このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

土地改良法施行令の一部改正について

  • 印刷

本通知の第4の1には機種依存文字が含まれているため、当該文字は変換して表示しています。
変換前の文字をご確認される場合はこちらをご覧下さい。(PDF:127KB)

9構改B第954号
平成9年10月8日

地方農政局長あて
北海道開発局長あて
沖縄総合事務局長あて
都道府県知事あて
全国土地改良事業団体連合会会長あて

農林水産事務次官


土地改良法施行令の一部を改正する政令(平成9年政令第310号)が平成9年10月8日に公布、施行され、これに伴い関係告示が同日付けで公布、施行された。この改正は、平成9年度予算に関連するものであり、その概要は下記のとおりである。
また、この改正に伴い、関係事項の整備を行うため「土地改良法の一部改正等について」(昭和52年12月28日付け52構改B第2844号農林事務次官依命通達)及び「土地改良法施行令の一部改正について」 (昭和54年8月25日付け54構改B第1681号農林水産事務次官依命通達)が別紙新旧対照表のとおり改正されたので、御了知の上、土地改良事業の適切な実施に御配慮をお願いする。
以上、命により通達する。

第1 地盤沈下対策事業の拡充
地盤沈下対策事業は、これまで地下水の採取に起因する地盤の沈下による農用地又は農業用施設の効用の低下に対処する事業として進められてきたが、近年、泥炭土地域において、当該泥炭土の収縮に起因した地盤の沈下により、元々こうした地域で整備されていた暗きょ排水の損傷等が発生している。こうした状況に対処するため、本事業の実施工種として暗きょ排水を追加するとともに、複数の工種を組み合わせて受益面積が20ヘクタールあれば申請することができることとされた(令第50条第1項第7号の4)。
また、泥炭土の多く分布している北海道においても、本事業を実施することができることとされ、国の補助率は100分の50とされた(令別表第6)。
第2 侵食農地等機能保全対策事業の創設
農地防災事業の未実施地域や過疎化等により農地保全の不十分な農村地域においては、通常の降雨等により長期間にわたり農用地の土壌の侵食・崩壊が進行し、農業用施設の機能が低下したり、農作物等の生育阻害等が発生している。このような農用地の土壌の侵食・崩壊により低下した機能を回復し、更なる被害の発生を防ぐことを目的とした侵食農地等機能保全対策事業を新たに創設することとされた。
本事業は、農業用用排水施設、農業用道路、土留工その他の施設の新設、廃止若しくは変更、暗きよ排水、整地又はこれらのうち二以上を併せ行う事業を行うものであり、本事業に係る申請面積要件は、おおむね20ヘクタール以上とされた(令第50条第1項第7号の5)。また、本事業に係る国の補助率は100分の50とされた(令別表第1、第6)。第3特定地域農用地防災土地改良施設整備事業の拡充
本事業は、農業の生産条件が不利な中山間地域等を対象として、農用地又は農業用施設の災害を未然に防止し、優良農地を始めとする地域資源の保全を図ることを目的とするものであるが、農用地の土壌の侵食又は崩壊を効果的に防止するためには、従来から実施している土留工等に加え、農用地の保水性、吸水性を改良するための暗きょ排水及び整地を実施する必要がある。このため、暗きよ排水及び整地を実施可能工種として追加するとともに、複数の工種を組み合わせて受益面積が10ヘクタールあれば申請することができることとされた(令第5 0条第1項第7号の8)。
第4 畑地帯における土地改良事業の再編
1 担い手支援畑地帯総合整備事業の創設
畑地帯においても、将来にわたって安定的かつ効率的に生産を行う担い手の育成・強化が農政上の課題になっていることに対応すべく、担い手への農用地の集積(規模拡大)の促進を図る担い手育成畑地帯総合整備事業が平成6年に創設されたところであるが、畑生産においては、規模的には理想的な状態に達しているため、規模拡大以外の基盤整備を必要とする農家が相当程度いる状況がある。
こうした担い手の畑作経営の改善を図るため、既に担い手が一定程度集中している地域において、営農形態に対応しつつ基盤整備を実施する担い手支援畑地帯総合整備事業を創設することとされた。
本事業は、[1]農業用用排水施設又は農業用道路の新設・変更、[2]区画整理、[3]客土、暗きょ排水その他の農用地の改良又は保全のため必要な事業を基幹工種とし、農用地の造成を[1]又は[2]との併せ工種として実施するものであり、申請面積要件はおおむね30ヘクタール(沖縄県、奄美群島においてはおおむね20ヘクタール)以上とされた(令第50条第1項第11号及び同条第8項、沖縄の復帰に伴う農林水産省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第36条、昭和54年8月25日農林水産省告示第1201号並びに昭和47年5月15日農林省告示第751号)。また、国の補助割合は100分の50(北海道又は離島においては100分の52、沖縄県においては100分の75、奄美群島においては3 分の2)とされた(令第50条第1項第11号)。
なお、本事業の創設に伴い、今改正前の令第50条第1項第11号に規定する畑地帯総合整備事業及び今改正前の令第50条第1項第7号の8口に規定する高生産性土層改良事業は廃止されたので、当該規定を削除することとされた。
2 団体営高生産性土層改良事業の創設
畑地帯においてきめ細かなほ場条件の整備を実施するため、土地改良区等・市町村による高生産性土層改良事業の実施を可能とし、補助率に関する規定を整備することとされた(令別表第4、第7、第10、第13、第16)。
第5 水田地帯営農再編総合整備事業の廃止
本事業は、一定地域において作物の作付地の集団化(団地化)を図りつつ、当該作付区分に対応した生産基盤の整備を行う事業であり、具体的には、田から畑への地目変換の事業を基幹として、併せて農業用用排水施設・農業用道路の新設等を総合的に行う事業である(令第50条第1項第11号の2口)。
しかし、近年は地目変換事業により水田を完全に畑に変えてしまうのではなく、水田の汎用化による輪作体系の確立が主流となっているため、地目変換の事業を必須とする本事業を廃止することとされた。
第6 都道府県営ほ場整備事業の申請面積要件の特例措置及び農地利用権設定特別促進追加工事事業の廃止
ほ場整備事業のうち、農地の流動化を、促進し、農用地の利用関係の改善に寄与することが明らかなものについては、平成11年3月31日までの間は、特例的に申請面積要件を20ヘクタールとしてきたところである(附則第4項第1号)。また、区画整理が完了した地域において、同様に農用地の利用関係の改善に寄与することが明らかな用排水施設等の整備を追加的に実施する事業についても、申請面積要件20ヘクタールで県営事業として申請できることとしてきた(附則第4項第2号、第3号)。
特例措置・本事業については、特に担い手への農地の集積を目的とした担い手育成基盤整備事業(平成5年創設)の実施に伴い、廃止することとされた。
第7 新技術導入ほ場整備事業の拡充
内地における都道府県営事業として実施されるほ場整備事業のうち、農業の生産性向上等に資するような新技術を導入して行われるものについては、特に嵩上げされた補助率(100分の50)が設定されてきたところである。
現在、ほ場整備事業に係る新技術の中にはある程度確立したものもあり、こうした技術については、様々な地区条件に適応できるよう検証の範囲を広げていくとともに、その普及を図る必要がある。そこで、内地以外の地区における本事業の補助率の規定を整備することとされ、北海道においては100分の50、奄美群島においては100分の60、離島においては100分の55とされた(令別表第6、第12、第15)。 (なお、沖縄県については、通常のほ場整備事業の補助率が100分の75と既に高率であることから、嵩上げ措置は特に行わなかったものである。)
また、これらの技術の中には、土地改良区等による検証も可能なものがあるため、団体営事業についても本事業の対象範囲とすることとし、補助率は100分の50(北海道においては100分の50、奄美群島及び離島においては100分の55)とされた(令別表第4、第 7、第13、第16)。
第8 対象地域の拡大に伴う補助率の設定
1 集約農業地域再編総合整備事業の拡充
本事業は、作付地を野菜・花き等の集約農業を行う集約農業区域と水稲等の土地利用型農業区域の2つに区分し、それぞれの団地化を図るために必要な農業用用排水施設等の新設・変更や区画整理等を行う事業である。
本事業は、従来、集約的な作物の作付けが進んでいる内地における補助率のみを規定していたところであるが、近年内地以外の地域においても野菜・果樹等の集約型の作物の作付けが増加してきており、本事業実施の要望があることから、これらの地区においても本事業の実施が可能となるよう補助率の規定を整備することとされた(令別表第6、第7、第8、第10、第12、第13、第15、第16)。
補助率は、土地改良総合事業と同様に、北海道及び離島にあっては100分の50、沖縄県にあっては100分の75、奄美群島にあっては100分の52(土地改良区等は100分の60)とされた。
2 都道府県営土地改良総合整備事業の拡充
これまで沖縄県、離島及び奄美群島においては、都道府県営による土地総の事業地区の要望がなかったことから補助率の規定をしてこなかったところであるが、当該地域においても、基幹的な整備がある程度実施されたことに伴い、複数の工種を組み合わせて農地利用の高度化を促進するべく都道府県営による事業地区の実施要望が出てきた。そこで、これらの地域における補助率の規定を新たに整備することとし、沖縄県にあっては100分の75、奄美群島にあっては100分の52、離島にあっては100分の50とされた(令第7 8条第4項)。
3 担い手育成基盤整備事業の拡充
担い手育成基盤整備事業は、将来の農業生産を担う担い手の育成のため、農用地利用集積促進土地改良整備計画に基づき、大区画化等の生産基盤の整備を行うものであるが、奄美群島の区域における実施要望が出てきたことに対応し、同区域において実施する場合の補助率の規定を整備することとし、その率は100分の60とされた(令第78条第4項)。
4 かんがい排水事業(省力化対策特別型)の拡充
本事業は、農業用の用水路のパイプライン化を中心とする生産基盤の整備を行い、水田農業における水管理の省力化を図る事業であるが、本事業による省力化の効果の理解が深まり、これまで補助率の規定を置いていなかった沖縄県、奄美群島、離島の地域においても事業実施の要望が出てくるようになったため、当該地域における(都道府県営事業及び団体営事業に係る)補助率の規定を整備することとされた。その補助割合については、沖縄県においては100分の75、奄美群島においては100分の52(土地改良区等にあっては、100分の60)、離島においては100分の50とされた(附則第10項、第15項)。
第9 団体営老朽用排水施設等整備等の補助率の再編整備
現在、団体営の老朽用排水施設等整備事業、湖岸堤防工事及び土砂崩壊防止工事に係る国の補助率は、土地改良区等に対する補助率の方が市町村営に対する補助率より高く設定されているが、土地改良区等より市町村によるこれらの事業の実施が多いことや、今後もその傾向が見込まれること等にかんがみ、土地改良区等に係る補助率の嵩上げを廃止することとされた(令別表第4、第7、第13、第16)。
第10 北海道における国営の指定変更事業の廃止
北海道の農業用用排水施設はその特殊な自然的要因から部分的に破損を生じる場合が多く、その生産性向上に支障を来していたため、農林水産大臣が指定するものについて護岸工事等の軽微な改修を行う事業を実施してきたところである。当初は土水路等が指定されていたが、最近はコンクリート施行になっていることや、他の頭首工などの指定施設等に対する各種支援事業が行われていることから、軽微な改修の対象とすべきものがなくなっているため、本事業については廃止することとし、負担割合の規定を削除することとされた(令第5 2条第6項)。
 
 

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。

Get Adobe Reader