農業経営改善関係資金基本要綱の制定について
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14経営第1704号
平成14年7月1日
最終改正:平成21年5月29日 21経営第993号
各地方農政局長あて
内閣府沖縄総合事務局長あて
都道府県知事あて
農林漁業金融公庫総裁あて
財団法人農林水産長期金融協会会長あて
独立行政法人農林漁業信用基金理事長あて
全国農業信用基金協会協議会会長理事あて
全国銀行協会会長あて
社団法人全国地方銀行協会会長あて
社団法人第二地方銀行協会会長あて
社団法人全国信用金庫協会会長あて
農林中央金庫代表理事理事長あて
全国農業協同組合中央会会長あて
全国農業会議所会長あて
社団法人農業改良資金協会会長あて
社団法人全国農業改良普及協会会長あて
農林水産事務次官
目次
第1 趣旨
第2 対象資金等
第3 農業者の手続等
1 経営改善資金計画書の作成等
2 融資審査
3 債権保全措置
4 その他
第4 窓口機関等
第5 窓口機関・融資機関・保証機関等の手続
1窓口機関の融資相談対応等
2 窓口機関の関係機関への通知
3 融資機関相互の分担関係の基準
4 融資機関等の審査
5融資審査結果の窓口機関への通知
6 借入希望者への通知
7 融資実行後の措置
第6 その他
別紙1(第3の1関係) (表面)農業経営改善関係資金(前向き制度資金)借入申込希望書
(裏面)個人情報の取扱いに関する同意書
別紙2(第3の1関係)経営改善資金計画書((1)から(4)までのいずれかを使用)
別紙3(第3の2関係)経営改善資金計画書の審査の考え方
別紙4(第3の4関係)平成○年の経営状況報告書(△年目)
別紙5(第5の5関係)融資審査等総括表
別紙6(第5の5関係)借入申込書
別紙7(第5の5関係)債務保証委託申込書
第1 趣旨
本要綱は、食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)の目指す効率的かつ安定的な農業経営が農業生産の相当部分を担う農業構造を確立するため、経営意欲と能力のある農業の担い手(単なる生産者ではない経営者)が経営改善を図ろうとする場合に、必要な長期資金が的確に供給されるようにしようとするものである。
(注)短期運転資金については、農業経営改善促進資金融通事業実施要綱(平成6年6月29日付け6農経A第665号農林水産事務次官依命通知)第4に定める農業経営改善促進資金(以下「スーパーS資金」という。)で対応する。
第2 対象資金等
1 本要綱の対象とする資金(以下「本要綱対象資金」という。)は、次の資金とする。
資金名
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資金の性格等
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1 農業近代化資金
(農業近代化資金融通法(昭和36年法律第202号)第2条第3項に規定する農業近代化資金であって、農業近代化資金融通措置要綱(平成14年7月1日付け14経営第1747号農林水産事務次官依命通知)第2に定める資金及び農林水産省経営局長が別に定めるものをいう。以下同じ。)
[1] 認定農業者向け(注2)
[2] その他担い手向け
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経営改善のための一般的な長期資金(有利子)
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農協等の民間金融機関の貸付けのうち政策的要件に該当するものに利子補給
〔2又は3との併せ貸しも可能であるが、同一融資対象への併せ貸しは行わない〕 |
2 株式会社日本政策金融公庫資金
[1] 農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)
(注3)
(農業経営基盤強化資金実施要綱(平成6年6月29日付け6農経A第665号農林水産事務次官依命通知)第3に定める資金をいう。以下同じ。)
[認定農業者向け]
[2] 経営体育成強化資金(注4)
(経営体育成強化資金実施要綱(平成13年5月1日付け13経営第303号農林水産事務次官依命通知)第2に定める資金をいう。以下同じ。)
[その他担い手向け]
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〔1又は3との併せ貸しも可能であるが、同一の融資対象への併せ貸しは行わない〕
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3 農業改良資金
(農業改良資金制度運用基本要綱(平成14年7月9日付け14経営第1931号農林水産事務次官依命通知)第3に定める資金(注5)をいう。以下同じ。)
[1] 認定農業者向け
[2] その他担い手向け
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特別の場合の長期資金(無利子) |
新作物分野・流通加工分野・新技術にチャレンジする場合に、都道府県の特別会計から無利子資金を融資(転貸方式を基本とするが、都道府県直貸方式も可能)
〔1又は2との併せ貸しも可能であるが、同一の融資対象への併せ貸しは行わない〕
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(注1)「認定農業者」とは、農業経営基盤強化促進法(昭和55年法律第65号)の農業経営改善計画(酪農及び肉用牛生産の振興に関する法律(昭和29年法律第182号)の経営改善計画又は果樹農業振興特別措置法(昭和36年法律第15号)の果樹園経営計画を含む。以下同じ。)の認定を受けた農業者をいう。以下同じ。
(注2)認定農業者である法人の構成員又はその構成員になろうとする者を含む。2の株式会社日本政策金融公庫資金について同じ。
(注3)クイック融資による農業近代化資金及び農業経営基盤強化資金の融資審査の手続等については、農林水産省経営局長が別に定めるところにより対応するものとする。
(注4)経営体育成強化資金を借り入れる場合であって、負債の償還負担を軽減しようとする計画内容を含む場合は、本要綱でなく、農業負債整理関係資金基本要綱(平成13年5月1日付け13経営第356号農林水産事務次官依命通知)により対応するものとする。
(注5)農業改良資金のうち、農業改良資金制度運用基本要綱第3の1のカに定める貸付対象者であって、農業を営む任意団体以外のもの及び同要綱第4の1に定める者が同資金を借り入れる場合の手続については、同要綱に定めるところによるものとする。
(注6)認定就農計画(青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法(平成7年法律第2号)第4条第1項の認定に係る就農計画をいう。)により、農業近代化資金又は経営体育成強化資金実施要綱第2の1の(2)の資金を借り入れる場合の手続については、青年等の就農促進のための資金の貸付け等に関する特別措置法の運用について(平成7年2月15日付け7農蚕第949号農林水産省農蚕園芸局長通知)に定めるところによるものとする。
(注7)経営構造改革総合資金制度実施要綱(平成17年4月1日付け16経営第8802号農林水産事務次官依命通知)第5の融資事業計画により、農業近代化資金若しくは経営体育成強化資金実施要綱第2の1の(1)から(7)まで及び(10)から(12)まで(ただし、(11)については民事再生法(平成11年法律第225号)に基づく再生計画の認可を受けた者又は私的整理ガイドラインに沿った私的整理を行う者が行うものを除く。)の資金を借り入れる場合の手続については、同要綱に定めるところによるものとする。
2 認定農業者は、本要綱対象資金の融通と併せて、資金繰りの短期運転資金として、スーパーS資金の融通を受けることが可能である。
3 認定農業者が経営の多角化等を目指して設立した法人が行う農産物の加工又は販売の事業については、施設資金等として、スーパーW資金(アグリビジネスの強化を推進するための金融措置について(平成18年3月31日付け17経営第7210号農林水産事務次官依命通知)第2に定める資金をいう。)の融通を受けることが可能である。
第3 農業者の手続等
本要綱対象資金の融通については、それぞれの資金の要綱において定めるもののほか、各資金共通の借入希望者(融資を受けようとする者をいう。以下同じ。)の手続等は次に定めるところによるものとする。
ただし、1の(4)の窓口機関は、借入希望者が特定の資金を特定の融資機関から借り入れることを希望する場合は、その意思を尊重し、
ア 株式会社日本政策金融公庫資金の借入れを希望する場合は、株式会社日本政策金融公庫の支店に
イ 農業近代化資金の借入れを希望する場合は、借入希望者が取引している又は取引を希望する民間金融機関(農業協同組合・銀行・信用金庫・信用協同組合)に
ウ 農業改良資金の借入れを希望する場合は、イの民間金融機関(転貸方式を希望しない場合は、普及指導センター)に
エ 機関保証を希望する場合は、さらに、農業信用基金協会に
1の(1)の借入申込希望書(別紙1)及び経営改善資金計画書(別紙2)を回付すれば足りるものとし、以後は回付を受けた各機関が融資手続を行うものとする。
なお、この場合におけるそれぞれの融資機関が行う手続等については、本要綱で定める窓口機関の手続等(第5の2の(1)から(3)までを除く。)に準ずるものとする。
1 経営改善資金計画書の作成等
(1) 借入希望者は、
ア これまでの経営状況はどうなっているのか
イ 経営改善のための計画は適切であり、実行可能か
ウ 経営改善のための計画が実行された場合に収支はどうなるか、融資返済は可能か
等について、自ら真剣に検討の上、おおむね5年間の経営改善資金計画書を別紙2の(1)又は(2)により作成し、別紙1の借入申込希望書とともに、(4)の窓口機関に提出するものとする。
なお、1回の借入希望額が 700万円以下であり、かつ、直近期末の総借入残高が直近期(特別の事情がある場合は直近期の前期)の農業粗収入及び農外収入の金額の合計額(借入希望者が法人である場合は総売上高)以下となっている借入希望者にあっては、別紙2の(1)又は(2)の経営改善資金計画書に代えて、別紙2の(3)又は(4)の経営改善資金計画書(以下「簡素化様式」という。)を使用することができるものとする。ただし、今後5年間の間に本要綱対象資金の借入れを予定している場合及び負債の整理に必要な長期資金の借入れを含む場合は、簡素化様式を使用することはできないものとする。
(2) 認定農業者にあっては(1)の書類と合わせ農業経営改善計画書及び農業経営改善計画の認定書の写しを(4)の窓口機関に提出するものとする。
(3) 借入希望者は、経営改善資金計画書の作成に当たり、助言・指導を必要とする場合(経営改善資金計画書等の記載不備を理由に、(4)の窓口機関に受理を拒否された場合を含む。)は、融資機関及び関係機関(普及指導センター、市町村、農業委員会、担い手育成総合支援協議会等)に相談することができるものとする。
なお、借入希望者は、インターネット等を活用して資金に関する事前相談を行っている融資機関及び関係機関に対しては、インターネット等により事前相談を行うことができるものとする。
(4) 経営改善資金計画書等の提出先は、第4の1に定める窓口機関とする。
なお、借入希望者は、最寄りの窓口機関が分からない場合は、都道府県(農業制度資金担当課又は普及指導センター)に照会できるものとする。
(5) 借入希望者が融資の可否についての回答を受けるまでには、1月半程度かかることから、このことを考慮の上、借入希望者は実際に資金が必要な日より極力早い時期に窓口機関に経営改善資金計画書等を提出するよう配慮するものとする。
2 融資審査
(1) 第5の2により窓口機関から経営改善資金計画書等の送付を受けた融資機関は、借入申込希望書及び経営改善資金計画書について、借入希望者の経営能力及びそれを反映する経営状況を基に、別紙3の融資審査の考え方を参考として、
ア 農業者の経営能力等からみて、経営改善のための計画は適切であり、実行可能か
イ 経営改善のための計画が実行されれば、どの程度収益が改善し、その結果、融資の返済が可能となるか
について責任をもって判断するものとする。
(2) 融資機関は、(1)の判断に際して、必要がある場合には、農業者の経営能力等に関し、関係機関の意見を聴くものとする。
(3) 融資機関は、農業者の経営能力等からみて、経営改善資金計画の達成可能性及び融資返済の可能性に疑問がある場合には、農業者に対し、1年間普及指導センター等の指導を受けて経営能力の向上に努めるよう求め、1年後に再度判断を行うものとする。
3 債権保全措置
(1) 債権保全措置については、融資機関(必要に応じて融資機関及び農業信用基金協会)と農業者の協議により、物的担保又は農業信用基金協会による保証のいずれかとすることを基本とし、保証人については、法人への融資に際しての当該法人の役員等、実質的に同一経営の範囲内から保証人を出す場合を除き、徴求しないことを原則とする。
(注)農業信用基金協会による保証は、株式会社日本政策金融公庫資金については、農業協同組合又は農業協同組合連合会を通じた転貸の場合を除き、付することができない。
(2) 担保物件の評価に当たっては、画一的な評価を行わず、近隣の類似物件の売買価格等を勘案して、適切に行うものとする。
(3) 農業近代化資金又は農業改良資金に係る農業信用基金協会の保証については、2の融資審査をクリアすることを前提として、当該各資金に係る借入申込者ごとの通算残高が次の額に達するまでは、原則として、融資対象物件以外の担保及び同一経営の範囲内の保証人以外の保証人なしで農業信用基金協会による保証を行うものとする。
ア 認定農業者に貸し付けられるもの
個人1,800万円(法人3,600万円)
イ 認定農業者以外の者に貸し付けられるもの
個人1,500万円(法人3,000万円(任意団体も同じ。))
(4) 以上のような債権保全措置では融資額全額をカバーできない場合であっても、農業者の経営能力等からみて経営改善資金計画の達成及び融資の返済が確実と認められる場合には、融資を行う(必要に応じて融資額を調整することがありうる。)ことを基本とする。
また、融資機関は、以上のような債権保全措置では融資額全額をカバーできない場合であって、農業者の経営能力等からみて、融資を行うことが困難であると判断した場合には、当該農業者に対し、1年間普及指導センター等の指導を受けて、経営能力の向上に努めるよう求め、1年後に再度判断を行うものとする。
4 その他
(1) 借入希望者は、第5の6の(2)により、経営改善資金計画書等の窓口機関への提出から、原則として、1月半以内に融資の可否についての回答を受けられることとなっている。
1月半以内に手続が終了しない場合には、窓口機関からその理由の説明がなされることになっているが、説明がない場合には、借入希望者は窓口機関に問い合わせることができる。
(2) 借入者は、経営改善資金計画期間中、経営改善資金計画が達成されるまでの間、毎年、別紙4により、経営状況を融資機関に報告するものとする。
ただし、簡素化様式を使用して融資を受けた借入者にあっては、融資機関から別紙4を参考にして当該融資機関が定める様式により経営状況の報告を求められた場合を除いて、報告を省略できるものとする。
第4 窓口機関等
1 経営改善資金計画書等の提出先となる窓口機関は、次のとおりとする。
(1) 本要綱対象資金について十分な知識を有し、その適切な対応を行える民間金融機関及び株式会社日本政策金融公庫の受託金融機関(農業協同組合、信用農業協同組合連合会、農林中央金庫、銀行、信用金庫及び信用協同組合)
(2) 株式会社日本政策金融公庫
2 都道府県は、毎年度、管内の窓口機関である金融機関のリストを作成し、その周知徹底(借入希望者からの照会への適切な対応を含む。)に努めるものとする。
3 都道府県は、本要綱対象資金の適切な対応ができないと判断した金融機関については窓口機関から除外できるものとする。都道府県は、窓口機関から除外した金融機関については、本要綱対象資金の融資機関からも除外する方向で手続を進め、又は関係する金融機関との調整を行うものとする。
4 都道府県は、本要綱対象資金の円滑な融通に資するため、同資金に係る苦情等相談窓口を設置するとともに、苦情等相談処理簿を整備するものとする。
第5 窓口機関・融資機関・保証機関等の手続
1 窓口機関の融資相談対応等
窓口機関は、その役割を適切かつ十分に発揮し、本要綱対象資金の円滑な融通に資するため、同資金に係る苦情等相談窓口を設置するとともに、苦情等相談処理簿及び融資相談案件処理簿を整備するものとする。
また、窓口機関は、第3の1の(3)に基づき、借入希望者から本要綱対象資金に係る融資相談があった場合には、苦情等又は経営改善資金計画書等の受理の有無にかかわらず、融資相談案件処理簿にその内容、処理状況等を整理しておくものとする。
2 窓口機関の関係機関への通知
窓口機関は、借入希望者から経営改善資金計画書等を受理した場合、次のルールに従い、融資機関及び関係機関に関係書類の写しを送付するものとする。(ただし、個人情報の取扱いについては第6の3及び4に留意することとする。)
なお、窓口機関が関係書類の写しを特別融資制度推進会議設置要綱(平成13年9月12日付け13経営第2931号農林水産事務次官依命通知)第1に基づき市町村段階に設置されている特別融資制度推進会議(以下「推進会議」という。)の事務局に送付すれば、推進会議が(1)から(5)までの各手続を窓口機関に代わって行えることとする等融資機関及び関係機関の協議に基づくルールがある場合には、これに従って差し支えない。
(1) 窓口機関が株式会社日本政策金融公庫である場合には借入希望者の希望する又は取引している民間金融機関に対し、窓口機関が民間金融機関である場合には株式会社日本政策金融公庫に対し、直ちに当該関係書類の写しを送付することとする。ただし、借入希望者が簡素化様式を使用して手続を行った場合であり、かつ、3の分担関係の基準に照らして融資機関が単独で対応することが適当であるときは、当該関係書類の写しの送付を省略することができるものとする。
(2) 窓口機関は、直ちに普及指導センターに関係書類の写しを送付することとする。
(3) 窓口機関は、3の分担関係の基準に照らして民間金融機関が対応する(農業協同組合及び農業協同組合連合会が株式会社日本政策金融公庫資金を転貸する場合を含む。)ことが適当である場合には、借入希望者が農業信用基金協会による保証を全く希望しない場合を除いて、直ちに当該協会に関係書類の写しを送付することとする。
(4) 窓口機関は、借入希望者が認定農業者である場合には、次の手続を行うことする。
ア (1)から(3)までの手続を行うとともに、(第3のア~エに該当する場合は除く。)、次に掲げる推進会議の構成員に関係書類の写しを送付するものとする。
(ア)借入申込案件について、推進会議が、資金の貸付けの認定等に関する事務を融資機関(当該借入申込案件が農業信用基金協会による保証の対象であり、かつ、借入希望者が保証を希望する場合にあっては、融資機関及び農業信用基金協会)に委任する場合 当該委任を受けた融資機関
(イ)(ア)に該当しない場合 推進会議の事務局その他直接関係を有する構成機関
イ 農業経営基盤強化資金及び農業近代化資金の貸付けについては、経営改善資金計画について推進会議の認定(農業経営改善計画との整合性、農業経営改善計画の達成確実性、借入金の償還の確実性等)を求めることとする。
なお、農業経営改善計画の認定機関である市町村による一定期間内における異議の申立てがないことをもって推進会議の認定があったものとみなす等融資機関及び関係機関の協議に基づくルールがある場合には、当該ルールに従って差し支えない。
ウ 農業改良資金の貸付けについては経営改善資金計画について推進会議の認定を要しないが、推進会議が特に必要と認める場合には、メンバー間で経営改善資金計画の内容について協議するものとする。
(5) 窓口機関は、借入希望者が次のいずれかに該当する者である場合には、(1)から(3)までの手続きを含め(第3のア~エに該当する場合は除く。)、(4)のアの(ア)又は(イ)に掲げる場合に応じ、関係書類の写しを送付し、経営改善資金計画についての認定(経営改善資金計画の達成確実性、借入金の償還の確実性等)を求めることとする。
なお、市町村による一定期間内における異議の申立てがないことをもって推進会議の認定があったものとみなす等融資機関及び関係機関の協議に基づくルールがある場合には、当該ルールに従って差し支えない。
ア 認定農業者である法人の構成員又はその構成員になろうとする者
イ 集落営農組織が法人化するときにその構成員になろうとする者又は農業参入法人であって、農業近代化資金又は経営体育成強化資金の貸付対象者の要件を満たす者
ウ 農業近代化資金、経営体育成強化資金又は農業改良資金の貸付対象者の要件を満たす集落営農組織
3 融資機関相互の分担関係の基準
(1) 株式会社日本政策金融公庫及び民間金融機関の分担関係の基準は、
ア 返済期間が15年(新作物分野・流通加工分野・新技術にチャレンジする場合は、10年)を超える場合は、全体を一括して株式会社日本政策金融公庫が対応する
イ 資金使途として農地又は採草放牧地(農地又は採草放牧地とする土地を含む。以下「農地等」という。)の取得を含む場合は、少なくとも農地等の取得に関する部分は株式会社日本政策金融公庫が対応する
ウ 借入額が認定農業者については1,800万円(法人は3,600万円)、その他の担い手(集落営農組織、集落営農組織が法人化するときにその構成員になろうとする者及び農業参入法人を除く。)については1,500万円(法人は3,000万円(任意団体も同じ。))を超える場合は、当該超える部分は株式会社日本政策金融公庫が対応する
エ これら以外については民間金融機関が対応する
ことを基本とする。
なお、株式会社日本政策金融公庫と民間金融機関の協議によって、分担関係の基準を修正することができるものとする。
(2) 農業改良資金の活用が考えられる場合には、普及指導センターは、民間金融機関と連携を密にし、都道府県関係部局とも連絡をとって、融資機関の審査が円滑かつ的確に進むよう、必要な手続を進めるものとする。
4 融資機関等の審査
(1) 融資機関は、3の分担関係の基準に照らし、融資審査を実施するものとする。
(2) 借入希望者が機関保証を希望しており、民間金融機関としても機関保証が必要であると判断する場合は、当該民間金融機関は、農業信用基金協会と連携をとって並行して融資審査を進めるものとする。
(3) 民間金融機関が融資を行おうとするときは、農業近代化資金については都道府県の利子補給承認手続の準備を、農業改良資金については農業改良資金助成法(昭和31年法律第102号)第7条に規定する都道府県の認定手続の準備を並行して進めるものとする。
(4) 融資審査を進める中で、融資機関としては融資できない可能性が高いときは、窓口機関の受理から3週間以内に、他の融資機関(株式会社日本政策金融公庫のときは民間金融機関、民間金融機関のときは株式会社日本政策金融公庫)に連絡し、連絡を受けた他の融資機関において審査を開始するものとする。
5 融資審査結果の窓口機関への通知
窓口機関以外の融資機関が審査を行っている場合には、融資審査の結果を窓口機関に通知するものとする。
6 借入希望者への通知
(1) 窓口機関は、経営改善資金計画書等の受理を拒否する場合には、借入希望者にその理由を通知するものとする。
(2) 窓口機関は、借入申込希望書等の受理から原則として、1月半以内に借入希望者に融資の可否を通知するものとし、それまでの間に手続が終了しない場合には、借入希望者にその理由を通知するものとする。
(3) (2)の場合において、融資を行わないときは、別紙5の総括表により借入希望者に対して、その理由を説明するものとする。
(4) 融資を行う場合は、(2)のほか、当該融資機関から借入希望者に融資審査結果を通知するとともに、正式な借入申込書(別紙6)(農業信用基金協会による保証の希望がある場合は、債務保証委託申込書(別紙7)を含む。)等の提出を求め、(2)の融資の可否通知から2週間以内にすべての手続を完了し、借入希望者が資金を必要とする時に貸付実行が確実に行われるものとする。
なお、第3の本文ただし書の手続(借入希望者が特定の資金を特定の融資機関から借り入れることを希望する場合の手続)によるときは、借入申込希望書及び経営改善資金計画書の提出時に、借入申込書及び債務保証委託申込書の提出を求めても差し支えないものとする。
7 融資実行後の措置
(1) 融資機関は、第3の4の(2)に基づき、借入者から提出される経営状況の報告書を踏まえて、必要があると認めるときは、関係機関と連携をとって適切な指導を行うものとする。
(2) 融資機関は、第6の2の円滑な実施のため普及指導センターから求められた場合には、遅滞なく、第3の4の(2)に基づき借入者から提出のあった経営状況報告書の写しを当該普及指導センターに送付するものとする。
第6 その他
1 都道府県及び関係機関は、農業の担い手に対して本制度の周知徹底に努めるとともに、本制度を適切に活用して効率的かつ安定的な農業経営の育成が図られるよう、十分配慮することとする。
2 普及指導センターは、本要綱に基づく融資に関し、農業者の借入申込等が円滑に行われ、また、融資後、経営改善が確実に達成されるよう、適切な指導を行うこととする。
3 窓口機関、都道府県、普及指導センターその他の関係機関(機関の役職員を含む。)は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)その他の法令の個人情報の保護に関する規定を遵守するとともに、本要綱対象資金に係る経営改善資金計画書等の個人情報について、厳正に取り扱うものとする。特に、この要綱において借入希望者の個人情報を含む情報を他に提供するものとされた手続については、借入希望者の同意を得た範囲内において行うものとする。
4 窓口機関は、借入申込希望書の受理に当たり、借入希望者に対し、第5の2の規定により、関係機関へ送付することがある旨についての同意を求めるものとし、個人情報の取扱いに関する同意書(別紙1の裏面)の確認欄に署名又は記名及び押印を求めることとする。
5 農業経営基盤強化資金及び農業近代化資金について、本要綱の施行前に経営体育成総合融資制度基本要綱(平成6年6月29日付け6農経A第665号農林水産事務次官依命通知)第3の1、認定農業者育成推進資金融通措置要綱(平成10年4月8日付け10農経A第321号農林水産事務次官依命通知)第4の1及び認定農業者育成確保資金融通措置要綱(平成13年5月1日付け13経営第357号農林水産事務次官依命通知)第3の1により推進会議の認定を受けた資金利用計画は、本要綱により推進会議の認定を受けた経営改善資金計画とみなす。