漁業運転資金融通円滑化対策事業実施要領
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14水漁第2317号
平成15年1月30日
改正:平成17年4月1日 16水漁第2339号
都道府県知事あて
(社)漁業信用基金中央会あて
農林水産事務次官
第1 目的
この事業は、漁業信用基金協会(以下「基金協会」という。)に対し運転資金等に係る特別準備金の積立費用に充てるための資金を出えんする社団法人漁業信用基金中央会(以下「中央会」という。)に対して国が助成を行うことにより、基金協会の財務の改善を促進し、もって運転資金等についての保証実施の円滑化を図ることを目的とする。
第2 定義
この要領において「運転資金等」とは、中小漁業融資保証法(昭和27年法律第346号。以下「中融法」という。)第2条第3項の漁業近代化資金等のうち次の各号に掲げる資金以外の資金であって、独立行政法人農林漁業信用基金(以下「信用基金」という。)が独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第28条第1項の規定により認可を受けた業務方法書に基づき行う保証保険に付されているものをいう。
(1)漁業近代化資金(漁業近代化資金融通法(昭和44年法律第52号)第2条第3項に規定する資金をいう。)
(2)金融公庫資金(漁業協同組合又は水産加工業協同組合が、農林漁業金融公庫から農林漁業金融公庫法(昭和27年法律第355号)第18条第1項第5号の2から第5号の5まで、第7号若しくは第8号に掲げる資金若しくは水産加工業施設改良資金融通臨時措置法(昭和52年法律第93号)第1項に規定する資金の貸付けを受け、又は沖縄振興開発金融公庫から沖縄振興開発金融公庫法施行令(昭和47年政令第186号)第2条第1号ヨからネまで若しくは第18号に掲げる資金の貸付けを受け、その貸付けの目的に従い、かつ、その貸付けと同一の条件で中小漁業者等に対して貸し付ける資金をいう。)
(3)漁業経営改善促進資金(中融法第4条第3号に掲げる資金の供給を受けて金融機関が貸付けを行う同号に規定する中小漁業者等の経営の改善に必要な資金をいう。)
(4)公害防止資金(中融法第69条第4項に規定する公害防止資金をいう。)
(5)災害資金(中融法第76条に規定する災害資金をいう。)
(6)緊急融資資金(中融法第77条に規定する資金をいう。)
第3 事業実施主体
この事業の実施主体は、中央会とする。
第4 事業の内容等
1 事業の内容
この事業は、次の要件を満たす基金協会が2の債務保証計画に基づき運転資金等に係る保証を円滑に行うことができるよう、中央会が、当該保証に係る特別準備金の積立てに要する費用に充てるための資金の一部を基金協会に対して出えんすることを内容とする。
[1] 2の債務保証計画の開始の日における運転資金等に係る保証料率が、平成15年1月1日現在の運転資金等に係る保証料率に水産庁長官が別に定める率を加えて得た率以上であること。
[2] 金融機関との間において締結する債務保証契約書において、毎年度、基金協会の負担に係る求償権償却額(本事業の開始前から継続して繰り返し設定されている保証極度額の範囲内での保証に係る求償権の償却額又は本事業の開始前から継続して繰り返し行われている保証に係る求償権の償却額(本事業の対象となる保証に係る保証極度額又は保証金額が本事業開始の日の前日における保証極度額又は保証金額と比べて増額となっている場合にあっては、当該増額分の金額に係る償却額を除く。)を除く。)の10%に相当する金額を金融機関が基金協会に出資又は拠出することについて定めていること。
[3] 本事業の対象とする保証案件の引受決定に先立って、都道府県等から構成される保証審査委員会等の審査を経ることとしていること。ただし、保証審査委員会等があらかじめ定める金額以下の保証案件についてはこの限りでない。
この場合、2以上の都道府県の区域を包括して基金協会の区域とする基金協会にあっては、2の債務保証計画に係る都道府県が個別の保証案件について引受に同意することをもって保証審査委員会等の審査に代えることができる。
2 債務保証計画の提出
基金協会は、本事業の対象となる保証の引受について、水産庁長官が別に定める様式により、その区域を管轄する都道府県と協議して債務保証計画を作成し、これを中央会に提出しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
3 特別準備金の積立て及び取崩しの基準
基金協会が積み立てる特別準備金の積立て及び取崩しの基準は、別紙のとおりとする。
4 出えんの申請手続等
(1)基金協会は、この事業に基づく出えんを受けようとするときは、水産庁長官が別に定める期日までに、水産庁長官が別に定める様式により作成した出えん申請書を取りまとめて、中央会に提出しなければならない。
(2)中央会は、(1)の申請書の提出があった場合において、その申請書の内容が適当であると認めるときは、当該基金協会に対し出えんを行うものとする。
(3)中央会の基金協会への出えんは、2の債務保証計画に係る都道府県が、当該基金協会に対し、中央会が出えんしようとする金額と同一の金額の出えん又は補助を行うことを条件とする。
5 出えんの水準
中央会は、6により造成した資金の範囲内において、基金協会に対し、水産庁長官が別に定めるところにより出えんするものとする。
6 事業資金の造成
(1)中央会は、1に定める基金協会に対する出えん及び当該出えん事務に要する費用に充てるための事業資金(以下「事業資金」という。)を造成するものとする。
(2)事業資金は、国の補助金によって造成するものとする。
(3)中央会は、事業資金を適正に管理するため、事業資金を他の業務に係る資金と区別して経理し、かつ、漁業運転資金融通円滑化対策事業資金勘定を設けるものとする。
(4)事業資金の運用から生ずる果実は、当該勘定に繰り入れるものとする。
(5)中央会は、事業資金の管理については、(1)から(4)までによるほか、水産庁長官の承認を得て定める会計に関する規程に基づいて行うものとする。
第5 指導及び監督
水産庁長官は、この事業の実施に関して、中央会及び基金協会に対し、指導及び監督を行うものとする。
第6 国の助成等
1 国は、予算の範囲内において、中央会に対し、この事業の実施に必要な経費について、別に定めるところにより補助するものとする。
2 中央会は、この要領により実施する事業のすべてが完了したときは、速やかに事業資金の精算を行い、水産庁長官が別に定める報告書により国に報告しなければならない。なお、事業資金に残額が生じた場合には、中央会は、当該残額を国庫に返還するものとする。
第7 その他
この要領に定めるもののほか、この事業の実施につき必要な事項については、水産庁長官が別に定めるものとする。
別紙
特別準備金の積立て及び取崩しの基準
1 特別準備金の積立て
基金協会は、毎事業年度末において、次により計算される額を特別準備金として積み立てるものとする。
ただし、前年12月末における特別準備金の積立額が保証事故準備必要額を超える場合は、その超える額についても積み立てるものとする。
積立額 = 前年12月末保証事故準備必要額 + 当年1月から3月までの償却求償権回収額(基金協会の取得分に限る。)に2/3を乗じて得た額 - 当年1月から3月までの取崩額
(注)「前年12月末保証事故準備必要額」とは、前年12月末の求償権残高(信用基金から支払を受けた保険金及び支払を受けることが予定されている保険金の額を除く。)について、次のアからウまでにより計算される額の合計額に2/3を乗じて得た額をいう。
ア 前年1月から12月までに行った代位弁済に係る求償権残高の額の33/100に相当する額
イ 前々年1月から12月までに行った代位弁済に係る求償権残高の額の67/100に相当する額
ウ 3年前の年の12月以前に行った代位弁済に係る求償権残高の額の100/100に相当する額
2 特別準備金の取崩し
特別準備金は、次の経費に充てる場合において、その経費に2/3を乗じて得た額に限り取り崩すことができるものとする。
ア 求償権の償却に要する費用
イ 求償権の回収に当たり求償債務者が負担すべき費用であって、求償債務者から支払を受けることができないものの支払に要する経費(ただし、求償権の回収金の信用基金に対する納付に際し、当該納付すべき額から控除された費用を除く。)