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令和4年度第2回畜産部会議事録

令和4年度第2回畜産部会議事録 PDF版(PDF : 641KB)

1. 日時及び場所

日時:令和4年12月14日(水曜日) 10時00分~15時57分

会場:農林水産省 第2特別会議室(web併催)

2. 議事

午前10時00分開会

〇馬場畜産総合推進室長
それでは、定刻になりましたので、ただいまから令和4年度第2回食料・農業・農村政策審議会畜産部会を開催いたします。
委員の皆様におかれましては、御多忙中にもかかわらず、御出席を賜り誠にありがとうございます。
私は当部会の事務局を担当しております、畜産局総務課畜産総合推進室長の馬場でございます。本日はよろしくお願いします。
それでは、三輪部会長に議事をお進めいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 
〇三輪部会長
皆さん、おはようございます。部会長の三輪でございます。本日もよろしくお願いいたします。
本日、渡邊畜産局長に御出席いただいておりますので、御挨拶をよろしくお願いいたします。
 
〇渡邉畜産局長
おはようございます。畜産局長の渡邉でございます。令和4年度第2回畜産部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
委員の皆様方におかれましては、年の瀬を迎え、大変お忙しい中、御出席をいただきありがとうございます。
また、日頃から農林水産行政、取り分け畜産行政の推進に当たりまして、格段の御理解と御協力をいただきまして、深く感謝を申し上げます。
本日でございますけれども、令和5年度の畜産物価格などでございます、加工原料乳生産者補給金の単価、集送乳調整金の単価、そして総交付対象数量、肉用子牛生産者補給金制度におけます保証基準価格、合理化目標価格、それから鶏卵でございますけれども、補塡基準価格や安定基準価格につきまして、農林水産大臣から諮問をさせていただきまして、それを踏まえて御審議をいただくこととなります。委員の皆様方からは、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜りたいというふうに考えてございます。
意欲のある生産者の方々が前向きに畜産・酪農へ取り組めるように、活発な御議論をお願いをいたしまして、私の挨拶とさせていただきます。本日はよろしくお願いいたします。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。それでは、報道の方はこちらで終了とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 
(報道退室)
 
〇三輪部会長
それでは、議事の方を進めさせていただきます。
まず事務局より、本日御出席の委員の方々の御紹介、委員の出席状況の御報告、配布資料の確認などについてよろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
それでは本日御出席いただいている委員の方々を順に御紹介させていただきます。
まず会場にて御出席いただいている委員から御紹介いたします。
部会長の三輪委員でございます。
 
〇三輪部会長
三輪でございます。よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
大山委員でございます。
 
〇大山委員
よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
串田委員でございます。
 
〇串田委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
角倉委員でございます。
 
〇角倉委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
畠中委員でございます。
 
〇畠中委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
馬場委員でございます。
 
〇馬場委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
彦坂委員でございます。
 
〇彦坂委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
福永委員でございます。
 
〇福永委員
よろしくお願いします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
正好委員でございます。
 
〇正好委員
よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
なお、松田委員につきましては13時頃から御出席と伺っております。
次にリモートで御参加いただいている委員を御紹介させていただきます。
小山委員でございます。
里井委員でございます。
 
〇里井委員
里井です。よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
羽田委員でございます。
 
〇羽田委員
よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
二村委員でございます。
 
〇二村委員
よろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
なお、加藤委員につきましては11時頃からリモートで御出席と伺っております。
また荒谷委員、石田委員、駒井委員、前田委員におかれましては、所用により本日は御欠席との御連絡を受けております。
審議会に関する規定では、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上の出席がなければ会議を開き、議決することができないと定められておりますが、本日は19名の委員のうち、現時点で13名の委員の皆様に御出席をいただいておりますので、規定数を満たしていることを御報告いたします。
続きまして、本日配布している資料について確認させていただきます。
会場資料は、会場委員の方はお手元のタブレット端末に資料一覧、資料1から6、参考資料1及び2の計7個のファイルが表示されているかと思います。なお、資料3は枝番が3まで、資料4は枝番が4まで、資料5は枝番が3までとなっております。
タブレットの使用で御不明点がある場合には、お近くに控えている職員に遠慮なくお問合せいただければと思います。また、表示されている資料につきましては、紙でも御用意しておりますので、配布の御希望のある場合は近くの職員までお声がけいただければと思います。
また、御発言に際してはマイクを回させていただきますけれども、これはリモートで御参加されている委員の方々の会場の発言がクリアに聞こえるように付いているものですので、会場内は肉声でしか聞こえませんけれども、円滑な審議のためにマイクの御利用に御協力いただければと思います。
私の方からは以上でございます。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。
本日は、令和5年度の畜産経営の安定に関する法律に基づく総交付対象数量並びに加工原料乳の生産者補給金及び集送乳調整金単価、肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格、並びに鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を定めるに当たりまして留意すべき事項につきまして御審議をいただきたいと思います。
本日の審議の結果、当部会の答申が出ますと、規定によりまして、それが審議会の答申とされることになっております。そのため、本日の審議におきましては、十分な時間を取りたいというふうに考えておりますが、委員の皆さんも大変年末で御多忙のことと存じておりますので、できるだけ効率的に運営に努めたいと思いますので、皆さんも御協力のほどよろしくお願いします。
それでは、本日のスケジュールでございますが、まずは事務局からそれぞれの諮問内容に関しまして御説明をいただきまして、その後、御出席の委員の皆様からの御意見を頂戴いたしまして、1135分頃から昼休みを取るような形で午前を運営させていただければと思います。
また、順調でございましたら、約1時間後、1235分から議事を再開いたしまして、1415分ぐらいまで、午前に引き続きまして、各委員から御意見を賜りまして、委員の皆様から農林水産大臣からの諮問に対する賛否をお伺いしたいというふうに考えております。
その後、事務局に本日出された意見の概要を取りまとめていただきますので、1時間ほど、委員の皆様には御休憩をいただければというふうに思います。
休憩後、意見の概要案を事務局から皆様の方にお諮りいたしまして、意見の概要を取りまとめていただき、その後、答申という形で、全体で1615分頃に終了の予定になっております。本日は長丁場で恐縮でございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、大変恐縮でございますが、私が本日所用により、午前で退席の予定になっています。午後につきましては、部会長代理として大山委員を御指名申し上げまして、議事進行をお願いしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
以上、本日の議事及び進め方につきまして御説明申し上げましたが、御異議等ございますでしょうか。よろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
〇三輪部会長
ありがとうございます。それでは御異議なしということで、先ほど申し上げたような形で進めさせていただければと思います。
それでは、本日付で農林水産大臣から、食料・農業・農村政策審議会に諮問がございますので、牛乳乳製品課長から諮問文の朗読をお願いいたします。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
諮問文を朗読させていただきます。お手元の資料3-1でございます。
では、朗読させていただきます。
 
4畜産第1943号
令和4年12月14日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣野村哲郎
諮問
畜産経営の安定に関する法律(昭和36年法律第183号)第6条第3項(同法第8条第3項及び第15条第3項において準用する場合を含む。)の規定に基づき、令和5年度に交付する加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価を定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。
 
以上でございます。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。
それでは続きまして、朗読いただきました質問に関しまして牛乳乳製品課長より御説明をよろしくお願いいたします。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
続きまして、牛乳乳製品課長の大熊でございます。
資料の3-2に基づきまして、令和5年度加工原料乳生産者補給金単価等の算定概要について御説明いたします。前半に算定の考え方を御説明し、後半にその考え方に基づき算定結果を御説明いたします。
まず算定の考え方について御説明いたします。
1ページ、加工原料乳生産者補給金及び集送乳調整金単価の算定イメージでございます。これは令和5年度補給金と集送乳調整金の単価算定のイメージをお示ししています。昨年度同様、補給金単価は生産コスト等変動率方式により算定し、集送乳調整金単価は集送乳コスト等変動率方式により算定いたします。
2ページです。加工原料乳生産者補給金単価の算定方法でございます。これは生産コスト等変動率方式の概要をお示ししたものでございます。中ほどにある囲みにありますとおり、搾乳牛1頭当たりの生産費の変動率を搾乳牛1頭当たりの乳量の変動率で除して算出した、生乳1kg当たりの生産費の変動率を令和4年度単価に乗じることにより、令和5年度の単価を算定します。
生産費の変動率につきましては、左下に記載していますとおり、直近3年間の生産費を分子に、その1年前までの3年間の生産費を分母に置いた上で、分子については、可能な限り直近での物価動向を反映するため、本年8月から10月の直近3か月間、分母については、1年前の8月から10月の3か月間の物価に修正して計算します。これにより、直近の物価の動向を織り込んだ上で、昨年からの1年間の生産費の変動率を算出いたします。
3ページです。集送乳調整金単価の算定方法でございます。これは集送乳コスト等変動率方式の概要をお示ししたものです。
算式は補給金単価と同じ構成ですが、中ほどにある囲みにありますとおり、加工原料乳の集送乳経費の変動率を加工原料乳の集送乳量の変動率で除して算出した、加工原料乳1kg当たりの集送乳経費の変動率を令和4年度単価に乗じることにより、令和5年度の単価を算定いたします。
集送乳経費の変動率につきましては、左下に記載していますとおり、直近3年間の集送乳経費を分子に、その1年前までの3年間の集送乳経費を分母に置いた上で、分子については補給金と同様に、可能な限り直近までの物価動向を反映するため、本年8月から10月までの直近3か月間、分母については1年前の8月から10月の3か月間の物価に修正して計算します。
これにより、直近の物価動向を織り込んだ上で、昨年からの1年間の集送乳経費の変動率を算出いたします。
4ページです。総交付対象数量の算定方法でございます。これは飲用牛乳及び乳製品の需要等に応じて定める総交付対象数量についてでございます。
加工原料乳に対して交付される補給金と調整金は、交付される数量の最高限度として総交付対象数量が設定されています。
総交付対象数量につきましては、推定乳製品向け生乳消費量から、カレントアクセス輸入量及びTPP11、日EU・EPA関税割当数量を控除して算定しています。
続きまして、算定結果について御説明いたします。
5ページです。これはただいま御説明いたしました、補給金等集送乳調整金単価の算定の考え方に沿って算定した結果をお示ししています。
左が本年度の単価、右が令和5年度単価の算定結果でございます。
まず下の青い箱でお示ししております補給金単価につきましては、本年度から43銭上げの8円69銭となりました。
次に、上の赤い箱でお示ししております集送乳調整金単価につきましては、本年度から6銭上げの2円65銭となりました。
その結果、補給金と集送乳調整金を合わせた単価は、本年度から49銭上げの1134銭となりました。
6ページです。こちらが補給金単価の算定の詳細でございます。
搾乳牛1頭当たり生産費の変動率につきましては、初妊牛価格の下落及び労働時間の減少等の削減要因に対し、飼料価格の高騰及びヌレ子をはじめとした子牛価格の下落による副産物収入の減少等の上げ要因もあった結果、1.0698となりました。
搾乳牛1頭当たり乳量の変動率につきましては、搾乳牛1頭当たり乳量が増加した結果、1.0167となりました。これらから、生産コスト変動率は1.0522となり、これを令和4年度単価である8円26銭に乗じると、令和5年度単価は8円69銭となりました。
7ページです。これは集送乳調整金単価の詳細についてでございます。
加工原料乳の集送乳経費の変動率につきましては、集送乳にかかる輸送単価が上昇傾向で推移した結果、1.0664となりました。加工原料乳の集送乳量の変動率につきましては、加工原料乳の集送乳量が増加した結果、1.0407となりました。これらから集送乳コストの変動率は1.0247となり、これを令和4年度単価である2円59銭に乗じると、令和5年度単価は2円65銭となりました。
8ページです。最後に総交付対象数量についてです。繰り返しになりますが、総交付対象数量は、推定乳製品向け生乳消費量からカレントアクセス輸入量及びTPP11、日EU・EPA関税割当数量を控除して算定しております。
下の表にお示ししている項目のうち、総交付対象数量の算定に直接影響します、D3の推定乳製品向け生乳消費量につきましては、国民1人当たりバター、脱脂粉乳、生クリーム、濃縮乳、脱脂濃縮乳、国産ナチュラルチーズの消費量等から算出しております。令和5年度につきましては、乳製品の消費量、特に脱脂粉乳等の消費量の減少が見込まれることから、令和4年度を下回るものと推定されます。この推定結果を図示したものが次のページになります。
9ページです。令和5年度の国産生乳需給の見通しを表しています。
総交付対象数量は、ピンク色で示されている推定乳製品向け生乳消費量である347万トンから右上のカレントアクセス輸入量14万トン、令和4年度関税割当枠の消化状況を考慮した令和5年度のTPP11、日EU・EPA関税割当数量、3万トンを差し引いた結果、令和4年度からマイナス15万トンの330万トンとなりました。
なお、自家消費等のD1、牛乳等向けのD2、総交付対象数量Lの合計が生乳の需要量、すなわち推定生乳必要量になりますが、この必要量と推定した生乳生産量の差は、要調整数量と設定しております。要調整数量は、国産乳製品の需給均衡を図るための調整に必要な数量のため、生産抑制や消費拡大によって調整する必要がある数量を示しております。
以上、簡単ですが、説明を終わります。
 
〇三輪部会長
御説明ありがとうございました。
それでは次に、食肉鶏卵課長より諮問文の朗読をお願いいたします。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
食肉鶏卵課長の猪口でございます。
資料4-1の諮問文でございます。
読み上げさせていただきます。
 
4畜産第1945号
令和4年12月14日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣野村哲郎
諮問
肉用子牛生産安定等特別措置法(昭和63年法律第98号)第5条第7項の規定に基づき、令和5年度の肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。
 
以上でございます。
 
〇三輪部会長
続きまして、朗読いただいた諮問に関係いたしまして、食肉鶏卵課長に引き継ぎ御説明をよろしくお願いいたします。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
それでは、お手元の資料4-2、肉用子牛の保証基準価格等の算定概要に基づいて御説明させていただきます。
1ページ目を御覧ください。肉用子牛生産者補給金制度の概要でございます。
この制度は、上段枠内にあるとおり、牛肉輸入自由化後における肉用子牛価格の下落に対処すること、中長期的には、肉用子牛生産の合理化によって輸入牛肉に対抗し得る国産牛肉価格の実現を図ることを目的としています。
右の吹き出しにあるとおり、上の保証基準価格が肉用子牛の再生産を確保することを旨として定められる価格であり、下の合理化目標価格は、輸入牛肉に対抗し得る肉用牛生産を確立するための目標価格でございます。
本制度では、肉用子牛の平均売買価格が下落した際、保証基準価格から合理化目標価格までの間については、国が10分の10を補塡し、合理化目標価格を下回った部分については、国、県、生産者が積み立てた財源から9割を補塡します。
図にあるとおり、令和4年度は黒毛和種の場合、保証基準価格は541,000円、合理化目標価格は429,000円となっています。
次に、2ページを御覧ください。保証基準価格の算定式について御説明いたします。
まずは、黒毛和種などの和子牛についてでございます。平成30年度に見直しを行って以降、この算定方式を用いており、令和5年度についても、この算式で算出しております。
具体的には、まず左端の水色の部分でございます。平成23から29年度までの7年間の生産費をベースとした基準価格であり、これは毎年固定でございます。
次に黄色の部分、生産コストの変化率につきましては、分母は平成23年から29年度の7年間の平均的な生産費となっております。分子は毎年変化する部分でございまして、今回は令和5年度の生産費の推計値となります。
その右側の緑色の市場取引価格換算係数は、生産費調査ベースの農家の庭先販売価格から、家畜市場における市場取引価格に換算するための係数です。
それから、右端の赤色の部分、品種格差係数につきましては、黒毛和種、褐毛和種などの3種類の和牛の子牛価格に変換するものです。平成2711月から令和4年10月までの直近7年間の取引価格を基に算出しております。
次に3ページを御覧ください。和子牛の保証基準価格の計算結果です。基準価格は、毎年固定で501,162円です。
生産コストの変化率につきましては、分母は基準期間の生産費であり、こちらも毎年固定の538,589円です。
分子の令和5年度推計生産費につきましては、令和3年までの過去7年間の生産費のトレンドや直近の経済事情で物価修正を行い、これらを踏まえて推計すると、規模拡大に伴う家族労働時間の縮小により、労働費は僅かに低下傾向にあるものの、配合飼料や乾牧草、代用乳などの消費の上昇などにより、57569円となり、変化率は1.059となっております。
これに市場取引価格への換算を行い、黒毛和種、褐毛和種、その他の肉専用種、それぞれ品種格差係数を掛けますと、最後はまとめた上で、結果といたしまして、黒毛和種につきましては、令和4年度の価格から1万5,000円上がりまして、556,000円、褐毛和種につきましては、令和4年度から9,000円上がりまして、507,000円、その他、肉専用種は令和4年度から5,000円上がりまして、325,000円となっております。
続きまして、4ページを御覧ください。乳用種及び交雑種の保証基準価格についてでございます。
乳用種、交雑種につきましては、和子牛と異なり、品種格差係数はございません。
次の5ページをおめくりいただければと思います。乳用種及び交雑種の保証基準価格の計算結果でございます。和子牛と同様に基準価格は、乳用種は15916円、交雑種は254,216円です。
生産コストの変化率における分母の基準期間の生産費は、乳用種は155,127円、交雑種は267,684円です。
分子の令和5年度の推計生産費につきましては、乳用種、交雑種、共に配合飼料の上昇に伴い、飼料費は上昇しているものの、生産費の半数を占める素畜費は低下していることから、上げ要素、下げ要素が拮抗し、結果といたしまして、乳用種につきましては、16万万4,000円、交雑種は274,000円と、いずれも令和4年度と同水準となっております。
続きまして、6ページを御覧ください。合理化目標価格の算定式についてでございます。
保証基準価格と同様、平成30年度に算定式の見直しを行っております。具体的には、まず左側の水色の部分の輸入牛肉に対抗可能な子牛価格を求めるものでございます。輸入牛肉価格に国産牛肉と輸入牛肉との品質格差を加味して、輸入牛肉に対抗できる国産牛肉価格を算出します。これを生きた肥育牛の農家販売価格に換算し、そこから合理的な肥育経費を差し引きまして、肥育農家が購入する子牛価格を算定いたします。この価格に、緑色の市場取引価格換算係数を掛けまして、市場取引価格に変換した上で、最後に赤色の部分、品種格差係数を掛けて、品質ごとに算出いたします。
次、7ページを御覧ください。ただいま御説明した算定式に基づき計算しましたところ、輸入牛肉価格が上昇していることもございまして、黒毛和種は、令和4年度からの価格が1万円上がりまして、439,000円、褐毛和種は5,000円上がりまして40万円、その他の肉専用種は3,000円上がりまして、256,000円となります。
次に8ページを御覧ください。乳用種・交雑種の合理化目標価格についてでございます。和子牛と異なり、品種格差係数がありません。それ以外は同様の計算式でございます。
9ページをお開きください。今の計算式に基づき算定しましたところ、乳用種が11万円ちょうど、交雑種が216,000円と、いずれも令和4年度と同水準となります。
以上をもちまして、肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格の算定についての説明を終えさせていただきます。
 
〇三輪部会長
どうも御説明ありがとうございました。
それでは続きまして、食肉鶏卵課長より次の諮問文の朗読をよろしくお願いいたします。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
引き続き、鶏卵について御説明させていただきます。
まずは諮問文を朗読させていただきます。資料は5-1でございます。
 
4畜産第1946号
令和4年12月14日
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘殿
農林水産大臣野村哲郎
諮問
令和5年度の鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項について、貴審議会の意見を求める。
 
以上でございます。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。
続きまして、本諮問に関しまして、食肉鶏卵課長より引き続き御説明をよろしくお願いいたします。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
それでは資料5-2、算定概要で説明させていただきます。
次のページ、目次にございますとおり、事業の概要と、その後、補塡基準価格、安定基準価格の算定方法を説明した後、算定結果について御説明させていただきます。
おめくりいただきまして、1ページを御覧ください。鶏卵生産者経営安定対策事業は、上段の枠内にございますように、鶏卵価格が低落した場合に、価格差補塡を行うこと。その上で、鶏卵価格が更に低落した場合に、鶏舎を長期に空けて需給改善を図る取組に対して、奨励金を交付すること。この2本柱によって、鶏卵生産者の経営の安定と鶏卵の需給と価格の安定を確保することを目的にしております。
去る10月の審議会におきまして、令和5年度からの本事業の見直しについて、概要で御説明させていただきました。今回は、この価格差補塡事業の発動基準となる補塡基準価格と成鶏更新・空舎延長事業の発動基準となる安定基準価格について、諮問させていただいているものでございます。
続きまして、2ページ目は、御参考までに本事業の実施状況を記載しております。
更におめくりいただきまして、3ページを御覧ください。算定方法の説明に移ります。
まずは、補塡基準価格についてでございます。上段枠内にございますとおり、基本的な考え方といたしまして、鶏卵価格につきましては、6年間の周期変動が見られることに加えまして、夏に需要が低迷し、卵価が低下するという季節変動が見られるところでございます。
補塡基準価格につきましては、低需要期に見られる平均的な価格低落を下回った場合、補塡金により経営の下支えを行うための基準として設定しています。
このため、過去6年間を基準期間といたしまして、その鶏卵価格の平均値を基に、生産コストの変化率と、低需要期の平均の低落率を織り込んで補塡基準価格を算出いたします。
次に、4ページ目を御覧ください。安定基準価格でございます。
安定基準価格につきましては、通常の変動を超えた大幅な価格低落の際に、需給改善に取り組む基準とする価格でございます。
算定式といたしましては、補塡基準価格から基準期間の標準取引価格の平均値と標準偏差から算出した変動の幅を超えて低落した水準として安定基準価格を算出いたします。
前回の審議会で御了承いただいたとおり、需給調整を早期化させる観点から、標準偏差に0.7を乗じて算出することといたしております。
次の5ページをお開きください。補塡基準価格と安定基準価格のイメージ図でございます。
鶏卵価格の推移と補塡基準価格及び安定基準価格との関連を模式化した図になります。補塡基準価格と安定基準価格の間にある緑の線の範囲が補塡金により経営の下支えが行われるところでございます。緑の下にあります黄色の線のところが需給改善に取り組むところを示しております。
以上の算定式に基づいた算定結果の概要でございます。
6ページを御覧ください。基準期間の標準取引価格の平均値につきましては、平成29年から令和4年までの直近6年間の平均価格であり、190.97円、前回の算出より僅かに上昇しております。
続きまして、生産コストの変化率でございます。コストの約5割を占める配合飼料の価格が上昇していること、さらに、雛の価格が上昇していることなどにより、生産コストの変化率は1.157と、前回の試算より大きくなってございます。
最後に低需要期の平均低落率につきましては、大きな変化はなく、前年と変動なく0.945になりました。これらを掛け合わせた結果、補塡基準価格は209円と、今年度から28円の上昇となっております。
続きまして、7ページを御覧ください。安定基準価格についてでございます。安定基準価格につきましては、補塡基準価格を基に一定の下落幅を乗じて算出しております。先ほど御説明したとおり、変動係数につきましては、需給調整を早期化させることから、標準偏差に0.7を乗じて算出した結果、変動係数は0.09となっております。
この結果、本年度からプラス31円となる190円となりました。
鶏卵につきまして、私からの説明は以上でございます。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。農林水産省からの御説明は以上となります。
それでは、これより委員の皆さんから御意見を伺いたいと思います。
また、これより皆様からいただきます御意見につきましては、先ほど申し上げましたように、事務局で簡潔に整理していただきまして、この部会の場で、委員の皆様に御承認いただいた上で、意見の概要という資料の形で取りまとめをして、今後、施策の展開に当たっての参考にしていただきたいというふうに考えております。こちらにつきましても、部会終了後、公表したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、質疑応答・意見聴取に入りたいと思います。
本日御出席いただいている委員の皆様から、意見、質問などをいただきたいと思います。
各委員におかれましては、4分程度を目安に御発言いただければ幸いでございます。
また、おおむね4人ごとに区切らせていただいて、御意見をお伺いしまして、その後、農林水産省から御意見、その他につきまして、まとめて御回答いただくという形で、少しパートに分ける形で進めさせていただければなと思います。
また、今から御意見いただくときには、先ほど御説明いただきました諮問内容に対する賛否については、こちらはまた別途改めて皆様お一人ずつお聞きいたしますので、今から御意見を承る際には、現時点で賛否の有無については触れていただく必要はございませんので、その旨、よろしくお願いいたします。一度皆様から御意見いただいた上で、改めて賛否をお伺いするという形でお願いできればと思います。
また、委員の皆様からの御発言順につきましては、本日、途中で御退席予定の委員の方が数名おります。里井委員、二村委員、加藤委員、あと私の方で途中退席の予定がございますので、先に御発言させていただきまして、その後、御出席いただいている方、五十音順という形で御意見をいただく形で進めさせていただければと思います。
それでは、本日、リモート参加いただいております里井委員から御意見いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
 
〇里井委員
おはようございます。御丁寧に御説明の方どうもありがとうございました。フードジャーナリストの里井です。
諮問についての賛否については後ほどということではあったんですけれども、今現在に大きな問題はないのかなという心持ちの下、簡単に意見発表と今後よろしくお願いしますという気持ちを込めたいと思います。
大きな問題というわけではないんですけれども、今のこのフードジャーナリストとして食業界というものの背景を踏まえて、今回、ちょっと畜産部会の意見とさせていただければと思っています。
今日はちょっとリモートでロケ中なんですけれども、飲食業店の方は、本当に今一番人手不足、そして物価高騰、それから働き方改革という柱において、非常に様々な意見交換、そして施策をどうしていけばいいかということでの相談というのを非常にたくさん受けます。その中で、やはり付加価値をどうやって高めていくかということが非常に問題になります。そんな中、例えばいわゆる星つきレストランというところの別格のところはちょっと置いておく傾向があるかもしれないんですけれども、やはりお肉、牛肉、そして和牛というもののブランド価値というのが非常に高いんですね。一方で、そことのバランスをどうしていくかというのを非常に考えていらっしゃるところが多いです。
今後、このまま飲食業界の方がいろいろな面で大変な思いをしていく中、やはり一番はコミュニケーションを取りながら、いかに生産者さん、そして国、そしてレストラン事業の方々が連動して意思疎通をし合って、価格、そして、もっと細かく言いますと、求められている部位、こういったものをすり合わせて進めていかなければ、大きな大きなずれにつながるんじゃないのかなという気がいたしました。
レストランのところでは値段が上がる、消費者がついてこない、最近はずっと赤身が求められているけれども、付加価値が高いものにはサシが多くて、そこが余りがちな、いろいろな問題がとても多く出ているなという、それを常々感じています。
今後、一番の武器であるお肉、そして肉のブランド化という意味を込めまして、更なる皆さんとのこの連動というのが必要なんじゃないかなと思いました。
そのほか、乳用牛に関しましても、やはり同じように私、スイーツ業界でずれを感じることも多々ございます。求められているもの、そして需要と供給のバランスというものをいかに歩み寄っていくかが、お互いの畜産業、それから飲食業界の、そして国、農林水産省を含めまして、日本の食材全般が強くなっていくことにつながるのかなということを常々感じています。
このような思いをつなげながらなんですけれども、今日はちょっと本当に午前中のみなってしまって恐縮ではございますが、引き続き皆さんと共に頑張りたいと思っています。よろしくお願いします。ありがとうございます。
 
〇三輪部会長
里井委員、ありがとうございました。
それでは、続きまして、同じくリモート参加いただいている二村委員から御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
〇二村委員
御指名ありがとうございます。
私の方から非常に素人質問かもしれないんですけれども質問させていただければと思います。
まず基本的な補塡の方法ですとか計算式は、今まで積み上げられてきたものがあるので、合理的なものなんだろうというふうに思います。が、そもそものこの考え方というのでしょうか、例えば鶏卵のところなどですと、鶏卵の価格が低落した場合に価格差補塡を行うと対策のポイントのところに書いてございますし、それから、牛肉のところも目的というか、そもそもの施策の方向性というのが、肉用子牛価格の低落に対処すると。中長期的には合理化を図るということが書いてあるんですけれど。昨今、いろいろお話を伺っていますと、飼料価格の高騰に非常に生産者の皆様が御苦労されていると聞いていますが、この考え方で今日のような飼料価格がものすごく上がっていくというようなことに対処できるのかどうかというのを心配に思いました。
また、計算なども比較的直近のデータを用いて計算をされているようですけれども、それが実態を反映したものになっているのかどうかというのが、私からは分かりませんので、本日、委員の皆様から、この考え方と今の状況というのが合っているのかどうかということと、それから、いろいろなデータの取り方というのが今日の社会の変化と合っているのかどうかという辺りについて、是非お聞かせいただければなと思って、今回御説明をお伺いしました。
一旦、以上にさせていただきます。よろしくお願いいたします。
 
〇三輪部会長
二村委員、ありがとうございました。
それでは、続いて私の方から御意見の方を申し上げたいと思います。その後、加藤委員という形でお願いいたします。
まず御説明をいただきまして、ありがとうございました。非常に合理的な資料という形で分かりやすく理解させていただきました。今、お二方の委員からも御意見いただきましたが、やはり今、非常に酪農・畜産のおかれている状況が厳しくなっている中、これから先の中長期のビジョンというのを、今後、併せてやはり考えていく必要があるのかなというふうに思っています。
今、当審議会の基本法検証部会におきまして、食料・農業・農村基本法の見直し、検証というのが進められておりますが、そちらの方でも指摘されておりますように、今、日本の畜産・酪農、農業全体を含めまして、いろいろな向かい風が吹いてきているというところでございます。
一つは、今、我々が直面しているようなコストの上昇もございますし、あとは一方では、海外の新興国等の経済成長、人口増加におきまして、輸入においては、非常に安定的な輸入に対してのリスクが高まっているというような状況もございます。また、国内の消費でございましたり、物流、流通等を考えますと、いまだ新型コロナの影響から完全に回復しきれていないという状況にございますし、国際状況、情勢を見ますと、ロシア、ウクライナの問題が引き続き尾を引いているところでございます。
また、我が国特有の事情といたしましては、円安、最近は少し傾向的に落ち着いてまいりましたが、やはり中期的なトレンドで見ると、生産コストの上昇というところに対して、非常に大きな悪影響が出てきているというところでございます。
このような中で、今後、畜産・酪農分野におきまして、本日の諮問内容も含めてでございますが、やはり消費者の方々にまずは適正な価格で買っていただくための仕掛け及びプロモーションというのを引き続き是非お願いしたいというふうに思っております。
コストが上がった部分については、まずは一義的には消費者の方々にそこを納得いただいて、きちんとした価格で買っていただくというのが基本だと思います。各種報道で昨日もいろいろな番組で食料品の値上げというもの等が出てきておりましたが、今の情勢を考えますと、全体に物価が上がっている中で値上げをしていくというのが、一つは致し方ない部分かと思いますし、ただ、残念ながら畜産・酪農製品を含めた農産物価格についてはなぜか物価の優等生というある意味都合のいいレッテルを貼られて、なかなか上がると、すぐにそこが非難をされてしまうというような、少し我々農業分野の人間からすると理不尽な状況があるかなと思いますので、是非そこの理解促進をお願いしたいと思います。
また、コスト削減につきましては、スマート畜産、スマート酪農などの技術の導入に対する積極的な政府としての御支援でございましたり、飼料につきましては、今の輸入飼料の価格高騰下でございますので、国産飼料の増産等を含めた、今の短期的な課題に加えて、中長期に畜産・酪農を安心して営めるような仕掛けを是非お願いできればと思います。
目下、非常に厳しい状況ではございますが、今、そのような新しい一手を打っておくことが、今から10年、20年、本分野の安定であったり成長につながるというふうに思っておりますので、是非短期、中長期のビジョンを組み上げた上で、引き続き御検討いただければと思います。
長くなりましたが、私の方からの意見は以上とさせていただきます。
それでは、加藤委員がまだ御到着の予定時刻になっていないところで、少し今日は進行が早く進んでいるということがございますので、続きまして、本日御参加の委員から御意見いただく形でお願いできればと思います。
それでは、串田委員から御意見をいただければと思いますが、よろしいでしょうか。
 
〇串田委員
串田でございます。よろしくお願いいたします。
私の方からは酪農・畜産情勢からの意見とさせていただきたいと思いますけれども、御存じのとおり今年度、特に急激な需給緩和によりまして、非常にバランスが大きく一気に崩れてしまったと。それに併せて、今年の当初からの世界情勢を含めた生産費の上昇、もちろん円安を含めた中での生産費の上昇ということで、非常に酪農・畜産情勢においては過去にないほどの状態に陥っているということでございます。
その中で、貴省においても、予備費補正において対策等を十分にしていただいておりますけれども、改めてその中で飲用向け乳価においては、期中での改定、そしてそこは私たち酪農・畜産現場においてはやはり安定した価格を求めるための苦渋の選択の中で、期中の改定に至ったというふうに思っております。この中で、補給金単価、集送乳単価を含めまして、今回決定していただいたということでございますけれども、やはりいろいろな措置の中でも私たちは、今ほど申しましたとおり、安定的な経営、生産をするためにもやはり乳価、補給金単価というのが非常に重要な位置づけというふうになっております。
算定式を基に決定していただいたというふうに今ほど説明もありましたけれども、やはりこのように急激な状況において、補正、そして予備費等、ここでの対応は本当にありがたいんですが、やはり今をもって、このような事態が起こってしまったということで、今後においても引き続きこのままの状況なのか、一回落ち着いた中でまた今後こういうことが起こり得るという意味も含めて、改めて計算、算定方式の今においての課題等をしっかり検証いただいた中で、今、これからに合った算定式のルールを含めた見直しをしていただきたいと思います。今回の結果、そういうふうに思っております。
そういった中で、もう1点、2点でありますけれども、畜安法についてでございます。昨日の自民党の決議におきまして、畜安法の目的たる需給の安定を通じた畜産経営の安定が図られているか検証し、酪農家間の不公平が生じないよう運用することというふうに明記していただいたところでございます。今現在、北海道においては加工原料乳主体、そして都府県においては飲用乳主体というふうに、過去からもそういった棲み分けの中で日本国全体の中でバランスを取ってきたというふうに認識しております。
引き続き今後においても、これは非常に重要な位置づけだというふうに思っていますし、その中で、やはり今、自由な販売、取引先を含めたことが、今、現場ではやはり指定団体、日本全国にございますけれども、それをしっかり指定団体がグリップしながら生産調整を続けていながら、また別途、自由な生産、販売を行っているということで、非常に今後、国全体の懸案として消費に対してのやっぱり危機的な状況が想定されます。やはりこれをしっかり日本国全体で安定的な供給、そして、消費の部分を含めて、やはり今ここでもって決議いただきましたけれども、時間がないというふうに私は思っております。早急に畜安法に関して、改正という意味で、しっかり今こういった形を是正できるような取組をしっかりしていただきたいと思います。
あと、今現在、食料安全保障の観点からも、議論していただいておりますけれども、今、やはり輸入乳製品を含めますと、生乳換算、約500万トンというふうにしておりますけれども、やはりこういうときこそ国産自給率をいま一度しっかり高めなければいけないという観点からも、国産の乳製品に対する置き換え、やはりここも時間がないというふうに思っています。当然これは生処官一体となって取り組まなければいけないというふうに思っていますので、農水省におきましてはしっかり先陣を切って、取り組んでいただきたいというふうに思います。
最後になりますけれども、改めて今後においてはしっかり酪農・畜産経営が安定的に、持続的に取り組めるよう応援といいますか、取り組んでいただきますようお願いしまして、私の意見、要望とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。ただいま里井委員、二村委員、串田委員、私の方、4名の方から御意見等を出させていただきました。そちらに対しまして、農林水産省からまとめて御回答をよろしくお願いいたします。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
食肉鶏卵課長でございます。
まず里井委員から消費者あるいは実需者が求める牛肉について、今の生産との少し乖離があるのではないかといった御指摘がありました。確かに近年の健康志向の高まりということもありまして、食味、食感のよさに加えまして、消費者が適度な脂肪交雑で値頃感のある牛肉を求める傾向があることは承知してございます。一方で、生産現場においては、肥育農家において生産コストに見合う販売価格となるよう、A5といった高品質な肉質を目指して生産する傾向があります。
一方で、地域によっては、例えば出荷時期を早めて、通常よりも早く出荷して、十分な枝肉重量を確保しつつ、あるいは一定程度の肉質を確保しつつ、出荷の回転を速め、特に昨今の飼料価格の高騰の中で出荷を早めることによって、経営の体質強化を図っていくというような取組もやっている地域もあるということも承知しております。
また、今年の10月に鹿児島で行われました全国和牛能力共進会では、これまでのサシ中心の肉質の評価から、新たに脂肪酸の含有量を評価する脂肪の質評価群が設けられて、牛肉のおいしさに着目して、今までと違う角度から和牛の魅力にスポットが当てられたというものと承知しております。今後とも消費者の多様なニーズに留意しながら、生産基盤の強化を後押ししてまいります。
委員から御指摘のあったとおり、消費者ですとか、あるいはレストランなどをやっている実需者の皆様のニーズを適切に生産現場が反映することは非常に重要な観点だと思いますので、農水省としてもそういった情報がうまく伝わるように、しっかり取り組んでまいりたいと思ってございます。
また、二村委員からの御質問でございました、本日御説明した価格の算式が現下の一番の課題である飼料高騰をしっかり反映できているのかということだと理解しております。こちらにつきましては、昨今の配合飼料価格の上昇につきましては、直近の物価動向を織り込む中で、価格の反映の中で、まさに物価の変動率を掛け合わせる中で、直近の配合飼料価格の上昇、こちらを織り込んで算出しています。
一方で、これだけで今の餌の高騰に全て対処できるのかというと、もちろんこれだけで対処できるものではございません。餌の配合飼料価格の高騰を緩和する対策、こちらももちろん引き続きありますし、また、こちらは三輪委員からもお話のあったとおり、やはりコストの転嫁というのを価格に反映していくということも大事でございます。そういったコストの上昇を価格に反映していくという中で、経営の下支えとしてのこういう価格や経営の安定制度も使いながら、経営を支えていく必要があると思っております。農林水産省としても、そういった価格転嫁が適切に進むように、もちろん需給の改善を支援するとか、そういったことも含めまして、価格転嫁の環境を作ってまいりたいと考えております。
私からは以上です。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
まず里井委員からお話しございました、乳製品に関して、消費者の求めるものというお話がございました。消費者に求められるものを作っていくということは非常に重要なものであるというふうに考えております。生産者団体におかれても、アンテナショップを作って、消費者の動向を直接把握をしたりですとか、乳業メーカーも当然市場の動向なりを調査したり、あるいは新商品を投入したりということをしておりますので、国においても様々な方の御意見をお聞きしながら、どういうものを消費者が求めているかということをいろいろお聞きしているところでございます。
また、特に近年消費が伸びているチーズにつきましても、消費者が高品質でおいしいものを求めるということで、国として支援も、最近で言えば国際的な賞で、金賞を含めて、チーズの商品化を図ってきているということもございます。引き続き消費者に選んでいただけるような乳製品を作っていくような対応をしていきたいというふうに考えております。
それから、二村委員からございました、飼料価格の高騰などへの対応ということでございます。今回も補給金等の計算に当たりましては、直近10月までの動向、ぎりぎりまでのこの動向を反映して、現在の様々な高騰に対する対応に努めているというところでございます。
また、先ほど食肉鶏卵課長からもお話があったとおり、こちらも同様でございますけれども、ここだけで全てまかなえるということではなくて、やはり生産コストについては適正に価格に反映させることが必要であるというふうに考えております。価格に反映させるための、価格への反映しやすい環境づくりということをこれまでも指摘しておりますけれども、今後も進めていきたいというふうに思っております。
それから、串田委員から酪農が厳しいというお話がございました。これにつきましては、これまでも様々な対策を打ってきました。今後、これまで打った対策の、具体的にはお金が今後入ってくると思いますけれども、そういったことも実感していただきながらということになりますけれども、引き続き酪農が、酪農経営が続けていけるように対応していきたいというふうに思っております。
畜安法につきましては、これまでもいろいろ御意見をいただいておりますけれども、やはり系統に限らず、出荷先に関わらず、需給調整、現在の市場動向を踏まえて対応していくことを酪農家の皆さんが認識していただく、理解していただくということが重要でございますので、系統外事業者に対しましては、個別に現在の需給状況ですとか、需給調整の動きを説明し、その理解増進に努めていきたいと考えております。北海道及び都府県の生産動向、輸入乳製品の需要動向も注視しながら対応していきたいというふうに考えております。
また、食料安保の観点から、輸入が多い中で国産率を高めていく必要があるのではないかというお話もございました。現在、チーズ需要は伸びているわけでございますけれども、その多くは輸入でまかなえるわけでございます。我々もその部分については問題意識を持っておりますけれども、現在のところ、国産の高品質化ということに向けて、国の方も支援を行っているところでございます。引き続きどのようなことができるかということを考えていきたいというふうに思っております。
以上でございます。
 
〇冨澤飼料課長
三輪部会長からお話がありました、国産飼料の増産をして安心できる生産基盤の強化ということでございます。部会長の御指摘のとおり、持続的な畜産を実現するということでありますと、畜産経営の安定という観点では、過度に輸入飼料に依存した体制から、やはり国産飼料の生産基盤に立脚した、足腰の強い生産へ転換していくことが重要だというふうに考えております。
現在、25%の飼料自給率につきまして、令和12年度目標ということで、34%に引き上げるということで、例えば水田を活用した飼料用トウモロコシの生産拡大への支援とか、あとは飼料生産を地域で担っています、コントラクター等の機能強化や生産拡大への支援、また、自給飼料を生産します草地の整備によります、牧草の収量、品質向上、そういったところ、また、さらには国産稲わらの利用促進に向けた耕種農家と畜産農家さんのマッチングとか、こういった取組も進めてきているところでございます。
また、先般、お認めいただきました補正予算におきましても、契約に基づきまして、耕種農家さんと畜産農家さんの連携を強化して、耕種農家さんの方で生産していただいた飼料を畜産農家さんが利用する持続的な、耕畜連携の取組への支援とか、あと国産粗飼料の広域流通の取組への支援等も措置させていただいたところでございまして、こういった取組を進めながら、また、皆様の御意見を伺いながら、国産飼料の生産基盤の強化というものに取り組んでいきたいというふうに考えております。
 
〇馬場畜産総合推進室長
総務課畜産総合推進室長の馬場です。
三輪委員からございました畜産物についての適切な価格転嫁につきまして、少し補足説明をさせていただければと思います。農林水産省といたしましては、昨年末に閣議了解されました転嫁円滑化施策パッケージ、これは政府全体で取り組んでいるものでございますけれども、こうした中で、公正取引委員会等と連携いたしまして、食品小売業等への緊急調査などの対策を講じてきたところでございます。また、乳業メーカー、食肉事業者等に対しましても、コスト上昇を適正な取引価格に反映するよう、協力要請なども行っているところでございます。
さらに、生産コストの上昇等について、消費者や小売店の理解を得られるための広報活動などを通じ、価格転嫁のための環境整備を農林水産省として進めていきたいと考えているところです。
 
〇三輪部会長
ほかに農林水産省の皆様から御回答等ございますでしょうか。
それでは、続きまして、今、リモートで御参加の加藤委員が御到着されたということですので、加藤委員、御意見、4分ほどを目安にお願いできればと思います。
それでは、加藤委員、よろしくお願いいたします。
 
〇加藤委員
私が指名されましたか。声がいまいちはっきり聞こえず、すみません。
 
〇三輪部会長
それでは、加藤委員、改めまして御意見の方をよろしくお願いいたします。すみません、こちらの通信に不具合がございまして、失礼いたしました。よろしくお願いいたします。
 
〇加藤委員
すみません、数分前に入ったばかりなので、ちょっと議論に追い付いていないところがあるんですが、今、資料としては。
 
〇三輪部会長
それでは、私の方から少し補足をさせていただきますと、今、資料の3、4、5のところにつきまして、御説明を農林水産省よりいただきました。こちらの各種価格等のところにつきまして、御意見をいただければと思います。
なお、この後、当該価格及び調整金等の単価につきましては、賛否につきましては、この後、別途各委員にお伺いしたいと思いますので、まずは全体を通しての御意見を頂ければと思います。
 
〇加藤委員
すみません、ちょっとお話が聞き取れなくて……
 
〇三輪部会長
加藤委員、今、マイクを変えましたが、聞こえますか。
 
〇加藤委員
大丈夫です、すみません。
 
〇三輪部会長
あとほかの委員からも今、チャットの方で聞こえにくいという旨、御指摘いただきまして、ありがとうございます。
すみません、もう一度ちょっとお時間をいただきまして、今、加藤委員、御到着ということで、資料の3、4、5を中心に、今、農林水産省より諮問文の朗読及び御説明をいただいたという状況でございます。
ただいま、本日午前中のみの御参加の委員を中心に御意見をいただいている状況でございまして、加藤委員からも続いていただければと思います。
なお、本日お示しいただいております各種単価、価格などに対する賛否につきましては、この後、改めまして、各委員に賛否を問うお時間をいただきたいと思っておりますので、賛否については、今の時点では御表明いただく必要はございません。全体を通しての御意見をいただければと思います。
すみません、加藤委員、よろしくお願いいたします。
 
〇加藤委員
すみません、ちょっと途中から入りましたのにすみません。ちょっと皆さんの前にいただいた議論とかみ合わないかもしれないんですけれども、私自身、やさいバスという事業を続けながら、野菜とはいえ畜産の方々ともいろいろなお話をさせていただいています。その中で、やっぱり特に養豚ですかね、結構辞められる方が増えているなという、もう辞めようかと思っていると、それは飼料高騰もありますし、最近ですと、栃木か、大きなところも倒産みたいなところもありますので、ちょっと畜産に関してはかなり経営環境がよくない状態が、危機的な状態になりつつあるんじゃないかなというふうに思っています。
この後、その資料の中にあるような、いろいろな政府からのサポートとか、仕組みの改善というのはなされるんだと思うんですけれども、ちょっと国内で農地の関係も、それこそ食料安保の関係で、国産を進めましょうという動きがあるときに、畜産に関してもこの辞めていかれる状況をどう引き止めて国産を奨励していくかというのは、非常に大きなポイントなんじゃないかなと思っています。
餌の国産化というのは、中山間地とか、あと北海道とかで新進気鋭の畜産家の方たちが大分環境にも配慮しながらの畜産、放牧の方法とかを進めていらっしゃるので、何かそういう好事例を早く拾い上げて、仕組みにしていくというのがとても重要なんじゃないかなというふうに思っています。
雑駁ですけれども、現場からの状況と意見として申し上げさせていただきました。
 
〇三輪部会長
加藤委員、御意見ありがとうございました。
それでは、今、少しお時間的に余裕がございますので、本日午後も御参加いただける方にも併せて続いて御意見をいただければと思います。
それでは、五十音順ということで、角倉委員、御意見いただければと思います。よろしくお願いいたします。
 
〇角倉委員
北海道十勝で酪農家をしています角倉と申します。本日は説明していただきどうもありがとうございました。
私は一酪農家なので、素直に思ったことを言わせていただきたいと思うんですけれども、北海道はほとんどの酪農家さんが加工用の牛乳を生産している人が多いんですけれども、そういう中で、今回出た補給金は正直ちょっと期待をしていたというか、ちょっと分かってもらえているかなと、酪農家さんの現状を分かってもらえているのかなと思っていたので、正直残念だなというふうに思いました。
計算式に当てはめてやると、そういう数字が出てくるというのは分かるんですけれども、でも、それ以上に今、緊急事態というか本当に営農を続けていけるかどうかという酪農家さんがたくさんいる中で、もっと緊急事態だよというところの支援をいただければよかったなというふうに思っています。
前回の会議のときも言ったんですけれども、そういう、今は、私自身は指定団体に出しているところもあって、生産を抑えなさいというふうにも言われていますし、来年度は減産してという話も聞いているんですけれども、そう言って、生産を抑えるために、牛を売ったりだとか、あと、餌のメニューを変えて、乳量を抑えたりしている酪農家さんもいるんですけれども、でも、実際、餌を調整して乳量を抑えてしまっていると、次、絞ってもいいよと言ったときに、餌を調整して、もうちょっと乳を出そうと思っても、なかなか牛ってそういうふうになっていかないものなんですよね。だから、そういったところを工夫しながらみんな酪農家さんはやられていると思うので、何か本当に今、苦しいなと思っていますし、牛を売るにもなかなかいい値段が付かない現状でもあります。そういったことも理解していただきたいなというところです。
いろいろな酪農家さんが自由に出荷する方法が決められるということではあるんですけれども、実際、牛乳を捨てている酪農家さんもいます。そうしないとやっていけないというか、目標数量にそれがオーバーしてしまうから、もう今から捨てているという酪農家さんも実際いますし、そういう意味では酪農家さんによっての不公平はすごい感じています。
それで、こうやって出荷できる方法が自由ということで、私は酪農とか乳業業界がそういう生産者さんと関係機関とメーカーとが一緒になって、そこがこの業界のよさだと思っているんですけれども、何となくその仕組みがすごいどんどんばらばらになっていくんじゃないかなというところがすごく不安です。
なかなか消費も上がらないということもあるんですけれども、何か消費拡大とかということで、皆さん、いろいろな機関の方々が活動されているんですけれども、消費拡大ということも大事なんですけれども、今こそ牛乳とか乳製品のよさというか、そういったことを再認識して、牛乳って当たり前に摂るのがいいんだよということを改めて感じてほしいなというふうに思いますし、実際に農水省も取り組んでいる、牛乳でスマイルプロジェクトというのも関わっている、その中に入ってくださっている方はその現状を理解して、牛乳のよさも分かって、それでそれぞれの企業さんとかがすごい積極的に生乳を使っていただいたりもしていると思うんですけれども、何だったら、ここに関わっている人たち、みんなで入ったらいいんじゃないかって私は思うぐらい、もっともっとそういったことをいろいろな人に知ってもらわないと、消費者まで届かないんじゃないかなというふうに思います。
そして、こうやって厳しい状況にある中で、やっぱり離農してしまう農家さんが増えていくと思うんですけれども、新たにやりたいと思って、うちの町でも頑張っている若い人たちもいるんですけれども、やっぱり今の現状、今から、今年から始めるとか、来年から始めるといったときのリスクはすごいあるなというふうに感じているので、本当に最初の御挨拶でもあったように、酪農家さんが前向きに営農していけるようにサポートしてもらえたらありがたいなというふうに思います。
以上です。
 
〇三輪部会長
角倉委員、ありがとうございました。
それでは、ただいまの加藤委員及び角倉委員からいただきました御意見につきまして、農林水産省から回答等をよろしくお願いいたします。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
今、酪農に関してお話しいただきました。我々も現場にも入ったときにはそういうお話をよく聞きますし、また、現地の方が東京に来られたときも時間の許す限り意見交換をして、現状についてよく把握するようにしているつもりでございます。
実際のところやはり、今、酪農は非常に飼料高ということですとか、あるいは需給緩和ということで、なかなか価格への反映ができないとかいうことがございます。特に北海道については、先ほどお話が出ましたけれども、加工向け中心であるということで、今年11月からの輸入向け、値上げということも、都府県ほどには恩恵がないというところもあります。
また、副産物収入についても下落しているということで、非常に苦しい状況であるということは、我々もよく認識しているところでございます。
そういったこともございまして、今年の夏から既に、実は予備費という形で対応を取らせていただいて、1頭当たり最大では7,200円というものを措置させていただきました。この金額につきましても、足りないという声も聞こえてきますけれども、国としては精いっぱい努力してきた結果でございますけれども、そのお金につきましては、早いところは先月末に入金されているんですけれども、その他の多くのところにつきましても今年の1220日過ぎぐらいには、50億円以上が入金されますので、それについてもそういった国からの支援を実感していただけるのではないかと思っておりますけれども、そういった特別対策の補填金とか、あるいは配合飼料の支援金についても段階を踏んで今後入ってくると。入ってくるものがあるということで、そういったものも、これからお支払いしながら、必要な金融支援をしながらということでございます。
特に今、一番苦しいのはやはり価格に今のコストを反映させていかないといけないということで、ここは消費者の方の御理解を得ながらということですけれども、価格へ反映しやすい環境づくりということで、これまでも生産者の方が自主的に生産抑制の取組をされている中で、こうした支援をする取組も国としてさせていただいていますし、また、在庫、特に脱脂粉乳の在庫につきましても、今年5月、6月の頃は104,000トンぐらいまで増えたんですけれども、これが非常に業者の重荷になっているということで、在庫低減対策を取り組んできまして、直近では9万トンを切る水準まで来ているということで、この半年弱の間に1万5,000トンほど減っているという状況でございまして、これも引き続きやっていくということでございます。
そういった形で、今、ホクレンさんが乳価交渉をしておりますけれども、そういった乳価への反映をしやすい環境づくりというのを今後ともやっていきたいというふうに思っています。
それと、消費拡大のお話もございました。今の需給ギャップの中で、ただひたすら生産抑制していくだけだとそれはなかなかつらい、やはり需要拡大、需要の底上げをしていく必要があるということで、国の方でも、牛乳でスマイルプロジェクトということでやっております。これは、昨年は年末に大臣に記者会見で飲んでいただいたりしましたけれども、今年はもっと計画的にということで、6月から立ち上げて、各関係業界に年末に向けての販売対策を考えていただくような時間を作るという意味で6月から始めているんですけれども、実際に今200を超える企業、団体等が入って、年末に向けての販売対策、キャンペーンとか異業種とのコラボとかをやっております。そういった形で消費拡大もしっかり取り組んでいきたいと思っております。
そういった形で生産抑制を行いつつ、需要拡大にもしっかり取り組んでいくと。そして、今の生産コストの価格への反映しやすい環境づくりを進めていくということで、少しでも今の酪農の経営状況を改善できるような形にしていきたいと思っております。
特に酪農はなかなか投資額も大きいということで、今、いらっしゃる方がいなくなってしまうと、なかなか次というわけにはいきませんので、今いらっしゃる方が続けていただけることが非常に重要ですし、またさらには、後継者がいる方は、その後継者に継いでいただくことが重要だというふうに思っていますので、そういった環境づくりをしていきたいと思っております。
また、酪農家の方は地域で経営しているだけではなくて、地域の重要な構成員でもありますので、地域の維持という観点から、酪農経営が今後も続けていけるように取り組んでいきたいというふうに思っております。
 
〇冨澤飼料課長
飼料課長の冨澤でございます。
加藤委員からお話のありました国産飼料を増やしていくということ、放牧を活用していく、こういった事例を紹介していくという御意見をいただいたところでございます。先ほどと重なる部分がございますけれども、やはり畜産生産、持続的な畜産生産のためには、国内の飼料生産基盤に立脚した足腰の強い生産を進めていくということが重要だと考えている次第でございます。
このため、令和12年度、飼料自給率34%の目標を立てまして、飼料用トウモロコシの生産拡大とか、あと飼料生産組織の機能強化等も取り組んでおりますし、放牧ということで言いますと、民用地での放牧の推進ということについても力を入れているところでございます。
放牧につきましては、やはり飼料の生産給与とか、家畜排せつ物の処理の省力化が可能であるという飼養管理方式でございますし、そういった意味で酪農肉用牛の経営コストの低減を図る上で、有効な方法というふうに考えております。
現在、私どもの調べになりますけれども、全国で報告されています牛、通年というわけではなくて、一時的にというものも含めてでございますけれども、大体酪農で27万頭ぐらいではないかと。これは全体の総飼養頭数の約20%ということでございますし、肉用牛の繁殖になりますけれども、こちらで総飼養頭数の約18%の11万頭ぐらいという結果でございます。
やはりこういった放牧を図る上では、土地が確保できるかということもございますし、牧柵の整理とか、水飲み場とか、そういったようなところも必要になっておりますので、私どももそういった簡易放牧等の取組とか、あとは本格的な放牧については、草地整備事業等の中で支援しているところでございまして、先ほどお話がありました優良事例、こういったものも少し御紹介させていただいておりますので、こういった取組を続けて放牧について推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 
〇犬飼畜産振興課長
加藤委員から御意見のございました養豚経営についてでございます。畜産振興課長でございます。
養豚の戸数の最近の動向を見ますと、4,000戸を切っておりまして、3,590戸ということで、令和4年は対前年比で6.8%減という状況でございます。こういった中で、日本養豚協会が会員に対する意識調査というものを行っておりまして、令和3年度の結果が直近のものでございますけれども、この中で、経営の今後の意向ということで質問しておりますが、規模拡大を予定している26.2%、現状維持65.2%、規模縮小を予定している8.6%というふうな状況でございます。
そして、経営を廃業するということを検討しているという回答のあった15経営体につきまして、その理由は、収益性の悪化等が26.7%で一番高いんですが、その次は、高齢化、あるいは施設の老朽化ということが2割になっているところです。
今後の後継者の状況ということで調査をしておりますが、そもそも企業経営なので、後継者の問題がないというのが18%、それから、決まっているというのが28%、後継者の候補はいるけれども、まだ決まっていないが19%、自分自身が若いので後継者の問題が今発生していないというのが15%ということで、後継者がいない、あるいは考えていないということで、後継者問題を抱えているのが2割という状況でございます。
このところ飼料価格の高騰という状況がございますけれども、豚価が比較的安定している状況がありますので、新しいデータなどがまた分かってきましたら、それを見て、いろいろとできることはどういうことがあるのかということを考えていきたいと思います。
以上です。
 
〇関村企画課長
企画課長の関村でございます。
私の方から2点御発言させていただきます。
1点目は加藤委員の方から養豚農家の離農の話があった件でございますが、配合飼料価格安定制度等の対策等をやっております。金融対策については、現在支援をしております。先般、1122日に金融対策として、償還猶予の条件変更等の件や円滑な融資等を金融機関に対して求める通知を出させていただきました。このような形で、しっかり金融機関の方に協力依頼をさせていただいているところでございます。現場の農家の皆さん方にもこういったような通知があるということをしっかり周知しまして、経営が厳しい方に対する円滑な資金対策というのを進めていきたいと考えております。
2点目、角倉委員の方から最後の方で、新しく始める新規就農の方へのサポートのお話がございました。これまでも新規就農者につきましては、畜産クラスター事業を活用していただきまして、施設整備や機械導入を進めていただいております。御存じのとおり、畜産クラスター事業は地域で収益性向上の取組を進めるという形で進めさせていただいておりますので、地域一体となって新規就農者をサポートする体制というのをこれまで以上にしっかりサポートしていただくように、こちらからも働きかけをしていきたいと考えております。
以上です。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。
それでは、本日午前で御退席されます里井委員、二村委員、加藤委員におかれましては、先に賛否表明をお伺いしたいと思います。
なお、先ほど御発言いただきました串田委員、角倉委員におかれましては、全委員が終わった後に、改めまして賛否聴取の場を設けますので、そちらで御発言いただければ幸いでございます。
それでは、里井委員、二村委員、加藤委員におかれましては、本日の諮問を審議するに当たりまして、参考として示された試算値を踏まえまして、賛否の御表明をいただければと思います。
なお、その際に特段の御意見がございましたら、簡潔に頂戴できればと思います。
それでは初めに里井委員、よろしくお願いいたします。
 
〇里井委員
私は賛成とさせていただきます。よろしくお願いします。
 
〇三輪部会長
ありがとうございます。
続きまして、二村委員、よろしくお願いいたします。
 
〇二村委員
ありがとうございます。私も今回の諮問については賛成とさせていただきます。ただ、先ほど御答弁の中にもありましたように、飼料の国産化ですとか、それから、畜産事業者の皆さんの生産体制の強化につながるような施策について、きちんと打っていただきたいということを意見として申し添えたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
〇三輪部会長
ありがとうございます。
続きまして、加藤委員、よろしくお願いいたします。
 
〇加藤委員
加藤です。ちょっとビデオがこちらでは操作できないのであれですけれども、賛成いたします。先ほど二村さんがおっしゃったとおりですし、現場はかなり危機的な状況だと思いますので、そのサポートありきということでお願いしたいと思います。
以上です。
 
〇三輪部会長
ありがとうございました。私もこの後、退席という形でございますので、賛否の表明をさせていただきます。
私も本審議内容につきまして、まず賛成をさせていただきます。先ほども申し上げましたように、今、畜産・酪農の事業者の方々、非常に厳しい状況でございますので、こちらが一つの中核になりますが、総合的な政策の中で、是非安心して営農を続けていただけるような施策をしっかりと持っていただければというふうに強くお願いを申し上げたいというふうに思います。
それでは、ここで一旦午前の部の方を終了させていただければと思います。
お時間、1240分までお昼休みということで、1240分に再開させていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
なお、冒頭に申し上げましたように、再開後の議事進行につきましては、大山委員に部会長代理として進めていただければと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
なお、事務局から補足などがございましたらいただけますでしょうか。
 
〇馬場畜産総合推進室長
事務局からでございます。
委員の皆様の御昼食につきましては、弁当を用意しておりますので、この場でお待ちいただければと思います。
以上でございます。
 
〇三輪部会長
それでは、午前の部をこちらで終了させていただきます。
委員の皆様、事務局の皆様、ありがとうございました。
 
午前11時36分休憩
午後0時40分再開
 
〇大山部会長代理
それでは、午後の部会を再開させていただきたいと思います。改めまして、先ほど三輪部会長から御指名をいただきましたので、議事進行の職務を務めさせていただきます、大山でございます。どうかよろしくお願いいたします。
さて、午前からの続きになりますけれども、まずは小山委員の方から御意見をいただければと思います。よろしくお願いします。
 
〇小山委員
宮城県に住む小山と申します。日本中、畜産業界、大変な中、大変御苦労様でございます。
昨日より、宮城子牛市場が始まり、名簿を見ると酪農家の受精卵が多く上場されています。収入の確保に努力している姿がよく見えます。子牛価格もまずまず安定していますが、肥育農家の配合飼料供給安定基金や、行政等からの様々な助成金を支給されている中、この子牛の価格があるかと思います。
畜産経営の拡大は、生産費が膨らみ、身を削って継続している人、辞めてしまう人はまだよしとして、辞められない人もいる状況です。借金も多額になると、周りや関連業者の影響が大き過ぎて、辞めさせられない、そんなことも耳に入ります。
我が家は雪国の山間部で、隣の集落の多くは高齢者だけ残った山間地区です。親世代は子供達に負担をかけないよう、収入確保に仕事を頑張っています。山間部の水田牧草の奨励金は高齢農業者の頼みの綱です。生産性の悪いその土地は、このままにしていたら買手も付かない土地、その後始末は悩みの種で、若い者たちへの負の遺産になると頭を抱えている方が多いのが現状です。
その効率の悪い土地でも、繁殖牛は放牧すれば草を食べ、育つ。慣れた牛は家から離れたところも苦にしない。農地を生かしながら、牛を生かしながら、水田と和牛の耕畜連携が可能です。
現況は、イノシシの親子が走り回るような状況も多く見られますが、条件の良いところや少し手を加えれば粗飼料生産とトウモロコシ、大麦を作れる広大な畑地になると思いますが、ただ土地はあっても作る人がいないという現状で、例えば、飼料会社が配合飼料だけじゃなく、こういった部分も最初から手がけていってもらえれば、まだまだ飼料生産は増えるんじゃないかなと思います。
30年前たしか、ドイツで1ヘクタールに牛は2頭までとか、所有農地の面積に合わせた頭数しか飼う事が出来ない、その頃日本は、輸入乾草はまだまだ高く、それだけで牛を飼う人はいなかったと思います、それが円高により、購入飼料だけで牛を飼うことが可能になり少ない農地でも多頭化し、輸入飼料に頼る経営が特に、今、大変になっていると思われます。
もともと、昔から私の見ていた農業は、日本の飼料だけで飼われていた、なおさら繁殖和牛は粗飼料が主で飼えます。そういった目から見れば、これからそういう道に戻れなくても何か近づいていけたら、まだまだ国産の飼料で畜産を経営することもできるのではないかと、最近、よく考えるようになりました。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、畠中委員、よろしくお願いいたします。
 
〇畠中委員
福岡県で採卵養鶏をやっております、畠中です。
今回の基準価格の見直しでは、養鶏に関しては、結構、変動係数の見直しとかというような、割と今までの枠にないような対応をしていただいて、踏み込んだ価格を出していただいて、多い、少ないとかに対してはいろいろあるかもしれませんけど、一定のそこら辺は枠を外していただいたということで、一定の評価を私自身はしているところです。ありがとうございます。
それ以外にも、国産飼料の増産に対する対策など、非常に割と私の地元でも結果というか、効果を見るようなことができるようになってきましたので、本当にその辺は非常に期待しているところです。
一方で、もう言うまでもないんですけど、養鶏業界としては鳥インフルエンザの発生がもう世界規模ですごいことになっていまして、もう日本でも今年この時点で既にものすごい羽数が淘汰されているということと、やっぱり今までとは違う、2年前も多少そういうことありましたけど、これまでの既定路線の考え方では到底対応できないような、発生の仕方が、しかも数も多いというような発生の仕方が頻繁に見られるようになってきましたので、ものすごくやっぱり生産者としては危機感を感じているところですが、農林水産省から出てくる対策というんですか、そういう言葉にしろ、何にしろ、そういうのを見てみますと、やはりまだ、出た途端に都道府県に徹底して衛生管理を守るように、指導するように指示したとか、各農家には危機感をもっと持ってやれみたいな報道が多くて、非常に生産者としては、もうがっかりというか、すごく疲弊する一方の対応しか見えない。本当はそうじゃないかもしれないですけど、見えないところで大変苦慮しているところです。
先日も大臣が、多分、これは疫学調査の結果を踏まえてのことだと思いますけども、やっぱり発生したところでは、長靴の交換など基本的なことを守られていないところがあるとかというような発表、記者発表かな、されていたと思いますけど、そうなると、やっぱり、どうしてもそういう発言が表に出てくると、ということは出ていたところは、そこが悪かったんだという印象を非常に消費者の方にさせてしまう。
守っておけば出なかったものを、守っていないから出ているんだというような印象しか公表されないというんですか、私たちが現場で感じているような肌感覚とは全く違う、今、発生しているところを私たちがうわさで聞くところによると、新築のウインドレスがかなりの割合で多いというふうに聞いています。
このウインドレス鶏舎の導入を鳥インフルエンザ対策として推薦したのは農林水産省なんですよね。最初の頃に鳥インフルエンザが日本で発生したときに、推薦したのは農林水産省がもうウインドレスだったら衛生管理ができるから、ウインドレスの方を推進するということで非常にやってきた結果、今、それがどんどん出ている。
逆に、そうじゃない鶏舎は余り出ていないというふうに現場の感覚としては感じています。その現場の感覚がどうしてもやっぱり何か伝わっていないというのか、伝わっているんだけど、表で言っていただけないというのが非常に苦しい、生産者としては苦しく思っています。
是非、そういう疫学調査の結果かもしれないですけど、そういう魔女狩りみたいな、出たところに行って穴を見つければそれはあるかもしれないけども、そうじゃない、ほかの、いっぱい、そうじゃないところが出ていないのに、そんなにすごく進んでちゃんと衛生管理をしているところで出るのはなぜかというようなことを、是非、突っ込んで解明していただきたい。
私たち生産者はもう、毎年、消毒し、石灰をまきまくり、靴を履き替え、手を洗い、毎日、そうしてやっているのに発生してしまう。それで、発生したら生産者の責任みたいに、一般消費者には伝わってしまう。経営的にはウインドレス鶏舎を建てて、新築なので融資の返済が始まった途端に鳥インフルエンザで財産を全て、鳥ですけど、財産を全て奪われてしまう。そういう立場にいるということをもうちょっと踏まえた上での対策なり発表をしていただけたら、どれだけ生産者が経済的には救われないけど、心が救われるかと思います。
やっぱり、今年発生した九州の場合、出水、鹿児島ですごくまだいまだにたくさん出ていますけど、そこなんかは発生農場の方に聞くと、やっぱりほとんどが新築のここ三、四年で建てたウインドレス鶏舎だという、そこで出ているのに、もう消毒しろ、靴を履き替えろじゃ、到底、このまま続ける気がしない。
自分のところは全部、この間、もう淘汰されてしまったので、今年は生まれて初めて鶏のいない正月を迎えると。だけど、もう出てしまったので、もうこれ以上、心配しなくてもいい、今年は。でも、これはまた来年も続く、毎年続くと思ったら、もう後継者に、息子を後継者にする気がしない。もう辞めておけと言いたいというような、今までだったら後継者がなかなか継いでくれないという問題があったけど、これは、今、継がせたくない、親が、もうこんな仕事は継がせたくない、こんな毎年心配しないといけないような仕事は継がせたくない、というところにこれだけ出れば、やっぱりそういうふうになってしまって、うちももちろんそう思わないことはない。
そういう状況の生産者をそういう言葉狩りみたいな、靴を履かないところがあるとか、網に穴が空いていたとか、そういうようなミスリードでむちを打つんじゃなくて、是非、そうやって追い込むんじゃなくて、衛生管理を徹底しろとかそういうので追い込むんじゃなくて、支援を、お金はもちろんですけど、お金だけじゃなくて、私、前回か、2年前にも言ったと思いますけど、是非、対策のための窓口を省庁を、横断したような窓口を作ってほしい。鳥インフルエンザだけじゃなくて、豚熱とかもありますから、そうしたときに雇用が守れる政策を持っているところはどこですよとか、この間、伺った出水の生産者の方も、今、一生懸命自分で調べていると。
各、どんな対策、雇用を守るための対策があるか、何があるか、融資をどうすればいいのかと言われていました。だから、そういうのが窓口でここに相談したらいろんなところの窓口を教えてくれるみたいなところがあったら本当に助かるんだけどと言われていましたけど、そういうのを、是非、作っていただいて生産者を支援する、そういう体制を、是非、お願いしたいと思います。
これまでみたいな単発で終わるような鳥インフルエンザでしたら、業界でお互いに融通し合っていろんなことができたりとかするかもしれませんけど、こと、ここに至って毎年これだけの数が発生するようなことになったら、業界の中でそれを融通し合うなんていう段階では到底ないので、是非、その辺を突っ込んでお願いしたいと思います。
この鳥インフルエンザにしてもそうだし、社会情勢にしても今までの既定路線とか、既成概念では到底追い付かないような変化を迎えていると思うので、その辺の枠を外して、是非とも踏み込んで、一歩踏み込んで、今までの衛生管理基準を厳しくするんじゃなくて、もっとほかに何か対策できるんじゃないか。ウインドレスで出るのであれば、そこの空気が原因、吸い込むのが原因だったら、その空気にウイルスを入らせないためにどうするかとかというようなことも、是非、踏み込んだところで対策を打ち出していただけないかなと切に思います。
皆さん方に言うのも変ですけど、幾ら病気とは言え、法定伝染病とは言え、民間生産者の財産を国の命令でそれを奪うんですから、その辺を踏まえた上で、やはり支援なり、言葉選びなりしていただけたら本当に助かります。
それで、今後はひょっとしたら全羽数淘汰の是非の議論とか、そういうところまで踏み込んでいかないといけない可能性もあるかなと思いますので、是非、その辺も踏まえて、今までの枠でないところの議論を、是非、お願いします。
私、農林水産省にいつも来る度に感動するのは、あそこの壁にも書いてありますけども、ビジョンステートメントですね、農林水産省のビジョンステートメント、今日、いただいた資料にも入っていますけど、私たち農林水産省は、命を支える食と安心して暮らせる環境を未来の子供たちに継承していくことを使命として、常に国民の期待を正面から受け止め、時代の変化を見通して政策を提案し、その実現に向けて全力で行動します。これはすばらしいことだと思うし、こうしていただきたいと思うので、是非、この鳥インフルエンザだけではない、飼料高とかいろいろ本当に畜産生産者の厳しい状況を是非ともくみ取っていただいて、将来の食料安保も踏まえて、この日本の食の生産における畜産というのを守っていただけるように支援、是非ともよろしくお願いします。ありがとうございます。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、羽田委員、よろしくお願いいたします。
 
〇羽田委員
羽田でございます。よろしくお願いいたします。
これまで農水省関係からのお答え等々、あと生産者の方からの御意見等々を伺いまして、本当に、今、世界的に日本国内、急激に災害と言ってもいいような変化が起こってきていると思います。
ですので、畜産部会ということで畜産のお話なんですけれども、どこの業界、産業も疲弊しているところではありますが、やっぱり畜産という生き物を扱っている産業ですので、一番、ほかの業界より厳しい産業と思います。
その中で、今まで生産者の方々の御意見等々も伺っておりまして、生産者の方々も、ぎりぎりの努力をされている。また、政府の方も、農林水産省の方々の方でも、本当にぎりぎり、でき得る限りの努力はされていると思います。
その中で、もうこれが今までの日本の物価が異常だった。で、今がもうこれが普通なんだ、ウィズコロナが普通だとなってきているように、もうこの情勢が普通だって思いながら、施策等とあと生産していくしかないのかなとは感じておるところです。
今までのやっぱり生産者の方も、あと、政府の方々も大変努力されている。あとはもう消費者も痛み分けをしなければいけない状況と考えます。
ですので、先ほど来から皆様がおっしゃっているように、もう適正価格、今までの日本の物価というところが異常だったと思うんですね。以上に安い状況が続いてきていますので、ここで本当に消費者も痛み分けということで、価格にコストが乗ってくるというところを痛み分けをしなければいけないのだろうなと考えております。
企業にしてみると、上げてしまうと消費者離れが起こるので、なかなか上げられないというところはあると思うのですけれども、どこで苦しさを味わうかだけの問題だと思うんですね、ここまできますと。
ですので、今、価格転嫁せずに、ずっと苦しい状況を続けていくのか、今、ちょっと消費者等々に離れたり、痛みを与えてしまうけれども、ここで痛み分けをすることで、今後、通常の物価に戻していくということが必要なのではないかなと思います。
ということで、私もいろいろ畜産業ではなくて、他の業界で、関与先にも、ということは賃金を上げていかなければいけないので、上げられる業種、会社には、もう人への投資ということで、賃金を上げるように、上げられるところは上げるようにということで、アドバイス、指導をさせていただいております。
それに伴って、厚労省、経産省系の補助金、助成金にはプラスアルファで賃金を上げた企業に対しては、かなりのプラスアルファの金額を載せるようにされていますので、そのようなことも誘い水として、賃金アップというところで、物価上昇、景気促進というところの努力を皆でしていくべきところなのだろうなと思っておりますので、消費者の求めるもの、いいものを作っていただければ、一時は痛いかもしれませんけれども、そのサポートを農林水産省の方でしていただいきたいなと思っております。
以上、私からになります。失礼いたします。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、ただいま、お三人の御意見を頂戴したところですので、農水省の方からまとめて回答をお願いしたいと思います。
 
〇冨澤飼料課長
飼料課長の冨澤でございます。
小山委員から御発言ありました、中山間地域で耕作がされていないような土地を使った放牧や自給飼料生産を推進すべきと言う御意見をいただいたと思います。
御指摘のとおりでございまして、小山委員、自給飼料の活用に努められた経営をされているということだと思いますけれども、やはり国内の飼料生産基盤に密着した生産、これを進めていくということが重要だというふうに考えております。
先ほどの繰り返しになりますけれども、そういった取組を御支援するために、私ども、自給飼料生産の関係、例えば飼料用トウモロコシなど飼料生産を受託しますコントラクターの機能強化とか、あと、先ほどもお話がありました、例えば水田の跡地を使った簡易放牧というのを支援ということで、電気牧柵とか水を給与するためのタンクとか、簡易な枠場、種付けをしたりするようなものを御支援させていただいているところでございまして、そういった取組は、特に中国地方、もう盛んにやっていただいておりますので、引き続き支援を進めていきたいと思います。
また、トウモロコシ、大麦、飼料作物、こういったものもコントラクター方式を通じた生産とかそういった面で御支援していくということかと思います。
また、御意見がありましたとおり、輸入粗飼料につきましては、従来、当時、円高だったというか、為替が、今は円安に振れていますけど、当時についてはかなり有利なお値段で輸入できていたところでございますけれども、やはり、こういった為替変動で粗飼料価格が上がるような状況を見ますと、国内で、小山委員のように粗飼料をしっかり生産、活用いただくということが重要だと考えております。
こういった取組を総合的に御支援していきたいと考えておりますし、また、本年度の補正予算の中では、なかなか飼料を作りにくいような方々もいらっしゃいますので、耕種農家さんと契約していただいて、耕種農家さんが生産した飼料を畜産農家が利用するような耕畜連携の取組、こういった枠組み作りについても予算を確保させていただいたところでございますので、こういったところを使いながら取組を進めていきたいというふうに考えております。
 
〇石川動物衛生課長
動物衛生課長の石川でございます。
畠中委員からございました鳥インフルエンザの関係で、大変生産者の皆様には御心配をおかけしております。
畠中委員の方からは、生産者を責めるのではなく、きちんと支援するような形での対応をお願いしたいということでございました。これまでも、発生事例ごとに疫学調査チームを派遣しまして、その概要を、今、ちょっと事例がたまっているのでなかなか全ての事例が公表されていませんけども、これを公表する意味は生産者を責めるという意味ではなくて、事例ごとにどんな点で課題、改善点があったのかをお話しさせていただくことによって、他の生産者の方に自己を振り返っていただいて、新たに改善する点はないかということの視点を御提供するという意味で公表しているつもりでございます。
対策としては、やはり飼養衛生管理、これに尽きると思っております。やれることを単にやるのではなくて、実効性のある形できちっとやるということが重要かと考えております。
例えば、先ほど、委員の方からもウインドレス鶏舎の話がございました。確かに最近、建設された鶏舎であれば、ハード面は大変きれいでございます。一方で、事例によっては、長靴の消毒とか交換は行われているということは事実でございます。ただ、効果のある方法で行われているかどうか、この点につきましては、昨年のこの畜産部会の中でも、私、お話しさせていただいたと思いますけれども、例えば、きちんと汚れを落としてから消毒するとか、消毒液は定期的に交換する、外履きの長靴と鶏舎用の長靴の交換の際には動線が交差しないようにするといった、十分な効果を発揮する方法できちんとやる必要があると思っております。繰り返しになりますけれども、やれることは全てやるということに尽きるかと思っております。
また、支援の点でございますけども、昨年も御説明したので詳細は申し上げませんけども、法に基づく手当金ですとか融資、また、加入者には補助金を受け取ることが可能な仕組みを設けております。委員のお立場からしますと少ないとの御意見かと思いますけども、我が方としては最大限支援させていただいているということでございまして、引き続き、都道府県、または関係団体と連携して今シーズンの状況は委員のおっしゃるとおり、既存の対応では発生がなかなか収まらないというような状況は我々も認識しております。したがいまして、これまでよりも1段も2段も高い防疫体制を敷くことによってこの発生を最小限に食いとどめていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
食肉鶏卵課長でございます。
まず、小山委員から肉用子牛の市場での価格が上昇しつつあるといういい話を伺いました。確かに11月、12月と家畜市場における肉用子牛の価格が上昇に転じてきて、少し安心感が出てきているところでございます。肥育農家にとっても、繁殖農家にとっても、バランスの取れた価格で安定した取引が行われることが望ましいと考えておりまして、引き続き、家畜市場における子牛価格をしっかり注視して必要な対策を講じてまいります。
また、畠中委員から、鶏卵の補塡基準価格について評価いただける御発言をいただきました。発言の中で算定の枠を外して踏み込んだ対応をしてという御指摘をいただきましたけれども、我々、算定ルールの中で特に枠を外したりはしておりません。配合飼料価格の高騰をこのルールの中で、鶏卵の中ではやはりコストの5割が配合飼料価格でございますので、その上昇をしっかり反映してルールに基づいて算定したものでございます。
この価格が一定程度引き上げられたことが生産者の皆様の安心につながることを願ってございます。また、やはり鶏卵は国民にとって、なくてはならない蛋白源、なくてはならない食料、食品でございます。生産現場の御意見もしっかり伺いながら、引き続き鶏卵が安定的に供給されるよう我々もしっかり行政として対応してまいりますので、引き続き、意見交換しながらやっていきたいと思います。
私からは以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、引き続き、御意見の聴取を進めたいと思いますけれども、馬場委員、よろしくお願いいたします。
 
〇馬場委員
全中の馬場でございます。諮問に対する賛否は後ほどということでありますが、今回の内容につきましては賛成の立場で、何点か意見を申し上げたいと思います。
加工原料乳生産者補給金、集送乳調整金、そして、肉用子牛生産者補給金の保証基準価格については、生産コストや輸送コストの上昇を踏まえ、設定いただいたものと認識しております。
また、これまでの予備費、あるいは補正予算も含めて、機動的な支援をいただいて、改めて感謝申し上げる次第です。
他方で、今後も飼料価格の高止まりが懸念される中、価格・経営動向等を踏まえて、生産者負担が急増する場合には、十分な影響緩和策を機動的に講じていただきたいと思います。
更に、前回も申し上げましたが、生乳の需給ギャップの解消に向けて、全国で生産抑制に取り組んでいます。そうした中で酪農家間の不平等、不公平感が生じているということがあります。串田委員も言われたかと思いますが、畜安法を含む現行の制度の検証を行った上で必要な対応をお願いいたしたいと思います。
そのほか、何点か申し上げます。
生産資材価格が高騰している中で、生産コストの増大分が十分価格に反映できていない状況にあります。その分、畜産・酪農経営は厳しい状況にあるわけで、特に酪農経営は大変厳しい状況にございます。先ほど羽田委員も言われましたが、我が国の消費者に対して、将来にわたって牛乳・乳製品、畜産物を安定的に供給していくためには、流通事業者や消費者の理解を得た適切な価格形成が不可欠であると考えます。
JAグループでもコストが上昇しているこの状況を事業者や消費者へ理解をいただくべく理解醸成の取組をしていますが、国におかれても適切な価格形成、価格転嫁によって生産者の再生産が可能となるよう、仕組みや環境の整備などの支援をお願いいたしたいと思います。
また、食料安全保障の観点からは輸入依存度の高いトウモロコシなどの飼料穀物、そして稲わら、牧草などの国産粗飼料について生産・流通・利用の拡大を図ることは極めて重要だと思います。
JAグループとしても全農による子実用トウモロコシ生産の実証試験など、国産飼料の供給・利用拡大に向けて取り組んでいるところです。補正予算でも対策を措置いただいておりますが、国産飼料の供給・利用拡大に向けては圃場の基盤整備や流通・保管体制の整備、そして、耕種農家と畜産農家との連携など、数多くの課題がございますので、当初予算においても万全な予算の確保をお願いしたいと思います。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、引き続きまして、彦坂委員の方からよろしくお願いいたします。
 
〇彦坂委員
神奈川県で採卵養鶏をやっている彦坂といいます。よろしくお願いいたします。
今回の安定対策事業は畜産部会にかけられるに当たり、北は北海道・東北、南は九州・沖縄をはじめとする全国の養鶏協会、地域協議会からも安定対策事業に関する要望書が日本養鶏協会に送付されたとのことです。
採卵養鶏唯一のセーフティネットである本事業に対する期待の高さを示していると思われます。生産者の経営の今以上の助けになるように、生産現場の実態により近づくよう、養鶏業界との手厚い意見交換を引き続きお願いしたいと思います。
算定については、今までどおりのエッグサイクルによる6年平均を使い続けることについての検討をお願いしたいと思います。産業構造も大きく変わっておりますし、もう一つは算定結果の平準化として平均を使うというのは合理性はあるんでしょうけれども、経営に中長期計画はあっても、経営の本番は今と来年なんですね。
ですから、より、その経営に実態に即すような算定が出るような形を希望したいなというふうに思っております。
もう一つ、畜産経営の中でコスト部門となりがちな畜糞処理・処分から有機肥料製造・販売に切り替わり、経営の下支えになるような国内資源循環の仕組み作りに今まで以上の取組を要望したいと思います。
設備についてもそうですけれども、実際に使っていただく耕種農家の方たちとの畜産資材の使い方に対する取組を国がいろんな形で、マッチングだとかそういうような形で後押しをしていただくような形を具体的に制度として作っていただければなというふうに思います。
あと、国産飼料原料について、現在、子実トウモロコシの取組をいろんなところで進められていますけれども、そのことにより、飼料米への支援が減少して、国産飼料原料の総数が減ったりというようなことがないように、今現在でも飼料米への取組をしている畜産生産者は多くおりますので、地域との連携ですとかそういうことも含めて今以上に飼料米への取組をお願いしたいなというふうに思っております。
本日は以上です。よろしくお願いします。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
引き続きまして、福永委員、よろしくお願いいたします。
 
〇福永委員
鹿児島で肉用牛を生産しております福永と申します。よろしくお願いします。
肉用牛補給金制度について意見します。
ここ数年、飼料費、燃料費、資材費など、牛にまつわる経費が3割ほど値上げして、高止まりしている状況です。昨年までは、子牛は家畜市場において安定して高値で販売されていましたが、ここ数か月、地域差、東は高いが西は安いという、私の感じで昨年度に比べると2割ほど子牛価格が下落しているように思います。
子牛生産者は、昨年までは高値が続いているため、今の現状に大きな声を上げる者はいませんでしたが、さすがに差益になって、この長引く現状に不安の声をよく聞くようになりました。このままでは、子牛生産者農家の経営していく意欲が失われるのではないかと心配しています。
飼料高値については、配合飼料安定制度というすばらしい制度がありますが、この制度も補助金が入るまでタイムラグがあるため、生産者の方々は厳しい現状にあります。また、飼料以外にも、最初に述べたように、牛にまつわる経費が大分上がっています。先ほど企画課長より説明がありましたが、円滑に政府系金融機関などによる借入れができる体制をお願いいたします。
国が掲げる自給率アップ、牛肉生産量20%増加という目標を考えれば、今、この肉用牛補給金制度が発令されないことが不思議に感じます。引き続き、繁殖雌牛の増頭支援もお願いし、今後は子牛の保証基準価格も引き上げて、できれば、マルキン制度と同様、地域ブロックを加味していただいて、子牛生産者が安心して魅力ある畜産経営ができるよう支援していただきたいです。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。それではここで一区切りをして、農水省の方からまとめて回答をお願いしたいと思います。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
馬場委員から幾つか御意見いただきました。まず、生乳流通の関係でございますけども、今、いろいろ御指摘いただきましたけども、どこに出荷しているかということに限らず、酪農家の方々が変化する需給状況等を理解して、需給緩和に適切に対応していく必要があるというふうに考えております。
我々といたしましても、その需給調整の取組が円滑に進むように、系統外事業者に対しても、個別に現在の需給状況や需給調整の意義を説明して、その理解醸成に努めていきたいというふうに考えております。
コスト高の価格への反映という話もございました。これにつきましては、今の需給緩和の状況、あるいは脱脂粉乳の在庫の状況等が影響している部分がございますけども、国においてはその需給緩和の状況を改善すべく、生産抑制の取組に対する支援ですとか、あるいは在庫については餌に活用するという取組で在庫の低減対策ということをやっておりまして、価格への反映をしやすい環境作りというのを進めているところでございます。
今後につきましても、生産コスト高を価格に反映しやすい環境作りを進めていきたいというふうに思っております。また、これに伴う理解醸成の取組というお話もございました。価格転嫁をした方がいいものの、売上げが落ちていくということは避けなければいけないというふうに思っております。
民間の方々の取組に加えて、国においても、様々な場面において理解醸成の取組を進めていきたいというふうに思っております。今、なかなか酪農状況は厳しい、酪農経営をめぐる情勢は厳しいですけども、全力を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
以上です。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
食肉鶏卵課長でございます。彦坂委員から鶏卵の安定対策事業について御意見をいただいております。
これまでも、日本養鶏協会をはじめとする全国の養鶏事業者の方々と政策について意見交換させていただきましたが、引き続き、丁寧な意見交換の中の政策を検討してまいりたいと考えております。
本事業の算定について、現在、エッグサイクル6年で平準化させることについて検討が必要ではないかという御指摘をいただいております。鶏卵の価格は、年間の中でも季節変動がございますし、また、これまで、価格の上昇と増産という中でのサイクルで、6年周期ということでやってまいりました。
その中で、一方で、今、局面が変わってきているという話もございます。価格の動向、中長期的な価格のサイクルをよくよく見ていって、今後、どうしていくかというのは意見交換しながら考えたいと思いますが、一方で、やはり高いときだけ、あるいは低いときだけに着目してものを決めることがいかがなのかということも、やはり税金の使い方としてありますので、そういった中でどういったものがバランスの取れた施策になるかというのは、中長期的な課題として、よくよく意見交換しながら進めてまいりたいと思ってございます。
福永委員から、肉用子牛生産者補給金制度について御指摘いただきました。子牛価格、先ほど、回復傾向にあると申しましたが、やはり、今年の5月から大きく落ち込んで、また、その中で、地域的な格差も大きく出ているのは事実でございます。
肉用子牛生産者補給金制度、法律に基づく牛肉の自由化対策でございますので、なかなか、今の全国一本の対応というのを変更することは困難ではございますけれども、一方で、この法律に基づく制度とは別に、別途の緊急の対策として、昨年5月に対策を講じ、また、夏に、地域的な価格差が広がっていることも踏まえまして、より地域の実情を反映できるよう、ブロック別の価格によって支援を行う仕組みを緊急的に導入したところでございます。
現在、子牛価格が上昇してきているとはいえ、まだ安定したと言える状況にもないことから、本年12月までとしていたその緊急的な対策を1月以降も、ブロック別で続けていく方向で対応しておりますので、本制度をしっかり運用しながら、繁殖農家の皆様が安心して生産いただけるようにしていきたいと考えてございます。
 
〇冨澤飼料課長
飼料課長の冨澤でございます。
馬場委員から御指摘ありました配合飼料価格の高止まりの中でも生産者支援を続けていただきたいという御趣旨の御発言をいただきました。配合飼料価格の高騰につきましては、委員御指摘のとおり、配合飼料価格安定制度で御支援してきたというところでございます。
ずっと価格高騰が続くということでございまして、令和3年度の補正予算では230億円、4月の総合緊急対策におきましては435億円、合計665億円を異常補塡基金へ準備いたしまして、飼料製造販売事業者の皆様の御協力を得ながら、補塡を実施してきているというところでございます。
また、9月には同制度の外というか、制度の中に直接ということではなくて、この配合飼料価格安定制度を支援するような、補完するような形で予備費によりまして、生産コストの削減等に取り組む生産者を対象に御支援するということで、酪農対策と合わせて504億円を措置したというところでございます。
また、加えてということになりますけれども、将来の異常補塡の発動に備えるという形で、本年度の第2次補正予算の中で異常補塡基金に充当できるような形で103億円の予算を確保させていただいたところでございまして、これらの対策を着実に実施するということと、あと、畜種ごとに経営安定対策や金融対策もございますので、こういったところ、各種施策を総合的に活用しながら経営の御支援をしていくということかというふうに考えております。
また、馬場委員の方から、国産飼料の生産を拡大していくということで、基盤整備や耕畜連携ということで、しっかり予算を確保していく必要があるという御指摘を受けております。
こちらにつきましては、先ほどの繰り返しになってしまいますけれども、コントラクターの支援とか、草地整備ということでいいますと、公共事業と言われる草地整備を基盤整備の事業も必要な予算を確保するということでございますし、草地の簡易整備という部分についても対策を用意しているということでございます。
当初ではありませんけれども、補正予算の中で、先ほど、重ねてになりますけれども、耕畜連携の予算も確保したところでございまして、今後、実施していっていただくということをしっかり推進していこうというふうに考えております。
あと、彦坂委員から、子実トウモロコシの生産拡大だけでなくて、飼料用米の生産もしっかり支援していただきたいという御要望をいただきました。飼料用米につきましては、やはり水田政策の中で進めているところでございまして、そちらにつきましては、全体の米の生産の中で御検討いただくところで、その中で必要な対策を打っていくかということかなというふうに考えておる次第でございます。
ただ、私ども畜産局としては飼料用米について、畜産農家さんとのマッチングを進めるとか、飼料用米の優良事例を御紹介するとか、そういった形で支援をさせていただきたいというふうに考えております。
あと、福永委員から、配合飼料価格安定制度の支払いの時期の問題の御指摘をいただいております。各基金協会の皆様も、支払いの方については早期にできるようにということで御努力いただいているところでございまして、従来よりも少し早めにお支払いできるようにというふうに取り組んでおりますが、やはり配合飼料価格安定基金の支払いについては、販売した飼料の量に対してお支払いするというところもございまして、その点は御理解いただければなというふうに考えておりますが、皆様に、遅れることがないように、お支払いできるようにしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 
〇犬飼畜産振興課長
畜産振興課長でございます。彦坂委員から、まず、排せつ物につきまして国内資源循環の中で使っていくという取組を定着させるべきではないかという御意見をいただきました。
先般決まりました、令和4年度の第2次補正予算におきまして、家畜排せつ物由来の堆肥などの国内資源を肥料として使っていく取組に対しまして、全体で約100億円の予算を確保したところでございます。
この中には、畜産側が高品質な堆肥を作ったり、ペレット化したりするような、そういった施設整備のための予算だけではなくて、耕種側がきちんと土壌分析をして、畜産側から供給されたものを有効に活用していくためのそういうお試しの使用とか、そういったものへの支援に対しても、この予算の中で対応することとしているところでございます。
そして、やっぱり何より大切なのは、今回、肥料原料価格が上がるということは畜産にも影響がある訳ですけれども、ある意味、今回、家畜排せつ物の有効活用ということでは、追い風なわけですが、こういう厳しいときだけ使って、状況が緩和したら使われなくなるという一過性のことで終わらないようにするということが大切だと思っております。畜産農家、それから肥料製造業者、それから耕種農家、こういった3者が、きちんと協力する形で使っていく流れを作りたいと思っておりまして、きちんとした関係が築かれるインセンティブになるような条件づけなどをしながら補助事業を進めていきたいと思っております。
これまでも、今年に入ってから日本養鶏協会の方には、肥料メーカーにお渡しするために、どのぐらい鶏糞を供給することができるのかというマッチングのための情報などもいただいてきたところですが、引き続き、そういった協力をいただきながら、しっかりとした取組につなげていきたいと思っておりますので、御理解と御協力をよろしくお願いします。
 
〇関村企画課長
企画課長の関村でございます。福永委員から御発言ありました件についてでございますが、資金対策につきましては、先ほど説明したとおり通知を出しましたが、通知を出しただけで終わりではなくて、末端まで周知が行っているかというのもフォローアップをしているところでございます。
相談窓口については、日本政策金融公庫各支店、系統機関の方、各農協の方の窓口の設置は確認をしているところでございます。積極的に御相談いただければと思います。
また、日本政策金融公庫や農林中金等の担当の方とも直接話をして、別途、協力依頼をしておりますので御承知いただきたいと思います。
2点目、増頭支援についての御発言がありました。これまで肉用牛繁殖雌牛の増頭奨励事業を今年度の2次補正予算でも、本年度実施しているのと同程度の予算をしっかり確保しておりますので、来年度も引き続き対応してまいりたいと思います。
3点目、牛マルキン事業については、引き続き適切な運用に努めてまいりたいと思います。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
では、引き続き御意見を伺いたいと思います。正好委員、よろしくお願いいたします。
 
〇正好委員
日本飼料工業会の正好でございます。本日はどうもありがとうございます。長くなりますが、御容赦いただきたいと思います。
まず、飼料メーカーの状況に関して御説明差し上げたいと思います。前回、11月7日の畜産部会におきましても、生産者の代表の方々から本当に悲痛な現場の声を伺っております。
本日も、飼料価格高騰が大きく取り上げられている中、以前、飼料メーカーは汗かいていないんじゃないかみたいな発言もあったこともあり、現状を理解していただいた方がいいのかなと思いまして、冒頭に御説明させていただければというふうに思っております。
まず、申し上げたいのは、非常に残念ながら、社員の離職が増加しています。飼料メーカーは、配合飼料の安定供給を通じて日本の畜産業に貢献するという理念の下、業務に邁進しています。最も重要なことというのは、配合飼料の製造と運搬、物流です。現物をとにかく動かす。生産者の方々に、間違いなく、遅滞なく飼料をお届けするということです。
例えば、阪神淡路大震災や、東日本大震災、近々でしたら広島、それから熊本、非常に大きな洪水被害等々ありましたが、そういった際、製造工場が被災して、その場所で製造できない、もしくは原料が、例えばクレーンが使えなくなって、原料を入れられないというような、なったとしても、物流インフラが破壊されるといった中でも、採算度外視で、遠隔地から配合飼料を運んで、何とか餌をつなぎ続けてきたというようなそういった使命感の中でやっているということを御理解いただければ大変有り難いです。
その配合飼料を製造し続けるために、やっぱり必要なものというのは安定的な設備投資です。どうしてもこれは機械ですから、摩耗しますし、壊れてきます。それをやっぱり更新していかないといけない。もしくは畜種の性能が非常に上がってきておりますので、それに対応した配合飼料を生産することによって生産効率を上げるということです。そのためには、やっぱり設備投資は継続してやらないといけない。
あと、それから、それを動かす人、実際に動かす方々、工場を運営していく中、工場の受入れをする、製造する、搬出をする、整備をする、そういった実際に働いていただく方々、もしくは販売に携わっていただく方々、この人も非常に大切であるということであります。
ただ、残念ながら、この2点、設備投資、あと、それから人といった部分に関しまして、現在、非常に困難な状況に直面しているというのが現状であります。1点目の安定的な設備投資が必要ですということは申し上げております。これ、もうずっと過去からも再々申し上げておりますが、基金負担が非常に高い。
我々といたしましても、今後、10年にわたって返済していかないといけない。一気に返済することが不可能ですので、借金しながら返済していかないといけない。収益が出ないと必要な設備投資、補修ができない状況になりつつあるといったことです。
2点目の、人が大切ですということで、それを動かす人についてなんですが、残念ながら退職者の方々が出てきて、続出しているという状況です。
生産者の方々ももちろんなんですが、我々も、配合飼料会社も、生き物を相手にする仕事でございます。そういった関係上、休みも非常に少ない。工場の方は夜勤、効率を上げていかないといけないということで、夜勤も当然ございます。必要に応じまして、休日も出勤対応をせざるを得ない職種であると。また、工場は人口が少ない地域にあって、人手の確保が都会に比べて非常に困難であるといった地域が多くございます。
ただ、昨今の若年層の方々、収入と、ライフ・アンド・ワークバランスという言葉があるんですけど、平たく言うと労働負荷が低い仕事を選ぶ傾向が強い。特に都市部でしたら在宅がないと、もう採用のところにもポチッと引っかからないというようなふうに、楽な仕事を選ぶというような傾向があると。皆さんがそうだとは申し上げませんが、そういった傾向が見られます。
このような中、危険負担が重く、畜産物価格上昇がコスト上昇につながらないと、販売価格上昇につながらない中、そうなってきますと配合飼料価格もなかなか上げづらいというか、上がらない状況になっていまして、各社の今の状況はということで、これは公開企業を見ていただければ分かるんですが、22年度の上期はもう本当にすごいことになっております。
そうなると、決算的に非常に厳しいと、働きに対して、やっぱり十分な賞与等で報いることができなくなって、同じ仕事をしても賞与が減らざるを得ないんですね。そういったことになってしまっている。
あとそれから、設備投資が十分にできない、補修も少し遅らせようかということになってくると、やはり販売している営業の人間から考えてみると、生産者の方々の御要望になかなか応えられないもどかしさ、焦燥感みたいなものから、退職者が増加し、残念ながら退職者が増加してきているんじゃないのかなということを考えます。
以上を受けまして、ちょっと2点、御質問させていただきたいと思います。1点目といたしまして、老朽化が進み、人手不足が懸念される飼料会社の現状に関して、どういうふうにお考えなんでしょうかというのが1点目。
あと2点目が、これは後から述べさせていただきます、食料安全保障とも絡んでくるんですが、穀物の備蓄を配合飼料メーカー、国の代わりに請け負っております。飼料メーカーがなくなったら、食の安全保障を担う備蓄をどのようにされるんでしょうか。この2点に関してお尋ねしたいと思います。
あと、続きまして、何点かに分かれるんですが、大きく分けて飼料高騰対策というところでございます。飼料高騰への対策といたしまして、配合飼料の価格安定制度が連続して発動されております。異常補塡基金の財源として、国からは計665億円、令和3年度で230億円、令和4年度で435億円が追加造成されております。
飼料メーカーが同額を造成しないといけませんが、先ほども申し上げましたが、一度に積むことは不可能です。よって、銀行から借り入れまして、これから10年にわたって返済していかないといけません。
これはもはや民間企業の負担の限界を超えている状況でございます。その後、第2次補正予算で国によります103億円の追加造成が措置されています。再度申し上げますが、民間企業の我々にこれ以上、積立てする力はないことを御理解いただいており、引き続き、どのような対応ができるのか、いろいろ御相談させていただきたいというふうに考えているところであると、前回11月7日に冨澤課長様より御返答いただいた限りでございます。
そういった中、第3四半期も異常補塡が見込まれて、異常補塡基金の財源はほぼ枯渇している状況下、前回申し上げて全額国費による直接的な生産者への支援をお願いを、先ほども申し上げましたが、したところ、いろいろと相談させてほしいと回答いただいておりますが、残念ながら、我々には何も御連絡、御相談もなく、今後、通知があるものと考えておりますが、昨日の自民党の畜産酪農対策委員会において、農林水産省より、配合飼料価格高騰緊急対策、補正103億円について、民間の積立てがなされるまでの間、つなぎとなる拠出金を準備との説明がされたと伺いました。
我々、民間団体といたしましては、配合飼料の安定供給を通じて日本の畜産業に貢献していくという理念の下、日々努力しておりますが、今回の農林水産省の決定は、民間と行政の信頼関係が崩れてしまったと感じており、残念でありません。
質問といたしましては、次の3点でございます。
令和4年度第3四半期異常基金については、払い切りとお考えなんでしょうか。また、103億円の活用をどのようになされるのかお教えください。
2点目といたしまして、令和4年度第4四半期異常基金の補塡資金について、どのようにお考えなのか、お教えください。
3点目といたしまして、仮に令和4年度第3四半期以降において、異常基金について、合積みができない団体が出た場合は、どのように補助金を扱われるのか。つまり、合積み合意した団体のみ補助金は交付し、合積み合意しない団体には交付しないのか。もしくは、補助金を補助金部分のみ交付するのか、御確認をよろしくお願いいたします。
次に、令和4年度の第3四半期において異常補塡基金は発動条件を満たしておりますが、国、民間ともに資金を積むことができなかったことから、制度的な欠陥が明らかな現行の配合飼料価格安定制度については、再三再四見直しの検討をお願いしてまいりました。
前回の御回答は、いろいろな意見があり、早期に結論を出すことは難しい。3基金から話を聞くことから始めるとのことでした。しかし、前回の畜産部会では、私を含めまして5名の方から制度見直しの意見がありました。であれば、これまでも話を聞いておられる3基金からではなく、幅広い方々が会して意見を述べ、議論する場を早急に立ち上げていただきたくお願いいたします。
なお、我々の要望としては持続可能な制度となるよう、令和6年度をめどに、他の価格差補塡制度と同じく、国と生産者とが、毎年度決められた単価に従って財源を積み立てる方式に移行することと考えておりますが、農林水産省様で御検討していただいているスケジュールについて、御明言いただければ幸いでございます。
次に、食料の安全保障についてです。飼料価格の高騰は、皆様から言われておりますが、ロシアによるウクライナ侵攻、大幅な円安といった専ら外的な要因なものでございます。これが生産者の販売価格まで適切に転嫁がなされなければ、畜産物の再生産は不可能であり、食料の安全保障自体が成り立つのが難しいと考えております。
残念ながら、生産者の力は圧倒的なバイイングパワーの前では限界があります。前回、11月7日にも同様のことをお尋ねしており、その際に、生産コストアップは消費単価に反映するのは経済の基本とのお答えをいただいており、農畜産物の適切な価格転嫁について、欧米でのどのような政策・対策が取られるのかお尋ねいたしましたが、適正な価格形成、転嫁のためには、政府による継続的で強力な対策を今後どのように進めるのか、お教えください。
最後のところでございます。コスト低減のための規制の見直しに関してでございます。過去に定められ、現状に合わない規制、海外と異なり、合理的でない規制の見直しについては、消費安全局畜水産安全管理課の御担当官と定期的に意見交換させていただいており、感謝申し上げます。
本日は、コスト低減に直結する3点に絞ってお願い申し上げます。
1点目は、日本標準飼料成分表の改訂です。昨年、お願いした検討がスタートしたことに御礼申し上げます。ただ、13年間も改訂されなかったため、実態との乖離が大きく、大きな影響が出ています。この改訂には多大な時間と費用を要すると思われますので、海外の先進的なデータを活用するなど、柔軟に、かつスピーディーに進めていただきたいと思います。
2点目は、品質表示についてです。粗蛋白や粗脂肪などの栄養成分の保証値を「以上」「以下」で表示することについて、海外や日本国内の食品と同じように、一定の許容値を持った中心値の表示に変更していただきたいこと。
3点目は、現行の一律7日間となっている抗菌性飼料添加物の休薬期間について、科学的な評価に基づき設定していただきたいこと。
いずれも技術的な課題ではありますが、規制見直しはすべからく飼料製造のコストダウンに直結いたしますので、原料価格が高騰する中、スピード感を持って進めていただくことを切にお願いするところでございます。
以上でございます。ありがとうございました。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
では、続きまして、松田委員、よろしくお願いいたします。
 
〇松田委員
日本乳業協会の松田でございます。
令和5年度畜産物価格及び畜産をめぐる情勢に対する意見につきましては、前回、酪農乳業界にとっての喫緊の課題である当面の需給問題への対応と、令和5年度に必要と考えられる酪農乳業対策に関して意見を述べさせていただきました。
今回は、その後の需給の推移などを踏まえまして、2点、また追加で意見を申し上げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
まず、1点目でありますが、当面の需給の実態と、必要と考えられる対応策についての意見であります。11月からの価格改定と当面必要と考えられる対応策として、前回、一つ目は、処理不可能乳が発生したときの懸念。二つ目として、生産抑制に対する指導・支援。そして、三つ目として、生乳流通混乱の可能性について意見を述べさせていただきました。
その後の推移を見ますと、依然として処理不可能乳発生の懸念はありますが、生産者の御努力により取組が効果を表しつつあるというふうに考えております。
例えば、北海道の指定団体の販売実績を見てみますと、4月は対前年同月比、プラス3%の生産でありましたけれども、9月に入りますと、同様にマイナスの2%、そして10月はマイナスの2.8%、更に11月にはマイナス4.4%と急速に生産を抑制していることが分かります。
他方、これは馬場委員からもお話がございました内容でありますが、農林水産省の牛乳乳製品統計から、北海道の系統外の出荷量の推移を見てみますと、対前年同月比が逆に増加傾向で推移していると見られ、需給調整上の観点からは、公平性が確保されていないと認識をいたしております。
こうした中で、国内外におけるSDGs、あるいは環境を重視する動きの加速を受けて、農林水産省はみどりの食料システム戦略を策定し、食品ロスの削減を推進していると承知をいたしております。このような世界の潮流や政策の方向性を踏まえれば、脱脂粉乳を飼料に転用するような対策をできる限り講じなくて済むようにする必要があると考えております。
このため、需給に関連する補助事業や制度には、食品ロスの削減に向けて適切な指導ができるよう、需給調整に協力することといったような趣旨のクロスコンプライアンスを導入することにより、生産者間の公平性の確保も図れるよう制度運用の改善を検討していただきたいと考えております。
2点目は、中長期的な需給安定のための制度検討についての意見でございます。依然として、生産は過剰基調が続いていることから、生産者団体は、来年度も引き続き生産抑制の取組を継続する方針であると聞いております。また、このような生産者による需給均衡に向けた生産抑制の取組を支援するため、農林水産省は、補正予算により、酪農経営改善緊急支援事業を措置したと承知しており、成果が上がることを大いに期待しているところでございます。
しかしながら、需給均衡を図るため、脱脂粉乳ベースの需要に応じた生産抑制のみで対処すれば、生産基盤強化に向けて支援を強化し始めた頃の生産水準に逆戻りすることになってしまいます。言い換えれば、これまで農林水産省が多額の予算を確保して講じてきていただきました畜産クラスター事業や、業界拠出による自主対策などにより生産基盤の強化を図ってきた努力の成果が水の泡になってしまうということになりかねません。
他方、生産抑制に併せて確実な需要確保対策を講じることができれば、これまでの生産基盤強化に向けた努力の成果を無駄にすることなく、相当程度、活かすことができるだけではなく、早期の需給均衡の達成にも貢献するものと考えられます。
加えて、世界の食料調達事情が不安定化する中、我が国の食料安全保障に貢献するとともに、他の産業が立地し難い地域の経済活性化にも資するものと考えられます。このため、乳業者としては、新商品の開発や、様々な価値の発信などを通して需要拡大に努めてまいる所存であります。
農林水産省におかれましても、当協会も協催する牛乳でスマイルプロジェクトを立ち上げるなど、需要拡大に取り組んでおり、感謝申し上げる次第であります。
こうした中、需給の改善をより確実にするために、これまで申し上げてきたことの繰り返しになりますが、生産基盤を毀損しないためにも、確実な需要のあるチーズ等の輸入品との置き換えなどにより、中長期的に需給の安定と酪農経営の安定が図れるような制度運用の改善を検討していただくようお願い申し上げます。
また、補正予算において、過剰在庫の保管に対して一定の措置がなされると聞いておりますが、乳業者が抱える必要量を大幅に超える過剰在庫の一部についても、調整保管事業等により市場から隔離し、乳製品市場の安定化が図れるように検討をしていただければ幸いでございます。
以上であります。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、私の方からも発言をさせていただきたいと思いますけれども、今日の議論の中では、酪農の話も非常にたくさん出てきたわけですけれども、特に今の現状というのは、やはり都府県の酪農の基盤がなかなか維持できない非常に難しい状況にある中で、北海道はその分を何とか補ってきた中での本当に悲劇的な状況にあるのかなというふうに理解をしているところであります。
今日の議論の中で、いわゆる生産抑制と、それから消費拡大というようなことが言葉として、キーワードとして出てきたわけですけれども、皆さんよく御存じのとおり、なかなか牛をすぐに増やすといっても、そういうわけにはいかないのはよく御存じのことだと思います。牛の生理的なこともおっしゃっていましたし、頭数的なことに関しても、なかなかそんな一朝一夕にできることではないのかなというところで、十分にその辺り、今のうちから考えておく必要があるのかなというふうに思っているところです。
この状況の中の対応に関しては、もう多くの委員の皆さんが御指摘のとおり、やはり短期的にはこういう、今議論しているような補給金なりというようなことが一つの下支えにはなってくるんでしょうけれども、より長期的にはやはり価格に何とか転嫁できるような社会、マーケットというものを醸成していくということが、中長期的には、その辺りはやはり重要なんじゃないかなというふうに考えているところです。
消費者は、やはり価格というのはどんなアンケートを見ても、食料品に限らずですけれども、価格を一番重視しているというところではあるんですけれども、やはりそこに価値を認めてもらって、その価値に見合った価格を支払っていただくということが重要なのかなというふうに思っております。
その価値をどうするかというところが恐らくポイントになってくるのかなというふうに感じているんですけれども。やはり、農業、畜産も含めて広い意味で農業というものが持っている機能です。当然、食料安全保障というのは一つの大きな価値でもあるでしょうし、あるいは環境景観形成の価値、あるいは国民の健康、暮らしというようなものに対する価値というようなものをやはりしっかり理解をしてもらって、それを基に納得をして価格を付けていけるというような体制に持っていっていただきたいというふうに思っているところです。
ただ、これを誰がやるのかということになったときに、やはり農水省さんだけではなかなか難しいのかなというところも感じているところです。先ほど述べたような農畜産業が持っている価値ということを考えれば、例えば、厚生労働省なり、環境省もそうかもしれません、文部科学省なんかも該当するのかもしれません。そういったところの省庁とも、生産者、あるいは幅広い省庁、それから、流通、この辺りでしっかりタッグを組んで、先ほど言ったような価値の醸成に進んでいっていただければなというふうに思っているところです。
決して中長期というのは、先延ばしということでは、やはり、ないはずなので、時間のかかることだろうということは推測できますので、その辺り、一歩ずつ進めていただくように検討いただければ非常に有り難いというふうに思っているところです。
ほかの委員の方も非常にこの辺りのことはたくさん御指摘いただいたところなので、重複して申し訳ありませんけれども、私の方からは以上とさせていただきます。
それで、最後になりますけれども、本日御欠席をされております駒井委員から御意見をお預かりしておりますので、事務局から代読をお願いしたいと思います。
 
〇馬場畜産総合推進室長
駒井委員の意見、五つにつきまして代読させていただきます。
まず、一つ目でございますが、国産牛肉の価格状況については農林水産省からの報告のとおり、ここのところ、国産牛肉、国産豚肉とも、比較的安定した水準にあり、流通に混乱が生じている状況ではありません。
ただし、牛肉については、多くの食料品が高騰と言ってよいほど価格上昇している中、他の食料品に比べて高価格の牛肉の消費に影響が出るのではないかと懸念しているところです。長期的な観点からも、消費者の求め易い、手頃な価格の国産牛肉の供給という視点も重要であることを改めて申し上げます。
2点目です。前回の会合で、卸売市場運営に当たっての諸経費の高騰について紹介したところですが、その際、全産業にわたる課題なので、政府全体で検討しているところとのお話があったと思います。現在どのような検討になっているのか、教えてください。
3点目です。牛肉の輸出促進について、特に、食肉処理・加工の現場では、従来以上あるいは従来とは違った処理を求められ、色々と工夫をしてはいるのですが、なかなか困難な状況があります。年末に向けて、様々な施策の検討が行われていると思いますが、引き続き、具体的な課題の解決並びに、継続的な技術面、資金面での支援をお願いします。
4点目です。一昨年以来話題にしてきた原皮についても、卸売市場での価格は、1枚1,000円だった牛原皮は10円、1枚30円だった豚原皮も2円まで下がり、少し戻して10円ということで、極めて低い水準が続いています。
原皮価格の低下は、世界的な需要変化による構造的なものとも聞きます。産業廃棄物とせず、何らかの形で利用される商品の原材料として供給し続けられるような方策をお願いしたいと考えます。
5点目です。秋以降、鳥インフルエンザの発生が報道されるようになりましたが、豚熱の農場での発生も継続しております。家畜疾病の水際対策、防疫対策については、全世界での発生状況に合わせた、しっかりした対策をお願いします。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、農水省からまとめて御回答をお願いしたいと思います。
 
〇冨澤飼料課長
飼料課長の冨澤でございます。
正好委員から御質問がありました点でございますが、飼料製造事業者の方の現状や、穀物の備蓄についての考えということでございます。先ほど、正好委員からお話がありましたことは、飼料工業の皆様の大変な御苦労ということでございました。
私どもは飼料会社に対する直接的な御支援というのは多くはないのですが、産業競争力強化支援法によりまして、合理化を進めるに当たっての工場の再編等に対します税制の特例という措置もございます。また、額が少ないということかもしれませんけれども、農畜産業振興機構の事業の中でも、飼料工場の再編・整備に関して、一部、御支援する事業も措置させていただいているというところでございます。
更に、飼料穀物の備蓄ということで、私ども、補助事業の中で備蓄いただいている数量の保管経費の3分の1を支援させていただいておりまして、きちんと配合飼料原料が確保できるように取組をお願いしているというところでございます。
また、緊急時の配送ということでございまして、こちらの方も全額ということではございませんけれども、配送を変えて供給する場合も、かかります経費についての御支援を措置させていただいております。
更に、配送の関係で、今後、やはり輸送費の上昇が想定される中で、合理的な配送ができないかということで、そういった面の検討の事業も措置させていただいておりますので、それらを活用しながら御支援してまいりたいと思っております。
続きまして、前回の部会の中で、私の方から今後の生産者の経営継続のために支援の対策について御相談させていただきたいという発言をさせていただいたんですが、私の中身としては全額国費で支援することについて相談させていただきたいという発言の趣旨ではなかったということでございまして、誤解を招いたような御発言があれば、そこはお詫びしたいと思いますが、私の方としては、配合飼料価格安定制度の中の生産者支援の観点から、いろいろ御相談をさせていただきたいという趣旨で発言させていただいたものということでございます。
この中身ということで言いますと、補正予算で当時、案として計上することになりました103億円、これについて御指摘を受けた中でのものでございます。103億円部分について、今回、2次補正予算で計上させていただきまして成立したわけでございますが、こちらの方は、先ほどの、その次の御質問がありましたけれども、これは今後というか、将来的に異常補塡の財源として必要になる可能性があるものに対応できるように要求させていただいたものでございますので、この積み増しに対しての対応というものについては、これからやはり飼料製造事業者の皆様、また基金協会の皆様とよく相談させていただいて、農家さんに御支援ができるように取り組んでまいりたいと考えている次第でございます。
また、配合飼料価格安定制度の今後の運用方法について、第3四半期、第4四半期、更に異常補塡の支払い方法について御質問いただいたわけですけれども、こちらについては、これから、ものがいろいろ出てくる状況でございます。関係事業者の方々ともよく御相談させていただきながら、対応を検討していくというふうに考えておる次第でございます。
また、制度の見直しについて御意見がございました。前回の中で私の方からは、やはり関係者の皆様としっかり意見交換をしていきたいと。そのためにはいろいろ課題があって、早急にはなかなか難しいということでお話しさせていただきました。これまでも生産者の皆様からはしっかりとした予算確保とか、高止まりへの対応とか、ほかの経営安定対策との整理というような意見もいただいている一方で、会長からは、今、御発言があったような御意見をいただいているところでございます。
配合飼料価格安定制度については、飼料価格の急激な上昇を緩和するための仕組みということで、もともとが生産者の皆さんと飼料メーカーさん等の取組を国が支援する形でスタートしたものでございますし、ほかの畜種ごとの経営安定対策との関係もございますので、こういったところをよくよく検討していくということかと思います。
こういった中で、私ども、まずは基金に関係いたします3基金の方々や、組織でいいますと飼料工業会さんや専門農協さん、全農さん、こういったところと本年中には、一度、打合せをして検討を進めたいというふうに考えておるところでございます。
 
〇郷畜水産安全管理課長
引き続きまして、消費安全局畜水産安全管理課長でございます。
正好委員から飼料コスト低減のための規制の見直しについて御意見がございました。1点目の日本標準飼料成分表の改訂についての御意見につきましては、本年度から、昨年度の末ですかね、から検討を開始いたしまして、現在も鋭意検討いただいているところでございます。スピーディーにやるべきという御指摘を受け止めまして、専門家の方々にも情報共有いたしまして、できるだけ早く前に進められるように進めてまいりたいと考えてございます。
あと、2点目の御指摘でございました、飼料の品質に係る表示方法の見直しについてでございます。現在、配合飼料の表示事項といたしましては、成分量ですとか、栄養価ですとか、あるいは原材料などが定められております。これらの情報は生産者にとって有用な情報ではあるんですけれども、一方で、コストについても、やはり考慮しなければいけないと。このバランスが重要になっているというふうに認識しております。
引き続きしっかりとした見直しを進めるために、まずは中心値表示の可否を含めまして、見直しの優先順位、あるいは方向性について飼料製造業者の方々だけではなくて、畜産経営者の方々からもお話をよく伺いまして、方向を定めながら検討を進めていきたいと思います。できるだけ早く進めたいと思っております。
3点目、飼料添加物、特に抗菌性飼料添加物についての休薬期間について御指摘がございました。飼料添加物、現在、159種類指定してございますけれども、その中で抗菌性の飼料添加物というのは16種類でございます。この抗菌性の飼料添加物につきましては、ヒトへの健康の影響というのをきちんと評価しなければ休薬期間を定められないというものになってございます。
最新の科学的知見を踏まえて、これらの見直しを行っていく必要がございますが、他方、現在、この科学的知見が十分に整っていない状況にございます。ここにつきましては、どのような剤、具体的な剤、優先度を定めながら、出来上がったものから前に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
これからも飼料規制の見直しについては、生産者を含む飼料関係者にとって、より良い制度となるようにスピード感を持って取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
正好委員から御意見のありました価格転嫁の件について御説明させていただきます。
例えば、フランスであれば、農業者と最初の購入者の間での契約締結を義務化し、流通における原価割れでの販売を禁止するなどしたエガリム法という法律がございます。我が国としては海外の法律の事例の調査などもしながら、我が国においてはどういった適正な価格形成の在り方ができるかということについて、引き続き検討してまいりたいと考えています。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課長でございます。
松田委員から御意見いただきました。まず、生乳流通の公平性の確保に関する御意見がございました。需要に応じた生産に努めることはあらゆる産業の基本であるというふうに考えております。農林水産省としては、系統に限らず需給調整の取組が円滑に進むよう、系統外事業者にも個別に現在の需給状況や需給調整の意義を説明して、その理解醸成に努めていきたいと考えております。
なお、系統出荷者の方々が生産抑制に取り組んでいるのは、取引相手である乳業メーカーからの要請もあってのことであり、乳業メーカーにおいて今まで以上に需要拡大を行っていただければ、生産抑制を行う必要はないということにもなります。
新商品開発や増量キャンペーンなどに取り組んでおられるのは承知しておりますけども、今まで以上の需要の拡大の取組をお願いしたいというふうに考えております。
また、需給に関連する補助事業の要件に需給調整への協力を求めることにつきましては、需給に関する補助事業の範囲をどう考えるか、独占禁止法との関係をどう考えるかといった課題があるというふうに考えております。
次に、輸入チーズとの置き換えなどによって需給の安定等が図られる制度の検討についての御意見がございました。国産チーズの販売価格につきましては、乳業メーカーと生産者団体が交渉して合意した価格をベースとしたものでございまして、まずは乳業メーカーと生産者団体とで国産チーズについて、今後、どういうふうにしていきたいかということを御議論していただく必要があると考えています。
国内におけるチーズ需要をどう取り込んでいくかということについての問題意識は国においても、当然、ありますけれども、更なる国民負担ありきでの事業活動は適切ではないというふうに考えています。
農林水産省では、これまで国産チーズの競争力強化を図るために、総合的なTPP等関連政策大綱に基づきまして、品質向上などに資する取組を行う生産者への支援などを平成29年度補正予算から継続的に実施してきたところであり、令和4年度第2次補正予算においても措置したところでございます。引き続き、国産チーズの競争力強化を図っていきたいというふうに考えております。
在庫対策についての御意見がございました。乳業メーカーが在庫を持つのは通常の経済行為でございます。農林水産省としては生産コスト高を乳価に反映しやすい環境を整備して酪農経営の安定を図るという観点から、生産者と乳業メーカーが協調して行っている脱脂粉乳の在庫低減の取組に対する支援を行っているところであり、令和4年度第2次補正予算において、生産者団体による乳製品在庫の長期保管の取組に対する支援を措置したところでございます。
乳業メーカーにおかれましては、今後の乳価につきまして酪農経営の現場の状況を十分に踏まえて対応していただけると有り難いというふうに考えております。よろしくお願いします。
以上でございます。
 
〇猪口食肉鶏卵課長
続きまして、食肉鶏卵課長でございます。
駒井委員からの書面での御意見について簡潔にお答え申し上げます。
まず、消費者の求めやすい手頃な価格での国産牛肉の供給という視点をという御指摘でございます。国産牛肉につきましては、約半数が和牛、残りを酪農由来の交雑牛ですとか、ホル雄が4分の1ずつ占めるなど、多様な品質、価格帯の牛肉が生産され、今、供給されているところでございます。
和牛の消費者ニーズへの対応という観点からは、午前中に里井委員からの御指摘に対して回答しましたので割愛させていただきますが、農林水産省といたしましては、消費者の多様なニーズに留意しながら、生産基盤の強化を進めてまいりたいと考えてございます。
前回の議論で、諸経費の高騰、特に電気料金の上昇に対する負担軽減対策について、私から申し上げたことについて御質問いただきました。
今回の補正予算で令和5年の1月から電力の使用量に応じた料金の値引きを行って、急激な料金の上昇によって影響を受ける企業の負担を直接的に軽減するということとされていまして、例えば、高圧契約の企業などは1キロワットアワー当たり3.5円の値引き支援が行われると承知しております。
牛肉の輸出促進につきましては、これまでもソフト面、ハード面、パッケージで支援してまいりましたが、昨今、今回の補正予算で追加したことにのみに焦点を絞って申し上げますと、対米輸出認定を受けた食肉処理施設における血斑発生対策のための設備の改良・導入につきまして、新たに支援することといたしました。
引き続き、輸出促進につきまして必要な予算の確保に努めてまいります。
原皮価格について、前回に引き続き、御意見をいただいております。卸売市場における原皮の取引価格につきましては、市場、と畜場と、原皮業者との間の交渉で決定されるものと承知しておりますが、世界的な皮の需要に基づく国際価格とタイムリーに連動しているわけではないと理解しております。
現在、原皮の輸出価格につきましては、コロナの影響で世界的に需要が減退して、大きく低迷した頃と比べれば回復している状況にあります。引き続き、注視してまいります。
委員御懸念の原皮需要の低下につきましては、やはり有効活用されることが大切だと考えております。新たな需要開拓に向けた業界の取組を期待しておりまして、農林水産省としてどのような後押しが可能か、業界ともよく議論してまいりたいと考えております。
私からは以上です。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
牛乳乳製品課の大熊でございます。回答が漏れておりましたので、回答させていただきます。
小山委員から御指摘がございました牛の数についてのお話がございました。生産抑制しているけれども、すぐに出すことはできないというお話でございますけれども、今般の国の補正予算におきましても、生産者団体による生産抑制の取組というのを支援するという措置を盛り込んでおりますけども、当然、これはもともと設定して、ある数をそのまま全てやるということではなくて、もちろん、需給状況を見ながら適切に運用していきたいと思っているところでございます。
以上です。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
 
〇石川動物衛生課長
動物衛生課長でございます。
駒井委員からございました水際検疫対策でございますけども、簡単に申し上げます。令和2年の家畜伝染病予防法改正によりまして、家畜防疫官の権限強化と輸入検査に関する罰則の強化を図ったところでございます。
家畜防疫官につきまして、今年度末には526人、また、検疫探知犬についても140頭体制ということで、今後、年末年始、また来年1月下旬の春節を迎えるため、人の移動の活発化が見込まれますので、先日省内の防疫対策本部を開催しまして、最大限の緊張感を持って発生予防及び蔓延防止対策と水際対策の徹底に取り組んでいくことを確認するとともに、関係者の皆様に、対策の強化を呼びかけるメッセージを大臣から発出させていただいたところでございます。引き続き、全力を挙げて取り組んでまいります。
以上でございます。
 
〇大山部会長代理
よろしいですか。ありがとうございました。
それでは一通り出席委員全員から御発言をいただきましたので、意見の聴取につきましてはここまでとしたいと思いますが、いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、質疑応答、意見聴取についてはこれにとどめまして、これより諮問に対する賛否表明を聴取いたしたいと思います。
各委員より本日の諮問を審議するに当たり、参考として示された試算値を踏まえ、賛否を御表明いただければと思います。その際、特段の御意見があれば、簡潔にお願いしたいと思います。
それでは、リモートで参加されておられます小山委員から、順次、お願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか、小山委員。
 
〇小山委員
小山です。
 
〇大山部会長代理
よろしくお願いします。
 
〇小山委員
お願いします。進めていただきたいと思います。
 
〇大山部会長代理
賛否の表明を。
 
〇小山委員
賛成でお願いします。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
引き続きまして、串田委員、よろしくお願いいたします。
 
〇串田委員
私も今回の諮問に対しまして賛成とさせていただきたいと思います。その中で、先ほども申させていただきましたけれども、改めて、今後におきます酪農畜産経営の安定に向けて、更に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
〇大山部会長代理
角倉委員、よろしくお願いいたします。
 
〇角倉委員
私も賛成いたします。今後も私たち生産者が前向きに取り組めるようにサポートしていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 
〇大山部会長代理
続きまして、畠中委員、よろしくお願いします。
 
〇畠中委員
畠中です。先ほど、私がいろいろ余計なことを言ったんですが、気持ちとしては200円の壁を越えてもらったというようなところであって、決して何か他意があったわけではありませんので、もし必要でしたらその部分は削除していただいても構いません。
そういうことで、私としてもこの内容に関しては賛成させていただきます。よろしくお願いします。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございます。
リモートで参加されている羽田委員、よろしくお願いいたします。
 
〇羽田委員
羽田でございます。賛成いたします。よろしくお願いいたします。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
それでは、馬場委員、よろしくお願いいたします。
 
〇馬場委員
私も賛成であります。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございます。
それでは、彦坂委員、よろしくお願いいたします。
 
〇彦坂委員
私も賛成です。よろしくお願いいたします。
 
〇大山部会長代理
引き続きまして、福永委員、よろしくお願いいたします。
 
〇福永委員
私も賛成いたします。以上です。
 
〇大山部会長代理
正好委員、よろしくお願いいたします。
 
〇正好委員
賛成いたします。よろしくお願いいたします。
 
〇大山部会長代理
松田委員、よろしくお願いします。
 
〇松田委員
賛成であります。よろしくお願い申し上げます。
 
〇大山部会長代理
ありがとうございました。
私も委員として賛成ということでお願いしたいと思いますので、全体で賛成多数ということでお認めしたいと思います。
以上をもちまして、意見聴取並びに諮問等に対する賛否表明が終了いたしました。
それでは、これから本日出された御意見を事務局で簡潔に整理していただきますので、その間、休憩といたします。
1530分をめどに部会を再開して、委員の皆様方に意見の概要の確認、それと取りまとめを行いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
なお、松田委員におかれましては所用によりここで御退席ということになりますので、ありがとうございました。
それでは、休憩……、角倉委員……、14時までです。お二人、これで御退席ということですので、ありがとうございました。
 
午後2時30分休憩
午後3時37分再開

〇大山部会長代理
お待たせいたしました。それでは、部会を再開したいと思います。
まず事務局から配布されました意見の概要原案を御一読いただき、その後、皆様から御意見をお伺いしたいと思います。
それでは、3分ほどお時間を取りたいと思いますので、御一読をお願いいたします。
 
(概要原案一読)
 
〇大山部会長代理
急ぎで申し訳ないですけれども、皆さんそろそろよろしいでしょうか。
よろしければ、今お配りしております意見の概要の取りまとめを行いたいと思います。
今、御覧いただいています意見の概要案について、御意見等がありましたら挙手をお願いしたいと思います。リモートで御参加の方についても挙手のボタンでお願いできればと思います。
いかがでしょうか。
よろしいでしょうか。特に御意見もございませんようですので、挙手もされていないようですので、ありがとうございました。特段の意見がございませんようですので、この意見の概要の内容で公表資料とさせていただきたいと思いますが、こちらについてよろしいでしょうか、最終確認。
 
(異議なし)
 
〇大山部会長代理
ありがとうございます。
それでは引き続き、答申案の承認に入りたいと思います。
事務局から答申案の配布をお願いしたいと思います。
 
(答申案配布)
 
〇大山部会長代理
行き渡りましたでしょうか。
それでは、事務局の方から答申案の朗読をお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
それでは答申案を朗読させていただきます。
 
4食農審第58号
令和4年12月14日
農林水産大臣野村哲郎殿
食料・農業・農村政策審議会
会長大橋弘
答申
 
本日、諮問された次の事項について、下記のとおり答申する。
 
1令和5年度に交付する加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価を定めるに当たり留意すべき事項(令和4年1214日付け1943号)
2令和5年度の肉用子牛の保証基準価格及び合理化目標価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項(令和4年1214日付け1945号)
3令和5年度の鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格を試算に示した考え方で定めるに当たり留意すべき事項(令和4年1214日付け1946号)

1加工原料乳についての生産者補給交付金等に係る総交付対象数量並びに生産者補給金の単価及び集送乳調整金の単価については、生産条件、需給事情及び物価その他の経済事情を総合的に考慮すると、試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
2肉用子牛の保証基準価格については、生産条件及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮すると、令和5年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
肉用子牛の合理化目標価格については、令和5年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
3鶏卵生産者経営安定対策事業に係る鶏卵の補塡基準価格については、生産条件及び需給事情その他の経済事情を総合的に考慮すると、令和5年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
鶏卵生産者経営安定対策事業に係る安定基準価格については、令和5年度につき試算に示された考え方で定めることは、妥当である。
 
以上でございます。
 
〇大山部会長代理
それでは、ただいま朗読いただきました答申案につきまして、御賛同を得られるようなら、この場でこの案で決議をしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 
(異議なし)
 
〇大山部会長代理
特に御異議はございませんでしょうか。ありがとうございます。
以上をもちまして、本答申案については、当部会の決定と同時に、関係規則に基づきまして、食料・農業・農村政策審議会の正式な答申といたしたいと思います。
ありがとうございました。
 
〇馬場畜産総合推進室長
失礼します。事務局からですが、藤木政務官にお越しいただきますので、このまましばらくお待ちいただければと思います。
 
〇正好委員
すみません、ちょっとよろしいですか。この意見の概要で、丸三つ目のところの串田委員のコメントのところで、生官一体じゃなくて生処官一体と書いてあるんですけれども、これはこういう言葉の使い方をするんでしょうか。生官一体で取り組むということだったと思うんですけれども、生処官一体というと。
 
〇大熊牛乳乳製品課長
それに関しては、処というのは乳業メーカー。
 
〇正好委員
そういう意味ですね、ごめんなさい、分かりました。ありがとうございます。すみません。
 
(政務官入室)
 
〇大山部会長代理
それでは、答申につきましては、食料・農業・農村政策審議会として、農林水産大臣に提出するわけでございますけれども、本日御出席いただいている藤木政務官にお渡ししたいと思います。
それでは、藤木政務官、よろしくお願いいたします。
 
(答申手交)
 
〇大山部会長代理
それでは、藤木政務官から一言御挨拶をお願いいたします。
 
〇藤木政務官
改めまして、畜産部会の委員の皆さん、こんにちは。農林水産大臣政務官を拝命いたしております藤木慎也と申します。
畜産部会の委員の皆様方には大変お忙しい中に長時間にわたりまして、熱心に御審議をいただき、心から厚く御礼申し上げます。
農林水産省といたしましては、ただいま大山部会長代理から受け取りましたこの答申を踏まえまして、令和5年度の加工原料乳生産者補給金単価、また集送乳調整金の単価及び総交付対象数量、肉用子牛生産者補給金制度の保証基準価格及び合理化目標価格、鶏卵の補塡基準価格及び安定基準価格につきまして、決定をさせていただきます。
また本日、本部会で委員の皆様からいただきました御意見につきましても、その趣旨に従いまして、今後の畜産行政の推進に当たり、十分に参考にさせていただきたいと考えております。
長期化する新型コロナウイルス感染症の影響やロシアによるウクライナ侵略、円安の進行など、我が国の畜産業はこれまで経験したことのない大きな局面を迎えております。
また、世界的に見ても、食料需給のひっ迫や気候変動に伴う食料安保のリスクが高まっており、農林水産省では、本年9月に基本法の検証部会を立ち上げ、基本法の検証及び見直しなどに着手いたしました。引き続き、情勢の変化に対応した施策を推進してまいりたいと考えております。
長時間にわたりまして、皆様には御審議賜り、重ねて厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございました。
 
〇大山部会長代理
それでは、報道の方はここまでで御退席をお願いいたします。
 
(報道退室)
 
〇大山部会長代理
それでは、本日は長時間に及びまして、熱心な御審議をいただきましてありがとうございました。不慣れな進行でしたけれども、委員の皆様方の御協力に対しまして、改めて御礼を申し上げたいと思います。
ここで事務局より何か連絡事項があればお願いいたします。
 
〇馬場畜産総合推進室長
特段ございません。委員の皆様におかれましてはお忙しいところ長時間にわたっての御審議どうもありがとうございました。
 
〇大山部会長代理
それでは、これをもちまして、食料・農業・農村政策審議会令和4年度第2回畜産部会を閉会といたします。
皆様、どうもありがとうございました。

午後3時57分閉会

お問合せ先

畜産局総務課畜産総合推進室

担当者:眞壁、松野、佐竹
代表:03-3502-8111(内線4888)
ダイヤルイン:03-6744-0568

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