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農林水産省

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農林物資規格調査会議事録(平成28年12月26日開催)

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1.日時及び場所

    日時:平成28年12月26日(月曜日) 14時00分~16時53分

    場所:農林水産省 第2特別会議室

2.議題

(1)日本農林規格の見直しについて

有機農産物の日本農林規格

有機加工食品の日本農林規格

有機飼料の日本農林規格

有機畜産物の日本農林規格

(2)その他

JAS制度の見直し方向について

議事内容

髙崎規格専門官
それでは、定刻となりましたので、ただいまから農林物資規格調査会を開会させていただきたいと思います。

高増委員ですが、10分ほど遅れるという連絡ございまして、まだ到着しておりませんが、始めたいと思います。

本日は、委員の皆様にはご多忙のところご出席いただきましてありがとうございます。

初めに、事務局から、本日ご出席の委員の方々をご紹介させていただきます。

お手元の資料を1枚めくっていただいて、委員名簿をご覧ください。五十音順でご紹介させていただきたいと思います。

まず、秋山委員でございます。

阿久澤委員でございます。

井上委員でございます。

小倉委員でございます。

岸委員でございます。

清水委員でございます。

清野委員でございます。

大道委員でございます。

高増委員は、少々遅れるということで、丸山委員でございます。

村瀬委員でございます。

森光委員でございます。

山根委員でございます。

本日、上田委員と夏目委員の2名につきましては、所用によりご欠席となっております。15名のうち13名がご出席ということでございまして、定数の過半数を超えていることから、農林物資規格調査会令第6条第1項の規定に基づきこの調査会は成立をしております。

なお、本調査会でございますが、農林物資規格調査会運営規程第6条第1項の規定に基づきまして公開となっております。本日の議事内容についても、ご発言いただいた方のお名前を明記の上、後日、農林水産省のホームページで公表したいと思います。ご了承のほどをよろしくお願いいたします。

また、事前に本日の傍聴を希望される方を応募いたしましたところ、24名の応募がございまして、本日傍聴されているということでございます。

それでは、調査会運営規程に基づきまして、阿久澤会長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

阿久澤会長
阿久澤でございます。委員の皆様には、円滑な議事進行にてご協力をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

それでは、早速ですが、議事次第に基づきまして、食料産業局丸山審議官からご挨拶をお願いいたします。よろしくお願いします。

丸山審議官
食品産業局審議官の丸山でございます。農林物資規格調査会総会の開催に当たりまして、一言ご挨拶をさせていただきます。

委員の皆様方には、年末でご多用中のところ、ご出席を賜りまして厚く御礼を申し上げます。

また、日ごろより、JAS制度にご理解、ご協力を賜っておりますことに、この場をお借りして感謝を申し上げます。

本日の議題である有機農産物など4規格は、有機について各国共通の基準を定めるコーデックスガイドライン範囲におきまして、有機生産の取り組みの進展と有機産品の安定供給に資するよう見直しを行うものでございます。

また、JASにつきましては、本年6月に閣議決定された日本再興戦略において、日本産品の品質や特色を担保する制度の検討が位置づけられたことを受けまして、6月29日に開催しました前回の当調査会におきまして、今後の制度のあり方を検討していく旨を報告させていただいたところでございます。その後、取引に活用されるJASのあり方につきまして、ビジネス関係者を中心にヒアリングを重ねつつ検討し、先月、政府の農林水産業地域の活力創造本部におきまして、JAS制度のあり方を見直し、関係法案の次期通常国会提出の検討をすることが決定をされたところでございます。今回のJAS制度見直しは、消費者の適切な商品選択に資するというJASの役割を維持しつつ、我が国の強みのアピールにつながるJAS規格の制定、国際的に通用するJAS認証、そして消費者に分かりやすいJASマーク表示の枠組みを整備する方向で検討をしているところでございます。

本日は、この制度見直しの内容につきましても、ご報告をさせていただきたいと思っております。委員の皆様方におかれましては、何とぞ幅広い視点からの活発なご審議、忌憚のないご意見を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

なお、丸山審議官におかれましては、この後の所用がございますことから、ここでご退席されます。

丸山審議官 どうぞよろしくお願いいたします。

(丸山審議官退席)

阿久澤会長
それでは、議題に入る前に、本日の調査会の議事録署名人の指名を行います。

農林物資規格調査会運営規程第7条第1項により会長が指名することとなっておりますので、今回は岸委員と大道委員のお二方にお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

次に、事務局から資料の確認について説明をお願いいたします。

髙崎規格専門官
それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

本日お配りしている資料ですが、議事次第がございまして、次が資料1、農林物資規格調査会委員名簿でございます。その次が、資料2でございます。諮問と書いてございます。該当部分読み上げさせていただきたいと思います。

28食産第3719号

平成28年12月26日

農林物資規格調査会

会長阿久澤良造殿

 

農林水産大臣山本有二

 

日本農林規格の改正について(諮問)

 

下記の日本農林規格について改正を行う必要があるので、農林物資の規格化等に関する法律第9条において準用する第7条第5項の規定に基づき、貴調査会の議決を求める、ということで、記として、

1有機農産物の日本農林規格

2有機加工食品の日本農林規格

3有機飼料の日本農林規格

4有機畜産物の日本農林規格

以上が諮問でございます。

続きまして、資料の3でございます。有機JAS規格の改正案(新旧対照表)の形になってございます。

その次が、資料の4でございます。有機JAS規格の見直しについてというパワーポイントの横紙の資料でございます。

それから、資料の5が、パブリックコメント等の結果でございます。

続きまして、資料の6でございますが、JAS制度の機能強化と戦略的活用についてということで、これもA4横のパワーポイントの資料でございます。

最後が、資料の7でございます。JAS規格の制定見直しの基準となってございます。

それから、有機の、今回4品目につきましての規格調査の結果及び原案作成会議の報告書につきましては、ファイルにとじたものを机の上に1冊置かせていただいてございます。

以上でございますが、資料に過不足がございましたら事務局のほうまでお申し出いただければと思いますが、よろしいでございますでしょうか。

それと、今しがた高増委員が来られましたので、これで13名ご出席ということでございます。

阿久澤会長
それでは、これから議題(1)の有機農産物、有機加工食品、有機飼料、有機畜産物の日本農林規格の見直しについて、一括して審議を行います。

事務局から説明をお願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
皆さんこんにちは。食品製造課で有機JASを担当している長谷と申します。よろしくお願いいたします。

資料3から5ですけれども、有機の規格4つございますが、結構かぶっているような改正内容もございますので、資料4を中心にご説明したいと思います。

資料4を1枚めくっていただきまして、資料4-1でございます。

有機JAS規格の見直し概要というところで、今回の有機JAS規格の見直しなのですが、有機農産物のJAS規格等について一つ、有機生産の取り組みを進展、やりやすくしましょうということと、有機産品の安定供給につながるようコーデックスガイドラインの範囲において見直しましょうというそういった方針でやってございます。

大きく改正の内容といたしましては4点ございます。

1つは、有機畜産の対象の家きんを追加、具体的には、ダチョウを追加しようと考えています。

2つ目、有機畜産に使用可能な飼料の範囲の見直しというところで、有機飼料と有機畜産物の規格なのですけれども、これはアメリカとか、そういった有機の同等国で有機の格付を受けた餌、飼料については、有機畜産に使えるようにしようじゃないかという改正です。

3つ目、有機生産において使用できる資材の見直し、これは有機農産物とか、有機加工食品とか、そういった生産に使える肥料だとか、農薬とか、食品添加物とか、そういったものの使い方、範囲を見直しましょうということです。

4つ目、その他ということで、規定の整備ということで、これまで規格に書いてあったことが分かりづらかったりしたような内容をわかりやすく明確化するというような改正です。大きくこの4つのくくりで改正しようと思っております。

資料4-2なのですけれども、有機食品というのは、最近どういった状況に置かれているかというところをご説明したものでございます。

有機食品の供給量、生産量は、いずれも横ばいで推移しています。下のほうに、四角で、国内における有機食品の動向というのがございます。上のところは、国内における有機食品の供給量、これは、国内生産プラス外国でJAS格付を受けたものを加えた量の値でございます。大体ここ数年27万トン程度で推移しているというような状況になります。

下のほうは、国内生産量の推移です。大体15万トン程度で推移という、こういった状況になってございます。

一方、有機食品をめぐる最近の動きというところで、小売業者とか、どういった取り組みをしているかというのをトピック的に書いたものが右側のところです。

1つ目は、流通グループが、今年の12月、有機食材を専門にするような、特化した専門店を展開し始めたというような動きがございます。

2つ目なのですが、ファミリーレストランなどにおいても、自社の店舗で有機コーヒーを提供して広げていこうというような動きがあります。ホテルチェーンにおいても、ホテルで提供する朝食のサラダなどに有機野菜を取り込んでいきましょうというようなことで有機農産物に切り替えを図っているというような動きがございます。

3点目は、居酒屋さんにおいても、自社の野菜を有機農産物に切り替えていこうというような取り組みがあり、みずから有機JAS認定ほ場なんかを持って、有機を広げていこうというような動きがあります。

下のほうは、皆さん御存じのとおり、2020年東京オリンピック・パラリンピックがございます。この中の食材調達基準の中で、有機農産物とか有機畜産物を推奨品目にしようという検討をされております。今、パブリックコメント等が行われているところでございます。

有機食品を取り巻く状況は、そういった小売店なんかもかなり扱い始めたというような状況にある中、資料の4-3、めくっていただきたいのですけれども、消費者の方とか、流通業者の方は、有機食品についてどう考えているかということです。そういったもののアンケートがございますのでご紹介します。

有機食品については、上は消費者の方なのですけれども、オーガニック農産物を買いたい、購入したいと思っている方、893名の中で6割5分ぐらいの方が、今は買ってないのだけれども買いたいと思っている方がいらっしゃる。今後とも買いたくないと思っているような方も18%いらっしゃると。それぞれどういった条件があれば買いたいとか、買いたくない理由は何かとか、というのが右側に示してございます。購入したいと思う方も、近所に店があって、そこで売っていれば買うということがかなり上位の理由として挙げられています。購入したいと思わない理由も、どこで買えるかよくわからないというようなことが挙げられており、やはり消費者にとっては、有機食品を購入できる環境が整えば、また少し伸びる余地があるのかなということが考えられます。

流通業者の方におかれては、今後取り扱いたいと思う方、取り扱いたくないと思う方、それぞれいずれも理由としては有機食品、有機農産物が安定的に供給されないとか、安定的な供給の確保が難しいというようなことを課題の上位として挙げられています。今回、こういった課題を少しでも解消できるように、規格の見直しに当たっては、有機食品の安定供給ができるように、また消費者とか、流通業者のニーズにこたえられるように有機生産の取り組みの進展に寄与できればいいかなと考えているところです。

資料1枚めくっていただきまして資料4-4でございます。

皆様ご承知のとおり、有機については各国共通の国際基準としてコーデックスガイドラインがございます。日本をはじめ各国は、これに準拠した有機制度をとっているところです。

さらに、有機については、他国の枠組みを自国の枠組みと国家間で同等と認めますという有機同等性の承認という取り組みも進展しています。

今回、見直しについては、こういった国際的な基準とか、動向の調和を確保しながら見直しを行っていくというところでございます。

実際、コーデックスガイドラインにはどういったことが書かれているかというのを、下の左側に四角で書いています。

基本的な考え方としては、農業とか畜産業に由来する環境負荷を低減した生産方式により生産しましょうというところであります。また地域によっては、その地域に応じたような制度も認めていきましょうというようなことも考慮されています。

生産の方法の基準なのですけれども、主だったところなのですが、農産物については、化学合成肥料とか農薬を使わないということを基本として作りましょうということが挙げられております。

加工食品については、有機原料、それを95%以上使用したものというようなことが決められています。

家畜とか畜産物の生産においては、与える餌というのは有機農産物等を与えましょうとか、過剰な動物医薬品等の使用の制限、病気以外のときには動物医薬品は与えないでくださいとか、動物福祉、アニマルウェルフェアに配慮したような飼い方をしましょうということが生産の方法の基準として書かれています。

有機食品の生産に使用可能な資材の基準ということで、肥料であったり、農薬とか食品添加物等で、それぞれの基準がございますが、使用が必要不可欠だとか、環境とか、健康に悪影響がないということが明らかなものは、使用可能なものとしてリスト化されています。

こういった条件を満たした上で、日本とか、各国ごとに、資材の追加というのも許容されているところです。

右側なのですが、紫のところは、日本と有機同等性を相互に承認している国を挙げてございます。こういった国々の間では、日本のJASを取っていれば、相手国でも、オーガニックとして流通することが可能です。

下のほうのベン図なのですけれども、今回の改正とコーデックスガイドラインの枠組みの関係というのを示しています。畜産物の対象にダチョウを追加するのですけれども、コーデックスではもうダチョウというのは入っていますので、それをJASに取り込んでいき、使える資材も、他国で有機のものというのを日本のJASの中でも有機として扱えるようにしましょうということです。生産資材の見直しであったり、その他、規定の整備ということで、JAS規格の中でわかりやすくしたというようなところの概念図が資料4-4のベン図でございます。

続きまして、資料4-5からなのですけれども、これは具体的に規格をどう変えていくかというところのものでございます。

1点目といたしましては、有機畜産の対象として家きんを追加しますということで、ダチョウの追加でございます。コーデックスガイドラインでは、ダチョウというのは、もう既に有機畜産の対象になってございます。有機の畜産物のJAS規格の中では、家きんというのは、それぞれ鶏とか、ウズラとか、そういった個別に規定していて、ダチョウは今規定されていないので対象となっていないところです。近年、ダチョウについては、国内でも生産者の方もいらっしゃるのですけれども、近年、輸出に向けて取り組みたいと、有機をやりたいというような方がいらっしゃると、そういった方がいらっしゃいますので、そういった意欲の高まりを後押しするために今回有機畜産の対象としてダチョウを追加してございます。

実際、国内でどれぐらいのダチョウが飼われているかとか、余りぴんとこないかと思うのですけれども、平成27年現在、国内においてダチョウは大体2,000羽が飼われています。飼養されている農家の方、事業者の方というのは大体100業者ぐらいです。

お肉なのですけれども、国内で約18トンのお肉がつくられています。主な生産地なのですけれども、茨城であったり、鹿児島であったり、山形というところです。この3県で大体5割ぐらいを占めているというふうに言われております。

輸入についても、年間10トンぐらい入ってきている、オーストラリアとニュージランドが主なところだというところでございます。

こういった国内の状況の中で、JAS規格の中で、いろいろ基準を決めていく中でいるのですけれども、野外の飼育場の面積とか、転換期間とか、そういった基準については、コーデックスガイドラインの有機飼養の考え方、余り飼養密度をぎっちりしないとか、そういったことを踏まえたり、日本におけるダチョウ飼養の実態を踏まえて設定しているところでございます。

ダチョウの生育過程ということで矢印を書いているのですけれども、大体ダチョウというのは、寿命が30年とか、40年とかと言われております。通常、卵から40日でふ化して、そこから、大体7カ月から8カ月で大人になります。お肉にするのは、大体1年ぐらい、8カ月から14カ月と書いてあるのですけれども、大体1年ぐらいのところでお肉にするというところです。卵をとるものについては、大体2年弱のところ、早くて18カ月ぐらいから産み始めますが、2年ぐらいから採卵が可能になります。

写真なのですけれども、実際どういうふうに飼っているかというのが、こういうような感じで、小さいひなの状況から、大人になるにつれて野外で飼育します。野外の飼育場も、ダチョウというのは、柵に沿って走るというような性質があって、長さも1回走ると20メートルぐらい走っちゃうというのがあるので、結構細長い飼育場の形、長辺が20メートル以上のものが必要だというところでございます。

有機飼養の基準といたしまして、飼育場の最低面積をそれぞれ1羽当たり6.6平方メートルで7カ月以上によっては16.5平方メートルとか、体が大きくなったらそれなりに面積が必要であるというところで16.5と定めたり、1回走ると20メートル走るというので、少なくとも長辺は20メートル以上要りますよとか、そういった条件を規定しております。

外部導入の条件ということで、これは自分のところで全て飼うのじゃなくて、外からひなを買いますとか、若鳥を買いますというときの条件でございます。肉用14日齢としていますが、これはひなを外部から買うときというのは、大体2週間程度のものを買うというのが主だったところですので、2週間、14日齢未満のものとしています。卵用というのは、通常2年間、24カ月、早くて18カ月から産むということなので、半年間は有機で飼いましょうということで、12カ月齢未満のものを外から買うときの条件にしています。

転換期間というのも、これは有機でないものを有機として育てるというときに、どれぐらいの期間を飼わないといけないかというような条件でございます。これも、肉用のものについては外から買う、外部購入する場合は大体2週間程度だということなので、ふ化後2週間からお肉にするまでの間は有機で飼うことにしています。

卵につきましても、少なくとも6カ月間は有機飼養したようなものでないとだめだということで、6カ月間は有機で飼うことにしています。これらが、改正の1点目でございます。

2つ目なのですが、有機畜産に使用可能な飼料の見直しというところです。これは有機畜産物のJAS規格、有機飼料のJAS規格に関連するところでございます。

有機畜産の飼料というのは、JASマークのついた有機格付された飼料というのを基本とするなど、コーデックスガイドラインより厳しい基準としておるところでございます。

一方、有機畜産に取り組む方とか、有機のいろいろなご意見といたしましては、有機JAS格付された飼料が入手困難だ、これが有機畜産をやりづらくしているんだというようなご意見がございます。こういったことを踏まえまして、有機畜産の家畜を飼うときに飼料であったり、有機JAS格付する飼料の原料として使用できる、有機の飼料として扱えるものとして、有機同等国格付飼料、例えばアメリカであったり、EUであったり、そういったところの有機認証を受けた飼料を有機原料として扱いましょうということをしようと思っております。

また、有機JAS格付された飼料の原料として使った有機JAS農産物等の同一の種類の農産物を使用可能とするという、有機飼料をつくっていく中で、有機のものと同じ種類の非有機の穀類とか、そういった原料はもう使えないという制限があったのですけれども、それを使用できるようにしましょうというような改正を考えております。

具体的には、下のほうの絵なのですけれども、左のほうは、有機畜産物、有機の家畜を飼うときに与えられる餌、飼料の図でございます。現状は、緑のところ、有機飼料として扱えるところというのが有機JAS飼料と有機JAS農産物、有機JAS加工品等だけであったのですけれども、これまでは、EUとかアメリカとか、そういった有機同等国の格付飼料については、外国では有機の扱いなのですけれども、JASでは非有機として扱っています。それと、非有機と扱うということで、使用にも上限があるというところでございました。今回、有機同等国の飼料を有機として扱うことで、こういった使用の条件を外すことで、有機の畜産物に与える飼料を増やすというか、与えやすいような状況をつくろうというようなことを考えています。

有機飼料についても、右側なのですけれども、有機JAS格付できる飼料について有機原料と非有機の原料に分けてございますが、現状、青のところの有機同等格付飼料は有機原料として扱うことができなかったのですけれども、ここを有機原料として取り扱いますということです。5%以下の条件を外しますというところでございます。現在、下のほうにある点々の枠のところなのですけれども、有機JAS農産物等と同一の種類の農産物等、一度有機原料として使ったものと同じ種類の非有機のものが有機のJASの飼料原料としては使えないというような条件になっておったのですけれども、これは、有機畜産物の生産のほうでは使えるように改正するということもあり、有機JAS飼料の原料としても同じように使えるように改正したいと思っております。これによって、有機JASのついた飼料が有機の畜産農家に回る量が増えていくのじゃないかというふうに考えているところでございます。現状、有機の畜産の牛とか豚とかは、非常に少ないような状況になっています。例えば、有機飼養をしている肉牛なのですけれども、日本国内で約250頭しかおりません。乳牛、お乳をとるための牛についても1,230頭ぐらいです。通常、国内で飼われている牛というのは、肉牛だと249万頭ぐらいいると、同じく乳牛については137万頭ぐらいいるという中で、有機というのは本当に微々たる割合でしかないというのが現状でございます。国内で有機JASの格付された餌、飼料というのも645トン、700トン弱でしかなくて、到底それだけの量では有機の餌として買うのが難しいというような状況です。

次、もう1枚めくっていただきまして、資料の4-7でございます。

これは改正事項の3点目で、有機農産物とか有機加工食品とか、そういったものに使える資材の見直しでございます。コーデックスガイドラインでは、有機生産において使用が必要不可欠なものとか、環境とか健康に悪影響がないとか、こういう点が明らかなものについては、各国において使用できる資材として追加することを許容しています。

こういった条件に該当する資材の一部については、やむを得ない場合に限って使用できるように措置するということで、以下の資材について追加であったり、用途を広げるということを検討してきました。

1つ目といたしましては、有機農産物とか、有機畜産の餌用のものなのですけれども、肥料とか土壌改良資材の追加というところです。

1つは、油かす類を追加しています。これは、これまで食品工場とか繊維工場に由来するもの、例えば菜種とか、そういったものについては、有機溶剤による抽出というのは認められていますが、近年、工業用のもの、そういったものにおいても肥料として使うとか、使えるようなものが増えてきたということで、工業用のものについても、食品と同じように有機溶剤による油の抽出をできるようにしてはどうかと考えております。油かすができる工場由来にせず、油かす類というのをひとつ起こして有機溶剤を使えるようにするというようなことでございます。

2つ目、泥炭でございます。これは、これまでも使えていたのですけれども、用途を拡大しようというものでございます。野菜とか、果樹栽培における酸性側の土壌pH調整目的で使用する、特に果樹栽培のブルーベリーは非常に酸性を好む作物ですので、どうしてもこうしたものに泥炭がいい資材だということで、追加しようとしています。

菌床に使用する資材ということで、米ぬか、ふすまを挙げています。これは菌床栽培のきのこなんかに使う資材なのですけれども、原則は、木材由来、おがくずであったり、木くず、木の粉とか、そういったものは有機だということにしています。それにプラスして米ぬかとかふすまとか、栄養分、窒素分を与えるものについても有機でないといけないという条件を課しております。ただ、土壌における植物の肥料と同様、どうしても入手できない場合、米ぬか、ふすまというのは、有機のものをなかなか分別して管理されていないということがあるので、天然物質とか化学物質処理を行っていないものについては、有機のものが入手できない場合に限り、使用できるようにするという改正を考えてございます。

農薬につきましては、2つ追加しています。

1つは、調合油乳剤です。これは、サフラワー油と綿実油を混ぜた乳剤です。トマトのハダニの防除の目的で使用するというものです。これはコーデックスでも既に認められているような資材でございます。

もう一つは、次亜塩素酸水を追加するというものです。これは、原材料から農産物とか人畜、水産物、植物に影響を及ぼす恐れがないという明らかなものとして特定防除資材、特定農薬として指定されたものでございます。ですから、安全性であったり、環境にはもう問題ないということもあり、殺菌の目的としては適用範囲が非常に広いということで、今回追加するように考えています。

薬剤、ゼラニウム抽出物、シトロネラ抽出物というものなのですけれども、これはゼラニウムとかシトロネラという植物から水蒸気蒸留して得られる抽出物です。それを倉庫なんかの入り口にぶら下げたり、シトロネラというのは、歩行性昆虫などでダンゴムシとか、アリとかのような虫に対して、床に塗ることによって忌避するというような効果があるものです。天然物であり、コーデックスでも認められているということから、これらを追加しようと思っています。

調製用等資材、2つございます。

1つは、ミツロウなのですけれども、ミツバチの巣から取れるろう物質ということで、用途としては、長いもの変色防止なんかに使うものです。これにかわる資材はないということで追加したいと思っています。

エチレンについては、用途を広げるということでございます。現状でも、バナナとかキウイの熟成に使える資材なのですけれども、冬季にはアボカドの熟成が進まないということがあります。バナナなんかと一緒に置いたりと、いろいろ工夫なさっているのですけれども、やはり出荷をうまく調節するためにはエチレンを使いたいということがあります。他国でも使われているということで、今回エチレンの用途を広げるということでございます。

添加物、これは加工食品について追加するものでございます。

1つは、炭酸水素ナトリウムというのがあります。これは重曹と言われるもので、用途を広げる改正です。果実加工品、具体的には、柑橘類、ミカンとかアマナツとか、そういった缶詰などをつくるときに薄皮をむく目的で使用すると、これが唯一のものだということで追加しています。

ヒマワリレシチンについては、これはチョコレートの乳化剤等として使用ということなのですけれども、ヒマワリレシチンは、日本では平成26年まで使えなかった資材で、26年に添加物指定されて初めて使えるようになったものです。有機のJAS規格の中では、使える資材としては入ってなかったのですけれども、コーデックスでは既に使える資材になっており、事業者等の要望があり、使える資材として認めようということです。ヒマワリは、大豆レシチンのように遺伝子組換えの心配もないという、そういった利点もございます。

粉末セルロースなのですが、これは液体発酵調味料を製造する際のろ過助剤として使用するものでございます。パルプなどからできるものなのですが、現在認めているケイソウ土などと併用することで、ろ過の性能がアップしたり、非常に製造工程上いいということがあります。また、燃焼したり、分解するということもあり、結構利点があるということで、今回、追加しようと思っています。

後ほどご説明しようと思ったのですけれども、この中で、パブコメ、当初入れてなかったのですけれども、パブリックコメントの意見を踏まえて、追加したものが2つございます。1つは、農薬のところの調合油乳剤です。もう一つは、添加物のところのヒマワリレシチンというものです。それぞれコーデックスで使えたり、いい資材なので、ぜひとも入れてほしいということがあり、今回、基準、そういったものを踏まえて追加したところです。

資料4-8、最後のページなのですけれども、その他のところでございます。6点ございます。

1点目といたしましては、これまでJAS規格とか通知で示した化学的処理という考え方を定義として規定しようと思っています。具体的にはどういった規定かと申しますと、お手元の資料3の新旧表になるのですけれども、代表的なところで3の1ページをご覧いただきたいのですが、新旧の左側の改正案のところで、化学的処理というのを定義で置いています。これまでは、肥料のところに書いてあったり、別途通知で同じようなことが別々なところで書かれていて、非常にわかりづらいというようなご意見がありました。定義の一つとして化学的処理というのを規定することとしたいと思っています。

2つ目なのですけれども、これまで通知で示してきた保管施設、製造施設等において、有害動植物の防除目的で食品及び添加物を使用できることを明確化するような改正をしています。具体的には、資料の3の4ページをあけていただきたいのですけれども、3の4ページの一番下のところです。5のところに、従来は別表2の農薬、(1)として、有害動植物の防除、別表2の農薬、別表2の薬剤としか書いてなかったのですけれども、食品と添加物というのは使えますよというのを別途Q&Aで通知していたところなのですが、通知ではなく規格で明記したほうがわかりやすいということもあり、ここに食品及び添加物ということを明確化しています。

3点目なのですけれども、これは野菜等の洗浄に用いる次亜塩素酸水の純度の規定でございます。これまで、厚生労働省の通知で示されていた食塩を使ったときの次亜塩素酸水において、食塩の純度の下限が99%以上のものを使いなさいという厚生労働省の通知が出されております。JASでは、単に食塩としか書いていなかったということもあり、今回、厚生労働省の通知の食塩の純度の下限を明記して、わかりやすくしたというものです。具体的には、資料の3を1枚戻っていただきまして、3-3の一番上のところで、食塩水の後に括弧して99%以上と書いています。あと調製用等資材のところでも、同じように、99%というのを入れています。

4点目なのですけれども、菌床栽培とか、原木栽培とか、きのこの栽培、土を使わないきのこについては、栽培前の土壌の管理を要件としないことを明確化しています。土に植えないということから、土壌の管理要件は必要ないだろうということでその部分を明確化しています。具体的には、また資料の3の2ページのところの、栽培場の要件、左側の栽培場のところで、土壌においてという形できのこの限定をしているところです。

5点目といたしまして、これもきのこのことなのですけれども、きのこの廃菌床の再利用に関する規定について、自然循環機能の維持増進を図ることが規定されている有機農産物の生産の原則に包含されているため削除というところです。これは、新旧の資料の3-3のところでございます。3-3の右側、旧のほうになります。栽培場における栽培管理という項の1の(3)として、廃菌床の再利用のことが書かれてございますが、そもそもここの栽培場における栽培管理というのは、きのこの栽培に関してどういった資材を使うのだとか、こういったものを使いなさいというような条件を書いてあるところなので、廃菌床の再利用については、栽培管理と関係ないので、ここから削除という形にしています。ただ、同じような考え方というのは、有機農産物の生産の原則といって、第2条のところに、自然循環機能とか、そういったことが書かれていたり、農業生産に由来する環境負荷を低減しましょうとか、そういった栽培管理するのだよということが書かれておりますので、そこに包含されているということから削除しているところです。

6点目なのですけれども、開拓圃場等で新たに多年生作物の生産を開始する場合の有機的管理の期間の明確化というところです。下に四角のところに書いてあるのですけれども、実際、現状では、2年間以上何もされてなかったところを開拓した圃場で、有機の管理を始めたというときに、有機的管理の期間については、1年生作物についての規定はあると、下の絵が2つあって、上のほうのJAS規格(1年生作物)というような規定です。植えつけ前有機的管理に必要な期間1年間というのがあるのですけれども、これだけが明記されており、多年生作物については、明確な規定はありませんでした。ですから、多年生作物というのは、コーデックスガイドラインの基準を適用し、収穫というのを基準にして有機的な管理の期間を決めていこうという、そういった考え方をすべきところ、JAS規格のとおり1年生作物の基準を適用するのじゃないかという疑義が生じていると、こういったことがないように、今回1年生のものしか書いてないものを、多年生と1年生を明確に分けて、多年生作物については、収穫前1年以上の有機的管理をしましょう、そういったことを明確化しているところです。具体的には、資料の3-1のところになります。従来右側のほうは、圃場の1のところに、中ほどなのですが、開拓された圃場またはとあるのですけれども、そこは播種またはとあるのですけれども、そこは播種または植えつけ前1年という、それしかなかったのですけれども、左側の改正後においては、多年生植物、それ以外の農産物ということで明確に書き分けてどういうふうな対応をしたらいいかというのをわかりやすくしたというところでございます。

改正の主だったところは以上のとおりでございます。

次、パブリックコメントとか、それについてご紹介したいと思います。

資料の5になります。パブリックコメント、5-1なのですけれども、有機農産物のJAS規格の一部改正案については、パブリックコメントは8件ございました。これは、別紙のとおりでございます。

先ほどご説明した中にも土壌の管理要件をしないとか、ほだ木の話などもご説明しました。資材の追加などもこれを受けて追加しましたとご説明したところです。5-3のところで、泥炭があるのですけれども、泥炭については、CO2二酸化炭素を放出するので、泥炭の使用条件の拡大は慎重にあるべきじゃないかというような意見がありました。ただ、環境への悪影響の負荷というのをどこまで考慮するかというのはコーデックスガイドラインにも具体的に規定されていないということがあります。実際に、CO2の放出という意味では、農業機械などの使用においても出てくるとか、そういったこともあり、実行可能性とかを踏まえて、今回CO2については評価はしていないというところ、評価すべき項目じゃないというふうに考えています。

あと、有機農産物のパブコメ、TBT通報をしたところ、1件、アメリカからなのですけれどもきています。5-1のところです。質問として2つありました。きのこの菌床栽培において、米ぬか、ふすまというのは、天然物質に由来するものというのを認められるのかということと、有害動植物の次亜塩素酸水の使用は認められるのかというところでございます。これについては、コーデックスガイドラインでも環境とか健康への悪影響がないことが明らかだとか、そういった要件を満たすものについては、やむを得ない場合に使用が認められております。米ぬかとか、ふすまであったり、次亜塩素酸水というのは、こういった規定と考え方が一致しているというふうに判断いたしましたので、使用が認められるというふうに回答しようと思っています。

2つ目なのですが、きのこの生産において、人工照明を禁止するのかというところでございます。パブコメ案では、当初我々の案では、スプラウトと同様、きのこの栽培において、人工照明を制限しようという案を出していました。それは、諸外国の取り扱いなんかも参考にして、国内栽培のきのこも、人工照明は必要ないだろうということで、このパブコメの案を提出していたところです。今回、アメリカからこういったご意見も出てきたことなどもあり、これまでの我々の考え方と違って、外国では人工光を一切制限していないという、そういった国もあるということが判明したので、再度、各国の影響とか状況を改めて見直した上で、きのこの栽培における人工照明というのをどういうふうに扱っていくかというのを検討していきたいと思っています。ですから、パブコメに出した案から、ちょっと変えておりまして、きのこ栽培における人工光の禁止というのを今のところペンディングというか、禁止というのを削除したというところです。米国に対しても、さらに検討することとしたいというような回答をしようと思っています。

次、有機加工食品については、資料5-4でございます。

パブコメについては2件ございまして、ヒマワリレシチンを追加してほしいというようなご意見がありました。これはコーデックスにも入っていますし、事業者からの要望というのもあり、コーデックスの範囲内であれば認めるという方針から、今回追加することにしています。

TBT通報におけるコメントということで、今回、粉末セルロースを追加しているのですけれども、これの用途は何だとか、成分は何だという質問があり、この回答のとおり回答してございます。液体の発酵調味料、みりんとか、そういったもののろ過に必要だということで追加しています。

有機飼料につきましては、資料5-6なのですけれども、パブコメ、事前意図公告ともにご意見はございませんでした。

有機畜産物につきましては、パブリックコメントが1件、事前意図公告はございませんでした。パブリックコメントについては、家畜の更新する際に、一事業年度の数だけじゃなくて、複数年平均した数で計算することを可能としてほしいということの要望でございましたが、実際、現状も直近過去5年の平均頭数、そういったものを使って計算することになっておりますので、そのように回答してございます。

説明は以上でございます。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

有機食品を取り巻く状況及び改正の4品目についてご説明をいただきました。

それでは、有機4品目の改正について、ご質問やご意見等ございましたらお願いしたいと思います。

はいどうぞ、山根委員お願いします。

山根委員
まず2つ単純な質問と、あとプラス少しあるのですけれども、1つは、新たにダチョウを畜産として加えるというところですが、説明いただいて飼い方のところ、いろいろ基準をいただいたのですけれども、これ以外で、特に餌の中身であるとか、こういったところで特段条件をつけるというような議論は必要ないのですねという確認をしたいのと、あと、ちょっと戻って、4-3でアンケートの結果をご報告いただいたのですけれども、これの消費者が購入に当たってつけている条件というところのその他がとても多いのですが、その他というのはどんな回答があったのか、もし教えていただければと思いました。

それと、有機JASの議論ですけれども、この後の2つめの議題の方でいろいろ出てくるのだと思うのですが、JASの認知度が低いとか、どう差別化を図るかとか、そういったところが長く課題となっている中で、有機JASというのは、成功しているところなのだろうという認識をしています。それは、やっぱり厳しい制限があって、クリアしたものに義務としてつけられると。そういうことで認知をされて、相当数の信頼は得ていると思っています。それだけに、やっぱり見直しは慎重にすべきだし、これまでも使用可能な資材というのはふえてきているわけで、さらに、ふやすことが大きな緩和だというふうに受け取られると痛手になるのかなと少し心配もしています。この改正が、頑張っている有機の生産者にとってどうなのかなというのも素人として気になるところで、これまで苦労してきた生産者が納得する内容なのかということも知りたいと思いました。

それと、もう一つ、行程の管理をする側の人たちの今の数とか、質の確保のあたりに問題はないのかというのもちょっとお聞きできればと思います。消費者としては、やっぱり添加物とか農薬の拡大というところがちょっと気にはなるわけなのですが、そのあたりの改正で、例えば遺伝子組み換えの技術によるものが入る可能性が高まるというようなことがないかということも伺いたいと思います。

とりあえず以上です。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

それでは、大きく4点あったかと思いますが、よろしいでしょうか、お答えいただけますでしょうか。事務局、どれからでも構わないと思いますが。よろしくお願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
ダチョウなのですけれども、飼い方の基準、最低条件とか、幾つか決めておりますけれども、餌については、基本的に若いころは大豆かすであったり、トウモロコシとか、そういったものの割合が高いですけれども、大きくなる、3カ月、半年、7カ月とかになると、アルファルファとか、そういった草とかを非常にたくさん食べるというようなこともあり、十分飼料というか、自給飼料なんかでやっていけるというふうなことも伺っております。ですから、餌の条件については今回特段規定をしていないところです。

2つ目なのですけれども、その他というのがありますが、例えば消費者の方のオーガニック商品を購入したいと思う条件として、栄養が優れていると5つありましたけれども、そのほかに、例えば環境保全に貢献したいとか、農村地域の活性化につながると思うからというようなご意見があったり、いつも買うお店で勧められるからというようなご意見なんかもあるというようなところでございます。

先ほどのなんですけれども、購入する上での条件なのですが、1つは、先ほどちょっと私違うところを読んでいました、すみません。1つは、生産者の情報がわかるということ、生産履歴がわかるということ、見た目がいいというような、そういったものがありました。オーガニック農産物なんか購入したいと思わない理由といたしましては、1つ、虫がいそうだというようなご意見とか、見た目がおいしそうでないというようなご意見なんかがございました。

3つ目なのですけれども、有機JASの認知度なのですが、見直しによって大きな緩和とか、そういった頑張っている生産者をどう思われるかというようなことだったかと思うのですけれども、今回の見直しというのは、コーデックスなんかにあわせてやっていくということもあり、その部分では、そこの基準までやっていきましょうというようなことなので、下げ過ぎているというようなことは考えていないところでございます。

行程管理者の数なのですけれども、これは有機の畜産でよろしいのでしょうか。有機畜産に取り組んでいる農家の方というのは、非常に限られて10から20弱、10ぐらいだと、そういう数字になります。

阿久澤会長
よろしいでしょうか。

ほかございますか、追加で。

長谷食品製造課課長補佐
あと遺伝子組換えなのですけれども、有機で使える、例えば飼料にしても、そういったものについては、遺伝子組換えのはだめ、慣行のものを使ったとしても遺伝子組換えはだめだというような規定がございますので、そういったところでは使われていないというふうに考えております。

阿久澤会長
どうもありがとうございます。

最初の、飼料基準とか飼料内容の基準についてのご確認を今いただいたのですが、その確認で、特に基準はとってないというふうな回答だったかと思いますが、よろしいでしょうか。

はいどうぞ、丸山委員お願いします。

丸山委員
丸山です。

家畜の飼い方につきましては、この新しく加わった家きんも、家きん全般に使用可能な餌という規定がありますから、何も新しく加わったダチョウについて、餌の基準はありませんということではなく、家きん全般の基準が摘要されるというふうに思っております。

それから、山根委員のご質問の中で、現場の生産者の方はどう思っていますかというお話だったと思うのですけれども、この規格の見直しは、2年ぐらいかけてやっておるのですが、そのスタートが、事業者や認定機関等に変更点がある、必要なものがあるかというアンケートを取ります。そのアンケートで、これを追加してほしいという意見は、相当数ありました。その中で、これは原則にあわないとか、これは却下、これは却下、これは却下ときて、残ったのがこれぐらいということで、もっと切実に入れてほしいというような資材もあったのですけれども、それは、やはり原則にあわないということで却下されている資材もありますので、緩くなったということは、生産者現場のほうでは多分思っていらっしゃらないのではないかというふうに思います。

大きく変わったのは、きのこのところだと思っておりますが、そこは多少これまでの生産方法から若干緩和されているという印象を持っております。

阿久澤会長
どうもありがとうございます。

よろしいですか。

山根委員
はい。

阿久澤会長
そのほか、秋山委員お願いいたします。

秋山委員
秋山です。わからないので教えていただきたいのが1点と、それからコメントが1点あります。資料4-7に、やむを得ない場合に限り使用できるように措置とありますが、このやむを得ない場合という基準がよくわかりません。これもやむを得ないのです、これもやむを得ないですとなし崩し的になってしまわないのかなと懸念があり、この点について教えていただきたいです。

次にコメントですが、4-3のところの消費者の意向のところで、購入に当たっての条件の一番多いのが表示が信頼できること、購入したいと思わない理由の2番目に、有機等の表示が本当か疑わしく思うからとあるのですけれども、私も一消費者として結構有機JASのものは買うのですが、有機JASのマークがついてなくても有機と書かれていたり、オーガニックと書かれていたり、無農薬と書かれていたり、実際の表示はまちまちです。後のところで出てくる戦略的活用のところの内容に入るのかもしれませんが、有機JASを、購入している人たちは有機JAS表示についてわかっていると思うのですけれども、それ以外の人たちにもっと広めていくことを強化していただきたいと思います。

阿久澤会長
どうもありがとうございます。

それでは、質問に対してのご回答とコメントに対してコメントがございましたらお願いしたいと思います。

長谷食品製造課課長補佐
やむを得ない場合ということなのですけれども、一つ肥料であったり、農薬とか使う場合なのですけれども、基本的には、ほ壌に周りの堆肥を使ってみたりとか、そういったものでどうしても栄養素が足りないというような場合とか、例えば農薬も、普通は品種を選んでみたりとか、作期をちょっとずらしてみたりとか、草刈りをして、病虫害を除くような形とかするのですけれども、どうしても、それだけではもう手におえないような損害が出てくるような、そういった状況になっている場合とか、そういったのがやむを得ない場合としています。ただ、それぞれ何でもやむを得ないのかというと、それは事業者とかを認定している登録認定機関というのがございますので、そういった機関が個別に対応して判断をしているところです。

2つ目の秋山委員のご指摘なのですけれども、有機農産物や、有機農産物加工食品は、指定農林物資なので、有機JASマークがされたものでないと有機として書けないわけで、仮にそういったものがあれば、それは違法なものなので取り締まっていくという、そういった形になるかと思います。

阿久澤会長
ありがとうございます。よろしいでしょうか。

はいどうぞ、清水委員。

清水委員
清水でございます。

有機食品については、やはりまだまだ少ないと実感していますし、東京オリンピックに向けて調達ガイドラインに対応できるのだろうかと感じておりましたので、全面的にこの内容は賛成です。

その上で2点ですけれども、この有機JAS規格が見直されても、すぐに有機農産物や有機加工食品ができるわけではなく、ある程度時間がかかると思いますが、2020年、3年後ぐらいに国内における有機JAS食品の生産量が、現在150トンであるところがどのぐらいふえるような見積もりをしていらっしゃるのかというのが一つ質問です。

それからもう1点、今の資料の4-3の消費者と流通業者の意向のところで、秋山委員もちょっと言及しておりましたが、消費者の結果では、表示が信頼できれば買いたい、だけれども、本当に信頼できるか疑わしいという意見があります。逆に、流通の結果では、生産履歴が明らかでないと取り扱えないとか、取り扱いたいと思わない人は、慣行栽培との違いがわからないというような答えも流通の人でもあります。これらの結果を見ると、有機JASのマークがついていても、それが本当に信用できるのか、今回の改訂のように、例えば肥料も輸入のものでも大丈夫というように広がると、ますます見えないところではちゃんとやっているのか心配が増す可能性があります。そのあたりについては、評価というか、審査というか、抜き打ち検査なのかわかりませんが、きちんと担保していっていただきたいと思います。

以上です。

阿久澤会長
ありがとうございます。

それでは、事務局お願いいたします。

松本食品規格室長
食品規格室長の松本です。

ご質問2点あったかというふうに思います。1点目は、3年後ぐらいの有機の見通しということですけれども、これはあいにく数字を持ち合わせておりません。有機に取り組みやすくなるようにということが今回の改正の趣旨であることは間違いないのですが、当然、規格だけで対応する話ではなくて、まず生産者と、それから、その扱う流通のマッチングであるとか、いろいろな課題があるのだろうというふうに思います。そういった課題をオリンピックなどに向けて、一個一個解決していくということだろうと思っておりまして、今日この場では、規格でそういった取り組みに資するというような内容を提案させていただいているということでございます。

それから、2点目の、有機JASの信頼性、JAS一般の信頼性ということだというふうに思います。先ほどのお話でも共通する部分があるのですけれども、結局、まず規格の中身がちゃんとしていることが重要なのと、その規格の中身がちゃんと守られていることが重要だというふうに思っています。規格の中身については、先ほど丸山委員からもお話ありましたけれども、2年にわたっていろいろと議論をいただいて、今回もパブリックコメントであるとか、この調査会であるとか、そういうところでご議論をいただいて決定するものであるので、中身としては、適正のものであろうというふうに思っております。

取り締まりのほうですけれども、こちらは、先ほども、秋山委員からも、有機なのかどうかわからないものがあるというお話がございましたけれども、少なくとも有機に関して言えば、マークなく有機と言っているものがあれば、それは違法ですので、むしろそういう情報をどんどんお寄せいただいて、我々も一罰百戒じゃないですけれども、不適正なものは徹底的に取り締まるということだというふうに思っています。今日この後の話とも関係するのかもしれませんけれども、適正な表示であるとか、あるいは信頼できるJAS制度ということで我々も引き続き普及啓発とか、そういったことにも努めていきたいというふうに思っております。

以上です。

阿久澤会長
ありがとうございます。

そのほかございますか。

はいどうぞ、高増委員。

高増委員
高増です。

ちょっとダチョウのところでお聞きしたいのですけれども、やはり輸出のことを考えてとおっしゃっていたので、オーストラリアとかニュージランドが、コーデックスのほかに何かしら規定を設けて、それで認証しているのかどうか。また後から追加で制度を変えるよりは、ほかの国を参考にし、ダチョウ肉の生産や輸出の多いところに見習うというようなことがされたほうがより効果的ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。

阿久澤会長
それでは、事務局のほうからお願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
輸出については、今、ダチョウの規格というのはコーデックスガイドラインにあわせた形でつくってございますので、それで他国が有利じゃないとか、そういったことというのは余り考えられないかなと思っています。

日本のJASの認定を受けたダチョウであれば、衛生面とか、経費とかあるかもしれません、それは別といたしまして、有機と認めたものは、例えばオーストラリアに出すに当たっては、当然有機として流通できることになりますので、その辺の懸念はないかなと思っています。

阿久澤会長
ありがとうございます。

はいどうぞ、大道委員。

大道委員
ダチョウの場合ですと、肉用と卵用とあると思うのですが、卵のほうに関しては、やはり有機JASがついた形での卵が販売されるということでしょうか。そうすると、先ほどは肉の流通の量とか、それから輸入の量というのは、お話がありましたけれども、ちょっと卵のことに関しては余りお話がなかったので、これについても教えてください。

阿久澤会長
事務局のほうからお願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
お肉とかの量については、いろいろ調べてわかったのですけれども、卵については、具体的な統計とか、ちょっと入手できなかったもので、すみません、そこはちょっとわかりません。

卵については、今の鶏卵と同じく、ダチョウの卵にJASマークがつく、有機で流れるようになったらJASマークがつくということになります。

阿久澤会長
ありがとうございます。

よろしいでしょうか。

丸山委員どうぞ。

丸山委員
丸山です。

今回の改正は、個人的には大枠賛成ということで、それでちょっと質問なのですけれども、原案作成委員会からの報告が今回はないということでいいのですか。

阿久澤会長
私は伺ってないですが、いかがでしょう、事務局のほうでは準備はされてないでしょうか。

長谷食品製造課課長補佐
こちらから簡単には、お手元のファイルにあるとおりなのですけれども、一昨年、2年前から有機の農産物と加工食品については、5回にわたって審議してきたと、その中で資材については、小委員会を設けて3回審議してきました。当然、きのこの話が出てきたり、資材については、要望のあったものをいかにして振り分けるかというような審議があって、原案として挙がってきたものがこれです。原案として挙がってきたものプラス我々のところでパブコメを踏まえたり、そういったもので直したというのが今回お示しした改正案でございます。

有機畜産、有機飼料につきましても、過去3回にわたってご議論していただきました。その中では、一番問題になっているというのは、やはり有機の餌が入手困難になってきているので、その辺を何とかしてほしいというようなご意見があり、その辺を中心に議論してきたというふうなことでございます。

資材とかについては、いろいろな規格に反映してくるので、それぞれのところに、新旧のところに反映されているというような状況でございます。

以上です。

丸山委員
それを踏まえて意見を。

阿久澤会長
はいどうぞ。

丸山委員
それで、今回、大変農水省の方は頑張ったなという印象を持っておりまして、それはなぜかと言うと、原案作成委員会で原案できました。そそれで、10月の下旬にパブリックコメントで改正案を出した際に原案から規格が若干変わっていて、これはやや若干ですけれども厳しい方向でパブリックコメントの改正案が出されていて、そしてパブリックコメントの結果、パブリックコメントの意見を積極的に活用し、コーデックスで認められる範囲の中では、どちらかというと柔軟に見直そうという方針が伺えるのです。ですので、柔軟に見直しをされたという事務局の方針というか、見直しに当たっての動きというか、考え方、これに私は非常に賛成をしております。

結論として、この規格案に賛成をするのですけれども、ただお願いが2点ほどございます。

1つは、有機農業、特に有機栽培のほうですけれども、農薬を使わないとか、化学肥料を使わないという、そういう中で、どうやっていい品質のものをつくるかという農家さんの努力があります。その中で新しい技術ができたり、新しい資材ができたりします。これは今回改正になって、次の改正が5年ということになると、新しい技術や資材は原則を満たしているのにまた5年後に再度申請をするというようなことになり、かなり時期が長過ぎるというふうに思っておりまして、できれば、この規格の見直しを5年と言わず、特に別表の資材につきましては、もう少し頻度を短くして見直しするような、そういう仕組みができればいいのではないかなというふうに思っております。もちろん、コーデックスの範囲で、有機栽培の原則をまず前提として見直すということなのですけれども。

2つ目のお願いは、規格が変わりますと、いつもQ&Aというその規格を解説するというか、解釈を示すQ&Aというのが出るのですけれども、その中に、今回、原案作成委員会等で議論されている内容で、例えば、今人工照明の話が出ましたけれども、例えば人工空調とかというのも議事録の中に入っておりまして、それはこの規格ではどういうふうに解釈するのかといったような、非常にちょっと個別の話題になりますけれども、そういう過去議論してきたものがこの規格でどう解釈されているのかというのをQ&Aで盛り込んでいただければというふうに思います。

以上です。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

要望のほうで2点ほどありますが、これに対してもしコメントございましたらお願いしたいと思います。

長谷食品製造課課長補佐
Q&Aにつきましては、必要なものは、いわゆる改正とかしていって、不必要なものというのは、従来のQ&Aなのですけれども、改めて整理していきたいと思っています。

松本食品規格室長
別表の件ですけれども、まず一般論として、JAS規格、国家規格ですので、余り頻繁にころころ、ころころ変わるのは生産であるとか、取引の安定性ということを考えると、それは必ずしも好ましくないのだろうというのが基本としてはあります。ただ一方で、技術の革新であるとか、生産の合理化に資するとか、取引の円滑化に資するような改正というのは、これは別に年限にこだわらなくても行っていいのだろうというふうに思っています。特に、今後のJASのあり方ともかかわりますけれども、現に使われて、実際社会経済に役に立っていくものとしていくためには、やはりそういった時代の要請に応じて変えていけないところは変えないし、だけれども変えるべきところは変える、そういう柔軟な運用が必要だろうというふうに思っております。今直ちに何年後ということは申し上げられませんけれども、その辺は柔軟に対応できればというふうに思っています。

阿久澤会長
ありがとうございます。

はいどうぞ、井上委員
お願いいたします。

井上委員
ただいまの質問とちょっと関連するのですが、パブコメの5-1で、人工照明につきまして、さらに検討するということで、この規格改正では、人工照明の取り扱いはどういうふうに理解すればよいのでしょうか。

阿久澤会長
お願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
人工照明については、使用できるというふうに解釈いたします。

阿久澤会長
はいどうぞ、山根委員。

山根委員
先ほど、私の質問の中で、有機の生産者の数や質の確保に問題はないかというふうに言ってしまったのかもしれないのですが、認定をする機関のほうの数とか、あと均一なルールでやっているかというか、質、そのあたりに何か課題があるのですかということを伺いたかったのですが、すみません。

阿久澤会長
事務局お願いいたします。

長谷食品製造課課長補佐
登録認定機関ですけれども、現在、国内で有機は56機関あります。外国で13だったかと思いますが。トータル70機関近い機関がございます。

山根委員
順調に運営されて問題ない。

長谷食品製造課課長補佐
一応IS0登録基準に基づいてやっておるというふうに理解しています。

阿久澤会長
どうもありがとうございます。

ほかございますか。よろしいでしょうか。

山根委員
わかりました。

阿久澤会長
それでは、ご意見等出尽くしたようですので、この有機4品目については、改正どおりということでよろしいでしょうか。

(「異議なし」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長
異議がないようですので、その旨報告させていただきたいと思います。

それでは、事務局から報告(案)の配付をお願いいたします。

(調査会の報告(案)を配付)

阿久澤会長
お手元に渡りましたでしょうか。

それでは、お配りした報告(案)は、いずれも改正案のとおりとなっておりますが、それでよろしいでしょうか。

(「はい」と呼ぶ者あり)

阿久澤会長
それでは、報告(案)の「(案)」です、これを削除して報告することといたします。

なお、今後、告示の手続を行うに当たり、内容変更を伴わない字句の修正等が必要な場合にあっては、事務局と調整するということで会長一任とさせていただきたいと考えますがよろしいでしょうか。

(うなずく者あり)

阿久澤会長
ありがとうございます。

それでは、そのようにさせていただきます。

それでは、この後の議題がおよそ1時間ぐらいを予定しておりますので、ここで、一旦休憩をとりまして、15分ということで、そうしましたらきりのいいところの3時50分再開とさせていただきます。

後3時38分休憩

午後3時48分再開

阿久澤会長
皆さんおそろいのようですので、わずか早いですが、再開させていただきます。

それでは、続きまして、議題(2)のJAS制度の見直し方向についてということで、事務局からご説明お願いいたします。

松本食品規格室長
それでは、資料6という紙がお配りしてあるかと思います。

JAS制度につきましては、今年の6月、冒頭丸山審議官からのご挨拶でもありましたけれども、日本再興戦略の中で、輸出力強化という文脈ですけれども、日本産品の品質であるとか、あるいは特色、特長のアピールにつながる制度の創設を検討していくということがうたわれまして、その旨につきましては、この調査会でも6月にご報告をさせていただきました。

その後、随時検討を重ね、先月、取りまとめられました農林水産業地域の活力創造プランというところで、次の国会への法案の提出を検討するということが位置づけられております。

今日は、6月以降の検討の結果、我々として制度をこういう方向で見直そうと考えている内容について、ご説明をさせていただきまして、ご意見等々を伺って、法案化の作業に移っていきたいということでございます。

資料に則してご説明させていただきます。

まず、1ページ目をご覧ください。

今国内の食市場が縮小しているという、人口減少に伴って、今後国内のマーケットが小さくなっていくという中にあって、輸出は、我が国の農林水産物、あるいは食品の販路拡大にとって非常に重要であるということが挙げられます。

他方、海外市場では、食文化であるとか、あるいは商慣行が国、地域によって異なるということですので、特に海外市場では、規格、あるいは認証というのを活用した取引が発展してきていると。特に欧州などでは、昔から、国境を超えた取引というのが当たり前であったことから、例えばISOであるとか、そういった枠組みなどが発展してきているというのが非常にわかりやすい例ではないかというふうに思います。

こちらの1ページに取引における活用という枠がございますけれども、ここにありますとおり、価値観であるとか、文化であるとか、あるいは商慣行が異なる人たち同士が、見ず知らずの相手に対して、見たこともないような商品を売っていくといったときに、その商品がいかに確かなものであるかと、その事業者がいかに信頼できる者であるかといったことを証明するときに、この規格にあっていると説明の拠り所としたり、それを第三者が認証するという形で規格・認証を活用することで、相手も信頼しやすくなるし、売り手のほうも売りやすくなるといったように海外との取引では役割がとりわけ大きいのではないかというふうに思っております。さらに、その下にありますけれども、規格・認証を戦略的に活用することでもって、自国にとって強みのあるもの、これを規格にして、この規格に適合しているというようなことで商売をしていくと、我が国が優位な立場に立てるのではないかということを考えております。

もう1ページをめくっていただきまして、そういった国内の規格というのは、国際規格になっていくと、その内容がさらに各国の共通認識として、自国に有利な競争環境の整備に直結するのではないかということで、今後、JAS規格をコーデックス、あるいはIS0といった国際規格に提案していく。逆に、コーデックスであるとか、IS0といった国際規格になっているもので、我が国にとっても、有利に働くようなものがあれば、それをJASの中にも取り込んで、そういった製品の生産などを促して、海外に出していくといったような取り組みが必要なのではないか。こういった問題意識から、次の3ページのところですけれども、日本再興戦略2016等においても、規格・認証の枠組みであるJASを活用した日本産品の品質や特色を担保する制度の検討というのが位置づけられまして、今般、先ほども申し上げましたけれども、農林水産業、地域の活力創造プランというところで、このJAS法に基づくこれまでの制度のあり方を見直し、関係法案の次期通常国会提出を検討するという旨が位置づけられたところでございます。

もう1ページおめくりください。

今回の改正の契機は、輸出促進であるとか、輸出力強化、国際競争力の強化といった文脈からなされているわけですけれども、一方で、現行のJAS制度、これを見てみますと、JAS自身、認定事業者の減少であるとか、あるいは格付率の低下といったことが見てとれるというのが現状でございます。

左上のグラフですけれども、格付率が8割を超えている品目というのがだんだん減っていて、格付率4割未満といった品目がふえていると。あるいは、右側にありますけれども、食品事業者全体も減っておるのですけれども、それを上回るスピードで認定事業者の数が減っているというような状況。こうした状況に対して、現に認定を受けている認定事業者さんからも、JAS制度については、例えば品質以外の基準が消費者に重視されてきているのじゃないかとか、あるいはJAS規格、JASマークの内容が消費者になかなか理解されていないのじゃないのかとか、あるいは業界全体の品質の向上、消費者目線の厳しさから、一定以上の品質であることは当然といったような認識があることなどがこういった要因ではないのかといった声があげられている状況もございますので、JAS制度のあり方の見直しを行うに当たっては、JAS制度が事業者の競争力の強化と、それから消費者の選択のツールとして引き続き機能が発揮されるような、そういった方向で検討していきたいというふうに考えておる次第でございます。

続きまして、5ページです。一応改正の全体の方向を俯瞰する資料として準備させていただきました。

こういった状況を踏まえて、今回のJAS制度の見直し、これに当たっては、規格の対象や内容の充実、あとは認証の訴求力の向上といった枠組みを整理していきたい。さらに、規格・認証を戦略的に制定、活用できるような人材の育成なども進めていく。これらを足掛かりとして、国際規格化につなげて、我が国の競争力を強化していくということで、大きな柱として3本。強みのアピールにつながるJAS規格の制定、それからアピールにつながるJAS認証とわかりやすいJASマーク、それから最後に、JAS規格の制定と国際規格化への対応力の強化と。専ら3番目は、運用の話でございます。制度の話としては1番目と2番目。以下、1番目と2番目を中心に詳細をご説明させていただきます。

続きまして6ページですけれども、まず強みのアピールにつながるJAS規格の制定ということで、こちらも柱を2本ほど立てさせていただいています。

1つが、JAS規格の対象範囲の拡大、それからもう一つが関係者の発意によるJAS規格の制定の推進ということでございます。順次説明をさせていただきます。

まず最初の、対象範囲の拡大でございます。現在のJAS規格は、産品の品質の規格、あとは生産方法、あるいは流通方法に特色があって、価値が高まるという、広い意味での品質の規格に現状のJAS規格というのは定められる範囲が限られているということでございますけれども、今後は、産品の普通の製法、一般的な製法であるとか、あるいは事業者の運営管理の方法、あるいは産品の測定・分析方法等にも拡大したい。この後、幾つか例をお示ししてご説明させていただいていますが、ありていに言うと、規格が必要な場面において規格がつくれないといったことがないように、いろいろな規格が定められるようにしたいという内容でございます。

こういういろいろな規格が定められることによって、従前ですと、品質が出荷後に変化してしまうような生鮮品であるとか、品質以外の特長があるようなものとか、ノウハウ、産地や企業の秘伝・秘密があるようなものだとなかなか規格にしてオープンにするということが難しかったわけですけれども、こういったケースにおいても規格を活用したアピールができるようになるのじゃないかと考えております。

さらに、先ほども申し上げましたけれども、我が国の強みのアピールにつながる規格を定めて、これを足掛かりとする国際規格化を指向。逆のベクトルですけれども、海外で通用している国際規格、これをJAS規格に取り込んで、海外市場で売れる産品の生産を促進。これにあわせて、JAS規格の番号であるとか、様式であるとか、こういったものも国際規格との整合化を順次図っていきたいというふうに考えています。

こうした我が国の産品であるとか、あるいは事業者さんの強みのアピールにつながるような規格については、実際に何が強みになるのかといったことというのは、やはり現場でビジネスをされている方、現場で生産活動を行っている方、あるいは現場で農林物資を取り扱っている方、そういった方々にこそ、規格化のニーズなり、シーズなりというのがあるわけですので、そういった現場の声が規格に反映されやすい、あるいは現場の声がそのまま規格にできるような、そういった枠組みを整備するということをあわせて考えております。

それでは、1点目の、対象範囲の拡大ということですけれども、幾つか以下例をお示してご説明したいというふうに思います。あくまで例ですので、もちろんこのほかのものも何でもつくれますし、そこは柔軟にとらえていただければというふうに思います。

まず7ページです。グルテンフリー食品であることをアピールしたい場合というふうにあります。これは、品質の規格ですので、現在のJAS法のもとでも作れます。作れますけれども、なかなか従来そういった海外で受けるものの規格というものを翻訳してJASにするといった発想がございませんでしたので、今後、そういった取組を進めていきたいという一つとして例示させていただいています。

グルテンフリー食品は、不耐症の予防ということで海外で人気があります。グルテンフリー食品については国際規格としてコーデックス規格がございますので、これをJAS規格化して、これに該当する日本の産品について認証すると、例えばこの絵でございますけれども、せんべいであるとか、あるいは高野豆腐であるとか、高野豆腐を高野豆腐として売っていくのはなかなか大変であろうというふうに思いますけれども、グルテンフリー食品だと言って売っていくこともできるようになるのかなというように思っております。

続きまして、8ページ、例えばこだわりのつくり方であるとか、あるいは保存の仕方とか、そういったものをJAS規格にするということで、商品の品質を規格にするだけでは表現しきれない特長がアピールできると、あるいは出荷後に品質が変化するものであっても、つくり方であればアピールができるというようなことがあるのかなというふうに考えています。

具体例を2つ申し上げます。

1点目が、抹茶の例でございます。どこの国とは申し上げられませんが、あまり質のよくない茶葉を粉末にして抹茶と称して流通させているような実態もございます。こういった実態を放置しておくと、日本の抹茶と怪しげな抹茶のどっちが抹茶なのかが世界においてはわからなくなるというようなこともございますので、例えば日本の伝統的な抹茶の製法を、これを規格にすると、そうしたつくり方をしている抹茶を認証して、オーセンティックな抹茶だというようにしてブランディングをしていくと、本物として類似品との差別化ができるというようなことを考えております。

それから、右側は納豆です。納豆は、どんどん発酵が進んでいってしまうということもあって、なかなか品質の規格にはなじみにくいというところございました。しかし、これを、例えばアジアのほかの大豆発酵食品と差別化をする、あるいは日本の食文化を維持し、海外に広めるといったようなことから、今、製法を中心としてコーデックスの規格、これをつくろうと取り組んでおります。取り組んでおるのですけれども、実際には、アジア諸国は臭豆腐だとか、テンペだとか大豆発酵食品がありますので、そういった大豆発酵食品群ということで規格化すべきではないかといったような議論も進んでおります。こういったときに、納豆のJAS規格ということで、きちんとしたカテゴリーを作っておくと、大豆発酵食品群のコーデックス規格の中にも、納豆という独立した章が立てられて、固有の地位が確立できるのじゃないかというようなことを今考えております。

それから、続きまして、9ページです。

こちらは、物そのものの規格ではなくて、事業者の生産方法、あるいは流通方法、こういったものを規格にして、そういった流通方法であるとか生産方法をきちんと運営管理できる事業者さんを認証することによって、その事業者さんの運営管理能力が客観的に証明できるだけでなく、こういった事業者さんが取り扱う日本の産品についても一定の管理がなされているということのアピールができるのじゃないかというふうに考えております。一つの例ですけれども、鮮度の高さをアピールということで、矢印の絵が2つ書かれています。まず左側の絵ですけれども、これは、先ほど申し上げたような、例えば一定の温度で保管ができたり、あるいは輸送ができたりする能力のある事業者さんについての規格をつくって、この青く色が塗られている人たち、この人たちが仮にそういう能力のある人たちだと認証を受ければ、例えば農協であるとか、仲卸さん、これはほかの農協、仲卸さんとは違って、そういった温度管理がしっかりできるということが見える化されます。例えば産地で朝摘みのイチゴとか、朝摘みトマトといったようなものを農家がしっかり予冷をして、市場に出したりするわけですけれども、仲卸さんの扱いがいい加減だったりして、せっかくの鮮度が台なしといったようなケースも、こういった形で事業者の能力の差別化ができると仲卸さんを使えばよいかという、こういう選択の指標にもなります。

さらに、右側の絵ですけれども、これ全員がそういった能力を認証された事業者さんの場合ですけれども、こういった人たちが扱っている物であれば、このイチゴはいずれもしっかりとした温度管理のもとリレーされて流通しているものだということなので、根拠を持って新鮮というアピールが可能になるのじゃないかというふうに考えています。

それから、最後、10ページでございます。

先ほどの例とは若干毛色が違うものを並べさせていただいています。測定・分析方法ということで、例えば最終製品の成分であるとか、あるいはDNAとか、そういったものを同じ物差しで比較できるようにする、同じ物差しで比較できるようになるので、どっちが優れているかということが客観的に明らかになるというものです、したがって、我が国に優位性のある物のはかり方を規格化して、日本産品がほかの産品よりもすぐれているのだというようなプロモーションにつなげられるのじゃないかというふうに考えております。特に時間が経つと品質が異なる生鮮品であるとか、あるいは営業秘密や秘伝といったものが絡んでいるようなものというのは、なかなか規格にしづらいところがございますけれども、プロセスではなく結果の分析によって優劣を判断するということで利用価値があるのじゃないかというふうに思っています。

左側の養殖技術の高さという例ですけれども、我が国の各養殖事業者さん、いろいろな創意工夫、ノウハウを開発して、臭みの出ないような養殖技術というのを使っております。ただ、養殖技術自体は企業秘密なので、これは規格化できない。だけれども、臭みの測り方を、物差しを揃えることで、この養殖魚の臭みは、天然並みだということが客観的に明らかになりますので、例えば取引に当たって、自分という事業者は、養殖技術が高いのだと、ほかの産品も当然高い養殖技術でもって供給が可能なのだといったようなプロモーションができるだろうと。あるいは右側のホウレンソウの例です。寒締めのホウレンソウなんていうのは、海外ではほとんどないわけですけれども、寒締めというこだわりの栽培方法をすることによって、糖度が上がるとか、あるいは機能性成分であるルテイン、これが上がるといったようなことが、これが客観的に証明できますので、この栽培技術、あるいは寒締めホウレンソウの質のよさといったものが海外にも根拠を持ってアピールできるというようなことにつながるだろうというふうに考えております。

こういった多様な規格をつくれるようにして、ゆくゆくは我が国にとって有利になるようなものであれば、これを国際規格にしていくということを検討している次第であります。

続きまして、11ページです。これは先ほど申し上げた2番目の柱の認証、それからJASマークの話でございます。

こちらも2つ柱を立てております。1つ目が、国際的に通用する適合性評価手続の整備ということ、それから、もう一つが認証内容がわかりやすいJASマーク表示ということ。

まず適合性評価手続の整備ということですけれども、規格にあっているということを第三者が客観的に証明するというのが今のJASの仕組み、登録認定機関制度でございますが、今回、JAS規格の類型をいろいろと拡大をしますので、現行の第三者認証制度の枠組みをこういった新しい規格にも適用できるように拡充をしていくということ。

それから、評価・分析方法については、こういった規格に適合した試験がしっかりできるという試験機関を登録するという仕組みを創設しようというふうに考えております。その際、第三者認証機関、あるいは試験所の登録基準、これは引き続きIS0の基準を採用する。あわせて、審査実務を担うFAMIC、こちらがIAFであるとか、ILACであるとか、こういった審査実務を担う機関が相互にお互いの能力を認め合う機関がIAF、ILACでございますけれども、こういったところへの加盟も視野に入れて、この審査の適正性ということの信頼も上げていくということを考えております。さらに、JAS規格による適正な民間認証、自己認証等というのも進めていくということ。

それから、2つ目のJASマークのほうですけれども、こちらは、今のマークが、一見して何を認証しているのかよくわからないといった問題、事業者からもそういう声がありましたけれども、一見して認証内容がわかるような標語をマークに表示するようにしようと。さらに、今後JAS規格が増大してもマークが認知されるようにするために、マークを整理統合したいというふうに考えておる次第でございます。

次のページに、マークの話、詳し目にご紹介させていただいています。

まず、標語につきましては、一見して認証内容がわかるように、規格ごとに、その内容を端的にあらわす標語を表示し、さらに、海外市場向けも想定して、外国語の標語というのも設定できるようにしようというふうに思っております。

それから、もう1点ですけれども、現在は、マークの様式が右側の上にございますとおり4種類ございます。今後、さらに事業者の認証マークであるとか、あるいは試験証明書のマークとか、そういったものも必要になってくるわけですけれども、マークの種類が多くなると、一個一個のプレゼンスが下がってしまうということもあるので、規格の種類がふえるこの機会に、認知度が今一番高い、いわゆる丸JASに統一をするというのを原則としつつ、有機JASについては、指定農林物資であるとか、あるいは海外の認知度も一定程度あるといったようなこともあるので、有機までは残すこととしまして、他方で、特色製法のJASであるとか、あるいは情報公開を意味しているJAS、これらについては、当面は併用を可とするものの、最終的には廃止をしていくというような方向で検討をしております。

今、るるご説明申し上げてきた内容を、絵にしたものが一番最後、13ページの絵ということになります。現行の仕組み、規格の制定と適合性評価という2つの大きな柱がございます。このうち、規格の制定の部分について言えば、今、JASで定められる規格というのが、品質の規格、それから生産の方法と流通方法のうちでも、特色があって、市場価値が高まるという品質の一類型だというふうに理解できますけれども、こういったものに限られています。これを、いろいろな規格が定められるように見直しを行うというものが1点。

それから、適合性評価というほうでございます。現在は事業者を認定機関が認定をし、認定を受けた事業者は、JASマークが使え、この認定機関を農林水産大臣が登録をすると、こういう仕組みになっているわけですけれども、この基本的な仕組みは維持しつつ、新しくできる規格の(イ)にも対応できるように、青いところの枠組みを広げるとか、あるいは、(ウ)、測定・分析方法の規格に対応した試験が行える試験所というのを、緑の部分、試験・検査機関というのを大臣が登録できるようにするといったような仕組みに変えていこうというふうに考えております。

以降は、参考でございます。詳細は割愛させていただきますけれども、ざっくりと申し上げますと、この絵自体は、国際標準化に各国がある意味競って取り組んでいるということをあらわしている資料でございます。国際規格化の枠組みとしても、いろいろな枠組みがございます。代表的な枠組みとしてコーデックス、あるいはIS0、民間の取組であるGFSI、さらにデファクトスタンダートと言われますけれども、事実上の国際化と、こういったものがありますけれども、どの枠組を活用してどうやって自国にとって有利な規格を作っていくか。胡椒であればインドとかインドネシア、あるいはウーロン茶であれば中国であったり、こういったいろいろな取組が行われている中で、15ページにございますけれども、我が国も今後、こういったいろいろな規格を使って、戦略的にアプローチをしていくというようなことを考えているという次第でございます。

簡単ではございますけれども、私からは以上になります。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

ただいまご説明がございましたが、JAS制度の機能強化と戦略的活用についてですが、ご意見、ご質問等ございましたらお願いしたいと思います。

丸山委員お願いします。

丸山委員
質問をまずさせていただきます。

資料6-11ページ、(1)の最後なのですけれども、さらにJAS規格による適正な民間認証・自己認証などを推進という、ここがちょっとうまくイメージができなくて、もう少しご説明いただければと思います。

それから、資料6-12の、情報公開JASマーク等を、当面併用可という、この当面はどれぐらいなのかなというような、私も、生産情報公表JASに携わっているものですから、非常に関心のあるところです。

あと、意見を述べたいのですが、また後にさせていただいてもよろしいでしょうか。とりあえず質問は2つ。

阿久澤会長
事務局のほうからお願いいたします。

松本食品規格室長
まず1点目の、適正な民間認証、自己認証の推進という部分ですけれども、まず現状でも、特に取引では、マークを必ずしも伴わなくても、これはこの規格に該当しているのだという自己認証は行われております。第三者認証がなくても、取引相手が信用すれば、これは規格の一定の役割を果たしているわけですから、こういう使い方は実際されています。しかし、現在のJAS法は、この部分について、直接監督をする規定というのがございません。これは、一般論で言えば、景品表示法とか、あるいは程度がひどければ刑法とか、そういったもので取り締まるということになるわけですけれども、景品表示法は一般消費者が優良誤認をしたり、有利誤認をしたりする場合には取り締まりの対象になるのですが、ビジネスの場合だと対象外になったり、ということがございます。今回、規格をどんどん増やして、ビジネスにもっと活用できるようにということからすると、自己認証も増えていくだろうというふうに思っておりますが、そういった部分に、国が何もできないというのは、これはいささか問題ではないかと思っておりまして、今回、適正な民間認証、自己認証を進めるということで、監督の規定を設けてはどうかと考えております。13ページの絵で見ますと、適合性評価の絵の一番右側、ここの監督、指導・公表などとなっている部分、この部分に相当するものを指しております。

それから、当面とはどのぐらいの間かということですけれども、これは、今後実際に使っている方なども含めて議論させていただければというふうに思っています。

阿久澤会長
どうもありがとうございます。

どうぞ。

丸山委員
6-11のところで、自己認証はよくわかったのです。あとは二者認証もわかります。ここで、適正な民間認証と書いてあったものですから、これ第三者認証をやるのかなとちょっと思ってしまって、第三者認証を登録認定機関ではないのにJAS規格による第三者認証をやっちゃっていいのかということにちょっと疑問を感じたところです。それで質問をさせていただいたのですが。

松本食品規格室長
ここで言わんとしている民間認証は、おっしゃるとおり第三者認証を想定していますが、通常は、民間認証を行っている認証機関が登録認定機関に移行するまでの間だと思っております。例えば既存の認証のスキームがあって、まさに先ほど申し上げましたけれども、実際に現場でビジネスを行っている方々のニーズに応じてJAS規格化するというケース、例えば民間認証でずっと進めているよりは、そういった国家規格にしたほうが普及しやすいとか、現にそういう話も幾つか伺っているのですけれども、そういったニーズがあったときに、規格は国家規格にするのだけれども、認証についてはすぐに登録認定機関になれないケースがあって、その渡りの期間には既存の民間認証スキームが活用されることが想定されます。ただし、その場合は、当然のことながらマークは使えません。そうした差はあるというふうに思っています。

阿久澤会長
はいどうぞ。

森光委員
見直し案ということで大賛成ですけれども、6-13にあるような、この流れのスケジュールというか、もちろん日本再興戦略2016に出ているということで、次の国会までを目指してどんどんこれは進められていく内容だと思いますが、当然、今すぐ即答できる質問ではないのですが、どれぐらいのスパンで大きく変えていく予定なのかというのを少し教えてください。

阿久澤会長
どうぞお願いいたします。

松本食品規格室長
制度の見直しのスケジュールということで申し上げれば、これ法案ですので、そもそも与党との調整がまず必要だということであるとか、仮に出したとしても、国会審議がどうあるかということによるので、何とも言えないところがありますが、我々としてのベストのシナリオとしては、次の国会に首尾よく出せて、法案が通れば、公布の日から新しい規格は定められるようにしたいと思っています。一方で、下の適合性評価のスキームについては、こちらは時間がそれなりにかかると思いますので、例えば30年4月であるとか、いわゆる法律に書くとすれば、公布の日から起算して1年以内とか、そういった形になろうかと思っています。

この場合、規格がつくれるようになっても、認証までの間のタイムラグが生じることになりますが、実際規格をつくれるようになっても、その翌日に規格がつくれるわけでは当然なくて、まさにこういう調査会でご審議をいただくとか、その前段にパブコメがあるとか、いろいろな諸手続がございますので、そういう手続の期間を勘案すると、30年4月あたりが一つのタイミングなのかなというふうに思っております。

森光委員
ありがとうございました。

阿久澤会長
ほかございますか。

どうぞ、山根委員。

山根委員先
ほどの民間認証、自己認証を推進して監督するというところなのですけれども、今の一般のJASマークの大きな役割として、先ほども説明いただきましたけれども、事業者間で質の担保の確認というか、そういうのによく規格が利用されているということで説明を伺うのですが、そこがきちんとしたものであることをしっかり見ていくということと、あと、やっぱり原則としては、マークを積極的につけてほしい、格付を取って、消費者が見えるところにつけてほしいということ、それは今後も原則としてあるということで理解していいのですね。

阿久澤会長
はい。

松本食品規格室長
格付の適正性というのは、まさに第三者認証制度の肝ですので、そこは遺漏がないようにしたいと考えております。今回民間認証のほうにも監督規定を設けることとするのも、こうした発想によるものですから。マークの話につきましては、もちろんJASは、マークをつけることがセットになっている制度ですし、実際消費者の方々が、物を選択するときに、やっぱりマークがあるのと、マークはないけれども規格に適合していますと言われても、さっきも話としてありましたけれども、怪しいとかというふうに思われたりするということもあるでしょうから、実際の企業の行動としても、マークを消費者向けには当然つけるのだろうというふうに思います。マークが適正につけられているかどうかということ自体も、我々としては監督をしていくということであろうと思っています。

阿久澤会長
はいどうぞ、小倉委員。

小倉委員
意見を述べたいと思います。

現行のJAS制度をめぐって、本当に格付率が下がってきているということが大問題だと思っております。8割あったところが4割になってきているというところで、先ほどのJAS有機のときにもあったのですけれども、生産者の人たちが、JAS有機をつけても、自分たちにコストばかりかかって、負担が大きいので、つけなくて、自分たちの顔の見える消費者に売っているというような状況もあるということも伺っております。このJASの制度、消費者にとってみれば、マークは知っているけれども、そのことが何を意味するのかということをあまりよく知られていないのではないのかなというふうに思います。その中でも有機JASのところは、オーガニックがブームというところで、この間は認知も進んできていると思うのですけれども、輸出に向けて取り組んでいくというお話もありましたが、まだまだ日本の消費者にも行き渡っていない有機JASのようなものは、生産性を上げていただいて、日本の国民の人たちに選んでもらえる状況をつくっていく、そういったことも大事だと思います。

それと、丸JASのところも、本当に何かちょっといいものかなというぐらいだと思うのです、消費者の人たちにとってみれば。今回のところで、何々についていいのですよというようなことが書かれることによって、消費者が選ぶ、そういった選択に資するようなものになっていくということを期待しております。

以上です。

阿久澤会長
ありがとうございました。

ご意見ですが、何かただいまのご意見にコメントございますか。

松本食品規格室長
ありがとうございます。

まず、マークが知られていないのじゃないかということについては、私どもも、同じ問題意識を持っております。マークそのものは、丸JASはかなり高い認知度があって、有機もそこそこ4割ぐらいの認知度があるのですが、真ん中の2つは特色であるとか、情報公開とか、この辺は、マークの存在自体もほとんど知られていなかったりということもございます。丸JASは丸JASで、中身が何だかわからないという問題もございますので、マーク自体も認知でき、中身がわかるようなマークにするということもそうですし、我々もこういった制度の普及啓発といったようなことにも努めていきたいと思っています。

有機については、先ほどもございましたけれども、いろいろな要因があろうと思っています。少なくとも規格で後押しできるようなものについては、今回規格のほうも見直しをしておりますので、引き続き、規格サイドからも何かができるのかどうかということは考えていきたいと思っております。

阿久澤会長
ありがとうございました。

はいどうぞ、岸委員。

岸委員
今の続きなのですけれども、輸出力強化を目的とするときに、じゃ海外の事業者、もしくは海外の消費者にとって、JASマークというのが価値あるものでないといけないと思うのですけれども、そのあたりの認知度の向上施策とかというのは考えられているのでしょうか。

阿久澤会長
お願いいたします。

松本食品規格室長
2点あると思っています。規格そのものとマーク。規格そのものについては、JASであっても少なくとも取引の指標とか、あるいは取引のしやすさに寄与すると考えています。これは我々が申し上げているというよりは、グローバル企業の方々の話からもそうなのですが、やはり、知らないものを売り込もうとすると、規格というのが商談の際の後ろ盾になるとか、とにかく輸出を考えているものであれば、規格を全部つくれというようなことを言われるぐらいでして、そういった意味では、規格自体、日本語の規格であったとしても意味が大きいと思っていますし、我々、これを国際規格に、我が国の優位性が発揮されるものについては国際規格にしていこうというふうに思っていますので、そういった意味でも、共通認識といったようなものになるのかなと思っています。

次に、マークの話ですけれども、マークは日本の農産物、あるいは食品の輸出量自体がそれほど多いわけではないものですから、例えば有機など一部のものは、台湾であるとかアジアの一部では既に認知されているというのもあるにはありますが、必ずしも多くない点は、これは事実だというふうに思います。しかし、先ほども申し上げたように、JAS規格を使ったビジネスというのが盛んになっていけば、当然、日本産品にJASマークがついているものが出ていくわけですから、実際に目にするかということで認知されていくだろうと思います。輸出を膨らませていくという政策の中にJAS制度も組み込んで、セットでやっていくということと、後は、地道な話になりますけれども、例えば在外公館であるとか、あるいは今農水省の他の部署でもやっている、例えば海外の商談会の事業であるとか、そういった場を活用してJASのプロモーションをするとかいうようなこと、今、我々海外向けのPRビデオも作成したりもしていますので、そういったものなどもあわせて、これはある種地道にやっていくしかないのかなというふうには思っています。

阿久澤会長
よろしいですか。はい、大道委員。

大道委員
強みのアピールにつなげるという6-10のところなのですけれども、測定・分析方法ということで、商品の差別化みたいな形が図られる、それは強みになるとは思うのですけれども、例えばお魚のほう、一般養殖の場合は、魚臭さというのが11、天然が1、独自の養殖方法だと天然に近い1という数字まで改善されているという、そういうことだとは思うのですけれども、それをどういうふうな形で根拠を持ってやはりアピールしていかなきゃいけないと思うので、それを、例えば丸JASの上にそれを表示するわけではないと思うのですけれども、何かどういうふうな、具体的にそれをどういうふうな形でアピールされるのかというのがちょっと描けない、そのあたり、せっかくそういうふうな日本独自のアピール性のあるものに対して、上手にアピールしないと、何かそれがうまくいかないのじゃないかなと思いますので、そこのところをちょっと教えてください。

阿久澤会長
事務局のほうからお願いいたします。

松本食品規格室長
測定方法そのものは、これはもう専らビジネスベースの話が主なのかなというふうに思っています。

13ページをご覧いただきたいのですけれども、13ページの見直し後というところの適合性評価の中で試験・検査機関という薄い緑でマークしているところございます。こういう試験所が大臣の登録を受けて試験をしますと、試験の証明書を出しますが、この証明書に、JASマークが付いているというイメージです。この証明書を持って事業者はビジネスをする。例えば、商談に臨むときに、この証明書を使いながら、この魚はJAS規格に定める検査方法、おそらくは成分の測り方だけではなくて、サンプリングの方法なども含めて規格になるだろうというふうに想定されますので、こういう根拠のある測り方をしたところこういう数字が出たのだと、即物的な使い方としてはそういうことだというふうに思っています。

実際に、消費者の目にどう写るかというと、これは事業者が好き勝手な測り方をして、自分に都合のいいことを言っているわけではないということが明らかになるわけですから、JASで測ったところ、こっちの製品はこれしか値がないのだという、そういう売られ方が行われたり、例えばそういう使い方がなされれば、目に見える形で、まさに根拠のある商品選択ができるようになるのじゃないかというふうに思っています。

阿久澤会長
今の関連で、測定・分析法のみならず、これは優位性をアピールするというのが非常に特徴な制度ですよね。まさに優位性をどのようにアピールするのかということで、マークだけでアピールするようにするのか、あるいはアピールの内容を、表示や、ましてやキャッチコピー、そういったものでアピールをさせることも許すのか、その辺はどうなっていくのでしょうか。

松本食品規格室長
JASそのものは、あくまで規格をつくって、規格に合致しているかどうかということを認証する制度です。先程の測り方もそうですけれども、これは、測り方の規格をつくって、その規格に適合した測り方をしているということを証明するという「手段」に過ぎないので、これをどう使っていただくかというのは、事業者の方々がどうやってビジネスをしていくかという、ある種ビジネス戦略そのものみたいなところがあるのだろうというふうに思います。ただ、我々としては、機能性なんていう話がわかりやすいのかもしれませんけれども、例えばルテインが多いと言ってみたところで、そもそもルテインって何かということとセットでPRされないと意味がないので、恐らく実際のビジネスでは、ルテインが何なのかということとセットで、この測定方法というのも使われるということになると思います。いずれにしても、ビジネスに使っていただきやすいような使い方をしていただくことを我々も望んでいるところではありますけれども、JASの仕組みとしては規格をつくって認証と表示の制度を措置するということに尽きるのかなというふうに思います。

阿久澤会長
そうですね、ですから先の説明の中にもあったように、根拠を持ったアピールということで、根拠も同時に示してということになるのですよね。

はいどうぞ、高増委員。

高増委員
多岐にわたる規格が増えてくると、今でも、先ほどお答えのあったように70くらいと少ない認定機関しかない現状で、今後、新たな規格に合わせた認証機関や、試験・検査機関を、どのように増やしていくのか、また、新たな規定に対応した検査方法や、認定方法をお考えになっているかお聞きしたいと思います。

阿久澤会長
お願いします。

松本食品規格室長
規格の認証のニーズがあれば、数はそれなりに出るだろうと思います。既存の機関が類似の規格の認証も行うということもあり得るでしょうし、あるいは測定方法ということであれば、現実にあるかどうかわかりませんけれども、必ずしも食品専門のところじゃなくてもできたりするものもあるでしょうし、そういった意味で、ニーズがあれば数はそれなりに出てくるだろうと思っています。ただ、問題は質で、数がいっぱい出てきても、例えば認証機関ごとに余りにも能力に差があると、これは非常に問題なので、この部分については、我々も今何ができるのかというのは検討しています。一つできるかなと思っているのは、例えば地道ですけれども、研修みたいなものもそうですし、そういう何か一定の目合わせというか、ガイドライン的なもので目線をそろえるということはあるのかなとも思っていますが、ただ実際、どういった規格が今後出てくるかというのが正直何とも言えないところもありますので、そういった問題意識を持ちながら、考えていきたいというふうに思っています。

阿久澤会長
ありがとうございます。

丸山委員。

丸山委員
意見を3つほど言わせていただきます。

国際規格があって、日本に有用な規格をJAS化しようという、これは大賛成で、ぜひやっていただければと思います。事例で出ていますグルテンフリーですけれども、既に日本の事業者でグルテンフリー認証を取っている事業者ありますけれども、審査員が外国人なのです。それで、私、有機で行くのですけれども、同じ事業者がグルテンフリーを取っていますと言って、私検査できませんという話になりまして、ぜひ、日本人が日本語で審査できるようになるといいかなと思っております。

次に、2点目なのですが、逆に、伝統製法等の話なのですけれども、例えば出てきています抹茶なのですけれども、伝統製法がありまして、畑の段階でのつくり方だとか、粉に引く前の平べったい葉っぱにする碾茶と言いますけれども、碾茶の製法だとか、それから実際に粉にする製法、伝統的な方法があるのですけれども、最近、その伝統製法並みの品質を実現する新しい製法というのが出てきているのです。そこは事業者というか、その業界の努力の賜物だと思うのですけれども、例えばオーガニックの抹茶というのも本当に今足りなくて、引き合いがすごく多いような現状の中で、どんどんふやしていければいいと思っているのですけれども、言いたいことは、この規格をつくるに当たっては、こういう業界の方々のコンセンサスと言いますか、ここまでがJASの抹茶ですという線を引かなければいけなくなると思うのですけれども、そのときに、業界のコンセンサスが絶対必要なので、そこをぜひ業界の方に提案していただくような方法でお願いできればというふうに思います。

それから、3つ目、最後なのですけれども、JAS規格を必要に応じて国際規格化するというところなのですけれども、これはかなりのエネルギーを要すると思うのです。まずは時間がかかるということです。5年とか10年とかという長さでその取り組みをしなきゃいけないですし、国際会議での折衝ですとか、そういうことが起こります。本当にそれをやるのでしょうかというところについて、農林水産省の方の決意を聞かせていただきたいというふうに思います。

阿久澤会長
どうぞ、コメントをお願いいたします。

松本食品規格室長
ありがとうございます。

まず、翻訳規格はぜひという話は、我々もぜひ進めていきたいというふうに思っています。

それから、2点目のコンセンサスという話ですけれども、これもおっしゃるとおりだと思っていまして、事業者から提案と言っても、当然国家規格ですし、先ほども申し上げましたけれども、中身自体が適当でないと良くないので、そこは中身は適当だというふうに言えるようなプロセスをちゃんととっていきたいというふうに思っております。

それから、3点目の国際規格化に向けた決意というお話ですけれども、これも、おっしゃるとおりで、農林水産省も、あるいは業界もこれまで十分な経験があるとはなかなか言いがたいというのも、現実だと思っています。他方、現実は現実として、こういう方向に舵を切ろうということもありますので、まずは29年度の予算で金額は多いわけではございませんけれども、国際規格化に向けた、例えばロビイングを含めて、戦略的な取組事例であるとか、あるいはどういったものであれば国際化する意味があるのかとか調査研究を行うことをしていきますし、専門人材の育成にも着手しようというところについています。一方で、そうは言っても時間もかかりますので、例えば先行している工業分野の知見というのも活用できないかというふうに思っておりまして、例えばIS0などで対応してきた方々を、お招きと言うか、そういう方にもご協力などをいただいて当分は取り組んでいきながら、農林、食品の世界の専門人材が育成されてくれば、もっと現場を知ったその人たちに円滑に引き継いでいくといったようなことを中長期的には考えてます。そういった取組を展開することで、おのずと予算であるとか、あるいは体制であるとか、そういったものも確保できるのだろうと思っております。

神井食品製造課長
決意ということで振られました。内容については、今、松本が申し上げたとおりなのですけれども、これを農林水産省の公務員が単独で頑張ってどうこうできるかというと、諸外国の例を見ましても、民間企業の皆様、あるいはNGO、NPOの様々な方も含めてですけれども、やっぱり一緒に共同戦線を張って、どうやって進めていくのかという話をやっています。そういう意味では、関係者の皆様、特にここにお集まりの委員の先生方は、まずもってJASの有識者でいらっしゃいますので、ご理解、ご協力を賜りたいところなのですけれども、これから、もっと策定のプロセスもオープンにしますので、つくっていただいた規格をどう国際規格にしていくかというような点でも、コラボレーションと申しますか、官民協働で、様々な規格がガラパゴス化しないように、国際的に通用するようなものになっていくよう、ご協力をいただいて進めていくと、そういう決意でございますので、よろしくお願いいたします。

阿久澤会長
ありがとうございます。

清水委員どうぞ。

清水委員
決意の後で質問みたいなような形で失礼しますけれども、格付率が下がっているというお話がありましたけれども、消費者の人たちは、マークがあるのは知っていても、買うときに見て買うかというと、余り見ないで買っているというのが実際のところだと思います。今回の提案で、マークをもっとアピールするために、鮮度ですとか、測定方法とか、いろいろなことについても拡大していくというお話と、わかりやすくする、認知度を高めるためにマークを統一するという、この2つのこと、広げるのとコンパクトにするのがうまくできるのか、そこのところが一番わからない感じがしました。資料の6-12のところで、赤いJASのマークだけにして、ここに文字で書くというと、何のことを言っているのか、例えば養殖の例もありましたが、「養殖ぶり」と書くのか、どういう養殖なのかを書くのか、食べ物の名前なのか、つくり方なのか。特級などについてもここに書きましょうとありますので、文字が物すごいたくさんにならないのかと思います。なぜかというと、パッケージへの記入では、結局のところ、事業者に問い合わせがたくさん来ます。これは何を意味しているのですかとか、ここに書いてあるのはどういうことですか、となります。意味の分かりにくい表示方法を決めると、また事業者に返ってきますので、よく皆さん方の意見を集約して、どのように記載するかなども検討いただきたいなと思います。

阿久澤会長
はいどうぞコメント。

松本食品規格室長
その点は、まさにおっしゃるとおりだと思っていまして、何を認証しているのかがわからないと意味ないわけですけれども、他方で、何を認証していると伝えるべきかという問題もありますから、そこはいろいろな方が、特に業界などの意見というのは、調整が必要だろうというふうに思っております。あくまで今回お示ししているものは、一つのアイデアというか、イメージしやすくなるようにということで、お示しさせていただいていますけれども、実際に、どういう文言をつけるのかについては、個別の規格ごとに、業界を含めて検討していくことになるのだろうと思っています。

阿久澤会長
ありがとうございます。

ほかございますか、はいどうぞ秋山委員。

秋山委員
先ほどの質問に対する答えのところのフォーローになってしまいますが、私も、今回のこの案の戦略的輸出体制の整備のところに関しては、総論賛成です。1つだけコメントがあります。日本は今まで携帯電話の領域では進んでいるとか、製造業でも進んでいるということを言われてきていました。しかし、グローバルの中では、デファクトは取れていません。理由の1つには、高機能に寄り過ぎてしまっていて、結局消費者のニーズというのを見失ってしまった点が指摘されてきています。先ほど、工業界も参考にしながらと話していらっしゃいましたけれども、ぜひ、消費者が何を求めているのか、その部分も事業者の方々と一緒に考えながら、事業者はとかく高機能化に行きたがるかもしれませんけれども、その部分はJASが基軸となって、日本の製品を輸出していくということを考えて、成功事例につながるような形でやっていっていただきたいなと思います。消費者という言葉が余り出てこなかったので、その点だけご指摘させていただきます。

阿久澤会長
どうもありがとうございました。

よろしいですかコメント。

松本食品規格室長
どうもありがとうございます。

もちろん、消費者を忘れているわけではございません。

阿久澤会長
そのほか意見ございますか。よろしいですね。

どうも、いろいろと多くのご意見、そしてご質問等をいただきました。

それでは、日本産品の輸出力強化に向けて十分に活用されるJAS制度にしていただくよう、本日の委員のご意見も踏まえて、法案化の検討をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

以上で、本日の全ての議題が終了いたしました。円滑な議事進行にご協力いただきましてありがとうございました。

議事進行を事務局にお返しいたします。

髙崎規格専門官
本日は、長時間にわたり、ご審議いただきありがとうございました。なお、本日ご審議いただきました日本農林規格につきましては、速やかに公示できるよう資料用の手続を行ってまいりたいと思います。

また、次回の調査会でございますけれども、現時点では、3月に開催できればと考えております。また改めて、委員の皆様方にはご連絡差し上げて、調整したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上もちまして、農林物資規格調査会、閉会したいと思い思います。

どうもありがとうございました。

午後4時53分閉会

お問合せ先

食料産業局食品製造課食品規格室

担当者:規格専門官
代表:03-3502-8111(内線4357)
ダイヤルイン:03-6744-7182