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農林水産省

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農林物資規格調査会議事録(平成27年6月9日開催)

更新日:平成27年7月15日
担当:消費・安全局表示・規格課

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1.日時及び場所

日時:平成27年6月9日(火曜日)10時00分~11時27分

場所:農林水産省第2特別会議室

2.議題

(1)日本農林規格の見直しについて

  • ハンバーガーパティの日本農林規格
  • 地鶏肉の日本農林規格

(2)その他

3.議事内容

 

高崎上席表示・規格専門官

それでは、定刻となりましたので、ただいまから農林物資規格調査会を開会したいと思います。事務局を務めさせていただきます高崎と申します。よろしくお願いいたします。

委員の皆様方におかれましては、お忙しいところ、また、きのうから梅雨入りということでお足元がお悪い中、ご参集いただきましてありがとうございます。

まず、本日の委員の方の出席状況でございますけれども、根本委員におかれましては所用がございましてご欠席との連絡をいただいております。委員12名のところ11名ご出席ということでございまして、農林物資規格調査会令第6条第1項の規定に基づき、この調査会は成立しております。

本調査会でございますけれども、農林物資規格調査会運営規程に基づきまして公開となってございます。事前に本日の傍聴を希望される方を公募いたしましたところ10名の応募がございました。本日は8名の方が傍聴されております。また、きょうの審議におきまして原案作成委員会の議論、この概要を報告いただくということから、原案作成委員会の事務局であります独立行政法人農林水産消費安全技術センターの小林規格検査部長と出島商品調査課長が出席しているということもご報告させていただきます。

それでは、調査会運営規程に基づきまして、阿久澤会長に議事進行をお願いしたいと思います。阿久澤会長、よろしくお願いいたします。

阿久澤会長

皆さん、おはようございます。阿久澤でございます。委員の皆様におかれましては、本日も今まで同様円滑な議事進行にご協力のほどよろしくお願いしたいと思います。

それでは、議事次第に基づきまして、永山審議官にご挨拶をお願いいたします。

永山審議官

おはようございます。審議官の永山でございます。お忙しい中、また、梅雨入りしたんでしょうかね、あいにくのお天気の中ですけれども、ご出席いただきましてありがとうございます。

食品表示をめぐりましては、昨今さまざまな動きがございまして、まずJASの規格の関係で申し上げますと、3月に閣議決定のありました新しい食料・農業・農村基本計画におきまして、消費者のニーズを踏まえた新しいJAS規格を検討する、あるいはその制度化を図るというふうになってございまして、私どももこの指摘に沿っての取り組みを進めてまいりたいというふうに思っております。

それから、4月には新しい食品表示法が施行になりまして、若干所掌の移動とかもございましたけれども、私ども、引き続いて監視ですとか取り締まり、これを担当することになってございます。これにも力を入れてまいりたいと思います。

それから、報道等でもかなりされておりますけれども、新しい機能性食品の制度だとか、GI、地理的表示というのもスタートいたしまして、こういった制度の円滑な運用に政府としても力を尽くしてまいりたいというふうに思ってございます。引き続きご指導よろしくお願いしたいと思います。

きょうの議題ですけれども、ハンバーガーパティと、それから地鶏肉の規格の見直しということですので、またそれぞれの立場から忌憚のないご意見を頂戴できればと思います。

それから、最後になりますけれども、一昨年の8月、皆様方に委員をお願いしまして2年近くになりまして、実はきょうがこのメンバーで最後の調査会になりますので、これまでの円滑な審議に当たりまして本当にご尽力いただきましたことを心から御礼申し上げてご挨拶といたします。どうもありがとうございました。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。

それでは、議題に入る前に、本日の調査会の議事録署名人の指名を行います。調査会運営規程により会長が指名することになっておりますので、今回は夏目委員と山根委員にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

次に、事務局から資料の確認及び議事内容の公表について説明をお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

それでは、資料について確認させていただきたいと思います。

本日お配りしている資料でございますけれども、まず議事次第がございます。それから、この調査会の名簿がございます。それから、資料1といたしまして日本農林規格の改正について「ハンバーガーパティ」というもの、資料の2といたしまして「地鶏肉」についてでございます。資料の3といたしまして農林物資規格調査会運営規程の一部改正というものを用意させていただいております。続きまして資料の4でございますけれども、食品表示法の施行に伴う日本農林規格の一部改正がございまして、資料の5といたしましてJAS規格の制定・見直しの基準という資料がございます。

それから、あわせて机上配付の資料として4種類の資料を用意させていただいておりまして、机上配付資料と書いてございますけれども、その机上配付資料1が、今回、本日ご検討いただきますハンバーガーパティと地鶏肉に関する参考資料でございます。資料の2、資料の3が、それぞれハンバーガーパティと地鶏肉についての規格調査の結果及び原案作成委員会の報告書でございます。机上配付の資料4でございますけれども、食品表示法の施行に伴う日本農林規格の一部改正について新旧対照表という形になっているものでございます。

あわせまして、もう1種類、先般施行されました食品表示基準、ちょっと分厚い資料なんですけれども、消費者庁のホームページからプリントアウトしたもので、ご参考ということで机の上に置かせていただいてございます。

よろしいでしょうか。もし過不足等がございましたら事務局のほうまで申しつけていただければと思います。

続きまして、議事、内容の公表でございますけれども、本日ご発言いただいた方々のお名前を明記した上で、農林水産省のホームページで公表させていただきますので、ご了承のほどあらかじめよろしくお願いいたします。

以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。

それでは、これから議題(1)の日本農林規格の見直しについて審議を始めます。

よろしいでしょうか。お願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

それでは、ハンバーガーパティの日本農林規格の見直しについてご説明差し上げたいと思います。

なお、この品目を担当しております長谷課長補佐も質疑に対応させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

では、座って説明させていただきたいと思います。

まず初めに、配付してございます資料の1の1ページ目をごらんいただければと思います。日本農林規格の改正についての諮問でございまして、該当部分を読ませていただきます。

下記1から2までに掲げる日本農林規格の改正を行う必要があるので、農林物資の規格化等に関する法律第9条において準用する第7条第5項の規定に基づき、貴調査会の議決を求める。記として1番、ハンバーガーパティの日本農林規格とございます。

資料1の2ページ目が、この見直しの内容ということでございまして、趣旨、改正事項等書かれてございます。これにつきましては後ほどご説明差し上げます。

それでは、まず品目の概要ということでございまして、机上配付資料の1でA4の横紙の資料をごらんいただければと思います。

これの1ページ目、ハンバーガーパティについて書かれているものでございますが、ここに書かれているとおり、ハンバーガーパティというものは牛肉、豚肉、家きん肉の粗びき肉、こういったものを原料といたしまして練り合わせて円盤状に成形し、その後に急速凍結したものでございまして、ハンバーガーの材料として加熱調理した上で使用される、通常ハンバーガーショップで提供されるハンバーガーの主な具材になるというものが該当するということでございます。

それから、この参考資料の2ページ目ですが、ハンバーガーパティのJASの規格及び製造方法ということで、右側に製造方法が書いてございます。若干重複する部分もございますけれども、原料肉を、通常これは冷凍で入ってくるものですけれども、解凍、粗びきした上でほかの材料と混合する。ひき肉にした上で野菜とかつなぎ、あるいは調味料等々を混合する。これは、ほかの具材、材料を使わない場合というのもございますけれども、混合した上で形づくりまして、その上で急速冷凍して冷凍状態でそのまま製品化、箱詰めして出荷され、実際に使う場合は加熱処理して使用されるということでございます。なお、製造時に加熱処理をして、その上で冷凍しているといったようなものというのは、このハンバーガーパティの規格の対象外となるものでございます。

それから、JASの規格でございます。同じ2ページ目の左側に書いてございますとおり、等級といたしましては上級と標準、この2つの区分がございます。肉質を担保いたします粗脂肪とか、パティの厚さ、あるいはその冷凍状態を示す品温、これらについては上級、標準とも同じ基準になっています。上級と標準につきましてどこに違いがあるかというと、使用できる原材料、ここに差があるということでございまして、表に書いてございますとおり、上級区分のほうがより限定的という内容になっています。そのほか、ハンバーガーパティを加熱調理した状態での色沢とか香味、こういった品位についても規定されているところでございます。

それでは、申しわけございませんが、また資料の1のほうにお戻りいただければと思います。

資料の1の3ページ目がハンバーガーパティの規格調査の概要です。まず資料1の3ページの下のほうにある品質の実態ですが、JAS品、JASマークがついた製品が4件、JASマークがついていない製品3件、合わせて7件について調査したところ、粗脂肪と厚さ、これにつきましてはいずれもJASの規格に適合しているということでございますけれども、聞き取り調査で、使用している原材料について食肉の割合を聞いたところ、JASマークがついていないもの3件につきましては、いずれも食肉の使用割合が75%未満ということで、JASの標準の基準値を満たしていないということでございました。

それから、4ページ目が生産の現況ということで、(2)の表の2、これが生産量の推移でございます。ハンバーグ・ハンバーガー協会の調べということでございまして、平成25年の生産数量というのは3万6,000トンちょいということで、若干年によって変動はございますけれども、一定の水準で推移しているという状況でございます。

それから、格付の状況ですが、同じページ、4ページ目の表の3にございますとおり、25年度の格付の数量は2万7,145トンということでございます。これは上級と標準、2つの等級がございますけれども、全て上級品ということで、ちょっと表が2ページにわたっていまして見にくいのは申しわけございませんけれども、25年の格付率でいうと74.9%という数値になっているところでございます。また、このハンバーガーパティの製造メーカーさん、製造業者さん、5社いらっしゃるんですけれども、そのうち3社が認定を取っていらっしゃるということで、認定を取得する理由というのは、自社の品質管理への活用ということもアンケートの調査の結果ではいただいているというところでございます。

それから、ハンバーガーパティの使用、消費の現況を5ページ目の4に書いてございます。ハンバーガーパティ自体というよりもハンバーガーという切り口で見たものですが、総務省の家計調査年報を見ますと、外食への世帯の支出金額、これが伸び悩んでいる中で、ハンバーガーへの支出費というのは増加傾向で推移している。平成12年が年間3,190円だったものが平成25年は4,170円という状況になっております。ただ、このハンバーガーへの支出につきましても、平成23年をピークに減少に転じているというところではございますけれども、一定の消費の伸びというのが見られるということで、将来的に一定の格付率もございまして、消費の状況からも、今後も一定量の生産数量、格付数量は維持されるのではないかと見込んでいるところでございます。

以上が規格調査の概要でございます。

続きまして、この規格見直し、改正の概要ということで、資料1の7ページ目をごらんいただければと思います。

まず規格の位置づけでございます。ハンバーガーパティの格付率、先ほど申し上げたとおり75%程度、25年度についてはあるということ。また、JASの規格自体が製造基準、取引基準等にも活用されているという実態が確認されているということから、引き続き「標準規格」として位置づけるということでございます。

次に改正事項でございます。2に改正案の概要ということで、(1)から(5)までありますけれども、まず「添加物」の改正で上級の部分でございます。上級につきましては、添加物は使用しないこととするという内容です。今、現行のハンバーガーパティの上級品につきましては、食品添加物として香辛料抽出物、これだけが使えるという内容になっています。そういう状況でございますけれども、今現在、JASの上級品に食品添加物は使用されていない。また、今後もこれは使用しないと規定した場合、何か支障が生じるかというところを関係者にご意見を聞いたところ、別に特段そういったことはないだろうということで、そういったご意見を踏まえて、今回上級品については添加物は使わないという改正を行うということでございます。

それから、標準の食品添加物と(2)の「異物」の削除の改正でございますが、これらにつきましては、これまでも、このJAS調査会の中でご審議いただきまして、JAS規格の制定見直しの基準に基づきまして品目を横断的に行う、対応していくということでご了解をいただいているところでございます。まず添加物につきましては、食品添加物が必要最小限であるということをコーデックス規格の原則を引用して規定する。それとともに、こういった情報を消費者に伝達するという規定ぶりに改正するということ。それから、「異物」につきましては、食品衛生法で規定されているということから削除ということでございます。

なお、「異物」に関しましては、これまでもJASの規格、ほかの品目でも、「異物」の規定を削除した規格がございます。これらの規格では、認定事業者が満たすべき要件を定めている技術的認定基準に異物の混入防止措置を講ずる旨を明記しているということでございまして、このハンバーガーパティについても同様の対応をするということとしております。

それから、(3)の食品表示基準の関係ということでございます。これは、本年4月1日に施行されました食品表示基準に伴いまして、JAS規格の表示基準について整理するということです。整理の内容といたしましては、食品表示基準とJASの規格、重複している部分については削除して、JASの規格には、食品表示基準の上乗せ部分になる内容だけを残すということ。それと、もう一つは用語の関係なんですけれども、食品表示基準の用語にJASの規格についても平仄を合わせるという、そういった観点から整理するということでございます。これはハンバーガーパティ以外のほかの品目についても、今後順次同じようなことで整理していきたいと考えているものでございます。

ちょっとそこの部分、具体的にといいますか例示でご説明いたしますと、8ページ以降、新旧対照表がございます。例えば用語の統一でいえば、新旧対照表の8ページ目の真ん中下あたりに、これは右側が現行で左側が改正案ですが、現行の原材料の区分、第3条の部分で原材料のところが「食品添加物以外の原材料」と書いてありますが、改正案では「原材料」となっています。食品表示基準につきましては、原材料と、それ以外の食品添加物、これは完全に区分しております。今までJASの規格では原材料の中に食品添加物も含むという整理でございましたので、整合性をとるということで、JAS規格においても原材料と食品添加物を2つに区分して整理するということです。

それと、用語の関係で申し上げますと、「食品添加物」という文言は、今度食品表示基準では単に「添加物」という文言にかわっておりますので、JASの規格においても同じように平仄を合わせるといったことです。そういう整理が一つでございます。

もう一つは重複部分の削除と上乗せ部分だけ残すという関係で申し上げますと、新旧対照表、ページでいうと10ページ目をごらんいただければと思います。10ページ目の真ん中以降、表示の部分がございまして、この中の表示事項に、現行では(1)の名称からずらずらと書かれております。この現行規定の中で名称と賞味期限、保存方法、この項目につきましては、ハンバーガーパティについてなんですが、食品表示基準でも規定されているということでございまして、重複しているということで、左側の改正案で見ていただくと、JASの規格からは削除するということでございます。

一方、その下の欄で表示の方法で、例えば名称につきましては、表示事項からは削除するということですが、表示の方法の部分は名称について改正案では略となっています。これは現行規定をそのまま残すということです。JAS規格では名称をハンバーガーパティと記載することと書きぶりを指定しております。一方、食品表示基準では、そのものを示す一般的な名称を書くというふうに書かれており、JAS規格では書きぶりを指定しているということから上乗せ部分ということで、ここの部分については残すという整理です。ほかの部分についても、食品表示基準の施行に伴いまして同じような観点から、今回JASの規格の整理をさせていただいたというところでございます。

次に、文字の大きさです。7ページ目にちょっと戻っていただきまして、(4)「文字の大きさ」の改正ということで、表示事項を送り状に表示する場合、文字の大きさを16ポイント以上から8ポイント以上にするという内容でございます。これは、ハンバーガーパティ、業務用食品ということで、容器包装に表示する以外にも情報伝達として送り状で情報伝達をするといったようなこともあるのですが、これは後でちょっと触れますけれども、今回パブリックコメントをかけた際に、そもそも現行16ポイントという文字は大き過ぎるんじゃないかと。特に送り状に書く場合、16ポイントというのはちょっとどうなのかというご指摘がございまして、送り状は、物にもよりますが、例えば少し小さ目のものもございますので、そのあたりを勘案いたしまして、送り状については限定的に8ポイントということで整理したいということです。

それから、最後でございますけれども、7ページ目をごらんいただくと(5)の「測定方法」の改正ということで、これはほかのJAS規格との整合性を図るために測定方法における文言を修正するということでございます。

これは、具体的に申し上げますと、新旧対照表で13ページをごらんいただければと思います。13ページの上の部分、脂肪の抽出ということで、これは脂肪を測定する測定方法ですが、その際に使うガラス器具で、デシケーターというガラス器具とソックスレー抽出器というガラス器具がございます。これにつきましてJIS規格の文言を引用した形で整理しているということで、これは、ほかの品目でも同じ脂肪を測定する際の書きぶりに平仄を合わせているということです。当然測定方法に何か変更があるかというと、それは変更はないということでございます。

以上が今回の改正案の概要でございまして、なお、改正案につきましては、今後法令的な観点から字句の修正があり得るということをあらかじめご承知おきいただければと思います。

それから、最後になりますけれども、パブリックコメントの状況ということで、資料1の15ページ目、16ページ目をごらんいただければと思います。パブリックコメントにつきましては、先ほど申し上げたとおり1件ございまして、その内容は16ページ目でございますが、表示に用いる文字、これ、16ポイントというのは大きいんじゃないか。特に送り状に表示する場合ももっと小さくてよいのではないかというご指摘でございまして、これを踏まえまして、今回送り状については8ポイント以上という内容に改めたいということでございます。

また、事前意図公告によるコメントについてはございませんでした。

以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。

次に、原案作成委員会での議論の概要につきまして、原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

原案作成委員会事務局(出島)

原案作成委員会の事務局から、原案作成委員会の概要についてご説明をさせていただきます。

ハンバーガーパティの日本農林規格の確認等の原案作成委員会につきましては、田所忠弘東京聖栄大学健康栄養学部管理栄養学科教授を委員長といたしまして、消費者、製造業者、使用者等の各分野の代表11名の委員から成る合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が務めました。

委員会は、平成26年7月3日と同年8月8日の2回開催いたしまして、規格の位置づけの明確化と具体的な改正内容の審議を行いました。その結果、まず規格の位置づけにつきましては、これまでどおり当該規格の利用状況を踏まえ、生産、取引または使用の際に一定のスタンダードとして機能しており、標準規格として位置づけるのが適当と議決がされました。

次に、規格の改正につきましては、まず品目横断的な改正といたしましてJAS規格の制定見直しの基準に基づき、遵守義務のある規格等との関係整理の観点から、「異物」の削除及び食品添加物の基準の改正について検討を行いました。この結果、「異物」につきましては食品衛生法で監視、指導が行われているという実態を踏まえると削除が適当であるということ、食品添加物の基準の改正のうち、標準につきましては、現行のポジティブリストの規制にかえてコーデックスの食品添加物の使用に関する一般原則にのっとり、食品添加物の使用を必要かつ最小限とする改正が適当と議決がされました。

また、食品添加物の基準の改正のうち上級につきましては、食品添加物の使用実態を調査した結果、現在唯一使用が認められております香辛料抽出物を含め、食品添加物の使用実態がないということ、また、今後も使用することはないということが確認されました。このため、上級の食品添加物につきましては使用していないことと改正することが適当と議決がされました。

説明は以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。

それでは、ハンバーガーパティの日本農林規格の改正案につきまして、ご質問やご意見等ございましたらお願いいたします。どなたかございますか。

どうぞ、山根委員。

山根委員

ありがとうございます。

調査で品質の実態を調べていただいて、7件調査。その7件という数も何かちょっと少ないような気がするんですが、それで、非JAS品の3件のほうについては、いずれも食肉の重量割合が不足等の状況であったということなんですが、これは品質的に劣るのかということをお伺いしたいんですけれども、そういうことよりも、つくり手の意思で何か違う特徴を持たせた製品なのかということを、わかれば教えていただきたいということと、あと、同じように調査で製造事業者への実態調査もなされている報告がございますけれども、これも3社だけなんですが、これは製造している事業者がとても数が少ないということなんでしょうか。教えていただければと思います。

阿久澤会長

よろしいでしょうか。事務局のほうからご説明願います。

高崎上席表示・規格専門官

ありがとうございます。お答えいたします。

まず、品質実態調査の非JAS品の3件、75%未満ということでございますけれども、結論から申しますと、つくり手の商品への商品設計といいますか、そういったことで結果として75%未満になっているということでございます。品質的に劣るということではないということが言えるのかなというところです。

それと、実態調査の件数でございますけれども、ハンバーガーパティは規格の内容からするとかなり限定的なものということで、実際、JASの規格の対象となるハンバーガーパティを製造していらっしゃる業者さんというのは数が少ないということで、こういった数字になっているというところでございます

阿久澤会長

よろしいでしょうか。そのほか。

夏目委員、お願いいたします。

夏目委員

文字数のポイントのところでございますけれども、パブリックコメントをして1件、個人から意見が出て、恐らく事業者だろうというふうに推測されますけれども、個人から1件出たことによって16ポイントが8ポイントに変更されるという、その解釈の仕方が少し、非常にどうかという感じを受けます。パブリックコメントが反映されるというのはとてもいいのですけれども、この送り状の文字数のポイントの変更については、原案作成段階では何も議論されていないと思います。パブリックコメントがされた後に事務局として、個人から出されているけれども、いわゆる業者間取引のための送り状のポイント数なので事業者だろうという確認をされたかどうか。事業者の方々が実際にお使いになるのに、8ポイントでもいいというご判断がその事業者全体でなされていれば、それは適当だと思うのですけれども、個人1名というのがとても気にかかったのですけれども、その点を教えていただければと思います。

阿久澤会長

いかがでしょう、事務局。お願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

パブリックコメントをいただいた方への確認というのは事務局のほうでは特にやっておりません。夏目委員ご指摘のとおり、個人1名の方のご指摘だけで変えるのはというようなことでございますけれども、おっしゃる部分も確かにそうなのかなとは思うんですが、実態として業者間で取引する際に、送り状といっても送り状自体のサイズがいろいろございますでしょうけれども、例えば小さい紙に書く場合に、表示事項全て16ポイントというのは実態としてちょっとどうなのかなという、これは事務局サイドの判断をさせていただきまして、今回こういった改正をしたということでございます。そこらあたりでご理解いただければと思うんですけれども。

阿久澤会長

そうですね。個人的な意見ですが、事業者もそれで了承というか、納得しているのかという趣旨かと思うんですが。

高崎上席表示・規格専門官

事業者の方には、登録認定機関を通じて内容については確認しております。

阿久澤会長

ありがとうございます。よろしいでしょうか。

夏目委員

結構でございます。そういうものが文面だけだと見えないので、個人の意見1件で改正しましたというのは、やはり正当性が疑われるのかなという、非常に理屈としてはどうかと思いましたので。ありがとうございました。

阿久澤会長

どうぞ。菅委員、お願いたします。

菅委員

ご説明ありがとうございました。

ちょっと恥ずかしいようなお話なんですけれども、JAS規格のハンバーガーパティ、随分格付率が高いので、どのように消費者にわかるものかと思って、またハンバーガーを食べに行ってみましたが、やはりJASという文字をどこかで見られるのかと思いましたけれども、私が一生懸命探した範囲ではちょっと見られなかったんですが、ちょっと次元として全然別な問題なんですけれども、大手のハンバーガー屋さんがこの間、いろいろな異物混入の事件で騒がれたり、本来ここで話している内容とはちょっと次元が違うんですけれども、そういういろいろなことがあったときに、実際消費者がちょっと手にとってみて食べようと思うときにどうなんだろうというところは、きちんとこういう運用でつくられているものだというのが、やっぱりJASの規格で保証されているということがわかるというのは大事なことだと思いまして、せっかく規格を取られている方がいらっしゃるんでしたら、きちんとその辺がわかるような、またいつものような意見ですけれども、あったほうがいいのかなというふうに感じました。

阿久澤会長

ご意見ということでよろしいでしょうか。

今のご意見に何かコメントがありましたら。

高崎上席表示・規格専門官

これまでの調査会の中でも同じようなご意見を頂戴しているところは承知しておりまして、JASの規格制度全体の普及啓発という動きというところでございます。これまでもパンフレットとか農水省のホームページ等々で、あるいは講習会とか業界団体を通じて行ってきているところではございますけれども、そこの部分、まだまだ足らない部分があるというところで認識しておりまして、今後より多くの方にJASの規格自体を知っていただくように、今後も効果的な普及啓発というものを検討して取り組んでまいりたいと思います。貴重なご意見ありがとうございました。

阿久澤会長

そのほか、ございますでしょうか。

どうぞ、近崎委員。

近崎委員

すみません。先ほどの意見とよく似ているんですけれども、私も一般消費者として、ハンバーガーのパティにJASというものがあって、それがついているというものがあるということで、私も探しに行ったんですけれども、どこの業者もやっぱりそういうものがなくて、そこに働いている店長さんもJASというものの存在自体も知らない方とかっていたので意外だなと思ったんですけれども、ここの今、机上の配付資料の2月11日とかで、知っていた割合が71%。たくさんというのか少ないというのか、私はもっと多くの方、業者さんが知っていてほしいというか、そういうものがあるということを知っているんじゃないかと思ったのにちょっとびっくりと、それと、2月14日の資料で、ハンバーガーパティ、JASの規格の必要性で「わからない」、必要の割合が29%ということにびっくりしたんですけれども、そのあたりの実態についてちょっとお聞きしたいなと思ったんですけれども、これ、「わからない」という方が多いということは普及も今後しないような気がするんですけれども、そのあたり、実情はどうなっているのか、お願いします。

阿久澤会長

いかがでしょう。よろしくお願いします。

高崎上席表示・規格専門官

この規格調査のアンケートの結果で「わからない」と、これは実需者の方に聞いた部分なんですけれども、こういったことでございまして、ちょっと近崎委員がおっしゃるとおり、そこの部分、普及啓発といいますか業界への働きかけというのをもっときっちりやっていく。これは、ハンバーガーパティに限らない話だとは思いますけれども、努めてまいりたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

阿久澤会長

そういうことにより、結果、やはり消費者が安心して購入できるということにつながると思いますので、ぜひ普及啓発のほうをよろしくお願いしたいと思います。

ほか、ございますか。よろしいでしょうか。

それでは意見も出尽くしたようですので、原案どおりハンバーガーパティの日本農林規格を改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議はないようですので、その旨報告させていただきます。

それでは、次に、地鶏肉の日本農林規格の見直しについて審議を行います。

事務局から資料の説明をお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

それでは、地鶏肉についてご説明申し上げます。

初めに資料の2の1ページ目、2ページ目をごらんください。これ、日本農林規格の改正についての諮問ということでございまして、先ほどのハンバーガーパティと内容的には同じということで省略させていただきますが、今回の地鶏肉の見直し事項といたしまして、これは資料2の2ページ目の中にございますけれども、飼育期間について80日という規定を75日に短縮するというのがメインになっているというところでございます。

それでは、まず机上配付の参考資料の1をちょっと開いていただいて、これの3ページ目でございます。地鶏肉のJAS規格ということで整理したものでございまして、地鶏肉のJASというのは、特色ある生産方法の基準ということで、ここに書いてあります素びな、飼育期間、飼育方法、飼育密度というものを規定をしておりまして、この基準に合致した生産方法で生産された鶏肉等を地鶏肉としているということです。それぞれの生産方法の基準といたしまして、素びなについては在来種由来の血液百分率が50%以上、要は在来種の血が半分以上入っているということと、出生の証明ができるということ。それから、飼育期間につきましては、孵化してから80日間以上飼育する。飼育方法につきましては、28日齢以降、孵化してから28日たった以降、これは平飼いにする。飼育密度についても、28日齢以降は1m2当たり10羽以下にするといった内容で、これが地鶏肉のJASの規格でございます。

続きまして、今度は資料の2に戻っていただいて、地鶏肉の規格調査の概要というものでございます。

この規格調査の結果の概要ということで3ページ目に書いてございます。品質の現況の中の表の2に、先ほど申し上げた生産方法の基準がありますが、その下に在来種として38種類の鶏種、種類が書かれています。こういったものを在来種としてJAS規格の中で規定しているということです。

それから、同じく3ページ目の一番下の品質の実態ということで、地鶏肉の認定を受けていらっしゃる生産者、それと、地鶏肉をつくっているけれども認定を受けていらっしゃらないという生産者の方々、そういった方々に対してアンケート調査を行いました。その結果、回答をいただいた全ての事業者の方は、認定を受けていらっしゃらない事業者につきましてもJASの基準を満たしているという、そういった生産方法で生産しているということでございました。

続きまして、4ページ目の生産の現況ということで、表の3に食鶏の出荷数量の推移という表がございます。この中で国内の出荷数量がトータルで平成25年約208万トンということですが、この区分の中に残念ながら地鶏という区分がございません。この統計の区分は、表にあるとおり肉用若鶏、これはいわゆるブロイラーに該当するものが大半だと思いますが、肥育日数が3カ月未満のものを、この肉用若鶏として区分しています。廃鶏というのは、採卵鶏とか種鶏にした、もう役目が終わったものということでございまして、(ウ)のその他の肉用鶏、これは肥育期間が3カ月以上のものということで、地鶏は、この(ウ)のその他の肉用鶏の中に含まれていると一般的に整理され、このその他の肉用鶏が25年は2万6,000トン程度ということで、全体の比率からすると1%ちょっとという、こういった状況でございます。

一方、地鶏肉の格付状況ですが、次のページ、5ページ目を見ていただくと、表の4に格付数量といったものが書いてあります。平成25年度地鶏肉の格付数量が7,392トンということです。格付率というものが出ない、地鶏自体の生産がわかりませんので、先ほど申し上げたその他の肉用鶏で比較すると、その他の肉用鶏が2万6,335トンということでございます。この中に地鶏が大半含まれるというふうに思われますので、こういった数字を1つ参考にしていただければと思います。

また、認定生産工程管理者の数ですが、25年度14者ということです。ただ、その14者のうち上位2者が、表の5に書いてありますが、上位2者で格付数量6,937トンということで、全体の格付数量の94%、95%、大半を占めているといった状況です。格付実績がある地鶏肉といたしましては、この5ページ目の上から2行目にちょっと書いてありますが、この阿波尾鶏とか奥美濃古地鶏等々のものに限定的だったという状況でございます。

それと、表の6ですが、これは小分け認定業者ですけれども、25年度は、ゼロということで、26年、昨年1者増えまして、今現在1者いらっしゃるんですけれども、こういう状況です。認定事業者が例えばスーパーに出荷いたしました、それをスーパーで小分けしますという場合、JASマークがついている場合、小分けしたものにもJASマークを継続して張る場合には小分け認定が必要でして、なかなか小分け業者が増えないという状況の中で、一般の消費者が店頭、お店でJASマークがついた地鶏肉を見るという機会は限定的なのかなという状況だとは思われます。

全体的に地鶏肉の格付数量がおおむね一定の数字で推移しているということで、今後も一定数量の格付は維持されるのではないかということでございます。

続きまして、改正の概要ということでご説明いたします。

7ページ目をまず見ていただくと、まず規格の位置づけでございます。地鶏の肉というのを規格自体が、先ほど申し上げたとおり生産方法に特色があるということで、一般的な鶏肉との間で明確な差別化が図られているということから、引き続き「特色規格」として位置づけるというものでございます。

それから、改正内容ということで、「飼育期間」の短縮でございます。80日を75日に短縮するということですが、ちょっとまた机上配付の資料のほうに、申しわけございません。戻っていただきまして、机上配付資料の参考資料の4ページ目、5ページ目をご説明させていただきたいと思います。

この内容につきましては、原案作成委員会の中で検討された、あるいは提供されたデータを整理しているというものですが、今回の改正内容につきましては、実際格付の大半を占めております阿波尾鶏の生産振興をしている徳島県のほうから改正要望があったということです。この阿波尾鶏ですが父方が在来種である軍鶏で、母親がホワイトプリマスロック、これをかけ合わせたものということです。最近、この母方のホワイトプリマスロック、これ、育種改良が進んで増体性がよくなった。要は早く大きくなるということでございまして、それに伴いまして阿波尾鶏も成長が早期化しているということで、出荷体重が以前3.5キロだったものが4.5キロに増加しておりまして、それに伴ういろいろ弊害が出てきているということです。

図の2をごらんいただくと、この折れ線グラフが出荷時の平均的な体重。これは雄鶏の体重なんですけれども、生体体重ということで、平成11年にこの規格が制定された当時は3.5キロ平均だったものが、だんだん増えていきまして、最近は4.5キロと1キロ増加した。それに伴って、棒グラフが規格外の発生率ということなんですけれども、要は品質的にちょっと問題があるものということで、体重増加に伴い規格外の発生率も増えているということでございます。

図の1に事例ということで、これは写真がございますけれども、足の骨の写真、左側は曲がっております。これは成長が早まって体重が重くなって骨が曲がった、湾曲したということです。湾曲することで、例えば皮が破れるとか、あるいは右側のもも肉の写真がございます。ちょっとこれ、色が見にくいのですが、黄色で囲っている部分、これは赤い斑点が出てきている。これは炎症だということでございますけれども、こういった炎症が出て商品価値を損ねているということ。それと、鶏肉、解体する場合に機械で処理するのですが、大きくなり過ぎて機械に入らない、手作業になってしまうという、そういった実態的な部分という弊害が出てきているということです。

では、この弊害が出るボーダーラインといいますか、それがどれぐらいなのかというと、次のページを見ていただくと、生体体重として4キロ、これが一つの分岐点になるということです。4キロに成長するのはどれぐらいの期間なのかということで、この5ページ目の図に書いてございます。これも折れ線グラフが日齢別の生体体重ということで、生体体重が4キロになる時点というのが74と書いてありますが、これぐらいで4キロになるということと、もう一つは、棒グラフで書いてあるのは雄の精巣重量なんですけれども、70から74のところで増えている。これぐらいのところで性成熟が始まるということです。

この地鶏肉の80日という肥育期間、そもそも規格制定した当時、地鶏の肉がおいしくなる時期を設定するということで、いろいろ議論はあったんですけれども、一つの目安、指標として、この性成熟という切り口があるということです。規格制定当時は、この阿波尾鶏につきましても大体80日ぐらいで性成熟が開始するということで、その結果、現行規格では80日ということになっていますが、今現在、阿波尾鶏は5日ぐらい短縮して性成熟が開始しているだろうということです。そういったことから、今回肥育期間の基準につきましては80日から75日に短縮するという改正内容でございます。

資料2の7ページ目に戻っていただきまして、また改正案の概要ということで、食品表示基準の制定に関してということです。これはハンバーガーパティと同じで、食品表示基準の規定に上乗せする部分のみ記載する、重複する部分は整理するということで今回改正させていただきたいということでございます。

また、今回パブリックコメント、事前意図公告によるコメントにつきましてはございませんでした。

以上でございます。

それとあと、ハンバーガーパティのところでも申し上げましたけれども、改正案につきましては、法令的な観点から字句の修正があり得るということをご承知おきいただければと思います。

以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。

それでは、次に、原案作成委員会での議論の概要について原案作成委員会事務局から説明をお願いいたします。

原案作成委員会事務局(出島)

それでは、原案作成委員会の概要についてご説明をさせていただきます。

地鶏肉の日本農林規格の確認等の原案作成委員会は、鈴木敏郎東京農業大学農学部長を委員長といたしまして、消費者、生産者、販売者等の各分野の代表13名の委員から成る合議体で、その事務局を独立行政法人農林水産消費安全技術センター(FAMIC)が務めました。

委員会は、平成26年7月30日と、同じく同年10月30日の2回開催いたしまして、規格の位置づけの明確化と具体的な改正内容の審議を行いました。

なお、この委員会は、会議規則にのっとり会議の開催に当たり会議の一般傍聴及び意見陳述を公募したところ、一般傍聴のほか意見陳述の希望がありました。

その結果、規格の位置づけの明確化につきましては、地鶏肉のJAS規格は、これまで「特色規格」として位置づけられているところですけれども、地鶏肉の生産状況及び当該規格の利用状況を踏まえ検討した結果、地鶏肉の生産行程は標準的な行程と比較して相当程度明確化された特色を有しているということから、引き続き「特色規格」に位置づけることが適当ということで議決がされました。

次に、規格の見直しの方向性についての議論でございますけれども、意見陳述人から、まず1点目としまして、近年の阿波尾鶏の出荷体重の増加による弊害の抑制の観点から飼育期間の短縮についての意見陳述がございました。2点目としましては、生産効率向上の観点から、冬の期間ということですけれども、冬期における飼育密度の緩和についての意見陳述がございました。これらについて、消費者及び実需者に良質な製品を提供する観点から、科学的知見に基づき根拠となるデータの提示を受けまして、その内容を踏まえて改正の必要性を議論いたしました。

次に、規格の改正につきましてですけれども、まず飼育期間の短縮につきましては、良質な製品を提供する観点から、阿波尾鶏が直面している体重増加に伴う品質劣化を防止するため、飼育期間の短縮は必要であるということについて合意が得られ、飼育期間を現行の「80日間以上」から「75日間以上」とする改正を行うことが適当と議決がされました。

次に、冬期における飼育密度の緩和につきましてですけれども、こちらにつきましては、提出されたデータでは改正を検討するには不十分という結論となりまして、改正しないということが議決されました。

説明は以上でございます。

阿久澤会長

ありがとうございました。

それでは、地鶏肉の日本農林規格の改正案につきまして、ご質問やご意見等ございましたらお願いいたします。いかがでしょうか。

夏目委員、どうぞ。

夏目委員

すみません。今の原案作成委員会の説明はちょっと違っていると思うんですけれども、今、阿波尾鶏について、この飼育期間の短縮について合意がとれたというご発言でしたけれども、今ここで議論しているのは、阿波尾鶏のことから始まりましたけれども、地鶏肉という形になっておりまして、全く議論がそこは違うと思うんですね。もしかしたらご発言がちょっと違う形になってしまったのかなと思うのですけれども、確かに徳島県から体重の増加による弊害抑制、さまざまな支障が出ているので飼育期間を短縮してほしいという、こういう動きがあって、それを取り上げてというのはわかりますけれども、地鶏というのはJAS認定されているのが先ほど5種類あるとおっしゃいました。阿波尾鶏だけではないわけです。そうしますと、ほかの地鶏についてきちんと議論されたかどうかということがないと、この地鶏肉全体に改正が行き渡るという点での説明が十分ではなかったというふうに考えておりますので、そこをもう少し丁寧にご説明いただければというふうに思います。

阿久澤会長

原案作成委員会のほうですか。いずれでも結構ですが、ご説明をお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

ありがとうございます。おっしゃるとおり、ほかの地鶏についてはどうなのかというような議論というのは原案作成委員会の中でもございました。実際、例えば地鶏もいろいろ種類がございまして、飼育期間、種類によって長いものから短いものまでいろいろございます。

例えば、机上配付資料の3の、ページで申し上げますと5ページをごらんいただくと、これは地鶏の一般の生産者も含めての数字なんですけれども、飼育期間の分布ということで雄と雌分かれておりますけれども、かなり幅広く分布しているということです。一番長いものでいうと、飼育期間で270日というのもございまして、それぞれの事業者の方々は、それぞれの飼育している鶏の品質の実態に応じまして一番適切な時期に出荷しているということです。阿波尾鶏の場合は、その適切な時期というのが今現在の80日では実態に合っていないということなんでしょうけれども、では、ほかのところはどうなのかというと、それは別に全然変わらないというところもあるだろうということで、全般的に地鶏肉のJASの規格としては80日を75日にするということですが、5日間短縮しても、ほかのものもおしなべて短縮になるかというと、それはそうではないという議論があったところでございます。

阿久澤会長

そうしますと、他の地鶏肉においても、75日以上で十分地鶏肉の品質は今までどおり確保できるという検討をされたということでよろしいですか。

高崎上席表示・規格専門官

他の地鶏肉についても75日ということでございます。

阿久澤会長

いや、要するに75日以上あれば……。多くはそれ以上今やっているわけですよね。ですから、夏目委員のおっしゃるのは、そういう検討をされたかということですので。

高崎上席表示・規格専門官

わかりました。すみません。原案作成委員会の中で、ほかの地鶏につきましても5日間の短縮でどうなのかという検討というのは、具体的な数字をもっての検討というのは残念ながら、申しわけございません。やってございません。

阿久澤会長

しかし、今の事務局からの説明ですと、ほかの地鶏肉では80日以上のものですよね、現状。ですから75日にしても差し支えないということですね。

高崎上席表示・規格専門官

そういう結論でございます。

阿久澤会長

ということは、ある意味検討はされているということのように感じますが、いかがですか。

高崎上席表示・規格専門官

そういうことで、会長がおっしゃられるように検討をさせていただいたというところでございます。

阿久澤会長

夏目委員、いかがでしょうか。

夏目委員

実態がよくわかりませんので。

原案作成委員会事務局(出島)

じゃ、ちょっとこちらから。すみません。

阿久澤会長

お願いします。

原案作成委員会事務局(出島)

それでは、原案作成委員会の審議の中で、先ほど説明した内容が間違っているんではないかというお話でございましたけれども、先ほど説明がございましたように、今回データが出されたものは阿波尾鶏ということで、その問題、課題となっている部分を解決するためにということでデータに基づいて審議をしたという状況でございますが、それ以外の地鶏肉の生産者等につきましては、ヒアリング等も行ったりアンケート等の結果等を確認をして、それも踏まえて審議を実施しております。最終的に規格を、飼育期間を80日から75日にするということで、阿波尾鶏が直面している問題は解決されるだろうと。さらに、先ほど説明がありましたように、それぞれの地鶏については飼育期間がかなり違っておりますので、そちらにつきましては、それぞれの地鶏で一番おいしく出荷できる飼育期間というのがございますので、そちらのほうに今回大きく影響することはないだろうという審議を委員会の中で行っているということでご理解いただければというふうに思います。

阿久澤会長

ありがとうございます。

ほか、よろしいですか。どうぞ、森光委員。

森光委員

今回の改正につきましては、特に私自身は賛成で、基本的に国内においての恐らく地鶏生産というのは、先ほどの3月5日にあるような「こだわりのある生産者」が頑張っておられます。国内の地鶏について、日にちもすごく長い、日数なんかでいうと270日で、びっくりするぐらい長く、確かに軍鶏系の肉自身は、それほど肉づきが悪いという言い方は変ですけれども、細身が急に太っていくことが性成熟に伴ってという、ある程度の根拠をもって今回の短縮は正しいと考えました。

ただ一方で、今回、例えば母鶏系の種鶏としてホワイトプリマスロックを使っている。例えば、これがもっと肉づきのいい鶏に変わっていって、性成熟がある程度ぎりぎりになるかもしれませんが、若鶏が3カ月未満ですから、もはやどこが境界かわからなくなって、あとは性成熟が始まらない肉の柔らかさを売りにする若鶏と、地鶏の結局、境界線というのがどんどん短縮する方向に向かう可能性があるのかというところが少し気になった点ではあります。

ポイントとしては、なぜ例えば阿波尾鶏さんとか上位2社さんでほとんどこのJASを占めているのか。逆に言うと、例えば生産者全体が、先ほど冒頭で説明があったように、結構このJASの規格に合った形で地鶏についてこだわりを持って生産されているのに、JASを取らない理由は何なのか。逆に、取っていらっしゃるところは顧客への訴求効果という形で机上配付の3月15日、16あたりに書いてはありますが、一方で取らないのは、多分それがあまり、要は一般消費者の方に、鶏肉が売られているところを見て、JASマークの地鶏は見たことがなく、むしろ我々が食べているような居酒屋での売り文句の中で地鶏というのが出ている。そういった中で、なぜ取る人と取らない人の差が、戦略的に違うだけなのか、理由があったら1つ教えてほしい点と、逆にこの規格はあってしかるべきでよかったなと思ったのは、まだ発生してないと思いますが、ちょうど今日の新聞記事にあったような、日本酒の話が国内でつくられて云々とあるように、もしかすると地鶏というのが自由につけられる名称だとしたときに、海外産で広々として、まさにこの規格に合ったようなものというのはまだ出回っていないのかという2点を、簡単ですけれども教えてください。

阿久澤会長

ご意見とご質問とあったと思いますが、質問のほう、2点ございます。よろしくお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

まず、阿波尾鶏以外でJASの格付をなぜ取らないかという理由でございます。地鶏肉のJAS規格自体、任意の制度ということでございまして、地鶏肉の規格と合致した生産方法で生産している地鶏、この鶏肉につきましては、認定を受けなくても地鶏肉という表記ができるということでございまして、JASの認定のコスト、費用対効果の面から、それぞれの生産者の方の戦略で認定をとらない、あるいはJASの格付をしないといった選択を選ばれているのがあるのかなというところでございます。これはちょっと残念なところでございますけれども。

それから、海外産の地鶏の関係ということで、当方でこういったものがあるというのは特段情報としてはキャッチしていないというところでございます。

阿久澤会長

この点について、室長のほうからお願いします。

島崎食品表示・規格調整担当室長

規格全般を担当させていただいております島崎と申します。

ハンバーガーパティのときにもありましたし、今の地鶏肉にもありました、JASがまだまだ普及していないところはどういうことかというご発言が相次いでおります。JASというのは、格付率の非常に高いものから残念ながら低いものまで、結構幅広くございます。高いものは90%を超えているという状態であります。

JASを取る業界さんの考え方なんですけれども、おおむね3つあるんではないかと思っておりまして、1つは、皆さんがお考えのように消費者へのアピール、2つ目は、取引として取引先にJASを取っていますよというアピールができるというのと、3つ目は、JASは取らなくても、その中身を、基準を社内基準として用いたいというのがあります。ですから、例えば認定を取っても、中にはJASマークをつけないで、ただ工場として第三者監査が入るということを一つのメリットとして考えていらっしゃるところもあるという状況で、さまざまな取り組みがあるんだというふうに理解をしております。

今回のハンバーガーパティだとか地鶏肉は、特に消費者の目になかなか触れない状態で、どちらかというと取引規格のような形で運営されているものだというふうに考えています。ただ、皆さんから相次いでいますように、もう少しJASを取ってもらうようにというお言葉は非常によくわかっておりまして、ある意味、事業者の方がやっぱり取りたい、あるいはつけたいという魅力ある規格にどうしていったらいいのかというのが、まず第一に我々の仕事だというふうに思っています。そのことからも5年ごとにこうやって皆さんに審議をしていただく。あるいは社会情勢も変わってくるので審議をしてもらうということが一つだと思っています。

そのほかに、やっぱりPRももう少ししないといけないということは、実をいうと工場さんからもよく言われることなんですけれども、私達として、全然手をこまねいて何もしていないというわけではありません。ホームページ、あるいはJAS協会さんというのがあって、JAS協会さんにも関係者に集まっていただいて、どうやって普及していけばいいのかという議論も、実をいうと、この間させていただいております。特に任意の規格ですので、国が全面的に何か予算をつぎ込んでPRというのは、ちょっと今の時代はなかなかできない状況になっておりまして、JASを取っていただいている方、JASに魅力を感じていただいている方は、それぞれがどうやったら普及できるかというのを今検討しているという状況でございます。私達も、ホームページや、ちょっとしたパンフレットをつくったりしていますけれども、なかなか素人がつくるもので余りいいものができないんですが、そういう努力は今後とも続けていきたいというふうに考えております。

すみません。ちょっと普及について一言だけ。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。よろしいですか。

どうぞ、宮地委員。

宮地委員

机上配付資料の3月10日にあるんですが、(2)に一般生産者という話の中で在来種の血統について書かれている資料が出てきています。これ、ほぼ回答数32のうちの10が血統率が50%、それから14が100%ということで、生産者も二極化しているんだろうなというふうに思います。二極化しているのに、地鶏という話をしたときに1つだけの基準で話をしているので、受け取り方がそれぞれ違っている。じゃ、この50%の肉を今回、その50%の方たちの意見を聞いて飼育日数を短くしましたよ、さらに今後、育種ですからどんどんかけ合わせるところの鶏が飼育日数が短くなってくる。じゃ、その都度もう一度変えるんですかという話をしたときに、この100%の在来種を使われている、地鶏で生産されている方にとっては、やっぱりこれはJASでは売れないよなという、そういうふうな思いをされるんじゃないかなという、そういう気がします。

阿久澤会長

ありがとうございました。ご意見として、森光委員のご発言と同様、今後課題としていく内容かなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

夏目委員

今の件に関していいですか。宮地委員のご意見もごもっともだと思いまして、検討会の中でも、今後の課題として1つの基準でいいのかどうかというのはご議論されていて、それは机上配付の3月28日にも書かれているとおり、例えばフランスでは区分ごとに決めているというようなこともあって、日本もこういうことを今後検討しましょうねというふうに課題に挙げられていますので、今回は上がってきませんでしたけれども、そういう時期に来ているのかなと、私はこの検討会の議事録を読ませていただきましたので、参考までにという発言です。

阿久澤会長

ありがとうございました。

そのほか、ございますか。よろしいでしょうか。

それでは、ご意見も出尽くしたようですので、地鶏肉の日本農林規格について、原案どおり改正するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

異議がないようですので、その旨報告させていただきます。

ここで、議題(1)の審議結果について確認させていただきます。報告案の配付をお願いいたします。

(調査会の報告書案を配付)

高崎上席表示・規格専門官

すみません。今配付したものにちょっと誤字がございまして、2の地鶏肉の日本規格ですが、「原案のとおり廃止」と書いてございますが、これは間違いです。「改正」でございますので、すみません。訂正させていただきます。申しわけございません。

阿久澤会長

今お配りした報告案ですが、今、字句の修正の発言がありましたが、「廃止」を「改正」ということで、皆さん、よろしいですか。

そうしましたら、改正と書いてあるということを前提に、この原案のとおりということでよろしいでしょうか。

夏目委員

タイトルも訂正ですよね。

阿久澤会長

そうですね。タイトルも違いますね。「日本農林規格の改正について」ということで、この報告案の「案」を削除して報告するということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

よろしいですね。じゃ、そういうことで、よろしくお願いいたします。

それでは、続きまして議題(2)のその他についてです。事務局から説明をお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

この調査会の運営規程の一部改正ということでございまして、資料3をごらんいただければと思います。

この農林物資規格調査会の運営規程の中で、JAS法、法律を引用している部分がございますが、食品表示法の施行に伴いまして、JAS法の法律名、名前自体が変わっております。それに連動して、この運営規程についても改正するということでございます。新旧対照表、資料3の2ページ目の第1条、一番上の部分ですが、冒頭「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」という法律名が、現在「農林物資の規格化等に関する法律」というふうに変わってございますので、ここの部分を改正するというご提案です。これは農林物資規格調査会令第8条で、この運営規程につきましては会長が調査会に図って定めるという旨規定されており、この場で事務局のほうからご提案をさせていただいたというところでございます。

以上でございます。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。

法律の題名の改正に伴う調査会運営規程の一部改正について、事務局からの提案です。ご質問はございますか。

どうぞ、井上委員。

井上委員

第1条の最初の「農」の字が消えていますね。

高崎上席表示・規格専門官

すみません。これもミスプリント、ワープロミスでございます。「農」が消えています。3月2日の新旧対照表の改正案のほうの冒頭、第1条で「林物資」となっていますが、これは「農林物資」ということでございますので、ここはきちんと修正させていただきたいと思います。

阿久澤会長

ご指摘ありがとうございます。

そのほか、ございますか。よろしいでしょうか。

じゃ、よろしいようですので、農林物資規格調査会運営規程の一部改正について、事務局からの提案の一部修正を加えまして、これ、字句の修正ですが、改正ということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長

次に、事務局から報告事項があるとのことですので、事務局からお願いいたします。

高崎上席表示・規格専門官

資料4をごらんいただければと思います。

食品表示法の施行等に伴う日本農林規格の一部改正ということでして、もう既に一部JAS規格で、食品表示法等の施行等で改正した部分がございます。それのご報告ということですが、4の1ページ目をごらんいただくと2つございまして、1つは、先ほどもございましたが、法令とか引用している規定の題名の変更ということで、JAS法の法律名が変わっている。JAS規格の中にJAS法を引用している部分がありますので、そこを淡々と改正したということでございます。これにつきましては、3月27日に告示、4月1日に既に施行していまして、対象品目としては書いてあるとおりでございます。

それともう一つは、5月28日に告示、同日施行したもので、ハンバーガーパティにもございましたが、用語統一ということで、「原材料」については「原材料」と「添加物」に分ける。「食品添加物」という文言を「添加物」にかえるといったものです。対象品目としては、ここに書かれているとおりでございます。

あと、具体的な内容、新旧対照表ということで机上配付させていただきました机上配付資料の4、ここに新旧対照表が用意させていただいておりますので、また後でごらんいただければと思います。

以上、報告ということでございます。

阿久澤会長

どうもありがとうございました。

ただいまの報告について、何か特にございませんか。

それでは、以上で本日の全ての議題が終了いたしました。円滑な議事進行にご協力いただきましてありがとうございました。議事進行を事務局にお返しいたします。

高崎上席表示・規格専門官

本日は、長い時間、長時間にわたりましてご審議いただきましてありがとうございました。ご審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに告示ができるよう、所要の手続をもって行っていきたいというふうに思います。

また、一部資料に誤字等がございました点、お詫び申し上げます。

以上をもちまして、農林物資規格調査会を閉会いたします。

なお、この後、この場におきまして委員の皆様方と農林水産省とによる、このJASの規格とは別の案件につきまして若干の懇談を予定しておりますということでございまして、傍聴の皆様方におかれましては、まことに申しわけございませんけれども、速やかにご退席をいただくようにお願いいたします。

以上でございます。本日はどうもありがとうございました。

 

午前11時27分閉会

お問合せ先

食料産業局食品製造課食品規格室

担当:規格専門官
代表:03-3502-8111(内線4357)
ダイヤルイン:03-6744-7182

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