第9回農業資材審議会飼料分科会飼料栄養部会 議事概要
1 日時
平成31年2月1日(金曜日)13時30分~17時30分
2 場所
農林水産省 第2特別会議室
3 出席委員
(敬称略):松井徹(部会長)、阿部啓之、勝俣昌也、川島知之、豊水正昭、 中辻浩喜
4 配付資料
5 会議の概要
(1)飼料の公定規格の改正
今回申請のあった飼料原料((ア)加糖加熱処理大豆油かす、(イ)加糖加圧蒸煮処理大豆油かす、(ウ)ひまわり油かす、(エ)オイルパーム果実飼料、(オ)脂肪酸カルシウム、(カ)アマニ油脂肪酸カルシウム、(キ)オレイン酸カルシウム、(ク)2-デアミノ-2-ヒドロキシメチオニン)について、公定規格の備考の3の別表第3に飼料の原料の可消化養分総量及び代謝エネルギー等を設定すること並びに公定規格の備考の3の第2章の2の表へ新規フィターゼを追加し、当該フィターゼによる分解の結果生じる非フィチン態りんの算出方法の設定をすることについて審議、了承された。
ただし、答申については、委員から付された意見等を踏まえ以下ア~キのとおりとし、詳細については部会長の確認を得ることとされた。
- ア (ア)については、告示改正案(原料名:加糖加熱処理大豆油かす)のとおりとする。
- イ (イ)については、原料名は告示改正案(加糖加圧蒸煮処理大豆油かす)のとおりとし、同案の備考の「加熱処理」を「蒸煮処理」に修正する。
- ウ (ウ)については、告示改正案の原料名(ひまわり油かす)を「脱殻ひまわり油かす」に修正し、同案の消化率の有効桁数を他の飼料原料に揃え(小数点以下を四捨五入する。以下同じ。)、備考の冒頭に「殻を大部分除去したひまわり種子の」を加える。
- エ (エ)については、原料名は告示改正案(油ヤシ搾油副産物)のとおりとし、同案の備考の「乾燥したものであること」を「乾燥したものであって、粗脂肪含量がおおむね40%、粗繊維含量がおおむね12%のものであること」に修正する。
- オ (オ)については、告示改正案(原料名:脂肪酸カルシウム)のとおりとする。
- カ (カ)については、原料名は告示改正案(脂肪酸カルシウム)のとおりとし、同案の消化率の有効桁数を他の飼料原料に揃える。
- キ (キ)については、原料名は告示改正案(脂肪酸カルシウム)のとおりとし、同案の備考の冒頭に「パーム油由来の製品であって、」を加える。ただし、「オレイン酸を60%含む」とする根拠資料を追加提出すること。
(2) その他
ア 動物実験の実施について(事務局からの報告)
農林水産省の所管する研究機関等における実験動物を用いた動物実験等については、科学的観点と動物愛護の観点とを両立させ、その適正な実施を図るための基本方針(農林水産省の所管する研究機関等における動物実験等の実施に関する基本指針(平成18年6月1日付農林水産省農林水産技術会議事務局長通知))が定められている。農林水産省以外の機関も農林水産省外の研究機関等においても、同指針に準ずることが望ましいとされていることから、今後は、申請者から委託を受けた試験実施機関に対して、試験報告に際しては、当該試験は同指針に準じて実施したものである旨を記した報告書を併せて委託元(申請者)に提出するよう求めることを検討中。
イ 粗脂肪の分析法の検討について(事務局からの報告)
第7回及び第8回飼料栄養部会(平成29年1月31日及び平成30年2月5日開催)で報告した全脂粉乳の粗脂肪の分析に係る検討について、以下のとおり報告。
昨年度FAMICが実施した分析法の検討でレーゼゴットリーブ法と酸分解法とで優位差が生じたことについて、今年度の検討の結果、酸分解法に洗浄操作を追加することで、レーゼゴットリーブ法と同等の測定値が得られることが判明。酸分解法の方が広く普及していることから、改良した酸分解法について来年度共同試験による妥当性確認を実施の上、飼料分析基準検討会での審議を行う予定。同検討会で了承されれば、平成32年度初頭に飼料分析基準に掲載される見込み。FAMICにおける検討状況に合わせて、当部会においても公定規格の改正に係る審議を行うこととなる見込み。