日本農林規格調査会試験方法分科会議事録(令和5年3月13日開催)
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1.日時及び場所
日時:令和5年3月13日(月曜日) 場所:農林水産省共用第1会議室(Web併催)
2.議題
(1)日本農林規格の改正について
・ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の制定
・べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の制定
(2)その他
3.議事内容
午後2時54分開会
〇牟田規格専門官
それでは、定刻よりも5分程度早いのでございますが、日本農林規格調査会試験方法分科会を開会させていただきます。
事務局の牟田でございます。よろしくお願いいたします。
分科会は、当会議室とウェブとの併催とさせていただきました。皆様には御多忙のところ、御出席いただきましてありがとうございます。
本日の審議に参集いたしました委員7名のうち、渋沢委員から欠席の御連絡を受けております。現在、当会議室とオンラインで6名の出席をいただいているところでございます。日本農林規格調査会令第7条第1項の規定によりまして、本分科会が成立していることを御報告いたします。
なお、本分科会は公開で行います。傍聴希望者を募ったところ、7名の方から申込みがありました。本日、ウェブで傍聴されております。
それではまず初めに、開催に当たりまして伊藤基準認証室長から御挨拶を申し上げます。
〇伊藤基準認証室長
基準認証室長の伊藤でございます。試験方法分科会の開催に当たりまして御挨拶を申し上げます。
まず、委員の皆様には御多忙の中、御出席をいただきまして大変ありがとうございます。また、日頃より農林水産行政、また、JAS制度につきまして御理解、御協力を賜りまして厚く御礼申し上げます。
実はこの試験分科会は委員の改選が昨年7月にございまして、その後、10月に、JAS調査会本会の方と関連する中身でございますので、試験分科会の委員の皆様にも御出席をいただいたところでございますが、試験方法分科会としての開催は今回が初めてというふうになってございます。
10月の調査会には既に御参加いただいたところでございますが、今回の委員改選によりまして、改めまして亀山委員や猪口委員に新たに参画をいただきましたところでございます。ありがとうございます。引き続きの委員の皆様も含めまして活発な御議論を頂けますと幸いでございます。
また、試験方法のJAS、今回、御議論いただきますが、こちらは御承知のところではございますが、平成29年にJAS法を改正いたしまして、この中で、こういった試験方法のJASを制定し、登録試験機関の方で試験証が発行できるようになったというものでございます。
これまで7件の試験規格、試験方法規格が制定されているところでございまして、今後、これらの農林水産物の輸出促進にこういった規格も寄与できるようにしていくという観点から、既に制定しました、例えば機能性成分にかかるような試験方法や、また魚類の鮮度の試験方法につきまして、ISO規格にしていこうということで、ただいま関係者と協議しながら取組を進めているというような状況でございます。
今回の分科会で御審議いただく案件につきましては、ウンシュウミカンのものと、あと、べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの定量、2規格の改正というふうになってございます。両規格とも、先ほど御紹介申し上げました29年のJAS法の改正後に制定したわけでございますが、最初に制定された試験方法の規格となってございまして、JAS規格は5年ごとに内容を確認をして見直しをするというものになってございますので、今回は試験方法の見直しについて初めての御議論を頂く場ということになります。
後ほど御説明がありますが、これらの規格は民間の試験機関などでも活用されていると承知しております。今回の改正内容につきましては、大きいものではございませんけれども、それぞれの専門の立場から、忌憚のない御意見を頂ければと考えております。
本日はどうぞよろしくお願いいたします。
〇牟田規格専門官
ありがとうございました。それでは、初めに日本農林規格調査会令第5条第4項の規定に基づきまして、本分科会の分科会長を委員の互選により、決めさせていただきたいと思っております。
どなたか御推薦いただきたいと思いますがいかがでございましょうか。
〇松田委員
よろしいでしょうか。
〇牟田規格専門官
松田委員、どうぞ。
〇松田委員
食品分野全般に高い御見識をお持ちであり、平成30年からずっと本分科会の分科会長を務められておられます森光委員を推薦したいと思います。
〇牟田規格専門官
ありがとうございます。ただいま森光委員を御推薦するという御意見が松田委員からございましたが、いかがでございましょうか。
-- 異議ありません。
〇牟田規格専門官
ありがとうございます。異議なしということでございますので、森光委員が分科会長に選出されました。
ここからの議事進行は森光委員にお願いいたします。
〇森光分科会長
どうも森光でございます。どうも、皆様ありがとうございますというか、皆様方は見識が高い方ばかりで、毎年、毎回といいますか、心苦しく思っております。
今、伊藤室長からお話がありましたように、正にこの5年前うんぬんの第1回目のJASのこの規格の中で、試験方法が見直しに入っております。さらにいいますと、今回、FAMICの方からその見直しの部分が提示されますので、よろしく御議論いただければと思います。
是非、輸出促進において、また実は学術分野においてもこの分析方法はとても参照になっているわけでございますので、皆様方で、是非、ブラッシュアップしていく気持ちでよろしくお
願いします。
では、始めさせていただきたいと思います。議題に入ります前に、日本農林規格調査会第5条6項に基づきまして、分科会会長代理を指名したいと思います。分科会会長が実際には指名することになっておりますので、私から五十嵐委員に分科会長代理をお願いしたいと思います。
よろしいでしょうか。
よろしくお願いいたします。
では、続いて議事録署名人の指名を行います。これも同じく第11条に記載されております分科会長が指名することになっております。今回は桃原委員と猪口委員にお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
〇猪口委員
よろしくお願いいたします。
〇桃原委員
よろしくお願いいたします。
〇森光分科会長
ありがとうございます。それでは、早速、今から議題に関しましてですが、その前に資料の確認を事務局から御説明いただきます。及び審議時の留意事項等を含めて公表について御説明いただきます。お願いいたします。
〇牟田規格専門官
それでは、資料の確認についてでございます。本日の資料ですが、当会議室にお越しの委員の皆様につきましては、机の上の紙で配付されているものを見ていただきまして、オンラインで御出席の委員の皆様におかれましては、あらかじめ送信しておりますものを御覧いただきたいと思っております。
続きまして、審議時の留意事項についてでございます。今回もWeb併催としておりますので、オンラインで出席されている委員の皆様におかれましては、御発言される場合、挙手機能やチャット機能などで御発言がある旨をお知らせいただきたいと思っております。
森光分科会長が発言者を指名いたしますので、御発言の際、お名前を言っていただくとともに、御発言の最後には、「以上です」など発言が終わった旨をお知らせしていただきたいと思っております。また、御発言のとき以外はマイクをミュートにしていただきますようお願いいたします。万が一、音声が聞こえないなどの不都合が生じた場合は、「音声が駄目」とか、「聞こえない」などチャットでお知らせいただくか、または、あらかじめお知らせしている担当者の連絡先にお知らせいただきたいと思っております。
次に、傍聴の方へのお願いでございます。傍聴募集の際の留意事項にも記載をしておりますが、音声が途切れるなど通信トラブルの原因になるおそれがございますので、傍聴の際は、マイクをミュートに、カメラをオフにしていただきますようお願いいたします。
最後に議事内容の公表についてでございます。本日の議事内容は御発言いただいた方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表いたしますので、御了承のほどよろしくお願いいたします。
以上でございます。
〇森光分科会長
ありがとうございます。それでは、議題の(1)について審議を始めたいと思います。農林水産大臣から今回審議する規格に関する諮問を頂いております。資料2にございますので、御確認いただきたいと思います。
また、本日の審議のため、運営規則第10条第4項により、別紙の通り申出者が御出席されていますので、よろしくお願いいたします。それでは、(1)ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の改正案について審議を行います。
事務局から説明をお願いいたします。
〇新藤食品製造課課長補佐
食品製造課基準認証室の新藤と申します。本日はよろしくお願いいたします。座って御説明させていただきます。
資料3に沿って今回の改正案の御説明をさせていただきます。3枚目にウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の改正案と書いてございまして、次のページから、説明がなされています。
まず、ウンシュウミカンという表記ですけれども、食品表示法等他法令に合わせまして、今回の改正の際にひらがな表記に変更したいと考えております。この規格はウンシュウミカンの可食部中のβ-クリプトキサンチンを定量するための妥当性を確認した試験方法について規定したものです。
今回の見直しに際しまして、利用状況調査を行いましたが、そのときに事業者様においては、依頼検査の分析法の開発や、機能性表示食品届出検討調査等に利用されているということが確認されました。
また、利害関係者へのヒアリングにおきましては、参照標準法として利用しているという意見が多数ございました。これらのことから、当該JASがβ-クリプトキサンチンの測定における公定法として存在することによりまして、取引の円滑化に寄与していると判断できると考えております。そのため、今後もJASとしての役割が発揮されるものと考えております。
今回、見直しに当たりまして、利害関係者へのヒアリングにおいて出されました改正要望を踏まえまして、規格利用者の安全性や利便性の向上を図るため、試薬、手順等について、妥当性確認されたものを追記・修正したいと考えております。
また、併せまして、JASの国際規格との連動性、規格の検索性・利便性向上のために、他のJASと同様にISOの様式作成の手引きを考慮して作成されたJIS Z8301に従いまして、様式や字句を修正するとともに、規格利用者の理解を補完するため、規定の変更を伴わない範囲で表現を修正したいと考えております。
〇玉置食品製造課係長
農林水産省基準認室の玉置と申します。続きまして、詳細を御説明させていただきます。座って失礼いたします。
先ほどの資料の後半の部分でございますが、まず、β-クリプトキサンチンは果実や野菜等に含まれるカロテノイドの一種で骨粗しょう症の予防などの機能性が報告されております。
当該JASの試験手順について簡単に御説明いたします。分析試料からβ-クリプトキサンチンを抽出いたしまして、そちらをけん化してβ-クリプトキサンチンを分離・精製いたします。それを溶液に溶解し、HPLCで濃度を測定いたします。
続きまして、規格の利用状況調査の結果について御説明いたします。引用事例については、次の四つが挙げられました。
一つ目といたしまして、試験機関において機能性表示食品届出のための依頼検査として、当該JASに準拠した方法を提供している。
二つ目は、機能性表示食品届出検討のための調査において、試験の参考として、当該JASを利用している。
三つ目、分析機器メーカーが農研機構と共同で行いました農産物中成分の一斉分析法の開発に当該JASを参照している。
また、農研機構の機能性表示食品届出支援に関するウェブサイトにおいて、届出に利用可能な試験方法として紹介されているなどが挙げられました。
続きまして、利害関係者へのヒアリングでは、参照標準法としての利用を理由に当該JASは必要という意見が多数ございました。
そのほか、試薬、手順、計算の3点についての改正要望がございました。次のページで詳細を御説明いたします。
続いて、改正の概要について御説明しております。
一つ目に、試薬についての改正要望でございますが、規格制定当時の日本食品標準成分表分析マニュアル五訂増補版を参照したことから、HPLC移動相として、クロロホルムの使用が規定されていますが、労働安全衛生法上の特定化学物質であるため、変更してほしいという要望がございました。
こちらを踏まえまして、規格利用者の安全性の向上を図るため、現在の同分析マニュアル八訂版に採用されている移動相を参考に、単一試験所で検証を実施し、有意差が確認されなかったことから、移動相をアセトニトリル-メタノール-テトラヒドロフラン-酢酸混液に変更するものでございます。
二つ目に、手順の改正要望でございますが、HPLCの条件の設定において、β-カロテン溶液を利用することとされていますが、その調製方法について追記してほしいという改正要望がございました。そのため、規格利用者の利便性向上に資するよう、制定時に検討した方法をもとに、β-カロテン溶液の調製方法について追記するものでございます。
三つ目、計算に関する改正要望でございますが、異性体由来のショルダーピークについて、β-クリプトキサンチンのピークとして合算することとされているため、ショルダーピークの例示と合算すべき異性体の情報を追記してほしいというものがございました。
これを踏まえまして、合算すべき異性体に関する情報を注記として追記するとともに、異性体由来のショルダーピークの例示を附属書Cとして追記するものでございます。
そのほかの改正といたしまして、JIS Z8301の改正に伴う様式及び字句の修正をするもの、規格利用者の理解を補完するための修正として、これまでの試験方法JASの審議において出された意見を反映するため、当該JAS制定以降に制定された試験方法JASに合わせる形で、様式及び表現を修正するものでございます。
続きまして、資料5で、パブリックコメントの募集結果について御説明いたします。ウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量につきましては、パブリックコメント及び事前意図公告において意見の提出はございませんでした。農林水産省としての説明は以上でございます。
〇森光分科会長
新藤さんと玉置さん、ありがとうございます。
それでは、今、御説明がありましたウンシュウミカン中のβ-クリプトキサンチンの定量についての改正、これについて御意見と、また御要望等がございましたら、挙手または、松田先生がお隣におりますが、御意見がありましたらよろしくお願いいたします。いかがでしょうか。
〇松田委員
よろしいでしょうか。
〇森光分科会長
松田先生、お願いします。
〇松田委員
移動相からクロロホルムを除いたということは大変環境的にもよろしいと思うんですが、今回、また新しい移動相になりましたけれども、これ以外の移動相、もし別の移動相が良いということが分かったときに、それを使用するような何か基準とかを設けてそれを許可するか、いや、絶対にこれでやらなくちゃいけないというふうにするのか、JASとしての方針を伺いたいと思います。
〇玉置食品製造課係長
ありがとうございます。クロロホルムが労働安全衛生法上の特定化学物質ということで、有害ということもございますので、使用する際には特殊健康診断を受けないといけないですとか、規格利用者への負担が非常にかかります。
今回、利害関係者からの要望があり、代替品があったため修正するものでございます。この移動相も、将来、また有害なものと分かる可能性はございますが、見直しのタイミング等で規格の利害関係者へのヒアリングを行って、規格の使いやすさという観点から、要望や時代の流れを踏まえて検討したいと考えております。今回、代替品があったので、改正させていただくという方針でございます。
〇森光分科会長 よろしいですかね。
〇松田委員
本当はいろいろ使えた方がいいと思う。HPLCのカラムって、ものすごく種類がありまして、それによって適切な移動相というものが変わってくるんですね。こういうふうに決めてしまうと、良いカラムがあるなと思っても使えないとかということがあるので、例えば分離度が幾らであるとか、SN比が幾らであるとか、そういうことを規定して、もう少し緩やかな規格にしてもいいんじゃないかなと思いました。例えば、残留農薬の試験法なんかでは、HPLCの移動相を変えてもいいようなふうになっています。
以上です。
〇森光分科会長
よろしいでしょうか、今の御意見。個人的にはこれ5年目で、今、見直しがあって、これは、そもそも論のルールで、例えば次のまた5年待って改正するというルールは特に決まっていないんでしょうか。最初の5年目だけでしたでしょうか。各5年ごとでしたよ
ね。
〇玉置食品製造課係長
はい。改正からも5年以内でございます。
〇森光分科会長
個人的な意見で大変申し訳ないですが、松田委員の言ったことはとても大事で、日進月歩で機械も変わっちゃうし、カラムも変わっていって、良くなっていって、多分、汎用機器というか、一般的に使える溶媒だったり、HPLC装置だったりというのが基で多分作られていると。一方では、農薬で例を出していただいたように、分離度とSN比を出した上でそこに当てはまるのであればという規定に、もしかしたら変えなければならないような、ある程度、これに即した別の規定が出てくるのは、5年ぐらいを見ていけば、恐らく見えてくると個人的には思います。遅くとも5年以内に一度、この改正をやればFAMICの方から新しい提案が出てくるだろうと思います。
それ以外に大きな技術革新があったときには臨時の議案として出していただくというのが、多分、このJASの分科会の中の意義があると思いますので、大変ありがたい。ありがとうご
ざいました。
そのほかはいかがでしょうか。
桃原委員、よろしくお願いします。
〇桃原委員
あまり本質的な話ではないのですけれども、ショルダーピークの図が載っていますね。これを見てもあまりショルダーがはっきりと見えていないような気がしたんですが、もう少しショルダーがはっきりしたピークの図を見せるということはできなかったんでしょうか。
〇玉置食品製造課係長
ありがとうございます。附属書Cの部分かと思います。こちらに関しては、原案を出していただいたときにFAMICに載せていただいたものでございます。技術的な観点でもありますので、FAMICの方、いかがでしょうか。
〇門倉主任調査官(FAMIC)
改正原案を申し出ました独立行政法人のFAMIC門倉でございます。よろしくお願いいたします。
図を確認させていただきます。附属書Cの図のCの1の中で、a)の方にショルダーピークを2として示しておりますが、今回変更を提案した移動相において、これ以上ショルダーピークがはっきりしたクロマトグラムは得られませんでした。なお、現行の移動相では、もう少しは
っきりしたショルダーピークが得られておりました。
今回提案した移動相ではこの図のようなピークの形状になったため、この図を載せているところでございます。
〇桃原委員
どうもありがとうございます。この程度のショルダーだと分析したら一つのピークで出てくるのかなと思ったものですから、ちょっと質問させていただきました。
〇森光分科会長
よろしいですか。ありがとうございます。そのほかいかがでしょうか。
〇松田委員
よろしいですか。
〇森光分科会長
お願いします。
〇松田委員
今回の改正は、1試験室で有意差を検定して、なかったということですかね。そうすると、もともとの5年前のJASでは後ろに室間試験の結果がついていたと思うんですけれども、あれに関しては無効になったということなんですか。それとも、あれですか、ちょっと、どういうステータスなのかが知りたかったので、共同試験で確認されたものと同等の性能があることを単一試験室で確認したというステータスですか。
〇玉置食品製造課係長
共同試験の結果については、今も附属書Aとして載せているところでございまして、そちらで妥当性が確認されたということで引き続き載せております。その方法から軽微な変更ということで、もともとの方法と改正後の方法で差がないかということを単一試験室で確認して問題がなかったというふうに整理しております。
〇松田委員
そうすると、平均値の検定がされたということですよね。そうすると、その室間精度が変わったかどうか実は分からないんですよ。
なので、やっぱりそのついている附属書から変わっているかもしれないということは考えて、何か機会があったら、また共同試験をされた方が共同試験した試験法として世界的に言えるんじゃないかというふうに思います。
以上です。
〇森光分科会長
大事なポイントだと思います。大変かもしれませんが、試験室を変えたところにおけるデータでも確認いただきたく、単一だとなかなかちょっと。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいでしょうかね。
クリプトキサンチン系は学生にやらすと結構大変というか、さっきショルダーピークの話も範囲が出てきましたけれども、学生が分析すると結構いっぱい出てくるので、ここの出ているデータはさすがに熟練された方が分析するとピーク自体がきれいです。どうしても抽出したもの、ここにも書いてあるんですけども、すぐに当日測定をする、できない場合はマイナス20度、マイナス30度というところで、大半はサンプル数が少ないとその日に実施するようにしていますね。光が当たっていくとやっぱりどうしてもショルダーピークにつながるようなところがあります。それぞれ分析する側が注意しなきゃいけないところで、それはちゃんと書いてありますので、そこは問題ないと思います。皆さん、苦労するポイントだと思いますので、よろしいでしょうか。
それでは、この改正案につきましてですが、大きな変更点はないという感じで、今、進んでおりますが、要望としては、松田委員の方から出ましたように、できたら単一プラスアルファ、試験室間での検証もやった上で、できたら世界に向けてこういうふうにちゃんとできていますよという形に、いずれは体裁を整えてほしいという意見ですね。
溶媒に関するところのポイントも松田委員から出ましたが、確かに、これから技術革新が起きて5年に少なくとも一度はこれを見直す機会があり、大きな改変の必要性があるときには、是非、農薬の試験法と合わせるような形に変えていくのも一つの手ではないかと。
桃原委員から出ましたショルダーピークに関しましては、上手にピークが検出されると、一見、本当に単一ピークでしか処理できないピークになります。その辺は基礎系の苦しいところではございますが、この原案でお願いしたいと思います。
それでは、この原案どおり話を進めさせていただきますが、よろしいでしょうか。特に御意見が出ておりませんので、これで報告をさせていただきたいと思います。
続きまして、議題の次でございます。べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの定量-高速液体クロマトグラフ法の日本農林規格の改正案について審議を行います。
では、事務局から御説明願います。
〇新藤食品製造課課長補佐
基準認証室の新藤と申します。引き続き、べにふうき緑茶中のメチル化カテキンの試験方法JASの改正案について御説明させていただきます。座って失礼いたします。
この規格はべにふうきの茶葉及びその粉末中のメチル化カテキンを定量するための妥当性を確認した試験方法について規定したものです。今回の見直しに際しまして行いました利用状況調査の結果、事業者の方におかれましては分析法の開発等への利用が確認されました。
また、利害関係者へのヒアリングでは、参照標準法としての利用を理由に、当該JASは必要という意見が多数ございました。
このことから、当該JASがメチル化カテキンの測定における公定法として存在することによりまして、取引の円滑化に寄与していると判断できまして、今後もJASとしての役割が発揮されるものと考えております。
今回、JASの国際規格との連動性、規格の検索性・利便性向上のため、他のJASと同様に、ISOの様式作成の手引きを考慮して作成されたJIS Z8301に従い、様式を修正しまして、加えて規格利用者の理解を補完するため、規定の変更を伴わない範囲で修正したいと考えております。
〇玉置食品製造課係長
引き続き、玉置が御説明いたします。メチル化カテキンについて、茶葉中に含まれるポリフェノールの一種でございまして、花粉、ほこり、ハウスダストなどによる目や鼻の不快感を軽減する機能性が報告されております。
当該JASの試験手順について簡単に御説明いたします。分析試料からメチル化カテキンを抽出・ろ過いたしまして、それを水に溶解いたします。その後、HPLCによって濃度を測定いたします。
続きまして、規格の利用状況調査の結果を御説明いたします。引用事例といたしまして、分析機器メーカーが農研機構と共同で行った茶成分の迅速分析法及び一斉分析法の開発に当該JASを参照している、また、農研機構の機能性表示食品の届出支援に関するウェブサイトにおいて、届出の利用可能な試験方法として紹介されているなどがございました。
また、利害関係者へのヒアリングでは、参照標準法としての利用を理由に当該JASは必要という意見が多数ございました。また、規格内容の改正は不要との意見が過半数でございました。
これらを踏まえまして、改正の概要といたしましては、JIS Z8301の改正に伴う様式及び字句の修正に加えまして、規格利用者の理解を補完する修正といたしまして、これまでの試験方法JASの審議において出されました意見を反映するため、当該JAS制定以降に制定された試験方法JASに合わせる形で、様式及び表現を修正するものでございます。
続きまして、資料5のパブリックコメントの募集結果について御説明いたします。パブリックコメントにおいては、お一人から1件、御意見が出されましたけれども、今回の改正案に直接関係ないものでございましたので、御意見として承り、今後の参考とさせていただきたいと考えております。
事前意図公告によるコメントはございませんでした。農林水産省からの説明は以上でございます。
〇森光分科会長
御説明ありがとうございました。こちらはJISの改正に伴う様式、字句の変更、大きな内容の変更を伴いませんが、もし何かございましたら、御意見、御質問等よろしくお願いいたします。
亀山先生、お願いします。
〇亀山委員
亀山でございます。些細なことなんですけれども、資料4-2の手順の1の抽出のところ、8.1ですね。そこの8.1の抽出のところ、第2段落目のところに、「最初のろ過した液は捨てる」というふうに書いてあるんですけれども、大体、例えば何ミリリットル捨てるのかとか、そういったことも書いておいた方が明確で親切ではないかなというふうに考えます。 それが一点目です。
二点目は、同じところの次の行に、「最初のろ液は捨てる」と書いてございます。これも同様の考え方です。
三点目は用語についてで、先ほど申し上げた最初のところは、「最初のろ過した液」というふうに書いてございますけども、次のところは「最初のろ液」というふうに、少しその用語の使い方がぶれていますので、統一した方がよろしいのではないかと思いました。
併せて、先ほどパワポの方で御説明いただいた手続きの概要のところ、ここの試験手順の側の2番目のところに、EGCG(メチル化カテキン)を「水に溶解」と書いてあるんですけれども、先ほどの資料4-2の抽出のところでは、「希釈」と書いてございまして、一度も乾固なり固体にするという操作がありませんのに、ここで、「水に溶解」と書くと、何かその手順で一度、乾固のような操作が入るのかという誤認識を与えてしまうのではないかと思いました。
資料3のパワポの方の資料についても、「水に溶解」というよりも、「水で希釈」の方が正確で分かりやすいのではないかと思いました。
以上です。
〇森光分科会長
ありがとうございます。それでは、お願いいたします。
〇玉置食品製造課係長
農林水産省の玉置です。貴重な御意見、ありがとうございます。
まず一つ目の抽出の部分の最初のろ液の部分につきましては、共同試験で行ったような情報が参考になるかなと思いますので、申出者のFAMICの方に、実際にどのようにしたか、お伺いしたいと思います。FAMIC、お願いします。
〇門倉主任調査官(FAMIC)
FAMICの門倉でございます。御指摘の箇所、制定時に行いました共同試験においては、最初のろ紙でのろ過で廃棄するろ液、こちらが2ミリリットルでございました。
また、その後、メンブランフィルターでろ過する際に捨てるろ液は1ミリリットルでございました。この辺りの情報を記載できるかなと考えております。
〇亀山委員
ありがとうございます。その方が分かりやすいと思いますので、是非、よろしくお願いいたします。
〇玉置食品製造課係長
ありがとうございます。農林水産省の玉置です。FAMICから出していただいた制定時の共同試験の情報について、ほかの箇所でも注記として追記して、規格利用者の参考になるような情報を提供しているような部分がございますので、注記として、今の情報を追記するような形で修正したいと思います。
加えて、御指摘いただきました用語のぶれである「最初のろ液」というところについては表現を統一するように修正したいと考えております。
もう一点、頂きました、資料3についての御意見です。我々といたしましては、こちらの資料3の左下にございますフロー図については、皆様のような専門的な知見をお持ちの方々だけでなく一般に公表している資料でございまして、「ろ液」と書くよりも、この簡素化されたフローにおいては、メチル化カテキンを「水に溶解」と書いた方が分かりやすいかなと考えて、この資料を作成したところですけれども、短く簡潔に示せるような良い表現があれば修正したいと思います。
ありがとうございます。
〇森光分科会長
ありがとうございます。多分、私ではなく、学生がこれを読んで、「最初のろ液は捨てる」だけを見たら、「先生、何ミリ捨てるんですか」って間違いなく聞かれて、「うっ」となるところを、亀山委員、さすが、気づいてくれてありがとうございます。例が書いてあるととても嬉しい限りです。
あとは溶解という言葉が確かに僕もぱっと聞いて、そうかと思いました。乾固しているのかなというようにやっぱり錯誤するので、何か適当ないい言葉があれば、是非、こういう資料も大切だと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。
そのほかはいかがでしょうか。よろしいですかね。それでは、意見がほぼ出たところということでございまして、このべにふうき緑茶中のメチル化カテキンの定量に関する改正案、これは原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。よろしいですかね。
御意見がないということで、ありがとうございます。では、そのように御報告させていただきます。
これまで、二つの項目、ウンシュウミカン及びメチル化カテキン、べにふうきのものの改正案につきまして原案どおり改正することを了解いただいたということでございます。このため、試験方法分科会会長から中嶋会長への報告はそのように報告させていただきますが、よろしいでしょうか。よろしいですかね。ありがとうございます。では、そのようにさせていただきます。
なお、農林水産大臣の諮問事項についての報告は中嶋会長から行いますので、御了承願います。また、今後の告示手続き等に関しまして内容変更を伴わない字句の修正等は、必要が生じた場合は事務局と調整の上、分科会会長一任とさせていただきますが、よろしいでしょうか。
特に異議がないということで、そうさせていただきます。ありがとうございました。
では、このほか事務局から何かございますでしょうか。
〇牟田規格専門官
特段ございません。
〇森光分科会長
ありがとうございます。委員の方々から特に何かございますでしょうか。よろしいですかね。ありがとうございます。
それでは、本日の議事は終了させていただきます。
委員の皆様方にはお忙しい中、進行に御協力いただきありがとうございました。それでは、議事進行を事務局にお返しします。
〇牟田規格専門官
分科会長、ありがとうございました。
本日は、御審議いただきまして誠にありがとうございました。本日御審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう、所要の手続きを行ってまいりたいと思っております。ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、日本農林規格調査会試験方法分科会を閉会いたします。
どうもお疲れ様でございました。
午後3時39分閉会
お問合せ先
新事業・食品産業部食品製造課基準認証室
代表:03-3502-8111(内線4482)
ダイヤルイン:03-6744-2098