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農林水産省

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漁業集落環境整備事業実施要領の運用について

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53水港第3599号
昭和53年7月10日
最終改正:平成17年3月25日 16水港第3063号

都道府県知事あて

水産庁長官


このことについて、昭和53年7月10日付け53水港第3598号をもって漁業集落環境整備事業実施要領(以下「実施要領」という。)及び同日付け53水港3600号をもって漁業集落環境整備事業補助金交付要綱がそれぞれ農林水産事務次官から通知されたが、この事業の実施に当たっては、上記通知によるほか、別添のとおり取り扱うこととしたから、御了知されるとともに、この旨貴職から関係市町村長に通知されたい。

漁業集落環境整備事業実施要領の運用について
1 対象集落
(1) 事業の対象集落は、実施要領第2に定めるほか、人口が300人以上5,000人以下(漁業集落排水施設整備については、100人以上5,000人以下)の規模の漁業集落であること。
ただし、次に掲げる地域のいずれかの地域内については、人口が50人以上5、000人以下の規模の漁業集落であること。
ア 離島振興法(昭和28年法律第72号)に規定する離島振興対策実施地域
イ 辺地に係る公共的施設の総合整備のための財政上の特別措置等に関する法律(昭和37年法律第88号)に規定する辺地を包括する市町村
ウ 山村振興法(昭和40年法律第64号)に規定する振興山村
エ 過疎地域自立促進特別措置法(平成12年法律第15号)第2条第1項に規定する過疎地域(同法第33条第1項又は第2項の規定により過疎地域とみなされる区域を含み、平成12年度から16年度までの間に限り、同法附則第5条第1項に規定する特定市町村(同法附則第6条又は第7条の規定により特定市町村と見なされる区域を含む。)を含む。)
オ 奄美群島振興開発特別措置法(昭和29年法律第189号)に規定する奄美群島
カ 沖縄振興開発特別措置法(昭和46年法律第131号)に規定する沖縄県の区域
(2) 実施要領第2の1の(1)の「漁業依存度が高く今後とも漁業の振興を図ることが適当であると認められる集落」とは、漁業依存度(対象集落における総生産額に対する漁業生産額(水産加工業を含める。)の割合とする。)又は漁家比率が第1位の漁業集落であること。
ただし、資源回復計画作成要領(平成14年3月28日付け13水管第3882号水産庁長官通知)に基づき、漁獲努力量削減実施計画を策定し、実施している漁業団体の地区にある漁業集落については、当該実施計画策定時に漁業依存度又は漁家比率が第1位であったものも対象とする。
また、漁港漁場整備法第6条(昭和25年法律第137号)の規定により指定された漁港の背後以外に位置する漁業集落は、漁業集落排水施設の整備を実施する場合に限り対象とする。なお、この場合には都道府県関係部局、関係市町村との調整を了し、漁場等水域環境の保全、漁業集落の生活環境の改善の面から緊急性が認められる場合に限り実施するものとする。
(3) 実施要領第2の1の(2)の「漁港及び漁場環境の保全のため、水質汚濁の防止を図る必要性が特に高い水域に面する集落」とは、次のいずれかに該当する集落とする。
ア.水質汚濁防止法(昭和45年法律第138号)第3条の規定により定められた排水基準を定める省令(昭和46年総理府令第35号)別表第2の備考6及び7の規定に基づき環境大臣が定める湖沼及び海域で、かつ、漁業が営まれる水域に面する集落
イ.漁業災害補償法(昭和39年法律第158号)第123条第2項ただし書きの規定に基づき異常な赤潮による養殖損害をてん補することが可能な水域に面する漁業集落(ただし、事業採択年度の直近5箇年間に赤潮が発生した海域に面する漁業集落、又は、水質汚濁に係る環境基準について(昭和46年環境庁告示第59号)別表2の2のアのA類型に係る基準値及び同イのII類型に係る基準値を達成していない水域に面する漁業集落に限る。)
(4) 実施要領第2の2の「一体的に整備することが相当と認められる集落」とは、実施要領第2の1に該当する漁業集落(以下「基本集落」という。)において漁業集落排水施設整備を実施するに当たり、基本集落以外の集落を対象として、当該施設整備を実施することにより、漁港及び周辺水域の水質保全がより効率的に図られると認められる場合の、基本集落以外の集落とする。
ただし、原則として基本集落の規模を上回らない次のいずれかに該当する集落であること。
ア 基本集落に近接した集落
イ 基本集落と一連の沿岸域に位置し、漁協が同一又は漁業生産活動が密接な関係にあり、(1)及び(2)の要件のすべてに該当する漁業集落
2 事業実施区域
事業の実施区域は原則として、漁港区域内とする。漁港区域外において実施する場合は施設の性格上その一部又は全部を区域外において整備しなければ、所期の目的を達成しない場合に限る。
3 事業内容
補助の対象となる事業種目及び内容は、実施要領第3に掲げるとおりであるが、事業種目別の留意事項は次のとおりである。
(1) 漁業集落道整備
ア 対象となる道路は、漁業者が漁獲物又は資材の運搬等に必要なものであり、かつ、多くの漁業者が利用出来る公共性の高いものとする。
イ 構造は、道路構造令(昭和45年政令第320号)に定める基準に準拠するものとする。
ウ 道路法(昭和27年法律第180号)第3条第1号から第3号までに掲げる道路及び同条第4号の市町村道のうち幹線市町村道は対象としないものとする。
エ 漁業集落道の事業基本計画の作成に際しては、あらかじめ関係道路管理者及び関係都道府県の道路担当部局と協議し調整を図るよう努めるものとする。
(2) 水産飲雑用水施設整備
ア 対象とする施設は取水、導水、浄水、送水又は配水等取水から配水までの施設とするが、配水管については幹線及び主要な支線とし、個別給水管等は含まないものとする。
イ 水産飲雑用水施設の整備に当たっては、その用水の用途に従って適切な水質を確保するよう留意するものとする。
ウ 改築の場合は、維持管理が適切に行われており、原則として供用開始後10年以上経過し、老朽化その他やむを得ない事由により損傷し又はその機能が低下した機械及び設備等であること。
エ 風力発電、太陽光等の自然エネルギーを活用した発電設備を一体的に整備することができる。
(3) 漁業集落排水施設整備
ア 漁業集落排水施設整備は、補助分及び単独分で構成する。
イ 補助分は、排水路及び排水管並びに付帯する処理施設を対象とするが、末端の排水路及び排水管等は受益個数2戸未満の部分は含まないものとする。
また、処理施設の門、柵及び塀並びに個人の宅地内配管等は対象としない。
ウ 単独分は、受益個数2戸未満の末端の排水路及び排水管等並びに処理施設の門、柵及び塀を対象とし、個人の宅地内配管等は含まないものとする。
エ 漁業集落排水施設整備に当たっては、排水の水質等について適切な処理がなされるよう留意するものとする。
オ 改築の場合は、維持管理が適切に行われており、原則として供用開始後7年以上経過し、老朽化その他やむを得ない事由により損傷し又はその機能が低下した機械及び設備等であること。なお、事業期間は、おおむね3年間とする。
カ 風力発電、太陽光等の自然エネルギーを活用した発電設備を一体的に整備することができる。
(4) 防災安全施設整備
ア 対象とする施設は、漁村及び漁港施設の保全と防災安全のために必要な土砂崩壊防止施設、防風・防雪施設、水路防護施設、照明施設及び防火施設等とする。
イ 砂防法(明治30年法律第29号)に規定する砂防指定地、地すべり等防止法(昭和33年法律第30号)に規定する地すべり防止区域及びぼた山崩壊防止区域並びに急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律(昭和44年法律第57号)に規定する急傾斜地崩壊危険区域に係る本事業による防災安全施設を計画する際は、土砂流出防止、地すべり防止、ぼた山崩壊防止及び土砂崩壊防止のための施設は対象としないものとする。
(5) 緑地・広場施設整備
ア 対象とする施設は、快適にして潤いのある漁業集落の形成及びその住民の健康増進を図るために必要な植栽、休憩所、運動施設、安全情報伝達施設及びこれらに附帯する施設の整備とする。
ただし、安全情報伝達施設は、災害時において避難地となる緑地・広場施設(災害対策基本法( 昭和36年法律第223号)第2条第10号に規定する地域防災計画その他これに準ずる防災に関する計画において定められたもの。)に限り設置できるものとする。
イ 全体計画面積は、2,500m2以上とする。
(6) 土地利用高度化再編整備
ア 集落の一定規模の区画において生活環境の改善、生活利便の向上及び防災安全の確保に必要な用地の確保のための土地の再編整理
イ 集落の円滑な交通及び景観の改善を図るため、電線、電話線、水道管等を地下に収容するための施設の整備
ウ 津波、高潮等の常襲地帯において集落の安全性を確保するための移転等及びその跡地に水産関係の施設整備を行うための用地整備
(7) 地域資源利活用基盤施設整備
対象とする施設は、漁村地域に存在する地域資源(海水・温水等の自然資源や水産物等の生産資源)を漁業集落道や漁業集落排水施設等の生活環境施設に供給又は利活用することにより、漁村の生活環境の効率的な改善を図るために必要な次の施設とする。
ア 海水、温水等を活用した漁業集落道や防火用水等の公共施設の消雪施設
イ 漁業集落排水処理施設から発生する汚泥と水産副産物を一体的に処理する堆肥化施設
(8) 用地整備
漁村環境の改善に必要な施設用地とは、漁業集落住民の生活改善のための共同利用施設、廃棄物処理施設、排水処理施設等を設置するための用地及び本事業の実施に伴い必要となる住宅等の代替用地とする。
(9) 特認事業
実施要領第3の1から8まで掲げる以外の事業であって、本事業の目的達成上顕著な効果が期待され、かつ、本事業で実施することが適当と認められる事業とする。
4 事業基本計画の様式等
(1) 実施要領第5の1の事業基本計画の様式は別記様式第1号の1、第1号の2、第1号の3、第1号の4及び第1号の5のとおりとする。
(2) 実施要領第5の3の(1)の承認申請書の様式は別記様式第2号のとおりとし、事業実施希望年度の前年度の3月31日までに提出するものとする。
なお、昭和52年度に調査計画を実施した地区については事業基本計画の様式及び承認申請書の提出期限は別途指示するものとする。
(3) 実施要領第5の4の事業基本計画変更承認申請書の様式は別記様式第3号のとおりとする。
(4) (2)の承認申請書の提出にあたっては事前に別記様式第4号の当該事業の事前評価に関する調書をもって協議するものとする。
5 事業基本計画の変更
実施要領第5の4の事業基本計画の変更で承認を必要とするものは、次に掲げる場合とする。
(1) 実施要領第3の事業種目の新設及び廃止
(2) 総事業費の変更であって20%以上の増減(労賃又は物価の変動によるものは除く。)
(3) その他主要な工事の著しい変更
6 事業の効果等に関する報告
事業主体は実施要領第9に規定する事業の効果等に関する報告は次の(1)から(5)までのいずれかに掲げる場合に水産庁長官に提出するものとする。なお、事業主体が複数の場合は、事業主体が共同して、行うことができる。ただし、事業主体が市町村の場合にあっては、都道府県を経由して行うものとする。
(1) 事業採択後、5年を経過した時点で、継続中となる事業実施地区については、5年目ごとに再評価の検討に関する報告を別記様式第5号により行うものとする。
(2) 事業採択後、5年以上を経過した時点で未着工の事業があった場合、再評価の検討に関する報告を別記様式第5号により行うものとする。
(3) (1)及び(2)に掲げる他、漁業情勢の急激な変化等により事業基本計画の見直しの必要性が生じた場合であって次のアからウまでのいずれかに掲げる場合には、適宜、再評価の検討に関する報告を別記様式第5号により行うものとする。
ア 計画策定時に基礎とした漁業情勢、漁港施設の利用状況、漁業集落の概要と生活環境施設の現状等の指標について、著しい変化が見られる場合であって、次の(ア)から(ウ)までのいずれかに掲げる場合。
(ア) 地震や台風等の災害等予期せぬ事態が発生した等、全面的な計画の見直しが必要となった場合。
(イ) 計画の途中で、漁業情勢の大きな変化等により、その漁港の整備の必要性及び有効性に問題が生じ、全面的な見直しが必要となった場合。
(ウ) 事業の是非を問う住民投票の実施、周辺環境に対する新たな影響の懸念が生じた等、現計画のままでの事業実施に問題が生じ、全面的な計画の見直しが必要となった場合。
イ 予期しなかった設計条件等の変化により、現計画の全体事業費が著しく増減する場合。
ウ その他、事業実施の妥当性の検討を行うべきと認められる場合。
(4) 事業完了後、一定期間(おおむね5年)経過後、事後評価に関する報告を別記様式第6号により行うものとする。
(5) その他国が必要と認めた場合、当該事業の効果等に関する報告を行うものとする。
その他
(1)「農山漁村高齢者対策の実施について」(平成8年5月10日付け8農産第2956号農林水産省農産園芸局長、農林水産省構造改善局長、林野庁長官、水産庁長官通知)に基づく市町村農山漁村地域高齢者ビジョンが策定されている市町村において本事業を実施する場合には、同ビジョンに十分に配慮するものとする。
(2) 本事業の実施に当たっては、事業の種類、内容等に即して農山漁村の男女共同参画社会の着実な形成を図るために「男女共同参画推進指針」(平成11年11月1日付け11農産第6825号)に基づく女性対策の着実な推進に配慮するものとする。

別記様式第1号の1(PDF:127KB)

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