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農林水産省

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土地改良法施行令の改正に伴う土地改良区の総代の選挙手続の運用等について

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40農地B第424号
昭和40年2月25日

都道府県知事あて
都道府県選挙管理委員会長あて

農地局長
自治省選挙局長


  さきに第46回国会において成立した土地改良法の一部を改正する法律(昭和39年法律第94号)は,昭和39年12月1日から施行されたが,同法を施行するために土地改良法施行令の一部を改正する政令が同年11月30日政令第258号で公布され,同令中土地改良区の総代の選挙に関する事項の改正規定は昭和40年2月1日から施行されることとなった(同令中他の事項の改正規定は,昭和39年12月1日から施行された)ので,下記事項に御留意のうえ,その運用について遺漏のないよう御指導願いたい。

1  選挙人の所属選挙区の確定基準の改正
  従来,選挙人の所属選挙区は,原則としてその住所により当該土地改良区の地区内の住所がない場合には,その選挙人の組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の所在地によることとしていたが,土地を媒体として設立される団体たる土地改良区の性格にかんがみ,選挙人の所属選挙区はすべてその組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の所在地によることとした。この場合,その選挙人が組合員たる資格に係る権利の目的たる土地を2以上有し,これらの土地が,2以上の選挙区にわたつて散在するときは,当該選挙人がこれらの土地のうちから所属選挙を確定さすべき一の土地を指定して土地改良区に届け出た土地の所在地によることとし,また当該選挙人からこの届出がないときには,当該土地改良区が所属選挙区を確定すべきーの土地を指定し,その指定した土地の所在地によることとした(令第4条第4項)。
  これに伴い,総代の選挙に関し2以上の選挙区を設けている土地改良区は,その選挙人名簿を調製するにあたつては,その選挙人の住所が当該土地改良区の地区内にあると否とを問わずその選挙人の組合員たる資格に係る権利の目的たる土地の所在地(その選挙人の組合員たる資格に係る権利の目的たる土地が2以上の選挙区にあるため当該選挙人が指定して土地改良区に届け出た土地または土地改良区が指定した土地の所在地によるときは,当該指定に係る土地の所在地)を記載しなければならないこととするる。(令第7条第3項)とともに,組合員名簿に各組合員の所属する選挙区の名称とその選挙人の組合員たる資格に係る権利の目的たる土地が2以上の選挙区にあるため当該選挙人が指定して土地改良区に届け出た土地または土地改良区が指定した土地の所在地によるときには当該指定に係る土地の所在地をもあわせて記載することとして各選挙人の所属選挙区のは握が明確にできるようにした(則第23条第3号)。
2  選挙長の職務代理者および職務管掌者の選任
  従来,選挙長に事故があり,または選挙長が欠けた場合においてその職務を代理すべき者についての規定が欠けていたので,選挙事務を円滑に進めるため,今回,選挙長の職務代理者および職務管掌者について規定を新設した。すなわち,選挙管理委員会は,選挙長に事故があり,また選挙長が欠けた場合においてその職務を代理すべき者を選挙長の選任の方法と同様の方法でもつてあらかじめ選任しておかなければならないこととし(令第8条第3項),選挙長およびその職務代理者にともに事故があり,またはこれらの者がともに欠けた場合には,選挙管理委員会の委員長は,ただちに当該選挙管理委員の委員または当該選挙管理委員会の書記の中から臨時に選挙長の職務を管掌すべき者を選任すべきこととした(令第8条第4項)。これは、公職選挙法施行令第80条の規定に準じて定められたものであるので,その取扱いもそれに準じて行なわれたい。
  また,選挙長の職務代理者の選任があったときは選挙管理委員会はただちにその住所,氏名を告示すべきこと,選挙長の職務代理者が選挙権を有しなくなつたときはその地位を失うべきことは選挙長の場合と同様である(令第8条第6項および第7項)。
  なお,選挙権の喪失に伴つて選挙長またはその職務代理者が失う「地位」とは,選挙長にあつては選挙長たる職を,選挙長の職務代理者にあってはその代理しうる権限をいう。
3  同一の氏名等の候補者に対する投票の効力
  同一の氏名,氏,名または名称の総代の候補者が2人以上ある場合に,その氏名,氏,名もしくは名称のみを記載した投票や連記制の場合におけるその氏名,氏,名もしくは名称のみの記載があつたときは,従来,総代の候補者の何人を記載したかを確認し難くその投票または記載の取扱について疑義があつたので,公職選挙法におけるこの種の投票の取扱いも考慮し,今回,土地改良区の総代の選挙の場合におけるこのような投票または記載も有効とし,この有効投票は,当該候補者のその他の有効投票数に応じてあん分し,それぞれこれに加えることとした(令第17条の2)。
4  当選人の更正決定
  従来,当選人の更正決定について規定が欠けていたので,これを整備して,公職選挙法と同趣旨の当選人の更正決定の規定を新設した(令第22条の2)。これに伴い更正決定により当選人を定める場合においても,繰上補充により当選人を定める場合と同様その者が選挙権を有しなければならないこととし,繰上補充の規定とあわせて規定の整備を行なつた(令第23条の2)。
  なお,更正決定による当選人の決定には,繰上補充による当選人の決定の場合と異なり令第18条第2項の規定が準用されていないが,これは更正決定による当選人の決定の場合には同項の準用ではなく同項の適用があるからであつて,この場合において得票数が同じであるときは,選挙会において選挙長がくじで定めることになることはいうまでもない。
5  その他の規定の整備
  選挙会場に立ち入ることのできる者の範囲を明確にし(令第9条第4項),また,土地改良区の定款中総代の選挙に関する規定についての選挙管理委員会の意見の聴取の規定を整備した(令第47条,なお,改正前の令第3条および第47条を参照)。
6  改正令の適用
  土地改良法施行令の一部を改正する政令は、土地改良法の一部を改正する法律の施行の日(昭和39年12月1日)から施行されているが,同令中1から5までに掲げた総代の選挙に関する改正規定は,さきにものべたとおり昭和40年2月1日から施行されることとなつた。しかし,同日以後において行なわれる選挙であっても,この改正規定の施行日前すなわち,昭和40年1月31日までにすでに当該選挙について令第6条第3項の規定による選挙の告示があったものの選挙にっては,改正前の土地改良施行令の規定の例によることとなつていることに留意されたい(改正令附則第1項および第3項)。