土地改良法施行令の一部改正について
42農地B第4011号
昭和42年12月15日
地方農政局長あて
北海道開発局長あて
都道府県知事あて
農林事務次官
土地改良法施行令の一部を改正する政令(昭和42年政令第352号)が昭和42年11月25日に公布施行されたが、その趣旨および留意すべき事項は下記のとおりであるので、了知のうえ運用に遺憾のないようにされたい。
以上、命により通達する。
記
第1 都道府県営かんがい排水事業の申請要件の引き下げについて
土地改良法(昭和24年法律第195号。以下「法」という。)第85条第1項の規定によりその施行を申請できる都道府県営かんがい排水事業は、従来その受益面積がおおむね300ヘクタール以上であるものとされていたが、従来の団体営かんがい排水事業のうちでもその受益面積が比較的大きいものについては相当の基幹施設を必要とし事業費がかさむことおよびこれに関連して農民負担も大きくなること等にかんがみ、おおむね200ヘクタール以上の受益面積を有するかんがい排水事業については、今後、これを都道府県営かんがい排水事業として申請できることとしたものである(土地改良法施行令(昭和24年政令第295号。以下「令」という。)第50条第1号)。
なお、今回の改正により新たに都道府県営事業として実施できることとなったかんがい排水事業に対する国庫補助は、平地農村地帯における水田面積がおおむね15,000ヘクタール未満であるかまたは平地農村地帯の水田面積がおおむね30,000ヘクタール未満であつてその全水田面積に対する比率がおおむね40バーセント末満である都府県等において行なわれるものに対して行なう旨昭和42年12月5日付けで「土地改良事業関係補助金交付要綱」(昭和31年8月13日付け31農地第3966号農林事務次官通達)の改正を行なつたので、改正後の令第50条第1号の運用にあたつては、この点に留意されたい。
第2 公有地等に係る国県営農用地造成事業の申請要件の引き下げについて
法第85条の2第1項の規定により地方公共団体等がその施行を申請することができる国営または都道府県営の農用地造成事業は、従来その受益面積が国営事業にあつてはおおむね1000ヘクタール以上、都道府県営事業にあつてはおおむね200ヘクタール以上であるものとされていたが、畜産の振興をはかるため家畜飼養基盤としての草地の造成をより強力に推進する必要があるため、その申請要件としての受益地の面積を、国営事業にあつてはおおむね700ヘクタール以上に、都道府県営事業にあつてはおおむね150ヘクタ ール以上に、それぞれ、引き下げることとしたものである(令第50条の2)。
第3 都道府県が徴収する国営干拓事業に係る負担金の額の定め方について
国営干拓事業に係る負担金については、従来都道府県は法第90条第1項の規定により当該都道府県が負担する負担金の全額を干拓地の配分を受けた者から徴収するのを常例としていた(改正前の令第53条の2第1項)が、社会情勢の変化を背景として国営干拓事業のもつ意義も変化し、現在では他の国営土地改良事業と同様農業構造の改善に資することにその主眼がおかれることとなつていることと関連してその負担金についての負担区分を他の国営土地改良事業の場合と同様なものに改める必要があること、干拓事業の事業費の増こうにより農民負担が増大する傾向にありその軽減をはかる必要があること等にかんがみ、他の国営土地改良事業の場合と同様に都道府県が負担金の一部分を実質的に負担しうるよう改正前の令第53条の2第1項の規定を削除することとしたものである。