優良田園住宅の建設の促進に関する法律の施行について
10構改C第408号
平成10年7月15日
都道府県知事あて
農林水産事務次官
建設事務次官
優良田園住宅の建設の促進に関する法律(平成10年法律第41号。以下「法」という。)は平成10年4月17日に、優良田園住宅の建設の促進に関する法律施行令(平成10年政令第254号)は平成10年7月10日に、優良田園住宅の建設の促進に関する法律施行規則(平成10年農林水産省令、建設省令第1号)及び優良田園住宅の建設の促進に関する法律第4条第5項の農林水産大臣に対する協議を要する事由を定める省令(平成10年農林水産省令第59号)は平成10年7月15日に、それぞれ公布され、いずれも平成10年7月15日から施行された。
法の施行に当たっては、下記事項に御留意の上、これらの法令に基づく制度の適切かつ円滑な運用に特段の御配慮をお願いする。
なお、貴管下関係市町村に対しても、この旨周知徹底方お願いする。
以上、命により通達する。
記
第1 法制定の趣旨
住宅政策においては、従来より、安全で快適な都市居住に資する住宅・住環境の整備、郊外の新市街地の整備、地方定住促進と地域活性化に資する住宅・住環境の整備を併せて推進してきたが、成熟した長寿社会への移行、ライフスタイルの多様化及び交通利便性の向上等を背景として、国民の居住に対する価値観が多様化する中で、自然的環境の豊かな地域でゆとりある生活を営むことを求める田園居住に対するニーズが高まってきたことから、併せて田園住宅の建設を促進する政策的必要性が高まっていること。
また、農山村地域、都市の近郊等においては、高齢化や過疎化の進展により、地域社会の維持に深刻な影響が生じてきており、地域活性化の観点からも、定住の促進、都市と地域の交流の促進に資する魅力ある住宅の建設が求められていること。
そこで、農山村地域、都市の近郊等における優良な住宅の建設を促進するための措置を講ずることにより、健康的でゆとりある国民生活の確保を図ることを目的として、法が制定されたものであること。
第2 優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針
1 優良田園住宅の建設の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)は、優良田園住宅の建設に関する基本方向を示すものであることから、良好な自然的環境の保全及びこれによる良好な居住環境の形成と農山村地域等の振興に資するよう定めるとともに、都市計画、農業振興地域整備計画等との調和が保たれたものでなければならないこと。
2 基本方針は、周辺環境と調和し、共生する田園住宅に対する住民の期待と要請、土地所有者、地域住民及び地域の農業・林業関係団体等の意向、良好な自然的環境の存在の状況及び交通の利便性等地域の自然的経済的社会的諸条件を十分勘案し、個性的な地域づくりにつながる地域固有の住宅政策・土地利用政策の方向を反映しながら、建設の促進に関する基本的な方向、建設が基本的に適当と認められるおおよその土地の区域に関する事項、建設される地域における個性豊かな地域社会の創造のために必要な事項、自然環境の保全との調和、農林漁業の健全な発展との調和その他建設の促進に際し配慮すべき事項等を適切に定めるものであり、市町村の区域内において優良田園住宅の建設を促進することが望ましい地域が存在するときは、市町村が積極的に基本方針を定めることが、多様な住まい方を支援する住宅政策の推進及び地域の活性化に資するものであること。
第3 優良田園住宅建設計画の認定
1 優良田園住宅は、住宅政策及び地域活性化対策上重要な意義を有しており、その建設の促進を図る必要があるため、市町村が、基本方針に照らして適切なものであること等一定の基準を満たす優良田園住宅建設計画を認定し、当該計画に即した優良田園住宅の用に供する土地について、農地の転用・農用地区域からの除外についての農地法等に基づく手続、開発行為等についての都市計画法に基づく手続等の円滑化の配慮を行うこととしたものであること。
2 市町村は、優良田園住宅建設計画の認定に当たっては、優良田園住宅の用に供する土地の所在、面積、周辺の土地利用の状況及び公共施設の整備の状況等からみて、良好な居住環境を確保することができるよう十分配慮すること。
第4 指導推進体制
1 法により優良田園住宅の建設の促進を図っていくためには、農林水産行政、都市計画行政、住宅行政等が一層密接な連携を保つ必要があることから、法の円滑な施行及び運用に当たっては、都道府県及び市町村において農林水産担当部局、都市行政担当部局及び住宅行政担当部局は十分協議してその事務に当たること。
2 法による優良田園住宅の建設の促進を図るため、地方公共団体においては、優良田園住宅の建設に係る融資制度の積極的な活用につき特段の配慮を行うよう努めること。