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農林水産省

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第16回   農業資材審議会農薬分科会   議事概要

1. 開催日時及び場所

日時:平成29年2月2日(木曜日)13:57~16:02
場所:経済産業省  別館1階  108各省庁共用会議室

 

2. 出席委員(敬称略)

赤松美紀、安藤洋次、梅田ゆみ、代田眞理子、神山洋一、小島正美、
山本廣基、天野昭子、小田敏晴、小林正伸、永吉営子、福山研二、
大森敏弘、矢野洋子、與語靖洋、加藤保博、関田清司、山田友紀子

 

3. 会議の概要

(1)土壌残留に係る農薬登録保留基準のほ場試験の方法の変更について

   農薬取締法第3条第2項の規定に基づく「農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件」において定められているほ場試験の方法を変更することについて、環境大臣より同法第16条第2項の規定に基づき諮問のあった件について、環境省担当官より説明が行われ、審議を経た結果、諮問のとおりの内容で改正することについて、審議会委員の了承が得られた。

委員からの主な質問・事務局からの回答は以下のとおり。

  • (質問)資料4-3、13頁目の最小自乗法等による計算について、複数の算出方法があるが半減期はどのように求めるのか。
    (回答)基本的には、フィットするものを採用する。農薬の有効成分が複数ある場合には、最も長いものに合わせる。
  • (質問)稲に登録を取ろうとしていない製剤についても水田で試験をする必要があるのか。
    (回答)水田に適用のないものについては、水田での試験は必要ない。
  • (質問)土壌試料は冷凍保存するという話だが、具体的に温度は何度にするのか。
    (回答)温度を規定する必要があるかどうかも含め、検討してまいりたい。

委員からの主な意見

  • (希釈液量に関して)より深い土壌に生息する害虫を駆除するために、より多い液量を散布する場合があり、そのような場合には、深部は分解しにくい可能性がある。
  • JMPRでは、最近、登録の有無にかかわらず、後作物の農薬濃度の方が、作物残留試験における残留濃度より高ければ、それに基づいて残留基準値を設定する。従って基準値設定においては、転作が実施されていれば、後作物中の残留濃度も検討するべき。
  • 半減期の算出に、EPAやEUで各種のツールが公開されている。それらを利用してみては?
  • 分析のばらつきを小さくしろというが、uncertaintyは小さくできても、variabilityを小さくするのは困難。ばらつきを小さくせよというのは、データを捏造せよと言っているのと同じこと。統計学的な分布を考慮することが必要。

(2)飼料用農作物残留に係る農薬登録保留基準等の見直しについて

   農薬取締法第3条第2項の規定に基づく「農薬取締法第3条第1項第4号から第7号までに掲げる場合に該当するかどうかの基準を定める等の件」において規定する作物残留に係る農薬登録保留基準及び土壌残留に係る農薬登録保留基準を変更することについて、環境大臣より同法第16条第2項の規定に基づき諮問のあった件について、環境省担当官より説明が行われ、審議の結果、諮問のとおりの内容で改正することについて、了承が得られた。

委員からの主な質問・事務局からの回答は以下のとおり。

  • (質問)新しく申請される農薬で、畜産物に当該農薬の有効成分が残留する場合、試験数が増えることになると思うが、これまでに登録された農薬についても全て実施するべきではないのか。
    (回答)すでに家畜代謝試験を導入しており、平成29年5月15日以降登録申請のあった農薬に適用することとしている。
  • (質問)家畜代謝試験及び家畜残留試験は、どのように行うのか。
    (回答)家畜代謝試験は、主要な代謝物が家畜体内でどのような挙動をするのか、標識した有効成分の排泄、吸収、体内分布、可食組織における放射性化合物の親化合物や代謝物の同定を行う。この試験には、泌乳山羊や産卵鶏を使用する。一方、家畜残留試験は、農薬を含む飼料(残留濃度として1x、3x、10xで実施)を28-30日間与え、可食組織、乳、卵への残留濃度を測定するもの。この試験には、搾乳牛と産卵 鶏を使用する。ただし、飼料になるかの姓のある作物に当該農薬使用がない場合や、残留が無視できる場合は本試験は不要。

委員からの主な意見

  • 飼料については、飼料安全法があり、飼料を経由して残留農薬を施家畜が摂取した場合に畜産物の基準値を超える残留が内容に試料中の基準値を決定している。海外と日本では農薬使用及び飼料の給仕の割合・量が異なるため、飼料の原料となる作物の残留農薬程度や結果としての畜産物中の残留濃度は海外とは異なる可能性がある。これまで、いくつかの畜産物の基準値について、飼料中の濃度や家畜残留試験に基づいて、経口暴露評価後、厚生労働省が改定している。なお、体内に残留せず、糞尿に排泄される場合、畜産食品にとってはより安全だが、環境影響も検討する必要がある。

(3)農業資材審議会農薬分科会検査法部会における審議結果についての報告

   平成27年12月22日及び平成28年3月29日に開催された農業資材審議会農薬分科会検査法部会における農薬に含まれる有効成分の管理の仕組みに係る審議結果について、農薬分科会に報告した。

委員からの主な質問・事務局からの回答は以下のとおり。

  • (質問)原体規格について、公開する考えはあるのか。
    (回答)最初の規格は、有効成分の含有量、考慮すべき毒性を有する不純物の含有量を公開する。どこまで公開するのかは、部会にて審議した。

委員からの主な意見

  • 検査法部会について、審議結果の資料の取扱いや利益相反への配慮、各委員への議事概要の送付など丁寧に運営されていると感じる。国民の行政への信頼につながる大事なことなので、引き続き緊張感をもって対応していただきたい。