品種で、どういうとうもろこしがいいのか、何がいいのか、その辺もよく国の方でも研究をしていただきたいと思います。より飼料価値の高いものを、飼料にすればいいわけです。ですから、人間はいいものを食べればいいわけで、まあ、動物に悪いですけれども、人間が利用しないものを飼料にするというぐらいでいいのかなと思います。より、お米の消費拡大にもつながるということで、飼料化もどんどん進めていただきたい。そして、豚と牛とかって、米の使い方が内臓によって違うんですよね。ですから、そこら辺も踏まえた飼料化のしっかりとした方針を是非進めていただきたいと思います。
次に、ちょっと重要な後継者の問題なんですけれども、先ほど北海道の角倉さんからもお話がありましたように、酪農だけではないですけれども、人材不足です。そういうことがまずあります。今コロナで外国人材も入ってきません。では、どうしたらいいんだと。農福連携、女性雇用、もう本当に私どもから上の老人までも駆り出してやっていかなきゃ農業がやっていけないぞという状況になってきています。ですから、私は農業後継者は本当にやってくれる人であれば、誰でもいいと思います。もう境をつけずに、手を挙げてくれる人であれば、もう有り難いと。ということで、高度人材なんて言っていられないです。まあ、言い方は悪いですけれども、ルーチンワークの仕事から、もう足りない状況になりつつあります。
日本人のキャパだけではもうやれないという状況になっています。ですから、この辺も加速して、農水省の方からも、まあ、コロナですからしようがないんですけれども、積極的な外国人の皆さんのお力を借りて、農業を活性化していくということになろうかというふうに思っています。
最後に、一番の今日の補助金の関係なんですけれども、正直言わせてもらいますと、数字等も去年と同じと。無難に、本当に昨年と同じに収めたなという印象は強いわけでございまして、賛成も否もないといいますか、うまくあれなんですけれども、私としましては、今年これだけ打撃を受けております。生産者、酪農家が疲弊しているという状況、また生乳の余りで疲弊していくということは大変なピンチでございまして、そして、餌代等もずっと高いままでございまして、補給金が、補塡金が出るにしても、なかなか経営自体うまくいっていない人というのも大変な数がおるかと思います。そして、この補給金はほとんど、皆さん御承知のように、北海道の酪農家の人がいただくようになっておりまして、北海道の人が、何といいますか、酪農家の人が、水を差すことのないようにですね。一生懸命経営をしてきて、これ余ったから、ではどうなんだということでしわ寄せがそちらにいかないように、是非ともお願いをしたいなというふうに思いまして。
まあ、本当に府県の酪農と北海道というのは車の両輪と全く同じで、両方が成り立たないと、日本の酪農というのは多分乳業としても成り立たないと思います。府県は府県で頑張ります。ですから、北海道のためにも、本音を言わせていただければ、是非補給金を上げてもらいたかったなと思います。北海道の人のリタイアを少しでも食い止め、そして家族経営の皆さんが楽しく酪農をやれるような、そういう環境づくりを是非お願いをしたいなと思います。
そして、北海道の人が─私、別に北海道にすごく肩入れしているわけではないですけれども、でも、やはりあっての酪農ということを考えますと、当然北海道の人がいろいろの面で有利な酪農の展開ができるわけですから、そこを後押しするのは当然でございます。そして、府県の減少分をカバーしていただくというような図式を、まあ、これはこれからも続くんだろうなと思いますから、いい形を是非皆さんで模索して作っていけるように私どもも努力しますので、よろしくお願いしたいなと思います。
私の意見は以上でございます。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして畠中委員、よろしくお願いします。

◯畠中委員
福岡で採卵鶏の経営をやっています畠中と申します。
先ほどから質問の回答などもいただいたりとかはしていましたけれども、ちょっと重複する部分もあるかと思いますけれども、よろしくお願いします。
畜産、皆さんもそうですけれども、飼料高とか人件費、最低賃金の大幅アップとか、そういう非常に厳しい状況がいっぱいある中、養鶏の場合はそこに鳥インフルエンザが昨年度ものすごく出た上に、今年もまた11月からたくさん多発しているということで、もう本当に、養鶏業界全体がものすごい危機感に今なっていまして、そんな中で、今回もたくさん質問もさせていただいたんですが、先ほどみたいに回答いただいた中で、細かいことまで回答いただけないというのは、時間もないことですし、しようがないと思っていますが、できれば細かいこと、私個人にでいいので、後ほど詳しく教えていただきたいなと思っています。
そんな中から、2点は今申し上げますが、先ほどの中にもありましたけれども、新たな対策というんですか、鳥インフルエンザの対策。今までの対策で、基準の厳密化とか、もうすごく管理飼養基準が厳しくなったりとか、マニュアルが厳しくなったりとかしていますけれども、もうそれでは守れないということが、去年、新築で大型のものすごく衛生基準が高い鶏舎で多発したことから見ても、明らかだと思うんです。だから、今までみたいな基準を厳密化することだけでは、到底発生は食い止められないということが、去年の状況で分かった。だけど、まだいまだに既存基準の厳密化と厳罰化。厳罰化もありますので、もう生産者はものすごく精神的にも、経営的にも苦しい、対策費用もものすごく掛かるという中で、厳しい状況で経営をしているので。
特に採卵鶏というのは特殊な事情、養鶏場のいろいろなところの中での採卵鶏というのは、再生産をするまでに1年以上かかるとか、雇用をやっているところもすごく多いので、1年以上の間、雇用の、その間の人件費どうするのかとか、その間に失った販路が再生産し始めたときに全部戻ってくるなんていうことはまずあり得ない。半分でも戻ってくればいいかなぐらいの話なので、再生産に対するすごく困難な事情というのが非常に大きくて、うちでさえもパートとか合わせると70人ぐらいの雇用があるのでその人たちを1年間どうやって守ればいいんだ、守れなかったら、もう再生産は絶対、できないわけだから、守らないといけないんだけれども、ではその間の人件費どうするんだとか、もう悩み出したら、本当に再生産できる気が到底しないぐらい怖いなと思っています、鳥インフルエンザ。
しかも、先ほど言ったみたいに、基準を厳しくしただけでは到底守れないというふうに認識していますので、そこに対する対策、画期的、抜本的な対策というんですか、新たな対策なり何なりをどうにか考えていただきたいなと思っていまして、その一つとしては、省庁横断的な対応窓口の設置とか、そういうことを先ほど回答いただいた中に、そういうのもちゃんとやっていきますみたいな話もしていただいたけれども、本当に畜産部だけで考えているだけじゃない、鳥インフルエンザが発生した農場で起きることというのは畜産だけで考えているようなことじゃないことがいっぱい起きるので、雇用の問題もあるし、何というんでしょう、まあ、商圏の維持の問題もあるし、いろいろですけれども、衛生的な問題だけじゃない、ほかのことも含めて、農林水産省全体はもちろんのことながら、ほかの省庁にも協力していただくような何か窓口を一元的に、鳥インフルエンザが出たといったら、そこに相談すれば、もういろいろなことがそこに情報が集まってくるようなことを何か考えていかないと、この発生の状況だと、もう養鶏家は続けていけないところばっかりが増えるんじゃないかなと思いますので、是非その辺も、なかなか難しいかとは思いますけれども、どうぞよろしくお願いします。というのを一言申し上げて。
で、そういう危機感を持ちながらも、一つだけうちにとっては明るい希望というのが子実コーン、とうもろこしとかの自給なんです。うち、去年のときにも言いましたけれども、飼料米を使った国産にこだわった餌というのを生協でまとめて購入してもらって今使っています。それで2万羽ぐらい生産しているんですけれども、卵を。去年の段階で並びましたって、たしか言いました。国産じゃない、普通の、ちょっと質は遺伝子組換えしていないとかなので高い、だけど、輸入のとうもろこし使った餌と国産のとうもろこしとか飼料米を使った餌の価格が並んだんです、去年で。そしてこの1年で逆転しました。でも、こんなことが起きるなんて、本当にもう夢のような話なんです。国産の餌で何万羽単位の鶏の餌を賄えるような状況が起きるなんて、少なくとも10年前とか絶対思っていなかったし、生産者からすると国産の餌で作った卵を自給率100%に、国内で90数%にできれば、もうすばらしいことだと思うので、そういう夢みたいなことが現実に今できている。逆に言ったら、輸入品が高くなったからなんですけれども。そういう可能性があれば、コストが幾ら高くなっても、その分高く売りさえすれば経営は安定するので、それを狙う人はたくさん出てくると思うから、是非とうもろこしとか、そういうことに対する補助金とか対策、体制づくり、飼料の倉庫とか運搬とか、そういうのも全部含まれてくるんだと思うんですけれども、そういうのを是非拡充していただいて、国産で作りたいというような生産者がもっとたくさん使えるような体制を是非整えていただきたい。これは農地の保全とかにももちろん関わってくるし、農地を守るということは国土を守ることだし、自給できるというのはもうすばらしいことなので、夢のような話だと思うんですけれども、この厳しい危機感のある中、一つだけでも夢のような話を、私は、うちは持っているということが本当に有り難いと思うので、そういうのを是非将来的にも応援していただきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いします。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続いて彦坂委員、よろしくお願いします。

◯彦坂委員
先ほど畠中委員からの意見でちょっと出た安定対策事業の空舎延長事業、親めすの業界、鳥を入れ替えるときにうまくいかないというお話が、そこがネックになってうまくいかないというお話があったんですけれども、親めすの業者の方とお話しして、一例なのかもしれませんけれども、関東圏ですと、食鳥検査員の融通がなかなかつかないと。土日、基本的に休みなんだけれども、調整するために土曜日稼働したくても、食鳥検査員が土曜日に出てくれない県があるみたいなんです。これ全てじゃなくて、中京地区だとか、そちらの方を聞くと、割と融通を利かせて食鳥検査員が出ていただけるというケースがあって、中京圏の方にお聞きすると、割と空舎延長事業で苦労されている方いないんです。関東はそういう事情があって、規模が大きいところも多いのかもしれませんけれども、その要因は大きくないかもしれないけれども、それを緩和してもらえれば稼働日が若干調整できるかもしれないということを親めすの業者の方からちょっとお聞きしましたので、そういうことが、何というのかな、これは県行政マターになっているのかもしれませんけれども、何かそれがスムーズにいくような形を国としてフォローしていただければ、食鳥業者の方も少しはいいのかなと思いました。
あと飼料の件なんですけれども、ここの飼料の値上がりは、まあ、過去にも例ありましたけれども、市況の中で餌が上がったということではなくて、畜産経営に関しては災害と同等ぐらいのダメージがあるのかなと思っています。台風ですとか、地震とかと同じような状況があるのかな。生産費の説明等で御説明いただきましたけれども、飼料安定基金の方が発動されていますので、ということなんですが、これ仮にこの高い値段で持ち合い、価格が変わらないで、例えば半年だとか、1年推移したときに、そのときには飼料安定基金の発動要件、餌は高いけれども発動要件から多分外れてしまうので、高いままで、仮に財源があったとしても基金が発動されないということが多分起きてくると思うんです。
ですから、養鶏の業界では、そのときのため、来年度辺り、そういう飼料高騰に対する何らかの対策を検討していただきたいという声はばらばらとした形なんですが、上がっています。これ業界として取りまとめてしっかり要請していく必要があるのかなと思いますので、よろしくお願いします。
あと国内の飼料原料について。私どもは養鶏なので、お米に非常になじみが強いんですけれども、やはり飼料米、これかなり長い年数やってきているんですけれども、畜産農家にとって有利な国産原料ということだけではなくて、水田の保全だとか、食料安保という側面もあると思うんです。ですから、畜産のために有利なものを作ってくださいということだけではなくて、何かあったときに国民がお米が食べられないということがないようにするためにも、水田の保全は非常に必要なのかなと思っています。そういうことも併せて、もっと抜本的な形で飼料米に対する取組を稲作の方たちとできる形がいいのかなと思っています。
飼料米が始まったときからいろいろ話題になりましたけれども、専用種は反収が非常に多いよということがあっても、それがなかなか取り入れられない。飼料米なんだけれども、コシヒカリだとかというもの、あきたこまちの飼料米だというケースは非常に多いんです。まあ、そんな単純なものじゃないんですけれども、全部が、今飼料米やっていただくところが専用種になれば、少なくとも5%から10%、それだけで反収数量増えるという。まあ、そんな単純なものではないと思いますけれども、そういうのも含めて、何だろう、もう既にあるのかもしれませんけれども、飼料米だけでやるパイロット事業だとか、そういうところで本当に労働力が軽減されて、いろいろな形で収益が上がるかどうかというのも検証していただける形がいいのかなと思っています。
最後に、ちょっと家畜排せつ処理のことで御説明いただいたんですけれども、それの中で家畜排せつ処理の高度化、これは何かイメージ湧くんです。いい肥料を作りましょうとか、物性の良いものを作りましょうということで、ペレタイザーの話とか出ているので、それはイメージとして分かるんですけれども、広域流通に対して支援しますという文言もあるんですけれども、それは具体的に方法としてはあるんでしょうか。あれば、どういう方針なのかというのをちょっとお聞きできればと思います。
以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、須藤さん追加コメントがありますか。どうぞ。

◯須藤委員
ちょっと言い忘れたのであったんですけれども、すみません。資料の4-2の中で西尾委員の御意見の中で、「生産者と乳業者の共同負担により、大量在庫になっております脱脂粉乳を飼料に転用するという自主対策スキームがまとめられた」というお話が書いてありますけれども、もし分かる範囲で結構なんですけれども、具体的にお話を聞けたらなと思うんですけれども、よろしくお願いします。
以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、それぞれよろしくお願いします。

◯大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
須藤委員から幾つかお話しいただきましたけれども、まず生乳の需給の関係で、緩んだり、逼迫したりということがいつもあるということでございましたけれども、これは生乳に限らず農産物、そういう波があるのは、これは常にあるということではございますけれども、牛乳乳製品の場合は御承知のとおり、まず牛乳に仕向けて、牛乳に仕向けられなかったものが加工に回るということでございますので、なるべく加工に回らないようにするということがとにかく大事と考えております。牛乳の需要拡大に向けて、先ほど来申し上げた拡大に向けた運動もそうですけれども、そもそもの牛乳需要拡大に向けて取り組んでいきたいということ。そして、緩和している状態にあっても、ここを乗り切れば何とかなるんだという、そういう希望が持てるようなメッセージも含めて発信しながらやっていきたいと思っております。
それと、小規模農家のお話もございましたけれども、これも中小・家族経営に配慮した支援策等々ございますので、そういったものも御活用いただきながら、農水省としても大規模農家だけではなくて、中小・家族経営の農家も酪農を続けられるように支援していきたいと思っております。
あと消費拡大の関係でお話ございましたけれども、その中で先ほど来もお話がありましたけれども、困っていますというメッセージではなくて、前向きなメッセージを発出していきたいと思っております。農家の方がやる気が出るようなそういう発信の仕方をしていきたいと思っております。
メーカーの方も商品開発に向けて取り組んでおり、我々もメーカーの方にも新商品の開発等々、常に要請しているところでございまして、直近で申し上げれば、最近特にコンビニとかへ行くと、生クリームを使った商品がいっぱいあると思うんですけれども、そういったものもその動きの一環であるというふうに考えております。そういったメーカーの創意工夫も我々としても引き続き求めていきたいと思っております。
それと、あと補給金の関係でございます。できれば上げてほしかったという御意見いただきましたけれども、飼料価格が高騰しているということが確かに補給金の上げ要因にはなるんですけれども、一方で下げ要因も幾つかございまして、子牛価格が回復していて副産物収入が増加しているとか、初妊牛価格が下落しているとか、あと1頭当たりの乳量が増加しているとか、そういった計算上、下げ要因になるものもございまして、それで結果的にこのような数字になったということでございますので、御理解をいただきたいと思っております。
あと最後に、脱粉の飼料転用のスキームの話でございますけれども、これはスタートとしては今北海道の方が負担を、これまで加工に回る部分の負担を、需給調整の負担を北海道がかぶっているんじゃないかということもございまして、都府県の酪農家、あるいは乳業メーカー含めて日本全体で飼料転用に向けて枠組みを検討してきているところでございまして、そこに今回国も入ろうということで、生産者、乳業メーカー、そして国という、3者みんなで飼料転用に向けたスキーム作りをしているところでございまして、それで脱脂粉乳の在庫の削減に向けて取り組んでいこうという動きを今やっておるところでございます。
スキーム自体はもうほぼ合意に達していまして、あとは具体的な実務的な面を今後早急に詰めていくという状況でございます。
以上でございます。

◯三輪部会長
お願いします。

◯冨澤飼料課長
飼料課長でございます。
須藤委員から、土地条件が厳しい都府県の中で、国産の飼料を増やしていく中でとうもろこしが重要で、そちらの品種開発なり収量の増強なりということでお話しいただいていますし、また畠中委員からも、子実コーンが今ちょうど国産のものは輸入よりも安くなってきたということもあって、これらの体制づくりを進めるということでお話しいただいたところでございます。
委員からお話ありましたとおり、飼料用とうもろこしについては今国産の飼料生産を拡大していく中で重要な品種ということでございます。支援の面でも私ども全体の技術実証ということで栽培方法の実証をする事業や、また今回エコ畜の中……あっ、すみません、リノベーション事業ですね。水田リノベーション事業。水田関係の事業ですけれども、この中でも子実用とうもろこしを対象とするということで取組を拡大していくという流れになっております。
今回、生産性の向上という面につきましては、農研機構を中心とした研究プロジェクトによりまして、もともと北海道が主産地であったこともありまして、極早生品種の開発、収量が向上できるような極早生品種のものや、あとそれぞれの気候、寒地、寒冷地、温暖地、またあと台風が来ますので、早生のほかに晩生、「おくて」と言うのですか、そちらの方の開発など今進めておるところでございます。
水田で特に子実用とうもろこしを作る中で、やはり湿害、どうしても湿害にとうもろこしは弱いものですから、それに強い品種や病害虫に対する抵抗が強いものとか、そういったものについても今品種の選定などを進めておるところでございます。
また、ドローン等を用いた栽培技術の高度化や、また保管しておくのにコストを安くするための保管方法の研究等も今進めておりますので、そういった技術を結集して国内で子実とうもろこしの生産が拡大できるようにというように進めていきたいと考えております。
また、支援という面につきましては、今大体、昨年度で850ヘクタール、子実用とうもろこし栽培されておりまして、今年は1,000ヘクタールぐらいいくのかなと。まだ統計的なものがありませんので、はっきりしませんけれども、更に拡大するという中で、これから新たに取り組む方々が、例えば機械をレンタルしたりとか、できました子実用とうもろこしの栄養成分の分析をしたりするものについて御支援する事業を今要求しておりますし、お試し的にやられた方が更に本格的に面積を拡大して取り組まれる場合には、更に機械のリースや、また先ほど貯蔵のお話がありましたけれども、新たな倉庫を造ると大変高いので、既存の倉庫の補改修等で対応できるようなメニュー、またサイレージ化して保存できるような手法を使う場合とか、そういったものに対する支援を今要求しているところでございますので、こういったものを総合的に推進していければなと考えている次第でございます。
また彦坂委員から、飼料高騰のときの、今の配合飼料価格安定制度の仕組みについて御確認がありました。御指摘のとおり、配合飼料価格安定制度については直近1年の輸入穀物価格に対して当該四半期の輸入穀物価格の変動率に応じて、その差額分を補塡するという仕組みで、直近で7月-9月分ですと1万2,200円という高い補塡水準ということでございますが、やはり輸入穀物価格の上昇がここ続いておりますので、この後徐々に直近1年の価格と実際の期間との価格差が縮まってきますと補塡額も少なくなってくるということかと思います。
もともとそういった高騰に備えた仕組みで二段階、115%以内の部分は通常補塡ですし、更に超えるような、115%を超える異常な、まあ、災害的なお話ありましたけれども、この部分については飼料メーカーさん等と国が1対1で積んだ基金からお支払いするという仕組みでございまして、このルールの中で御支援をしていくという中で、更にというのはなかなか難しいところがあるのかなと考えております。
最後に、飼料用米のことで今回いろいろ御提案いただいております。飼料用米につきましては、今や我が国の国産濃厚飼料の重要な供給源ということになっております。ただ、一方で水田政策の中で主食用米が過剰になってくる中で、どういった形で転作というか、栽培の転換を進めていくかという中での御支援でございますので、トータル的には水田政策の中で御議論いただくところでございますので、今日お話ありましたことにつきましては、担当部局の方にしっかり伝えてまいりたいと思います。
以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。ちょっと今、農水省から御回答いただいている最中でございますが、角倉委員の次の御予定がありますので、そこの部分だけ先に進めさせていただければと思います。
本日、この後14時頃ということで所用により角倉委員が御退室という形になっておりますので、この後各委員にお伺いする賛否表明について、角倉委員分だけ先にお伺いさせていただければと思います。
本日の諮問に関しまして御審議するに当たりまして、事務局より参考として示された試算値を踏まえ、賛否を御表明いただければと思います。また、その際に特段の意見等ございましたら、簡潔にお願いできればと思います。角倉委員、いかがでございますでしょうか。

◯角倉委員
賛成いたします。ですが、今後も酪農家が前向きにお仕事に取り組めるようなサポートだったりとか、そういったことをお願いしたいなと思っています。あと年末年始、皆さん、できる限り牛乳いっぱい飲みましょう。これ私も飲みました。今日はどうもありがとうございました。

◯三輪部会長
ありがとうございました。
角倉委員からは御了承いただけたということで、今御意見いただいたように、それぞれの農業者の方々が前向きに取り組めるというふうなことをメッセージとして是非事務局の皆様の方も御検討いただければなと思います。角倉委員、本日はありがとうございました。

◯角倉委員
どうもありがとうございました。お先に失礼いたします。

◯三輪部会長
失礼します。
それでは、角倉委員の方の賛否の御表明をいただけたということで、先ほどの質疑の方の続きに戻りたいというふうに思います。農水省の皆様から先ほどの……はい、お願いいたします。

◯髙山食肉鶏卵課長
先ほどの彦坂委員からの御指摘の中で、1点親鳥の成鶏処理の問題で、これは畠中さんから御指摘のあった、成鶏処理場というもののプロセスが一つボトルネックになっているという御指摘と同じ問題意識だと思うんですけれども、やはりここは需給調整を進める上でも実行上はとても大事なところだと認識しています。それで、土曜日も稼働しているところもあるがというお話がありましたし、私どもがお聞きしているところも、県によっては正規の職員だけで対応しているところもあれば、一部の県では忙しいときは臨時で雇って任命して対応いただいているというところもあると伺っています。これは県の組織なので我々の組織ではないんですけれども、現実的にはとても大事なポイントとなりますので、こういう現実に向き合って、ではこの鶏卵事業の中でもどういう対応ができるか、そういうことは、ちょっとまた年明けから、令和5年度に向けた対策の議論をさせていただく中で、この点もよく勘案しながら議論させていただけたらと思います。ありがとうございます。

◯松本畜産技術室長
彦坂委員の方から排せつ物利用の広域流通のことについて御質問ございました。このことにつきましては、補正予算で堆肥のペレット化に必要な施設を整備する事業というのを支援しておりまして、ペレット化することによって広域流通を支援するというふうな取組を行っているということでございます。
また、その補正事業の中では、高品質な堆肥を生産するための専門家による現地指導・助言、商流拡大のためのコンサルタントの改善指導、そういったソフト的な支援も行っていますので、そういうふうな取組で堆肥の広域流通というのを進めていきたいと考えているところでございます。

◯彦坂委員
どうもありがとうございます。

◯石川動物衛生課長
動物衛生課でございます。
畠中委員からございました鳥インフルエンザの関係でございますけれども、御承知のとおり、先シーズンは1,000万羽近くの殺処分ということで、今シーズンはこれまでに11月10日の秋田はじめ、青森から鹿児島まで9事例発生しております。農水省としては全国どこで発生してもおかしくないような状況ということで緊張感を持って、生産者もそうですが、都道府県、国も連携して対応させていただいているところでございます。
また、先ほどあった対策の厳格化だけでは発生を食い止められない、抜本的な対策をということの御意見ございました。また、詳細につきましては畠中委員に個別にお話しして、どのようなことが考えられるかは検討していきたいと思いますけれども、まずもって言えば、海外での発生、お隣の韓国でも十数事例もう発生していますし、ヨーロッパではイギリス、オランダ、ドイツと、いろいろな国で発生が起こっています。それを考えれば、やはり基本はもう飼養衛生管理の徹底に尽きると思います。これは、先シーズンも発生を踏まえて、鶏舎ごとの飼養衛生管理者の配置ですとか、あと大規模な農場に対する事前対応計画、いわゆる、万が一発生した場合に防疫上問題がないように作業が円滑に進むようにということで対応計画の策定をお願いしたところでございます。
ただ、この厳格化という意味では、言ってみれば基準に合致しているかどうかというのは、まず当然のことですけれども、やはり日頃から効果のあるやり方で基準が守られているかどうか。基準を守っているって、例えば消毒をやっていますではなくて、毎日消毒を、取り替えて消毒をやっていますというような、いわゆる効果のあるやり方じゃないと、飼養衛生管理という面ではおろそかになるかと思います。
ただ言えるのは、農林水産省も発生した後、疫学調査チームといって現地には行きますけれども、そこでは表面上守られているかどうかしかチェックできません、時間的な制約もあって。逆に言うと、日頃から生産者の皆様には本当に効果のある方法でやられているかどうか自己点検を今も月1回お願いしているところでございます。
あと省庁横断的な窓口の関係でございますけれども、農林水産省の中ではもちろん局を超えていろいろな融資だとか、安全性のPRとか、そういうような部分はやらせていただいておりますけれども、では他省庁に関してどのようなものが必要と考えられているのかについては、また後ほどお話しさせていただきたいと思います。
あと商圏の問題につきましても、これは夢物語かもしれませんけれども、業界の中で調整をされるというのがまず第一なのかな。行政がそこに手を突っ込んで商圏のことについて言うのはちょっと難しいかなと思っています。ただ、引き続き畠中委員とは意見交換させていただきたいと思います。

◯馬場畜産総合推進室長
畜産総合推進室でございます。
須藤委員からありました外国人労働力についてお答えをさせていただきたいと思います。
今現在、報道でも何度もされておりますけれども、技能実習生を含む外国人の入国につきましては12月末まで、さらに報道ではオミクロン株の拡大に伴いまして更に延長する方向で検討が進められているという状況になってございます。
こういった中、外国人材の不足に関しては、掛かり増し経費が国内の方を雇えば掛かるということで、経営局で持っております農業労働力確保緊急支援事業を使って、農業現場における必要な労働力の確保を支援してきたところであり、これは補正予算で年度末まで延長できる措置を取ってございます。外国人労働力の入国の状況については、オミクロン株のこれからの拡大状況がございますので、なかなか見通すことは難しいんですけれども、入国制限の状況を注視しながら、農業現場における労働力の状況を把握いたしまして、この事業の活用などによりまして各地の労働力の確保を後押ししていきたいと考えております。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして最後のグループになりますが、正好委員が御到着されましたので、前田委員、正好委員、そして私の順番で御意見等をいただければと思います。
それでは、前田委員よろしくお願いします。

◯前田委員
熊本で養豚事業、そしてキャベツ、サツマイモをやっておりますセブンフーズの前田と言います。
来年度から畑で子実とうもろこしを8ヘクタールにするべく、熊本県農政、九州農政局の方から御指導、御支援いただきながら今準備を進めております。
今の餌の高騰が一つの引き金になって、一歩前に行くという行動を後押ししていると思います。馬場委員がおっしゃったように、国産の飼料をどう集めるかということをとても重要な課題だと思います。
今は熊本で八代とか竹田とか、県内外の方たちと飼料米をやっていますけれども、今年から子実とうもろこしをやっている生産者とタッグを組み、彼らが持っている乾燥機などを借りして、生産コストの一部を軽減させようかと思っています。
堆肥の連携も田んぼの方たちとやっているので、それはそれでもっと広げていきたいと思いますし、子実とうもろこしも拡大できればと思っています。先ほど話にあった子実とうもろこしの極早生の品種があれば、2作出来たら嬉しい。常に種を買い続けないですむような研究を農研機構さんにお願いしたい。遺伝子操作の問題や有事の際の課題も心配しております。だから、国産、自分たちで組換えしていないものもある程度持っておくべきかと考えております。すべての種が種子メーカーに支配されているという危機感もございます。
私たちは飼料自家配合設備を農水省さんの御支援をいただいて造らせてもらっています。設計が自らできるので、飼料米や子実とうもろこしを配合したいときに、自家配合施設があることによって非常に柔軟に対応することができます。肥育用の餌にエコフィード20%、飼料米も20%ほど配合しております。コーンは全体の餌の40%ぐらいに抑えています。この設備は「みどりの食料システム戦略」にも合致していると思います。
熊本県では、自家配合施設での飼料生産量は県全体の50%を超えてきているのではないかと考えています。全国の今の数字がつかめていません。それでお願いは、実際は何軒の生産者が飼料自家配合施設を持っているのか。自家配で生産されている飼料が年間に何トンあるのか。その量は何%なのか。何か調べる方法はあるのでしょうか。
現状、飼料を自家配合設備で製造した場合、飼料安定基金に入れません。す。飼料高騰に長期的な問題が起きたときに、今後、大きな問題にならないか心配です。肉豚基金があるので、持続的経営は可能なのでしょうか。
なんとか、この問題を議論してほしいというのが私の今日のお願いです。
以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続いて正好委員よろしくお願いします。

◯正好委員
本日は到着が遅くなりまして、申し訳ございません。おわび申し上げます。
事前に提出意見書で4点出させていただいておりますが、そのうち2点に関しましては御回答いただいているということで先ほど報告いただきましたので、ちょっと重複いたしますが、改めて2点に関してお願い申し上げます。
1点目に関しましては配合飼料の価格安定制度に関してです。近年海外の相場が大暴騰している状況です。8年ぶりと言われております。本年度の補正予算におきまして、異常基金へ230億円の造成が措置されました。まず、農林水産省の方々の御努力に感謝申し上げます。ありがとうございます。
ただしということなんですが、配合飼料の価格安定制度、通常基金と異常基金の二階建てということになっております。本年度の下におきまして積立金の累積負担額、これは3者が積み立てております。一つは国、一つは生産者、一つは我々属しております飼料製造事業者ということになります。この国、生産者、飼料製造業者の割合が1対3対6ということになっています。この負担の平準化を含めて制度の抜本的な検討が必要でないかと。もうこの制度自体、50年たっております。
昨年設置されました国におけます制度の今後の在り方等に対する会議において早期の抜本的な御検討をお願い申し上げます。本当に非常に重要な制度だと、安定生産図る上でそういうふうに思っておりますので、是非御検討をよろしくお願い申し上げます。
2点目が国産の飼料米についてでございます。
国産飼料原料の拡大という方針に沿って我々飼料メーカーはできる限り使用してまいったというのが近年の状況でございます。しかしながら、食用米の需給に影響され、その生産が増減したためか、生産の供給量がどうしても不安定になってしまっていると、対応に苦慮していたというところでございます。
我々が供給させていただいております畜産の生産者の方々へ高品質な飼料をお届けするためには、何よりも安定価格での安定供給が必要であり、国の政策、助成が一貫性を持って万全なものとなるようにお願い申し上げます。
以上、2点よろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
ありがとうございました。
それでは、私の方からも、今日皆さんから御意見いただいておりますので、重複が一部ありますが、1点だけ、食料安全保障の観点からだけ申し上げたいなと思います。
私自身、農林水産省の食料安全保障アドバイザリーボードの委員も兼任させていただいておりますが、その中で7月に緊急事態食料安全保障指針が改正されまして、新たな段階、早期注意段階というのができまして、即日、そちらの方が発出されるという形になりました。なので、これまで皆様方からも御意見いただいているように、輸入の畜産物自体の価格高騰であったり、品薄であったり、そして今各委員から御議論いただいたように、飼料の輸入に関しては価格高騰、若しくは今後は品不足、品薄といったところを含めて、このような形での、輸入すれば大丈夫という前提条件というのが大きく崩れてきているということを前提に、もう一回畜産・酪農の足元をしっかり固めていくということを議論すべきタイミングになったのかなと改めて感じております。
少しマクロ的なところを見ますと、新興国の経済成長、先ほど御報告いただいたように人口増加、経済成長によって今後も食肉及びそれに伴う飼料の需要というのは確実に伸びていくと思いますし、翻って供給サイドで見ますと、気候変動であったり、その他自然災害、そして今回のようなパンデミック、あとは環境面での制約です。例えばカーボンフットプリントであったり、バーチャルウォーターのような形で輸入品へのアクセスが難しくなってくる部分等もあるかもしれません。
そのようなことを考えますと、これまでは相場の変動の中で定期的に波の高い部分が来て、飼料価格が高騰して、それに対して対応するというのが重要だったというところかと思うんですが、これから先はその波がかなり高頻度に来る可能性があると思いますし、その頻度が高いということは、もう全体の平均値が上がってしまう。若しくはトレンドとして右肩上がりでコストが高くなっていくというふうなことかと思いますので、少し我々自身もマインドチェンジしながら、よりしっかりとした取組が必要になってくるのかなと。何か起きてからというよりは、起きる前から対応できるような、若しくは国際的な飼料であったり畜産物の価格の高騰を好機に捉えるように、新たな、我々としての反転攻勢を掛けるような畜産・酪農の振興策というのが必要なのかなと考えておるというところでございます。
飼料につきましては、先ほど来何名かの委員にも言及いただいておりますが、より増産をしていくというニーズ、非常に高いと思います。それは食料安全保障の観点もそうですし、先ほど御紹介いただいたように国産の飼料を使ったことによって生まれる魅力的な畜産物・酪農製品等に対して消費者は非常に評価しておりますので、安全保障及び産業振興、地域振興の観点からも非常に重要な役割があると。
一方で、そちらについてはコスト面、非常に難しい部分がありますので、大規模な北海道等の畑作地帯等とか、若しくは水田作の地域での転作はある程度可能性あるかもしれませんが、今後中山間地の条件不利地域などでも飼料を増産するとなると、コスト割れしている中でも、国全体としての重要性を持ってそちらを支えていきながら、安全保障であったり産業振興の観点から国産飼料を増産するというところも出てくると思います。
その観点からいきますと、単に補助金をどんどん投入するというわけでは当然ないと思いますので、そういうような地域でもやれるような抜本的な技術革新を促すとか、若しくは収益性から少し外れたところでも、そういうふうなことを担えるような受皿を育成する。例えば自治体が行うとか、農福連携で行うとか含めてですけれども、そういうようなビジネスモデル自体をサポートするようなことも含めて、農水省であったり関係省庁、一体として検討すべき時期なのかなと考えております。
是非前向きな議論、今後も畜産部会の方で進めていただければと思います。
私の方からは以上となります。
また、本日御欠席の西尾委員から御意見をお預かりしておりますので、事務局より代読をお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
西尾委員から2点につきまして意見を頂いておりますので、要約して御説明させていただきます。
1点目は、2023年度以降も見据えた総合的な乳製品過剰在庫処理対策の検討の必要性でございます。
1点、酪農乳業にとって目下最大の課題となっている乳製品過剰在庫処理に関する総括的な意見です。
コロナ禍による乳製品需要の減退が長引く中、2020年以降、農水省による様々な在庫対策の実施に加え、生産者団体も自主的に補完対策を講じているにもかかわらず、乳製品の在庫は積み増しており、依然として極めて深刻な状況にあると認識しています。
こうした中、来年度においても、行政を含めた関係者の努力と理解・協力により、業界を挙げた脱脂粉乳等の過剰在庫処理対策が講じられる見込みとなったところです。
しかしながら、事前に提出した意見の中でも申し上げたとおり、これは業界としてぎりぎりの合意であり、行政による支援措置には大いに期待しているところですが、それを加えたとしても、過去最高水準にまで積み上がった過剰在庫の解消には程遠い状況が続くものと考えられます。
こうしたことから、生産者団体においては、来年度も引き続き本年度並みの在庫対策を講じることを検討していると聞いています。また、乳製品の過剰在庫については、最早、毎年変わる単年度の緊急対策や自主対策のみで対処できるような水準ではなくなっているとも感じています。
こうした中、海外の主要国の例をみれば、乳製品の過剰在庫に対しては、酪農制度の一環として市場介入や調整保管などのセーフティーネットが措置されています。一方、我が国においては、カレントアクセスの運用を除けば、制度面では事実上、加工原料乳全体を対象とした総交付対象数量の運用に限定されるような実態にあり、このことが今回のような過剰在庫の解決を困難にしている一因とも考えられます。
こうした実態を踏まえ、年末年始等の処理不可能乳の発生を回避し、かつ、脱脂粉乳等の過剰在庫の処理に道筋をつけられるよう、昨年も申し上げたチーズ等の国産乳製品の需要拡大に資するような制度運用の改善やセーフティーネット措置を含め、総合的な過剰在庫処理対策の検討が必要になっているのではないかと考えるところです。
2点目でございます。小規模乳業への食品安全確保に係る指導強化のお願いでございます。食品衛生法の改正により、本年6月より、全ての事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務付けられるなど、法制的に大幅な衛生管理の強化が行われました。しかし、残念ながら、本年、学校給食用牛乳を原因とする食中毒や異物混入事件などが発生しました。
日本乳業協会としても、食の安全を担保し、消費者の安心・信頼を確保することが、牛乳乳製品の需要拡大に向けた第一歩であることを再認識しているところであり、中小事業者を主な対象とする衛生講習会等を通じて、全国の事業者の衛生管理の底上げに努めてまいる所存です。
しかしながら、学校給食用牛乳のウエイトが高い地方のごく小規模の事業者においては、従業員数が極めて少ないこと等から、当協会の開催する各種講習会に従業員を派遣する余裕すらないなど、極めて脆弱な経営環境下に置かれています。
さらに、昨年12月、政府が定める「学校給食用牛乳供給対策要綱」が改定され、それまで供給事業者の要件として定められていた「総合衛生管理製造過程の承認等」が当該制度の廃止により、単に都道府県等による立入指導の実績のみになるなど、小規模乳業の衛生管理の低下が危惧されています。
このため、学校給食用牛乳供給事業者の衛生要件の厳格化を検討いただく一方で、こうした小規模事業者が十分に対応できるよう、都道府県の担当課などを通じた食品安全確保のための指導強化についてお願いできればと考える次第です。
以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、今の3名プラス西尾委員含めての御質問等について御回答をお願いします。お願いします。

◯冨澤飼料課長
飼料課長でございます。
前田委員から子実用とうもろこしの栽培に取り組まれているということで御紹介いただきまして、振興策については御説明重なる部分がありますので、種の確保について御説明させていただきたいと思います。
とうもろこしの種については、原種自体は国内でも農研機構等で育種改良しているところなんですが、実際、市販してまいていただくための増殖については御指摘のとおり、国外に頼っているというところでございます。とうもろこしの場合、どうしても交雑しやすいということで、国内で簡易にというか、低コストで増殖するのが難しいので、今フランス等で増殖しています。アメリカですと、遺伝子組換え体が入るということでございます。
そういった面でなかなか安全保障という面では厳しい部分はあるんですが、国内でも増殖地ができないのかということについては、今後の検討課題とさせていただければと思います。
2点目、自家配合をされているということでございまして、熊本県内では自家配をされている方、50%ぐらい、出荷ベースでですね、を超えるぐらいいらっしゃるということで、全国でどれぐらいかということかと思いますけれども、今そういった統計は、委員から御指摘があったとおり無いのが状況かと思います。今、統計、公的統計についてはかなり整理合理化されている中で、新たにというのは大変厳しい状況かと思いますけれども、数字なり、どういう方法があるのか、また御意見いただきながら、どんなことが可能なのか、ちょっと考えさせていただければと思います。
また、正好委員から配合飼料の価格安定制度の中の積立金の負担についてお話をいただきました。
今私ども関係団体、3基金、商系、全農系、あと畜産専門農協系のそれぞれの積立団体と意見交換を始めさせていただいているところでございますので、引き続きその議論をさせていただきたいと考えております。
ただ、こういった負担の在り方ということについては、メーカーだけでなくて生産者、あと国の負担の、財政的な在り方というのがあるかと思います。しっかり御説明していかなければならないんですけれども、やはり今の制度自体というのはもともと生産資材、配合飼料ということでございますけれども、ほかの、例えば肥料や種代も含めて生産資材という側面から考えますと、通常の変動というのは経営の中でお考えいただくということでございますので、正に通常補塡はそういった仕組みでございます。
異常補塡というのは通常起こり得ないような、価格高騰に対応するということでございます。今回、異常補塡は8年ぶりに発動したということでございますので、そういった意味では現行の仕組みというのは、国の支援の中では、機能を果たしている部分もあるのかなと考えておりますので、そういった部分も御説明しながらしっかり議論を進めていくのかなと考えております。
また、国産の関係の飼料用米について積極的に飼料業界の中で活用いただいているということで、その点については御礼申し上げるというか、御協力に感謝したいと思います。供給量が不安定になる中で水田政策について安定供給ができるようにという御要望でございますけれども、繰り返しになりますけれども、水田政策全般、主食用米が過剰となる中で、どういった形でやっていくのかということで、今回いろいろな議論の中で決定してきた部分もございますので、正好委員からお話ありましたところについては、水田政策を担当しているところにしっかりお伝えしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
すみません、三輪委員のお話は非常にいろいろな面で御提言いただいたところでございますので、一つ一つ今すぐにお答えできるところはありませんが、御意見、非常に参考にさせていただいて検討を進めたいと思います。
以上でございます。

◯三輪部会長
お願いします。

◯大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長です。
西尾委員の御意見についてです。
一つは、過剰在庫対策というところで、これは先ほど来申し上げているところでございますけれども、現在この在庫を低減する方策について農水省も参加する中で、全国の生産者と乳業メーカー、その間で議論が行われておりまして、そのスキームについて関係者の合意がほぼ得られているというところでございます。農水省としても、このような業界の取組を後押しするために脱脂粉乳を飼料用に転用する取組を支援することとしたいと考えているところでございます。
それと、学校給食の関係でございます。学校給食用事業について西尾委員から御意見がありましたけれども、本年、中規模、あるいは小規模の乳業工場において食中毒や異物混入等が確認されているところでございます。
このような中、日本乳業協会におかれましては事業者向けに情報提供、あるいは衛生管理水準向上のための研修等を行っていただいているところでございまして感謝申し上げるところでございます。
一方で、このような食中毒をはじめとする乳業事故は一度発生すれば健康被害が生ずるおそれがあるとともに、消費者からの信頼を損ない、事業者のみならず、全国の酪農乳業にも大きな影響を及ぼすおそれがあります。
このようなことから、引き続き、厚生労働省、自治体、関係団体とも連携しながら、乳業者における再発防止等を図っていきたいと考えております。
それともう一つございます。衛生管理の関係でお話がありましたけれども、学校給食用牛乳供給対策要綱については、これまで学校給食用牛乳の供給事業者が適切な衛生管理を行っていることを担保するため、主に外部からの衛生的な監査を受けることを要件としてきましたけれども、今般、食品衛生法の改正により、HACCPに沿った衛生管理の実施が全乳業者に義務付けられたことを受け、当該食品衛生法の規定を遵守していることに関する、都道府県の立入指導を受けていることに要件を変更したというところでございます。これにより、これまで民間団体により行われていた指導が公的機関により行われることになり、同等以上の指導が実施されると考えております。供給事業者の要件については関係者からの意見を聞きながら、適切に運用していきたいと考えております。
私からは以上です。

◯三輪部会長
ほかにございますでしょうか。大丈夫でしょうか。
ありがとうございます。それでは、以上をもちまして意見の聴取を終了させていただければと思います。
これから、賛否表明の前に全体質疑の時間を、短い時間ではございますが、設けさせていただければと思います。
今御意見表明いただいた、御質問いただいた内容以外で追加で御発言というものがございましたらいただければと思います。その都度農林水産省から御回答いただくという形で、短い時間ではございますが、進めさせていただければと思います。
会場の方は挙手いただくか、アイコンタクトいただければ。また、リモートの方については挙手ボタンをシステム上押していただければ、私の方から御指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。
会場の皆様、リモートの皆様、いかがでございますか。
それでは、川上委員よろしくお願いいたします。

◯川上委員
ありがとうございます。
畠中委員からの御意見の中でお答えをいただいていないのかなと思ってちょっと確認したいのですけれども。
埋却地問題について、規模もどんどん大きくなる農場での埋却ということが最近出てきましたので、今後どのように考えておみえになるのか、ちょっと御意見をお聞かせ願えればと思います。
以上です。

◯三輪部会長
お願いします。

◯石川動物衛生課長
動物衛生課長でございます。
埋却地の確保につきましては、法律上、所有者が確保するという枠組みにはなっておりますけれども、これまで、昨シーズンの例でも、例えば茨城県ですとか岡山県、和歌山県、奈良県等は市町村の焼却炉等を活用して処理したという事例もございます。県によっては事前にその市町村と話合いをして、万が一の場合には市町村の焼却炉も活用しつつ、殺処分した鶏を処理するという方法も取っております。
これは地方地方での個別の対応でございますので、鶏の場合は今お話ししたとおりでございますけれども、豚や牛につきましては全国4か所に、動物検疫所に移動式のレンダリング装置というのも配備しておりますので、この活用も念頭に、万が一発生した際に防疫措置が滞ることのないよう県に検討いただいているところでございます。
これは県、又は事例によって個別でございますので、特に国から焼却炉を使わないといけないとか、レンダリング装置を使ってくださいというようなことは申し上げておりません。
以上でございます。

◯川上委員
ありがとうございました。

◯三輪部会長
お願いします。

◯関村企画課長
今の件の補足なんですが、畜産クラスター事業等で施設整備を行う場合、今説明もありました飼養衛生管理基準、特に埋却地の確保等についてはしっかり確認をさせていただいて、対応できる者に限定して今整備を進めさせていただいております。
今年度から養豚と養鶏農家を先行して、豚熱や鳥インフルエンザの病気の発生もありますので、先行して実施させていただいています。
酪農や肉用牛農家については、今後どの時期から導入するかも含めて、今検討中ですが、いずれしっかり確保していただくというのは重要だと考えておりますので、御理解いただければと思います。

◯畠中委員
追加でいいですか。その場合、私ここにも書いたんですけれども、二度目とかになった場合って、もうそれ使えないですよね。

◯関村企画課長
二度ということですか。

◯畠中委員
二度。鳥インフルエンザの場合とか、こんなにたくさん出るような状況になれば、今まではまだ1回も多分ないんですけれども、同じ鶏舎で二度目ということだってあり得る場合に、もう1回そこ埋めているわけじゃないですか。そうしたら、もうそれから更にもう一回分個人で確保するのは無理だと思うんです。その場合、どうなるんだろうと。

◯関村企画課長
そこの場合は、所在のある市町村とかとよく相談をしていただいて、代替地の確保とか、先ほど言った焼却の方法とかを検討していただく必要があると思っています。

◯畠中委員
その場合に、そうした場合にクラスター事業には乗れないということになったりする。

◯関村企画課長
そういうのを確保していただくというのを前提で計画認定をすることになります。

◯三輪部会長
ほかにいかがでしょうか。
お願いします。

◯彦坂委員
やはり今の埋却地に付随することなんですが、今お話があったように、焼却するのか埋却するのか、それはやっぱり市町村─あっ、県か。県との話合いになるんですけれども、やっぱり仲間の話を聞いていて一番切実なのは、埋却地用意してあるんだけれども、同意の問題なんですね、近隣との。それは生産者の役目なのか、市町村がやるのかというのはありますけれども、やっぱり大元で。それを国からはできませんけれども、例えば県だとか、市町村が計画を立てたときに同意の、地域住民の方たちの同意を取る何らかの後押し。それはそっち側の役目だよということではなくて、防疫措置の中でも近隣の方との同意を得るか得られないかというのは、埋められるか埋められないかの問題もありますし、それを強行したときに、その後、その地域で畜産できなくなっちゃうと思うんです。やっぱり地域の方たちとの関係が大事ですから。ですから、その辺のところで、埋却地は用意したんだけれども、その同意はどうするのということも織り込んで全体考えていただいた方が、一事あったときにスムーズに、まあ、そんなことスムーズに起きては困るんですけれども、それが対処できるかなと思いますので、その辺のところ何かいろいろ考えていただけると有り難いなと思っています。よろしくお願いします。

◯関村企画課長
今の件でございますけれども、畜産クラスター事業は地域でのクラスター計画というのを作っていただきます。そこには市町村とか農協とか関係者の人が入っていただく形で、地域として中心的な担い手に整備をしていただくという計画を作りますので、そこの中で埋却地の確保についても関係者でよく相談をしていただいて、しっかり確保、埋められるところを確保するというのを協議会単位でやっていただくことが重要だと思っています。

◯彦坂委員
逆にその同意をするって多分すごく重いので、それだったら協議会のメンバーにならないというケースが出てくる可能性がありますよね。それを同意するんだったら。変な言い方、それぐらい多分重いと思うんです。地域にそういう埋却をする。それは鳥でも、豚でも、牛でも多分大変なことだと思いますので、その辺のところは、まあ、今言ったクラスターで前もって地ならしをしておいて同意を取るというのはありますけれども、それも併せて、それに該当しないところも何らかあったときに埋却地の同意を何らかの形で少しでもスムーズにできるような方策を何か御検討いただければ有り難いな。よろしくお願いいたします。

◯伏見畜産局審議官
すみません、ちょっと横から入って。動物衛生課長の方がいいかもしれませんけれども。先ほど動物衛生課長が申し上げたとおり、クラスターはクラスターなんですけれども、埋却だけ、埋却しなきゃいけないということは義務ですけれども、埋却のほかに鶏の場合だったら焼却があります、豚だったら移動式レンダリング装置がありますということで、埋却という前提じゃなくても、そういうことを組み合わせて検討した結果を出してもらえれば。埋却地というのは、やはり地域住民の同意を得るというのは難しい場合があると思いますので、代替措置として焼却、その場合には公共機関が協力してくれますし、移動式レンダは国の方に相談していただければ計画は作れますから、そういうことをやっていただければいいんじゃないかと思います。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
須藤委員、お願いします。

◯須藤委員
それに関連してなんですけれども、今もう鶏も、もちろん豚も、牛も、例えば鶏だと100万羽の規模の農場できますね。それで、牛にしても1か所で1,000頭、2,000頭、3,000頭とかできております。それの話でいくと、例えばどの頭数でそういうくくりなり、もう自己資金であれば、クラスターだと駄目ですけれども、自己資金だからどんどんいけるわけですよね。このくくりの話というのは出てこないんですか。その辺はどんな判断を。今後重要だと思うんです。どこまでの大規模であれば、牛、鶏も、豚も、その頭数制限を今設けていないわけですよね。その事情に合ったところでやってくださいということになっていますから、資金立てがあれば、どんどん規模ができて、まあ、同意しているか、していないか分からないですけれども、もうどんどん1か所でも、まあ、切りもないという言い方はちょっとあれですけれども、できてきております。
ですから、その実情を鑑みたときに、その辺の歯止め的なところも想定していかないと、では100万羽のやつがなったときはどこに処分をするんだとかという話も当然なってくるんで、5万、10万ならよかったけれども、それはちょっと桁が違うよというところでのお話というのは出てきていないんでしょうか。

◯石川動物衛生課長
動物衛生課長です。
正に大型化するにつれて、そういう問題は出てきております。ただ、基本的には確保ということをお願いしていますけれども、まず先ほど申し上げた大規模な農場、豚も、牛も、鶏もそうでございますけれども、事前対応計画、万が一発生した際にはどうやって防疫をするのかという防疫計画をまず立ててもらっております。逆に立てる中で課題が浮き彫りになってくると思いますので、例えば、埋却地と先ほど言ったレンダリングとか、埋却地と焼却を組み合わせるとか、いろいろな組合せ方法があると思いますので、そこは都道府県、またうちの方に相談があると思いますけれども、他の都道府県の優良事例などを紹介しながら、解決の道を探っていきたいと思っております。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
すみません、まだ御意見あるかもしれませんが、お時間の関係で全体質疑の方をこちらの方で終了させていただければと思います。また個別の御意見等は、事務局の方に是非いただければと思います。
それでは、これより諮問に対する賛否表明を聴取させていただければと思います。
各委員より、本日の諮問を審議するに当たり、参考として示された試算値を踏まえて、賛否の御表明をいただければと思います。
なお、特段の意見ある場合には、簡単に御意見をいただければと思います。
それでは、初めに小山委員よろしくお願いいたします。

◯小山委員
賛成です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、続きまして川上委員、よろしくお願いいたします。

◯川上委員
賛成でございます。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
それでは、串田委員お願いいたします。

◯串田委員
賛成です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
続いて、里井委員お願いいたします。

◯里井委員
賛成です。よろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
続いて、須藤委員お願いいたします。

◯須藤委員
一応賛成いたします。

◯三輪部会長
続いて、畠中委員お願いします。

◯畠中委員
私も賛成です。

◯三輪部会長
馬場委員お願いいたします。

◯馬場委員
賛同いたします。

◯三輪部会長
彦坂委員お願いいたします。

◯彦坂委員
賛成いたします。

◯三輪部会長
続いて、前田委員お願いいたします。

◯前田委員
賛成いたします。

◯三輪部会長
正好委員お願いいたします。

◯正好委員
賛成です。

◯三輪部会長
どうもありがとうございました。
私も委員として賛成とさせていただければと思います。
よって、全体賛成多数と認めます。
以上をもちまして、意見聴取並びに諮問等に関する賛否表明が終了いたしました。
それでは、これから本日出された意見を事務局で簡単に整理をしていただくという形になります。委員の先生の皆様方には、今から休憩を取っていただく形になります。この後、事務局の方より再開の時間はアナウンスいただきたいと思いますが、そちらの方で委員の皆様方に意見の概要の確認、とりまとめをその後行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、時間の方は事務局の方からアナウンスいただいてよろしいですか。

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、15時40分めどに部会を再開したいと考えておりますので、またその時間に御参集いただければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

◯三輪部会長
それでは、これから休憩に入ります。よろしくお願いいたします。

午後2時43分休憩
午後3時49分再開

◯三輪部会長
それでは、お待たせいたしました。畜産部会を再開いたします。
それでは、意見の概要のとりまとめを行いたいと思います。
まず事務局より配布された意見の概要原案を御一読いただき、その後委員の皆様から御意見をお伺いしたいと思います。
それでは、二、三分ほどお時間を取りますので、まだ御覧いただけていない方、不十分な方については御一読いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、このままお読みいただきながらで構いません。修正点等、御意見ある委員の方がおられましたら、挙手の上、御発言いただければと思います。いかがでしょうか。
では、すみません、私の方からちょっと1点、5ページの下から二つ目の丸のところの私の発言ですが、最後のところ、より幅広い省庁の方に御参画いただきたいと思いますので、「農水省を中心に他省庁と連携して検討すべき」という形で御修正いただければと思います。よろしくお願いいたします。「農水省を中心に他省庁と連携して検討すべき」という形でお願いいたします。
ほかに委員の皆様、いかがでしょうか。リモートの方もございましたら、挙手ボタンをよろしくお願いいたします。
それでは、会議御参加の方、リモートも含めて特段御修正がないという形でございます。私の方から1点だけ軽微な修正ございましたので、そちらの取りまとめについては、大変恐縮ですが私の方に、部会長として御一任いただきまして、最後確認をした上でそちらで……ありますか。はい、お願いします。

◯前田委員
ページ6の丸の下から三つ目の「草地改良やコントラクターの」から始まるところです。「草地改良やコントラクターの機能強化等に向けた」というところ、真ん中に、6ページの、ありますか。下から三つ目。小山委員、馬場委員、畠中委員と書いてあるところです。前田もありますけれども。そこで、この上から「コントラクター」の下の下の行です。「耕種部門と一体となった作付推進など」という、この意味です。これは畑地というか、田んぼ以外のところもという意味でしょうか。というか、馬場委員がおっしゃったように、畑に対する支援もという話がありましたけれども、それの意味でしょうか。ちょっと確認です。

◯三輪部会長
こちらについて、事務局の方から御回答いただけますでしょうか。この「耕種部門と一体となった」のところ、水田だけではなく畑地も含めての施策だというふうな意味合いでよろしいでしょうか。こちらは。

◯冨澤飼料課長
そういう意味で、御発言に水田以外も、畑地の関係のお話もあったので、含むものと考えております。

◯前田委員
という意味ですよね。「畑地」とははっきり書いていないけれども、耕種部門ってそういうことですよね。

◯冨澤飼料課長
そうですね。

◯三輪部会長
前田委員としては、水田だけでなく畑地も含めて総合的にやるべきだというようなことで、畑地が含まれていることを確認ということ。

◯冨澤飼料課長
そのように修正いたしますか。「水田だけではなく畑地も含めて」というふうに。

◯前田委員
はい。戦略的に飼料用作物を増やしていただきたいという。確認です、すみません。

◯三輪部会長
であれば、この「水田活用」のところで水田はもともと出されていますが、それ以外に「耕種部門」のところで「畑地も含めた」というふうな形で、まあ、表現は事務局にお任せする形で、全耕地を有効活用しようというふうな意味合いが取れるように御修正いただければと思います。

◯前田委員
願わくはそういうことでございます。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
ほかに御意見等ございますでしょうか。
ありがとうございます。それでは、前田委員と、あと私の方から修正点ございましたので、両方とも今、内容については両委員から、私も含めてですけれども、内容も確認できていると思いますので、最終確認は私の方に御一任いただく形でよろしゅうございますでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、引き続き答申案の承認に入りたいと思います。
事務局からの答申案の配布をよろしくお願いいたします。委員の皆様、少々お待ちいただければと思います。

(答申案配布)

◯三輪部会長
それでは、委員の皆様、お手元に届いておりますでしょうか。また、リモートの皆様につきましては画面の方でも共有をいただいておりますので、そちらも適宜御確認をいただければと思います。
それでは、事務局より答申案の朗読をお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
それでは、事務局より朗読させていただきます。

3食農審第62号
令和3年12月24日
農林水産大臣金子原二郎殿
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘
答申
本日、諮問された次の事項について、下記のとおり答申する。

1令和4年度に交付する加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価を定めるに当たり留意すべき事項(令和3年12月24日付け1298号)
2令和4年度の肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項(令和3年12月24日付け1300号)
3令和4年度の鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項(令和3年12月24日付け1301号)

1加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価については、生産条件、需給事情及び物価その他の経済事情を総合的に考慮すると、試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
2肉用子牛の保証基準価格については、生産条件及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮すると、令和4年度につき試算に示された考え方で定めることは妥当である。
肉用子牛の合理化目標価格については、令和4年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
3鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格については、生産条件及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮すると、令和4年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の安定基準価格については、令和4年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。

以上です。

◯三輪部会長
ありがとうございます。
ただいま御朗読いただきました答申案につきまして、委員の皆様の御賛同をいただけるのであれば、この場で決議したいと思いますが、よろしいでしょうか。
リモートの委員の皆様もよろしいでしょうか。

(異議なし)

◯三輪部会長
それでは、御異議ないようですので、本答申案について、当部会の決定と同時に、関係規則に基づきまして、食料・農業・農村政策審議会の正式な答申といたしたいと思います。
それでは、少々お待ちください。今皆様方からの決議をいただきまして、私の方で代表して署名の方をさせていただきました。

(報道入室)

◯馬場畜産総合推進室長
宮崎政務官、今こちらに向かっているとの情報がありますので、もうしばらくお待ちください。

(政務官入室)

◯三輪部会長
それでは、答申に移らせていただきます。
答申につきましては、食料・農業・農村政策審議会として農林水産大臣に提出するわけでございますが、本日御出席いただいております宮崎政務官にお渡ししたいと思います。
それでは、宮崎政務官、よろしくお願いいたします。御起立をお願いいたします。
それでは、答申についてお渡しさせていただきます。

(答申手交)

◯三輪部会長
それでは、宮崎政務官より一言御挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。

◯宮崎政務官
畜産部会の委員の皆様には、大変お忙しい中、長時間にわたりまして熱心に御審議をいただきまして、心より御礼を申し上げます。農林水産省といたしましては、ただいま三輪部会長からお受け取りいたしましたこの答申を踏まえまして、令和4年度の加工原料乳生産者補給金単価、また集送乳調整金の単価及び総交付対象数量、肉用子牛生産者補給金制度の保証基準価格及び合理化目標価格、鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格について決定をさせていただきます。
また、本日、本部会で皆様からいただきました御意見につきましても、その趣旨に従いまして、今後畜産行政の推進に当たり十分に参考にさせていただきたいと思っております。
生乳需給をはじめまして、新型コロナ感染症による影響が続いている中、農林水産省では生乳や肉牛を始め、酪農・畜産の生産基盤の強化に取り組んでおります。
また、今日は委員の先生方の前にも牛乳を置かせていただいておりますけれども、年末年始の生乳の需給緩和を乗り越えるために、「NEW(乳)プラスワンプロジェクト」を開始し、牛乳乳製品の消費拡大などに取り組んでおります。さらに、ポストコロナも見据えまして、本年策定した「みどりの食料システム戦略」に基づきまして、今後も畜産業を持続的に営んでいくために、環境負荷や堆肥を通じた資源循環、国産飼料の増産などに取り組んでいくこととしております。
今後とも生産者の皆様をはじめまして、地域の皆様の方々の御協力をいただきながら、生産基盤の強化や持続的な畜産物生産を推進いたしまして、酪肉近の目標達成に取り組んでまいりたいと思います。
長時間にわたりまして委員の皆様方には御審議をいただきまして、重ねて御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。


◯三輪部会長
ありがとうございました。
宮崎政務官、ありがとうございました。
それでは、報道の方はこちらで御退席をよろしくお願いいたします。

(報道退室)

◯三輪部会長
それでは、委員の皆様、本日は長時間に及び熱心に御審議を頂きまして、誠にありがとうございました。皆様方の御協力に対して、改めて感謝を申し上げたいと思います。
それでは、事務局より連絡事項等ございましたら、よろしくお願いいたします。

◯馬場畜産総合推進室長
特段ございません。委員の皆様におかれましては、お忙しいところ長時間にわたっての御審議、どうもありがとうございました。

◯三輪部会長
それでは、これをもちまして、食料・農業・農村政策審議会令和3年度第2回畜産部会を閉会いたします。
皆様、本日はどうもありがとうございました。

午後4時09分閉会

お問合せ先

畜産局総務課

担当者:松井、松野、川野、佐竹
代表:03-3502-8111(内線4888)
ダイヤルイン:03-6744-0568

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