日本農林規格調査会議事録(令和4年8月29日開催)
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1.日時
日時:令和4年8月29日(月曜日) 場所:農林水産省第2特別会議室(Web併催)
2.議題
(1)JAS法改正及び日本農林規格の制定・見直しの基準の一部改正について
(2)日本農林規格の制定・廃止及び改正について
有機加工食品の日本農林規格の制定・廃止
有機加工食品の日本農林規格の改正
にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの日本農林規格の改正
果実飲料の日本農林規格の改正
りんごストレートピュアジュースの日本農林規格の改正
(3)その他
3.議事内容
午後1時00分開会
○牟田規格専門官
それでは、定刻よりも若干早いですが、委員の皆様お集まりのようでございますので、これから日本農林規格調査会を開催いたします。
事務局の牟田でございます。よろしくお願いいたします。
今回の調査会は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から、当会議室とウェブとの併催とさせていただきました。
皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の審議に参集いたしました委員16名のうち、亀山委員、木村委員、里井委員、鈴木委員から欠席の御連絡を受けてございます。
現在、当会議室とオンラインで12名の御出席を頂いております。日本農林規格調査会令第7条第1項の規定によりまして、今回の調査会が成立していることを御報告いたします。
なお、本調査会は公開で行います。傍聴希望者を募ったところ、14名の方から申込みがございました。本日、ウェブで傍聴されてございます。
それでは、開催に当たりまして、伊藤基準認証室長から御挨拶を申し上げます。
○伊藤基準認証室長
基準認証室長の伊藤でございます。調査会の開催に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
まず、本日は委員の改選後の初めての調査会となります。皆様、御多忙の中、委員をお引き受けくださり、誠にありがとうございます。改めて御礼申し上げます。皆様方の専門のお立場から様々な御知見をお借りいたしまして、本調査会でこのJAS規格の制定や改正の御議論を頂きまして、充実した議論、そして充実した規格の設定・改正を行っていけるようにと考えております。よろしくお願いいたします。
さて、本日御議論いただきますのは、一つ目に、有機加工食品のJAS規格となってございます。こちらにつきましては、さきの通常国会におきましてJAS法の改正を行いまして、これを受けて有機酒類─お酒でございますが─をJAS規格の対象として追加するというものでございます。本日は国税庁さんの方からもお三方御出席いただいておりますが、従前から酒、酒類の輸出の促進ということに関しましては、農林水産物や食品の輸出の促進という観点で、国税庁さん及び農林水産省、連携して取り組んできているところでございます。
今般のJAS法の改正によりまして、有機の酒類をJAS規格の対象とすることによりまして、諸外国との有機同等性を締結していく、そして有機酒類の輸出に更に促進をしていくということを企図しているというものになってございます。
JAS法の改正事項につきましては、このほかの改正事項もございますので、簡単ではございますが、御説明申し上げますので、その後、規格の御議論を頂ければと存じます。
また、二つ目は、にんじんジュース及びにんじんミックスジュースのJAS規格等の既存3規格の改正について、御議論を頂ければと存じております。
委員の皆様方におかれましては、本日も多様な御意見、忌憚のない御意見を頂戴できればと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○牟田規格専門官
ありがとうございました。
本日は7月の委員改選後、最初の調査会ということになりますので、御出席の委員、臨時委員を御紹介申し上げます。委員の皆様方におかれましては、御着席のままでお願いいたします。資料1の委員名簿に従いまして御紹介させていただきます。
中川委員でございます。
中嶋委員でございます。
森光委員でございます。
青木委員でございます。
阿部委員でございます。
井村委員でございます。
宇都宮委員でございます。
大谷委員でございます。
根岸委員でございます。
三木委員でございます。
水野委員でございます。
山根委員でございます。
よろしくお願いいたします。
それでは、初めに、日本農林規格調査会令第4条第1項の規定に基づきまして、本調査会の会長を委員の互選により決めさせていただきます。
どなたか御推薦いただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
中川委員、よろしくお願いします。
○中川委員
中嶋先生を御推薦申し上げます。関連分野の御知見が深いことは当然としまして、平成30年以降、本調査会の会長を務めていらっしゃいますので、御適任と存じます。
○牟田規格専門官
ありがとうございました。
ただいま中嶋委員を推薦するという御意見が中川委員からございましたが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○牟田規格専門官
ありがとうございました。
異議なしということでございますので、中嶋委員が会長に選出されました。
中嶋委員には会長席にお移りいただきますよう、お願い申し上げます。
それでは、ここからの議事進行につきましては、中嶋委員にお願いいたします。
○中嶋会長
ただいま会長に選出されました中嶋でございます。初めに一言御挨拶を申し上げたいと存じます。
私、先ほど御紹介いただきましたように、平成30年以降のこの調査会に参加しておりますけれども、JAS法の改正に当たって、この新しい時代の中で新しい生活を提案するような食や生活資材の規格、それから仕組みの御提案を積み重ねてきたと承知しております。また、輸出を目指しながら、海外の方々にも日本の商品、特に食の価値を提案するような、非常に先進的な取組をしていると感じております。ただ、それがゆえに今まで考えていなかったような様々な観点からの議論が必要で、議論を積み重ねるたびに専門分野の方から多くの方が集まって、そして貴重な御意見を頂くということが大切だと感じております。今期も様々な新しい取組が提案されると思いますけれども、どうぞ皆様からの御意見を頂戴したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、議題に入る前に、日本農林規格調査会令第4条第3項に基づきまして、会長代理を指名したいと存じます。
会長代理は会長が指名することになっておりますので、私からは森光委員に会長代理をお願いしたいと存じます。どうかよろしくお願いいたします。
続いて、調査会の議事録署名人の指名を行います。
日本農林規格調査会運営規程第11条により、議事録署名人は会長が指名することになっております。今回は、青木委員、それから山根委員、この2人にお願いしたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
次に、事務局から資料の確認、審議時の留意事項及び議事内容の公表について、御説明をお願いいたします。
○牟田規格専門官
それでは、資料の確認についてでございます。
本日の資料は、当会議室にお越しの委員の皆様は、お手元のタブレットにアップしているものを、オンラインで出席の委員におかれましては、あらかじめ送信しておりますものを御覧いただきたいと思います。
続いて、審議時の留意事項についてでございます。
今回はウェブ併催としておりまして、オンラインで出席されている委員の皆様におかれましては、御発言される場合は、挙手機能やチャット機能などで御発言がある旨をお知らせいただければと思います。中嶋会長が発言者を指名しますので、御発言の際、お名前を言っていただくとともに、御発言の最後には「以上です」など、発言が終わった旨をお知らせいただきたいと思います。また、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
万が一、音声が聞こえないなど不都合が生じた場合には、「音声駄目です」とか「聞こえない」など、チャットでお知らせいただく、又はあらかじめお知らせしている担当者の連絡先にお知らせください。
次に、傍聴の方へのお願いでございます。傍聴募集の際の留意事項にも記載がございますが、音声が途切れるなど通信トラブルの原因になるおそれがございますので、傍聴の際はマイクをミュートに、カメラをオフにしていただきますようお願いいたします。
最後に、議事内容の公表についてでございます。本日の議事内容は、御発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますので、御了承願います。
以上でございます。
○中嶋会長
ありがとうございました。
よろしいでしょうか。
それでは、議事に入りたいと存じます。
まず、議題(1)ですが、JAS法改正の概要について説明するとともに、その改正に伴ってJAS規格の制定・見直しの基準の一部改正がありますので、皆様にお諮りいたします。
事務局から御説明お願いいたします。
○伊藤基準認証室長
基準認証室、伊藤でございます。座ったままで失礼させていただきます。
資料3-1と、続きまして資料3-2を続けて御説明申し上げたいと思います。
まず、資料3-1を御覧くださいませ。
JAS法改正について、先ほどの御挨拶でも申し上げさせていただきました。さきの通常国会で成立いたしましたJAS法の改正について、簡単ではございますが、御説明をさせていただきます。
資料1ページ目をおめくりください。
今般の改正につきましては、農林水産物・食品の更なる輸出の促進を図るという観点から、農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律の改正、また、あわせて、同様の趣旨からJAS法の改正を行ったものでございます。
上から1、2、3の項目につきましては、こちらが輸出促進法に関係する改正でございまして、1番にございますように、各輸出品目ごとに団体を作って輸出の促進というのが現状行われているところではございますが、これを法制化することによりまして、この輸出促進団体の取組をしっかり国としてもサポートしていくというふうな形で、こういった法制化などを行っているところでございます。
JAS法の改正につきましては、4番のところでございます。先ほども申し上げましたとおり、JAS規格の対象に有機酒類を追加するほか、輸出促進に必要な事項を措置をしたというものになってございます。こちらにつきましては、さきの通常国会で成立・公布されてございまして、5番に施行日というのがございますが、こちらは既に政令が定まったところでございまして、右端の矢印のところにございますが、令和4年、今年の10月1日からこの改正法が施行されるという状況でございます。
次のページをお願いいたします。2ページ目です。
まず、1点目の改正事項といたしまして、有機JASへの酒類の追加でございます。
現状と課題に記載してございますが、海外市場におきましては、有機食品の人気が高うございまして、野菜・果実などの生鮮食品に加えまして、加工食品でも有機の製品が高値で販売され、市場が拡大しているという状況がございます。
従前から農産物や農産物の加工品につきましては、我が国と米国、カナダ、EUなどとの間で、JAS法に基づく有機認証制度に関して同等性を締結してきているところでございまして、日本におきましてJAS法に基づく有機JAS認証を取得していれば、相手国でわざわざ相手国の制度に基づく認証を別途取得しなくても、有機の農産物として相手国の方に輸出が可能であるというような取組を行ってきているところでございます。
一方で、お酒、酒類につきましては、もともと酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律というものの中で、有機酒類の表示制度というものがございまして、有機酒類というもの自体は販売されているところでございますが、JAS法の対象からは除かれてきたところでございまして、諸外国との先ほど御説明したような同等性の対象外となっている状況でございます。したがいまして、有機酒類として輸出するに当たりましては、別途、当該国の認証を取得する必要があるという、手間といいましょうか、負担が掛かる部分があったというところでございます。
こういった観点で、こういった有機酒類の輸出拡大を更に進めていこうというために、JAS規格の対象に有機酒類を今般追加いたしまして、この有機酒類につきましても、農産物や農産加工品のように諸外国との間で同等性を締結をしていって、輸出を拡大していこうと、このような趣旨で措置をしたものでございます。
括弧の中に「ただし」というものがございます。有機表示の規制は令和7年10月1日から施行と。ここは少し補足させていただきますと、有機の農産物や農産物加工品につきましては、御承知のところかとは思いますが、表示の適正化を図るために、有機農産物にJAS格付をしないと有機というような表示ができないということで、表示規制をしてございます。こういった表示規制につきまして、お酒の場合はどのようにするかという点ですが、ここに書いてあります令和7年10月1日からこういった表示規制の対象にいたしますが、今まで有機酒類を製造されていた方が、やはり第三者認証を受けたりというような準備行為も必要になってまいりますので、この点、3年ほどの経過期間を設けまして、表示規制の部分については令和7年10月1日から施行するという措置を執っているところでございます。
続きまして、その他の改正点について御説明いたします。3ページをお開きください。
登録認証機関の間での情報共有ルールの整備でございます。
例えば、事業者の方が外国政府との同等性を活用して新しく輸出していこうという場合に、先ほど来申し上げていました同等性の協議の中で、相手国の政府にあらかじめ認められた登録認証機関からの認証が必要とされるところがございます。一方で、当該事業者さんが従来から認識を受けている登録認証機関がこれに該当すれば、特段の問題はないんですけれども、該当していない場合には、別途、該当する認証機関から認証を受けるというような必要がございます。
この場合に、別に新しく登録認証機関の認証を受けるということになりますと、二つ目の丸にございますように、認証に係る書類の作成ですとか、また、これを一から審査いただくという観点での審査に要する時間などの負担がございまして、同じ登録認証機関から実際には別の登録認証機関に移るようなことはございませんで、継続的に認証を受けているというような実態でございます。
このことを受けまして、こういった移行を簡便にできるようにするという観点から、下の対応策のところに記載ございますように、登録認証機関が業務を円滑化するための情報として、例えば他の登録認証機関による過去の認証審査時の記録を請求して、情報共有を受けるというようなことを可能とする措置を新たに設けたところでございます。
このようなことを活用することによりまして、二つ目の矢印にございますように、外国政府に既に認められている登録認証機関から迅速に認証を受けることができるというような利点があるほか、二つ目の矢印にございますように、輸出に関わりなく、国内の場合であっても、他の登録認証機関への移動というようなことが選択肢として取り得るようになりまして、登録認証機関間の競争というようなところも促されるということで、有機JAS含めまして、認証の拡大につながるのではないかという点を期待しているところでございます。
最後に、その他の改正事項でございますが、4ページでございます。
官民一体となった同等性交渉の推進ということで、先ほど冒頭に輸出促進法の改正で、輸出促進をする団体、品目別の団体を法制化したということを申し上げさせていただきましたが、この輸出促進団体から同等性承認の交渉を国側に求められた場合に、しっかりとこれに適切に対応していくという国の責務を明確化したほか、研究機関による規格の開発ですとか、規格開発を行った民間事業者さんによる国際機関等への働きかけも含めた、官民の取組を明確化したということがございます。
また、あわせまして、外国制度の格付表示にも認証制を導入いたしまして、同等性の承認の信頼性を確保するために、従来は自由に行うことができたんですけれども、外国の有機の表示などの格付をする場合には、不適切な表示がなされないように登録認証機関の認証を受けた事業者のみが行うという形で、新たに制度化させていただいております。
改正事項については以上となっておりまして、これを踏まえまして、資料3-2でございます。
日本農林規格の制定・見直しの基準を、本調査会の方で決定を頂いているところでございます。こちらにつきまして、先ほど御説明申し上げましたように、有機酒類を今回JAS法の対象に入れるということによりまして、有機酒類に関連する部分は、JAS法は財務省さんと共管になりました。これに従いまして、JAS制定時の調査会への付議の主体につきましては、従来、農林水産大臣のみが行っていたところでございますが、下記の下線部分にございますように、財務大臣及び農林水産大臣が行うということになってまいりますので、この点を改正をさせていただくということでございます。
列挙してございます基準の内容そのものは改正ございませんので、従来どおり御審議いただければというふうに考えております。
以上です。
○中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、今の点につきまして御質問、御意見を頂きたいと存じますが、いかがでございましょうか。
それでは、水野委員、お願いいたします。
○水野委員
意見というか、コメントをさせていただきたいと思います。
ただ有機酒類が追加になったという感じで、皆さんは簡単に思うかもしれないのですが、これは有機関係者が長年求めていたことであります。海外の、例えばEUとかアメリカでは、酒類は有機基準に入っておりましたが、日本の有機JASには入っておりませんでした。海外からも疑問視され、有機JASに入っていないために、国内の酒類関係者の方々も輸出する際にそれぞれの国々の認証を取得しないと有機品として海外で販売できなかった経緯があります。ですので、長年私たちは是非是非、酒類を規格に組み入れてほしいということを、日本オーガニック検査員協会からも農林水産省にお願いしておりました。でも、酒類は国税庁の管轄で、省庁の違い、制度の違いからなかなか叶いませんでした。いろいろとあって大変な中、今回、農林水産省の方々、そして国税庁の方々がご尽力くださり、ご調整していただき、今回の有機酒類の追加となったことに、心から感謝したいと思います。ありがとうございます。
○中嶋会長
ありがとうございます。
御賛同の御発言とその意義についての御説明いただきました。ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、この案でよろしいということで、御承認してよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。
では、資料3-2に書いてあるような改正案をお認めいただきまして、お手元の資料7の方に全文がございますが、この文章の「(案)」というところを取っていただくということにさせていただきます。ありがとうございました。
それでは、議題の2についての審議を始めたいと存じます。
主務大臣から今回審議する規格に係る諮問を頂いております。資料2にございますので、御確認いただきたいと思います。
それで、本日の審議のため、運営規程第10条第4項により、申出者等、御出席されています。今、画面の方にお名前を、一覧を出していただいております。この方々にお願いいたしますので、よろしくお願いいたします。
それでは、有機加工食品の日本農林規格の制定・廃止及び改正案について審議を行います。
事務局から御説明をお願いいたします。
○酒瀬川課長補佐
私、基準認証室、課長補佐をしております酒瀬川と申します。有機JASの担当を主にしております。今回、有機加工食品のJASのお酒の追加ということで御説明差し上げます。座って説明させていただきます。
資料といたしましては、資料4を使って説明いたします。
資料4のPDFの番号だと4番目、下のページ番号だと2ページ目の方になります。
有機加工食品の日本農林規格、JASの中に有機酒類を追加することについて、2ページ目の方に現状と課題、改正の概要、効果をまとめております。
現状と課題、四つポツがありまして、三つ目までは先ほど室長の伊藤の方から御説明差し上げたとおり、欧米では有機農産物等、市場がすごく拡大しているところですけれども、有機酒類についてはJASの対象外であったということで、同等性の対象にもなっておりませんでした。四つ目のポツですが、今般、JAS法の改正によりまして、新たに財務大臣、農林水産大臣が主務大臣となりまして、両大臣が有機酒類に係るJASを制定することが可能となりました。
その改正の手続については、真ん中の改正の概要のところ、こちら2段階でお酒を追加していくというところがポイントになっております。まず、1段階目としましては、有機加工食品のJASを財務省、農林水産省の共管告示といたします。その後、第2段階目といたしまして、有機酒類の定義及び生産の方法についての基準、これは有機酒類に使用可能な添加物等の規定になりますが、こちらを規定いたします。
そもそもなぜ有機加工食品のJASで有機酒類を取り扱うのかということですけれども、有機酒類、お酒につきましては、例えば清酒であればお米を原料として、ワインであればブドウを原料として製造された加工食品の一つでございます。もう一つ、現在、有機酒類の表示というのは国税庁さんの方の告示、酒類における有機の表示基準というのがございまして、それに基づいて有機の表示をしています。その国税庁さんの告示に定められた製造方法等の基準につきましては、現在あります有機加工食品のJASの造り方とほぼほぼ同じものが規定されているといった状態になっております。そういったことで、2段階に分けて有機加工食品のJASの中に有機酒類の追加をしていくという改正をしてまいりたいと思います。
効果といたしましては、まず国内市場ですが、有機酒類について、ほかの有機加工食品と同様に、有機JASの認証が必須となります。こちらは先ほど説明があったとおり、規制の開始につきましては令和7年10月1日からとなります。それをもって、消費者の皆様は、有機JASマークに基づく合理的な商品選択をすることが可能になる、つまり、有機JASマークを見て有機ということを判断する、第三者認証が行われた有機だということが分かるということです。
2点目としまして、今回JAS法の改正というのは、輸出の促進というのを目的にされております。海外市場におきましては、有機酒類の同等性を海外の主要市場国・地域と相互承認いたしまして、有機酒類の輸出拡大に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
次のページ、3ページ目です。
こちらの改正のポイント、改正のスケジュールに基づき、先ほど申し上げましたこの2段階について御説明差し上げたいと思います。
改正のポイントの一つ目が1段階目、改正のスケジュールの左側、丸1に対応する部分です。改正のポイントの二つ目と三つ目のポツにつきましては、改正のスケジュール丸2、2段階目に該当する部分になります。
まず、1段階目としまして、改正のポイント一つめ、有機酒類が有機加工食品のJASの対象となったことを受けまして、有機加工食品のJASを財務省、農林水産省の共管告示といたします。改正のスケジュールの丸1のところを御覧いただきたいんですが、これによりまして有機酒類の認証がいよいよ可能になるということでございます。
下のところに、この時点では添加物の使用は現行の規格で認められている範囲で可能にということで記載しておりますが、こちらどういう意味かといいますと、この有機加工食品のJASを共管化いたしますが、中身については今の有機加工食品の内容と全く変わりないということです。資料5-1に、この1段階目の規格の改正案について載せておりますけれども、ここで分かるとおり、この制定のところで財務省、農林水産省告示第〇〇号と書いているだけです。ですので、添加物、いろいろお酒について、独自でといいますか、お酒に特別に使いたいものがあろうかと思いますが、この時点で使える添加物というのは、現行の規格で認められているもののみということになります。
そして、スケジュール的なものにつきましては、丸1の緑のところ、できるだけ早期に有機酒類の認証を可能にするという観点から、改正JAS法の施行と同時に施行ということになります。つまり、令和4年10月1日から有機酒類の認証が可能になるということです。
第2段階目についてですけれども、改正のポイント、二つ目、三つ目のポツになりますが、定義のところに有機酒類を追加しまして、有機酒類が有機加工食品のJASの対象であることを明確化いたします。そして、有機酒類の生産の方法についての基準につきましては、有機酒類に使用可能な添加物を新たに追加するほかに、原則、国税庁告示「酒類における有機の表示基準」の内容をそのまま規定する形になります。
改正のスケジュールといたしましては、丸2のところ、有機酒類の定義と生産の方法について基準を規定しますので、お酒に特化した添加物も使えるようになるということです。添加物の使用は、改正後の規格で認められている範囲で可能となります。
こちらのスケジュールですが、※印のところを御覧ください。強制規格の公表と実施の間に6か月必要という決まりがTBT協定・TPP協定の中にございます。強制規格というのは、有機のように、有機の認証を受けて有機JASマークを貼らないと有機の表示はできませんといったものです。お酒もそうなりますので、強制規格に該当いたします。それについて、内容が変わる改正になりますので、公表と実施の間に6か月必要ということで、調査会の審議・議決を頂いた後、有機加工食品のJASの確定版のTBT通報を行いまして、そこから6か月後に施行したいと考えております。以上が2段階の御説明になります。
次のページには、有機酒類の出荷状況等についての資料を載せております。
こちら、見て分かるとおり、有機酒類の総出荷数量につきましては、国内総製成数量の1%未満と、大変少なく、さらに、輸出分についてはそのうち3%、そのうち多くは清酒が占めるという状況になっております。今回のJAS法改正、有機加工食品のJASへのお酒の追加を受けまして、こういった状況について、有機のお酒の出荷、輸出がしっかりできるような形で取り組んでいきたいというふうに考えております。
次に、この2段階目の改正につきまして、簡単に内容の方を御説明申し上げたいと思います。
資料は資料5-2のところに新旧対照表が付いております。資料5-2、左側に改正後、右側に改正前の基準が付いております。
まず、第3条、定義のところ、有機酒類の定義を追加しております。こちらは、有機加工食品の中でJAS法に定められた有機酒類の定義と同じものを、この有機加工食品のJASの中でも有機酒類とに呼びますということが定義されております。
第4条と別表1-1に、添加物について規定がございます。お酒の添加物につきましては、今までの普通の有機加工食品に使用できた添加物とは別に、有機酒類に使える添加物ということで、別表1-2、に別途規定するようにしています。別表1-1の既存の添加物につきましても、少しだけ修正事項がございます。これは整理学上の修正でございまして、内容に関する修正、内容の改正というものではございません。例えばグァーガムの「ア」の大きさが違うとか、あとカゼイン、ゼラチン、エタノールにつきましては、本来であれば一般飲食物添加物として規定すべきところを、別途一つ一つの項目が立てられておりましたので、それを整理したというものでございます。
次の別表1-2、こちらが今回の肝、有機酒類に使用できる添加物でございます。2ページ目のクエン酸のところから、3ページ目の下から五つ目の一般飲食添加物、ここまでは有機加工食品のJASにこれまでも規定されていた添加物でございます。国税庁さんの告示の「酒類における有機の表示基準」においても、使用可能な添加物となっておりました。
下の四つの添加物につきましては、また今回新たに追加したものになっておりまして、その中の酵母細胞壁というものと二酸化硫黄、こちらにつきましては、お酒にだけ使う添加物になっておりますので、これまでの有機加工食品のJASの中には入っておりませんでした。国税庁さんの告示の「酒類における有機の表示基準」の中では認められておりまして、そういった取扱いも考慮した上で追加を考えております。
残る二つ、アルゴンとピロ亜硫酸カリウムにつきましては、こちらは使用実態であるとか必要性を考慮いたしまして、国際基準であるCODEXガイドライン、これに各国における資材追加の基準というものがあるんですが、そういった基準に適合するかどうかを一つ一つ評価した上で、追加することが適切というふうに判断したものになっております。
ちなみに、CODEXガイドライン、国際的な基準ですけれども、これを満たすということにつきましては、国際的な有機の原則に一致するということが言えますし、あと、同等性の相互承認におきましては国際基準への準拠が求められているところですので、CODEXガイドラインに適合するということで、同等性の観点からも適切な基準になっていると言えると考えております。
以上が2段階目の改正の中身になります。
簡単にまとめますと、今回、輸出促進の観点からJAS法が改正されまして、それを受けて、有機加工食品のJASにお酒を追加していくという改正をいたします。改正は2段階で行いまして、10月1日から現行の有機加工食品のJASの内容のまま認証が可能となります。2段階目としましては、有機酒類の定義と添加物の規定を追加いたしまして、こちらはTBT通報から6か月たった後で施行という形になります。
では、ここから先、パブリックコメントを1か月間募集しておりましたので、そちらの結果について御説明差し上げます。資料は6-1になります。
資料6-1、1ページ目のところにパブリックコメントの募集結果について二つ書いております。
一つ目は、国内向けの一部改正案に係る意見・情報の募集の概要ということで、1か月間パブコメを行ったものです。受付につきましては、6者、8件、意見と考え方については、次のページから別途御説明差し上げたいと思います。
二つ目が、TBT協定に基づきまして事前意図公告とTBT通報を行っておりますので、それに対する意見も来ております。受付件数は2件でした。
コメント内容につきましては、二つございまして、一つ目は、TBT通報の方には、英訳した改正案をそのまま載せたんですけれども、その改正案についてそれはお酒に適用されるのかというものでした。これは回答は、適用されるということです。
もう一つは、別表1-1の添加物、これは有機のお酒以外の添加物になりますけれども、この基準について、添加物の使用用途等、制限がいろいろ設けてありますが、その制限を設けた根拠について説明願うというものでした。こちら回答といたしましては、該当箇所については、現行の基準から内容を改正するものではないということをまず御説明差し上げた上で、国際基準であるCODEXガイドラインに基づいて定めている旨を説明しております。
次のページからパブリックコメントで頂きました御意見と考え方について御説明したいと思います。
この頂いた御意見というのが、ほぼ全て、使える原材料であったりとか添加物であったりとかに対する御意見となっています。
まず、上の二つ、生産の方法についての基準に関することですが、微生物、ワインの発酵に使うような微生物や、あと、オークチップを使うことがあるようなんですが、そういったものについて使用を認めてほしいというものです。こちら両方とももともと使えるような形で規定がされてありますので、その旨回答しております。
次からが添加物に関する御意見です。
添加物の一つ目、全部で三つ目の部分になりますが、有機加工食品のJASの改正案の別表1-2、お酒に使用可能な添加物について、まずタンニンは柿タンニンを含むのか。これは含みますよという回答になります。
木灰の使用用途は何なのかという部分につきましては、主に微生物による変敗を防いで、保存性を保つ等の効果があるものと聞いております。
次ですが、有機酒類に限らずですけれども、有機加工食品のJASにおいて使用可能な添加物が極めて少なく、その使用目的も限られており、そのため、新たな商品の開発に支障をきたしているような状況があるという御意見です。そういった場合は、安全性を考慮して、添加物の使用を新たに認めてほしいという御意見でした。
こちらは、先ほども御説明差し上げたとおり、新たな添加物と資材の追加につきましては、CODEXで基準を満たすことが必要だと考えております。ですので、御提案の添加物につきましては、次回の有機加工食品のJASの見直しの際に、CODEXガイドラインへの適合性を評価した上で、検討したいと考えております。
次ですが、こちらはお酒の添加物についてです。お酒の添加物の使用につきましては、そもそも酒税関係法令であったり食品衛生法の規定によりまして、使える品目や使用用途に制限が掛かっております。今回、改正案の有機加工食品のJASの別表1-2の中には、そういった国税庁さんの告示等の使用制限が記載されておりません。そういったものについて、外国の事業者さんが適切に判断できるという視点、あと同等性交渉の視点、その二つから制限を記載した方がよいのではないかという御意見でした。こちらの御意見につきましては、なお書きのところなんですけれども、外国のものも国内のものも内外かかわらず規制が掛かっているのであれば、このままでもよいというふうな御意見でした。
これにつきましては、3ページ目の二つ目のパラグラフのとおり、これらの規定は輸入酒類を含めた全ての国内販売酒類に適用されます。ですので、有機加工食品のJAS別表1-2において、改めて同内容の基準を設ける必要はないと考えております。
次の御意見ですが、有機酒類に使用可能な添加物について、別表1-2に使用制限の基準が設けられていないことについて甘過ぎると感じられております。ただ、国際的に標準的なものであるというのであれば許容できる、そういった御意見です。
こちら考え方につきましては、まず有機JASにつきましては、国際基準であるCODEXガイドラインに準拠しておりまして、既に有機農産物等においては欧米から有機同等性が認められている状態です。このため、有機JASの農薬や添加物、それらの基準が欧米に比べて緩い、そういったことはないと考えております。国際的に標準的なものと考えられるということです。
使用制限につきましては、先ほど申し上げたとおり、食品衛生法や酒税関係法令といった国内法令等の規定を遵守する必要があって、酒税関係法令においては、添加物等の品目や用途の条件が定められております。
残り二つの御意見につきましては、多くの添加物が使用可能になっているけれども、それはいかがなものかというような御意見でした。先ほど2ページ目のところでは、生産者の方からの御意見ということだと思いますが、使用できる添加物が少ないので、商品開発もなかなか難しいというような御意見を伺っていますが、それとは反対の御意見で、多数の添加物が使用可能となっているが、有機食品とはそういったものなのか、有機食品も食べたくなくなってしまうという御意見でした。
こちらにつきましては、御意見についてはほかでも伺ったことがございますが、こちら添加物について要望があったものを何でも認めるというわけではございません。先ほど来申し上げておりますように、添加物につきましては、全て使用目的にとって必要不可欠であること、健康及び生活の質への悪影響が最も低いことといった、国際的な基準であるCODEXガイドラインの基準を満たすことを確認したものになっております。
最後の御意見ですが、こちらも添加物、認められているものが多いのではないかという見方に基づくものですが、有機JASにおいて使用可能な農薬や添加物の基準が欧米に比べてはるかに緩いとの印象を受けるということでした。さらに、民間で厳密な有機認証を行った方がよいとお考えで、この動きを阻害しないでほしいという御意見です。
こちらにつきましても、有機JASは国際基準であるCODEXガイドラインに準拠しておりまして、欧米から有機同等性を認められているものですので、農薬、添加物の基準が欧米に比べて緩いということはないと考えております。
民間認証の方につきましては、JAS法の規定におきまして、有機農産物等に有機、オーガニック等の表示を行う場合は、有機JASの認証を取得した事業者によって当該農産物等に有機JASマークが付されていることが必要というふうに規定されております。この範囲内で、これは民間が定めた独自の有機基準に基づく認証を妨げるものではございませんので、そのように御説明差し上げたいというふうに考えております。
以上がパブリックコメントの結果になります。
今回、有機酒類の基準について御審議いただいた上で、有機酒類についてJASの基準に基づいて認証が可能になりますので、一層信頼性のある形で輸出についても取り組みやすくなるように、私どもの方もしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
以上が説明になります。ありがとうございます。
○中嶋会長
ありがとうございました。
国税庁の方々から何か追加で御説明ございますか。
よろしゅうございますか。ありがとうございます。
それでは、委員の皆様方から御意見を頂戴したいと思います。
宇都宮委員は本規格案の提案者のお一人であることから、議決については御遠慮いただきたいと存じますけれども、途中の御議論について必要に応じて御発言はいただけますので、よろしくお願いいたします。
それでは、有機加工食品の日本農林規格に関する制定・廃止及び改正案について、御質問、御意見を頂きたいと思います。どなたからでも結構ですが、御発言いかがでしょうか。
それでは、山根委員、お願いいたします。
○山根委員
山根です。ありがとうございました。
日本での有機の拡大は望むことですし、酒類の海外進出、市場の拡大というのも期待するところは大きいですが、JAS化のために使用可能な添加物が現状よりも増えるということに、やはりちょっと引っ掛かりはあります。清酒など、水とお米だけだと思いますし、そうした品質の良いものに保存料とか酸化防止剤は使っていないと思うんですが、これからお酒に添加物の使用が増えるのかどうかというのも気になります。輸出には流通に掛かる時間とか環境や温度の変化等を考えて、そうしたものが必要になってくるというふうにも聞くんですけれども、安全性に問題がなくとも気にはなるというところです。またそうなると、国内用と海外輸出向けで使用する添加物が変わってくるのかどうなのかというようなことも気になります。せっかく有機なのに、イメージとしては品質が後退するようなことがないように手だてをしていただきたいなというふうに思っております。
以上です。
○中嶋会長
それでは、事務局からお答えお願いします。
○酒瀬川課長補佐
御意見、大変ありがとうございます。添加物に関する御意見でした。
まず、今回、有機加工食品のJASの2段階目の改正におきまして、新たな添加物を追加することにもなっております。こちらの添加物については、使用状況であったりとか使用の実績、あと必要不可欠性といったものをしっかり評価した上で、追加することが適切というふうに判断したものになります。
あと、こういったものを認めることによって、今後、添加物の使用が増えるのかといった御視点もあったかと思うんですが、そもそも有機加工食品のJASにおきましては、添加物の使用については必要最低限にするといったような決まりがございますので、そういったところについて登録認証機関の方でもしっかり第三者のチェックが入るという形になっております。
更に、輸出向けのものと国内向けのものとで使われる添加物が変わってくるのかといった御視点もあったかと思うんですが、添加物というのは目的に応じて使うものということだと思います。例えば輸出向けのものについて、絶対この保存料が必要なのだということであれば、認められた範囲内で添加物を使うことが可能という形になっております。もし不要なのであれば、それを使う必要はないのであるので、使わないということが適切かと思います。そういったところは登録認証機関にしっかり確認していただけるものと考えております。
国税庁さんの方、何かありますか。
○平澤酒税課課長補佐
国税庁、平澤と申します。お世話になります。
今回の改正におきまして幾つか追加された添加物があろうかと思いますが、これらはCODEXにも記載してあるとおり、国際的に酒類への使用が認められた添加物であり、その最小限の使用ということも踏まえまして、殊更これにより酒類の品質が低下するといったことはないかと存じております。
○中嶋会長
ありがとうございました。
今、役所の方からの御説明に関しまして、山根委員の方から追加で御発言ございますか。
○山根委員
ありがとうございました。適切に進めていただきたいと思います。先ほども言いましたけれども、イメージとして有機の品質が下がるのではないかという懸念は持たれると思いますので、その辺りにもきちんとした説明であったり手だてをしていただきたいというふうに願っています。
○中嶋会長
ありがとうございました。
このような御意見は確かにあるかと思いますので、業界としてもそのことは受け止めていただいて、適切な御利用を頂ければと思いました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、宇都宮委員。マイクをちょっとお待ちください。
○宇都宮委員
今の補足なんですけれども、もともと国税庁で有機酒類の表示基準を定めたときに認められたものを今回こちらに移行したというところが原則でございまして、何ら変わるところはないということが一つと、その際に、結構特殊なというか、ほかの食品では余り使わないものも入っているので、最初は全部を有機の取扱いの使える添加物の中に入れたらどうかというような意見もあったんですけれども、やはり酒類は分けて、分かるようにしていた方が、海外に向けてもいいだろうし、国内認証のときにもそちらの方がやりやすいんじゃないかというような御意見が多くて、今回この一般に使える添加物と有機酒類に使えるの添加物とを分けていただいたので、この方がよろしいんじゃないかというふうに思っております。
○中嶋会長
ありがとうございました。酒類の認証をスムーズに行うと同時に、今までの有機加工食品に対する影響についても、御配慮いただいた措置だと理解いたしました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、中川委員、お願いいたします。
○中川委員
中身の話ではなく、手続のことについてお伺いしたのですが、資料4で2段階に分けて施行していくという御説明を頂きまして、これは本来は1回でもできることなんでしょうか。
○酒瀬川課長補佐
御質問ありがとうございます。
本来であれば一度で改正してしまえればよく、この2段階目の有機に特化して使える添加物を追加したものを10月1日で施行できれば、一番、皆さん混乱もなく、よかったと思うんですが、資料4の3ページ目に記載しましたとおり、この内容が変わる改正につきましては、JASの確定版のTBT通報から施行まで6か月空けなさいよという規定がございますので、それに対応するために2段階に分けて改正をしているところです。
○中川委員
考え方としたら、両方とも6か月先ということもあり得るけれども、有機酒類で現行でも認証できるものは早く認証できるようにするという、そういう意図でいらっしゃるという理解でよろしいですか。
○酒瀬川課長補佐
そのとおりです。
○中川委員
ありがとうございます。
○中嶋会長
御確認、ありがとうございました。
それでは、井村委員が手を挙げていらっしゃいます。御発言お願いいたします。
○井村委員
ありがとうございます。
私たち、有機米を作って日本酒を開発したりとかワイン醸造をしている者にとっては、念願の酒類のJAS規格で同等性で海外に出せるということで、本当に感謝を申し上げるのと、これから使いやすい仕組みにしていっていただければなと思います。
この中で幾つか質問があるんですけれども、まず、ちょうど今ワインの仕込みの時期に入っておりまして、当然、日本酒も冬に仕込みの時期というのがあるんですけれども、この別表1-2の添加物が将来的に認められたとして、その段階で認証を得るときに、過去に遡って使用したものの記録等でこれは認証されるのかどうか、この辺、あるいは何年か前に仕込んだもので有機酒類として販売しているもの、これも過去に遡ってJASで格付ができるのかというのをまず教えてください。
それと、今回の議論とは少し外れるのかもしれないんですけれども、当然、酒類についても同等性を認められるものは、国産原料の農産物を使用したものであるということ、あと、認証団体も同等性として輸出ができる認証団体とできない認証団体がある、これは従来どおり変わらないのかという質問。
それと、最後になんですけれども、こういう形で有機酒類が認められるようになったら、当然、輸出を増やしていくということが大変重要なゴールだと思っているんですけれども。表示のところで、現行のJASも踏まえて、例えば輸出もするし国内でも売るという場合に、ジャケット、表示ですよね、表示で、有機JASの格付を行って輸出をしようと思っているんだけれども、並行してUSDAマーク、EUリーフを得ようと思っても、それは付けていけないという、今、現行はそういうルールになっていると思うんですけれども。製造者としては、2種類取らなきゃいけない、あるいは、ワインでJASで造ったものを急遽引き合いが来て輸出しようと思ったときに、またラベルを貼り直したりだとか、そういう不利益といいますか、そういうコストが掛かってきます。この辺の表示のルールというのを整理して、事業者に分かりやすいように、また、小ロットでも輸出しやすいようなもし体制が取ってもらえれば、うれしいと思いました。
以上です。
○中嶋会長
ありがとうございました。
三つ御質問、御意見を頂きました。いかがでしょうか。
○酒瀬川課長補佐
御質問、どうもありがとうございました。
まず、1点目、過去に製造して仕込んでおいて、有機加工食品のJASに適合した形のお酒について、それを有機加工食品のJASの酒類追加の施行後に格付ができるのかという点なんですが、こちらについてはできます。施行後であれば、その基準に基づいているかどうかについて、しっかり格付担当者の方で確認していただき、登録認証機関の方にも、これは有機農産物等についても同じようなルールになっておりますが、それと同様に確認いただくということで、過去のものについても遡って格付することは可能ということになっております。
もう一つ、同等性のことについての1点目なんですが、まず輸出する加工食品の原材料は、国産原料でなければならないのかという点につきましては、同等性を承認し合っている国、地域によります。今、アメリカであったりとかカナダであったりとかについては特段、加工食品の原材料に縛りというものはございません。有機JAS認証のものであれば、どこの原料原産地のものであっても同等性に基づいて輸出が可能です。ただ、今、EUや英国等については、有機加工食品の原材料については、国産のものか又は日本と同等国の原材料のみで、そういったものを使った有機加工食品でないと、同等性に基づく輸出はできないという条件になっております。
ですので、今後、有機酒類について同等性の協議を進めていくことが必要になってまいりますが、まずはそういった既存のルールの中で同等性の協議を進めていくということ、そして、原料原産地の制限が掛かっているものについては、日本に有利な条件になるように、しっかり取り組んでまいりたいと考えております。
同等性の2点目、登録認証機関のことです。同等性に基づく輸出をする際に証明書を発行しないといけないんですけれども、先ほど申し上げたような、EUであったり英国であったり、あとスイスについては、その証明書を発行できる機関というのに縛りがございます。この縛りにつきましても、まずは、同等性のベースになるものですので、その縛りの中でお酒についての協議を進めていくものと考えております。
ちなみに、この証明書の発行につきましては、アメリカやカナダ等については今、制限はございません。ただ、登録認証機関さんによっては、自らの業務として、登録認証機関として証明書の発行業務をするかどうかというのを自ら決めていらっしゃいますので、その範囲で業務をしていただいているものと認識しております。
それともう一つ、USDAマーク等を同等性に基づく輸出の際に貼る場合の話です。今回のJAS法改正に当たりまして、同等性に基づく輸出を行う場合、例えば有機のみそに、まずJASの認証を受けたものですので、有機JASマークを貼ります。同等性に基づいてアメリカに輸出しようと思ったら、USDAマークも貼ってもいいよということになっておりますので、両方貼ってアメリカに輸出するということをしております。これはJAS法が改正された後も可能なんですが、今回、このUSDAマークを貼って輸出しようと思ったら、今後は別途認証を取ってくださいねというふうな仕組みにいたしました。
この仕組みの中で、輸出する分については、認証さえ受けていれば、同等性に基づく輸出品にUSDAマーク等を貼ることは大丈夫なんですが、国内向けに流通させるものについてUSDAマークを貼るという行為については、そもそも同等性に基づくものなので、国内向けのものにUSDAマークを貼るというのは、あたかもUSDAの認証を受けているかのような形になってしまいますので、そこは不適切だろうということで、同等性に基づいてUSDAマークを貼るための認証を受けた場合であっても、国内向けに流通させる場合については、JAS認証品については不可というふうな形にしております。JAS品について、USDAマークを貼って国内向けの流通をさせることは不可。
それについて、国内向けのものと海外向けのもので表示を変えていくのが大変煩雑なので、そこについてしっかり検討してほしいという、そういった御意見ということでよろしかったでしょうか。
○井村委員
ありがとうございます。
国内向けにそれを訴求したいということではなくて、そのことです。あと、例えば国内でやむを得ず流通する場合は、例えばしっかりとしたクレジットを付けて、例えばアメリカとEUの同等性が認められていますとか、そういったことをしっかり書くことによって優良誤認は避けられないのかなということも、個人的には思っています。
○酒瀬川課長補佐
御意見どうもありがとうございました。今後の課題とさせていただきたいと思います。
○中嶋会長
ありがとうございました。
井村委員の方から何か追加で御発言、ありますか。よろしいでしょうか。
それでは、続きまして、大谷委員、手を挙げていらっしゃいます。よろしくお願いいたします。
○大谷委員
すみません、大谷です。
今回の同等性を担保する改正というのは、非常にいいことだなというふうに思っていますが、ちょっと少し細かい話なんですけれども、別表1-2の一覧表のところにINSの番号の付いていない添加物がございますよね。これは同等性は担保されていると思ってよろしいんのでしょうか。資料5-2です。そこです。そこの例えばケイソウ土とかありますよね。、INSの番号が付いていないもの、こういうものは同等性が担保されていると認められるようなものなんですか。
○酒瀬川課長補佐
同等性についての御心配、どうもありがとうございます。
このINS番号のあるなしにかかわらず、この添加物につきましては、別途CODEXの基準を満たすことが確認されておりますので、同等性については影響ないものと考えております。
○大谷委員
分かりました。ありがとうございました。
○中嶋会長
御確認ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、青木委員、お願いいたします。
○青木委員
2点あります。
1点目は質問です。2段階の改正の有機酒類の規格を作りましょうのところなんですけれども、実際のスケジュールとしては、本日の調査会が終わってからTBT通報をして、そこから6か月空けるということなので、早くて来年ぐらいというふうに考えておけばいいですか。
○酒瀬川課長補佐
はい、おっしゃるとおりです。今年度中にできればいいなというふうに考えております。
○青木委員
分かりました。
2点目なんですけれども、実際の規格の方で、有機酒類に使える添加物があるんですけれども、これ御意見のところでもあったんですけれども、この二酸化硫黄の類ですよね、これで、例えば欧米と同等ですとあるんですけれども、例えばヨーロッパでも、ワインに使える二酸化硫黄の濃度とオーガニックじゃないワインへの添加できる濃度が違っていたり、アメリカだと、そもそもオーガニックのワインには二酸化硫黄は使えないとかという、量の制限というのはあると思うんです。恐らくその御意見というのは、そういった制限が欧米にはあるのに、今回なぜ日本の酒類の規格の中にはそういう制限を設けていないんですかということを言いたいんだろうなと思っているんですけれども、そこに量の制限を設けなかった意図はあるんですか。
○酒瀬川課長補佐
御質問ありがとうございます。
大前提といたしましては、二酸化硫黄につきましては、別途CODEXのガイドラインの中にもそもそも認められている添加物の規定がございまして、その中に特段の使用量の制限なく認められている資材になっております。
それ以外について国税庁さんの方、よろしいでしょうか。
○平澤酒税課課長補佐
国税庁、平澤と申します。御質問ありがとうございます。
御質問の二酸化硫黄などにつきましては、今回のこの有機食品の基準以外に、国税庁における製造のルールであるとか、あとは食品衛生法などにより一部制限されることがあると、説明中でも申し上げたと思うんですが、例えば二酸化硫黄、たしか350ppmという使用制限量が掛かっておりますので、これは諸外国と比べても適量だと考えておりますので、有機では使用制限、直截に書いてありませんが、そういった別のルールで使用制限が掛かるということだと思っております。
○青木委員
ありがとうございます。
今の350というのは、これは食品衛生法での使用基準のことですよね。
○平澤酒税課課長補佐
はい、そうです。食品衛生法です。
○青木委員
ごめんなさい。そうすると、ちょっと質問を変えると、逆にヨーロッパとかだと、通常のワインと有機のワインで使用量の上限を変えているわけですよね。アメリカでは逆に、有機のワインだと二酸化硫黄は自然の量を超えてはいけないとか、いろいろあると思うんですけれども、諸外国がそういうことを設定している理由というのは、逆に何なんですかね。
○平澤酒税課課長補佐
御質問ありがとうございます。
諸外国、恐らく今の御質問の大宗は、ヨーロッパでのワイン法における添加物の添加量のルールだと思いますが、こういったワイン法におけるルールにつきましては、ヨーロッパでは基本的に地理的表示制度という制度の下、各地域ごとにどのぐらいの使用制限をするかというものがルール化されていると理解しておりまして、こちらは日本におきましても国税庁が運用しております酒類に関する地理的表示制度の中で、各地域ごとにそういった使用制限を設けることが可能だと思っております。
したがいまして、一般的な種類における添加物制限は、食品衛生法、健康の観点からのルールにより先ほどの350という数字、そのほか、ワインの品質、お酒の品質という観点からは、ヨーロッパと同じ国際的な枠組みの中で、地理的表示など、その地域のお酒ごとに決めていくことが適切かと考えております。
○青木委員
分かりました。ありがとうございます。そうすると、今回この有機酒類の中で使用制限等は特に設けなくても、今後、同等性の交渉等をしていく中で、特にそれが障壁になったりするようなことはないというふうに思っておいて大丈夫ですか。
○北村鑑定企画官付企画専門官
国税庁の北村と申します。
同等性交渉においては、別途、個別の物品について、例えば亜硫酸の使用上限量ですとか、そういったところを含めたところで議論をした上で、場合によっては先方の国から何らかの上限量が定められるとか、そういった可能性もあるんですけれども、そういった中で含めたところで議論を進めていくということで、特段問題になるというふうには考えておりません。
○青木委員
分かりました。これは仮にその交渉の中で上限等を求められた場合というのは、今後どうやって対応していくことになるんですか。規格を変えるんですか。
○酒瀬川課長補佐
今後、例えばアメリカから二酸化硫黄の使用は認められませんというふうに、同等性の中では使用が認められませんといった条件が付けられた場合は、これは同等性の中の条件として決めていく予定です。つまり、アメリカに輸出するものについては二酸化硫黄の使用はしないけれども、有機JASの基準としては二酸化硫黄については認められているので、国内で流通するものについては、二酸化硫黄が使われていたとしても格付可能といった扱いになるかと思います。
○青木委員
分かりました。過去、そういう何か例というのはあるんですか。
○酒瀬川課長補佐
はい、ございます。ちょっと今いい例が頭に浮かばなくて恐縮ですけれども、例えば有機畜産物の抗生物質とかについては米国等から基準が設けられておりまして、そのような運用をしております。
○青木委員
分かりました。ありがとうございます。そういう個別の対応ができるという前提なのであれば、承知いたしました。
○中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
よろしゅうございますか。
それでは、御意見は出尽くしたようですので、有機加工食品の日本農林規格に関する制定・廃止及び改正案について、原案のとおりということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
それでは、異議はないと思いますので、諮問事項の有機加工食品の日本農林規格に関する制定・廃止及び改正案については、原案どおり制定・廃止及び改正すべきと報告させていただきます。
また、今後の取扱いにつきましては、会長一任とさせていただくこととし、告示の手続を行うに当たりまして、内容変更を伴わない字句の修正等が必要な場合にあっては、事務局と調整するということで会長に一任とさせていただきたいと考えますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
続きまして、にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの日本農林規格案の改正案についての審議に移りたいと思います。少々お待ちください。
それでは、事務局から御説明を頂きたいと思います。
○牟田規格専門官
それでは、私の方から御説明させていただきます。
まず、資料4の5ページをお開きください。
にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの日本農林規格について、上の四角の囲みのところを説明させていただきます。
にんじんジュース及びにんじんミックスジュースは、ベータカロテン等の機能性成分を多く含む飲料で、にんじんジュースの生産数量は微減傾向にありますが、にんじんミックスジュースの生産量は増加傾向でございます。
にんじんジュース及びにんじんミックスジュースJASの対象のうち、にんじんジュースは高い格付率を維持しておりまして、一般消費者の合理的な選択の機会の拡大が図られていると考えてございます。また、にんじんミックスジュースも生産数量が増加しているということから、JASの格付数量が増加する可能性もあると考えてございます。
当該JASで規定されている項目及びその水準は、事業者の品質及び製造基準として活用されておりまして、当該JASは業界全体の品質の安定、取引の円滑化にも寄与していると考えられるため、今後も平準化を目的としたJASとして役割が発揮されるものと考えてございます。
見直しの結果、規格の内容は現行どおりといたしまして、JASの国際規格との連動性、規格の検索性・利便性の向上のため、他のJASと同様に、ISOの様式作成の手引を考慮して作成されたJIS Z 8301に従いまして、様式を改正したいと思います。
下の規格の内容のところでございます。にんじんジュースとにんじんミックスジュースを比較してございます。
主なところで、総カロテン量4mg/100g以上、にんじんミックスジュースの方は2mg/100g以上でございます。
原材料としましては、にんじんジュースは、ニンジン、そのほかかんきつ類、梅、アンズ、にんじんミックスジュースは、ニンジン、野菜、果実、調味料が使えるということになっていまして、にんじんジュースというところで、かんきつ類、梅、アンズ、これを使用する理由は、ニンジンだけでは糖と酸のバランスが余り良くありませんので、その風味を良くするため、これらのものを微量使用できるということでございます。
それから、添加物のところでございます。にんじんジュースは使用しない。にんじんミックスジュースは、CODEXの規定に適合ということで、必要最小限のものを使用するということになりまして、具体的には登録認証機関で使える添加物を指定してございまして、それに従いまして認証事業者は添加物を使用しているというところでございます。
右のところのにんじんジュースの生産状況というところでございます。生産数量というのが国内の生産量、格付数量はJASマークの付いたものの生産量ということで、格付率は大体40%ぐらいで推移しているというところでございます。にんじんミックスジュースの生産状況というのは、下のとおりでございます。
それから、パブリックコメントの募集結果ということで、資料6-2を御覧ください。
こちらのパブリックコメントにつきましては、受付件数1件、1者でございました。
事前意図公告についてはございませんでした。
2ページ目をお開きください。
パブリックコメントの内容でございます。まず、実質改正箇所が分かりにくいということでございます。また、2点目としまして、にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの定義は、食品表示基準に従うこととしてはいけないのかという御意見でございました。
右の方のところの御意見に対する考え方というところでございます。
本改正におきまして、にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの日本農林規格の実質改正箇所はありません。様式について、JISの様式に合わせた点が変更箇所となります。今後、様式のみ改正する場合は、意見公募要領等にその旨を記載して、分かりやすくしたいと考えてございます。
今回は様式だけの改正だけということで、こういった御回答にしておりますが、様式改正に併せて実質改正がある場合、やはり同じように分かりやすいように、主な改正箇所が分かりやすいように、この意見公募要領等に記載したいと考えてございます。
次に、定義のところでございますが、2パラ目でございます。にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの定義につきましては、食品表示基準における定義と同義でですが、JASの利用者、いわゆる認証事業者、JAS規格を見る消費者の方、販売業者の方とか、そういった方にとって理解が容易になるよう、本JAS制定時から同内容を定義しているものでございまして、引き続き定義したいと考えてございます。
私からは以上でございますが、見直し調査を実施いたしました全国トマト工業会から補足事項がありましたら、よろしくお願いいたします。
○小後摩専務理事
いえ、十分説明いただけたので、私の方からは特にございません。
○中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、委員の皆様から御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、阿部委員、お願いいたします。
○阿部委員
本件に直接関係ないんですけれども、今、パブコメ募集のときに変更点が何かというのを明らかにするという説明のがありました。、恣意的に誘導してはいけないんだろうとは思いますけれども、やっぱり変更点が何だというのをまずきちっと明確に書くようにした方が、意見を言う方も論点それに沿ったような意見になると思いますので、是非そうしていただければということで、本件に直接関係ありませんけれども、いいことだと思ったので、ちょっと応援で言わせていただきました。
以上です。
○牟田規格専門官
御意見ありがとうございました。そのような形で改善していきたいと考えてございます。
○中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございますか。
よろしゅうございますか。
それでは、特にそれ以外には御意見がないということでございますので、本件、にんじんジュース及びにんじんミックスジュースの日本農林規格の改正案については、原案のとおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。
異議がないということでございますので、諮問事項の同改正案については、原案どおり改正すべきと報告させていただきます。
また、今後の取扱い、それから告示の手続に当たっての字句の修正等を、先ほど同じように会長に一任とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。どうもありがとうございました。
続きまして、果実飲料の日本農林規格の改正案及びりんごストレートピュアジュースの日本農林規格の改正案について、これを一括して審議を行いたいと思います。御準備はよろしいでしょうか。
それでは、事務局から御説明お願いいたします。
○牟田規格専門官
それでは、果実飲料とりんごストレートピュアジュースについて、私の方から御説明させていただきます。資料4の6ページ目でございます。
上の囲みのところを説明させていただきます。
果実飲料のJASでは、果実ジュース、果実ミックスジュース、果粒入り果実ジュース、果実・野菜ミックスジュース、果汁入り飲料及びそれらの原材料として利用される濃縮果汁について、果実飲料と定義してございます。
果実飲料全体の生産数量は微減傾向ということでございますが、JASの格付数量は一定程度ございます。一般消費者の合理的な選択の機会の拡大が図られていると考えてございます。
濃縮果汁につきましては、JAS認証を受けていない場合でございましても、JASの食品添加物の基準等ですとか、JASの表示項目である濃縮度の基準に倣って取引されている実情がありまして、JAS規格としての存在意義があると考えてございます。
当該JASで規定されている項目及びその水準は製造基準として活用されておりまして、製品の品質の改善、生産・販売の合理化及び取引の円滑化に寄与していると判断できることから、今後も平準化を目的としたJASとしての役割が発揮されるものと考えてございます。
見直しの結果、規格の内容は現行どおりといたしまして、様式の改正を行いたいと思っております。
下の規格の内容でございます。果実飲料JASで規定されている主な基準ということで、糖用屈折計示度、ブリックスでございますが、あるいはエタノール分、揮発性酸度、酸度ということで、果実の種類によってこのような基準が設けられているということでございます。
果実飲料の生産状況でございます。生産数量、格付数量はそのとおりでございまして、格付率については12%から13%で推移しているというところでございます。
次に、りんごストレートピュアジュースについて御説明させていただきます。7ページ目でございます。
上の囲みのところを御説明させていただきます。
りんごストレートピュアジュースJASは、糖⽤屈折計⽰度12°Bx以上、酸度0.25%以上、添加物を使用していないことを規定してございます。また、特色の内容の表示方法としまして、格付の表示に近接しまして、ストレートピュアジュース、糖度、酸度を記載することを規定してございます。右の下のところに例を載せてございます。
搾汁等の工程で不活性ガスを用いまして空気を遮断するなど、特徴的な製造方法、これと良好な糖酸比が保たれていることを条件としてございます。高品質の製品基準を設けることによりまして、品質の改善に寄与し、高付加価値及びこだわりのある規格、特色JASとしての役割が発揮されるものと考えてございます。
JAS格付数量は横ばいでございまして、一定程度ございますので、一般消費者の合理的な選択の機会の拡大が図られていると考えてございます。
見直しの結果、規格の内容は現行どおりといたしまして、様式のみ改正したいと考えてございます。
下の規格の内容のところでございます。りんごストレートピュアジュースとりんごジュースのストレートを比較したものになってございます。糖度でございますが、ピュアジュースは12°Bx以上、りんごストレートは10°Bx以上、酸度につきましては、ピュアジュースは0.25%以上、りんごストレートについては基準がございません。
食品添加物につきましては、ピュアジュースは使用していないこととされてございます。りんごのストレートにありましては、CODEXの規定に適合していることということで、具体的には酸化防止剤だけ使えることになってございます。
右のりんごストレートピュアジュースの生産状況ということで、そこに載せてございます。
次に、パブリックコメントの方を御説明させていただきたいと思います。
資料6-3をお開きください。
果実飲料のパブリックコメント、受付件数としまして、1件、1者からございました。
事前意図公告については、ございませんでした。
果実飲料のパブリックコメントの内容でございますが、にんじんジュースのときに御意見いただいた方と同じ方でございまして、意見の内容が同じでございますので、説明は省略させていただきたいと思います。
次に、りんごストレートピュアジュースのパブリックコメントということで、資料6-4をお開きください。
受付件数、2件、2者からございました。
事前意図公告につきましては、ございませんでした。
りんごストレートピュアジュースの御意見というところで、まず上の規格名に対する意見で、要するに、りんごストレートピュアジュースという規格名について、表現を分かりやすくしてほしいというような御意見かと思います。
御意見に対する考え方ということで、右の方に記載してございます。
りんごストレートピュアジュースの日本農林規格は、酸化防止剤、その他添加物の使用を認めておらず、原材料のりんご果実の搾汁のみを使用するという規格でございます。また、高い糖度及び一定の酸度の基準を設けまして、特色JASとして定められてございます。添加物を使用せず、原材料のりんご果実の搾汁のみを使用することから、本規格が制定された平成19年以降、りんごストレートピュアジュースという用語を使用してございます。
なお、果実飲料の日本農林規格、りんごジュースでは、ストレートにおきましても酸化防止剤の使用が可能となっております。また、りんごの還元果汁使用の場合におきましては、酸化防止剤、その他の食品添加物の使用が認められています。
それから、その他の実質改正箇所が分かりにくいにつきましては、にんじんジュースや果実飲料の御意見の方と同じでございますので、説明は省略させていただきたいと思います。
私からは以上の説明となりますが、見直しの調査を行いました日本果汁協会の方で補足説明がございましたら、よろしくお願いいたします。
○川村専務理事
特段の補足説明はないんですが、私ども日本果汁協会は、果実飲料関係の事業者団体であるとともに、果実飲料のJASの登録認証機関でございます。今回の見直しに当たっては、本会の会員、認証工場に意見を聴くとともに、飲料全体の業界団体である全国清涼飲料連合会、そしてまた、果実飲料JASにはほかに二つの登録認証機関がございます。日本清涼飲料検査協会、食品環境検査協会と協議し、意見をまとめさせていただいたということでございます。御審議のほどよろしくお願いします。
○中嶋会長
御説明ありがとうございました。
それでは、御質問、御意見を頂きたいと思いますが、これにつきましては、まず果実飲料の日本農林規格の改正案についての御質問、御意見を承りたいと思います。いかがでございましょうか。
特にございませんか。
それでは、次にりんごストレートピュアジュースの日本農林規格の改正案についての御質問、御意見を頂きたいと思います。これについていかがでございましょうか。
それでは、山根委員、お願いいたします。
○山根委員
山根です。
つまらない質問なんですが、このりんごストレートピュアジュースの生産状況のところが、ほかと違って生産数と格付率が書いていないのはなぜかなと思ったんですけれども。すみません。
○牟田規格専門官
御質問ありがとうございます。
生産量ですが、りんごストレートピュアジュースは、食品添加物を使わず、製造方法が特殊なものですから、JAS認証を受けている以外のところで、そうような製法を取っているところがつかめていないものですから、国内生産量が把握できないため、資料には記載していないという次第でございます。
○中嶋会長
協会さんの方で何か追加して御説明ございますか。
○川村専務理事
今のお答えで特段異議はないんですが、ここの資料4の中で果実飲料全体の生産数量は令和2年度で104万7,000キロリットルということでございます。これにはりんごジュースとか、オレンジジュースとか、みかんジュースとか、ぶどうジュースとか、もろもろが含まれております。また、100%のジュース以外でも、10%以上のものは含まれています。それから、104万7,000キロリットルのうち、ジュースと呼ばれる100%物、要するにりんごピュアジュースに対応する100%物は37万キロリットルぐらい、大体3分の1ぐらいでございます。それ以外は100%以外ということで、37万キロリットルの中にいろいろな種類のジュースがございます、オレンジジュースとかみかんジュースとか。残念ながら、その統計は取っていないので、ほかにもミックスジュースとかいろいろありますので、その37万キロリットルの例えばりんごかみかんジュースが一番多いと思いますが、10万キロリットルぐらいりんごジュースが、100%のものがあるかなと。そうすると、その中で304キロリットルですから、りんごストレートピュアジュースみたいに窒素充填下で絞っているというのは、比較はなかなか難しいんですが、りんごジュースの100%りんごジュース、おおむね10万キロリットルぐらいあって、その304ですから、0.3%とか、そういう、いい加減ですが、そんな感じの数字で、なかなか生産数量自身の分母が、いろんなジュースが混じっている、それからそういう密閉した絞り方かどうか分からないということで、分母が分からないものですから、出せていないということでございます。
以上です。
○中嶋会長
よろしゅうございますか。
追加の御説明ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、中川委員、お願いいたします。
○中川委員
ありがとうございます。
御質問なんですけれども、このりんごストレートピュアジュースの改正案を拝見しておりますと、引用規格がほかのものと違ってCODEXが引っ張られていないので、これは日本オリジナルのもの、JASオリジナルということで理解してよろしいでしょうか。
○牟田規格専門官
ご質問ありがとうございます。
日本独自のものということで、高品質のものをしっかり日本独自で出していこうということで、この特色マークを付けて売っていこうというものでございます。
○中川委員
ありがとうございます。
○中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。
よろしいでしょうか。
それでは、両方につきましての御意見は出尽くしたと思いますので、まず果実飲料の日本農林規格の改正案について、原案のとおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。
次に、りんごストレートピュアジュースの日本農林規格の改正案についても、原案のとおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。
どちらも異議がないということでございますので、諮問事項の両改正案については、原案のとおり改正すべきと報告させていただきます。
今後の取扱いにつきまして、それから告示の手続を行うに当たっての字句の修正等などの対応については、先ほど同じように会長一任とさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○中嶋会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
ありがとうございました。
それでは、このほかに事務局から何かございますか。
○牟田規格専門官
特段ございません。
○中嶋会長
それでは、あと、委員の皆様方から何か御発言があればと存じますが、いかがでございましょうか。
よろしいでしょうか。ありがとうございます。
それでは、本日の議事は全て終了いたしました。
委員の皆様方におかれましては、会議の円滑な進行に御協力いただきまして、誠にありがとうございます。
それでは、議事進行を事務局にお返しいたします。
○牟田規格専門官
会長、ありがとうございました。
本日は、御審議いただきまして誠にありがとうございます。
本日、御審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう、所要の手続を行ってまいりたいと思います。ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、日本農林規格調査会を閉会いたします。
どうもお疲れさまでございました。
午後2時44分閉会
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