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絵本 みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

港の巻
みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

「うわあ!すごーい!」
海や大きな船に2人がおどろいていたら、エビが急いで歩いてきたので、みのりんは話しかけました。
「エビさん、何をそんなに急いでいるの?」

「おう。オレはエビール。いま検査がすんだんで、次の場所へ行こうと思ってさ」
「検査?」
「そう。オレみたいに海の向こうから来たものは、病気にかかってないか調べてもらうんだよ」
エビールは言いました。

「ほら、日本にない病気が広まったら、みんなこまるだろ」
「うん。でも、きちんと検査してるから安心なのね」
みのりんは、なんだかたのもしく思いました。

みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

「じゃあ、こんな話は知ってるかい?」
エビールはちょっときどって言いました。

「オレたちがこの国で喜ばれているように、君たちの国の食べ物も海の向こうじゃすごい人気なんだぜ」
「え?そうなの?」みのりんはおどろきました。
「日本の食べ物もなかなかやるよな。伝統を守りながら、いろんな工夫を加えてきただけのことはあるな。みんなでがんばって、しょうらいは1兆円分も食べ物を海外に持っていこうとしてるんだぜ」
「1兆円!?すごいなあ」みのりんは感心しながらも、自分たちの国がほめられて、うれしく思いました。

「そうだ!ぼくたちの谷のじまんのリンゴやぶどうもみんなに食べてもらいたいな」
谷のことを思い出して、みのるんはそう言いました。

みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

「そういえば、きみたち魚は好きかい?」
エビールは思い出したように聞いてきました。
「にても焼いても大好きだよ!」
ごはんのおかずを思いうかべてみのりんは答えました。

「へえ、やっぱりそうかい。日本人は魚が大好きだもんな。一年間で大人の男の人の体重と同じくらいの量を食べるらしいな」
エビールは感心しながら言いました。
「それに、マグロやカツオなどの魚にはDHAっていう頭の働きを良くすると言われる成分がふくまれてるから、魚をたくさん食べるのはホントいいことだと思うよ」

「栄養もたっぷりとれるし、魚が好きで良かった!」
みのりんは言いました。

みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

「でも、みんながいっぱい食べたら、魚はなくなっちゃうんじゃないの?」
みのるんはきいてみました。

「そうなんだ。お魚の人気が高まって世界中のみんながほしがるから、そういう不安も出てくるんだ」
エビールは言いました。
「だからみんなで、育てたり、とりすぎないようにしたりして、数をもっと増やすようにしているんだ」
「ぼくたちが魚を食べるためにいろいろがんばってくれているんだね」みのるんは言いました。

「エビールさん、いろいろ教えてくれてありがと」
「礼はいらないぜ。おっともう行かなくちゃ」
エビールはそう言って、足早に立ち去って行きました。2人は手をふって見送りました。

みのるんとみのりんの大冒険 港の巻

「きょうは、ほんっと楽しかったね!」
みのりんが言いました。
「谷の外に出てよかったよ」
みのるんも満足したように言いました。

「ぼく、大きくなったらお米や野菜を作りたいな」
「わたしも!」
「やったぁ!2人でおいしいもの、いーっぱい作ろう!」
「うん!なんだかわたし、食べ物の話をしてたら、お腹がペコペコになっちゃった」
「実は、ぼくも。はやくお家に帰ってごはんを食べよう!」

ぼうけんを終えた2人は、仲良く話しながら小さな谷の小さな家に帰って行きました。

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