土地改良法施行令の一部改正について
49構改B第1429号
昭和49年7月29日
地方農政局長あて
北海道開発局長あて
沖縄総合事務局長あて
都道府県知事あて
農林事務次官
土地改良法施行令及び水資開発公団法施行令の一部を改正する政令(昭和49年政令第86号)が、昭和49年3月30日に公布され、4月1日に関係告示とともに施行されたが、土地改良法施行令(昭和24年政令第295号。以下「令」という。)の一部改正の趣旨は、下記のとおりであるので、了知の上運用に遺憾のないようにされたい。
以上、命により通達する。
第1 都道府県営農地保全事業と併せて行う区画整理事業等の申請要件の新設について
土地改良法(昭和24年法律第195号。以下「法」という。)第85条第1項又は第85条の2第1項の規定によりその施行を申請することのできる都道府県営土地改良事業のうち、農業用用排水施設の新設若しくは変更、区画整理又は農用地の造成(以下「区画整理事業等」という。)であつて農地保全事業(農地の保全上必要な排水施設、階段工その他これに準ずる施設の新設、廃止又は変更をいう。以下同じ。)と併せてその事業を行うものについては、事業ごとに令第50条第1項各号に掲げる要件に該当することが必要であつたが、このたび特殊な土壌地帯(シラス、ボラ、コラ等特殊な火山噴出物及び花こう岩風化土その他特に浸しよくを受けやすい性状の土壌で覆われている地域をいう。以下同じ。〉における農地保全事業の効率的な実施を図る必要があるので令第50条第1項の申請要件として「区画整理事業等であつて、特殊土壌地帯において行う農地保全事業と併せてその事業を行うことによりこれらの土地改良事業の効率が著しく高められ、かつ、その事業によりその施行に係る地域内の農業経営の合理化に寄与することが明らかであるもののうち、おおむね50ヘクタール以上の地積にわたる土地を受益地とするもの」を新たに追加した(令第50条第1項第4号の2)。
第2 公有地等に係る都道府県営草地開発事業申請要件の緩和について
法第85条の3第1項の規定により地方公共団体等がその施行を申請することのできる都道府県営草地開発事業については、従来その申請要件としての受益地の面積はおおむね150ヘクタール以上とされていたが、畜産の振興を図るため自給飼料基盤としての草地の造成をより強力に推進する必要があるので、これをおおむね100ヘクタール以上に引き下げた(令第50条の2の2)。
第3 国営土地改良事業に係る償還条件の改訂について
1 農業用用排水施設の新設等の国営土地改良事業に係る負担金の支払期間の延長等国営土地改良事業のうち農業用用排水施設の新設、変更及び災害復旧に係る都道府県の負担金の償還条件については、従来、支払期間が原則として当該事業が完了した年度の翌年度から起算して15年とされ、据置期間は設けられていなかつたが、近時、国営農業用用排水施設整備事業の施行に当たつては、畑地かんがいが増加するとともに、関連末端事業としてほ場整備事業を伴うものが増加してきていることにかんがみ、新たに2年の据置期間を設置するとともに、支払期間(据置期間を含む。)を17年に延長することとした(令第52条の2第1項第1号イ及びロ並びに第3項第2号イ及びロ、第53条第1項及び第2項並びに第53条の4第1項第2号)。
なお、国営土地改良事業に係る負担金でその支払期間の始期が昭和48年度以前であるものの支払いの方法については、なお従前の例によることとしたので、留意されたい(附則第2項)。
2 特定土地改良工事特別会計事業に係る負担金の償還の改訂
特定土地改良工事特別会計により借入金をその事業費の一部の財源として土地改良事業を行つた場合、当該事業に係る負担金の年賦支払いに際して付される利息の年利率は、従来年6分5厘であつたが、今後当該特別会計が資金運用部から借り入れる借入金の金利は、それぞれ借入時の一般貸付金利によることとされたことに伴い、当該事業完了時において農林大臣の定める率とすることとした(令第52条の2第3項第2号イ及び口並びに第5項、第53条第2項並びに第53条の2第1項)。
この農林大臣の定める率は、当該土地改良事業ごとに、次の算式により算出した年利率とし、その率は、小数点以下1位まで算出するものとし、2位以下は四捨五入するものとする(昭和49年農林省告示第250号)。
農林大臣の定める率の算式

A1、A2・・・・Anは、当該事業の工事に係る事業費の財源とされる借入金の額のうち、当該事業費の財源に充てるための特定土地改良工事特別会計法(昭和32年法律第71号)第14条第1項の規定による借入れごとの借入金の額とする。
r1はA1の借入れにつき定められた年利率、rnはAnの借入れにつき定められた年利率とする。
なお、その支払期間の始期が昭和48年度以前である国営土地改良事業に係る負担金の利率については、なお従前の例によることとし、また、土地改良法施行令の一部を改正する政令(昭和35年政令第257号)の施行の際現に国が施行していた国営土地改良事業に係る負担金(その支払期間の始期が昭和48年度以前であるものを除く。)、土地改良法施行令の一部を改正する政令(昭和37年政令第110号)の施行の際、現に国が施行していた国営土地改良事業〈その支払期間の始期が昭和48年度以前であるものを除く。)に係る負担金または昭和49年3月31日において国が施行していた国営土地改良事業に係る負担金については、利率はそれぞれ従来どおり年6分、年6分3厘または年6分5厘とするので、留意されたい(附則第2項及び第3項)。