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農林水産省

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農林物資規格調査会議事録(平成26年2月21日開催)

更新日:平成26年3月27日
担当:消費・安全局表示・規格課

1.日時及び場所

日時:平成26年2月21日(金曜日) 9時58分~11時42分

場所:農林水産省 第2特別会議室

2.議題

(1)日本農林規格の見直しについて

  • トマト加工品の日本農林規格
  • 即席めんの日本農林規格
  • 乾めん類の日本農林規格
  • 手延べ干しめんの日本農林規格
  • 定温管理流通加工食品の日本農林規格

 (2)その他

3.議事内容 

越野上席表示・規格専門官

おはようございます。定刻より少し早いのですけれども、委員の皆様がおそろいですので、「農林物資規格調査会」を開催させていただきます。
事務局の越野でございます。よろしくお願いいたします。
本日は、委員の皆様には御多忙のところ御出席いただきありがとうございます。
さて、本日の委員の出席状況でございますが、井上委員、村瀬委員は欠席との御連絡をいただいております。
委員12 名のうち10 名が出席しておりますので、農林物資規格調査会令第6条第1項の規定に基づき、本調査会は成立しております。
本調査会は、農林物資規格調査会運営規程に基づきまして公開となっております。傍聴を希望される方を公募したところ15名の方が応募されており、本日傍聴されております。
また、審議において原案作成の経過を御報告させていただく関係から、原案作成委員会の事務局を務めました独立行政法人農林水産消費安全技術センターの高崎商品調査課長と、田中分析調査課長が同席しておりますので御報告させていただきます。
それでは、調査会運営規程に基づき、阿久澤会長に議事進行をお願いしたいと思います。

阿久澤会長

おはようございます。阿久澤でございます。
委員の皆様には、円滑な議事進行に御協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは、議事次第に基づきまして、福島審議官に御挨拶をお願いいたします。

福島審議官

おはようございます。消費・安全局の審議官の福島でございます。
本日は、先生方大変お忙しいところ、また、お寒い中お集まりいただきましてありがとうございます。風邪を引いてしまいまして、すごく声が変で恐縮でございます。
また、先生方には日ごろからJAS 規格制度の推進につきまして、御指導、御助言を賜りまして、心から御礼を申し上げます。
JAS 規格もそうですけれども、これはそもそも消費者の安全、あるいは信頼というものを確保するという観点の制度でございますが、消費者の食に対する信頼を損なう事案で、
昨年の秋以来、外食のメニュー表示問題があったわけでございます。
私ども農林水産省としては、11 月以降、外食産業団体に対しましていろいろな要請を行いました。また、食品表示Gメンという我々の専門職員を活用した表示制度の普及啓発。あるいは、FAMIC によるDNA 分析による表示内容の確認ということに取り組んできたわけでございます。
さらに今後でございますけれども、景品表示法に基づきます監視体制の強化対策として、私ども農林水産省の食品表示Gメン等を消費者庁の職員に併任しホテル、レストラン等の巡回調査を行うということを計画しているところでございます。引き続き消費者庁と協力して、食品表示の適正化に取り組んでまいりたいと思います。
さて、きょう御審議いただきますのは、トマト加工品、それから即席めん等5品目の見直しでございます。委員の皆様方におかれましては、それぞれの立場から忌憚のない御意見を頂戴いたしますようにお願い申し上げまして、簡単でございますけれども私からの挨拶にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、議事に入る前に、本日の調査会の議事録署名人の指名を行います。調査会運営規程により会長が指名することになっておりますので、今回は清野委員と近崎委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
次に、事務局から資料の確認及び議事内容の公表についての説明をお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。
本日お配りしている資料は、まず最初に次第でございます。
その次に委員名簿。
資料1の「日本農林規格の改正について『トマト加工品』」から、資料6の見直し基準まで。これが本日の資料になっております。
そして、最後に参考資料をお配りさせていただいております。傍聴の皆様にも同じものをお配りさせていただいていると思いますけれども、不足がありましたら事務局のほうへお申し出ください。よろしいでしょうか。
次に、議事内容の公表でございますけれども、本日発言された方々のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページに公表させていただきますので御了承ください。
以上でございます。 

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、これから議題の(1)日本農林規格の見直し案について審議を始めます。まず、トマト加工品の日本農林規格の見直しについて、事務局から資料の説明をお願いいたします。

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越野上席表示・規格専門官

それでは、トマト加工品の日本農林規格の見直しについて御説明させていただきます。また、質疑に熊谷専門官も対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
大変恐縮ですけれども、座って説明させていただきます。よろしくお願いいたします。
初めに、資料1の1ページ目を見ていただきたいと思います。こちらが日本農林規格の改正及び確認についての諮問でございます。該当部分を読ませていただきます。
下記1から4までに掲げる日本農林規格の改正及び下記5に掲げる日本農林規格の確認を行う必要があるので、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和25 年法律第175 号)第7条第5項(同法第9条において準用する場合を含む。)の規定に基づき、貴調査会の議決を求める」。

1 トマト加工品の日本農林規格(昭和54 年10 月11 日農林水産省告示第1419 号)となっております。
次に、審議事項でございます。2ページ目をお開けください。
1の「趣旨」の後段に書いています、標準規格の性格を有するものとして所要の見直しを行うこと。
内容につきましては、食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝える規定にすること、異物の規定を削除することなどでございます。
本日審議する5規格全てについて、同様に審議事項が示されておりますが、内容の説明は改正案等の説明と重複する部分がございますので、以後の説明は省略させていただきます。
また、本日の説明の進め方ですけれども、初めに説明資料をもちまして、審議いただく規格の概要を説明させていただきます。次に資料を用いまして、規格調査の概要、改正案の概要、パブリックコメントの結果等を説明させていただきます。
それでは、参考資料の1の1ページ目を見ていただきたいと思います。よろしいでしょうか。
まず「トマト加工品について」でございますけれども、トマト加工品にはトマトを原料としたトマトジュース、トマトケチャップなどの、ここに書かれている8規格が含まれております。
具体的な中身を説明させていただきますと、トマトジュースは、トマトを搾汁して種子などを除いたもの。
トマトミックスジュースは、これにセルリーなどの野菜汁を加えたもの。
トマトピューレーは、トマトをすり潰して後に裏ごししたもの。
トマトペーストは、トマトをすり潰したものをさらにやわらかく、滑らかにしたもの。こういう特性がございます。
トマトケチャップとトマトソースは、トマトを裏ごしして濃縮したものに、食酢、砂糖、タマネギ、ニンニクなどを加えたもの。
チリソースは、刻みトマトを濃縮したものに、食塩、香辛料、食酢、砂糖類、タマネギ、ニンニクなどを加えたものです。
固形トマトは、トマトの皮をむき、芯やヘタをとったもので、全形とか立方形のように成形したものを充填液とともに加えて殺菌したもの。これら8規格がございます。
規格の内容でございますけれども、右側のほうに「可溶性固形分」と「無塩可溶性固形分」の2つが書いてございます。JAS 規格の中では、色沢、香味を規定した性状のほかに、糖分、酸分、アミノ酸などが含まれている可溶性固形分。これから塩分を除いた、無塩可溶性固形分。そして、下のほうに「(1)から(7)までの規格について、原料トマトのリコピン量を 7mg%以上と規定」と書いてございますけれども、これは完熟トマトを原料として指標となる原料トマトのリコピン量がこのように規定されています。これが規格の内容でございます。
次に、規格調査の概要を説明させていただきます。今度は資料を見ていただきたいと思います。
資料の4ページ目「(3)品質の実態」を見ていただきたいのですけれども、この部分はFAMIC で検査をしたものでございますが、検査をした結果、JAS 品については全て規格に適合していたということでございます。一方、非JAS 品、JAS マークがついていない製品につきましては、トマトケチャップで3件、チリソースで1件、可溶性固形分がJAS規格の基準値を満たさない製品がありました。
JAS 品はこの基準に基づいて製造、流通されていたことから、規格が十分利用されていると考えられます。
次に、生産状況の説明をさせていただきます。4ページ目の表2を見ていただきたいと思います。
平成24 年度の生産量は、トマト加工品全体で31 万5,000 トンでございます。そしてここ数年、トマトの機能性成分が着目されたことにより増加傾向にございます。トマトケチャップ、トマトミックスジュース、トマトジュースで、生産量の全体の約9割を占めています。また、生産量の約7割が家庭向け、約3割が業務用製品と推測されています。
なお、森光委員は食品の機能性成分の専門家でございますので、後ほどトマト加工品が着目されるようになった背景などについて御説明いただければと思っております。
次に「格付の状況」を説明させていただきます。6ページ目の表4をごらんください。
平成24 年度の格付率は、65.1%でございます。規格別に見ますと、トマトケチャップの格付率は77.8%。トマトジュース、トマトミックスジュースが63.2%となっております。他の品目と比べましても、トマト加工品は非常に格付が高いという特色がございます。これは、業界の皆様が格付に取り組んでいる賜物と考えております。
次に、規格の利用状況について説明させていただきます。6ページ目の「(3)規格の利用状況」でございます。
製造業者が45 社のうち30 社がトマト加工品の認定工場になっています。そして認定事業者、また製造業者等ではJAS 規格をどのように使っているかというと、まず格付に使っている。それもあるのですけれども、社内の製造基準や取引の基準などにも使われているということでございます。
次に、改正概要の説明をさせていただきます。8ページ目を見ていただきたいと思います。
1に「規格の位置付け」が書かれてございます。JAS 規格の制定・見直しの基準では、JAS 規格として普及すべき標準規格、または特色規格に位置づけることができない規格については廃止をすることになっております。また、規格の位置づけについては、当該製品の生産状況や規格の利用状況を考慮して判断することになっております。したがいまして、生産状況や格付状況、規格の利用状況を踏まえ引き続き標準規格として位置づけてよいかどうかということの審議でございますけれども、引き続き標準規格と位置づけることとさせていただきたいと思っております。
次に、「改正案の概要」でございます。改正事項は2点ございます。「『異物』の削除」「『食品添加物』の改正」の2項目でございます。
異物及び食品添加物の改正につきましては、昨年の4月26 日、9月4日のJAS 調査会で御審議をいただき御了解いただいたものと同じ内容でございます。この見直しは、見直し基準に基づき遵守義務のある規格との関係整理の関係から品目横断的に行うもので、「異物」については、食品衛生法で規定されていることから削除し、「食品添加物」については、食品添加物が必要かつ最小限であることをコーデックスの規格の原則を引用して規定するとともに、当該情報を消費者に伝達する規定ぶりに改正するというものでございます。
なお、トマト加工品につきましては、原案作成委員会での検討を踏まえまして、食品添加物の基準の適用を一定期間猶予する規定を附則に設けさせていただくこととしております。
以上が、改正の概要でございます。
なお、改正案につきましては、法令的な観点から、字句の修正があり得ることを御承知ください。
最後にパブリックコメントの結果でございます。20 ページをお開けください。
パブリックコメント期間中に、1件の意見をいただきました。
いただいた意見についての考え方については21 ページ目に記載しておりますので、そちらをごらんください。
内容につきましては、食品添加物の使用については、国際規格のみに委ねるべきでないという御意見でございます。これについての考え方でございますけれども、日本において
は、食品衛生法により使用できる食品添加物が規定されています。JAS 規格は、食品衛生法の上乗せ基準として当該食品に必要最小限の使用を求めるものであって、国際規格に全て委ねるものではございません。ですから、今回は原案どおりとさせていただくということでございます。
なお、20 ページを見ていただきたいのですけれども、事前意図公告のコメントはございませんでした。
以上で、農林水産省からの説明は終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
次に、トマト加工品の日本農林規格の原案を作成しました原案作成委員会における議論の概要について、説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

原案作成委員会の事務局を務めました独立行政法人農林水産消費安全技術センター規格検査部の高崎と申します。よろしくお願いいたします。
それでは、原案作成委員会の議論の概要について御説明させていただきます。
トマト加工品の日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、田所忠弘東京聖栄大学健康栄養学部教授を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等、各分野の代表の方14 名の委員からなる合議体で、事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会につきましては、平成25 年2月28 日及び4月18 日の2回開催いたしました。第1回目の委員会で、規格の位置づけと改正事項の整理を行いました。第2回の委員会では、具体的な改正内容について審議をいたしました。
初めに、規格の位置づけでございます。これにつきましては、トマト加工品の規格の利用状況を踏まえまして、生産、取引、あるいは使用の際に一定のスタンダードとして活用されている、機能していることから「標準規格」として位置づけることが適当と議決されたところでございます。
次に、規格の改正につきましては、品目横断的な改正につきましては、JAS 規格の制定見直しの基準に基づき、遵守義務がある規格等との関係整理の観点から「異物」の削除について、もう一つ、同じく遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝える観点から「食品添加物」の基準改正について検討を行ったところでございます。
この結果「異物」につきましては、食品衛生法で監視・指導が行われている実態を踏まえると、削除をすることが適当であること。
それから「食品添加物」の基準の改正につきましては、現行の規格のポジティブリストの規定にかえまして、コーデックスの「食品添加物の使用に関する一般原則」にのっとり、食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について、消費者に対して情報提供を行う旨の規定に改正するということが適当と議決されました。
なお、製造業者の委員の方から、食品添加物の基準の改正に際しまして、トマト加工品のうち、国産原料が主体であるトマトジュースにつきましては、規格の中で食品添加物は使用しない規定になっていること、また、それ以外のものにつきましても、現行使われている食品添加物の種類が限定されている。また、従来からその使用量につきましても、業界としても削減に取り組んでいること。業界としましては、食品添加物の使用の妥当性には対応しているという、こういった製品特性を考慮すれば、コーデックス一般規格の3.2、これは食品添加物の使用の妥当性について規定しているものでございますが、ここの部分については一定期間適用を猶予すべきという要望がございました。これについて必要な措置を設けることが適当と議決されたところでございます。
なお、個別規格の改正事項についてはございませんでした。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
先ほど事務局からの説明にもありましたが、トマトの加工品の生産が伸びた理由について、森光委員から補足説明をここでお願いしたいと思います。お願いいたします。

森光委員

森光です。
私自身の研究分野が食品の機能性。それ以外にも実は野菜や果物の良い味、良食味の研究をやっている観点の中から、簡単ではございますけれども、現在、トマトに着目されている流れを少し説明させていただきます。
恐らくトマト自身の加工品は、業界が一生懸命頑張っていただいたことと、また、私たちが所属するような機能性の学会でも「リコピン」という化学成分の注目度合いからとても消費が上がっているのが、例えば4ページの表の2からもわかると思います。特に昨年度あたりから、トマトの中のリコピンがイタリアの南北の疫学的比較研究の中でがんの抑制、特にオリーブオイルと一緒に摂ると、消化器系のがん抑制なんかにとてもいいですよという。まさにリコピン自身が油に溶ける成分なので、理にかなった組合せです。
意外な契機だったのは、2013 年の2月ですからちょうど1年前ぐらいですね。そのときに、京都大学の河田先生、かずさDNA 研究所、あとはトマト加工企業が入られて、リコピンではない新しい成分が、トマトが特に熟してくると増えてくる成分が、メタボといったものにとても有効ですよという報告がなされました。人間のデータではないので確実な話ではないのですが、それがとても有名な学術雑誌に載りました。そこが皮切りになりまして、先ほどの表の2を見ていただくとわかりますように、トマトジュースとトマトミックスジュースが平成23 年で1.8 万トン、2013 年度に4.8 万トンへ大きく伸びているのは、この論文で研究が報告されて、トマトジュースが棚から消えるという状態が発生しました。それにとどまらずに、やはり業界の努力がありまして、トマトジュースを夏に向けて、例えばニアウォーターと言われるトマトジュースを利用した「おいしいお水」とか「清涼飲料水」で健康なものをつくろうということもまた消費者に受け入れられて、大きな伸び率につながったと考えられます。
もちろん、それは一過的であるというご指摘があるかもしれませんが、徐々に生産というよりも消費率がすごく伸びています。それでも国際的には、まだまだ生鮮トマトで見ると日本はかなり低いのですね。実際に有名なのは、イタリアよりもギリシャのほうが圧倒的に1 人当たりの年間消費量が130 キロでしたか。それに比べて日本は10 キロ未満ですので、13 分の1しか食べていない。よく言われるのは、ギリシャ人は1年間に毎日大体トマトを大粒2個食べる。日本人はプチトマトを1.5 個ぐらいしか食べていませんよという意味では、生鮮食品ではないのですけれども、日本のトマト消費の特徴としてはこういった加工食品でトマトが注目されて消費を増やし、それには科学的裏付けが伴うという日本らしい特徴があります。
あともう一つは、レンジアップという新しい和製英語ができてくるように、若者を中心としてリゾットとかトマトベースの加工食品が大変売上を伸ばしています。日本のトマトの食べ方というのはサラダだけに入れて生鮮野菜という形だったのですが、それが要は欧米と同じように、特にヨーロッパのイタリアやギリシャのように煮込みなどのベースでトマトを多用する、鍋でもトマトベースの鍋の素が売れているということを考えていく中で、おいしさと併せて注目さている素材がトマトであったと、今回の結果を見て解釈しています。
以上です。

阿久澤会長

ありがとうございます。勉強になりました。
それでは、トマト加工品の日本農林規格の改正案について、御質問や御意見等ございますでしょうか。
夏目委員、お願いいたします。

夏目委員

夏目でございます。
品目横断規格なので、食品添加物の改正についてはその後の品目にも出くるところで、既に今まで2回について改正されている共通事項なので、その審議のときに確認されていたかもしれませんけれども、もう一度確認させてほしいことがございます。
まず第1点の、食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝える規定にするというところでコーデックス規格を当てはめるというのは、とてもいいことだと思いますので私は賛成をするところでございます。
その上で、1月11日、そのコーデックス規格のところの食品添加物の改正案の3のところでございますけれども「一般消費者に次のいずれかの方法により伝達されるものであること。ただし、業務用の製品に使用する場合にあってはこの限りでない」ということで業務用製品を外してあるわけでございます。これは事業者の実効性みたいなものがあってのことかと思いますけれども、この点について、また次に出てきます即席麺のところでパブリックコメントに質問が出ておりまして、それは即席麺のところで審議していただいてもよろしいのですけれども、同じことかと思って、私はここであえて述べさせていただくのもよろしいかなと思ったのです。
業者間取引は「業務用の製品に使用する場合にはあっては、この限りでない」という、この外した理由についてのパブリックコメントへのお答えの中身ですけれども、つまり業者間取引では十分にこの安全性が担保されているのだという御回答がございました。その安全性の担保の方法というのがどういうものであるかということを少し御説明いただきたいと思います。例えば、それが伝票やインボイスなどの送り状とか納品書、あるいは製品の規格書とかさまざまな方法があるわけですけれども、そういうものでもって業者間取引の場合は安全性が担保されているというふうに御判断されているかどうかということ。また、違う実態があれば教えていただきたいと思います。それが第1点でございます。
第2点目ですけれども、ちょっと細かいところになって恐縮ですが、1月17日 のところでございます。測定方法第 10 条で測定方法を規定しておりまして、そのうちの「(2)モール法」の「注1」のところですけれども、試験に用いる水のところでございます。従来は、日本工業規格 K8008 の前にイオン交換法によって精製したもの、または逆浸透法、蒸留法、イオン交換法と組み合わせた方法によって精製したもので、日本工業規格 K8008 というふうに規定されていたものを、新しいのは「日本工業規格 K0557(1998)に規定するA2 または同等以上のもの」とありますので、これまでの規定されたものが、新しい日本工業規格K0557 に反映されてこういうふうに変わったかどうかという確認が2点目でございます。
それから3点目は、御説明の中にも出てきましたけれども、1月18日 の附則の(経過措置)でございます。一定期間を猶予するという経過措置をつくられたということでございますが、この一定期間というのはどの程度の期間を、なかなかお示しできないかと思いますけれども、お考えがあるのでしたら教えていただきたいということで、3点について確認と質問です。お願いします。

阿久澤会長

ありがとうございます。
3点の御質問ですが、1番目の食品添加物の件は、3番の経過措置というところとあわせて横断的に関連する共通事項の内容として、前回の調査会でもその運用について意見があったかと思いますので、その辺も踏まえて事務局のほうから御説明できますでしょうか。

越野上席表示・規格専門官

御質問ありがとうございます。お答えさせていただきます。
1点目の業者間取引で、食品添加物の規定を除く理由ですが、まず前提として、業務用スーパーなどで消費者に渡る可能性が少しでもあるものについては業務用として扱わず、必ず消費者へ情報伝達をしなければいけないということでございます。
2点目ですけれども、除いた理由ということになりますと、また宮地委員とか御専門なのかもしれませんけれども、業者間で細かく規格書などでやりとりしております。その中で添加物の情報もきっちりと書いておりますので、そこをあえて規定しなくてもよいのではないかという判断でございます。ただし、任意的に情報を出していただくということは、どんどんやっていただければ結構でございます。そのように考えてございます。
それから、業者間取引の中で、送り状とか納品書とか、そのように安全性にかかわる情報はどのようになっているのかということでございますけれども、まずJAS の考え方でございますが、これは表示のことなので、ここで説明することは相応しくないかもしれませんけれども、考え方の基本として、最終製品に表示をするために必要な情報は、必ず業者間の中で伝達しなければいけない。その伝達の考え方ですけれども、それは送り状であったり納品書であったり、それが確実に伝達されることが必須と考え方ております。 2点目でございますけれども、水の規定でございますが、これは専門の田中課長のほうから御説明いただいてよろしいですか。

FAMIC(田中分析調査課長)

FAMIC で測定方法の見直しを担当しております田中と申します。
これにつきましては、まず日本工業規格というのは、1998 年に変更されましたのでその部分を合わせたことと、あとは現行では、自分で調製する場合を前提に記載しているのですが、現在では販売されているものもありますので、これも使えるようにしたものです。試験に使う水は自分で調製しても結構ですし、販売しているものを用いてもいいということで、内容は規格的にはA2 という現行と変わらないものを使っていただくということを、ほかの規格についても同じように変えてございますけれども、記述を変更させていただいたところでございます。
以上でございます。

阿久澤会長

そうすると、自分でつくったものもよいというのは「または同等以上」というところに該当する。

FAMIC(田中分析調査官)

そうでございます。

越野上席表示・規格専門官

水の件はそれでよろしいでしょうか。

夏目委員

はい。

越野上席表示・規格専門官

3点目は附則のことでございます。18 ページ。
これは非常に難しいことでございますけれども、今回の食品添加物の改正は、業界にとってみましたら大きな改正でございまして、会員の方々に御理解をいただくということが調整に時間がかかるということも背景にあるかと思います。ですから、当方としては行政的な措置として一定期間を猶予すると、それを附則で設けさせていただいているということでございますけれども、その期間ということにつきましては何年とかなかなか言いにくいのですけが、業界と少しずつ調整しながら、御了解がとれた段階で附則をとるというような対応をさせていただきたいと、今回そのようにさせていただきたいという御説明をさせていただきたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。

夏目委員

結構です。

阿久澤会長

ありがとうございました。
そのほかございますでしょうか。
はい、山根委員。

山根委員

主婦連の山根です。
私はこの原案作成委員会に当時かかわっておりました。
会議の報告書の19 ページを見ていただきたいのですけれども、2番の下から2番目のポツですが、トマトケチャップのように「特級」と「標準」という基準がございまして、食品添加物の使用についても以前は明確に差異というか縛りのようなものがあったのが、今回変わっていくわけです。そのとき質問をしたことにお答えいただきまして、そういった「特級」「標準」という違いがあるものについても、表現は今後どちらも統一されるけれども、運用の面で食添の使われ方は現行どおりであるというようなことでお答えがあったことを記憶しております。ただ、これは今後の運用がどういうふうに動いていくのか消費者にとってはなかなかわかりづらいところもございますので、適切に情報提供等をいただければと思っておりますのでよろしくお願いします。

阿久澤会長

それでは、事務局のほうからでよろしいですか。

越野上席表示・規格専門官

前回、山根委員から「食品添加物について大きな改正と考えており、ぜひ消費者にメリットとなるように適切に運用していただきたい。また、その際今後のスケジュールについても、途中段階でもよいので教えてほしい」という要望をいただきました。それについて阿久澤会長からその経過報告を説明するようにと、指示をいただいておりましたので、後ほど説明させていただくことにしておりましたが、今質問をいただきましたので、この場をおかりしまして説明させていただきたいと思います。
まず、告示の関係でございますけれども、平成25 年4月26 日に御審議いただきました品目につきましては、同年12 月24 日に、また9月4日に御審議いただきました品目については、今年の2月12 日に、1年半の経過期間、すなわち準備期間を設けて告示をさせていただきました。告示をしてすぐに施行ということではなくて、業界の方々にも理解と納得と、また体制を整えていただくことが必要でございますので、1年半の猶予を設けて告示をさせていただいたということがまず一点でございます。
2点目でございますけれども、今回の改正のポイントの1つでございます消費者に対する情報伝達を適切に行う。このためにどのような対応をさせていただいたかといいますと、認定の技術的基準というものがJAS 規格の下にございます。その基準の改正を行いまして、認定事業者が情報伝達等を行うことを内部規程に定め、しっかりと情報伝達を行うための改正をまずさせていただきました。
次に、認定事業者に対して、改正された食品添加物の基準の内容を理解していただくという取り組みも必要でございますけれども、それにつきましては、業界団体に対してはJAS協会主催の説明会を昨年2回開催していただいて、改正の趣旨や対応について御説明させていただいたところでございます。
また、果実飲料や食料缶瓶詰などの事業者団体に対しても、登録認定機関の主催による説明会を個別に行って、改正の趣旨や対応について説明させていただいて、消費者のメリットになるように、また、消費者の方々に確実に情報が行くように、また、添加物が増えることのないように適切な対応をするための取り組みを行っております。
以上が経過報告でございますけれども、引き続き新たな基準の適切な運用に努めていく所存でございますので、御理解いただければと思います。よろしいでしょうか。

山根委員

ありがとうございます。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
そのほかございますでしょうか。
ほか、御意見等ございませんようですので、トマト加工品の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

意義はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは次ですが、即席めんの日本農林規格の見直しについて審議を行います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

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越野上席表示・規格専門官

それでは、即席めんの日本農林規格の見直しについて御説
明させていただきます。
参考資料の2ページ目を見ていただきたいと思います。
「即席めんとは、小麦粉又はそば粉を主原料とし、これに食塩又はかん水他、めんの弾力性、粘性等を高めるものを加えて練り合わせた後、製めんしたもののうち、添付調味料を添付したもの又は調味料で味付けしたものであって、簡便な調理操作で食用に供することができるもの」で、めんを簡単な調理操作で食用に供するものということが一つのポイントでございます。
次に、製造方法でございますが「1.製造工程」左側に書いてございますけれども、小麦粉等を原料として製めんを行い、これを蒸し、これを乾燥させて製品化するわけでございますが、めんのタイプとして、熱風で乾燥した「ノンフライめん」、油で揚げて乾燥した「フライめん」、有機酸処理で加熱殺菌した「生タイプめん」の3種類がございます。
次に、右側を見ていただきたいのですけれども、JAS 規格では調理前の状態・色沢を規定した「一般状態」、調理後の食味等を規定した「食味」が定められています。また、めんの品質指標として、ノンフライめんについては水分、フライめんについては酸価、生タイプめんについては水素イオン濃度が規定されており、めんの保存性に着目した規格となっております。
格付の全体の90%がフライめんでございます。10%がノンフライめん、1%以下が生タイプめんというような構成になっております。
次に、規格調査の概要を説明させていただきます。資料に戻っていただきまして、3ページ目を見ていただきたいと思います。
「(3)品質の実態」でございます。流通品の検査において、JAS 品、非JAS 品、いずれも全てJAS 規格に適合していたということでございます。
次に、生産状況を説明させていただきます。5ページ目の表2をごらんください。
平成24 年の即席めんの生産量は、約55 億食となっております。平成20 年度に比べると約3億食増加しております。増加の要因は、生めんに近い食味と食感が楽しめる新商品が開発され、これらの消費が伸びたことによるものと推察されるところでございます。
次に、格付状況でございます。5ページ目の表3でございます。
平成24 年度の格付率は79.1%となっております。この即席めんも、業界の方々の取り組みにより高い格付率となっております。
次に、6ページ目の「規格の利用状況」を見ていただきたいと思います。製造業者42社のうち、31 社が認定製造業者となっております。製造業者はJAS 規格を格付に用いるほか、社内の製造基準、取引指示に活用しているというような実態があるということでございます。
次に、改正案の概要を説明させていただきます。8ページ目をごらんください。
「規格の位置付け」でございますけれども、規格の利用実態を踏まえまして、引き続き標準規格に位置づけるということでございます。改正の内容でございますけれども、改正事項は「異物」の削除、「食品添加物」の改正の2項目でございます。これらの改正理由等については、先ほど説明させていただいたとおりでございますので、説明を省略させていただきます。また、改正案につきましては、法令的な観点から字句の修正があり得ることを御承知ください。
次に、パブリックコメントの概要でございます。14 ページ目をごらんください。パブリックコメント期間中に4件、意見が寄せられましたが、改正案に関するものは3件でございました。いただいた御意見は「異物」の削除と「食品添加物」の改正に関するものでございます。
次の15 ページを見ていただきたいのですけれども、初めに「異物の規定を削除することにより、規制が無くなるのか」ということでございますけれども、引き続き食品衛生法に基づき指導等が行われ、認定工場には認定の技術基準が適用されるのですが、その中には適切は管理を行うことが要件となっておりますので、当該規定が削除されても異物混入の防止の取り組みに影響を及ぼすことがありませんので、原案どおりとさせていただきたいと思います。
食品添加物の規格を国際規格のみに委ねるべきではないとの意見については、先ほど御説明させていただいたとおりでございます。
次に、業務用製品について例外なく情報伝達すべきと、先ほど夏目委員から御指摘いただいたことでございますけれども、先ほど説明させていただいたとおり、業者間の取引にあっては既に情報伝達が行われていることから、今回は除外させていただきました。なお、自主的に伝達していただくことを妨げるものではございませんということでございます。
以上がパブリックコメントの考え方でございます。
なお、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省の説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に即席めんの日本農林規格の改正原案を作成しました原案作成委員会における議論の概要の説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

それでは、原案作成委員会の議論概要でございます。
即席めんの日本農林規格の確認等の原案作成委員会につきましては、田所忠弘東京聖栄大学健康栄養学部教授を委員長としまして、消費者、製造業者、流通業者等の各分野の代表の方15 名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25 年3月26 日に開催いたしました。規格の位置づけと改正内容について審議を行いました。
初めに、規格の位置づけにつきましては、この規格の利用状況を踏まえると、生産、取引、また使用の際に標準規格、スタンダードとして機能しているということから、標準規格として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきましては、品目横断的な改正といたしまして、JAS 規格の制定・見直しの基準に基づき遵守義務のある規格との関係整備の観点から「異物」の削除について、もう一つ同様遵守義務のある規格等との関係整理及び食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から「食品添加物」の基準の改正について検討を行いました。
その結果「異物」につきましては、食品衛生法で監視指導が行われているという実態を
踏まえ削除することが適当。
また「食品添加物」の基準改正につきましては、現行のポジティブリストの規定にかえまして、コーデックスの「食品添加物の使用に関する一般原則」にのっとり「食品添加物」の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的について消費者に対し情報提供を行う旨の規定に改正することが適当と議決されました。
なお、個別規格の改正事項についてはございませんでした。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、即席めんの日本農林規格の改正案について、御質問や御意見がございましたらお願いいたします。
よろしいでしょうか。
特に御意見はないようですので、即席めんの日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

異議がないということのようですので、その旨報告させていただきます。
それでは、次に乾めん類の日本農林規格の見直しについて審議を行います。事務局から資料の説明をお願いいたします。

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越野上席表示・規格専門官

それでは、乾めん類の日本農林規格の見直しについて御説明させていただきます。参考資料の3ページ目をごらんください。
「乾めん類は、小麦粉又はそば粉に食塩、やまのいも、抹茶、卵等を加え練り合わせた後、製めんし乾燥したもの又はそれに調味料、やくみ等を添付したもの、乾めん類のうち、そば粉を使用したものを干しそばと言い、干しそば以外のものを干しめんという」と分けているわけでございます。
そして「干しめんは、めんの太さ等の違いにより、「うどん」、「ひやむぎ」、「そうめん」、「ひらめん」に分類される」ということでございます。
ちなみに、これは食品表示基準のほうで定めているわけでございますけれども、直径を1.7 ミリ以上に成形したものを「うどん」と、1.3 ミリから1.7 ミリの間に成形したものを「ひやむぎ」と、それよりも細い1.3 ミリ以下に成形したものを「そうめん」と、このように分類しているということでございます。
次に、製造方法でございますけれども、基本的に麺でございますので、左側に書いているとおり原料粉を混合し、製めんし、そしてめんにするという工程でございます。
次に、右側でございますけれども、JAS 規格の概要を説明させていただきます。JAS 規格では、調理後の異味異臭を規定した食味、めんの色沢、形態、及び折損を規定しためんの外観、そして使用する小麦の品質を規定した灰分等が規定されています。また、干しそばについては、そば粉の配合率によって50%以上配合したものを「上級」、そして40%以上配合したものを「標準」と、このように等級分けしているわけでございます。
次に、規格調査の概要を説明させていただきます。資料3の3ページ目をごらんください。
「品質の実態」でございます。流通品の検査において、JAS 品は全てJAS 規格に適合していましたけれども、非JAS 品の干しそば1件に外観が劣るもの、折損、折れが多かったものが1件あったということでございます。
また、使用する小麦の品質について製造業者にアンケート調査を行ったところ、干しそばで8者、干しめんで15 者がJAS 規格で定める品質より劣る小麦粉を使用していたという実態があったということでございます。
次に、生産状況を説明させていただきます。4ページ目の表2をごらんください。
平成24年度の乾めん類の生産量は、約15 万トンとなっております。
次に、格付の状況を説明させていただきます。5ページ目の表3をごらんください。
平成24年度の格付数量は8,000 トンで、減少傾向にあります。また、格付率は表4に示したとおり、平成24 年度は5.1%と少し低くなっております。
次に6ページ目の「(3)規格の利用状況」を御説明させていただきます。製造業者200 社のうち、39 社が認定事業者となっているということでございます。規格の利用状況でございますけれども、格付に使うほかに、社内の基準や取引基準に使っている実態があるということでございます。
ここで規格の利用状況について、具体例をもって説明させていただきたいと思います。また参考資料の4に戻っていただきたいのですけれども、先ほど製品規格書とか取引基準に引用されていると説明させていただいたわけでございますが、これは事例ですけれども、本当は実物をお示ししたいのですが企業秘密にかかわることですので、これはイメージとしてちょっと見ていただいたいのですけれども、まず左側です。これは製品規格書に引用されている例でございます。商品名「そうめん」の下に、適合規格として「乾めん類JAS に準じる」と、最終製品については必ずJAS 規格に準じることということで、製品規格書でこのようなに利用されている。これがまず事例の1つでございます。
2番目、右側ですけれども、品質管理基準のイメージですが、原材料のところに小麦粉というところがあって、そこに「灰分」というのがあります。これは0.35±0.03%と、こういう範囲の基準の小麦粉を使いなさいという基準なのですけれども、この基準の根拠というのはJAS 規格から引用されています。JAS 規格では、今は0.4%以下となっていますけれども、前回は0.38%でございまして、これは精度管理の関係から数値をまるめてこうなっているのですけれども、JAS 規格に準じる原材料を使いなさいということでこのように引用されているという実態があるということです。これは認定事業者だけではなく、一般の事業者においてもこのような形で規格を引用して取引をしたり製造している実態があるということでございます。
次に、改正案の概要を説明させていただきます。資料の8ページ目をごらんいただきたいと思います。
「規格の位置付け」でございますけれども、乾めん類の日本農林規格については、格付率が低いという状況がございますが、製造業者等において製造基準等に活用されている実態があるということですから、事務局案としては引き続き標準規格として位置づけるということで御提案させていただきたいと思っております。
次に「改正案の概要」でございます。改正事項は、「異物」の削除と「食品添加物」の改正でございます。この改正の内容については先ほど説明させていただいたとおりでございますので、説明を省略させていただきます。
次に、パブリックコメントの結果でございますけれども、12 ページ目をお開けください。
パブリックコメント期間中に、1件御意見をいただきました。いただいた御意見は13ページ目に書いてございますけれども、先ほど説明させていただいた内容と同じものでございますので、説明は省略させていただきます。
また、事前意図公告によるコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、次に乾めん類の日本農林規格の改正原案を作成しました原案作成委員会における議論の概要の説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

それでは、原案作成委員会の概要でございます。
乾めん類の日本農林規格の確認等の原案作成委員会につきましては、高野克己東京農業大学当時副学長で現在は学長でございます、高野克己東京農業大学副学長を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等の各分野の代表13 名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は平成25 年3月14 日に開催いたしまして、規格の位置づけと改正内容につきまして審議を行いました。
規格の位置づけにつきましては、当該規格の利用状況を踏まえまして、生産、取引、また使用の際の一定のスタンダードとして機能しており「標準規格」として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきましては、品目横断的な改正といたしまして、JAS 規格の制定見直しの基準に基づき、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から「異物」の削除、それから、遵守義務のある規格等との関係整理と、食品添加物の使用が必要かつ最小限であることを消費者に伝えるという観点から「食品添加物」の基準の改正。この2点について検討を行いました。
その結果「異物」につきましては食品衛生法で監視・指導が行われているという実態から、削除することが適当である。「食品添加物」の基準の改正につきましても、現行のポジティブリストの規定にかえまして、コーデックスの一般原則にのっとりまして消費者食品添加物の使用を必要かつ最小限とし、その使用目的等について消費者に対し情報提供を行う旨の規定に改正することが適当と議決されました。
なお、個別規格の改正事項についてはございませんでした。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました
それでは、乾めん類の日本農林規格の改正案について、御質問や御意見等がございましたらお願いいたします。
菅委員、お願いいたします。

菅委員

御説明ありがとうございました。
規格について特に質問はないのですけれども、乾めん類の格付率について、ちょっとせっかくこういう機会をいただきましたものですから、何軒かの小売店を回ってまいりまして、やはり先ほどの即席麺のところのコーナーは、ぱっと見とだけでJAS マークが目に。以前から本当にすごいなと思っていたのですけれども、それに対しまして乾めん類のところは非常にいっぱい製品がございまして、この間3軒ぐらい見て回ったのですけれども、一つのお店に20 から30 ぐらいの種類の製品が置いてあって、3軒回って私、1つしかこれに当たるものを発見できなかったのですね。そういうことがありますと、このJAS の規格自体存続していくというのが非常にどうなのかということもありますけれども、乾めん類の日本農林規格の活用状況というのを見せていただきますと、やはりこれを基準にされているというのは非常に多いと思います。
要するに、マークが取れないということがあるのだと思いますけれども、こういった乾めんなんかをつくられる製造の業者さんというのは多分、想像なのですけれども余り大きくないところもいっぱいおありになるので、基準としては使われていても、マークを取るということが非常に難しいのだろうかなと思いますけれども、やはり消費者にしてみれば、どういった基準でつくられているのかというのはとても気になるところですから、これを存続させていく以上JAS というものの格付率を上げるような、前にもそういう発言をしたかもしれなのですけれども、やはり格付率がもうちょっと上がるような努力といいますか、そういったものをしていただけるといいのかなと感じました。感想です。

阿久澤会長

貴重な御意見ありがとうございます。
今の格付率を上げることについての努力をということですが、何かございますでしょうか。

越野上席表示・規格専門官

農水としましても、格付率を上げて良質な製品を消費者の皆さんに提供するということは大変大きな使命でございますので、業界を通じてまた努力させていただきたいと思います。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
ほかにございますでしょうか。
特に御意見はないようですので、乾めん類の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

異義はないようですので、その旨報告させていただきます。
それでは次に「手延べ干しめん」の日本農林規格の見直しについて審議を行います。事務局から資料の説明をお願いいたします。 

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越野上席表示・規格専門官

それでは「手延べ干しめん」の日本農林規格の見直しについて御説明させていただきます。参考資料の5ページ目をお開けください。
「手延べ干しめんとは、小麦粉に食塩、水等を加えて練り合わせた後、引き延ばしてめんとし、乾燥したもので、手作業でめん線を引き延ばし、一定期間以上の熟成が行われたものをいう」と、こういうものが手延べ干しめんでございます。
つくり方でございますけれども、まず小麦粉と水を混合しまして、これを板切り、延伸の工程を経て、めんを平行稈にかけるかけば工程を経て、小さく引く小引き工程、そして門干し工程を経て製品化するわけでございます。
JAS 規格の内容でございますけれども、5ページ目の右下のほうに書いてございます。
小麦粉に対する食塩水の配合割合ということですけれども、水が少ないと十分熟成して麺がきれいに伸びませんので、一定以上加水するということが規定されております。
そして、手作業の工程ですけれども、小引き工程と門干し工程を赤で囲っているわけですけれども、この部分は必ず手で行うことが規定されています。
次に、熟成期間でございますけれども、混合工程からかけば工程までを6時間、かけば工程から小引き工程までを1時間、小引き工程から門干し工程まで12 時間。これを熟成させることが規定されています。後ほど森光委員から、熟成させることによって品質がどのような影響を与えてよくなっていくのかということについて補足説明いただければと思っております。
次に、規格調査の概要を説明させていただきます。資料の4ページ目をお開けください。
「手延べ干しめん」は、特色規格で生産方法を規定した規格でございます。ですから、品質的に成分が何パーセントという調査はなかなかできないのですけれども、事業者に対して非JAS について、手作業の工程と熟成期間についてアンケートをとらせていただきました。そうしますと、JAS 規格では小引きと門干しの両方の工程を手作業で行うことが規定されているわけですけれども、アンケートの結果両方の工程を行っていない事業者が2社、熟成期間がJAS 規格に満たない事業者が5社あったということでございます。
ただし、ここで補足させていただきたいのですけれども、JAS 規格では小引きと門干しの両方を手作業で行うことが規定されておりますが、品質表示基準の中ではどちらか一方をしていればよいという基準になっておりますので、品質表示基準上は問題ありません。
次に、生産状況でございます。5ページ目の表2を見ていただきたいと思います。
平成24 年度の「手延べ干しめん」の生産量は、約6万トンで微増傾向にございます。そして、平成24 年度の生産量の約9割が手延べそうめん、「そうめん」になっております。
次に、格付の状況でございます。5ページ目の表3を見ていただきたいと思います。
平成24 年度の格付量でございます。率ではございません、量でございますけれども、約1.5 トンでございます。これは少し減少傾向にございます。
規格の利用状況ですけれども、5ページの「(3)規格の利用状況」をごらんください。
製造業者は約1,000 社ございます。このうち生産行程管理者は2者でございます。小分け業者が1者となっております。
規格の利用状況ですけれども、一部の製造業者では、規格を製造基準または品質管理基準に活用している実態があったということでございます。
次に、改正案の概要を説明させていただきます。7ページ目をごらんください。
「規格の位置付け」でございます。「手延べ干しめんの日本農林規格については、『手作業の工程』及び『熟成期間』等を規定しており、一般的な干しめん製品との間で明確な品質(生産の方法)の差別化が図られていることから、『特色規格』に位置づけることとします」というのが提案でございます。
次、改正内容でございます。「手延べ干しめん」につきましては、生産の実情等を踏まえ、現行の「手延べ干しめん」の日本農林規格については、改正点はなく適正であると判断されることから、今回は確認とさせていただくというのが提案でございます。
次に、パブリックコメントでございます。9ページ目をごらんください。
パブリックコメント、事前意図公告いずれもコメントはございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
それでは、次に「手延べ干しめん」の日本農林規格の確認原案を作成しました原案作成委員会における議論の概要の説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

「手延べ干しめん」の日本農林規格の確認等の原案作成委員会でございますが、高野克己東京農業大学副学長、現学長でございます、を委員長といたしまして、消費者、製造業者、流通業者等各分野の代表の方13 名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は平成25 年3月14 日に開催いたしまして、規格の位置づけと改正内容について審議を行いました。
規格の位置づけにつきましては、当該規格は、手作業の工程と熟成期間について規定しておりまして、一般的な干しめん製品との間で明確な品質格差、これは生産方法の違いということでございますが、差別化が図られているということから「特色規格」として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正につきましては、現行の「手延べ干しめん」のJAS 規格につきまして、品質、生産、取引等々の現況及び将来の見通し等の観点から議論いたしました結果、この規格の内容につきましては改正事項はなく、今後とも適正であると確認するということが適当と議決されたところでございます。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、先ほど事務局のほうからの説明の中にもありました、めんの熟成と品質の関係につきまして、森光委員のほうから補足説明をお願いいたします。

森光委員

今回確認ということで、きょうは何か質問ではなく、こういう説明ばかりで申しわけないです。
私は実は麺のプロフェッショナルではなくて、単なる麺好きかもしれませんが、大変「手延べ」ということに関しては、科学的にはすごく重要に位置づけであるというか、もうかなり証明されていて、この業界におけるこのような規格というのは、かなりの情報を集めて何時間置きましょうといった条件を規格化したものだと思って高く評価しています。
ご存じのように、小麦の中にはタンパク質としてグルテニンとグアニジンというものがあって、最終的に皆さんも聞いたことがある「グルテン形成」というものが行われます。その段階で、もちもちしたようなタンパク質と繊維状のタンパク質をいかにうまく引き伸ばして「めん線」という形にするか。恐ろしいことに、わずか数十センチの麺の棒が2万倍ぐらいの細いめんに変わっていくわけですから、その工程で「よる(縒る)」という操作がかなり入るそうです。それで、実際によっていく中で細い麺をつくっていくと、これはどうしても機械化では結果的にはうまくいかないのでこういう差別化が生まれてくる。こういうものを特色の規格として残すことは、我が国の食品や製品のとてもレベルの高いものを維持するために大変大事な規格であるわけでありますし、こういったものを、多分特色ですから少なくても全然問題ないとは思うのですけれども、そういったものに基準を作ろうという試みは、ひいてはジャパンブランドを形成するための重要な規格になっているのではないかと考えられます。
そういう点を見ていきますと、多分機械めん、手打ちめん、恐らく手延べめんという形である中で、手延べめんという形はこういうものを大事にしてやはり規格といいますか特色規格として維持していくことは、日本文化とか日本食の注目度もありますことから、今回めんが3件続いておりますが、そういった意味では大変特色のある規格でありますということを科学的にも裏づけられていることをここで御説明さしあげたいと思います。
以上です。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは「手延べ干しめん」の日本農林規格の確認案につきまして、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
近崎委員、お願いいたします。

近崎委員

一般消費者なので、一般消費者として意見を述べさせていただきますけれども「手延べ」と言うからには、一般消費者としては小引きと門干しは手作業ではないかというイメージがすごくあるのです。ただ、非JAS 品においてはどちらかが機械でやってもいいということなのですけれども、特定の規格ということで、生産量もグラフ上ふえているようですので、できれば干し麺ではなくて「手延べ」ということでこだわるのであれば、やはり業者の方としては小引き、門干しまでが手作業ということで「手延べ」というふうにしてほしいなという希望的観測です。

阿久澤会長

御意見ということですけれども、いかがでしょうか。この件について、事務局のほうから何か御見解ございますか。

越野上席表示・規格専門官

表示に関する事項でございますので、御意見として伺うというか、また消費者庁のほうで検討することもあるかと思いますけれども、消費者の意見としては重要な意見だと考えております。

阿久澤会長

ありがとうございます。
どうぞ、椋田委員、お願いいたします。

椋田委員

単なる質問なのですけれども、先ほど熟成によってグルテン形成がされるというお話があったのですが、日本のような縦長い国において、要するに、熟成に必要な期間というのは地域によって差が出てくるのではないかという気もするのですが、今回上位5県というのが兵庫、長崎、奈良、岡山、香川と比較的西のほうが多いのですけれども、この熟成期間とか何かを決める際の地域差というのは考慮された上でつくられたものなのかどうか。その辺についてちょっと教えていただければと思います。

阿久澤会長

地域差の考慮ということですが、いかがでしょうか。事務局のほう、お願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

椋田委員御指摘のとおり、地域によってつくり方が違います。気候も違いますので、ですから熟成期間を置き過ぎると伸びてしまってだめになるとかということがありますので、規格の中ではそういう地域差をいろいろ調査をして、その中のミニマムの基準を熟成期間として設けさせていただいております。

阿久澤会長

よろしいでしょうか。

椋田委員

はい。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
宮地委員、お願いいたします。

宮地委員

ちょっと確認なので教えていただきたいのですが、4ページにあります熟成期間の1.7 ミリ以上の3時間以上。逆にいうと、1.7 ミリという太さを基準に区切るということは最終製品の形態によるという言い方でいいのですか。

阿久澤会長

事務局、お願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

規格の中では、参考資料に書かれているとおりの時間でございます。ですから、太さによって時間が変わっていくということを示していると思います。

宮地委員

例えば「そうめん」といった呼称による部分と関係するというわけではないのですね。単純に1.7 ミリという基準ということですね。

越野上席表示・規格専門官

そうですね。そうめんにあっては3時間以上。これは規格の中では定められている事項ではございませんけれども、そのぐらいの実態があるのだということで書かれているかと思います。

阿久澤会長

よろしいでしょうか。

宮地委員

はい。

阿久澤会長

ほか、ございますでしょうか。
それでは、ほかにないようですので、「手延べ干しめん」の日本農林規格について、原案どおり確認するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
最後になりますが、定温管理流通加工食品の日本農林規格の見直しについて審議を行います。事務局から資料の説明をお願いいたします。 

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越野上席表示・規格専門官

最後の議題でございます。定温流通加工食品の日本農林規格の改正について御説明させていただきます。質疑に大貝課長補佐も対応させていただきますので、よろしくお願いいたします。
参考資料の6ページ目をお開けいただきたいと思います。
「定温流通加工食品とは、加工食品製造後の保管又は出荷の段階から、販売店において消費者に販売されるまでの一連の流通行程において、加工食品の温度を一定の条件下で管理するもの」ということでございます。下に流通行程の範囲が書いてございますけれども、製造工場から、保管・出荷されたところがスタート地点でございます。そして、配送を通して販売店で消費者に売られるまで。ここが流通行程ということで整理させていただいております。
そして、定温管理加工食品は「流通行程を『おにぎり』が堅くならない温度」。米飯加工品なのですけれども、かたくならない温度で、一気通貫で管理することに特色がございます。これが規格の内容でございます。
米飯というのは皆さん御存じのとおり、温度が下がってしまいますとデンプンが老化して、粘り気のないぼそぼそとした食感となっておいしくなくなってしまいます。その傾向は品種によっても多少異なりますけれども、一般的には4℃以下では品質低下が著しく、また15℃ぐらいになりますと、品質低下が若干少なくなっていくという傾向がございます。こういう特性を利用いたしまして、大手コンビニなどでは一般には18℃、もしくは20℃の温度帯で米飯加工品を流通している実態がございます。
次に、現行の規格の内容でございますけれども、2の「規格の概要」を見ていただきたいのですが、まず温度です。現行規格では、管理する温度は流通行程管理者が定めることになっています。その定め方でございますけれども「当該弁当の食味等の品質の低下及び微生物の繁殖を抑えることを目的として、理化学検査、微生物検査試験及び官能検査の結果に基づき定めたもの」ということです。温度を定めるときは、しっかりと理化学検査に基づいて、根拠を持って定めてくださいと、それが現行の規格の内容でございます。
次に管理方法でございますけれども「流通行程において、定温管理の温度」これは認定流通行程管理者が定めた温度になるのですけれども、定めた温度に対して±2℃以内の範囲で管理するということでございます。
また、流通行程をちょっと見ていただきたいのですけれども、工場から出荷されて、販売店で消費者が購入されるまで。これを例えば20℃で温度を定めたらならば、20℃±2℃で一気通貫で管理をしてくださいと、こういう規格でございます。
それと表示でございますけれども、他の商品と識別するために、名称に「定温管理流通弁当」とか「おにぎり(定温流通管理)」という名称を記載してくださいということでございます。
2番目として、JAS マークに近接して定温管理の目的等を書くということが右側のほうに書いてございますけれども、JAS マークの上に「ご飯の食味と衛生面に配慮した温度で管理しています」と、このようにこのJAS マークは何の意味なのだということを明確にするためにこのような表示を義務づけているわけでございます。
これが規格の内容でございます。
次に、規格調査の概要を説明させていただきます。資料の4ページ目をお開けいただきたいと思います。
品質の実態を先に見ていただきたいのですが、JAS 品については今、流通がございません。その理由としては、登録認定機関がなく、また認定事業者がないことから、JAS 品が流通していないということでございます。しかし定温流通で配送する事業者はいるという実態でございます。
そして2番目の「生産の状況」でございますけども、定温流通したおにぎり、米飯類の正確な統計がございませんので、ここに示しておりません。けれども、平成23 年度の統計では、弁当、おにぎりの出荷量は8,736 億円にでございます。
「格付の状況」でございますけれども、JAS 品ではございませんので格付実績はないということと、「規格の利用状況」でございますけれども、この規格を流通管理に使っている事業者が1者あったということでございます。
次に、改正案の概要を説明させていただきます。6ページ目をお開けいただきたいと思います。
初めに「規格の位置付け」でございます。定温管理流通加工食品の日本農林規格は、加工商品の食味等の低下及び微生物の繁殖を抑えることを目的として、流通行程中の加工食品の温度を一定に管理するということは、通常の流通の方法と比べると特色があると判断されます。規格の内容は明らかに特色がございます。
しかし、流通行程を一気通貫で±2℃で管理することは技術的に難しく、規格に対応できる事業者がごく一部に限られているということ。
また、表示スペースが限られていることから、表示の基準が定められても対応ができないということ。
弁当に、温度ロガーという温度計があるのですけれども、温度ロガーを差し込んで品温を管理するという検査方法が現実的ではないことなどの理由により、規格の普及が図られていない状況がございます。
JAS 規格の制定見直しの基準では、規格の改正により「特色規格」に位置づけられることが客観的に明示することができる場合は、改正の方向で検討することということが定めれられています。
事務局としましては、規格の内容を見直して、事業者が取り組みやすい規格に改正することをもって、引き続き「特色規格」に位置づけることとしたいと考えているということでございます。
では、どのように改正をするかということでございますが、2の「改正案の概要」を見ていただきたいと思います。
初めに2の(2)「流通の方法についての基準」、ここから説明させていただきます。
現行では、認定流通行程管理者がみずから定めた温度に対して±2℃で管理するということを先ほど説明させていただきましたが、このことについて、基準が厳し過ぎるという意見がございました。ですから、現行の流通実態を踏まえて、±2℃ということではなく、16℃から22℃の範囲で管理するということにいたしました。この改正によりまして、施設の管理温度が若干差があっても取り組むようなことが可能となると考えてございます。
先ほどの参考資料の中で、流通工程が製造業者、配送業者、販売店。こういう流れを踏んでいくわけですけれども、このいずれのステップも全部同じ温度で設計しなければこの規格に対応することができない。ですから、例えば配送センターの温度が20 度で、その配送センターの保管庫が18℃であれば現行規格では対応することができないのですけれども、今回の16℃から22℃の範囲にすることによってそこも含まれることからJAS 規格に取り組む事業者がふえるのではないかと当方は考えてございます。
ここで、16℃から22℃の根拠ということ、またその意味合いについて御説明させていただきたいのですけれども、温度につきましては、流通管理の実態を踏まえて18℃から22℃とさせていただいたということでございます。実際の流通において、米飯がかたくならない温度としてある社は18℃±2℃、ある社は20℃±2℃で管理しているというのが一般的でございます。ですから、その下限の16℃と上限の22℃がおにぎりがかたくならない温度として流通していることから、その温度を範囲とさせていただいたということがまず温度の根拠でございます。
2点目にその温度の意味合いでございます。弁当などの米飯などは、製造時点に含まれている菌数が多く、保存の温度が高ければ高いほど早く腐敗していきます。ですから、16℃から22℃の温度が安全だということではございません。16℃から22℃の温度でも微生物は十分繁殖していくわけでございます。このため、この温度は流通が安全であるという基準ではなく、あくまでも消費期限内を前提として、米飯がかたくならない温度を担保するものと、このような御理解をいただきたいと思います。
次に、2(1)「定温管理の温度」についての改正でございます。
現行では、弁当の品温、その米飯の温度を管理することを規定しておりました。そのために温度ロガーを入れて測定するということとしておりましたが、それが現実的ではないという意見がありましたので、流通行程に各施設の環境温度、施設の温度を管理するということで、管理方法を変えさせていただくということの改正でございます。
次に、3番目の「『名称の表示』及び『特色の内容の表示方法』の削除」の説明でございますけれども、現行では名称と特色の内容の表示をすることが規定されていますが、表示面積の関係から表示が困難という意見もありましたので、当該表示事項を基準から削除しますけれども、代替処置としてその内容をホームページ等に公表する。そのような規定をさせていただきたいと考えております。
最後に4番目の「『測定方法』の削除」でございますが、温度の管理方法が温度ロガーから環境温度に変わったことから、必要なくなることから削除するというものでございます。
以上が改正案の概要でございます。
最後に、パブリックコメントの結果を御説明させていただきます。9ページ目をごらんください。
パブリック期間中には意見は寄せられませんでした。
また、事前意図公告によるコメントもございませんでした。
以上で農林水産省からの説明を終わらせていただきます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
次に、定温管理流通加工食品の日本農林規格の改正原案を作成しました原案作成委員会における議論の概要の説明をお願いいたします。

FAMIC(高崎商品調査課長)

定温管理流通加工食品の日本農林規格の確認等の原案作成委員会でございますが、田所忠弘東京聖栄大学健康栄養学部教授を委員長といたしまして、消費者、流通業者、生産者等各分野の代表の方10 名の委員からなる合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センターが務めました。
委員会は、平成25 年9月11 日及び10 月30 日の2回開催いたしまして、第1回目の委員会では規格の位置づけと改正事項の整理を行い、2回目の委員会で具体的な改正内容について審議を行いました。
初めに、規格の位置づけでございますが。この規格につきましては、弁当の食味等の品質の低下、それと、微生物の繁殖を抑えるということを目的といたしまして、流通行程中の弁当の温度を一定に管理するというところに特色があり、通常の流通の方法に比べて価値が高まると認められることから「特色規格」として位置づけることが適当と議決されました。
次に、規格の改正についてでございますが、格付状況の改善を図り本規格の認知度を高めるという観点から、製品の温度管理につきましては現在の流通実態を考慮いたしまして、当該弁当の温度が16℃から22℃の範囲に維持されるよう流通行程に係る施設ごとに温度条件を定める。この温度条件というのは、その施設の設定温度とその温度の範囲でございますが、これを定める旨改正するとともに、品温の測定方法は削除することが適当と議決されました。
もう一点「名称の表示」及び「特色の内容の表示方法」につきましては、これを削除し、定温管理の目的や温度条件を消費者に伝達する旨の規定を設けることが適当と議決されました。
以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。
それでは、定温管理流通加工食品の日本農林規格の改正案について、御質問、御意見等ございましたらお願いいたします。
山根委員、お願いいたします。

山根委員

新しくこの規格が制定されたときに、いろいろ調査等もされてこれでいけると、温度に関しては±2℃でいけるということで決まったところが、格付等もいまだになくて、今回暖めるようなイメージがあるのでやや残念かなという気はしております。ただ、実態に即して格付が広がることを目的とするということで改正ということであれば、いたし方ないのかなという気もしております。
それとちょっと質問なのですが、これはそもそもお弁当だけに限る規格ではないですね。今回はお弁当ということで規定があるわけですけれども、新たに温度プラス・マイナスではなくて、16℃から何度というふうに決めたということですが、今後別の商品で別の温度帯が適しているということがありましたら、また別途その商品名で規格を定義して作っていくことになるということでよろしいのですね。

阿久澤会長

ただいまの御質問へのお答えお願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

山根委員の御質問にお答えさせていただきます。
規格名が「定温管理流通加工食品」となっておりますので、この規格の中には加工食品、いろいろな種類のものが入るように設計されております。ですから、流通実態の中に、例えばパンなどは温度を一定に保って配送している実態がございますので、そういうものが適温というものが決まって規格化ができるということであれば、規格を追加できるということでございます。
ただ、とにかくこの規格、一つでもスタートさせないと次につながらないので、とりあえず米飯加工品についてはJAS マークがつくようにしていきたいと思っております。
ちょっと余談になりますけれども、製造業者、配送業者、販売店、これが連携して一体となってマークをつけていくという仕組みは非常に私ども重要な規格だと思っておりますので、まずそこからスタートして、それで必要になれば山根委員が御指摘のとおりいろいろな規格に普及していきたいと、そこを目指して努力させていただきますので、今回は改正をもって存続ということでお願いしたいということが提案でございます。

阿久澤会長

よろしいでしょうか。

山根委員

はい。

阿久澤会長

夏目委員、どうぞ。

夏目委員

御説明ありがとうございます。
山根委員がおっしゃったとおり、当初JAS 規格を決めたときには、調査をしていけるというふうに思ってJAS 規格を決められたにもかかわらず、利用する格付業者がなかったという。ここのところは、今後新たなJAS 規格を考えるときにはよほど参考にしないといけない点ではないかと感じます。それが第1点。
それから、今、御説明があったように、少し基準を緩めてという表現が適当かどうかわかりませんけれども、変えて定温管理流通加工食品についてこういったJAS 規格を使ってもらえるようにするという方向は、それはそれでいいと思うのです。規格があっても使われなければ意味がないわけですので、その辺はいいと思います。
その上で少し聞かせていただきたいのは、今回おにぎり、米飯ということですけれども、おにぎりは今、中身がお米以外のものがたくさん含まれているという流通実態が商品としてあるわけです。そのときに、例えば16℃から22℃の範囲で管理をするということが、お米以外の中身について安全性という点で支障はないと御判断されたということなのでしょうか。そこのところをお聞かせいただければありがたいです。先ほど16℃から22℃までの範囲というのは安全を保証する基準ではないという御説明があったのですけれども、でも消費者としては、お米は確かにかたくはならないけしょうけれども、では中に入っているそのほかの具材の安全はどうなのかというところがとても気になりますので、よろしくお願いいたします。

阿久澤会長

新規格への提案をするとき留意してほしいということと、もう一つ質問で、おにぎりの中身をどのように考慮するかということですね。お願いいたします。

越野上席表示・規格専門官

新たなJAS 規格のことについては御意見として受けとめさせていただいて、その旨努力させていただきたいと思います。
2点目ですけれども、温度ですが、まず参考資料の6ページ目をちょっと見ていただきたいのですけれども、製造工場において、定温管理流通にかかる製品は特別な製法をしております。御飯を炊いてゆっくり冷ましていきますと、その間に芽胞菌、微生物の種みたいなものがどんどん発芽してふえてしまいます。ですから、普通の仕出し弁当という言い方は悪いのかもしれませんけれども、緩慢冷却したお弁当についてはこの流通には載りません。なぜかというと、消費期限が非常に短くなってしまうからです。定温管理流通の対象となるお弁当は特別なつくり方をしておりまして、炊飯をした後に一気に20℃ぐらいまで温度をぐーっと下げてしまう。こういう急速冷凍をして温度を下げることによって、米飯に含まれる微生物を極端に少なくしている、そういうものがまず対象となるということがまず一点でございます。
それで、それ以外の食材もあるのではないかということですね。サラダとかいろいろなポテトとかいろいろあるではないかということでございますけれども、これは先ほど温度と消費期限というものがセットで事業者が管理しているということを御説明させていただきましたけれども、そういう微生物の制御がなかなか難しいものは、そこはしっかりと衛生管理の結果から消費期限を短くしていくというような対応をとっているということでございます。ですから、事業者によっていろいろこの消費期限は違います。ある社は製造後から32 時間とか、ある社は製造後から27 時間とか、何かそのように商品製造方法と流通併せ持って消費期限はそのように実態に合わせて決めているということですので、そちらで担保しているということの御説明をさせていただきたいと思います。

阿久澤会長

そうすると、中身によって消費期限が異なっているという実態ということですね。

越野上席表示・規格専門官

ですから、それは一番菌数が多いと言ったら悪いのかもしれませんけれども、そこに一番引きずられるということです。基本は衛生上の違反にならないことが担保される必要があります。

阿久澤会長

それでは近崎委員、お願いいたします。

近崎委員

すみません。一般消費者として疑問に思ったことなのでお願いします
6ページの一般消費者にホームページ等で情報提供するということなのですけれども、一般消費者がホームページで見た場合の情報というのは、温度管理についてとかは、製造されているところと最終的な販売店とそれぞれで分かれているのか。例えばおにぎりだったら、一貫して製造してから小売に至るまでの温度変化というのを一括して消費者は見ることができるのか。その辺の情報提供のされ方というのをちょっとお聞きしたいことと、こういうふうにホームページで情報提供されますよというようなことを一般消費者にどういうふうに公開していくのか。農水省のほうでそういうのを大々的に公開するのか、それともJAS を取ろうと思っている業者が個別にやられるのか、その辺のこともちょっと教えていただきたいと思います。

阿久澤会長

では、事務局のほうから、提供のされ方と周知の仕方というのですが、それをお願いいたします。

大貝課長補佐

情報提供につきましては、これまでは弁当のラベルに表示することになっていたのですが、弁当のラベルの大きさというのはある程度決まっているので、表示ではなくインターネットなどを使って情報提供するように改正する案としています。事業者それぞれではなくて、この弁当についてはこういうものだという情報が一貫して提供されるということになります。
それから、情報提供するのは農水省なのか事業者なのかということですが、これは流通行程を管理する事業者の方が公表するということになっております。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。
そのほかございますでしょうか。
菅委員、お願いいたします。

菅委員

御説明ありがとうございました。
しつこいようなのですけれども、山根委員も夏目委員もおっしゃったのですが、やはり定温で流通管理されるということに関しては消費者は今、とても関心が高いといいますか、思っているのではないかと思います。一部宅配業者さんのことなんかが報道されたということもありまして、やはりその辺からしますと今、全く格付をとられていないということなのですけれども、今回はあれですが、次にまた改正等ございましたら、柔軟に、もっと適用範囲が広がるような形での改正を考えていただければ、定温管理で品質が保持される食品もふえるのではないかと思いますので、その辺をよろしくお願いしたいと思います。

阿久澤会長

どうもありがとうございます。
これについて、よろしいですか。

越野上席表示・規格専門官

はい。
どうもありがとうございます。
そのほかございますでしょうか。
ほか、御意見等ないようですので、定温管理流通加工食品の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。
ここで、議題(1)の審議結果について確認させていただきます。報告案の配付をお願いいたします。

(報告案配付)

阿久澤会長

行き渡りましたでしょうか。
お配りした報告案は、いずれも原案のとおりとなっておりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

阿久澤会長

それでは、報告案の一番上にあります「(案)」を削除して報告することといたします。
続きまして、議題(2)のその他になりますが、事務局から何かございますでしょうか。

越野上席表示・規格専門官

特段ございません。

阿久澤会長

ありがとうございました。
以上で本日の全ての議題が終了いたしました。円滑な議事進行に御協力いただきましてありがとうございました。
議事進行を事務局にお返しいたします。

越野上席表示・規格専門官

本日は、長時間にわたり御審議いただきましてありがとうございました。また、JAS 規格にたくさん御意見、また応援していただく言葉もたくさんいただいて、事務局としてはとてもうれしく感じております。
本日審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに告示ができるよう所要の手続を行ってまいりたいと思います。
以上をもちまして「農林物資規格調査会」を閉会させていただきます。ありがとうございました。 

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お問合せ先

食料産業局食品製造課食品規格室

担当:規格専門官
代表:03-3502-8111(内線4357)
ダイヤルイン:03-6744-7182

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