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農林水産省

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「漁港施設用地等利用計画の策定について」の一部改正及び「漁港施設用地等利用計画策定要領について」の制定について

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13水港第4220号
平成14年4月1日

都道府県知事あて

水産庁長官


 このことについて、平成14年4月1日付け「漁港漁場整備法」が施行されたことに伴い、別紙新旧対照表1のとおり、「漁港施設用地等利用計画の策定について」が一部改正され、併せて、別紙のとおり、「漁港施設用地等利用計画策定要領について」が制定されたので、御了知願いたい。
 なお、貴管下の関係市町村の長に対しては、貴職から通知されたい。

漁港施設用地等利用計画策定要領について
(平成14年4月1日付け13水港第4220号 水産庁長官通知)
このことについて、「漁港施設用地等利用計画の策定について」(平成2年3月15日付け2水港第40号水産庁長官通知)の策定要領を定めたので、御了知の上、遺憾のないよう取り扱われたい。
また、貴職からこの旨関係市町村長あて周知されたい。
なお、利用計画の策定に当たっては、「漁港漁場整備事業の推進に関する基本方針」を踏まえ策定するものとする。
第1 漁港施設用地等利用計画の策定に当たっての留意事項
漁港施設用地等の配置及びその利用の確保は漁港の機能の維持、向上に影響を与えるものであることから、「漁港施設用地等利用計画の策定について」(平成2年3月15日付け2水港第40号水産庁長官通知。以下「利用計画通知」という。)に基づく漁港施設用地等利用計画(以下「利用計画」という。)の策定に当たっては、漁港漁場整備法(昭和25年法律第137号)等関係法令に基づく漁港の整備及び適正な維持管理の長期的な見通しの下に、次の点に留意して、関係地方公共団体、漁業協同組合その他の関係者と十分調整を行うものとする。
1 既設漁港施設用地等との調整
漁港関係国庫補助事業等により整備されている既設漁港施設用地については、新たに策定する利用計画の下でその機能が十分に発揮されるよう、必要に応じてその配置及び利用について見直しを行い、策定後において利用計画の変更が生じることのないようにするものとする。
2 水産関連事業との調整
漁港施設用地、漁港関連施設用地への上屋施設の配置に当たっては、荷さばき所、附帯施設等水産関連事業により設置される施設の配置、設置予定年度、規模等を十分考慮するものとする。
3 道路事業、河川事業等との調整
利用計画を策定する区域内及びその周辺における道路及び河川の整備計画の有無について事前に調査し、これらの整備計画がある場合は、策定後において利用計画の変更が生じることのないよう、当該担当部局とあらかじめ十分調整するものとする。また、道路の高架橋等が漁港施設用地の上空を通過する場合にあっても、同様に取り扱うものとする。
4 漁港の区域内の開発事業等との調整
利用計画を策定する区域内及びその周辺において、商工業団地の造成、農用地の造成、干拓、宅地の造成、発電所の建設、リゾート開発、都市開発等の開発事業、都市計画の決定及び変更、各種地区指定による規制措置等が予定されることもあることから、関係部局と十分調整するものとする。
第2 漁港施設用地等利用計画書(利用計画通知別紙様式第3号)の作成
1 用地造成区分の取り扱い
埋立造成、買収等により取得する漁港施設用地等の用地の造成区分ごとに、整備事業の別(国庫補助用地及び地方単独用地)、造成地の別(埋立地、公共空地盛土、民有地の買収及び水面占用)、所有者の別(国、漁港管理者、漁港管理者以外の所在地の地方公共団体、漁業協同組合等の所有地)等により境界を画定するとともに、利用計画書及び利用計画平面図に、面積を記入するものとする。
2 利用計画の面積の積算の取り扱い
(1) 漁港施設用地等の用地の利用計画面積の積算に当たっては、整備しようとする漁港施設用地ごとに、漁港施設及び附帯施設等の規模、種類、作業スペース、配置、通路、建ぺい率等を十分考慮した上で、必要な面積を積算の上、利用計画を策定することとし、地域の漁業実態にあわせることは必要とされるが、不適切にして過大な積算とならないようにすること。また、策定後に、安易に利用計画の変更が生じないよう十分注意するものとする。
(2) 荷さばき所、水産倉庫等における附帯施設の取り扱い
利用計画は、各漁港施設ごとに区分して定めるが、本体施設の整備に伴い必要となる附帯施設については、当該本体施設の一部として一体的に利用計画を定めるものとする。この場合の附帯施設の規模は、本体施設の上屋面積のおおむね20パーセント以内(荷さばき所の附帯施設として小規模な冷蔵施設、貯氷施設等を設置しようとする場合は、おおむね30パーセント以内)とする。ただし、水産関係国庫事業等により、附帯施設を荷さばき所の設置に併せて当該補助事業により整備する場合(合併施行等により附帯施設の整備が単独事業となる場合を除く。)にあっては、補助事業として採択された面積とする。
(3) 漁港環境整備施設の取り扱い
既存の漁港施設用地内を修景緑化等の環境整備を行う場合は、整備しようとする箇所の区画された漁港施設用地の面積の20パーセント以内とし、この場合、漁港環境整備施設用地の積算は既存の漁港施設用地の積算の包含するものとして取り扱うものとする。
なお、既存の漁港施設用地の20パーセントを超える場合は利用計画を適切に変更して実施するものとする。
第3 漁港施設用地等利用計画平面図(利用計画通知別紙様式第4号)の作成
1 用地の区分
利用計画の計画区域内の用地については、次により区分するものとする。この場合において、第1線用地の幅はおおむね50メートル以下(大規模漁港等で必要と認められる場合にあっては、おおむね100メートル以下)とする。
第1線用地 岸壁、物揚場、船揚場等係留施設の背後用地及びその背後の道路(係留施設と背後地の間に道路を設ける場合は、当該道路を含む。)
第2線用地 第1線用地から次の道路までの背後地
第3線用地 第2線用地から次の道路までの背後地
第4線用地 第3線用地の背後地

参考図
2 用地の配置の原則
利用計画平面図の作成に当たっては、漁港施設用地等の利用目的区分に応じて、それぞれの用地を原則として次のとおり配置するものとする。

利用目的区分   用地の配置の原則
漁港施設用地 「漁港施設用地(公共施設用地に限る。)の取扱いについて」(昭和33年12月3日付け33水生第6563号水産庁長官通知)に基づき補助金の交付の対象とする用地(補助用地) 漁港施設用地は、公共性が高いことから第1線用地に配置するものとする。
  地方単独事業により造成され、漁港管理者が所有・管理する公共漁港施設用地(単独用地)  
漁港関連施設用地   第2線用地以降(ただし、第1線用地の配置に余裕があり、将来においても漁港施設用地として利用する計画がなく、漁港の機能及び管理・運営上支障がないと認められる場合には、第1線用地の配置も可。)
公用・公共用施設用地    
漁村再開発施設用地    
残土処理用地    
廃棄物処理用地    


3 第1線用地の利用の原則
(1) 係留施設との近接施設
係留施設は、漁港施設のうちの基本施設であり、特に公共性が高い施設であるため、これと近接して配置する必要性が強いと認められる施設用地を次により、優先的に配置するものとする。

係留施設の利用目的 近接の必要性の強い施設用地の例
陸揚用 荷さばき所用地、蓄養施設用地、冷凍・冷蔵施設用地、給水・給氷・給油及び給電施設用地、製氷施設用地、野積場用地
準備用 給水・給氷・給油及び給電施設用地、製氷施設用地、駐車場用地、野積場用地
休けい用 給電施設用地、漁具保管修理施設用地、野積場用地
増養殖作業用 水産種苗生産施設用地、養殖用作業施設用地、養殖用餌料保管調整施設用地、野積場用地
特定目的用 給水・給油及び給電施設用地、野積場用地、駐車場用地、漁港利用高度化施設用地、漁港利用調整施設用地、船舶保管施設用地
船揚用 漁船保管施設用地、養殖用作業施設用地、野積場用地、漁具保管修理施設用地


(2) 岸壁の直背後の利用
岸壁と第1線用地との境界には岸壁の長期的な機能保全を図る観点から、原則として道路(原則として幅員6メートルのもの)を配置するものとする。ただし、第1線用地に次の用地を配置する場合は、この限りではない。
ア 主として脚柱型式の構造(柱と屋根のみの構造)を有する施設の用地
イ 野積場、漁具保管修理施設のうち漁具干場として利用するもの又は加工場のうち天日加工場として更地で利用する用地
ウ 給油施設用地(幅員6メートルの道路に相当する部分の用地には、給油ピット以外の給油施設関係の工作物は設置しないものとする。)
エ 養殖用作業施設等岸壁の直背後に共同利用施設を配置する必要がある場合
(参考)道路の配置事例図

道路の配置事例図
(3) 岸壁敷の取り扱い
岸壁敷の幅(エプロン幅)は、漁業実態を十分把握して必要な幅(3メートル、6メートル又は10メートル)を確保するものとする。ただし、岸壁を漁獲物の陸揚げ等のために利用するほか、継続的に荷さばき、漁獲物の処理加工又は養殖用作業等を行う用地として利用する場合は、荷さばき所又は加工場等の漁港施設用地としての利用が適正であるので、この場合は、岸壁の幅を必要最小限度とし、背後は用地の利用目的に添った漁港施設用地を配置するものとする。
4 利用計画平面図の表示
(1) 桟橋式の用地
岸壁等の係留施設の用地と合わせて桟橋式で造成する場合は、係留施設の部分とそれ以外の用地として利用する部分との区分を明確にして利用計画平面図に、当該部分が水面の占用である旨を表示するものとする。
(2) 立体利用する用地
ア 2階建以上の建物の用地
2階建以上の建物を建設してその2階以上の部分を漁港施設として利用する場合は、敷地の利用計画と併せて2階以上の部分についても利用計画を定めるものとする。この場合、利用計画平面図には敷地の漁港施設用地の区分を記入し、2階以上の部分をカッコ書きで表示するものとする。
イ 人工地盤による用地
人工地盤(鉄筋コンクリート等で2階以上のプラットホームを建設し、用地を立体的に利用する場合は、別図にして表示するものとする。
(3) 更地利用する用地
ア 漁具保管修理施設用地
漁具保管修理施設用地を漁具干場として利用する場合は、利用計画平面図には2段書きとし、下段は「(漁具干場)」と表示するものとする。
イ 加工場用地
加工場用地を天日加工場用地として利用する場合は、利用計画平面図には2段書きとし、下段は「(天日加工場)」と表示するものとする。
5 運動施設用地
建物内部における体育施設等の運動施設は漁港厚生施設用地とし、グランド等屋外での運動場及び漁港環境整備事業により整備されるものは漁港環境整備施設用地とする。
6 漁村再開発施設用地
漁村再開発施設用地については、漁業集落環境整備事業(漁港漁村総合整備事業により造成されるものを含む。)により造成されるもの、漁港利用調整事業により、造成されるもの又はこれらの事業と密接に関連して造成される用地を区分するため、利用計画平面図には2段書きとし、下段は、それぞれ「(漁業集落環境整備施設用地)」、又は「(漁港漁村総合整備施設)」、「(密接関連施設用地)」、「(漁港利用調整施設用地)」、「(漁港利用高度化施設用地)」と表示するものとする。
なお、漁港施設と漁港施設以外のものとの組合せにより国の補助対象等とされる、漁港利用調整施設については、別に全体計画平面図を表示すること。
7 残土処理用地
残土処理護岸により残土処理用地を造成する場合は、当該護岸及び用地について、それぞれ残土処理護岸及び残土処理用地として、利用計画平面図に表示するものとする。
8 廃棄物処理用地
廃棄物処理護岸により廃棄物処理用地を造成する場合は、当該護岸及び用地について、それぞれ廃棄物処理護岸及び廃棄物処理用地として利用計画平面図に表示するものとし、漁港施設用地である廃棄物処理施設用地と区分するものとする。
ただし、廃棄物処理護岸の整備により、廃棄物の一時処理場として利用した後、他の場所へ移動させる方法(プール方式又は溜式)等による場合(用地として造成しない場合に限る。)は、廃棄物処理護岸として護岸のみを表示するものとする。
附則
1 この要領は、平成14年4月1日に施行する。
2 HACCP対応等衛生管理上必要な場合は、実状に応じ対応する。