このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

日本農林規格調査会試験方法分科会議事録(平成30年3月6日開催)


PDF(PDF : 205KB)はこちら

1.日時及び場所

日時:平成30年3月6日(火曜日)
場所:農林水産省食料産業局第1会議室
時間:14:59~15:36

2.議題

(1)日本農林規格の制定について
・べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格(新規制定)
・ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格(新規制定)
(2)その他

3.議事内容

午後2時59分開会

中村規格専門官
それでは、定刻となりましたので、農林物資規格調査会試験方法分科会を開催させていただきます。
事務局の中村でございます。
皆様にはご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は、分科会委員7名、皆様ご出席しておりますので、日本農林規格調査会令第7条第1項の規定に基づき、本会は成立しております。
なお、本会は公開で行います。事前に本日の傍聴を希望される方を公募いたしましたところ、6名の応募がありまして、本日、傍聴されております。
それでは、議事進行を議長の森光分科会長にお渡しします。

森光分科会長
森光でございます。また、よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に従いまして、新井審議官の本来ご挨拶ですが、こちらの部屋に来られましたら、その場でご挨拶をしていただくということで議事進行をさせていただきます。
それでは、事務局の方から、本日の資料の確認並びに議事内容の公表についてのご説明をお願いいたします。

中村規格専門官
それでは、資料の確認をさせていただきます。
本日の分科会は、紙の席上配付は最小限とし、ノートパソコンにて資料をご覧いただく形にしております。画面の上方に資料番号のタブがありますので、説明にあわせてご覧いただきますようお願いいたします。
また、新規格の制定申告書、申し入れ書等の参考資料をデスクトップに置いております。
うまく動かないようなことがありましたら、事務局員がサポートいたしますので、会議の最中であっても事務局員にお知らせ下さい。
よろしいでしょうか。
次に、本日の議事内容ですが、ご発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますので、ご了承願います。以上でございます。

森光分科会長
ありがとうございます。
続きまして、調査会の議事録署名人の指定をさせていただきます。前回同様でございまして、日本農林規格調査会運営規程第11条により分科会長が指名することになっておりますので、申しわけありませんが、前回に続きまして、五十嵐委員と松田委員によろしくお願いしたいと思います。

(「よろしく」と呼ぶ者あり)

森光分科会長
ありがとうございます。
それでは、前回、2月20日の分科会に引き続きまして、べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの測定方法の日本農林規格の制定案。ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの測定方法の日本農林規格の制定案について審議します。
なお、規格審議のため、運営規程第10条4項により独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)の浅野分析調査課長と分析調査課児玉専門調査官が出席しております。
それでは、前回議題となりましたものをいただいております規格案の有効数字の取扱いについて、事務局からご説明願います。

石丸食品製造課課長補佐
事務局JAS室の石丸と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、資料3をご覧いただきたいと思います。
前回のJAS調査会で、べにふうき緑茶のメチル化カテキンの定量試験方法、それからウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量試験方法。こちらの試験方法について、「室間共同試験から得られた不確かさを考慮すると、試験結果の有効数字として3桁まで記載することに意味がないのではないか」といったご指摘をいただいたところでございます。
こちらについて、修正の方向性、考え方についてご説明させていただきたいと思います。

森光分科会長
すみません。
ここで、新井審議官が来られましたので、先ほど言いましたようにご挨拶の方、よろしくお願いいたします。

新井審議官
すみません。皆さん、もう既に審議始まっているようでございまして、遅れて参りまして大変申しわけございません。
農林物資規格調査会試験方法分科会の開催に当たりまして、ご挨拶を申し上げたいというふうに思います。ご出席の委員の皆様方には、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
本日の分科会は、2月20日の調査会に引き続きまして、機能性成分の測定方法の規格案についてご審議いただくということでございます。
まさにこの分野と申しますのは、JAS法の見直しに始まった分野でございまして、我々にとって非常に新しいチャレンジングな分野でございます。
皆様に委員になっていただきましたのも、本当にこの分野でご知見をいただきたいということで、委員にご就任いただいたということでございます。
試験方法の規格は、製品に含まれる成分量の客観的な比較を可能にして、日本産品の優位性を示すために活用可能ということでございまして、戦略的に策定活用することで、輸出促進もつなげていきたいというふうに考えているところでございます。食品の機能性については、国内外の消費者の関心が高く、供給者にとってもアピールになるというふうに考えているところでございます。
こういうものを、測定方法JASを規格化するということによりまして、海外的にきちんとデータを持って産品を売り込んでいただくといった形になるのかと思っています。
本当に試験方法というのは重要でございまして、昨今、いろんな意味でデータを提出する時も、きちんと試験方法の格付がされた試験機関であるのかどうなのかということを、私ども海外と話をしていると、本当にアジアの各国からも「ちゃんとしたデータですか」ということを要求される時代になりまして、本当に世界のいろいろな基準というのは日進月歩かなと思っているところございまして、そういう意味では、日本がJAS規格といった形で、先んじて作るということも、これから非常に重要になってくるというふうに考えているところでございます。
本日の分科会におきましては、ぜひとも、いろんな皆様のご意見をいただいて、しっかりした規格を早い時期に制定していきたいというふうに考えておりますので、ぜひ、ご協力の方、よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

森光分科会長
ありがとうございます。
なお、新井審議官におかれましては、次の公務のために、ここでご退席いたします。
どうもありがとうございました。

(新井審議官退席)

森光分科会長
それでは、石丸さん。ご説明の方、お願いいたします。

石丸食品製造課課長補佐
それでは、続けてご説明させていただきます。
前回、原案では、試験結果の有効数字を3桁というふうにしていたところですけれども、これは、今後、海外に出していくような食品にも、こういった試験方法が活用されていくということを見据えまして、日本産のものを優位性を確かな、根拠を持って示すということのためには、高い精度のものとすることが適当であろうというような考え方のもとで、AOACによるガイドラインに従って、室間再現標準偏差といった値を2桁とした場合には、試験結果を3桁とすることが適当だろうというふうに考えたことから、そのような形にしておりました。
今回、ご指摘を踏まえまして、改めて試験方法の利用目的、それから不確かさについて検証をいたしました結果、まず基本的な考え方としましては、1番のところ、当該試験方法によって定量される値には一の位まで不確かさがあるということから、有効数字を3桁とした場合には、試験所に厳密な内部精度管理と性能が高い装置がないと実効性が担保されないということがあるという考え方があった上で、他方で、実際の市場における含有量の表記というのは、おおむね1桁から2桁でありまして、有効数字を2桁にしても、使い手である製造者、実需者の皆さんの要求を十分に満たしているというふうに考えられるということ。
それから、こうした中で、有効数字を3桁とすることは、試験所に過度に高い性能の装置等を要求することに繋がる恐れがあるといった結論に至ったということから、この利用目的に応じた必要十分な水準のものとして、試験結果の有効数字を3桁から2桁とすることとしたいというふうに考えております。
具体的な修正箇所につきましては、次の2ページ目に別紙という紙をつけさせていただいております。こちらの方に修正点をまとめております。
修正箇所につきましては、試験、こちら3桁から2桁、試験結果の有効数字を変更したことに伴う修正となっておりますけれども、下の方に、その他の修正という形で、ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの試験方法につきましては、委員の方から、「標準原液を冷凍保存する」という表現が適切でないというご指摘をいただきまして、その箇所について、一点、関連、関係箇所の修正を行っております。
実際に、規格の中の修正点について、ざっとご説明させていただきたいと思います。
まず、ウンシュウミカン。ちょっと資料の並びが逆になっておりますけれども、資料5のウンシュウミカンの方から、変更点についてご説明いたします。
まず、3ページ目、4.22のβ-クリプトキサンチンの標準原液の項目でございます。こちらは、「冷凍保存」という表現を「保存」という表現に変更しております。
また、その下の4.23.1の標準液の一般事項の項目。こちらについても、同様の趣旨で修正をしておりまして、まず、「解凍するたびに」というような表現を「常温に戻すたびに」という表現に置きかえた。そして、「再凍結しない」という表現を「再保存しない」という表現に置きかえております。
続いて、4ページ目につきまして、こちらの方の表1の標準液の調製の表でございますけれども、試験結果を3桁に見直したことに伴いまして、表現をAの部分は「2」を「2.0」、Bを「1」を「1.0」、Cの標準液については「0.5」を「0.50」といった桁数に表記を修正しております。
そして、次、5ページ目の7.1.1の抽出の項目につきまして、こちらも「0.1mg」という値を「10mg」の値という形で修正をしております。
続きまして、7ページ目の8.3の結果の表現。こちらにつきましては、有効数字「3桁」を「2桁」に。それから、その例示として、「10.8mg/kg」という表現を「11mg/kg」と修正をしております。
同じく7ページの9.1の試験室間共同実験。こちらの項目につきましても、桁数の修正をしております。
続きまして、べにふうき茶の規格について、ご説明したいと思います。
資料4の方をご覧下さい。
こちらは、3ページの項目4.15、EGCG3"Me標準原液の表現を修正しております。
もともと「0.001mg」というところを、「0.01mg」というふうに修正をいたしまして、これに伴いまして、注記もあわせて修正を入れております。もともと0.001mgの桁まで量りとるために、特殊な試験方法が必要であるということで、注記1、2、その旨記載しておりましたけれども、これが必要がなくなったということで、注記1を削除しまして、「注記2」を「注記1」に、「注記3」を「注記2」として修正をしております。
続きまして、4ページ目の5.1の化学天びん。こちらも桁数を見直しておりまして「0.1mg」を「1mg」、「0.001mg」を「0.01mg」と見直しております。
同じページ、7.1の抽出。こちらの項目では、「240mgから260mgを0.1mgの桁まで」という表現を、「1mgの桁まで」という形で修正をしております。
続いて、6ページ、8.3の結果の表現。こちらも有効数字の桁数「3桁」から「2桁」に、その事例としての桁数の表現を修正しております。
同じく、同じページの9.1、試験室間共同実験。こちらの項目につきましても、当初、「10.8g/kgから18.9g/kg」、この表現を「11g/kgから19g/kg」といった形に修正してございます。
事務局からの説明は以上になります。

森光分科会長
ありがとうございました。
先回の五十嵐委員、松田委員からのご指摘に伴いまして、3桁の必要性、またその妥当性、それに伴う誤差、信頼性ということで再確認をしていただきましたのが、今回の改正案になりますが、この案につきましてご説明がありましたが、試験方法等の規格案の修正。これについてのご意見、ご質疑等がございましたらば、よろしくお願いいたします。
神谷委員、お願いいたします。

神谷委員
質問というかコメントになりますが、資料4の5.1、今説明あったところですが、化学天びんのところですが、「最小表示桁数が1mgのもの及び0.01mgのもの」とありますが、精度を考えたら、例えば、「1mg以下のもの」とかいうほうがいいんじゃないかと思うのですが。というのは、自分が持っているのよりもっと精度がいいものであった場合、この文面だと、それはだめということになろうかと思うんですが。どうでしょうか。

森光分科会長
いかがでしょうか。お願いします。

児玉FAMIC専門調査官
規格の考え方といたしまして、当方といたしましては、ぴったりこのとおりとは考えていません。低い天びんで量れても、表示桁数は1mgまで表示されておりますので、基本的には問題ないというふうに考えてございます。あくまで最低要件ということで考えてます。

森光分科会長
今後につけ加えていたほうがいいということですね。「以下のもの」。

神谷委員
もしこれを英語訳してしまうと、もうこれでなければならないというふうになりますから、ISOで書く時は、やっぱり精度というところは、何とか以上とか、以下とか書くのが普通だと思うのですが。

森光分科会長
この値がおかしいという意味ではなくて、ニュアンスという面で、exactに0.1、0.01という意味ではなくて、includingの中で、それよりもlessであればという点。

児玉FAMIC専門調査官
英語としましては、ここをshallという気は全然なくて、あくまで必須ではなくて条件的要求事項、ほかに選択肢があるだろうという、要求事項だろうというふうには考えているんですけれども。それでは、まずいでしょうか。

森光分科会長
だけど、何か英語だと確かに言われるように難しいですね。

神谷委員
単なる個人的な案なので、別に反対とか言うわけじゃなくて、そういうふうに全体がされているのなら、それでも構わないとは思うんですが。何か日本語的にはおかしいんじゃないかと思います。

森光分科会長
ほかの規格とかに合わせて統一性がとれているのがこれで。これはおかしいという意味ではなくて、よく「0.1mg以下の性能を有するもの」みたいな雰囲気はあるじゃないですか。機械に。

児玉FAMIC専門調査官
これは、もしかして、1mgと0.01mgがあるから、1mg以下という表現ということでしょうか。それとも。

神谷委員
そうじゃなくて、今のはデジタルですから、自分が持っているのが0.1mgまで測定可能な精度のものだったら、それは、この文書だと入らないというふうに読めちゃうんじゃないかなと危惧しているだけです。

門倉食品製造課
ここの部分を「以下」とする、「までのもの」とすることにしたほうがいいのではないかというご指摘ですか。

神谷委員
だから、「最小表示桁数が1mg以下のもの」の方がよろしいんじゃないかと思います。

門倉食品製造課
なるほど。その次も「0.01mg以下のもの」ということ。

神谷委員
それより精度がいいものは使ってもよろしいよということじゃないかと思うんですが。

門倉食品製造課
そうですね。その他の委員の方たちは、よろしいですか。

桃原委員
特に、今の意見で異論はありません。

門倉食品製造課
そうしましたら、そういう方向で。

森光分科会長
ほかとの多分兼ね合いのような気もしますので。特に、これはJASでは初めての規格なので、他がなかったら申しわけないですけれども。何となくイメージで。正確に1mgまではかれるものをという機械を求めているわけではないんだなということは理解できる反面、逆に言うと、じゃ0.1mgまで測れる機械だと使えないのかということは決してないわけですよね。

門倉食品製造課
そうですね。

森光分科会長
そういう意味でいけば、それぞれ以下を入れておくのが、英語に略した時も、何かよいのではないかという意見ですね。

門倉食品製造課
最低限のスペックということで、妥当性としても問題となるところはないと思いますので、この辺のことは変更する方向でご了承いただければと。

神谷委員
ついでに申し上げますと、これ「最小表示桁数が」となっていますが、これは精度じゃないんですよね。精度の悪いものでも、いいということになるから、本来の書き方だと、「測定精度が」とか、そういうほうが正しいんじゃないかと思います。

門倉食品製造課
そうしましたら、「1mg以下」という表現。

神谷委員
中身は賛成です。表現だけです。

森光分科会長
確かに、何にでも、プラス・マイナス誤差何%とかというのは、本来ついてきているので、ほぼ、表示の値が10桁。あるいは、もしかするとワンオーダー違っちゃったら、とても何か不正確な天びんになるわけですけれども、多分、その辺はメーカーさんを信じて。ただ、この辺のところは、ご一任いただきまして、他と比較しながら、一番最適な、英語に略した時も通用するような、日英を少し考えた文章に少し勘案をするということで、よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。その他、いかがでしょうか。

安井委員
修正と質問があります。3ページの4.23.2、濃度測定用のところです。注記のところの10mLの書き方。ここだけかな。数値と単位の間にスペースが入っていないので、入れて下さい。
それから、式のところ。10 000ですね。3桁目のところでスペースを入れるのは、これはいいんですけれども、その後の説明のところで、吸光係数2 386、4桁の場合はスペースを入れなくてもいいことになっているのですが、これはあえて入れているのかなということです。

森光分科会長
いかがでしょうか。

安井委員
実質的には、これ入れなくてもいいので。4桁の場合は、むしろ入れないほうが読みやすいかなと。

浅野FAMIC分析調査課長
この2 386の2と3の間の部分でございますね。特段、特別な意味があるとは認識しておりませんので、スペースとる方向でできればなと思います。

安井委員
それから、4ページになります。重力加速度、加速度を入れる時に「400×g」となっています。5.2ですね。遠心管。ちょっと400と掛けるの間があいています。その4行下の「400×g」のようにして頂く。他のところにもこういうところがありますので、チェックしていただいて、もうちょっと狭めていただいたほうがよろしいと思います。
数値が、4桁あるときに、3桁目にスペース入れているのは、もう一つのメチル化カテキンの方にも出てきますので、それもチェックしていただければと思います。以上です。

森光分科会長
ありがとうございます。
ここの表現は、もう一度再チェックという形、修正の方をお願いいたします。
その他、いかがでしょうか。折戸先生、お願いいたします。

折戸委員
先ほどの化学天びんの最小表示桁数なんですけれども、これが主語でありました時に、「以下」と書くと、桁数が少ないほうに、主語、述語の関係がなりますね。だから、そこの表記は、事務局でよく考えていただいて、表示桁数が1mgよりもカバーして、それよりも多いふうに書かないと英語の時に、全く逆の意味になりますので、そこはお考えいただいたほうがよろしいかと思います。

森光分科会長
確かに、そのとおりです。ありがとうございます。日英がうまく一致するように。主語に変わると。そうですね。逆になりますね。
他の方、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、これで修正等はございませんということで、ご意見が出尽くしたと考えまして、べにふうき緑茶中のメチル化カテキン測定法の日本農林規格及びウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの測定方法の日本農林規格について、原案をこのとおり一部修正し、今、出ましたご意見についても再度検討させていただきまして、制定するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

森光分科会長
ありがとうございます。
それでは、その由、その旨を調査会長の方へご報告させていただきます。
それでは、事務局から報告案を配付、お願いいたします。
どうぞ、お願いします。

折戸委員
審議官のお言葉にもありましたけれども、やはり海外において、JASの展開というものは非常に注目を浴びている。実は、先週、知の集積と活用の場の連合体事業で、輸出拡大のための市場調査という事業を今やらせていただいておりまして、JAS室のご紹介でシンガポールのスプリングという規格制定の機関を訪問してきました。そこで、機能性表示食品制度の概要の説明と、その基盤となる分析方法の規格がJASでは新たな制度ができたのでできるという話をしたら、それに関しては、大変興味があるということでございました。
輸出促進のためには英語化しておきませんと、日本での出荷検査、さらには、受け入れ検査のための基盤が整備されないと、実際には輸出促進にならないという議論もありましたので、今回ご承認いただいた規格を英文化する手順、もしくは、今後、英文、ただいまの議論にありました、英文化するとどうなのかという議論はむしろ逆で、最初から英文と日本文を、両方ちゃんと1規格2言語ということで議論すべきではないかということで、意見として申し上げます。
今回の2つの規格に関しては、是非、英文化を進めていただいて、また、この分科会で議論していただいたらよろしいのではないかと考えます。
以上です。

森光分科会長
大変ありがたい。大変な作業になりますけれども。確かに同時でやっておけば、先生方のこれまでのご見識の中で英語チェックも自動的にしてもらいながらという流れでいくということで。
次回以降、そういう方向で、ますますこういうのが出てきた時に。
お願いいたします。安井先生、お願いします。

安井委員
今の話に関係しますが、今回、ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンと、非常にマトリックスが限定されています。いろんなカンキツが、今かけ合わせで出ていますね。すると、それにも拡大する必要があるんじゃないかと思いますが、その辺、どういうふうにお考えになっているのか、お聞きしたいと思います。

森光分科会長
最終的な議事録案の確定前に、何か今のご意見等もあわせて、せっかくもったいないので各自確認していただきましょう。確かにそのとおりです。先生方もたくさんの分析をされておられるので。

石丸食品製造課課長補佐
ご指摘のとおり、ビジネスに使おうにも、やっぱり限定されていると非常に使いにくいというところで、今後、使い手となる事業者さんの意見も聞きながら、測定対象の範囲の拡大も検討して参りたいというふうに思っておりまして、例えば、カンキツの中での種類の拡大。あるいは、生果だけではなくて、加工食品なんかにも使っていけるような形。いろいろな可能性を検討していきたいというふうに思っております。

森光分科会長
恐らく、べにふうきも紅茶種のお茶ですので、きっとその他の紅茶種のお茶がもし新しく見つかってきたら、将来的にそういったものにもきっと拡大ということに。タイトルがこういう形だから、こんなように規格されているけれども、同じように素材を変えていけば、ということなんですかね。
ありがとうございます。
それでは、議題に戻らせていただきまして、配付いただきました報告案でございます。これにつきまして、2規格とも原案一部修正、このとおり修正することでよろしいでしょうか。

(「異議なし」との声あり)

森光分科会長
ありがとうございます。
それでは、この報告案の案を削除いたしまして、調査会長の方へご報告といたします。
今後、このような形で。もし手続に当たりまして内容の変更を伴う場合は、皆様にご連絡をし、大抵字句の訂正になると思いますけれども、そういう時は事務局と調整いたしまして、分科会会長であります私の方にご一任いただきますけれども、よろしくお願いいたします。
なお、今後公示の手続。どうもありがとうございます。それでは、進めさせていただきます。
続きまして、その他、議事のその他、5番です。議題の5番(2)その他についていきます。
その他になりますが、私の方から、この試験方法分科会の進め方につきまして、ご提案ございます。
試験方法の規格につきましては、今回の2件からも明らかとなったとおり、専門的な、技術的なご意見等、事前に十分な時間をとっていただいた上で審議したほうがよろしいと。そういった意味で、充実した審議をするために、次のとおりに進めることを少し提案させていただきます。
まずは、事務局の方から規格原案となり次第、これ、ちょうど今タグがありますように、こういった規格に通ずる関連資料、特に規格の目的とか、プロジェクトに関するような内容、及びその試験方法。こういったものを、皆さんに配付させていただきます。委員の皆さん、臨時委員の皆さんに送付いただいた後、実は関連する資料に対してのご意見、ご質問を、概ね2週間ぐらいでいかがでしょうか。皆さんお忙しいので、明日、明後日としますと大変なんですけれども、2週間ぐらい時間を置かせていただいて、箇条書きでも構いませんので、簡単な言葉で、事務局の方へ送り返していただく。恐らく中村さんの方から発信があり、そこへ返していただいて、そこで整理をさせていただいて分科会で諮っていく。そうすると、一度でなるべく短時間で済まさせていただけるという考えでお願いしたい。もし内容の修正を大きく要するような場合については、また分科会長として、ご意見を少し戻していただいて新たなものを出すか、それともミニマムなものであれば、こちらに一任いただくという形で進めたいと思いますが、このような方向でよろしいでしょうか。

(「賛成します」との声あり)

森光分科会長
皆さんの大変お忙しい時間をいただくのは大変申しわけありませんが、そういう形で今後進めさせていただきます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
それでは、今回の内容は事務局と相談いたしまして、後日、この話も文章化させていただきまして、皆様へ改めてご連絡いたします。
この他、何かございますか。
どうぞ、お願いいたします。

安井委員
前回、今回の修正の話になったのですけれども、その時に持ち回りみたいな話が出たように思います。持ち回りもできるようなシステムにはなっているんですか。

松本食品規格室長
ありがとうございます。進め方の関連ですけれども、JAS調査会は、原則、公開で行うということになっておりますので、100%持ち回りというのは、なかなか難しいかなというところもあります。ただ、他方で、お忙しい皆様に一々お集まりいただいて進めていくというのも、現実的ではないのかなということもございますので、先ほど分科会長からもお話しありましたとおり、事前に資料なりをお目通しいただいて、場合によっては、委員各位でご知見をご議論いただくというのもあるのかなというふうにも思います。そういう意味では、事前の調整といいますか、中身の検討のプロセスにおいては、持ち回り的なといいますか、オンライン上でやるということもあるかもしれませんけれども、最終的に決定いただく場面においては、会議の形で開催をさせていただく必要があるのかなというふうに思っています。

安井委員
ありがとうございます。

森光分科会長
実は、前回のJAS調査会が終わった直後、「こういう会議で審議をもう一度持って帰るのは珍しいですね」と声をかけられまして、大抵はシナリオに沿って、さっと流れていくという気持ちでおられたようです。
そういう意味でいくと、あの場でざっと皆さんにまずは提示して、意見を出してもらったのは、とても個人的にはよかったと思います。たくさんご意見をいただいてという点で。
今回のように皆さんが揃っていただけ、とてもありがたく感謝の限りです。ご負担のならないように、かつ慎重に、かつ、たくさん皆さんのご意見が伝わっていくような形で進めていくということ、今後も是非よろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
それでは、以上で本日全ての議題が終了いたしました。
円滑な議事進行にご協力いただきまして、ありがとうございました。
事務局の方へ進行をお返しいたします。

中村規格専門官
本日は、ご審議いただきまして、誠にありがとうございました。
本日ご審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう、主要の手続を行って参ります。
最後に、松本室長から、一言、お願いします。

松本食品規格室長
今日は、お忙しいところ、どうもありがとうございました。
今回、ご議決いただいた規格案については、早急に手続をして、公示をさせていただいて、ビジネスの世界で早く使っていただけるように、我々も普及に努めていきたいというふうに思っております。
また、会議の中でもお話しいただきましたけれども、安井委員より、他の産品も含めてということ、石丸からもお話しさせていただきましたけれども、比較ができるといっても、ウンシュウミカンと競合するようなもので測れなければ、比較という意味においては不十分でしょうし、あるいは、茶の方についても、やはり飲料になったものにも使えない用途が狭いという問題意識、我々も持っております。ただ、今回、現状においてできるところだけで、まだ道半ばではあるけれども、そこだけでも規格化できれば使っていただける可能性もありますので、そういう意味で、今回は、今できる、100点ではないけれども、70点、80点というもので、一旦制定させていただくということにしたものですので、引き続き、ご指導いただければというふうに思います。
また、折戸委員から、前回も英文の規格というお話をいただきました。どういう手続でつくっていくのかとか、その辺も含めて改めてご相談させていただければと思っております。
いずれにしても、英文の規格の形のものが必要だということは、先ほど、スプリングの例も出していただきましたけれども、我々も今、アジアにJASの話をしていくに当たっても、英文の規格がないと話が前に進められないということを痛感をしておりますので、その辺も進めていきたいというふうに思っております。
いずれにしろ、今日はお忙しいところお集まりいただきまして、ありがとうございました。
また、今後とも、よろしくお願いします。

中村規格専門官
以上をもちまして、農林物資規格調査会試験方法分科会を閉会いたします。
どうもお疲れさまでした。
ありがとうございました。

午後3時36分閉会

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader