このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

土地改良法施行令の一部改正について

  • 印刷

43農地B第3121号
昭和43年9月13日

地方農政局長あて
北海道開発局長あて
都道府県知事あて

農林事務次官


土地改良法施行令の一部を改正する政令(昭和43年政令第269号)が昭和43年8月12日公布施行された。今回の改正は、北海道における明きよ排水事業、畑地帯総合土地改良事業および離島の地域における国営農用地造成事業の負担金に関する事項を内容とするものであるので、下記事項に留意の上その運用に遺憾のないようにされたい。
以上、命により通達する。

第1 道営明きよ排水事業の申請要件の新設
従来、北海道が道営かんがい排水事業として行なう畑地帯を受益地とする排水施設の新設または変更の事業(以下「明きよ排水事業」という。)については、国の助成を受けて行なうものはおおむね300ヘクタール以上の地積にわたる土地を受益地とすることとされていた。しかし、これは北海道における国営かんがい排水事業の申請要件と同じであることから、事実上明きよ排水事業が道営事業により行なわれることはなかつた。このため受益面積300ヘクタール未満の明きよ排水事業および国営明きよ排水事業の末端事業は国営事業の規模に近い大規模の工事までを含めすべて団体営事業として実施されており、受益者負担、事業主体の技術的能力、資金負担能力寺の種々の問題があることがみとめられた。そこで、北海道の畑地帯の土地基盤整備の促進の見地から道営明きよ排水事業の申請要件をおおむね100ヘクタール以上の地積にわたる土地を受益地とするものと定めたものである。(土地改良法施行令(昭和24年政令第295号。以下「令」という。)第50条第1号)
第2 道営畑地帯総合土地改良事業のための申請要件の新設
北海道の畑地帯の営農改善については、先般、北海道寒冷地畑作営農改善資金融通臨時措置法(昭和34年法律第91号)の一部改正が行なわれる等、総合的な営農振興対策が推進されているところであり、なかんずく排水改良、火山灰土壌、重粘土壌、泥炭などの不良土壌の改善等土地基盤の総合的整備が急がれている。これまで、北海道においては農用地の開発が計画的に実施され一般的には区画整理の必要がほとんどないため、都道府県におけるような区画整理を中心とするいわゆるほ場整備による土地基盤の総合的な整備はほとんど実施されていなかったが、このような実情に対処し令第50条第1号または第8号に掲げる道営かんがい排水事業、道営明きよ排水事業または道営客土事業を基幹事業として農用地造成等各種の土地改良事業を総合的かつ計画的に一貫施行しうるみちをひらくこととした(令第50条第8号の3)。
(以下北海道知事あてのみ)
なお、令第50条第8号の3の規定の運用にあたつては、次に掲げる諸点のほか、国の助成を受けて行なう場合には、土地改良事業関係補助金交付要綱(昭和31年8月13日付け31農地第3966号)第2の表の道営畑地帯総合土地改良事業の部の規定に留意されたい。
1 同号は、基幹事業とあわせ行なうかんがい排水事業、区画整理事業、農用地造成事業、客土事業または暗きよ排水事業(以下「関連事業」という。)の申請要件を一括して規定しているが、これらの事業は各々受益の態様、受益地域等が異なるものであり、すべての事業を一括して一つの土地改良事業としてとりあつかうものではない。従つて土地改良法(昭和24年法律第195号。以下「法」という。)第85条第2項の規定に基づく土地改良事業の計画の概要の公告および法第3条に規定する土地改良事業に参加する資格を有する者の同意の徴集の手続は、関連事業のそれぞれについて別々に行なわなければならないこと。
2 同号の規定の新設の目的は、北海道が事業主体となつて基幹事業と関連事業とをあわせ、総合的かつ計画的に一貫施行することにより事業の効率を相乗的に高め、農業経営の合理化に寄与するところにあるのであるから上記法手続を行なうに当たつても、各個別事業と全体事業との関連等を明確にする等、関連事業および基幹事業の総合性がそこなわれることのないよう留意すること。
また、関連事業と基幹事業の両事業を行なうことにより事業費が軽減されるか、またはいずれかのみを行なう場合に比し両事業の効果があがるものでなければならないこと。
3 関連事業は北海道の区域内における畑の改良、開発または集団化を目的として行なうものであるから、受益地域の全部が畑であることを必ずしも要しないが、その受益地域の大半が畑であるか、または開発して畑となるぺき土地でなければならないこと。
第3 離島振興対策実施地域における国営農用地造成事業の負担金の額について
離島振興法(昭和28年法律第72号)第2条の規定により指定された離島振興対策実施地域(以下「実施地域」という。)における国営農用地造成事業が本年度からはじめて実施されることになつたことに伴い、このたび同事業につき都道府県に負担させる負担金の特例措置についての規定を設けたものである(令附則第4項)。すなわち、実施地域において行なわれる都道府県営または団体営の土地改良事業についての国庫補助率は離島振興対策の観点から、一般地域において行なわれる事業に対するものよりも原則として5パーセント高いものを適用していることに対応し、実施地域において国営事業により行なわれる開田開畑事業については当分の間都道府県の負担する負担金の率を5パーセント低くする特例措置を定めたものである。なお、同国営事業のうちのかんがい排水事業についての都道府県の負担する負担金の率は、事業費の40パーセントから60パーセントの間において定めることとなつており(令第52条第1項第1号の3)、その範囲内で運用できるので、政令の改正を要しないものである。