水産業協同組合法等の一部を改正する法律の施行について
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14水漁第2163号
平成14年12月27日
都道府県知事あて
水産庁長官
水産業協同組合法等の一部を改正する法律(平成14年法律第75号。以下「改正法」という。)は、第154回通常国会において成立し、平成14年6月19日に公布され、平成15年1月1日から施行されることとなった。
また、これに伴い、水産業協同組合法施行令等の一部を改正する政令(平成14年政令第307号。以下「改正令」という。)のほか、関係命令、関係告示が同日付けで施行されることとなった。
改正後の水産業協同組合法(昭和23年法律第242号。以下「水協法」という。)その他関係法令の運用に当たっては、下記の点に留意し、改正の趣旨の実現に努めるとともに、併せて水産業協同組合(以下「組合」という。)が法の趣旨に即して、本来の使命を果たしていけるよう、特段の御指導を願いたい。
記
第1 改正の趣旨
漁業協同組合(以下「漁協」という。)は、漁業者の協同組織として、組合員の営漁及び生活に関するサービスを総合的に提供し、その社会的・経済的な地位の向上はもとより、水産業の振興や漁村地域の活性化にも、これまで大きな役割を果たしてきたところである。
一方、周辺水域の資源状態の悪化による漁業生産量の減少、担い手の減少・高齢化の進行など、我が国水産業を取り巻く状況が厳しい中で、漁協等に対しては、水産基本法(平成13年法律第89号)の基本理念である「水産物の安定供給の確保」及び「水産業の健全な発展」の実現に向けた積極的な役割の発揮が強く求められているところである。
また、漁協系統信用事業については、その基盤強化を図るため、従来から信用事業譲渡等を通じた再編整備が進められているところであるが、金融自由化の進展、ペイオフの解禁など、近年の金融をめぐる情勢が大きく変化する中で、今後とも水産業の振興、漁村地域の経済の発展に的確な役割を果たしていくためには、より効率的かつ健全な事業運営・組織体制を確立することが急務となっているところである。
今回の改正は、このような状況を踏まえ、水産基本法の基本理念の実現に向け、漁協等が水産業をめぐる課題に的確に対応し得るよう、事業、業務執行体制の整備を図るとともに、漁協系統信用事業の健全な運営を確保するため、[1]水産資源の管理の取組の促進、[2]業務執行体制の強化、[3]単位組合における信用事業の健全な運営の確保、[4]漁協系統信用事業全体としての効率化・健全化を図るための措置を総合的に講ずることとしたものである。
第2 水産資源の管理の取組の促進
1 資源管理事業等の位置付けの明確化
近年の資源状態の悪化等の中で水産物の安定供給の確保を図るためには、水産資源の持続的な利用の確保が重要となっている。また、担い手の減少等の中で水産業の健全な発展を図るためには、効率的かつ安定的な漁業経営の育成が重要となっている。
こうした状況の中で、漁協等に対しては、水産基本法の基本理念の実現に向け、これまで以上に資源管理、担い手育成における積極的な取組が求められているところである。
このため、漁協及び漁業協同組合連合会(以下「漁連」という。)の事業のうち、資源管理事業及び営漁指導事業について、その重要性にかんがみ、これらを他の事業から独立させた上で、それぞれ、漁協及び漁連の行うことのできる事業の第1番目及び第2番目に位置付けられた。(水協法第11条第1項及び第87条第1項)
なお、本措置は、法律効果を伴うものではないが、その趣旨を踏まえ、これらの事業を行う漁協及び漁連における定款の変更が適切に行われるよう指導されたい。
2 資源管理規程の拡充
海洋性レクリエーション活動が活発化する中で、遊漁船業者を利用する遊漁者による水産動植物の採捕は、海域や魚種によっては、漁業者の漁獲量を超える実態も生じており、資源管理上、無視できない状況になっている。
一方、遊漁船業者については、約8割が漁業との兼業者となっているものの、現行では、漁協等において資源管理規程を定めても、組合員が遊漁船業を営む場合に資源管理規程の対象とされていないため、漁協等全体としての実効性の確保に支障を来すおそれがある。
このような状況を踏まえ、漁協等による資源管理の実効性を高めるため、漁協及び漁連の資源管理規程の対象に、組合員が営む「遊漁船業」を追加することとされた。(水協法第11条の2第1項及び第92条第1項)
この場合、資源管理規程において定め得る遊漁船業を営むに当たって遵守すべき事項は、漁業を営むに当たって遵守すべき事項として定める内容を超えない範囲のものに限られるので留意されたい。
なお、資源管理規程の設定は、現在、一部の地域の漁協において行われているに留まっているが、本措置を契機として、漁協の内部に資源管理についての任意の取決めがある場合等には、これを資源管理規程としてルール化し、資源管理の取組が促進されるよう適切に指導されたい。
第3 業務執行体制の強化
1 常勤理事の設置の義務付け
ペイオフ解禁等近年の金融情勢の変化の中で、貯金者からの信頼の確保は、信用事業を行う上での不可欠の条件であり、組合についても、貯金者の信頼に応え得る業務執行体制を整備しておく必要がある。
このため、信用事業を行う組合については、信用事業への的確な対応と相互牽制機能を確保するため、代表権を有する理事とは別に、日常の信用事業に係る業務に責任をもって当たる常勤理事の設置を義務付けることとされた。(水協法第34条第3項等)
なお、改正法の施行の際現に存する組合については、近年の金融情勢の急激な変化を踏まえ、平成18年1月1日以後最初に開催される通常総会又は経営管理委員会の終了の時までの間に、現場での混乱を来すことのないよう、その実情にも配慮しつつ、円滑に信用事業を担当する常勤理事が設置されるよう適切に指導されたい。
2 経営管理委員会制度の導入
近年、広域合併の進展による理事数の増加等により迅速な業務執行が困難となっている組合や信用事業を中心とする業務の高度化・複雑化に伴い実務家による的確な業務運営が必要となっている組合が出現している。
こうした状況に対処するためには、業務執行体制について、組合の実情に応じ、組合員の意思を業務運営に反映させつつ、迅速かつ的確な業務執行が確保されるような仕組みを整備する必要がある。
このような観点から、漁協、漁連及び共済水産業協同組合連合会の業務執行機関について、組合員代表たる「経営管理委員」と、実務家たる「理事」を別の機関に属させ、経営管理委員による重要事項の決定・コントロールの下、その範囲内で、理事が日常的業務執行に当たる制度を選択的に導入できることとされた。
その具体的な仕組みは、次のとおりとされた。
(1)経営管理委員
ア 選出・改選(水協法第34条第4項、第9項、第42条第1項等)
組合員代表としての性格にかんがみ、従来の理事と同様、総会における選挙・選任により選出することとされた。また、正組合員からの改選請求ができることとされた。
イ 定数(水協法第34条の2第2項等)
組合員の多様な意思を代表する必要があるため、従来の理事と同様、5人以上とされた。
ウ 資格(水協法第34条の2第2項等)
組合員代表として正組合員であることを原則としつつ、組合活動に重要な地位を占めている正組合員以外の者の意向も反映させる観点から、定数の1/4までは正組合員以外の者を認めることとされた。
エ 兼職・兼業(水協法第35条の2第1項等)
日常的業務執行に当たるものではないため、兼職・兼業は制限しないこととされた。
オ 他の役員等との兼任(水協法第35条の2第4項等)
日常的業務執行をコントロールする者であるため、コントロールを受ける立場である理事や使用人との兼任が禁止された。また、経営管理委員も業務執行の一部を担う者であるため、業務執行をチェックする監事との兼任も禁止された。
(2)経営管理委員を置く組合の理事
ア 選出(水協法第34条の2第4項、第42条第1項、第2項等)
経営管理委員会のコントロールに服せしめるため、同委員会が選任することとされた。なお、組合員からの改選請求は認めないものの、組合員の利益保護のため、解任請求は正組合員からも行えることとされた。
イ 定数(水協法第34条の2第3項等)
的確な業務執行のためには代表理事のほか、専務理事、常務理事が最低限必要と考えられること等から、3人以上とされた。
ウ 資格(水協法第34条の2第5項等)
実務能力を有する者の中から幅広く登用できるよう、一切制限しないこととされた。
エ 兼職・兼業(水協法第35条の2第3項等)
日常的業務執行に専念することを本旨とすることから、一切禁止することとされた。
(3)経営管理委員会及び理事会
ア 経営管理委員会の権能
(ア)従来の理事会の権能のうち次に掲げるものは、経営管理委員会の権能に属するものとされた。
a 基本方針・重要事項の決定(水協法第36条、第36条の2第1項等)
事業計画の基本事項、決算方針、検査・監査に関する事項等の「業務の基本方針」、借入金の最高限度、信用供与の最高限度、重要財産の処分等の「業務執行に関する重要事項」のうち定款で定めるものについては経営管理委員会が決定することとされた。
b 理事と組合との契約の承認(水協法第38条等)
理事と組合との利益相反行為のチェックは、理事個人に対する監督であるため、任命権者である経営管理委員会の権能とされた。(なお、経営管理委員と組合との利益相反行為は、同委員会の承認にかからしめることとされた。)
c 役員の改選・解任請求(水協法第42条第4項等)
経営管理委員は総会で選出された組合員代表としての地位を有するという組合員との関係を踏まえ、組合員からの役員の改選・解任請求は、経営管理委員あてに提出し、これを総会に付議させることとされた。
d 総会の招集の決定(水協法第47条の3第2項、第47条の4、第51条において準用する商法第231条等)
経営管理委員会は総会直下の機関であり、総会に諮るだけの重要事項か否かの最終判断は、業務執行の重要事項を決定する同委員会が行うこととされた。なお、経営管理委員が欠けた場合は、同じく総会で選任された監事が招集することとするものの、監事も欠けた場合は、組合と委任関係にあり、業務執行者である理事が招集することとされた。
(イ)また、理事会が決定する事項のうち重要なものについては、理事会を経た上で、更に経営管理委員会にも諮ることとされた。(決算関係書類(水協法第40条第1項)、部門別損益計算書(水協法第41条第2項))
(ウ)さらに、理事の監督の観点から、経営管理委員会に次の権限が付与された。
a 理事の選任・解任請求(水協法第34条の2第4項、第36条の2第5項から第7項まで等)
経営管理委員会のコントロールに服せしめるため、同委員会が選任することとされた。また、経営管理委員会が選任した理事であっても、組合のために職務を遂行する中で、同委員会との意見対立も想定されること等から、理事の地位の安定を考慮し、理事が忠実義務(同法第37条等)に違反した場合に限り、同委員会は総会への解任請求ができることとされた。
b 理事に対する説明要求(水協法第36条の2第2項等)
経営管理委員は日常的業務執行に当たるものでないため、経営管理委員会における種々の決定に際して、理事の出席・説明を求めることができることとされた。
イ 経営管理委員会の招集権
日常的業務執行の過程で、業務執行上の重要事項として経営管理委員会の判断を仰ぐ必要も想定されるため、理事会に同委員会の招集権を付与することとされた。(水協法第36条の2第3項、第4項等)
なお、同委員会の構成員である経営管理委員にも、同委員会の招集権を付与することとされた。(水協法第44条第3項において準用する商法第259条等)
3 決算関係書類についての監査手続の整備
信用事業を行う組合については、従来より、経営の健全性を確保するため、監事による監査報告書の作成及びその根拠となる会計帳簿、資産の評価方法等について、商法の規定に従った処理を行うことなど会社並みの監査手続が義務付けられているところである。
しかしながら、経営の健全性を確保する観点からは、信用事業を行っているかどうかにかかわらず、適正な監査は不可欠であり、また、信用事業を行わない組合についても、企業会計原則に従った会計処理が行われていること等を踏まえ、会社並みの監査手続をすべての組合に義務付けることとされた。(水協法第40条、第54条の4等)
これに伴い、信用事業を行う漁業協同組合等の事業報告書、貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する命令(平成9年大蔵省・農林水産省令第8号)を廃止するとともに、水産業協同組合の事業報告書、貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する省令(平成14年農林水産省令第95号)を制定した。
なお、今後は、信用事業を行わない組合の理事についても、通常総会の7週間前までに決算関係書類を監事に提出し、監事による監査報告書を添附した上で、通常総会に提出しなければならないので留意されたい。
第4 信用事業の充実・健全な運営の確保
1 信用事業の充実
(1)国債窓販業務及び投信窓販業務の追加
ペイオフ解禁を迎える中で、組合員からの資産運用の多様化を求めるニーズを踏まえ、信用事業を行う組合の業務に、国債窓販、投信窓販等の証券業務を追加することとされた。(水協法第11条第3項、第4項等)
また、これら証券業務を行うに当たっては、その適正な運営を確保するため、行政庁の認可を要することとされた。(水協法第11条第6項、第7項等)
この場合の認可の審査に当たっては、次の基準に適合するかどうかを審査することとした。(漁業協同組合等の信用事業に関する命令(平成5年大蔵省・農林水産省令第2号。以下「信用事業命令」という。)第1条)
ア 当該業務を行うに当たって財産的基盤の安定及び財務内容の健全性が確保されていること
イ 当該業務の遂行により、資金の貸付け及び貯金の受入れの事業の遂行を妨げないこと
ウ 当該業務を適正に遂行し得る業務執行体制、内部けん制体制及び内部監査体制が確立されていること
さらに、投資信託等を取り扱う場合には、利用者に対し、貯金等との誤認を防止するための措置を講じなければならないこととした。(信用事業命令第9条)
なお、この場合の定款及び信用事業規程の変更に当たっては、行政庁の認可を要せず、届出で足りることとされた。(水協法第11条の4第3項、第4項、第48条第2項、水産業協同組合法施行規則(昭和58年農林水産省令第45号。以下「施行規則」という。)第12条、信用事業命令第5条第2項)
(2)業務代理の相手方の拡大
漁協系統信用事業の再編整備が進展する中で、信漁連(水協法第87条第1項第3号又は第4号の事業を行う漁連をいう。以下同じ。)を包括承継する漁協の出現が見込まれること等に対応して、信漁連が業務代理を行うことができる金融機関のうち、信用事業を行う漁協においても業務代理を行うことができる金融機関として、農林漁業金融公庫及び住宅金融公庫を追加した。(平成10年6月19日大蔵省・農林水産省告示第45号(水産業協同組合法の規定に基づき、主務大臣の指定する金融機関を定める等の件)第1号)
2 信用事業の健全な運営の確保
(1)最低出資金額の引上げ
最低出資金制度は、金融機関の経営の健全性を確保するため、金融機関に共通に措置されている規制であり、他の協同組織金融機関では、概ね1億円とされているところである。
他方、ペイオフ解禁等近年の金融情勢の変化の中で、貯金者からの信頼を確保することは、信用事業を行う上で不可欠の条件であり、他の金融機関に比べ最低出資金の水準に差を設けることとすると、かえって、信用力の面において劣後するおそれがある。
このため、信用事業を行う漁協及び水産加工業協同組合(以下「加工協」という。)の最低出資金額については、現行の2000万円から、農協、信用金庫等並みの1億円に引き上げることとされた。(水協法法第11条の3第2項及び第96条第1項、水産業協同組合法施行令(平成5年政令第328号。以下「令」という。)第4条第1項第2号、第6条)
なお、改正法の施行の際現に信用事業を行う漁協及び加工協であって、その出資の総額が1億円を下回るものについては、近年の金融情勢の急激な変化を踏まえ、平成17年12月31日までの間に、現場での混乱を来すことのないよう、その実情にも配慮しつつ、円滑に自己資本の増強が図られるよう適切に指導されたい。
(2)連結対象子会社等の拡大
信用事業を行う漁協及び加工協については、信用事業子会社のみを対象として、子会社を含めたグループ全体としての経営の健全性を確保するための措置(連結自己資本比率基準、合算信用供与等限度額、特定関係者との利益相反取引の禁止、連結業務報告書の作成・提出)が設けられているところである。
一方、信用事業を行う漁協及び加工協の経済事業子会社の資金の調達等の多くは当該漁協及び加工協から行われており、また、ペイオフ解禁の中で、貯金者の信頼を確保していくためには、組合の信用事業を取り巻く実態についてより正確な経営状況の開示が必要とされている。
こうした状況を踏まえ、信用事業を行う漁協及び加工協について、これら経営の健全性を確保するための措置の対象に含める子会社の範囲を、信用事業子会社から、保有する全ての子会社に拡大することとされた。(水協法第11条の6、第11条の8第2項、第11条の9、第58条の3等、平成9年7月31日大蔵省・農林水産省告示第30号(水産業協同組合法第16条の4に基づき主務大臣が定める漁業協同組合等の経営の健全性の基準を定める件)第8条)
(3)同一人に対する信用供与等から除外する信用供与等の整備
信用事業を行う組合については、資産運用リスクの分散を図る観点から、同一人に対する信用の供与等の集中が一定の範囲に制限されているが、他方、リスクの抑制が図られているもの、政策的必要性の高いものなど特定の信用の供与等については、当該制限の趣旨に反しない範囲において、同一人に対する信用の供与等の計算上、信用の供与等の合計額から控除することとしているところである。
しかしながら、近年の金融情勢の下で経営の健全性を十分に確保するためには、同一人に対する信用の供与等の集中に対する制限をより厳格に行うべきと考えられるところである。
このような観点から、次に掲げる貸出金に係る金額又は債務保証に係る金額等については、同一人に対する信用の供与等の合計額から控除せず、当該計算上、信用の供与等の合計額に含めることとした。(信用事業命令第15条)
ア 貸付けの目的により農林漁業金融公庫から借り入れた資金を組合員に貸し付けた場合の金額又は農林漁業金融公庫から貸し付けられることが確定している資金のつなぎ資金として組合員に貸し付けた場合の金額
イ 国又は地方公共団体から直接又は間接に借り入れた資金を国又は地方公共団体の定める条件に従って組合員に貸し付ける場合の金額
ウ 当該組合への貯金等の債権を担保とする債務の保証又は手形の引受けのうち、その担保の額
エ 他の金融機関から再保証を受けている保証の額
(4)信用事業の区分経理の法定化
組合の資産や負債の過半を占める信用事業については、第9の1の廃止前の水産業協同組合財務処理基準令(昭和26年政令第141号)第3条の規定により、他の事業との区分経理が義務付けられているところである。
一方、近年の金融情勢の変化に伴い、金融機関の経営に対する関心が高まる中で、貯金者の信頼の確保が不可欠となっていること等から、経営の健全性の確保の前提条件として、厳格な会計処理の必要性が一層強まっているところである。
こうした状況を踏まえ、区分経理の徹底を図るため、漁協及び加工協について、信用事業と他の事業との区分経理を法定するとともに、違反者に対しては罰則を科すこととされた。(水協法第11条の10及び第96条第1項、第130条)
(5)損益の状況を明らかにする事業の細分化
信用事業を行う漁協及び加工協については、信用事業を中心とする事業経営の見直しのための判断材料として、収益性の低い信用事業及び共済事業の損益の状況の組合員への開示が義務付けられているところである。
一方、総合事業体である漁協及び加工協は、信用事業及び共済事業における損失を購買事業及び販売事業による収益で補う経営構造にあり、漁協系統信用事業の再編整備が加速化する中で、信用事業の譲渡・廃止を含めた事業経営の見直しを適切に行うためには、個別事業における損益全体をより正確に把握できることが望ましいところである。
このような観点から、信用事業を行う漁協及び加工協の部門別損益計算書において、信用事業及び共済事業に加え、購買事業及び販売事業の損益の状況についても明らかにさせることとした。(信用事業命令第39条)
(6)信用事業譲渡の認可制の導入
信用事業譲渡については、従来、零細な漁協等から信漁連への譲渡がほとんどであり、譲渡に係る資産の額が信漁連のそれと比べて大きくなかったこと等から、行政庁の関与は、事後の届出のみとされてきたところである。
しかしながら、広域合併の進展による漁協の規模拡大の中で、信用事業の譲渡は、譲渡側・譲受側双方の経営に大きな影響を与えるようになってきている。
こうした状況を踏まえ、信用事業の健全性の確保の観点から、他の金融機関と同様、組合の信用事業譲渡について、行政庁の認可にかからしめることとされた。(水協法第54条の2第1項から第3項まで等)
この場合の認可の審査に当たっては、次の基準に適合するかどうかを審査することとした。(信用事業命令第43条、第44条)
ア 信用事業の全部又は一部の譲渡又は譲受けが、当該信用事業の譲渡又は譲受けを行う組合の地区における組合員又は所属員その他の利用者の利便に照らし、適当なものであること
イ 信用事業の全部又は一部を譲り受ける組合が、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができること
ただし、信用事業のうち、金銭収納事務、物品の保護預り又は両替の事業のみに係る譲渡又は譲受けについては、経営への影響が小さいこと等から、認可を要しないこととした。(水協法第54条の2第3項等、令第17条)
なお、漁協系統信用事業については、その実態を踏まえつつ、都道府県域を単位として一つの信用事業として機能する体制の構築に向け、信用事業譲渡、合併等による迅速かつ機動的な整備が行われるよう適切に指導されたい。
(7)信用事業に係る経理の他の経理への資金運用の基準の見直し
信用事業を行う漁協及び加工協については、信用事業の健全な運営に支障を来すことのないよう、第9の1の廃止前の水産業協同組合財務処理基準令第3条の2の規定により、信用事業に区分された資金について、貯金及び定期積金の合計額の100分の30を超えて兼営事業に運用することを禁じてきたところである。
しかしながら、このような資金運用が、最終的な引当財源である自己資本の額を超えて行われた場合には、運用資金の回収不能等の事態によって、貯金の払戻し等に支障を来すおそれがある。
このため、信用事業に区分された資金の兼営事業への運用は、貯金の払戻し等に支障を来さないよう、自己資本の額までに制限することとした。(令第20条)
(8)余裕金運用の基準における特定漁業協同組合の位置付け
漁協系統信用事業の再編整備が進展する中で、漁協間の規模の格差が拡大し、今後、信漁連を包括承継する漁協の出現も見込まれることにかんがみ、信漁連並みの規模・機能を有する漁協を特定漁業協同組合と位置付け、信漁連と同等の余裕金の運用を認めることとした。(令第22条第2項)
具体的な特定漁業協同組合の基準は、次のいずれかの要件を満たしていることとした。(平成14年12月27日金融庁・農林水産省告示第18号(水産業協同組合法施行令等の規定に基づき主務大臣の指定する金融機関等を定める件)第2条)
ア 信漁連を包括承継したこと
イ 貯金等合計額が200億円以上であって、財務内容が健全であり、かつ、余裕金運用が適切に行える業務執行体制が確立していること
(9)信用事業を行う組合の合併についての認可拘束の除外
組合の合併については、
ア 合併手続の法令違反がある場合又は事業目的の達成が困難と認められる場合を除き、認可しなければならないこと
イ 認可申請書の受領日から2か月を経過する日までに通知を発しないときは認可があったものとみなすこと
とのいわゆる認可拘束が措置されているところである。
他方、信用事業を行う組合にあっては、信用事業に係る財産が資産及び負債の過半を占めており、その合併は合併後の組合の経営に大きな影響を与えるおそれがあることから、信用事業譲渡の場合と同様に、合併後の組合の経営基盤が弱体化することのないよう、承継される財産の内容、合併の規模などを個別具体的に判断する必要性が高いところである。
このため、信用事業を行う組合の合併認可については、信用事業譲渡について認可拘束を措置しないことも踏まえ、認可拘束を外すこととされた。(水協法第69条第3項等)
この場合の認可の審査に当たっては、次の基準に適合するかどうかを審査することとした。(信用事業命令第50条)
ア 合併が、当該合併を行う組合の地区における組合員又は所属員その他の利用者の利便に照らし、適当なものであること
イ 合併後存続し又は合併により設立される組合が、その業務を的確、公正かつ効率的に遂行することができること
(10)早期是正措置に係る上位区分命令の適用
適格性の認定等を受けた農水産業協同組合であって、指定支援法人の支援の対象となった組合に対する早期是正措置命令は、自己資本比率の改善が見込まれることにかんがみ、その自己資本比率以上の自己資本比率の区分に係る命令を適用することとした。(水産業協同組合法第123条の2第4項に規定する区分等を定める命令(平成12年総理府・大蔵省・農林水産省省令第15号)第2条第4項及び第4条第4項)
第5 系統信用事業の再編・強化
1 趣旨
漁協系統信用事業については、近年の金融情勢が大きく変化する中で、今後も水産業の振興、漁村地域の経済の発展に的確な役割を果たしていくためには、より効率的かつ健全な事業運営・組織体制の確立が急務となっている。
しかしながら、現在の漁協系統信用事業においては、
[1] 漁協・信漁連・農林中央金庫は資金運用等において密接な関係を有しており、構成員の経営悪化は、系統信用事業全体の信頼を揺るがし、他の構成員の事業活動にも影響を及ぼすなど、個々の構成員による健全性確保の取組には限界があること
[2] これまで零細な漁協から信漁連への事業譲渡等を進めてきたが、仮に信漁連自身の健全性に問題が生じた場合には、迅速に事業の受け皿となり得るものが存在しないため、地域の漁業金融に適切な役割を果たせないおそれも懸念されること
との実態にある。
このような状況に対応して、漁協系統信用事業全体について効率性・健全性を確保するためには、
[1] 漁協・信漁連と農林中央金庫との金融業務の連携を強化し、問題の早期発見・早期是正が図られるようにすること
[2] 従来の漁協・信漁連間の事業譲渡に加え、漁協・信漁連から農林中央金庫への事業譲渡等の途を開き、漁協系統全体としてのセーフティーネットを構築すること
が必要である。
このため、漁協系統信用事業についても、農林中央金庫及び特定農業協同組合等による信用事業の再編及び強化に関する法律(平成8年法律第118号。以下「再編強化法」という。)の対象に加えられ、農林中央金庫の指導の下で、一定の方針に従って信用事業の再編・強化を図る仕組みが整備されたものである。
なお、この場合、
[1] 農林中央金庫の指導業務に関する「基本方針」は、農協系統とは別に作成すること
[2] 信用事業の再編及び強化措置への支援業務を行う「指定支援法人」は、農協系統とは別に一つ指定できること
とされた。
2 農林中央金庫による基本方針の作成及び指導
(1)農林中央金庫は、経営管理委員会の承認を受けて、特定漁業協同組合等(農林中央金庫の会員である信用事業を行う組合をいう。以下同じ。)に対し、農林中央金庫及び特定漁業協同組合等による合併及び事業譲渡並びに特定漁業協同組合等の信用事業の強化を図るために必要な指導を行うことができるものとされた。(再編強化法第3条)
(2)農林中央金庫が(1)の業務を行おうとするときは、特定漁業協同組合等の信用事業に係る基本方針を定めなければならないものとされた。(再編強化法第4条第1項)
(3)なお、(2)の基本方針については、第8の13により、平成14年9月、農林中央金庫から、「一県一信用事業責任体制」の構築を目指すとともに、その実現を図るために取り組むべき業務の健全性・適切性の確保、破綻未然防止、再編・強化の支援に関するルール等を定めた「JFマリンバンク基本方針」について届出が行われている。漁協系統においては、既に、これに従った信用事業の再編・強化に向けた取組が行われているところであり、このような自主的な取組が所期の目的を達成し得るよう適切に指導されたい。
3 農林中央金庫との合併
農林中央金庫と信用漁業協同組合連合会又は信用水産加工業協同組合連合会(農林中央金庫の会員である信用事業を行う水産加工業協同組合連合会をいう。)とは、合併を行うことができるものとし、合併後存続する法人は、農林中央金庫とするものとされた。(再編強化法第8条)
4 農林中央金庫への事業譲渡
特定漁業協同組合等は、信用事業の全部又は一部を農林中央金庫に譲り渡すことができるものとするとともに、農林中央金庫は、特定漁業協同組合等から信用事業の全部又は一部を譲り受けることができるものとされた。(再編強化法第24条)
5 指定支援法人
主務大臣は、農林中央金庫の要請を受けて、特定漁業協同組合等の信用事業に係る支援業務を行う指定支援法人を、全国に一を限って、指定することができるものとされた。(再編強化法第32条第1項)
なお、この指定支援法人については、従来、漁協系統信用事業における独自の相互援助組織であった社団法人全国漁協信用事業相互援助基金から改組された社団法人ジェイエフマリンバンク支援協会が、改正法の施行後遅滞なく指定され、2の(2)の基本方針に従って、経営改善を行う特定漁業協同組合等への資金の貸付けに対する利子補給、経営の困難な特定漁業協同組合等を救済する特定漁業協同組合等に対する優先出資の引受け、劣後ローンの供与などの支援を行うこととしているところである。
第6 漁業信用保証保険制度の充実
1 趣旨
漁業信用保証保険制度は、漁業者等の信用力を補完し漁業経営等に必要な資金の融通を円滑にするため、漁業信用基金協会(以下「基金協会」という。)が会員である漁業者等の金融機関からの借入れ等について債務保証を行うこと等により、中小漁業の振興に寄与している。
他方、近年の金融情勢の変化に対応して、漁協系統信用事業については、その基盤強化を図るため、漁協から信漁連への信用事業譲渡等が行われているところであり、今回の水協法や再編強化法の改正により、漁協系統信用事業の再編整備は一層進むものと見込まれる。
こうした状況の下、貯金等の受入れの事業を廃止して資金の貸付けの事業のみを行う漁協、農林漁業金融公庫からの委託を受けて漁業者等に直接資金の貸付けを行う信漁連等が出現するという事態に対処し、今後とも、漁協系統信用事業から漁業者等への資金の円滑な融通が図られるよう、漁協系統信用事業の再編整備を踏まえた保証保険制度の見直しが行われた。
2 金融機関の範囲の拡大
貯金等の受入れの事業を行わず、資金の貸付けの事業のみを行う漁協及び加工協についても、これらの者からの借入れについて基金協会の債務保証が受けられるよう保証対象金融機関に追加するとともに、漁業経営改善促進資金の融資機関に追加することとされた。(中小漁業融資保証法(昭和27年法律第346号。以下「中融法」という。)第2条第2項)
3 基金協会の保証業務の拡大
信漁連又は信用事業を行う漁協が農林漁業金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫からの委託を受けて漁業者等に資金の貸付けを行う場合に、当該信漁連又は信用事業を行う漁協が当該農林漁業金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫に対して負担する保証債務を、基金協会の保証対象に追加することとされた。(中融法第4条)
また、これに併せて、当該基金協会による保証を、農林漁業信用基金の保証保険の対象に追加することとされた。(中融法第69条、中小漁業融資保証法施行令(昭和28年政令第16号)第6条)
4 農林漁業信用基金の業務の拡大
基金協会の業務の円滑な実施を図るため、農林漁業信用基金から基金協会への貸付業務の対象資金として、3の農林漁業金融公庫からの委託貸付けに係る保証業務に必要な資金を追加することとされた。(農林漁業信用基金法(昭和62年法律第79号)第27条第1項)
第7 その他
1 信用事業規程又は定款の変更のうち認可を要しない事項
信用事業規程又は定款の変更のうち、国債等の募集の取扱いの事業等別に行政庁の認可を要する事項などについては、行政庁の認可を要せず、届出をすれば足りるものとされた。(水協法第11条の4第3項、第4項、第48条第2項、第4項等、施行規則第12条、信用事業命令第5条第2項、平成14年農林水産省告示第1927号(水産業協同組合法施行規則の規定の基づき、農林水産大臣の定める再保険契約の内容の条件等を定める件)第14条)
2 子会社保有規制の緩和
信用事業を行う組合が保有する子会社が従属業務と金融関連業務を兼営することを認めるなど子会社保有規制が緩和された。(水協法第17条の2、第17条の3、第87条の3、第87条の4)
3 附属明細書の総会議決事項からの削除
総会の議決を経なければならない事項から、附属明細書が削除された。(水協法第48条第1項第6号等)
4 資本準備金の法定化
出資組合は、毎事業年度の剰余金の中から積み立てる利益準備金のほか、出資一口の金額の減少による減資差益又は合併による合併差益を資本準備金として積み立てなければならないものとするとともに、合併差益のうち資本準備金に繰り入れないことができる金額、利益準備金と資本準備金の損失てん補の順位など所要の規定が整備された。(水協法第55条等)
5 合併手続における個別催告の省略
合併を行う出資組合が、債権者に対する異議申出の催告を、官報のほか、公告の方法として定款に定めた時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載してするときは、債権者に対する各別の催告は要しないものとされた。(水協法第69条第5項等)
6 解散命令の通知の特例
いわゆる休眠組合の実態にかんがみ、組合の代表権を有する者が欠けているとき、又はその所在が不明な場合における解散命令については、その要旨を官報掲載することにより、通知に代えることができることとされた。この場合における解散命令は、官報掲載した日から20日を経過した日に効力を生ずることとされた。(水協法第124条の3)
7 罰則の整備
罰金及び過料の額の引上げなど罰則が整備された。(水協法第129条、第130条)
第8 経過措置
1 最低出資金額の引上げの措置は、改正法の施行の際現に信用事業を行う漁協及び加工協であって、その出資の総額が1億円に満たないものについては、自己資本の増強等を行うのためには一定の期間を要することから、平成17年12月31日までの間は適用しないこととされ、当該期間における最低出資金額は、現行どおり2000万円とした。(改正法附則第2条、改正令附則第3条)
2 改正法の施行前において軽微な事項に係る信用事業規程又は定款の変更について行われた認可の申請は、改正法の施行後における届出とみなすこととされた。(改正法附則第3条)
3 合算信用供与等限度額の対象となる子会社の範囲の拡大の措置は、改正法の施行の際現に同一人に対する信用の供与等の額が合算信用供与等限度額を超えている漁協若しくは加工協及びその子会社等又は漁協若しくは加工協の子会社等の当該同一人に対する信用の供与等については、原則として、施行日から3か月を経過する日までに行政庁にその旨を届け出た場合には、施行日から1年を経過する日までの間は適用しないこととされた。
また、この場合に都道府県が処理することとされている事務は、第1号法定受託事務とされた。(改正法附則第4条)
4 同一人に対する信用供与等から除外する信用供与等の整備の措置は、漁業協同組合等の信用事業に関する命令等の一部を改正する命令(平成14年内閣府・農林水産省令第13号。以下「改正命令」という。)の施行の際現に同一人に対する信用の供与等の額が信用供与等限度額を超える組合の当該同一人に対する信用の供与等の額の計算並びに改正命令の施行の際現に同一人に対する信用の供与等の額が合算信用供与等限度額を超える組合及びその子会社等又は組合の子会社等の当該同一人に対する信用の供与等の額の計算については、施行日から3か月を経過する日まで行政庁にその旨を届け出た場合には、施行日から5年を経過する日までの間は適用しないこととした。(改正命令附則第2条)
5 信用事業の区分経理の義務付けの措置は、改正法の施行の際現に存する漁協及び加工協については、施行日以後に開始する事業年度から適用することとされた。(改正法附則第3条)
6 信用事業を担当する常勤理事の設置の義務付けの措置は、改正法の施行の際現に存する組合については、平成18年1月1日以後最初に招集される通常総会(経営管理委員を置く組合にあっては、経営管理委員会)の終了の時までは、適用しないこととされた。(改正法附則第6条)
7 組合の書類及び計算に関する事項の整備の措置は、施行日以後に開始する事業年度に係る組合の書類及び計算について適用し、施行日前に開始した事業年度に係る組合の書類及び計算については、なお従前の例によることとされた。(改正法附則第7条、第11条、第12条、改正命令附則第3条)
8 役員の責任に関する事項の整備の措置は、施行日以後の行為に関する責任について適用し、施行日前の役員の責任については、なお従前の例によることとされた。(改正法附則第8条)
9 信用事業譲渡の認可制の導入の措置は、施行日以後に議決される信用事業の譲渡又は譲受けについて適用し、施行日前に議決され、又は行われた信用事業の譲渡又は譲受けについては、なお従前の例によることとされた。(改正法附則第9条)
10 資本準備金の積立ての義務付けの措置は、施行日以後に開始する事業年度から適用し、施行日前に開始した事業年度については、なお従前の例によることとされた。また、従前の準備金については、利益準備金とみなすこととされた。(改正法附則第10条)
11 信用事業に係る経理の他の経理への資金運用の基準の見直しの措置は、改正令の施行の際現に信用事業を行う漁協及び加工協については、自己資本の増強、事業計画の変更等が必要となることから、平成16年3月31日までの間は、現行どおりとすることとした。(改正令附則第4条)
12 信用事業を行う組合の合併の認可拘束の除外の措置は、施行日以後に申請された合併の認可について適用し、施行日前に申請された合併の認可については、なお従前の例による。(改正法附則第13条)
13 農林中央金庫は、施行日前においても特定漁業協同組合等に係る基本方針を定め、主務大臣に届け出ることができることとされた。(改正法附則第14条)
第9 廃止
1 水産業協同組合財務処理基準令については、水協法の規定に基づく政令についての一覧性を確保する観点から、改正令附則第2条の規定により、廃止することとした。
2 信用事業を行う漁業協同組合等の事業報告書、貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する命令については、水協法の規定の改正により委任根拠を失ったため、信用事業を行う漁業協同組合等の事業報告書、貸借対照表、損益計算書及び附属明細書に関する命令を廃止する命令(平成14年内閣府・農林水産省令第12号)により、平成14年12月31日限り廃止することとした。
3 次に掲げる告示については、根拠規定の廃止等に伴い、平成14年12月31日を限り廃止することとした。
(1)平成14年12月27日農林水産省告示第1925号(水産業協同組合財務処理基準令第2条第1項第2号の規定に基づき、主務大臣の指定する払込済出資金を定める件等を廃止する件)により廃止するもの
ア 平成10年6月18日農林水産省告示第967号
イ 平成10年6月18日農林水産省告示第968号
(2)平成14年12月27日内閣府・農林水産省告示第17号(水産業協同組合財務処理基準令第4条の主務大臣が指定する金融機関を定める件等を廃止する件)により廃止するもの
ア 昭和45年4月1日大蔵省・農林省告示第1号
イ 平成2年2月9日大蔵省・農林水産省告示第4号
ウ 平成2年2月9日大蔵省・農林水産省告示第5号
エ 平成2年2月9日大蔵省・農林水産省告示第6号
オ 平成2年2月9日大蔵省・農林水産省告示第7号
カ 平成2年2月9日大蔵省・農林水産省告示第8号
キ 平成2年12月21日大蔵省・農林水産省告示第26号
ク 平成5年3月31日大蔵省・農林水産省告示第12号
ケ 平成10年6月19日大蔵省・農林水産省告示第43号
コ 平成10年6月19日大蔵省・農林水産省告示第44号
サ 平成12年12月27日金融庁・農林水産省告示第6号