家畜改良増殖法の一部を改正する法律の運用について
4畜A第2650号
平成4年11月19日
最終改正:平成15年8月21日 15生畜第2589号
都道府県知事あて
地方農政局長あて
沖縄総合事務局長あて
家畜改良センター所長あて
社団法人日本獣医師会会長あて
社団法人日本家畜人工授精師協会会長あて
農林水産省生産局長
家畜改良増殖法の一部を改正する法律(平成4年法律第47号)の施行については、平成4年11年19日付けで4畜A第2652号をもって農林水産事務次官から依命通達されたところであるが、その細部については、下記事項に留意の上、関係者への周知徹底、指導等その円滑かつ適切な実施に努められたい。
なお、「家畜改良増殖法第9条の2に規定する獣医師による診断に関して留意すべき事項について」(昭和59年6月28日59畜A第2355号農林水産局長通達)は廃止する。
記
1 家畜改良増殖法第9条の2に規定する獣医師の診断
家畜体内受精卵の採取の用に供する雌畜又は家畜卵巣の採取の用に供する雌畜(そのとたいから家畜卵巣を採取する雌畜を含む。)の診断に当たっては、臨床症状に留意し、病歴、遺伝形質(異常産子の分娩状況)、繁殖成績及び疫学関連事項(疾患の発生状況、ワクチン接種等防疫処置の実施状況、家畜の移出入の状況等)について直接当該家畜の飼養者等から状況を聴取するとともに、原則として、衛生検査証明書等の書類の検討を行い、更に細密検査を行って、それらの総合所見により家畜改良増殖法施行規則第13条の2に規定された伝染性疾患及び遺伝性疾患の有無を判定するものとする。この場合、細密検査は、とたいから家畜卵巣を採取しようとする家畜以外については、少なくとも結核病について、家畜伝染病予防法施行規則(昭和26年農林省令第35号)別表第1により実施するものとする。
ただし、家畜伝染病予防法(昭和26年法律第166号)第5条又は第31条の規定により結核病の検査を受け、その結果に基づき結核病にかかっていない旨の同法第8条(第31条第2項において準用する場合を含む。)の証明書を有するものにあっては、細密検査を省略することができるものとする。
2 家畜改良増殖法第11条の2第3項の家畜卵巣の採取
と畜場における家畜卵巣の採取に関しては、以下の事項に留意するものとする。
(1)家畜卵巣を採取する者は、と畜場の開設者、管理者、と畜検査員その他の関係者と家畜卵巣の採取について事前に協議を行った上で家畜卵巣を採取するものとする。
(2)家畜卵巣を採取する者は、と畜検査員による内臓の検査がすべて終了した後に家畜卵巣を採取するものとする。
なお、採取した家畜卵巣のと畜場外への持ち出しは、採取家畜に係るすべてのと畜検査結果が合格と判定した後とすること。ただし、と畜場法施行令第3条の2第1項第2号により行う場合は、この限りではない。
(3)家畜卵巣を採取する者は、獣医師又は家畜人工授精師であるが(家畜改良増殖法第11条の2第3項本文)、家畜卵巣の採取を的確かつ衛生的に実施することができると認められる者が、獣医師又は家畜人工授精師の十分な指示の下に、機械的に家畜卵巣の採取を補助することをさまたげるものではない。
(4)家畜卵巣を採取する者は、採取に係る雌畜が獣医師の診断を受け、診断書の交付を受けたものであることを確認しなければ、当該雌畜から家畜卵巣を採取してはならないとされている。この診断は、家畜体外受精卵の生産を行おうとする者が当該雌畜の飼養場所やと畜場に派遣した獣医師によって行われるものであり、と畜検査員に診断書や証明書の類を要求してはならないものとする。
(5)家畜卵巣を採取する者は、と畜場に立ち入る際には、と畜場の衛生の保持に十分配慮するものとする。
3 家畜改良増殖法施行規則第16条の2第1号の家畜体内受精卵の洗浄及び第16条の3第1号の家畜未受精卵の洗浄
洗浄の方法は、ペニシリン及びストレプトマイシン又はこれらと同等の抗菌スペクトルを有する抗菌性物質を有効量含む洗浄液を用い、3回以上行うものとする。