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農林水産省

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日本農林規格調査会試験方法分科会議事録(平成30年11月22日開催)

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1.日時及び場所

日時:平成30年11月22日(木曜日)
場所:農林水産省第2特別会議室
時間:13時26分~15時11分

2.議題

(1) 日本農林規格の制定及び改正について
 【新規】
     ほうれんそう中のルテインの定量 高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格
     生鮮トマト中のリコペンの定量 吸光光度法の日本農林規格
【改正】
     フローリングの日本農林規格の一部改正
     ショートニングの日本農林規格の一部改正
     ぶどう糖の日本農林規格の一部改正
     マーガリン類の日本農林規格の一部改正
     マカロニ類の日本農林規格の一部改正
     食用精製加工油脂の日本農林規格の一部改正
     精製ラードの日本農林規格の一部改正
     農産物漬物の日本農林規格の一部改正

(2) その他

3.議事内容

午後1時26分 開会

中村規格専門官
それでは、皆さんお集まりのようなので、定刻より若干早いですが、これから日本農林規格調査会試験方法分科会を開会させていただきます。

事務局の中村でございます。
皆様には、ご多忙のところご出席いただきまして、ありがとうございます。
本日は分科会委員7名、皆様がご出席しておりますので、日本農林規格調査会令第7条第1項の規定に基づき、この会議は成立しております。
なお、本会は公開で行います。事前に本日の傍聴を希望される方を公募いたしましたところ、10名の応募がありまして、本日傍聴されております。
それでは、議事進行を議長の森光分科会長にお願いします。
○森光分科会長
皆様、どうもありがとうございます。

まず初めに、倉重審議官からのご挨拶をお願いいたします。
○倉重審議官
ただいまご紹介にあずかりました食料産業局担当の審議官の倉重と申します。

本日はお忙しい中、ご出席を賜りまして、本当にありがとうございます。また、平素より農林水産行政にご理解、ご協力を賜りまして、この場をおかりして厚く御礼を申し上げます。
今年4月に改正JAS法が全面施行されまして、付加価値の高い産品を高く売っていくためのツール、差別化やブランド化のためのツールとして、JASを戦略的に制定、活用していくことが重要だと我々も考えております。
本日は、JAS法の改正により制定可能となりました試験方法の規格であるほうれんそう中のルテインと、生鮮トマト中のリコペンの定量方法のJASの制定案などについてご審議をいただきます。
ルテインやリコペンなどの機能性成分につきましては、我が国が研究や利用で他国をリードしている分野でございまして、ASEANの各国でも関心が高まっております。本年3月にべにふうき緑茶中のメチル化カテキンとウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量方法のJASが制定されました。このようなJASがさらに制定されまして活用されることで、我が国産品の品質の優位性を説得力を持って各国に示して、輸出の拡大につながるということを期待しているところでございます。
委員の皆様におかれましては、それぞれのご専門のお立場から忌憚のないご発言をいただき、十分ご審議を賜りますようお願い申し上げます。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
○森光分科会長
審議官、ありがとうございました。

倉重審議官におかれましては、次の公務のためここで退席をいたします。
次に、事務局から皆様のお手元にあります資料の確認及び議事内容の公表について、説明をお願いします。
○中村規格専門官
それでは、資料の確認をさせていただきます。

本日の分科会は、紙の机上配付は最小限として、タブレットパソコンにて資料をご覧いただく形をとっております。画面上方に資料番号のタブがございますので、説明にあわせてご覧いただきますようお願いいたします。
また、新規格の制定申出書等の参考資料をデスクトップ上に置いてあります。うまく動かないこと等ありましたら、事務局がサポートいたしますので、よろしくお願いします。会議中でもいつでもお声がけしていただければと思います。
よろしいでしょうか。
次に、本日の議事内容ですが、ご発言いただいた方々のお名前を明記した上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますので、ご了承願います。
以上でございます。
○森光分科会長
続いて、調査会の議事録署名人の指名を行います。

日本農林規格調査会運営規程第11条により分科会長が指名することとなっておりますので、本日は神谷委員と安井委員にお願いいたします。よろしくお願いいたします。
では、まず、議題(1)日本農林規格の制定及び改正について審議を行います。
初めに、農林水産大臣から諮問をいただいておりますので、事務局より朗読願います。
○谷口基準認証室長
それでは、資料の2をご覧ください。

朗読いたします。
日本農林規格調査会長殿。
農林水産大臣、吉川貴盛。
日本農林規格の制定について(諮問)。
下記1及び2に掲げる日本農林規格について、制定を行う必要があることから、日本農林規格等に関する法律(昭和25年法律第175号)第3条第4項の規定に基づき、貴調査会の議決を求める。
記。
1  ほうれんそう中のルテインの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格。
2  生鮮トマト中のリコペンの定量-吸光光度法の日本農林規格。
諮問については、もう1件ございまして、次のページですけれども、30年10月19日付のものです。こちらにつきましては、先月10月の調査会で諮問されておりますので、朗読のほうは省略させていただきますけれども、この資料の四角で囲んでいる部分、3番から10番までのこの8規格が、今回ご審議いただくものでございます。
私からは以上でございます。
○森光分科会長
それでは、諮問のありました日本農林規格の制定及び改正について、審議を行います。

また、規格の審議のため、運営規程第10条第4項により、農林水産消費安全技術センター分析調査課浅野課長、園田専門調査官、坂井田専門調査官が出席しています。
それでは、審議する規格が多数ありますので、審議を分けて行います。
まず、全体を事務局からご説明願います。
○谷口基準認証室長
それでは、資料3をご覧ください。

私から、今回お諮りする規格の全体をご説明いたします。それぞれの詳細につきましては、後ほど担当からご説明いたします。
2ページ目です。JASの新規制定ですとか見直しに当たりましては、調査会で決定しております日本農林規格の制定・見直しの基準によりまして、妥当性を判断することとしています。
この基準に照らしまして、妥当と考えられるものとして、今回、新規制定が2規格と、一部改正が8規格、これらの審議をお願いしたいと思います。
まず、新規の2規格につきましてですが、食品に含まれる機能性成分の定量方法の規格です。1つ目がほうれんそう中のルテイン、2つ目が生鮮トマト中のリコペンということです。先ほど審議官からの挨拶にもありましたが、本年3月に定量方法の規格を2つ定めましたので、今回が3番目、4番目ということになります。
このような食品に含まれる機能性成分の測定方法を公定化していくことによりまして、日本の農林水産物の強みを客観的なデータで示して、差別化を図ることが可能となるのではないか、また、機能性表示食品制度の届け出も容易になっていくのではないかといったような効果を期待しているというものでございます。
次に、改正ですが、JASにつきましては、制定あるいは改正したときから少なくとも5年以内に、規格の内容がなお適正であるかということを確認して、その結果、必要であれば改正するということがJAS法に定められております。そのため、確認の期限が近づいている規格につきまして調査を行い、改正が必要となったものが、この資料の2番のほうに挙げております8規格ということでございます。
改正を行う8規格につきましては、最近の取引実態を踏まえた見直しですとか、その規格に定めておりますいくつかの測定方法につきまして、わかりやすく詳細に規定するといったような改正を行うというものでございます。
以上、制定・改正合わせて10規格になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
私からの説明は以上です。
○森光分科会長
それでは、早速、ほうれんそう中のルテインの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の制定案。そして、生鮮トマト中のリコペンの定量-吸光光度法の日本農林規格の制定案について審議します。

事務局のほうからご説明をお願いいたします。
○石丸食品製造課課長補佐
事務局の石丸と申します。

私からほうれんそう中のルテインの定量方法、そして生鮮トマト中のリコペンの定量方法の新しい2規格についてご説明いたします。
各規格の概要を資料3に整理してございまして、具体的な規格案については資料4-1と4-2にございます。
まず、資料3の概要について、ご説明させていただきます。
4ページをご覧ください。
試験方法につきましては、先ほどもご紹介のとおり、今年3月に新しいJASの第一弾としてウンシュウミカンに含まれるβ-クリプトキサンチン、べにふうき茶に含まれるメチル化カテキンの測定方法の規格を制定しております。今回の2規格につきましても、これらと同様に食品の機能性成分を対象にした測定方法の規格となっております。
資料3では、現状と規格の概要、効果についてそれぞれ整理してございます。これらをまとめますと、信頼性の高い公定法の規格を制定する主な意義といたしましては、事業者の視点からは、機能性食品制度の届け出の際に求められる定量試験法として活用することで、事業者自身の負担を軽減できるようになるという点。そして、機能性成分が多く含まれるということを訴求していく際に、そういった説明がしやすい、信頼を得やすいという環境をつくっていくことがあるかと考えております。
一方で、消費者の方々の観点からは、本当にその食品の成分が含まれている確かなものを手にすることができる、より合理的な選択をすることができるという意義があると考えております。
資料3の5ページ目、6ページ目につきましては、2規格の内容をわかりやすく示したものになっております。本日は時間の関係から、こちらの5ページ、6ページについての説明は割愛させていただきます。
ルテインとリコペンの試験方法の規格について、具体的な中身について、資料4によってご説明をさせていただきたいと思います。ルテインについては資料4-1、リコペンについては資料4-2にございますので、ご参照いただければと思います。
委員の皆様には、事前にパブリックコメントに付した規格案と申出者から提出された申出書をお送りして、意見を伺っております。今回の資料4-1と資料4-2は、委員の皆様からいただいたご意見を反映したものになっております。また、お手元には、各委員の皆様から事前にいただいた意見と、それに対する事務局の考え方をまとめました一覧表をご用意しておりますので、こちらもあわせてご参照いただければと思っております。
また、申出書につきましては、参考資料1にございます。また、パブリックコメントの結果につきましては参考資料12にございますので、こちらも必要に応じてご参照いただければと思います。
それでは、具体の中身につきまして、事務局の門倉より説明させていただきます。
○門倉加工食品規格第1係長
事務局の門倉と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、お手元にお配りしております参考資料2と3の一覧表も適宜参照していただきながら、まず最初に資料4-1を用いて、ほうれんそう中のルテインの定量法の日本農林規格の制定案について、委員の皆様のご意見を受けて修正、対応しましたので、それについてご説明させていただきます。
なお、資料4-1では、ご意見をいただいた箇所をグレーで網かけしております。資料4-1ですと、2の引用規格の中で、ISO 8655-2の箇所のようにグレーで網かけしております。
また、修正をした箇所のうち内容の変更を伴わない修正、こちらは青字で記載しております。また、内容の変更を伴う修正については赤字で修正しております。また、規格案中で、同様の指摘を受けて修正した箇所がありますが、重複しますので、その部分は口頭での説明は割愛させていただきます。また、修正していない箇所についてもご意見を紹介させていただき、本日の分科会のご審議の結果を踏まえて対応を検討させていただきたいと考えております。
それでは、ほうれんそう中のルテインの定量法についてご説明させていただきます。
資料4-1をご覧ください。
まず、1ページ目、2の引用規格において、五十嵐委員からご指摘がありまして、ISO 8655-2は本来入れておくべきものであり、それが抜けておりましたので、必要なピストン式ピペットのISO規格を記載しております。
続きまして、3ページ目になります。3ページ目の4.20.1、4.20.2になります。
こちらで神谷委員から、「トラブル」や「バックグラウンド」の表現を日本語にしたほうがよいのではないかというご意見をいただきました。この表現、JISの高速液体クロマトグラフィー通則というものに記載されている表現でありまして、本規格では、特段の誤認等を招かないと考え、現状のままと整理しております。
続いて、4.21、ルテインの標準原液について、松田委員から、凍結しないものについては、冷凍保存ではなく、具体的な温度等での表現がよいのではないかということで、修正しております。
続いて、4.22.2の2行目、濃度測定用溶液であります。松田委員から、この箇所で得られるものが何かを明確に示したほうがわかりやすいということで、「濃度測定用溶液」というものを追記しております。この表現はこの後も出てきますので、ここで、「濃度測定用溶液」というのが何かということを明記しているところです。
続きまして、4ページ目になります。3行目になりますが、神谷委員から、「装置の説明書等に従って」から「セットアップ及び操作を行う」の一文が必要かというご意見をいただいております。また、必要な場合でも、「セットアップ」が適当な日本語にならないかというご意見もいただいております。この部分、実際にこの規格を使う方に確実に適切な測定の条件設定を行っていただく目的で存置するとともに、「セットアップ」という言葉を「条件設定」と修正することを考えております。
続きまして、式の記号、V1、V2という記号の説明中の「共同実験」という表現、こちらも神谷委員から、参考情報としての表記ならば注記に記載したほうがよいのではないかというご指摘がありまして、そのように修正しております。こちらは、下の4.22.3の式の中でも「共同実験」の部分は注記に記載しており、そろえているところであります。
続きまして、4.22.3の一連の標準液のところです。五十嵐委員から、汎用性を考慮して「全量ピペット」の利用も可能とできないかというご指摘がありまして、規格の利便性、また、性能を考慮して、「全量ピペット」を使えるように修正しております。
その2行下の部分です。溶解の説明の部分で、「する」というところが重複しているというご意見がありまして、修正しております。
続きまして、5.1の電子天びんの部分で、規格の表現方法として口語体が推奨されていますので、「有する」という部分を「もつ」という口語体に改めております。
続きまして、5.2になります。遠心管の部分です。こちらは神谷委員から、蓋についての記述が離れたところに別々に記述されており、それをまとめる等をしたほうがよいのではないかということで、見やすいようにまとめております。
続きまして、5ページになります。5.4、遠心分離器において、神谷委員から、警告について、この警告が必要かというご意見をいただきました。「JAS規格票の様式及び作成方法に関する手引き」という、JASをつくる際の手引き書がございまして、この中で、予測される危険が特定の装置に由来する場合には、装置の名前の後に警告文を記載することが推奨されております。予測される危険が遠心分離器に由来すると想定されましたので、現状のままと整理しております。
続きまして、5.5の全量フラスコにおいて、神谷委員から、「カバーするもの」という表現を日本語にできないかというご意見をいただき、修正しております。こちら、5.6、5.7、5.9のそれぞれの表現も同じように修正しております。
5.7のピストン式ピペット、これにおいては桃原委員から、エタノール溶液の正確な採取のための確認、校正は必要ないかということで、ご意見をいただきました。測定者による溶液の正確な採取は質管理と考えており、この試験所の品質管理は、ISOの17025の要求事項に含まれているところです。また、この規格の箇条の10の質管理という項目の中で、「試験所は、試験のための内部質管理手順をもつ」と書いており、規格中への校正等の個別の記載は考えておりません。現状のままと整理しております。
続いて、6ページ目になります。6.1、6.2において、神谷委員から、「有効数字で記録する」では問題ないかということでご意見がありまして、「有効数字で記録する」と表現を改めております。
6.3では、ここでも得られるものを明確にして記載しているところです。
続きまして、6.4の2行目になりますが、「試験用試料の全量またはよくかくはんした一部を」と追記しております。ここの部分、調製した試験用試料をマイナス20度以下で保存するときに、その保存する試料というのは均質な状態で保存するべきではないかと桃原委員からご指摘がありまして、追記した表現になります。
続きまして、7.1のけん化の部分です。松田委員から、「けん化」の名称を利用すると、脂肪を分解して脂肪酸とグリセリンを得るイメージであるが、この規格で脂肪酸とグリセリンをどちらも除くのであれば、誤解を与えないよう、アルカリ加水分解の表記がよいのではないかとご意見をいただいたところです。この部分、提案者に確認したところ、この規格の中でけん化の操作は、ルテインと脂肪酸のエステル体、それと分析の妨害となるその他のエステル類、この規格中ですと、クロロフィルが主なものになりますが、そのクロロフィルを加水分解して、除去する、そういう加水分解の操作を指しているということです。そのため、ルテインを得るための操作も入っており、これまでのカロテノイドの測定操作として利用されてきた表現かと考えられました。このため、現状のままとしておりますが、委員の皆様のご意見を伺いたいと考えております。
続いて、7ページ目になります。7.4の測定の中の7.4.1、HPLCの条件の設定の中のe)の部分です。溶出条件において、松田委員から、カラム等が異なれば、この条件で最適な分離が得られない場合もあり、その場合は移動相条件を変更する必要があるのではないか。目的のピークと妨害ピークが適切に分離される条件を選択できるように明示しておくべきではないかというご意見をいただきました。これまでも溶出の際の平衡化時間や移動相の体積比率などを、一例として表1の注記に書いておりましたが、よりわかりやすくするために、本文中にそのことを明記し、表1は共同実験での条件であるということを明確にさせていただいたところです。
続いて、8ページ目になります。8.2の定量において、松田委員から、標準液のルテイン濃度は4.22.3で算出されており、8.2ではピーク面積を求めて、検量線を作成するという作業を記載するのではないかというご指摘があり、そのように修正しております。
続いて、9.1の試験室間共同実験の部分において、神谷委員からご意見がありまして、1行目のところを修正しております。
続きまして、9.2の併行精度と9.3の室間再現精度において、JIS Z 8402-1測定方法及び測定結果の正確さというJIS規格がありまして、こちらの表現を参考に、最後の部分、「20回に1回以下であると期待される」の部分を修正しております。
続いて、10の質管理の部分です。内部質管理の手順を「持つ」ものとするというところ、英語直訳的とのご意見をいただいて、推奨されている口語体に修正しております。
続きまして、12ページになります。附属書Bの図B.2の下のHPLC条件というところで、a)のカラムがございます。ここに注釈つけておりますが、この前の11ページでも同じ表現がありまして、重複するということで削除しております。
続きまして、最後の15ページになります。参考文献について神谷委員から、国家規格であるJASの参考文献に個人名等の学会論文が引用されることについて、違和感を覚えるというご意見をいただいております。学会論文というのは、内容が間違っている場合もある。本文に載せるならば、本文と同様に論文の内容を調査会にて審議すべきと考えるということで、神谷委員からも各委員のご意見を伺いたいというご意見をいただいております。当方としては、規格の利用者の理解を助けるという意図で、この規格の作成に参考とした論文を参考文献に記載することは有用ではないかと考えております。仮に参考文献を含む規格内容が不適切な場合は、利害関係者や学識経験者の意見調整やパブリックコメントの場で修正されるものと考えております。この件についても委員の皆様のご意見をいただければと考えております。
ルテインの定量法の説明は以上になります。
続いて、生鮮トマト中のリコペンの定量法についてご説明させていただきます。
なお、ルテインの定量法と同様のご指摘もありまして、時間も限られておりますので、口頭ではリコペンの制定案、資料4-2でのみ頂戴したご指摘についてご説明させていただきます。
まず、2ページ目をご覧ください。4.2のろ過助剤の部分です。松田委員から融剤焼成品けい藻土にはいろいろなグレードがあるということから、適切な文言を追記したほうがよいのではないかとご意見をいただきまして、修正しております。
続きまして、3ページ目、7.2.2.2において、取り扱う試料を明確にして、以降わかりやすくなるように修正しているという箇所です。
続きまして、4ページ目、7.2.2.15になります。この4行目、ここでは調製した試料の抽出液をマイナス20度以下で保存することについて記載しておりますが、桃原委員より、マイナス20度以下で保存した試料抽出液というのは、使うときに常温に戻すような操作の記載というのが必要ではないかというご意見がありましたので、4行目を追記しております。
続きまして、7.3の希釈の部分で、ろ過の操作を追記修正しておりますが、修正以前は7.4.3.2のほうで、測定の操作の一作業としてろ過を記載していましたが、より適切な箇所は7.3の希釈であろうということで、こちらに移しております。これにあわせて、希釈、ろ過によって得られるものを、測定溶液ということを明確に記載しております。
少し飛びまして、6ページ目の附属書Aになります。4行目、注記がありますが、注記に実験時の操作も入っておりまして、読みにくい。ルテインと同様の書きぶりにできないかというご意見を安井委員からいただきました。そこで、実際の操作の部分を本文に出しまして、注記を最後に移動するという修正をしております。
その下、表4-1は、フォントを統一しているという修正をしております。
最後、参考文献ですが、ルテインと同様にご意見をいただいております。
トマトの定量法の説明においても、以上でございます。
○森光分科会長
ありがとうございました。

たくさんのご意見、ありがとうございました。また、それに対応いたしまして、恐らく2段階、簡単に訂正する、または改稿するだけでよいところと、先ほどの青字のところで、それに対して赤字のところ、赤字の箇所はそう多くはなかったと思いますが、2カ所、3カ所程度で、主に青い文字のところが多かったと思われます。
それでは、試験方法、2規格の制定案につきまして説明がありましたが、事務局の修正案に鑑みまして、皆さんのご意見、ご質問等がございましたら発言等よろしくお願いいたします。特にどこの場所からでも構いません。お願いいたします。
五十嵐委員、お願いいたします。
○五十嵐委員
ご説明ありがとうございました。日本食品分析センターの五十嵐です。よろしくお願いします。

今の段階で、私が読み落としたところではあるんですけれども、ルテインの、規格案の2ページ目に測定原理とございます。3.測定原理、ピロガロール含有云々というところから始まるものですけれども、そこに、1行目から2行目ですが、ヘキサン及び酢酸エチルによって抽出するとなっております。リコペンのときはそのように書いているんですけれども、その後に、混合液と入れるのが正しいのではないかと。というのは、次のページの4.18にヘキサン/酢酸エチル混合液となっておりますし、この場合、ヘキサン及び酢酸エチルによって抽出するとしますと、両方それぞれ抽出するようにも思えますので、その辺、修正をお願いしたいと思った次第です。
○森光分科会長
事務局のほうは何か。

○門倉加工食品規格第1係長
ご指摘ありがとうございます。ヘキサン及び酢酸エチルのままですと、別々のもので抽出するという誤解を招くこともあろうかと思いますので、混合液というのは入れたほうがよろしいのかなと思います。特に問題がなければ入れさせていただきたいと思います。

○森光分科会長
ありがとうございます。

そのほかはいかがでしょうか。ご質問は。
松田委員、お願いします。
○松田委員
国衛研の松田でございます。

先ほどのけん化のところなんですけれども、けん化されるものはルテインと脂肪酸のエステル体とそれからクロロフィルということでした。そうすると、けん化することによって、脂肪酸エステルがルテインになるわけですね。そうすると、7.2のほうの不けん化物、ルテインの不けん化物ではなくて、けん化によるプロダクトですよね。なので、これはあっさりとルテインの回収ということでよろしいのではないでしょうか。
○森光分科会長
7.2の不けん化物の回収で、ルテインの回収、いかがでしょうか。言葉の使い方だと思いますが。

○門倉加工食品規格第1係長
当方としては、ルテインの回収でもよろしいかと思うんですが、提案者の方から何かコメントがありましたら。

○森光分科会長
いかがでしょうか。

○浅野分析調査課長
確かに今、委員のおっしゃったとおりだと思いますので、けん化については日本食品標準分析表の分析マニュアルとかでも使われている用語ですので、このままとさせていただき、回収の部分につきましては、ご指摘のとおりルテインとしてよろしいと思います。

○森光分科会長
ありがとうございます。

そのほかいかがでしょうか。
安井委員のほうからお願いいたします。
○安井委員
農研機構の安井です。

4ページの一連の標準液の中に、ボルテックスミキサーという用語があるのですが、ボルテックスミキサー自体、ある会社のものに限定されるので、これはちょっと不適当なので、私が調べたのでは、チューブミキサーに入っているメーカーもあったので、この辺は考えてもらって、一般名に変えていただきたいと思います。
○森光分科会長
これは学生だとボルテックスミキサーが一番通じるんですけれども、確かに特定メーカーということで、どうでしょうか。何か一般名称になり得る案があれば。

○浅野分析調査課長
ご指摘のとおり、特定のメーカーのものになってしまうので、試験管ミキサー等の用語、今度それが一般的かという部分があるんですけれども、それも含めて考えさせていただき、変えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

○森光分科会長
ありがとうございます。

そのほかいかがでしょうか。
桃原委員、お願いします。
○桃原委員
森林総合研究所の桃原でございます。

ルテインの9ページ、もともと「期待される」というところが、「であろう」という形になっていますが、この「あろう」という表現はちょっと微妙かと思いますので、例えば、以下となることが「推定される」とか「推察される」とか、その辺の表現のほうがいいんじゃないかと。これはリコペンのほうにも入っていますので、ちょっとご検討いただければと思います。
○森光分科会長
これはいかがでしょうか。「あろう」というよりも。

○門倉加工食品規格第1係長
ご指摘については、わかりやすくすることが一番とのご指摘と思いますので、そのように修正できればと考えますけれども、どうでしょうか。

○森光分科会長
先ほど桃原委員が言われたような「であろう」よりは「と推定される」というような。

○門倉加工食品規格第1係長
この「あろう」の表現はJIS Z 8402-1で、室間再現精度を表現する際には、こういう表現が推奨されておりましたので、このようにしていたところですが、他の委員のご意見ございましたら。

○森光分科会長
どうでしょうか。

○安井委員
私がそれを見つけて提案したんですけれども、JISの説明の中にそうしたらいいんじゃないかという用語があったので、そのまま、使ったのですが、皆さんのご意見に。

○森光分科会長
あとどうですか、この辺は何か。

○浅野分析調査課長
私どもとしましても、特段、「あろう」にこだわっているわけではございませんので、わかりやすくというご意見をいただきましたので、直せればというふうには考えております。今、いただいた例とした案も参考に、検討させていただければと思います。

○森光分科会長
特段また何かよい案がありましたら事務局のほうにご連絡いただくということで、実際にこちらのほうでまた少し考えさせていただくということで、よろしくお願いいたします。

そのほかいかがでしょうか。
松田委員、お願いします。
○松田委員
15ページの参考文献のところなんですが、神谷委員からの個人の名前の文献を入れるのはどうかということなんですけど、2番目のHorwitzの文献は、これはCodexのガイドラインとして、ちょっと番号は忘れましたけれども、国際的に承認されているものなので、これは個人といっても公的なものと見なされるんじゃないかと思います。そのほかの3番、4番はよくわからないですけれども、そのように思います。

○森光分科会長
神谷委員、お願いいたします。

○神谷委員
それに関連して。私はISOのテクニカルコミッティーに3つ出ていまして、20年間出続けているんですけれども、あとはEN、ヨーロッパ規格、それから豪州規格、JANZですけれども、今まで個人の文献が参考文献になっているのを見たことなかったんですよ。

それでこういうご意見を申し上げたんですが、ちょっと私の意見で間違いがございまして、ISO規格では個人の論文は掲載しないということを書いちゃったんですが、ISOのディレクティブを詳しく調べました。そうしますと、個人の論文を引用文献とすることは妨げられないようになっております。
ただ、先ほど言ったISO、私が関係しているもの、全部で多分150規格ぐらいある、そういうものの中には引用がないので、引用は慎重にやっぱり考えたほうがいいんじゃないかという考えです。撤回しろというようなつもりはありません。
それから、ちょっと私の書いた中で間違いがございましたので、ちょっと恥ずかしいんですが、真ん中辺に、ISO規格では云々のところに、フォーマティブと書いてあるんですが、これはノーマティブの間違いです。すみません。
それから、その下にTRで、テクニカルリサーチと書いてあるんですが、これもレポートです。恥ずかしいんですが、ちょっと間違えましたので訂正をお願いします。
私、ちょっと先ほどから細かいエディトリアルばかり申して申しわけないんですが、専門家じゃないので、せめてそれくらいはというつもりで見ましたけれども、これは試験方法ということで、そのほかの製造規格とか何かとはちょっと違いますので、だからトーンが違うなというふうに理解しております。だから、製造なんかのほうの規格では、余計なことはできるだけ書かないほうがかえって問題が生じないと。つまり、訴訟の問題になったり、あるいは建築基準法とも関連しまして、それこそ訴訟、裁判になりますので、そういうふうに考えているんですが、これは試験方法ということで、特に有れば役立つということですので、ちょっとニュアンスが違うかなというような考え方で見ていけばいいんじゃないかなという、これは最後は感想でございます。
○森光分科会長
折戸委員、お願いいたします。

○折戸委員
農研機構の折戸でございます。

ちょうど参考文献のところの表記でございますので、確認とちょっと質問をしたいのですが、まず、JASでもお茶の規格で文献を引用しているものがあるのではないかということで、これはやはり利用者の利便性を考えて、必要なものは引用するべきという考えには賛成です。
ただ、引用する目的が明確になっていないといけないと思っていまして、今回の場合は、1から2はたしか統計処理にかかわる引用文献、これは参考としては非常に重要。3のカロテノイド、これはどういう内容の目的で引用しているのでしょうか。
○浅野分析調査課長
こちらのほうは書籍なんですけれども、さまざまなカロテノイドについての化学的性質とかが書いてありまして、その中で、ルテインとリコペンの吸光係数について記載がありまして、それを引用しているということでございます。

○折戸委員
その引用する箇所は何ページの、その目的がちゃんと書いてあれば、参考の意味になるとは思うんですけれども、書籍全部を参考にしろということではないと。何々についてはと書いておけば、参照の目的は非常に明確になるという、ちょっとその辺が読み込みが足りないところもございますが。

○浅野分析調査課長
リコペンの場合ですと、8.1の定量の計算式のところのEというところに、リコペンの吸光係数、3450のところに、片括弧で番号が書いてあります。

○折戸委員
それは何々についてはということは書けるんですか。参考文献のところに書けばいいと思うんですけど。吸光係数に関してはこれを参照しろというふうに書けば、書籍全部を読む必要はない。ちょっとその辺の表記をお考えいただいたほうがよろしいかと思います。

○森光分科会長
私のほうから、同じく1、2、4は何が書いてあるか、参考文献、折戸委員の言われるとおりで、書いている内容が予測できるのですが、確かに3だけがすごく、handbookとなっているので、何でこれを引用したのだろうという細かいところがわかりにくかったので、確かに133ページのところにきっと一覧表みたいなのが載っているんだろうなというのを、今、聞いてわかりました。その上にあるようなISOの規格の書き方のように、このページは、日本語の注記でいいと思うのですが、関連する吸光係数の一覧表を、ここを参照したという感じの文言を書いておくと、さらにユーザーフレンドリーな規格になるのではないかという形です。

まずは、遡って、今、折戸委員のほうから、これはあってもしかるべき、よいものであればいいと。片や、そういうのを書くことに関するリスクがあるのかどうかというのもまた考えなければならず、でも試験方法であるという面であるから、神谷委員であると、それは多分ISOでもそれは妨げないという言葉をいただきましたので、いかがでしょうか。この辺は、委員の意見をもう少しちゃんと集約しておいてから、こちらで考えるなら考えたいと思うのですが。
折戸委員、お願いいたします。
○折戸委員
もう1点追加で恐縮ですが、同じ参考文献にかかわることなので申し上げたいんですが、3の日本語の文献に関しまして、これはもちろん意味のある文献だと思うんですけれども、将来の用途、つまり国際展開ということを考えますと、日本語の文献を引用しておくということは、私は避けるべきではないかと。もしこの内容で、英語の論文で統計処理というものがさらに引用してあるならばそれを引用して、やはり国際展開を考えますと、日本語の文献では注意したほうがいいというふうに考えます。

ですから、この場合は、目的からするとこれは必要ないのではないかとも思われますので、ご意見申し上げます。
○森光分科会長
ありがとうございます。

そのほかいかがでしょうか。掲載に関する件、掲載にするとすれば、こういった点の注意点というところを少し、ただしお茶は確かにメチル化カテキンのところとかを含めて、既にあったような気はしつつ、でもここで1回振り返っておくのは大事だと思いますので、参考文献の取り扱い、特に農林規格系において、試験法というのはこれからまだまだ出てくると思いますので、確かに国際化という意味でいけば、よく日本の英語文献でも英語のタイトルとか、果たして海外の方がWritten in Japaneseと書いてある文献を読むかといったら、多分読まない気がします。セラミックの世界だと、意外とそういうのは日本語の文献が当たり前というのをよく耳にしますので、逆に言うと、適切なものがあればできたら海外のものというか、英語、Written in Englishのものを書くというのも一つの正しいやり方だと思います。
いかがでしょうか。お願いいたします。
○安井委員
今回の規格もそうなんですが、分析というのは信頼性確保で、室間の共同実験をやったわけなんですけれども、その結果が、これまでの1番目、2番目のものについては論文化されていて、それが参考文献に入っていました。今回の場合は、行政的にこちらが先になってしまっているのですが、室間共同試験をやられているので、早急にこの部分については、この後のリコペンも同じですけれども、論文化していただいて、参考文献に載るように努力していただきたいと思います。

○森光分科会長
私個人の意見も実は、まさに安井委員の言われたとおりで、日本発というイメージから言うと、日本でこれを規格化する。本当は前段階で、世界的な学術誌に英語で書かれているのが載った上で、それが導かれていくのが一番流れとしては、将来的にそれが間違ってしまったら問題ではありますけれども、多分そういうことがないという前提のもとで、それを担保して、「この手法・分析方法が正しいんですよ」ということを担保するような意味での参考文献は、個人的にはあったほうがいいかなと思います。いかがでしょうか。ほかにこの件に関しては。

五十嵐委員のほうから先にお願いいたします。
○五十嵐委員
今の流れのお話で、ちょっと質問に近いのですが、リコペンについて、吸光光度法を今回採用されていて、室間再現精度等も十分な結果が出ているのは理解したんですけれども、本来、こういうバリデーションのステップは、最初はシングルラボラトリーバリデーションをやって、そこで精度、真度を確認して、それから共同試験に入っていくという流れが、国際的にも普通かなと考えております。

この際、ばらつき、いわゆる精度はよくわかるんですけれども、真度、すなわち誤差とか、真値との差というんですか、その辺については、液クロ法であれば分離して定量しますので、それは担保すると考えるんですけど、いわゆるマトリックス効果というんでしょうか、もちろんサンプルを、生鮮のトマトに限定されているというのも理解しておりますが、その辺のデータが、先ほど安井先生がおっしゃられましたように、論文に今の段階では見えていないので。口頭でもいいんですけれども、どんな過程でここに来て、液クロ法ではなくて吸光光度法になったのか聞きたかったのですけれども。
○森光分科会長
これはどうしましょうか。そちらのほうでもしお答えができれば、お願いいたします。

○坂井田専門調査官
当初検討した段階では、HPLC法と吸光光度法を並行してやっていまして、同じ抽出液に対して、HPLCで測る場合と吸光光度法で測る場合と両方やっていましたが、リコペンの安定性の観点から、吸光光度法のほうが精度がいいということで、最終的に吸光光度法を提案するに至った経緯がございます。

真度ということに関しては、実際は添加回収試験というような形で行っております。一方で、どうしてももともと含まれるリコペンとなかなか同じようにはいかない部分があると思いますので、必ずしも100 %の真度確認とは言いがたいという議論があることは承知しております。
その確認と、あとは当初HPLC法と並行して行ったこともありまして、夾雑物は非常に低いことはHPLCで確認しておりますので、一定以上の真度も確保できているものと考えて提案しております。
○五十嵐委員
ありがとうございました。

ほぼ理解したんですけど、なぜこう言うかというと、AOAC法といって、国際的に一番ある種権威の高いところでも液クロ法がメインですので、国際化とかいうときには、必ずその辺というのはついて回るのかなと認識しているので、ぜひ論文化されるときにはそこの部分もフォローしていただきたいと考えております。
以上でございます。
○森光分科会長
ありがとうございます。

神谷委員、お願いいたします。
○神谷委員
これは提案ですが、参考文献の取り扱い、ちょっと別の分野でも、この分野でもいろいろ議論があるということがわかったんですけれども、分野によっても違うと思うんです。だから、これからどのように参考文献を記述するのかしないのか、例えば分野ごとに任せちゃうのか、あるいは何か統一的なルールをつくるのか、そのあたりのところを、今日は無理だと思いますので、いろんな方の異議を集めて、それで事務局で整理されて、それで今後の方向性を考えていくのはどうでしょうか。

というのは、我々の林産物でも、今すごく重要な規格が、ホルムアルデヒドの放散量なんです。これも10年かかって、けんかを実はやっているんです。その中で研究もしますし、論文でも、中で研究者同士で議論になって、到底論文に載せるようなレベルじゃないんですが、だから、我々のほうでやっているISOのVOCの関係のほうは、参考文献で論文を載せるようなレベルでは全然ございませんので、私個人の考えでは、それぞれの分野に任せればどうかなという気はしますが、それでも何もないというのはちょっとまずいんじゃないかというふうに考えます。
以上です。
○森光分科会長
ありがとうございます。

いかがでしょうか。今、神谷委員の言われたことが何となく、この農水としてすごく重要というか、農林水産省としての大きなところでの頭のところを決めておいて、あとはもしかすると個別での運用を、ただやみくもに「はい、どうぞ」ではないというのがとても正しいような気がしますので、この辺はいかがですか。
○門倉加工食品規格第1係長
今のところ、利害関係者に中立者も加えて、学識経験者等も入っている場で検討されていると考えておりますので、個別に規格の検討委員会、検討チームで検討していくことになるのかなと考えているんですけれども。

○森光分科会長
折戸委員、お願いいたします。

○折戸委員
ただいまのご指摘は的確だとは思うんですけれども、やはりこれで3件目でございますよね、分析規格として。先ほど総説のようなものとか個別の論文とか、いろんなケースが出てくると思いますので、やはり都度、その重要性を判断しながら、ジェネラルな一般的なルールを定めるかどうかということを、もう一度この場で議論したらいかがかと思いますので、今日の時点で設立するというのはちょっと難しいのではないかというふうに考えますので、当面、個別で走って判断するということでいかがでしょうか。

○森光分科会長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。

じゃ、まずこの2つの規格、すなわちルテインとリコペンの規格に関しましては、この原案、参考文献をもう一度、これに関してご意見がある場合はいただいて、ただ神谷委員の言われたことは大事ですので、ぜひ谷口さんにはそれを持ち帰っていただいて、その全体としてのあり方というところのある指針だけは少し持っておいて、それはケース・バイ・ケースになったら、ケース・バイ・ケースになって構わないというところだけは、省庁として全体として持っておこうというのがすごく重要ですと。
ただ、すみませんが、そこはここからはちょっと外させていただいて、今、大事なのは、その文献としてはこの形、今、15ページ目にあるようなことで出していくと。何が書いてあるかは、どうせ皆さんが書いていないと、ユーザーの方が調べなければならないのであれば、なるべく何が書いてあるかがわかるというところが重要ですので、かつ英語重視であるというか、要は世界に発信するということを考えてというところは、多分まとまってきたと思います。
そのほか参考文献につきまして、何かご意見等はございますか。よろしいですか。
では、一応参考文献に関しましては、その点を踏まえまして、今、4件出ております。ただし、最後の1件であります日本語のところのものについては、これを本当に載せる必要があるかないかはまた精査させていただきまして、特に必要ないというのであれば、日本語だけですので、省かせていただくという方向で考えていきたいと思います。これについてもこちらのほうへご一任いただいてということでよろしいでしょうか。
そのほか、では文献以外のところでご意見等がありましたらばよろしくお願いいたします。
折戸委員、お願いいたします。
○折戸委員
1点申し上げたいと思います。

ルテインのほうの6ページの、桃原委員のご指摘のありました6.4のところで、「よくかくはんした」という表記になっておりますけれども、このご指摘、非常に重要だと思いますし、冷凍保存したようなものの解凍したときのケースとか考えますと、これは重要なので、ただ均一なとは申せませんので、「均一となるようによくかくはんすると」という、そういう重要な、ここは肝でございますので、こういった表記を追加してはどうかということをご提案申し上げたいと思います。
○森光分科会長
大変ポイントでございますので、いかがでしょうか、これに関しましては。

○浅野分析調査課長
ご助言ありがとうございます。ご指摘のとおり直していただいて構いません。

○森光分科会長
ありがとうございます。

○安井委員
今のところですけれども、均一と均質、「均一」じゃなくて「均質」にしたほうが。

○森光分科会長
ありがとうございます。そちらの文言等、ぜひよろしくお願いいたします。

そのほかお気づきになったところ、ご意見、ご質問でももちろん構いません。ございましたらお願いいたします。
折戸委員、お願いいたします。
○折戸委員
9.3がペンディングになっていたと思うんですけれども、つまり言葉の表記で、もしよろしければということで、学術的かどうか、化学的かどうかというところはありますが、「見込まれる」というふうにしますと、英語的にも訳しやすいし、「見込まれる」ということでいかがかということでご提案させていだきます。

○森光分科会長
一度持ち帰ってということですけれども、確かに「見込まれる」というのが一番、化学的にも皆さんの頭の中にもすっと入るような気がしますので、私も「見込まれる」というのが一番よいかと思うのですが、まずはそこをベースで考えさせていただくで、皆さんもよろしいでしょうか。もしまた何かありましたら、こちらのほうでまた考えまして、皆さんのほうへご連絡するということで、よろしくお願いいたします。

このほか、青色の文字に関しては文言等の変え方ではございますが、大きく赤文字で変わっているところは、そうないのですね。文献のところはもちろん重要ではありますが、多分、つけ加えたところとして恐らく最初のほうだとは思いますけれども、全量ピペットか何か、それが加わったということですが、これも多分ご意見が特になければ、4ページで全量ピペットがございますが、それ以外で赤文字のところが加わったり、一番大きく変えたところでありますが、特にはないと思います。
いかがでしょうか。全体を通しまして、この2つの新規規格になります。よろしいですか。
それでは、まだこれから改定案のほうもありますので、ここでご意見が出尽くしたということで、ほうれんそう中のルテイン定量の高速液体クロマトグラフ法の農林規格及び生鮮トマト中のリコペン定量吸光光度法の農林規格について、一部この修正部分と実際に考えなければいけないところを残しておりますが、これを含めまして制定するという形でよろしいでしょうか。
ありがとうございます。それでは、異議がないようですので、この旨を調査会長にご報告させていただきます。
続きまして、一部改正の8規格です。これについて審議いたしますので、改正案について事務局からご説明願います。
○古藤食品製造課課長補佐
林産物を担当しています古藤と申します。

私のほうから、フローリングの日本農林規格の試験方法の見直しについて、資料をもとに説明をさせていただきます。
資料3の8ページになります。
フローリングは住宅の床に使われる材料をいい、JASでは、引き板や合板などの木質材料を基材として、表面、また側面に加工を施した床板について品質等の基準を定めております。
フローリングのJASでは、単層フローリングと複合フローリングの2つの区分があります。単層フローリングというのは、木材から切り出した1枚の引き板に表面塗装や側面加工を施したものをいいます。また、複合フローリングは、合板や集成材等の表面に化粧用の板やシートを張りつけたものをいいます。
試験方法以外の改正事項につきましては、先月のJAS調査会において審議し、了解をいただいています。今回は、試験方法の見直し関連ということで、2点挙げさせていただきます。
1点目が、この図の左側にある浸せき剝離試験の試験片の作製方法を明確化する見直しです。浸せき剝離試験というのは接着の程度を評価するための試験です。具体的には、写真にあるような装置を用いて、試験片を70度の温水中に2時間入れて、さらに60度の高温乾燥機の中に入れ、3時間乾燥させた後に、接着層の剝離の長さを測定します。
この剝離試験に用いる試験片について、現行ではサイズや形状のみを規定していますが、今回の見直しでは、試験片をつくる際の注意点を追加するものです。
今回、追加した部分は、試験片の側面等に節などの欠点がある場合に、欠点部分等を評価する際の取り扱いに差が出てくる可能性があり、場合によっては厳しく評価したり、逆に緩く評価するといった場合が出てきてしまうおそれがあるということで、そのような差が出ないように、試験片の作製時点で欠点部分を除いておくこととしたものでございます。
2つ目の見直しは、複合フローリングの摩耗試験の試験手順を明確化するための見直しです。
摩耗試験とは、フローリングとして耐摩耗性があるかどうかを試験するものです。この写真にあるように、試験片を試験装置の回転盤に固定して、重しのついた研磨紙を巻きつけたゴム性の円盤を取りつけて、所定の回転後に、試験片の表面の変化等を測定するものです。
今回の改正では、試験の手順に関して、研磨紙の目詰まりを防ぐため、適当な刷毛等で付着した研磨くずを随時(少なくとも100回転ごと)除去するものとする、そういった規定を追加することとしています。
写真で試験後の研磨紙と試験前の研磨紙を示していますが、研磨紙が目詰まりした状態で測定した場合には試験結果に影響するおそれがあることから、実際に実務上ではブラシで研磨紙を除去するなどの措置が行われているところです。これまでは、規格の中で具体的には明記していませんでしたが、試験の適正な評価を促すという観点から、必要な手順として、今回明記することとしたものです。
フローリングの試験方法の見直しについては以上です。
○森光分科会長
この後は食品に入っていきますが、続けてしまってもよろしいですか。それともここで1回切ったほうがよいでしょうか。

では、お願いいたします。神谷委員、お願いいたします。
○神谷委員
中身的には全然、問題ないと思うのですが、新JAS制度ということで、先ほどできるだけ口語体にということになりましたが、先ほどの試験方法の文体と今説明があった規格の文体は全く違います。そのあたりをどのようにするのか、それぞれの分野に任せてしまうのか、そのあたりはどのように考えたらよいのでしょうか。

というのは、例えばこの後に出てきますマーガリン類は、表現のスタイルを変えています。例えば、「あること」というのは全部なくなり、何とかと「する」というふうに全部変えられています。ところが、このフローリングは従来のままということです。
あと、例えば先ほど私が「有し」のほうがいいのではないかと話したところが、そのまま「もつ」ということになっていたのですが、別の規格では「有し」というのが使われていますので、そのあたりの統一性はこれからどうしていくのか、そのあたりの方針を聞かせてもらいたいのですが。
○森光分科会長
事務局側で何かありますでしょうか。

恐らく全規格、過去のものまで遡ってというのは、今すぐやるには、とても人員的に大変ですよね。
○神谷委員
私の希望でいいますと、分野が違うので、例えば林産物だと建築基準法、法律なんですね。だから、その文体を柔らかく変えちゃうと、全然はっきり判断できない。やっぱりここは従来どおりのはっきりわかる、文体のほうが私は適当じゃないかということで、必ずしも統一しなくてもいいのではないかという考えです。

○森光分科会長
何かご意見ございませんか。

○谷口基準認証室長
今、ご意見をいただいたとおり、恐らくそろえられるところとそろえられないところというのは、もしかしたら分野によって変わってくるという部分はあるかと思います。そろえられるところは当然そろえていくという方向で考えて、個別に分野によって違うほうがいいということが、今後ありましたら、それについては分けて考えていくということで、必ずしも全部の規格についてそろえられるということにはできないかなと思いますので、その辺はご指摘も踏まえて、今後の見直しの中でやっていきたいと思います。

○森光分科会長
このほかいかがでしょうか。フローリングのJAS試験法の見直しに関してのところです。よろしいでしょうか。

それでは、ありがとうございました。
次の規格、また質問がございましたら、最後でも構いませんのでよろしくお願いいたします。
では、またご説明のほうをお願いいたします。
○内村食品製造課課長補佐
飲食料品を担当しております内村と申します。よろしくお願いいたします。

それでは、資料3-2のところで、9ページから飲食料品のJASの一部改正ということで、まず10ページ目になりますが、ぶどう糖の灰分の測定方法ということで、るつぼなどの容器に試料を入れ炭化させますが、このとき試料が膨らみ、あふれ出てしまうため、加熱の加減が難しいとのことです。このため、試薬として販売されておりますオリーブ油を加えて、この膨れ上がりを抑え、安定して分析できるように方法を改正するものです。
続いて、11ページ目になりますが、こちらは同じぶどう糖で、比旋光度の測定方法となります。ぶどう糖の純度をあらわす指標として規定されております項目でございます。現行は、測定の際に使用する旋光計の光源については、ナトリウムランプに限定しているところでありますが、汎用性のあるタングステンハロゲンランプを追加する要望をいただきましたので、このランプを使った測定の妥当性の確認がとれましたので、追加するよう改正することとしております。
続いて、12ページ目になりますが、こちらはマカロニ類になりまして、見かけの比重の改正となります。マカロニの組織の密度をあらわす指標として規定されている項目でございます。現行は試料の調製方法について規定しておりません。これに対し、方法を規定してわかりやすくしてほしい旨の要望をいただきました。破砕しますと、操作性の悪い微細な粉砕試料も混入しますので、ふるい分けることとしました。目開き500 μm以上の試験用のふるいの上に乗ったものを使用すれば問題ないことが確認されましたので、当該試験用ふるいを使用する旨を規定することとします。
続いて、13ページ目になります。こちらは、食用精製加工油脂と精製ラード、ショートニングで、水分及び酸価の測定方法となります。いずれも測定方法自体変更することはなく、詳細に規定することにより、よりばらつきが小さい測定ができるようにするものです。
まず、水分ですが、試料の乾燥方法の手順や重量を測定する際の桁数を詳細に規定することとしております。
続いて、酸価のほうは、ショートニング及び食用精製加工油脂の測定方法について、試料の溶解方法や重量を測定する際の桁数等を改正し、これらを正確に測定できるように妥当性が確認された詳細な手順を規定することとしました。これによって、先に改正された精製ラードと同様の書きぶりとなります。
続いて、14ページ目ですが、こちらのほうは精製ラードで、よう素価及び融点の測定方法の改正となります。よう素価の測定方法で使用します一塩化ヨウ素溶液を、当該表記から食用植物油脂のJASと同様とするため、ウィイス液に変更して規定いたします。この2つの試薬は内容的には同じものでございます。また、融点の測定方法につきましては、方法を変更することなく、正確に測定できるように詳細な規定ぶりとします。
続いて、15ページ目をご覧ください。こちらはマーガリン類の油脂含有率の測定方法となります。こちらも正確に測定できるように妥当性が確認された詳細な手順を規定することとします。方法自体を変更するものではございませんが、具体的には用いる容器の準備、すなわち恒量を求める手順、油脂の抽出手順、重量を測定する際の桁数などの改正となります。
続いて、16ページ目ですが、こちらは農産物漬物の塩分の測定方法の改正です。こちらは試料をはかりとる際の桁数を1mgから10 mgに変更するというものです。塩分の基準値は小数点以下1桁の規定となっておりまして、測定値は小数点以下2桁目、すなわち10 mgの桁を四捨五入して小数点以下1桁に丸めた上で、基準に対して適合か否かを判断しますので、供試料は10 mgの桁ではかりとることとしたいと考えております。
飲食料品の改正内容は、こちらの19ページの塩分の測定方法までとなります。
以上となりますが、事前に、まず五十嵐委員のほうから、マカロニ類のところで、今回、12ページ目に見かけ比重の関係でふるいを使うので、マカロニ類の分析の中に、水素イオン濃度の分析項目がありまして、その試料の調製方法も、粉砕機を用いて粉砕してはかりとるんですけれども、そのときに同じふるいの500 μmのものを使って、FAMICでも通常の試験でやっているんですけれども、今回、見かけ比重も妥当性の確認をとった上で改正しましたので、ご意見のあったことについては、今後また妥当性の確認をとった上で反映したいと思っております。
今回の全般的にわたって、安井委員のほうから意見を頂戴しております。
規格全体でリットル表示について、小文字のリットルと大文字のリットルが混在しているということで、結論的には大文字のリットルのほうに統一したいと思っております。ミリリットルも、当然、リットルのほうを大文字にするということで、順次、一遍に全部できないので、改正ごとに直したいと思っております。
それとまた、重量というふうな表記をJASのほうでしているんですけれども、これは大体グラムとかキログラムなので、質量ということでご指摘をいただいておりまして、こちらのほうも適宜、順次直していきたいと思っております。
とりあえず以上となります。
○森光分科会長
どうもご説明、ありがとうございました。

これで7規格分が飲食料、食品に関するところですので、この件につきましてご意見、ご質問、今、お二方の委員の事前のご質問に対しての答えが出ました。これを含めましてそのほか、もしご意見等がございましたらお願いいたします。
安井委員、お願いいたします。
○安井委員
表現の仕方なんですが、小数点以下何桁という言い方、私も昔はそう教わったんですが、今は小数第何位という言い方が一般的みたいなので、そのように修正されたらよろしいと思います。

○森光分科会長
桃原委員、お願いいたします。

○桃原委員
マカロニの規格です。6.2.1のところ、粉砕機で粉砕して、目開き500 μm以上の篩径のふるい上に残ったものとすると書いてありますけれども、500 μm以上残るのはいいんですけれども、どこかパスしたのも書いておかないと、粉砕が雑になってもいいということになってしまいますから、上のほうの基準が必要なんじゃないでしょうか。

○森光分科会長
いかがでしょうか。抜けた部分じゃない、こっちのところですよね。

○浅野分析調査課長
こちらのほうを確認したときに、500 μmの上と下とさらにもっと上のほうというので検討しまして、特に、実は下のものでも有意差はなかったんですけれども、下のものだと静電気とかの関係があって、扱いづらいということで、500 μm以上ということにしております。

○桃原委員
だとすると粉砕しなくても同じということですか。そこのところがちょっと気になったものですから。

○浅野分析調査課長
上限をつけておかないと、確かに固まったものでもよいと読めてしまうというご指摘でございますね。

○内村食品製造課課長補佐
そこは事前にそういうのは想定して、考えてはいたんですけれども、FAMICのほうから聞いて、問題はないということがあったんですけれども、実際にその試験をするときに、操作するときに必ず容器とか、シリンダーとか入れるときに、そのままの形で固まったままはどうせ入らないので、ある程度崩すというのが前提とされるので、定めなくてもいいかなというのがあったんですけれども、今、ご意見いただいたように、ちょっと書きぶりを考えさせていただきたいと思います。上限というのか、粉砕してというふうに書くのは、ちょっと考えます。

○桃原委員
それを例えば6.3.1.1ですか、ここは850を通って500に残ったという、そういう書き方をしていますから、ちょっとご検討ください。

○森光分科会長
よろしいでしょうか。

五十嵐委員、お願いいたします。
○五十嵐委員
ご説明ありがとうございました。

先ほど既にご説明いただいたんですけれども、結局、水素イオン濃度のところも同じような処理が必要なんですけれども、そこはふるいの記載がないので、現場としては非常に困っているというか、どうしていいかわからないという実情があるということはご理解いただきたいと思っています。
○森光分科会長
よろしいでしょうか。

そのほかいかがでしょうか。
安井委員、お願いいたします。
○安井委員
食用精製加工油脂で、チオ硫酸ナトリウムの調製について意見があったのですが、事務局として、滴定に使用する溶液の濃度を適切に管理する必要性については広く認識されているため、現行のとおりとしますというお答えだったんですけれども、それぞれ溶液に応じて管理の状況が異なってくるので、できるだけ状況がわかるよう、ほかの条件とか、私は書いておいたほうがいいと思ったんですが、いかがでしょうか。

○森光分科会長
いかがでしょうか。このあたりはいかがでしょうか。

よろしくお願いします。
○内村食品製造課課長補佐
基本的にわかりやすくしていこうという方針にありますので、ご意見いただいたので、そこはほかとの書きぶりとそろえるということもあるので、ちょっと意見を受けて検討させてください。

○森光分科会長
そういうところはこれから出てくるんですね。でも、出たたびで、ちょっとまた皆さん、委員の方にはご意見をいただいて徐々によくなっていくという方向で、大きく変わるときなんかは検索をかけてばーっと変えるべきでしょうけれども、こういうのはそうそう出ないところだと思うので、ありがとうございます。

そのほかいかがでしょうか。お気づきになったところ、ご質問、ご意見等がございましたらばよろしくお願いいたします。
余談になって申しわけないですけれども、灰分なんかはこういうふうに、泡がぶくぶくと吹き出すときに、なるほど油で抑えるのをちゃんと、学生実験なんかでやると、大抵みんな焦りますので、ぶくぶく、そのときは焦がし、るつぼを真っ黒にするのもいますので、なるほどと思いながら、こういうのはちゃんと規定されるのはと思って、ちょっと今回はよい改定というか、きっと実需者の方たちが苦労されているところがうまく出てきているんだなというのがわかった次第ですが、よろしいでしょうか。
安井委員、お願いいたします。
○安井委員
今、ご説明があった灰分は、カイブンではなくてハイブンです。カイブンと言われる方が半分ぐらいおられると思うんですけれども、文部科学省が出している学術用語集、大分古いのがありますけれども、それでハイブン、ハイカという表現をしていますので、よろしくお願いします。

○森光分科会長
私も昭和生まれなので、カイブンという。そうでした、教科書をつくったときに、ハイブンとしなきゃだめとありましたよね。

そのほかいかがでしょうか。文部科学省のあの用語のやつも難しいときもあるのですが、今、このように言わないものも出てくるので、何か基準という意味ではとても重要です。
○安井委員
なかなかふりがなしていないですよね。これはローマ字で書いてあるので。

○森光分科会長
確かにそうです。

いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、ご意見が出尽くしたということで、この8件、フローリング、ショートニング、ぶどう糖、マカロニ、精製ラード、農産物漬物に関する一部改定を含めまして、一部見直しの部分、例えばチオ硫酸ナトリウムに関しては、こちらでお考えをまとめさせていただくということで、改正についてよろしいでしょうか。
ありがとうございます。では、この旨を同じく調査会長にご報告させていただきます。
以上、諮問事項である議題1、ご審議をいただきました。新規の制定2規格については案のとおり改正して、原案を修正した形で改正することでご了承いただきました。これにつきまして、今後の進め方を簡単ですが、これまでのとおりご説明させていただきます。
この議決に関しましては、日本農林調査令第5条第7項及び日本農林規格運営規程第6条の規定におきまして、分科会の決議をもって調査会の決議とすることとなっております。
調査会長に分科会における決議の報告を行い、答申の形で体裁を整えた上で、調査会長から農林水産大臣にお出しすることになっておりますが、調査会長への決議報告などは、今後の取り扱いは、すみませんが、分科会長の私にご一任とさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
また、今後、公示の手続を行うに当たりまして、内容の変更を伴わない字句の修正、それに関する必要な場合が発生しましたときは、事務局と調整させていただきます。これに関してもよろしくお願いいたします。
それでは、どうもありがとうございます。この形で進めさせていただきます。
続きまして、残りました議題2、その他になりますが、その他のほうを事務局から何かありますか。よろしくお願いいたします。
○石丸食品製造課課長補佐
事務局の石丸です。

機能性成分の試験方法の規格の国際化に関連して、1点、この場でご報告させていただきます。
ISOの食品分野の専門委員会として、TC34というところがございます。今年10月18日、19日にワシントンでこちらの総会が行われまして、日本から人の健康にとって有用な成分の試験方法という形で、この試験方法の必要性についてプレゼンテーションを行いました。
実際のプレゼンテーションは、ISOのバイオ分野の分科委員会でご活躍をされている中江裕樹氏、NPO法人バイオ計測技術コンソーシアムの事務局長をなさっている方にお願いいたしました。そのほか日本からのデリゲーションとして、農研機構から折戸委員、それからFAMIC、農林水産省が参画いたしまして、各国にロビーイングを行いました。
各国の反応は、どこの分科委員会に当該提案をするべきかという提案先についての意見がありましたが、日本からこういった試験方法の提案をすることに大きな反対はありませんでした。各国には、日本がこれから当該提案していくことについて確認していただいたという状況になっております。
このため、これから提案先の候補と調整をした上で、日本からISOに当該提案をしていきたいと思っております。
なお、来月の初めに関係者を集めたタスクフォース会議を予定しております。ここでは具体的にどういった戦略で提案していくのかということを議論してまいりたいと思っております。
以上、ご報告です。
○森光分科会長
ありがとうございました。大変ホットなところの話題でございます。

せっかくでございますので、この話題に関しまして、何かご質疑とかご意見等、または何かご要望みたいなものがございましたらお願いいたします。
大変興味があって、私も事前にお伺いしていたのですが、こういうようなISOに向けての試験方法というのは、今回、我々だとこういうのが絡んでいるので、日本からも出ていくのだなと。特に機能性成分に関してですけれども、他国、すなわちほかの国の状況はどうだったんでしょうか。アメリカ、またその他、進んでいるという言い方は変ですが、機能性成分の売り上げが結構大きいようなところは、すごくアクティブに動いていたとか。
○石丸食品製造課課長補佐
そうですね、他国も関心を持っていただいたなという印象はあります。一方で、「健康に有用な」というところで、やはり各国のレギュレーションとのかかわりで、少し懸念があるなというご意見も出てまいりました。これに対しては、我々が提案するのは、あくまで試験方法であるということを説明して、納得していただいたと思っております。

○森光分科会長
折戸委員、お願いいたします。

○折戸委員
ご報告ありがとうございました。

私もタスクフォースのメンバーとして参画いたしまして、会議に出てまいりまして、ちょっと補足をさせていただきますと、今回の試験方法の対象範囲が生鮮及び低次加工品ということで、ISOのTC34、フードプロダクツの中では、サプリメントに関してはいろいろ議論が進んでおりましたが、やはり生鮮及び低次加工品ということで、農林水産省が目指します輸出戦略ということで、輸出に伴う受け入れ検査というものの重要性ということをある程度強調させていただいたというところがあると思います。
それで輸出振興につながっていくということで、JASの活動をISOの提案文書の中にどうやって取り込むかという議論も、タスクフォースで非常に行われておりますので、今後、国内委員会のほうにまた移っていくと思うんですが、ぜひ活発なご議論をお願いしたいというふうに思っております。
以上でございます。
○森光分科会長
ありがとうございます。

いかがでしょうか。その他のところではございますが、今後、このJASの規格の中での測定法というところが、今、折戸委員がまさにおっしゃってくださったところが、多分、日本の目指すところといいますか、恐らく世界的に信用が高いというのが、きっといろんな意味での日本の緻密さというところだと個人的には思っておりますので、そういったところがきっとうまくこういう分析法で、かつ、よりよいものに変えていかなければならないということも含めて、先ほどいろいろなご意見をいただいたように、文言もそうですし、ワールドワイドに利用可能な形式に合わせていくこともそうですし、そういったものが、できたら日本発信の論文がバックにあって、それをサポートしているという態勢が整うということは、とても重要に考えております。ありがとうございます。
そのほか何かございますでしょうか。
神谷委員、お願いいたします。
○神谷委員
前回もそうだったんですが、今回も、ちょっと私は分野が違うので、文言ばかり見ていたんですが、ちょっと文言のこなれていないまま出ておりますよね、正直申し上げまして。私は昔から結構出ていますけれども、昔はこういった委員会はほとんど訂正なくて、短時間で終わったものなんですが、その原因を考えますと、今から打って出るということで、新規のJASも出てきますし、あるいは従来からのJASから試験方法を分離する、これは従来から比べると大変な作業なんですね。

だから、多分、事務局側がかなり時間に追われて、かなり苦しい仕事をされているんじゃないかと思うんです。その辺のことをちょっとお考えになって、時間をもう少し差し上げて、それからまた分科会なりワーキングでも、もうちょっと時間をかけて論議されて、このJAS調査会に上がってくるように、できるだけやってもらいたいかなというふうに思います。
○森光分科会長
大変重要なご要望として、これは日本語だけじゃなくて、多分英語に変わるところもこれから、事務局の方はすごく大変なことになると思いますので、なるべく前段階をしっかりと踏んで最終的な分科会のほうに出てくるという形の方向で頑張りますので、ぜひおつき合いのほど、それまでしばらくよろしくお願いいたします。

よろしいでしょうか。
それでは、少し時間は早めではございますが、以上で本日全ての議題が終了することになります。円滑な議事進行、またご議論に心より感謝申し上げます。ありがとうございます。
それでは、議事進行を事務局のほうにお返しいたします。
○中村規格専門官
本日はご審議いただきましてまことにありがとうございました。

本日ご審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう、所要の手続を行ってまいります。その手続の中で、30年3月6日の試験方法分科会の際に分科会長から、調査審議等の進め方というのをお話しして、皆様にも文書でご連絡していますが、その中の4番として、内容の修正を要する場合であって、修正の方向性について合意に至った場合には、規格案の当該修正は分科会長に一任するということがございますので、分科課長と相談しながら、また皆様にもご相談することになろうかと思いますが、最終的な規格案を定めていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日はどうもありがとうございます。お疲れさまでした。

午後3時11分 閉会