日本農林規格調査会議事録(令和5年2月10日開催)
PDFはこちら(PDF : 441KB)
1.日時
日時:令和5年2月10日(金曜日) 場所:農林水産省第2特別会議室(Web併催)
2.議題
(1)日本農林規格の制定及び改正について
・廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格の制定
・フードチェーン情報公表農産物の日本農林規格の制定
・日持ち生産管理切り花の日本農林規格の改正
・畳表の日本農林規格の改正
・生産情報公表養殖魚の日本農林規格の改正
(2)その他
3.議事内容
午前9時29分開会
〇牟田規格専門官
若干早いのですが、ただいまから日本農林規格調査会の方を開会いたします。事務局の牟田でございます。よろしくお願いいたします。
本調査会は、当会議室とウェブとの併催とさせていただきました。皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、ありがとうございます。
本日の審議に参集いたしました委員16名のうち、宇都宮委員、名部委員から欠席の御連絡を受けております。
現在、当会議室とオンラインで14名の出席を頂いております。日本農林規格調査会令第7条第1項の規定によりまして、今回の調査会が成立していることを御報告いたします。
なお、本調査会は公開で行います。傍聴希望者を募ったところ、6名の方から申込みがございました。本日、ウェブで傍聴されております。
では、議事進行を調査会会長の中嶋委員にお渡しします。よろしくお願いいたします。
〇中嶋会長
おはようございます。中嶋でございます。本日もよろしくお願いいたします。
それでは、まず初めに、高橋総括審議官から御挨拶をお願いいたします。
〇高橋総括審議官
改めまして、皆様おはようございます。大臣官房総括審議官の高橋でございます。日本農林規格調査会の開会に当たりまして、一言御挨拶申し上げます。
まず、委員の皆様方には、大変御多忙の中、また本日、天候不安定な中、本会に御参加いただきまして、ありがとうございます。
また、日頃より私ども農林水産行政、あるいは食品産業行政に多大なる御理解と御協力を頂いております。改めて感謝申し上げます。
本日の調査会では、新しく二つのJASについて御審議いただくことになっておりますけれども、一つは廃食用油のリサイクル工程管理JASということです。最近のカーボンニュートラルに向けた取組の中で非常に関心が高まっております。航空燃料、SAFでの原料としても期待されるということで、今後ますますその重要性が高まっていくものというふうに考えております。
またもう一つは、フードチェーン情報公表農産物JASということです。今はやりのスマート農業の一環でもございますけれども、様々なデータ基盤を活用して、生産行程、あるいは流通情報等を見える化するということです。これも最近の非常に時宜にかなったJASであろうというふうに考えております。
また、このほかに三つのJASについての改正についても御審議いただくことになっております。
最近の環境問題、あるいは情報化、様々な世の中のニーズが高まっている中で今回の二つのJASというのは、正にその時宜を得たものになるというふうに考えておりますので、様々な活発な御意見いただいて、有意義な制度になっていくようにということを期待しております。本日はよろしくお願いいたします。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
続いて、調査会の議事録署名人の指名を行います。
日本農林規格調査会運営規程第11条により、議事録署名人は会長が指名することになっております。
今回は亀山委員、それから阿部委員のお二人にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
続きまして、事務局から資料の確認、審議時の留意事項及び議事内容の公表について御説明をお願いいたします。
〇牟田規格専門官
それでは、資料の確認についてでございます。
本日の資料は、当会議室にお越しの委員の皆様につきましては紙で配付されている資料、オンラインで出席の委員におかれましては、あらかじめ送信しておりますものを御覧いただきたいと思っております。
続きまして、審議時の留意事項についてでございます。
今回もウェブ併催としておりまして、オンラインで出席されている委員の皆様におかれましては、御発言される場合は挙手機能やチャット機能などで御発言がある旨をお知らせください。中嶋会長が発言者を指名しますので、御発言の際お名前を言っていただくとともに、御発言の最後には「以上です」など、発言が終わった旨をお知らせください。また、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。
万が一、音声が聞こえないなどの不都合が生じた場合は「音声駄目」「聞こえない」などチャットでお知らせいただく、又はあらかじめお知らせしている担当者の連絡先にお知らせください。
次に、傍聴の方へのお願いでございます。
傍聴募集の際の留意事項にも記載がございますが、音声が途切れるなど通信トラブルの原因になるおそれがございますので、傍聴の際はマイクをミュートに、カメラをオフにしていただきますようお願いいたします。
最後に、議事内容の公表についてでございます。
本日の議事内容は、御発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますので御了承願います。
以上でございます。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
それでは、議題について審議を始めたいと思います。
農林水産大臣から、今回審議する規格に係る諮問を頂いております。資料2を御覧ください。こちらを御確認いただきたいと思います。
また、本日の審議のため、運営規程第10条第4項により、別紙のとおり申出者等が御出席されていますので、よろしくお願いいたします。別紙を御覧ください。
それでは、議題(1)日本農林規格の制定及び改正についてでございます。
廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格の制定案について審議を行います。まず、事務局から御説明をお願いいたします。
〇安井課長補佐
新規格を担当させていただいております食品製造課基準認証室の安井と申します。どうぞよろしくお願いいたします。座って説明させていただきます。
お手元の資料の3を御覧いただいて、右下にページ番号が振ってあるのですけれども、2ページを御覧いただければと思います。「廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格」についてです。
「現状」につきまして、外食産業やコンビニエンスストアなど食品事業者等から排出される廃食用油をリサイクルした油脂、いわゆる再生油脂は環境問題の対応や持続的で環境に優しい、再生可能な原料として、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けた取組を背景に、国内外において需要が高まっておりまして、近年注目を浴びているところでございます。
国内においては、廃食用油は年間約40万トン排出され、そのうち約9割が回収されて、飼料用原料や石けんなどの工業用原料、あとはバイオディーゼルなどの燃料用の原料として、ほぼ全量再利用されているということでございます。
また、近年、持続可能な航空燃料、先ほど高橋総括審議官から御説明のあったSAFの原料として輸出もされているというところでございます。
一方、廃食用油をリサイクルする製造プロセスや品質などについて、リサイクルする事業者に対して業界の自主的なガイドラインや手引で示してきたものの、各事業者独自の回収や生産に関するノウハウに依存しているというのが現実でございまして、加熱処理などの必要な工程
を経ないものまで流通しているということを聞いているところでございます。
そこで、今回御出席いただいている、業界団体の全国油脂事業協同組合連合会様からJAS化の御相談を受けまして、約2年ほどかけまして原案を取りまとめて、今回の申出に至ったということでございます。
「規格の概要」について、後ほど詳しく説明させていただきますが、再生油脂を製造する回収業者と再生業者のリサイクル工程管理を規定したものでございまして、事業者の取組のプロセス規格でございます。
「効果」につきましては、BtoBの取引において、JASの認証によって良質な再生油脂を提供できる事業者であることを、ユーザー側が安易に評価することが可能になり、近年、ロシアのウクライナ侵攻によって廃食用油の価格が高騰する中、再生油脂の需要の拡大を見据え、良質な再生油脂を安定的に供給することによって、環境問題への対応とか持続可能な社会に貢献することが期待されているということでございます。
続いて、次の3ページを御覧いただきまして、JASの概要について説明させていただきます。
規格の具体的な内容については資料1の規格(案)を併せて御覧いただければと思います。
先ほど御説明させていただいたとおり、廃食用油の回収業者と再生油脂を製造する再生業者が一体となって廃食用油の回収から再生油脂の出荷までのリサイクル工程の中で、履歴の分からない廃食用油が混入しないことや、汚染物質や異物の防止、教育訓練により従事者等の管理をするというような内容になっております。
規格の箇条4の中では回収用と保管用の容器や運搬車両、加熱処理の設備などの施設等の要求事項です。
箇条5では、回収した廃食用油のトレーサビリティの確保、管理方法の定期的な検証などの管理の要求事項に分けて、回収業者と再生業者のそれぞれの管理事項を規定しているということでございます。
今回のJASでは、事業者の取組、プロセスの規格でございまして、国内の回収業者と再生業者について業界全体の管理能力のレベルアップを目的としていることから、JASマークにつきましては平準化のマーク、いわゆる一般のしょうゆや即席めんと同じ、丸いJASマークを考えているところでございます。
JASの認証された事業者は、当該事業者のホームページだとかチラシなどに丸いJASマークを貼付することが可能になるということでございます。
なお、再生油脂の品質につきましては、本規格の中には規定はしてございません。飼料用だとか燃料用、工業用など、再生油脂の用途というのが非常に多岐にわたるということから、それぞれの用途に合わせた品質の基準や試験方法を現在、業界団体の全国油脂事業協同組合連合会様が主体となって、再生油脂の品質に関する規格を現在、検討が進められているというふうに聞いているところでございます。
続きまして、パブリックコメントの結果について、御説明させていただきます。資料5の1ページを御覧いただければと思います。
資料中の2、事前意図公告につきましては、御意見がございませんでした。
上の1の制定案に係る意見・情報の募集につきましては、昨年12月26日から今年1月24日までの30日間、意見募集を行いまして、2者から2件の御意見を頂いたということでございます。
次のページにその御意見の考え方も含めて記載しておりますので、概要を説明させていただきます。
一つ目の御意見として、これは規格(案)の箇条1の適用範囲に関わるところなんですけれども、規格(案)の資料4-1の1ページを御覧いただくと、注記に「再生油脂を用いる製品には、飼料、バイオディーゼル等の燃料、脂肪酸、石けん等がある」というふうに記載しております。「再生油脂を用いる製品として、食の安全性確保の一端を担う飼料と食と関係のない燃料や工業製品を同列に扱うべきではない」というような御意見です。「飼料用の廃食用油は、「食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドライン」で家庭から排出される廃食用油は混入してはならないことが定められています」と。「一方、工業用の廃食用油は家庭から排出されたものであっても問題ないと考えます」と。「規格においては、用途を同列にすることで、家庭から排出された廃食用油は排除されることとなり、国が進める資源の有効利用の促進に反するのではないか」という御意見を頂いたところでございます。
その御意見に対する当省の考え方としましては、「本規格は、廃食用油を原材料として再生油脂を製造する事業者のリサイクル工程について、トレーサビリティが確保されていない廃食用油及び異物の混入がないような管理方法を規定した取扱いに関する規格でございまして、用途に応じた再生油脂の品質を定めたものではございません」と。「また、本規格は、家庭から排出された廃食用油についても対象となっており、本規格の活用により資源の有効利用の促進に資すると考えている」ということでございます。「なお、「食品循環資源利用飼料の安全確保のためのガイドライン」は、飼料安全確保の観点から飼料用の再生油脂の品質を定めたもの
であることから、本規格と相反するものではございません」というような回答にしているということでございます。
次のページに、もう一つの御意見を頂いたところでございます。同じような御意見にはなるのかもしれないですけれども、箇条5の管理のところなんですが、「製造される再生油脂についての、異物及び毒性物質の含有がないこと又は一定以下であることについての品質に関する規定がないように思われます」と。「その品質の確保についての規定がある方がよいのではないか」という御意見を頂いたところでございます。
先ほど説明したとおり、当省の考え方としましては同じような回答になるんですけれども。前段の部分です。
「本規格は、廃食用油を原材料として再生油脂を製造する事業者のリサイクル工程について、トレーサビリティが確保されていない廃食用油及び異物の混入がないような管理方法を規定した取扱いに関する規格であって、用途に応じた再生油脂の品質を定めたものではございません」と。
先ほど説明したとおり、現在、業界団体の方で検討されているというお話はしたんですけれども、「現在業界団体が主体となり、製造される再生油脂の品質に関する規格についても検討が進められているというふうに聞いている」というふうに回答しているということでございます。
したがいまして、本規格(案)につきましては、修正するようなところはございませんでした。
説明は以上となりますが、本規格(案)を提案された全国油脂事業協同組合様の方から補足説明の方をお願いしたいというふうに思います。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
おはようございます。全国油脂事業協同組合連合会専務理事の堀でございます。今日は、どうぞよろしくお願い申し上げます。
先ほど安井様の方から概要を御説明いただきましたので、当該資料の3ページを御覧いただきながら、少し補足の方を説明させていただきたいと存じます。
私ども全国油脂事業協同組合連合会、この後、「全油連」と申し上げてまいりますけれども、22年目になりました。当初、世の中はバイオディーゼル燃料、いわゆる京都議定書以降のバイオディーゼル燃料、これが非常にブームになってございました。そのときに、一つ私どもが経験したことがございます。それは、それまでこの業界がもう50年、60年の業界になるんですけれども、産業廃棄物として廃油をしっかり集めていった、網の目のように集めていたとこ
ろに、やはりブームになって売れるとなると、産業廃棄物の免許をお持ちでない集める方がどんどん参入をしたことがございます。そのときに経験したことが、いわゆる品質の部分ですとか、「廃食用油ですか、これは本当に」というものとか、そういったものの混入があったとも聞いております。その場合に困るのは利用する皆様でございます。特に我が国、当初は8割以上が飼料向けに活用されてございました。そのときには、当然ですが、大変厳しい基準がございますので、それに見合った品質を出すためには、そういったルールで回っておったところなんですけれども、そのときに私どもはこれは自ら襟を正さなければならないということを感じまして、自主のガイドラインを作成するに至ってきてございます。
しかし、その自主ガイドラインは飽くまで自主でございました。作り方、言葉遣い、それから規定のルール、当時はもちろん頑張ったんですが、今からすると少し甘いものにはなっていたのかなと考えております。
その後、時がたちまして2019年辺りから、冒頭、キーワード出ておりますけれども、持続可能な航空燃料、SAFの話題が来ております。当然、その間も主に飼料向けとしてしっかり業界は対応させていただいたところなんですけれども、昨今、20年前と同じような現象が少しずつ見え隠れをしてございます。やはり注目を浴びますと、それに応じるように、これまでやってきていない方が入ってきて、要は集めて利用すると。私どもとしては、同じ轍は踏めないという意識がございます。SAFのために規格化をするわけではもちろんないんですけれども、大きなきっかけとなったのは事実でございます。
そのため、今回はどこから排出をされて、どういうふうに回収をしていて、それがどのような処理を経て、どのような保管を経て出荷をされているのか。いわゆる一連のサプライチェーンを対象とした工程管理の規格、これをしっかり作ることでトレーサビリティの確保されたもの、かつ、異物の混入がされないもの、これの確立が目指せるという判断に至りましたので、今回の規格の案を農水省様にお出しして、御協力を頂きながら、本日ここまで至ってきたという経緯でございます。
なお、パブリックコメントにもございましたが、物の品質の部分については、あらゆるリサイクル先がございますので、一本化できなかったというところが正直なところでございます。飼料向け、燃料向け、発電、SAF、工業利用、バイオマスプラスチック、たくさんございます。皆様、要求が異なります。ですので、一本化、「水分率こうだね」とか、これちょっと難しかったというところが品質面を外した要因になっています。
ただし、トレーサビリティの方がしっかりこのように確立されていけば、まず一つの安全性
は確保できるかなというふうに考えてございます。
その上で今年度、昨年の4月、すなわち今年度の当初から第2弾として、品質の方の検討にも入ってございます。何とかそちらの方も制定できないかというふうには考えておりますが、今日は工程管理の方の御審議をお願いしている次第でございます。
一旦、私の方からは御説明となります。ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格(案)について、御質問、御意見を伺いたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、森光委員お願いいたします。
〇森光委員
どうも森光です。
是非進めていただきたい案件だと思って、前回の、バイオディーゼルの前の話を聞いて、参入者が多くなってくると、だんだん粗悪なものが出るということで、トレーサビリティを固める意味で、とても良い規格だと思っております。
ということで、情報として知りたかったのが、回収業者と再生業者というのは、ほぼ別業者であって、業態の規模とか参入業者数みたいなのが概ね把握しているのか。全く別物で、回収業者だけがどんどん膨らんでいって、そういう話を聞くとパブリックコメントであったような、鶏餌用の油で粗悪品が流れているんじゃないかという危惧を勝手に抱いてしまいます。参入業者の規模と業態別で、回収と再生とでどんな現状か、例えば数はどれだけでというような、もし規模数が分かれば教えてください。
あとは、工程管理という流れの中で、特に再生業者なんですが、この文書でいくと、別に工程の中のそのものは、再生においてはどの再生業者さんもほぼ一定であるという理解で宜しいでしょうか。特に詳しいことは書いていないので、管理を検証して、改善するという文書だけでこのJAS規格としては成り立つのかどうかというか、その辺について情報を教えてください。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
御質問ありがとうございます。
まずお一つ目の御質問、規模ですとか事業者の数についての部分でございます。
まず事業者の数でございますけれども、我が国におきましては、まず回収事業者が正確に把握できておりませんということなんですが、200社とも300社とも言われております。1,000社、2,000社ではないことは確かでございます。10社、20社ではございません。200社とも、300社とも言われております。そして、これを集めた後の処理ですけれども、処理工場を有する企業
というのは
50社から60社程度というふうに言われてございます。
私ども全国油脂に参加されている処理のは三十数社ございますので、大部分は全油連におるんですけれども、これが規模のところでございます。
そして、二つ目の御質問ですが、大変申し訳ございません。もう一度お願いいたします。
〇森光委員
今回のJASがトレーサビリティと工程管理というようなイメージで捉えました。また、全油連に入られている30社において、廃油処理や再生処理工程というのは、これは正しい、正しくないみたいな、そういう検証が可能なものなのか、ほぼ一定なのかどうなのか。その辺の基準というのは何か担保されているのかという意味合いの質問でございます。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
改めまして、ありがとうございます。
JASの今回の規定の中におきましては、明確な処理基準といたしましては、加熱をすることということを設けてございます。一般的には40度で加熱する現事業者様、あるいは60度で加熱する事業者様、又は90度台で加熱する事業者様、ばらつきがございます。又は、90度で加熱する事業者様は1時間で済ませていたり、40度の方は夜中8時間かけたりされております。
その中で、いわゆる廃食用油の物性と、その中に混入をしております水分ですとかオリ分、これをいかにきれいに取るかというところがございます。この辺りの技術的な部分というのは、実は産業廃棄物処分業において厳格に審査をされてございます。ある意味で産業廃棄物処分業の許可を持っておれば、今みたいなパターンで十分であろうというところのラインはございます。もちろん私どもも、あるいは審査を頂く機関にとっても、その辺りは十分に目を光らせながらやってまいるということになろうかなと存じます。ありがとうございます。
〇森光委員
分かりました。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございますか。
それでは、山根委員お願いいたします。
〇山根委員
山根です。ありがとうございます。
工程管理を確保して、質の確保も図るという、是非進めていただきたいと思うんですけれども、素朴な質問ですが、集められた廃油に混入がないか、安全かというようなことは、試験などで、チェックできるのでしょうか、されているんでしょうかということを伺えればと思います。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
御質問ありがとうございます。
現状の状況を申し上げますが、異物の混入につきまして、特定の何か異物を定めて、それが入っているかどうかということの試験というのは、具体的にはしていない状況だというふうに把握をしております。
異物の除去、異物の混入を防ぐスタイルといたしましては、今回のJASの規定の方にも掲載させていただいておりますけれども、保管の状況ですとか運搬の状況、それから排出基準に関する排出者への教育等、この辺りの徹底によって異物の混入を防ぐというような方向性になってございます。
例えば、今後非常に危険性のあるような成分を国又は行政の方から、「これが入っていないか調べてくれ」と言われた場合には、そういった特定のものを検出するような試験を導入してということは十分にあり得るのかなというふうに考えている次第でございます。
以上です。
〇山根委員
ありがとうございました。是非よろしくお願いいたします。
〇中嶋会長
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、中川委員お願いいたします。
〇中川委員
先ほどから皆様がおっしゃっておられたことと少し重なるんですけれども、これの平準化JASの認証を行われるということだったんですけれども、これはどういう体制で行われることになっているんでしょうか。
〇安井課長補佐
基準認証室の安井です。
認証の体制なんですけれども、認証機関については、候補となる認証機関がもう既にいらっしゃって、それなりに知識を持っている認証機関が候補になろうかというところです。その後の認証については、この規格だけではなくて、別途告示で定める認証の技術的基準があるんですけれども、その告示の中で組織のところの部分だとか、あと人の要件だとか、これは事業者の認証になりますので、JASマークの部分については格付という行為ではないんですけれども、適合の表示という形になるんですが、その適合の表示の管理の仕方、そういったところを内部規程を定めるような認証の技術的基準を作って、それと規格が適合しているかどうかというのを認証機関が確認をするということで回収業者と再生業者が一体となった認証を行う予定になっております。
〇中川委員
ありがとうございます。お答え半分ぐらい頂いたんですけれども、先ほどのパブリックコメントで品質に関する御心配とかも出てきて、今これから基準を御検討されることも伺っておりますけれども、多分、認証は飽くまでも今回はトレーサビリティのことについての
ものですけれども、認証を与えるに当たっては、適切な品質基準を考慮されているかどうかというようなところも想定に入れたような認証、チェックをされないと、なかなか安心した状態ではないかと思われますので、そこの辺はちょっと御考慮いただければなと思いました。
多分、全国油脂事業協同組合様が今後お作りになるようなものを想定して、そういったものがきちんと職場、事業所で考慮された管理体制であるかというところを見ていただく。実際に品質基準を持っているかどうかまで踏み込まないにしても、そういうものがきちんと考慮された事業体制を取られているかどうかというのは、当然見ていただく形になれば安心かなと思います。
以上です。
〇安井課長補佐
基準認証室の安井です。
アドバイスというか、御助言をどうもありがとうございます。今現在、品質の規格については業界団体の方で検討中というところなので、その品質に見合う管理体制の部分も当然必要になってくるというふうに思っておりますので、その辺考慮しながら認証の方を進めてまいりたいと思っております。
〇中川委員
最初にお答えいただいた中に、認証する側の要件を定めるというふうにおっしゃっておられましたので、多分その辺りできちんと担保されるんだろうなと思っております。
〇安井課長補佐
どうもありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、阿部委員お願いいたします。
〇阿部委員
食品産業センターの阿部でございます。既にもう森光先生、中川先生から挙げられたとおりで、私も全く同じような意見を持っておりました。
このプロセス規格を作り、まずはトレーサビリティから始めていくというステップについてはよく分かりましたけれども、それが本当に実効性があるようにするためには、業界団体を中心として、実際に管理しなきゃいけない運用のルールとかきちんと決めて、その事業者を指導していくという体制はすごく重要だと思います。JAS化は大賛成ですし、そういうところも一緒に今後やっていっていただければいいんではないかなというふうに感じました。意見です。
以上です。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
ちょっと確認なんですが、さっきの御返答の中で、産業廃棄物の処分業者の資格を持っている方ならば対応は十分可能であるというふうな回答だったように思うんですが、ちょっと正確に聞いていないかもしれないんですが、そうすると、それが条件になりますか、このJASの認証を受けるために。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
ありがとうございます。完全なる条件とするつもりは現状ございませんですけれども、それに類似するような資格、例えば食品リサイクル法におけます再生利用事業登録者とか、いわゆる管理の実態を、そういった免許のようなものでちゃんとクリアしているところというような想定はしてございます。
あるいは地域によっては、産業廃棄物を取り扱っているのに、産業廃棄物の免許ではなくて、市の免許でいけたりする、そういった互換のものもございますので、その辺りは丁寧に拾いながらチェックをしていくということになろうかと思います。
〇中嶋会長
そのことを認証業者の時点で確認をしていくということですね。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
はい、そうなります。ありがとうございます。
〇中嶋会長
分かりました。それが入れば、先ほどから御懸念の点はかなりクリアするんじゃないかなというふうに思いました。ありがとうございます。
ほかにいかがでございますか。よろしいでしょうか。
鈴木先生、どうぞよろしくお願いします。
〇鈴木委員
すみません、手の挙げ方が分からなくて失礼しました。
私は静岡県のリサイクル製品認定の委員をやっておりまして、リサイクル製品については積極的に利用しましょうというようなことを公共の場で進めておりますが、これはそうしたものを想定されているんでしょうか。何か今後の方向性みたいなもの、もし検討されているんであれば、何かコメントいただければと思います。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
御質問ありがとうございます。リサイクル後の製品のところの、何か特定のものを推奨していくのかというような御質問として捉えさせていただきまして、すみません、もし違ったら御指摘をください。
お答えさせていただきますと、今回のJAS規格の目的そのものはトレーサビリティの確保と異物の混入を防ぐというところが主目的となってございます。これらのJAS事業者が出荷をする製品を使う、何か特定のところに使うために作っているかというと、そうではないという回答になってございます。現状、JASがない今の業界構造においても、既に各民間同士の検査基準の中で、飼料向け、工業向け、燃料等を使われているところでございますけれども、
今後、冒頭申し上げたルールを意識しない事業者等が参入しても何とか品質を保っていけるようなルールづくりのきっかけとして、このJASを生かしていきたいというふうに考えてございます。
今後も現在の利用用途の充実と、それから新しい分野としてはバイオマスプラスチック等が出てきておりますけれども、その辺りへの安心できる再生油脂の活用といったところは十分に図ってまいりたいなというふうに考えているところでございます。
このような回答でよろしかったでしょうか。失礼いたします。
〇鈴木委員
ありがとうございます。リサイクル製品として認定されますと、県あるいは市町が優先的に使用しましょうということで、そういう制度で、そもそもリサイクル製品というのはハンディキャップを持っているところからスタートしますので支援が必要だろうということで制度化して動いています。そのリサイクル製品の認定の際に、JISあるいはJAS等の規格としての根拠があると、これは非常にありがたいことなので、という意味で申し上げた次第です。
以上です。ありがとうございます。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
ありがとうございます。今理解いたしました。ありがとうございます。
リサイクル製品の認定につきましては、細かく検討した経緯はまだございませんが、今後可能性としてあり得るなというところは感じているところでございます。十分に検討してまいりたいと思います。ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございます。非常に重要な御指摘を頂いたように思いますが、これは工程管理の規格で、出来上がったものは原材料ですよね。このリサイクル製品の認定云々は最終製品の段階での認定になるので、先ほど御検討されているとおっしゃった、それぞれ製品の品質の議論が組み合わさって初めて何か実現していくようなお話だなと聞きましたけれども、非常に重要な、ある意味出口の議論になるんじゃないかなと思いました。
併せてお聞きしたいんですが、この後、製品品質の検討があり、もしかすると基準化、規格というものを定めていったときに、工程管理と規格との関係はどうなりますか。これはこれで別に、チェーンとして考えたときに、リサイクル工程管理の規格があって、更に別に製品品質の規格の制定と、場合によってはJAS規格にしていくという御議論になっていくんでしょうか。
〇堀(全国油脂事業協同組合連合会)
ありがとうございます。正にその辺りも議論中でござ
いまして、可能性としては二階建て規格にするのか、平屋、平屋の規格にするのか。つまり、今検討しているものだけでも取れるようにするのか、現在の工程管理があってこその、後のものもちゃんと二階建てとして取れるのか、この辺りが関連性の中でそこまで、どこまで組み込むのか、正に今検討中でございまして、その辺りは広く御意見を頂きながら検討を進めてまいりたいと思っております。
〇中嶋会長
ありがとうございます。そういうものに向かうためにも、まず第一歩として工程管理の規格を制定したいというお申出だと思いました。
ほかによろしいでしょうか。
それでは、御意見出尽くしたようですので、廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格(案)について、原案どおり制定するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
それでは、異議はないということなので、諮問事項の廃食用油のリサイクル工程管理の日本農林規格(案)については、原案どおり制定すべしと報告させていただきます。
また、今後の取扱いにつきましては会長一任とさせていただくこととし、告示の手続を行うに当たりまして、内容変更を伴わない字句の修正等が必要な場合に当たっては、事務局と調整するということで、会長一任とさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、フードチェーン情報公表農産物の日本農林規格(案)の制定案について審議を行いたいと思います。
では、事務局から御説明をお願いいたします。
〇安井課長補佐
引き続きまして、私の方から説明の方をさせていただきます。
お手元の資料3の4ページを御覧いただければと思います。
フードチェーン情報公表農産物の日本農林規格についてです。
「現状」につきまして、消費者ニーズとして農産物を購入する際に重視する項目は、産地に関する情報ですとか品質に関する鮮度のようなものがございます。一方で、事業者のニーズとしてフードチェーンの流通行程における適切な管理を見える化し、付加価値向上につなげたいという御要望もございますが、現在、フードチェーンの流通行程管理におけるトレーサビリティとか、輸送温度等の品質に関する情報を確認する仕組みが確立されていないというのが現状でございます。
一方、海外では日本独自の品種でございますシャインマスカットですとかルビーロマンなどが海外に流出しているという報道がございまして、日本産であることが疑わしい農産物が出回っている事例があることから、日本産のブランド形成や輸出の商談に当たって不利益を被っているという現状がございます。
参考までに、机上配付資料6にその事例を写真で御紹介させていただいております。日本の輸出商社などから日本産の日本産品であることを第三者から証明され得る手段が望まれているといった現状がございます。お手元のところのドッジファイルの中に入っているんですけれども、画面の方を御覧いただいた方がより分かるのかなと思います。
写真で載っている、左側がルビーロマンなんですけれども、韓国の百貨店とかで実際売られていた事例みたいなものを載せていると。現状、こういった状況がございます。
また、農産物の生産から販売までの一貫したデータ情報連携基盤、スマートフードチェーンプラットフォームについて、今回御出席いただいております本規格の御提案者の一般社団法人スマートフードチェーン推進機構様の方から、この後、詳しくその辺りの御説明をお願いしたいというふうに思いますけれども、今後、社会実装を行う予定でございまして、このプラットフォームに本規格が活用される予定でございます。
資料3に戻りまして、「規格の概要」について。
後ほど詳しく規格の概要について説明させていただきますが、農産物の出荷時の品質を維持するために、出荷から小売店等における入荷までの温度、湿度、衝撃等の流通行程管理基準をレタス、メロン、ぶどうの3品目を規定しまして、流通行程管理基準を含む農産物の履歴、適用、移動等のフードチェーン情報を記録、保存、公表するための基準を規定しているということでございます。
「効果」については、フードチェーンの流通行程における日本産品の品質の維持の取組を消費者へ情報提供できる仕組みをJAS化することによりまして、JAS認証により取組を見える化し、日本産品であることの信頼性の向上や輸出の商談に活用できるということが期待されているところでございます。
次の5ページを御覧いただきたいと思います。JASの概要について説明させていただきます。
先ほど御説明させていただいたとおり、流通行程の範囲としましては、農産物の出荷から小売店等における入荷までとしていますけれども、フードチェーン情報としては温度、湿度、衝撃等の流通行程管理基準を含む農産物の履歴、適用、移動等を記録、保存、公表するための基
準を規定しているということでございます。
最終的に農産物に「フードチェーン情報公表農産物」という用語と識別番号、それから二次元コードなどのフードチェーン情報の公表の方法を表示することによりまして、さらに、その表示をもって、スマートフォンなどから詳細なフードチェーン情報を入手することができるようになります。
規格の具体的な内容については、資料4-2の規格案を御覧いただければと思います。
本規格(案)の構成としましては、本文と附属書のAからCまでの構成となっておりまして、附属書Aの流通行程管理基準は規定でございますけれども、それは要求事項という形になります。
なお、附属書のB、任意の表示事項の例と附属書Cの流通行程管理基準の設定の例は、参考としているので、要求事項ではございません。
いろいろ前後して申し訳ございません。資料4-2の3ページの附属書Aを御覧いただくと、流通行程管理基準として、レタスとメロンとぶどうのそれぞれの規定がございます。今回、実証試験を行った3品目を載せておりますけれども、今後、追加の実証試験の結果から品目を追加できる構成となっております。
なお、実証試験を行った結果は、附属書Cにその具体的事例を載せていますが、現在、規格の御提案者の方で、イチゴの実証試験を行っているというふうに聞いているところでございます。
今回のJASでは、流通行程管理基準の製品規格でございますので、JASの認証を取得した事業者は農産物にJASマークを貼付し、農産物のフードチェーン情報を公表することを付加価値とした特色のあるJASですね。JASマークについては、特色JASマーク、いわゆる富士山マークをするということを考えているところでございます。
続きまして、パブリックコメントの結果について御説明させていただきます。
資料5の4ページを御覧いただければと思います。
資料中の2の事前意図公告については御意見がございませんでした。上の1の制定案に係る意見・情報の募集につきましては、昨年12月26日から今年1月24日までの30日間、意見募集を行いまして、1者から1件の御意見を寄せられたところではございますけれども、今回の制定案に直接関係のないものでございましたので、御意見として承りまして、今後の参考とさせていただきますということでございます。
したがいまして、パブリックコメント等の結果から本規格(案)を修正する箇所はございま
せんでした。
説明は以上となりますけれども、本規格(案)を御提案された一般社団法人スマートフードチェーン推進機構様の方から補足の説明をお願いしたいと思います。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
今御紹介いただきましたスマートフードチェーン推進機構の折笠と申します。あと本日、担当理事の名取さんと一緒に出席しております。
今御説明いただいたところで、詳細は名取さんの方から報告させていただきますが、ちょっと複雑というか、分かりにくい部分があるところなので、私の方から平たく説明をさせていただきますと、出荷された段階から、例えば小売店等の販売される現場までの間でトレーサビリティが適切に、先ほどの油脂のお話じゃないんですが、できているかという部分が一つ。
もう一つが、こちらにつきましては品質も保証するという部分で、各品目ごとに品質基準を設けております。例えば、メロンだと何度から何度の間、衝撃が過度に加わっていないとか。今回出させていただく三つの品目につきましては、科学的な根拠を既に実証試験という形で様々な、近畿大学とか千葉大学とかの先生方に御協力いただきまして、実証試験をさせていただいて基準を制定しております。この3品目からスタートなんですが、将来的にはほかの品目にも当然拡大していきたいというところと、やはり特にトレーサビリティは熊本のアサリの事件と、あと中国ですとかで今日本の農産物の輸出が増えてございます。香港、シンガポール。実際に実証試験の中で現地の消費者の方にアンケートを取りますと、例えば中国産のイチゴなんですけれども、パッケージに日本語が入っていて、日本産とはうたっていないものの、非常に紛らわしいものが多かったりとかという中で、本物の日本産であるということが保証されると、高くなっても買いたいという方が70%から80%出てきているというのも正直なところでございますので、そういった部分の輸出業者さんからの御要望もありまして、今回このようなJAS規格を出させていただいています。
なぜ今かというと、こちら、複数の流通事業者間の温度管理とか衝撃管理はある意味IoTデバイスみたいな形でしっかり記録を取れないと保証ができなかったんですが、今回、先ほどあったスマートフードチェーンプラットフォームというのを農水省、内閣府のプロジェクトで作っていって、今年の4月から社会実装していく中で、そのめどが立ったこと及びそのスマートフードチェーンプラットフォームを使わなくても、各事業者さんがデータを使えるような環境というか、技術が十分確立したところから、今後、特に輸出を増やしていく、あるいは国内でも付加価値型の販売をしていく上で重要であろうということで、このタイミングで出させて
いただいた次第でございます。
詳細は、名取さんの方から御説明を。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
スマートフードチェーン推進機構の理事を務めております名取と申します。よろしくお願いいたします。
今大体、主要な狙いについては折笠さんの方から御説明いただいたと思っております。
ポイントとしては、特に今回の規格が必要だという理由としては、物ベースできっちりトレーサビリティ、それと品質とを見る規格だというところです。こういう規格がなかったということになります。
いわゆる小口保冷輸送みたいな形で、例えばクール宅急便等で輸送状態を保証するとか、あるいはいろいろな産品、クラウンメロンであればクラウンマークが付いていて、それで良いものだというようなことを保証する手段、こういうのはあるわけなんですけれども、物自体で良いものを良い状態で運んだと、これをきっちり証明する手段がなかったということでございます。
これ実は消費者の方々とか輸出業者の方々にお伺いしますと、「これがきっちり分かると大変助かる」という声が大変ありました。
下世話なところですと、朝採れレタスとかあるんですけれども、例えば八ヶ岳山麓のレタスを大阪で売っていると。これはお客様が、「そんな遠い所のものが朝採れで本当に売れるのか」と、「これうそとちゃうか」と言われたことがあると、これが悩みだとかといったような話もあります。
加えて、クラウンメロンとかルビーロマンとか、そういうものについては偽物の問題があって、贈答で贈って本当にこれはちゃんとしたものなのか、卸も何か所か回っているというようなケースもあるということをいろいろヒアリングで確認しております。
それと海外に至っては、先ほどスライドでもお示しいただいたように、偽物が大変出回っているということがありまして、今回スマートフードチェーンプラットフォームという形で基盤を作ったことで、物ベースでIDを付けて、これを良いものを良い状態で最後まで運んでお届けし、その過程を見える化するという手段ができたということです。これをもって、今まで期待されていたけれども、きっちり保証できなかったところを国の認証という形で信頼性を高めていくということができると思います。これは消費者にとっては大変メリットがありますが、生産者、それと事業者にとってもブランド化を進めるという上で新しい手段になるということで、大変有意義だと思っております。
それと、規格の内容について、長くなるんで一つだけ補足しておきます。今回、規格自体は柔軟性を持たせたというところをちょっと御説明しておきたいと思います。
例えば、レタスとかメロンとかぶどうとか、温度管理についてはそれぞれ鮮度維持という意味で大変重要な項目になります。この場合の判定する規格基準については科学的なデータに基づいて、それぞれ申請者が設定できるようにするというふうにいたしました。当初、我々の検討の中では零度から10度とか、そういうふうに確定的な温度で決めてもいいんではないかという議論もあったんですが、ここについては産地によっていろいろな、外気の状態とか、そういうものも違うという議論もございました。
それと、いろいろな鮮度を保つための技術もあるという議論もございまして、そういったそれぞれの工夫を、押しなべて画一的な基準で管理するのはなかなか難しいという結論になりまして、柔軟性を持たせた形での規格の規定になっております。
その上で、ただ全く例示もなしではまずいんではないかという御指摘も頂いて、その結果として附属書のAと附属書のCという形で二つの、片方は規格、そして片方は規格の例示という形で具体例を示すという形での整理にさせていただいたところでございます。
詳細な規格基準の温度設定とかは少し微に入り過ぎると思いますので、御質問あればお答えしたいと思いますけれども、私の説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、ただいまの規格の御提案につきまして、御質問、御意見を頂きたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、水野委員お願いいたします。
〇水野委員
日本オーガニック検査員協会の水野です。よろしくお願いいたします。
なかなか良い規格だと思います。特に海外において日本産でないものが日本産で売られているものがありますので、輸出で活用できるといいと思います。
今回、レタス、メロン、ぶどうが品目として挙げられていて、今後追加されるとのことなんですけれども、追加になった場合にはどのように分かるんでしょうか。柑橘系を作っている生産者は柑橘系のみを作っていたりとかするので、新しい品目がもっと加わって、どんどん加わっていって、それが生産者が分かるようになっていたらいいなと思いました。
あと、これ事前にお聞きしていますが、この表記は海外の輸出を意識して、英語とか中国語などの表記も用意されているんでしょうねというご確認でした。
以上です。
〇中嶋会長
ありがとうございます。これは御返答はどちらから。
〇安井課長補佐
農水省の安井です。
品目の追加の件なんですけれども、今検討されているところはあるんですが、追加する場合には、この規格を改正しないといけない形になりますので、JAS調査会で改正することになり、そこで広く公表されるという形になると思います。追加する度に改正する形にはなるんですけれども、規格は5年ごとに見直しすることになりますが、5年待たずに品目の追加をするということであれば、追加の規格の改正の申出を頂いて、JAS調査会に諮り改正するという形になると思います。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
というのがちょっとオフィシャルな部分、官報に近いというか、農水省のところでそうなりましたというところプラス、我々のスマートフードチェーン推進機構で……
(「聞こえません」と呼ぶ者あり)
〇安井課長補佐
すみません、ちょっと確認しますので、少々お待ちいただけますでしょうか。
水野委員、私が答えたのは聞こえましたか。
〇水野委員
いえ、全く聞こえませんでした。
〇安井課長補佐
聞こえなかったですね。分かりました。私の方から再度回答させていただきます。
〇水野委員
ずっと沈黙があったので、何かまずい質問をしてしまったのかと。
〇安井課長補佐
私の方からもう一度回答させていただきます。
品目の追加の件につきましては、規格を改正しなければならなくなるので、今検討している品目を追加するのであれば、スマートフードチェーン推進機構様の方から追加の申出をしていただいて、JAS調査会に諮っていただいて規格を改正することで公になるという形になります。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
あと補足しますと、すみません、スマートフードチェーン推進機構としてポータルサイトを持っておりまして、そこで更新された場合には、「この品目追加されました」というアナウンスは随時させていただいて、分かるようにしていきたいなというふうに思っております。
〇水野委員
そうですね。どんどんと品目、柑橘系だとかイチゴとか、そういうものに関しても追加していってほしいです。期待しています。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
ありがとうございます。
あと言語対応についてでございますが、今日本語と英語でのシステムの対応については標準のアプリケーション、御用意させていただく予定です。実際、中国語も非常に求められているところでございまして、こちらにつきましては連携する事業者さんの方で、例えば昨年実証したところでいくと、SBIグループの、トレーサビリティやっているSBIトレーサビリティさんで、日本のお米のおにぎりを上海のローソンでやっていただいたんですけれども、そのときに中国語の表示画面のところだけ、まず中国語を作っていただいたりして、システムとしての、例えば用語とかの部分は日本語、英語なんですけれども、最後、消費者に見える部分で言語対応というところは比較的容易に対応、カスタマイズできるという形ですので、ちょっとそういう形で増やしていきたいと思っております。
〇水野委員
はい、ありがとうございました。
〇中嶋会長
ありがとうございました。一番最後の部分ですが、その中国語というのは簡体字の方。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
はい、簡体字です。
〇中嶋会長 台湾向けも用意はされていくんですか、将来。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
そうですね。基本的に各利用する国に合わせて、最後の表示する部分のところでの、消費者向けのところについては、おっしゃるとおり繁体字、簡体字。あと例えば台湾とかに対しても対応できる見込みでございます。
〇中嶋会長
タイとかベトナムなんかも。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
はい、今年は実証で熊本のイチゴをタイで実証もしておりまして、ただ、タイ語ができるんですけれども、僕たちが見ても合っているかどうかが分からないというところが非常に悩ましくて、中国語とかは何となく分かるんですけれども。なので、対応はできるんですけれども、なかなかネーティブじゃないと確認が難しいという課題だけがちょっと残っております。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
ちょっと私の方から聞いてしまって申し訳ないんですけれども、附属書Aの部分を改定することで品目が追加されていくということですよね。
〇安井課長補佐
基準認証室の安井です。
はい、そのとおりで、附属書Aが基準になりますので、要求事項になりますので、そこを変えていくという形で、附属書Cの方で具体事例を、設定の仕方がその形になりますので、そこも一応追加される形になると思います。イチゴの具体事例、設定例を追加する形になると思い
ます。
〇中嶋会長
分かりました。それも含めて調査会で検討する事項ということで。
〇安井課長補佐
はい、そのとおりでございます。
〇中嶋会長
はい、分かりました。
それでは、里井委員お願いいたします。
〇里井委員
すみません、手が挙がっている間に水野委員と、あと委員長で本当に質問も回答も終わってしまったんですけれども、挙げてしまった手はちょっと下げられないかなと思って。
ほぼほぼ質問は、追加されたときに生産者さんだけではなく、消費者も分かるようになるのですかということと、その表記方法で、恐らく英語はあるんでしょうが、ほかの外国語についてはということを知りたかったので、手が挙がったままでした。一連の流れで回答頂けましたので、これにおいては同じ質問でしたということと、今後もたくさん増えていけばいいなという思いだけをお伝えさせていただくことにいたします。よろしくお願いします。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
それでは、山根委員お願いします。
〇山根委員
山根です。ありがとうございます。
私も表示の信頼性を高めるということで、ニーズや意義は理解いたしますので、広がるとよいと思っています。
が、生産情報公表JASというものとの違いがちょっと最初、混乱しそうになりました。全くそれとは別ということを確認したいと思います。
ここの説明に、「産地情報を見える化」と説明がありますけれども、これはあくまでも生産の行程ではなくて、産地名の確認というか、情報の見える化ということで確認させていただきたいと思います。
〇栗原主任調査官(FAMIC)
御質問、ありがとうございます。FAMICで担当しておりました主任調査官の栗原と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
今まであります生産情報公表農産物、水産物等、そちらの方とのすみ分けなんですけれども、こちらのフードチェーン情報公表農産物に関しましては生産段階に関しては、対応というか、適用範囲になっておりません。なので、生産段階と流通段階ということで、すみ分けております。
生産情報の方は生産時の情報を、このシステムについては、流通段階での情報を公表するということになっております。
システムとしては、生産段階での、例えば静岡のクラウンメロンさんの「クラウンメロン」という生産者様独自の基準とか、そういうことを参考として載せることはできますけれども、本JASに関してはあくまでも流通行程の情報を公表していくということになります。
私からは以上ですけれども、回答になっておりますでしょうか。
〇山根委員
ありがとうございました。二つのJASが適切に広がるとよいと思っています。行く行くは両方がセットになってつながるようなことが進めばというふうに期待しておりますので、よろしくお願いいたします。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
私からまた追加で質問して申し訳ないんですが、生産情報のJASを取って、それから今度のフードチェーン情報のJASを取った場合、二つラベルを付けることになりますか、マークを。
〇安井課長補佐
基準認証室の安井です。
そのとおりでございます。生産情報の規格としての認証と、流通行程管理の認証、別々になりますので、マークは二つ貼る形に。
〇中嶋会長
昔だとマークが違う形だったので、別々に取っているんだなというのが分かるんですが、今回、富士山マークが二つ並ぶという形になるんですか。
〇安井課長補佐
基本、一つの規格に対して一つのマークなんですけれども、そこに何のものなのかという標語を書く形になりますので、生産情報なら生産情報の標語を入れていただくと。流通行程だったら、流通行程の標語を入れていただく形になると思いますので。
〇中嶋会長
かつ、両方ともQRコードが付いている形になりますですか。生産情報の方は付くんでしたっけ。
〇安井課長補佐
そうですね。QRコードも付ける形になります。
〇中嶋会長
もし、何か追加があれば。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
今回、我々のJASについてはQRコードを確実に付けるという形ですけれども、生産情報公表JASは必ずしもQRコードは付いていないような気もしておりますが、いかがでしょうか。
〇安井課長補佐
QRコードとは書いてはいないので、別にQRコードでも、ホームページのURLでもいいですし、その公表の仕方を表示していただくという形になります。そこは生産情報も、今回のJASについても同じ。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
あと補足をさせていただきますと、
スマートフードチェーンの方では生産情報の方も同じデータプラットフォーム上で扱えるので、実際に申請される方がこのプラットフォーム上に生産情報をリンク、連携させていただければ、一つのQRコードで両方の情報を表示するという、ロゴは二つになっちゃうんですけれども、JASの仕組み上。ただ、QRコードの、例えばフードチェーン情報公表農産物、今回のやつのQRコードを読めば、そこで生産情報も確認できるというふうにも、システム上はすることは可能です。
〇中嶋会長
分かりました。ありがとうございます。
それでは、続きまして、鈴木委員が先にお手を挙げていらっしゃったようですので、よろしくお願いいたします。
〇鈴木委員
すみません、一言コメントといいますか、私どもの大学は実はこのアールス系のメロンのときの渦中にございまして、クラウンメロン、アローマ、ライオン等ブランドありますけれども、特にクラウンメロンはこの間、品質に関する信頼性といいましょうか、ブランド力の向上・維持をずっと努力されてきておりまして、そうしたこの方向性がこの規格に、同じ方向を向いているといいますか、ほかの品目についても今後発展していくように、非常に強く思っているところでございます。
特に大学ではグローバルGAPを取り、認証を得るとか、そうした努力を大変しておりまして、これがほかの品目に広がることを是非努力したいと、我々もそんなふうに思っているところでございます。余計なことを申し上げました。クラウンメロン、渦中におりまして、一言申し上げました。
以上でございます。
〇中嶋会長
強い御支持を頂いたと理解をいたしました。ありがとうございます。
それでは、水野委員、再び手を挙げていただいたんでしょうか。水野委員、手を挙げていらっしゃいますか。そのままですか。
〇水野委員
すみません、ミュートでした。
今生産情報公表農産物のことが出ましたので、追加としてお願いしたいんですけれども、マークが同じということで、是非そのマークの上にスマートフードチェーンですか、それと生産情報公表農産物と、両方上に書くことによってスペースをちょっと節約できるような形を検討していただきたいなと。もし、二つの認証を取った場合、二つマークが並んでいるというのはスペースも取りますし、生産者の方というのは、いかに小さいスペースで表示しようかということを考えていらっしゃると思うので、QRコードではそれは合体できるということをお聞き
しましたので、是非同じマークなので、その上に二つ並べることでマークが、特定JASマークが二つ並ぶようなことじゃないようなことも検討していただきたいと思います。
〇安井課長補佐
基準認証室の安井です。御意見、どうもありがとうございます。
運用につきましては、今後運用しやすいように検討させていただきますので、どうも御意見ありがとうございます。
〇水野委員
ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、森光委員お願いいたします。
〇森光委員
森光です。
皆さんから御意見が出ておりますが、海外に日本の農産物の品種が流出している点について、これは「日本のものがおいしい!」ということで、僕からしてみたら「どうだー!」というような、何か誇らしいことのように勝手に思っています。
このマークが実際には海外で認知が高まるということと、議事録からカットされるかもしれませんが、「J」が「C」や「K」に変わって、模造されて同じのが貼られたならば、きっとこの規格が通ったところで変わらない可能性もある(要はいたちごっっこ)。それでもいいような気がする反面、多分この後の議題でも出てくる切り花なども、作った中で格付者数が少なくて、また考えましょうというようなこと出ました。ここで少し思ったのが、正にSBIの話が出てきたように、コンビニさんなんかはすでにやっていらっしゃいますよね。先ほどお話の中では、これを希望している、要は格付を希望する予定の業者数、要はどれぐらいを見込んでいらっしゃるかというのを教えて下さい。
国内においては、恐らく大手の果物屋さんなんかも、ちゃんと緩衝材入れたトラックをわざわざ作られて運ばれていますし、そういうところの情報、そういった事業者もこぞってこのマークを使ってくれるという目算があるかどうかについてお知らせください。
あとは価格の面です、これも基本的にはもう流通の面ですでに行われているものものではないか。消費者に対する価格に跳ね上がらない形で、このマークを付けるところがたくさんあるのか。それとも、今売られているレタスやイチゴなんかがぐーんと値上がっちゃうよという話なのかも教えてください。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
事業者数というのは、まだ明確になかなかできていないところでございまして、我々のやり方としては、まずは成功事例を作っていくことが重要だと思っております。その意味では、実証について御協力いただいた機関と
いうのは、それぞれの産品にいらっしゃいます。
それと、いろいろ全国の生産団体とか流通事業者の方々にお伺いしたり、アンケートで確認した際には「大変期待している」という声を頂いております。
あと輸出です。輸出も実際にWismettacフーズさんが実証に積極的に参加して、いろいろな国に出して検証するということで、この辺り実際に突破口になるんではないか、そういう期待をしているということでございます。
3品目以外にもということで、イチゴとか、ほかの品目も広がればと思っております。
それと、価格の関連で少し、関連データですけれども、実は品質をきっちり良いものにしていくと、それに対して、ある程度上乗せしてもいいというようなアンケート結果を得ております。大体一、二割はアップしてもいいということで、ルビーロマンの場合、1万円程度の房の場合ですが、この場合ですと、2,000円程度だったら負担しても良いという回答を、これは特に贈答用ですけれども、お贈りして、贈った先の方が確認できるんであれば、それぐらい高くなっても構わないというふうに御回答いただいております。そこでの上乗せ分を関係者の皆さんで分かち合うというようなことが一つあろうかと思います。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
なので、基本的にここのJASを取るために当然コストが掛かってまいります。その部分をしっかり価格転嫁した上で、プラスアルファの付加価値を付けることによって、要はこのJASに取り組むともうかるよというのが見えるようにしたいというのが狙いでございまして、そうすると、もうかればみんなやってくれるというふうに思っておりますので、そこを目指しています。
朝採れレタスでも実際に、通常のレタスが118円ぐらいなんですけれども、朝採れレタスだと、そのとき148円とか、30円ぐらい高かったんですけれども、先に朝採れレタスの方が売り切れるという形でございましたので、そういった今回価値を生み出せば、買ってくれるんではないかというふうに考えております。
〇森光委員
頑張ってください。ありがとうございます。
〇中嶋会長
ほかにいかがでしょうか。
それでは、中川委員お願いいたします。
〇中川委員
ありがとうございます。非常にすばらしい規格だと思いますので、是非成功していただきたいと思います。
これは言ってしまえば国益に関わることだと思っておりますので、是非参入する方が非常に増えてくることを願っておりますので、うち宣伝していただいてというところを思っています。
特にこれは多分農水省様へのコメントになるのかもしれませんけれども、諸外国に対してこのスマートフードチェーンプラットフォームみたいなものを作って、頑張っているんだよということを宣伝していただくといいのではないかと思いました。
以上です。
〇伊藤基準認証室長
中川委員始め、皆様から御期待の声を頂きまして、大変ありがとうございます。基準認証室、伊藤でございます。
こちらのスマートフードチェーンの取組につきましては、JASの規格化という観点においては、私ども基準認証室やFAMICが関わらせていただいておりますが、本日、原課担当ということで同席させていただいておりますが、農林水産技術会議ですとか農研機構、こういったところも含めて農水省挙げて取組をさせていただいているところでございますので、このJASだけではなく、取組全体の国内、国外への周知ですとか、そういったところについてもしっかり協力して取り組んでまいりたいというふうに考えております。ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。
それでは、私からもちょっとだけ質問させていただきたいんですが、この規格を見ますと、データをどのように記録していくかというシステムについては特に定めがなくて、例えばスマートフードチェーンプラットフォーム、ukabisさんの仕組みを使ってもいいし、それから各事業者さんが自分のデータロガーとかも使って、蓄積しておいてもいいということなんですが、それの改ざんがないとか、そこら辺の担保はどんなふうになっているのかという辺りはいかがでしょうか。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
スマートフードチェーンにつきましては、構築しているシステム上でブロックチェーンを使ってしまうと非常にコストが高いので、ハッシュタグ方式といいまして、記録ごとにハッシュタグという暗号のようなものが発行されまして、改ざんされるとそれが変化してしまうので、すぐ検知できる改ざん検知の機能が付いています。セキュリティーは保たれております。
プラス、実際にスマートフードチェーンをお使いいただく場合の使い方として、我々として今回、JAS用のスマートフードチェーンとしての純正アプリみたいなものは御用意をしております。使っていただいてもいいですし、アプリケーションは各事業者さんが、例えばですけれども、イオンさんが自社でイオンのスマホアプリがあったら、そのアプリをスマートフードチェーンにつないでいただいて、要はスマートフードチェーンはただのデータベースというか、
としてお使いいただく使い方もオーケーにしていますので、場合によってはそういうふうに使っていただくという、半分自社開発みたいなのオーケーです。ただ、もちろんJAS規格ですので、自分たちで完全にシステムまで作り込んで、この認証をやっていただくというのも当然オーケーなんですけれども、その場合、各事業者さんのシステムに依拠してしまうので、ここにつきましては事業者さんの監査というか、の中である程度、おっしゃっていただいた改ざん検知とかセキュリティーどうなっているのかというのを確認していくという流れになろうかと思います。
〇中嶋会長
要求事項の4.1のところでいろいろな情報等があり、これは「識別番号が確実に付与されて、適切に保持されなければいけない」。4.2の行程管理基準のところで、「流通行程管理基準に従って管理しなければいけない」という辺りと、その後ですが、「フードチェーン情報の記録、保存及び公表」のところでの、「正確に記録、適切に保存され」という辺りがとても大事で、こういうものをちゃんと確認してもらうということになりますね。
〇折笠(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
はい。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それから、先ほどのQRコードの話にもあるんですが、そこの提示の仕方は、提示をすることに関しては義務化しているわけではなくて、識別番号だけとにかく確認できるようにするというところまでがまず大事で、それを問い合わせたときには答えるというような、そういう立て付けになっているというふうに理解すればよろしいですか。それとも、QRコード等、必ずアクセスできるような部分を作っておくというふうに考えた方がよろしいですか。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
5、表示のcのところ、「フードチェーン情報の公表の方法」という形で記載しておりますけれども、ホームページアドレス、あるいは二次元コード、その辺りについて表示をするということでございまして、分かりやすい形では、やはりQRコードに添付するということになると思います。
〇中嶋会長
なるほど。識別番号だけではなくて、ホームページアドレスや二次元バーコードや、もしほかのものがあれば、それは載せなければいけないということですね。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
はい。
〇中嶋会長
分かりました。
〇名取(一般社団法人スマートフードチェーン推進機構)
現在開発しているアプリでは、アクセスしますと、実際のトレーサビリティでどこを発地にして、どういう経路で小売店までたどり着いているか。それと、その間の温度状態とかを分かりやすい形で示すビューアーを作成
しております。信頼感を高める上では機能的なものだと思っております。
〇中嶋会長
分かりました。ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。よろしいでしょうか。
それでは、御意見出尽くしたようでございますので、フードチェーン情報公表農産物の日本農林規格(案)については原案どおり制定するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
異議はないようですので、諮問事項のフードチェーン情報公表農産物の日本農林規格(案)については原案どおり制定すべきと報告させていただきます。
今後の取扱いにつきましては、先ほどと同じように会長一任とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
それでは、ここで一旦10分休憩したいと思いますが、高橋総括審議官におかれましては、所用で退席されます。どうもありがとうございました。
〇高橋総括審議官
引き続き、よろしくお願いします。
〇中嶋会長
10分ということですので、11時15分開始でよろしいですか。ありがとうございます。
午前11時03分休憩
午前11時15分再開
〇中嶋会長
それでは、お時間になりましたので、日持ち生産管理切り花の日本農林規格の改正案について審議を行いたいと思います。
事務局から御説明をお願いいたします。
〇牟田規格専門官
基準認証室の牟田でございます。私の方から日持ち生産管理切り花のJASについて御説明申し上げます。
資料3の7ページをお開きください。
上のところでございますが、国産の切り花の日持ち性を向上させる生産段階の指標を規格化しました日持ち生産管理切り花のJAS規格を平成30年の3月に制定してございます。ただ、一方で認証機関となり得る団体がございませんで、認証の実績がないという状況でございました。
このことから、今回、申出者でございますMPSジャパンが認証を行っているリレーフレッ
シュネスの生産部門よりも上の基準に引き上げるJASの改正を行いまして、認証機関の確保や事業者の認証を目指すということで、実際にJASとして動かしていきたいと考えています。
また、あわせて、平準化JASから特色JASに変更ということで、かなり上の基準ということでございますので、マークもそのように変えていきたいということでございます。
囲みの下の規格の概要というところでございますが、リレーフレッシュネス、生産部門・流通部門・小売部門とございまして、その生産部門のところ、これをリレーフレッシュネスよりも上の基準、JASに持ってきて改正するということでございます。
右のところで切り花の老化を促進する原因としまして、エチレンガス、糖質不足、水揚げ不良、これを取り除くための管理の方法、それから品質保持剤を適切に使用するというような内容をJAS規格に盛り込んでいくというようなことでございます。
右下のところでございます。平準化JASから特色JASへ変更ということで、マークの方も変更したいというふうに考えてございます。
次に、8ページ目でございます。JASの規格の概要でございます。左のところ、項目で「栽培管理」とか「採花時の管理」ですとか、「水揚げ及び前処理の管理」というようなことで項目を設けてございます。
左の方が改正後ということで、右の方が改正前ということでございます。
改正後のところの赤字の部分を追加するということで、より具体的なところですとか、先ほど申し上げました切り花の老化を促進する要因を取り除くための内容がここに盛り込まれているということでございます。
改正前の方で言いますと、青字の部分を削除していくというようなところでございます。
「附属書A」というところを見ていただきますと、改正前は「技術的基準を掲載」ということで掲載していたわけですが、これは認証の技術的基準のことでございますが、他の規格と同様、規格とは別に認証の技術的基準というのは設けられておりますので、この規格につきましても同じように改正する、削除するというようなことでございます。
改正後につきましては、附属書のところに「品質保持剤リスト等を規定」ということで、適切な品質保持剤を使用するということですので、その一覧を附属書のところに入れ込むということでございます。
それから、パブコメと事前意図公告につきましては、両方ともなかったというようなことになります。
私からの規格の説明は以上でございますが、この改正の申出者でありますMPSジャパンさ
んの方から何か補足的な説明がございましたら、よろしくお願いいたします。
〇松島(MPSジャパン株式会社)
MPSジャパンの松島でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
MPSというのはオランダ発祥の国際認証、「花き産業総合認証」ということなんですけれども、日本語では「環境に配慮した花きの生産」という形で、花の生産や流通の環境負荷の低減、それから品質管理、それから社会的な責任というようなものに対する認証という形でやってきております。
私どもMPSジャパンは、このMPS認証のほかに花き日持ち品質管理認証制度、これは「リレーフレッシュネス」と言いますけれども、この認証をやっております。これは、もともとは農林水産省の花き日持ち性向上対策実証事業というものから策定されたものでございまして、民間に移管されたような形で今運営しているという形でございます。
先ほど御説明いただきましたように、2017年にこのリレーフレッシュネスの一部を基準とした日持ちJASというのを申し出させていただきまして決まったんですが、いろいろな諸事情から認証機関の立ち上げという形にならなくて、認証の実績がないという状況なんですけれども、今回この規定の見直しにより、リレーフレッシュネスよりも更に一つ上の基準という形で改正を申出させていただきまして、特色JASということで、現在、認証機関の立ち上げの準備もMPSジャパンやっておりますので、今後、事業者の認証というものを目指して進めていきたいと思っております。
今回の改正を提出させていただいた経緯は、以上のような形でございます。御審議のほどよろしくお願いいたします。以上でございます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、日持ち生産管理切り花の日本農林規格の改正案につきまして御質問、御意見を頂戴したいと思います。委員の皆様、いかがでございましょうか。
それでは、森光委員お願いいたします。
〇森光委員
森光です。どうもありがとうございます。
改正前は格付ゼロということで、改正されて今回至ってということで、実際に幾つかの項目が入れ替わったと。この内容で格付される業者さん、要は申請取りたいという業者さんの予測などがあれば教えていただきたいのと、この後、レベルの問題で、この改正は誰でも取得できるレベルへ下げたわけではないと思うんですが、言い方は変ですけれども、青山フラワーさんとか日比谷花壇さんクラスじゃないと手出せないよというようなレベルなのかという、その度
合いを少し教えてください。
〇中嶋会長
どうぞ、御発言ください。
〇松島(MPSジャパン株式会社)
それでは、御説明をさせていただきます。
現在、先ほど説明のありました日持ち品質管理認証、リレーフレッシュネスの生産者の数、認証者の数が約1,800件ほどございます。そのうちの、これは予測になるんですけれども、恐らく5%程度、5%なり、10%なりという上位のところで認証を取得していただけるんじゃないかというふうに見込んでおります。
実際に今年度、この日持ち認証の審査に当たっている中で、皆さんにJASの件についてお話をお伺いしたところ、もうおおむね好評で、「是非切り替えたい」という方がほとんどであったということがまず一つ。
あと、ただ、この認証というのは、これは二つ目の御質問になるかと思うんですけれども、飽くまで今の認証の上位認証になりますので、基準が厳しくなって、誰でも取れるわけではないということになりますので、その点も踏まえて、恐らくこれぐらいの数字じゃないかなというふうに思っております。
あとは、恐らく認証のコスト的なところについても費用が今までのものより高くなりますので、その辺もコストメリットであったものになるかというのは、恐らくこの認証というのが今後発展していく中で実感していただく部分になると思いますので、恐らく最初の段階ではその辺でどうしようかと迷われる方もいるんじゃないかというふうに思っております。
以上であります。
〇森光委員
ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
それでは、山根委員お願いいたします。
〇山根委員
山根です。度々すみません。言葉の用い方で2点ちょっと質問なんですけれども。
一つは、改正前と改正後、どちらも「品質保持剤の適用」という言葉が出てきますけれども、「適用」というと、何かただ使うというか、当てはめて使うみたいな意味に思うんですけれども、ここは「品質保持剤の適切な使用」の方がよくないかなというふうに思ったことと、もう一点、これは事前説明を伺ったときにも申し上げたことなんですが、JASの規格の中に、「たばこの煙の管理」という文言が入るのがどうしても違和感を覚えまして、ただ、とてもこれは大事な視点なんだということも伺ったんですが、臭いうつりがとても大事というか、問題
だということであれば、言葉はちょっと分かりませんけれども、「臭いの管理」とかにする方がまだよいのかなと思ったり、ちょっとその辺りを伺えればと思いました。
以上です。
〇中嶋会長
まず、事務局の農水省の方からお願いします。
〇牟田規格専門官
基準認証室の牟田でございます。御質問ありがとうございます。
後段の御質問の方からお答えさせていただきます。要は、「たばこの煙の管理」というところにちょっと違和感があるということかと思うんですが、この日持ち生産管理切り花、「たばこの煙の管理」の規定を追加したという理由につきましては、たばこの煙はエチレンガスというのを含んでおりまして、これが切り花の老化を促進するものということでございますので、日持ち生産管理切り花の今回の規格の作成の趣旨に鑑みまして、この規格に規定したいと考える次第でございます。
それから、文言の「適用」というところにつきましては、他の規格と横並びのこともありますので、またそこは今後検討したいと思います。よろしくお願いします。
〇山根委員
ありがとうございました。
〇中嶋会長
よろしいでしょうか。
ほかにいかがでございましょうか。
大谷委員、お願いいたします。
〇大谷委員
大谷です。
改正後のところで、出荷年月日の記載が削除された理由というのを教えていただけませんでしょうか。
〇牟田規格専門官
出荷年月日の削除の方なんですが、切り花の日持ちにつきましては、保管温度と時間に影響されるというようなことでございますので、低温で保管した場合、長く日持ちしますし、高温で保管した場合は短時間でも枯れてしまうというふうに聞いてございます。そのため、必ずしも出荷年月日の表示が日持ち日数に直結しないということから、その表示は削除するということにした次第でございます。
〇大谷委員
それは、現在は出荷年月日を基準に皆さんが判断されていけれども、これからは品質がきちんと担保されるので、出荷年月日は不要というような解釈でよろしいですか。
〇牟田規格専門官
MPSさん、よろしくお願いします。
〇松島(MPSジャパン株式会社)
私の方から御説明させていただきます。
今現在でも、出荷年月日が明らかに表示をしているというところは実際のところ少ないとい
うのが現状であります。出荷年月日を表示してしまうと、それから換算して日持ちイコールという話になりますので、そうではなくて、今先ほど御説明のありました温度時間値という概念ですけれども、そちらの考えを採用すると、出荷年月日というのは逆に誤解を与えてしまうということで、要らないのじゃないかというふうに考えております。
以上です。
〇大谷委員
分かりました。どうもありがとうございました。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
では、室長の方から御発言があります。
〇伊藤基準認証室長
すみません、先ほどの山根委員からの御質問で「適用」の言葉の使い方のお話が、「品質保持剤の適用」という言葉は分かりにくいというお話だったかというふうに承知しております。
お配りしております資料の4-3の新旧対照表の2ページ、4.2の「採花時の管理」のところかと考えておりまして、cのところには「切り花は、採花後30分以内に適切な品質保持剤を入れた水にその切り口を浸されなければならない」というような形で記載をさせていただいておりまして、これを資料上は丸めて「適用」というような形で書かせていただいておりますが、山根委員の御指摘のような御趣旨の「入れた」とか、分かりやすく「使用した」とか、そういった文言では規格上は記載をさせていただいている、ほかの部分にも品質保持剤、出てまいりますが、記載させていただいているかなというふうに思いますので、その旨、ちょっと補足で御説明させていただきました。
〇山根委員
山根です。どうもありがとうございました。分かりました。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
今日お配りいただいた説明文、8ページの部分は、これは公表されるものですよね。
〇伊藤基準認証室長
はい。
〇中嶋会長
そこの表現ぶりとして、この「適用」は維持されるということですか。
〇牟田規格専門官
資料としては、このままで構いません。
〇中嶋会長
はい。それは一応先ほどの御説明で御理解いただいたということでよろしいですか。かつ、規格の方にはこの言葉は使われていないということも確認したということでよろしいでしょうか。
〇伊藤基準認証室長
はい。
〇中嶋会長
山根委員よろしいでしょうか。
〇山根委員
はい、ありがとうございました。
〇中嶋会長
ありがとうございます。
すみません、出荷日の話でしたけれども、食品ロスのことも含めて、表示基準をどうするのかというのは、いろいろ食品関連では議論があるところなんですが、花に関しても購入された方がその出荷日を御覧になって、できるだけ新しいものをというのを選ぶ傾向はありますか。それとも、これはBtoBの話で、お店の方が出荷日云々を気にされるというような話ございますか。
〇松島(MPSジャパン株式会社)
私が御説明させていただきます。
今現在、一般の消費者の方がお花の出荷年月日を知るということは、まずほとんどないということでございます。飽くまで市場等での買い付けをされるバイヤーさんがそれを記入されているといいますか、そういうことで、日持ちについては飽くまで市場等でのバイヤーさんの認識の中で判断をされるということになります。
〇中嶋会長
慣行的には、そんなにその場で表示はされていないということでよろしいですね。
〇松島(MPSジャパン株式会社)
おっしゃるとおりでございます。
〇中嶋会長
分かりました。ありがとうございました。
ほかにいかがでございましょうか。
もう一つだけ、資料の7ページ目のところで、現在の規格に関しては制定から現在に至るまで、認証機関となり得る団体が存在せず、認証の実績がない状況というのが、ちょっと私、十分理解できなかったんですが、この規格に対するニーズは非常に強いんだけれども、認証する団体がないから全く普及していないということなんですね。
それと、MPSジャパンさんが認証を行っているということとの関係性を教えていただきたいんですが。
〇牟田規格専門官
基準認証室の牟田でございます。
先ほどの、認証機関となり得る団体がなかったというのは、ちょっと経緯を話すことになりますが、平成30年に制定したときには、MPSジャパンさんともう一つ、花の協会がありまして、そこと調整して、今回の規格が平成30年にできましたが、大体普通の生産者の方が皆さん取れるような規格、平準的な規格でございましたので、差別化を求める生産者の方からの関心というのはなかったというようなことで、認証機関になるところもなく、また生産者の方からも「この規格を取りたい」というような声が上がらなかったというようなことでございます。
〇中嶋会長
なるほど。認証を取りたい生産者と認証を与える認証機関の方が両方存在するのは、卵が先か、鶏が先かの問題だと思いますが、いずれにしても規格としてのニーズがちょっと十分ではなかった可能性があったということで、今回レベルアップすることで、そこから一歩前に進めることになるだろうということですね。
〇牟田規格専門官
そういうことです。
〇中嶋会長
はい、分かりました。ありがとうございました。
ほかにはよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、一応御意見は出尽くしたと理解しましたので、この日持ち生産管理切り花の日本農林規格の改正案については原案どおり改正するということでよろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございます。異議がないようですので、諮問事項の日持ち生産管理切り花の日本農林規格の改正案については原案どおり改正すべきと報告させていただきます。
また、今後の取扱いにつきましては、先ほどと同様に、会長一任とさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございました。では、そのようにさせていただきます。
それでは、次の案件に移りたいと思います。
畳表の日本農林規格の改正案及び生産情報公表養殖魚の日本農林規格の改正案について、併せて審議をさせていただきたいと思います。
事務局から御説明をお願いいたします。
〇牟田規格専門官
基準認証室、牟田でございます。
それでは、私の方から御説明申し上げたいと思います。
資料3の9ページ目でございます。
3ポツ目のところからなんですけれども、畳表の国内生産数量、それから中国からの輸入量、共に減少傾向ということで、JASの格付数量も減っている、微減傾向ということではございますが、公共工事の調達基準にJASが利用されているということでございますので、今後もJAS格付品は一定程度使われるというような見込みでございます。
4ポツ目でございますが、このJASで規定されている項目ですとか水準、これは事業者の製造基準として活用されているほか、取引先との取引基準としても活用されているということ
でございます。
したがいまして、今後も平準化を目的としたJASとしての役割が発揮されるものというふうに考えてございます。
業界の方で見直しした結果、規格の内容は現行どおりとしまして、様式だけを改正するというものでございます。
下のところに畳表のJASでの主な基準ということでございます。また、右のところに畳表の生産状況が記載してございます。上から国内供給量、これは国内生産数量と輸入量を足したもの、輸入量は中国からのものだけになっております。
格付数量というのがJAS品の製造ということになりまして、格付率につきましては10%から14%程度で推移しているところでございます。
私からの畳表の説明の方は以上でございまして、畳表登録認証機関連絡協議会の方から補足説明ございましたら、よろしくお願いします。
〇上村(畳表登録認証機関連絡協議会)
認証機関の上村です。よろしくお願いいたします。
資料の4-4を御覧いただきたいと思います。改正の部分について補足説明いたしますけれども、資料の4-4を御覧いただくといいんですけれども、JISのZの8031に従いまして、様式を改正しております。右が改正前、左が改正後となっております。
例えば、最初の「引用規格」について、改正前は「次に掲げる規格は」となっておりますが、引用後は「次に掲げる引用規格」というふうになっております。また、改正前は、「この規格に引用されることによって、この規格の規定の一部を構成する」となっておりますが、改正後は「その一部又は全部がこの規格の要求事項を構成している」というふうになっております。文言がちょっと変わっておりますけれども、中身は大まかに変わっておりません。
1ページから4ページまでありますけれども、内容的には変えておりません。ただ、様式に従いまして改正しておりますので、改正を認めていただきますようお願いいたします。
以上ですけれども。
〇牟田規格専門官
ありがとうございました。
すみません、一つ説明し忘れていました。パブリックコメントと事前意図公告、こちらの方はございませんでした。
それから、引き続きまして、生産情報公表養殖魚の方の説明を行いたいと思います。
資料3の10ページ目でございます。上の囲みのところでございまして、1ポツ目でございます。このJASでございますが、養殖魚の生産情報(誰が、どこで、どのように生産したか)
を消費者に提供する仕組みということでございまして、下にあります「規格の内容」の生産情報というaからhまでございますが、それを事実に即して公表することということになってございます。
見直しした結果、JASを利用する生産者にとって分かりやすい規格とするために、公表や表示の方法を例示するなどの改正をしてございます。
このJASでございますが、今後も特色のあるJASとして使われるというふうに考えてございます。
あと、先ほどと同じように様式の方を改正するというようなことでございます。
下のところの「規格の内容」、生産情報ということでaからhまでございまして、養殖業者の氏名ですとか、養殖場の所在地とか、そういったものを事実に即して公表するというものでございます。
右のところに格付数量というのがございます。特にアユとかウナギで活用されているというところでございます。
その下の「改正の概要」でございますが、かいつまんで言いますと、例えば5.2の「表示の方法」で、生産情報を入手するために必要な連絡先として例示されているファクス番号、ホームページに加えまして、電話番号も例示として加えていきたいというような改正をしていくというところでございます。
あと、パブリックコメントと事前意図公告については、ございませんでした。
説明の方は以上でございますが、今回のこの規格の改正、見直しについて行いましたFAMICの方から何か補足説明がございましたらお願いします。
〇渡部課長(FAMIC)
FAMICの渡部でございます。
今回の生産情報公表養殖魚につきましては、FAMICの方で申出の原案を検討させていただきました。
検討に当たって関係者の皆様からいろいろ御意見を伺い、先ほど牟田規格専門官から御説明がありましたように、規格の中身については変わってございませんが、より利用者の方、事業者の方が使いやすい規格というものを目指して検討させていただきました。
以上でございます。
〇中嶋会長
ありがとうございました。
それでは、まず初めに、畳表の日本農林規格の改正案について御質問、御意見を受けたいと思いますが、いかがでございましょうか。
ございませんか。内容は変更せず、ISOの様式にそろえるという修正だというふうに理解いたしましたので、特に委員の皆様から御意見はないと承りました。
それでは、次に生産情報公表養殖魚の日本農林規格の改正案についての御質問、御意見があれば承りたいと思います。いかがでございましょうか。
それでは、三木委員お願いいたします。
〇三木委員
水産研究・教育機構の三木でございます。
ただいま生産情報公表養殖魚の日本農林規格について御説明いただき、改正の部分に関してはこのとおりでよいと思っていますが、FAMICの渡部さんの方から補足説明があったのと、資料の方で規格に係る規格調査結果を拝見しましたので、若干コメントをさせていただければと思います。
この規格は量が少なく、対象魚種がほぼアユ、ウナギで内水面に限定されている状況かと思います。養殖魚全体で見ますと、現在、輸出向けであれば認証はASCが中心で、国内向けでは大手小売業者が「うちはこれでやっています」というような形でMSCだったり、ASCだったり、MELだったりの認証を消費者にアピールしています。そういう中で、JASの規格がどういう位置付けになるかが気になるところでございます。
あと、ウナギについては、今後、水産流通適正化法でのシラスウナギの扱いが整った数年後に少し考えてみましょうというお言葉があったかと思います。その際、規格の項目の種苗については人工種苗技術の向上等も勘案して見直しされるのがいいのかなと思いました。
以上でございます。
〇渡部課長(FAMIC)
FAMICの渡部でございます。御意見ありがとうございました。
この検討の段階の中、ウナギにつきましては、委員御指摘のように、様々な発展の仕方といいますか、検討の方向があるのじゃないかという御意見ございましたけれども、先ほど委員からもございましたように、水産流通適正化法の方の関係で、そちらが施行されて、シラスウナギの産地証明などの仕組みが確立された後にウナギの加工品なども検討していきたいと考えているところでございます。
〇三木委員
ありがとうございます。
〇中嶋会長
ありがとうございます。いろいろ課題を御説明いただきまして、大変理解が深まりました。現段階ではこれでよくて、将来的にはそのような方向で検討を進めてもらいたいという御意見だと理解いたしました。よろしいでしょうか。ありがとうございます。
ほかにいかがでしょうか。特にございませんか。
それでは、それぞれ御意見が出尽くしたようですので、一つ一つ確認させていただきたいと存じます。
まず、畳表の日本農林規格の改正案について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございます。
続きまして、生産情報公表養殖魚の日本農林規格の改正案について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございます。
いずれも異議はないということでございますので、諮問事項の二つの改正案については原案どおり改正すべきと報告させていただきます。
また、今後の取扱いにつきましては、先ほどと同様に、会長一任とさせていただきたいと存じますが、よろしいでしょうか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
〇中嶋会長
ありがとうございました。そのようにさせていただきます。
それでは、議題(1)はこれで終了となります。
(2)は、その他についてでございますが、事務局から何かございますか。
〇牟田規格専門官
特段ございません。
〇中嶋会長
分かりました。
委員の皆様から何か御発言等あればお聞きしたいと思いますが、会場の方はよろしゅうございますか。オンラインの委員の皆様方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。
それでは、本日の議事はこれで終了とさせていただきたいと思います。予定よりも相当早く終了いたしまして、円滑な進行に御協力いただいたと思います。誠にありがとうございます。
それでは、議事進行を事務局にお返しいたします。
〇牟田規格専門官
会長、ありがとうございました。
本日は、御審議いただきまして誠にありがとうございました。
本日、御審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう所要の手続を行ってまいります。
それでは、以上をもちまして日本農林規格調査会を閉会いたします。
どうもお疲れさまでございました。
午前11時56分閉会
お問合せ先
新事業・食品産業部食品製造課基準認証室
代表:03-3502-8111(内線4482)
ダイヤルイン:03-6744-2098