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森林の保健機能の増進に関する特別措置法の運用について

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2林野企第39号
平成2年5月16日
最終改正:平成25年4月1日 24林政企第120号

都道府県知事あて

林野庁長官


第1  地域森林計画の変更に当たっての留意事項
法第5条の規定に基づく地域森林計画の変更又は策定に当たっては、多面にわたる他の行政分野との調整に関し、以下の点に留意されたい。
[1] 都道府県内の都市計画・開発許可担当部局、土木担当部局、砂防担当部局、関係河川管理者、総合保養地域整備担当部局及び振興拠点区域担当部局等と十分協議を行うこと。
[2] スポーツ及び文化の振興並びに社会教育に係る学習の推進を図る観点から都道府県教育委員会の意見を聴くこと。
[3] 第5条の規定に基づき、都道府県知事が地域森林計画を変更し、若しくはたてようとする場合、又は変更し、若しくはたてた場合において、港湾管理者が当該計画の地域について臨港地区の指定又は変更の協議を申し出たときは、港湾管理者の意向を十分に尊重して検討を行うこと。

 

第2  市町村森林整備計画の変更等
1  保健機能森林の区域
(1) 保健機能森林(法第3条第2項第1号の保健機能森林をいう。以下同じ)の区域は、森林の保健機能の高い森林のうち、自然環境の保全に配慮しつつ地域森林計画に即して設定することとされたい。
  なお、保健機能森林の区域を設定するに当たっては、地域の実情、利用者の動向等からみて適切な配置となるようにするとともに、森林の施業と森林保健施設(法第2条第2項第2号に規定する森林保健施設をいう。以下同じ。)の整備を一体的かつ計画的に行うことができるよう、流域又は自然の地形界等を考慮して一体的なまとまりのある森林につき定めることとされたい。
(2) 保健機能森林の区域の設定に当たっては、保健保安林及び保健保安林予定森林を優先して定めるものとする。
(3) 保健機能森林の区域の設定に当たっては、地元の要望等その意向を十分尊重して行うこととされたい。
(4) 森林保健施設に該当しない施設の設置が見込まれる森林又は既存の開発行為に係る事業区域内に森林として残置若しくは造成された森林については、保健機能森林の区域に含めないこととされたい。
2  保健機能森林の区域内の森林における造林、保育、伐採その他の施業の方法

  保健機能森林の区域内の森林における施業の方法は、地域森林計画に即して、択伐による施業、特定広葉樹の育成を行う施業、針葉樹人工林を広葉樹人工林や天然林に転換する施業等当該保健機能森林の特色を踏まえて多様な施業が実施できるとともに、快適な森林環境の維持、利用の利便性に配慮し、間伐、除伐等の保育を積極的に行うよう定められたい。

3  森林保健施設の整備に関する事項
(1) 森林保健施設の整備に当たっては、地域森林計画に即して、自然環境の保全に配慮しつつ、森林の状況、利用の見通し等に応じた多様な施設の一体的かつ計画的な整備を行うこととし、保健機能森林の四季を通じた利用に資するよう定められたい。
(2) 保健機能森林の区域において森林保健施設以外の施設の整備を行うことは、保健機能森林の趣旨から望ましくなく、当該森林保健施設以外の施設が整備されることにより法第6条第3項各号の要件が満たせなくなることが生ずることのないよう留意して定められたい。
4  その他の必要な事項

  その他の必要な事項については、保健機能森林の管理・運営に関する事項、自然環境の保全に関する事項等を定められたい。

(1) 保健機能森林の管理・運営に関する事項では、森林の保全と両立した森林の保健機能の増進が図られるよう日常の管理体制、防災体制等について定められたい。
(2) 自然環境の保全及び国土の保全に関する事項では、森林資源の総合的な利用の促進に際し、自然環境の保全並びに土砂の流出防止及び林野火災等災害の防止の観点から配慮すべき事項を定められたい。
5  市町村森林整備計画の変更に当たっての留意事項

  法第5条の2の規定に基づく市町村森林整備計画の変更又は策定に当たっては、保健機能森林の区域に国有林野が隣接する場合には事前に当該国有林野を所管する森林管理局長と連絡を図るほか、以下の点に留意されたい。

[1] 保健機能森林の区域は、原生自然環境保全地域、自然環境保全地域及び都道府県自然環境保全地域(都道府県自然環境保全地域にあっては、普通地区を除く。)を含まないこと。また、都道府県自然環境保全地域の普通地区を含む場合には、原則として森林保健施設を設置しないこととし、都道府県林務担当部局と調整を図りつつ都道府県自然保護担当部局と事前に連絡調整すること。
   保健機能森林の区域に自然公園地域(普通地域を除く。)を含む場合には、国立公園にあっては環境省と、国定公園及び都道府県自然公園にあっては都道府県林務担当部局と調整を図りつつ都道府県自然保護担当部局と事前に協議するものとすること。また、当該市町村森林整備計画には、当該自然公園の利用計画に沿わない森林保健施設は計画されないこと。
[2] 保健機能森林の区域においては、原則として、砂防指定地及び地すべり防止区域は、含まれないものであるが、部分的に砂防指定地及び地すべり防止区域が含まれる場合には、同条第4号の「その他必要な事項」としてこれらの地域における国土保全上の配慮事項を定めること。
[3] 保健機能森林の区域に臨港地区内の民有林を含む場合には、当該民有林に係る計画につき、あらかじめ当該港湾管理者と十分協議をすること。
[4] 保健機能森林の区域の設定・変更に当たっては、既存の道路整備状況等を勘案して行うこと。
[5] 保健機能森林の区域を管轄する都道府県公安委員会の意見をあらかじめ聴くこと。
[6] 本法により、総合保養地域整備法(昭和62年法律第71号)の運用及び同法に基づく総合保養地域の整備並びに多極分散型国土形成促進法(昭和63年法律第83号。以下「多極法」という。)の運用及び同法に基づく振興拠点地域の整備に変更を加えるものでなく、総合保養地域整備法に基づく重点整備地区の設定等及び多極法に基づく重点整備地区の設定等に当たっても、法第3条第2項の保健機能森林の設定等本法の手続きが前提となるものではないこと。なお、保健機能森林の区域の設定は、総合保養地域整備法に基づく基本構想及び多極法に基づく基本構想の推進に寄与する面を持つものであるが、制約を加えるものではないこと。
[7] 森林保健施設の整備により新たに整備が必要となる道路であって、一般交通の用に供する道路(道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路をいう。)は、国土交通省においてその整備に努めるものであること。
[8] 市町村において林務担当部局が総合保養地域整備担当部局と連携を図ること。
6  都道府県知事が協議を受けた場合の留意点

  都道府県知事は、森林法(昭和26年法律第249号)第10条の5第9項(同法第10条の6第4項において準用する場合を含む。)の規定に基づく市町村森林整備計画の樹立・変更に係る都道府県知事への協議に当たり、当該市町村森林整備計画が新たに保健機能森林の整備に関する事項を定めるものであるときは、次に掲げる事項に留意するものとする。

[1] 保健機能森林の区域が、保健保安林及び保健保安林予定森林以外の森林に係るものであるときは、当該森林の森林所有者を指導し、当該森林を保健保安林に指定するように努めること。
[2] 保健機能森林の区域に農用地区域を含む場合には、都道府県林務担当部局は農務担当部局と協議を行うこと。
[3] 当該都道府県の総合保養地域整備担当部局と十分協議すること。

 

第3  森林経営計画の認定の要件等
1  森林の保健機能の増進を図るために有効かつ適切な内容であること(法第6条第3項第1号の要件)
(1) 森林の施業の方法

  森林の施業については、次に掲げる事項に配慮された計画内容になっている場合に認定することとされたい。

[1] 風致、景観の面から適切な内容となっていること。特に、皆伐箇所にあっては主要な眺望点からの視界外であること。
[2] 施設周辺での森林、樹木と身近に接して利用する箇所については、森林が開放的で親しみ易い印象を与える必要があることから、森林内が一定の明るさを維持し入林が容易となるよう除間伐の適切な実施、林床の整理等が行われる内容となっていること。
[3] 森林の保健機能の向上のために必要に応じて広葉樹の導入、花木の植栽等の修景作業が行われる内容となっていること。
[4] 野鳥観察の森、野草園等として利用する場合は、対象とする動植物の生態に適切な考慮が払われた内容となっていること。
(2) 森林保健施設の整備内容及び維持運営方法

  森林保健施設の整備内容及び維持運営方法については、森林施業と併せて森林保健施設の整備を適切に行うよう次に掲げる事項に配慮された計画内容となっている場合に認定することとされたい。

[1] 森林保健施設の位置及び種類が、対象森林(法第6条第1項の対象森林をいう。以下同じ。)全体の地況、林況、気象等の自然的条件、道路等の社会的条件に照らして、利用者が森林の保健機能を享受する上で利便性、快適性が確保される内容となっていること。
[2] 森林保健施設の構造が、利用者が森林の保健機能を享受するために有効かつ適切な内容であるとともに、利用者の安全確保のために必要な措置(手すり、柵等の設置等)が十分に講じられていること。
[3] 小規模建築物を分散させて建築する森林保健施設については、個々の小規模建築物が森林保健施設の区域内におおむね均等に設置される内容となっていること。
[4] 植生状態として利用する森林保健施設にあっては、当該植生状態が適正に維持される内容となっていること。
[5] 便所、くずかご等の衛生施設の設置及び維持管理について適切な内容となっていること。
[6] 土砂流出等の災害の防止に配慮し、必要に応じ擁壁、排水路、貯水池等の保全施設が計画されていること。
[7] 森林保健施設の整備は、計画期間内に公衆の利用に供されるようにするため、森林保健施設ごとに整備着手年及び整備完了年が計画期間内である内容となっていること。
[8] 施設の維持管理に関する事項として、維持管理を委託する場合にはその委託者等、管理人の有無、防災体制、開園期間等が適正に定められているとともに、その収益について施業に適切に還元される内容となっていること。
[9] 森林の施業及び森林保健施設の維持管理のため農薬を使用する場合にあっては農薬取締法により登録された農薬を適正に使用し、生活環境に悪影響を及ぼすことのない内容となっていること。
[10] 山火事防止等防火のために必要な措置が十分に講じられていること。
[11] 他の法律等による許認可を必要とする場合は、当該許可がなされているか、又はなされることが確実であること。
[12] 認定を申請した森林所有者に当該計画を遂行するのに十分な信用、資力及び技術があることが確実であること。
[13] 森林の造成又は森林の維持のために必要な森林の整備等が行われた地域にあっては、当該森林の整備等の目的を踏まえた内容となっていること。
2  総量規制(法第6条第3項第2号の要件)

  総量規制の適用に当たっては、次の点に留意されたい。

(1) 森林保健施設の区域内の土地についての「非植生状態」又は「植生状態」の区分は、当該森林保健施設の区分ごとにその土地の相当部分における立木以外の植生の有無により判断されるが、具体的には次によるものとする。
[1] 「非植生状態」の土地は、建築物又は建築物以外の工作物の利用の用に供される土地、地表面が裸地又は砂礫、コンクリート等で覆われる土地、利用者が恒常的に林内に入ることにより裸地になると見込まれる土地、貯水される土地等で「植生状態」以外の土地である。
[2] 「植生状態」の土地は、自然植生又は人工植生により全体かつ恒常的に立木以外の植生により被覆された状態を維持する土地をいい、具体的には花壇、畑、芝地等である。
   なお、規則別表の3の項の(2)のロに定める200平方メートル未満の土地を含め、非植生状態で利用する土地の面積が1箇所の森林保健施設の面積の5パーセント未満である場合には、当該森林保健施設の区域内の土地を植生状態として取り扱うものとする。
[3] 規則別表の3の項の(2)のロに定める200平方メートル未満の建築物には、便所、水飲み場等が含まれるものであり、標識、案内板、へい、さく、ゴミ箱、ベンチ等その設置が単独かつ一時的な施設については、個々に非植生状態又は植生状態の区分は要しないものとする。
(2) 小規模建築物を分散して建築する場合の規則付録第1の算式の取扱いについては、小規模建築物、連絡路等の整備のために立木の伐採又は土地の形質変更を行う面積を森林保健施設の面積として取り扱うものとする。
(3) 規則第2条第2項の「小流域」の設定は、渓流又は谷の集水区域を基本として一の区域とすることとし、当該集水区域の下流域の集落等の分布状況を勘案して設定するものとする。
3  技術的基準(法第6条第3項第3号の要件)

  技術的基準の適用に当たっては次の点に留意されたい。

(1) 森林の施業の方法

  森林の公益的機能を維持・向上させるために林相改良等を行う場合は、その必要な限度において皆伐を行うことができることとされているが、この場合であっても、森林の保健機能に極力支障のない方法とする内容となっている場合に認定することとされたい。

(2) 森林保健施設の位置
[1] 規則別表の2の項の(1)のロの土地とは、主として次に掲げる土地をいうものとする。
ア 地形、地質、土壌、海岸からの距離等の自然条件からみて、森林保健施設の整備に起因してその周辺の区域において土砂の流出又は崩壊、なだれ、落石等の被害の発生のおそれがある土地
イ 土砂の流出又は崩壊、なだれ、落石等の被害の発生のおそれがある区域に近接していることにより、当該被害を被るおそれのある土地
ウ 川岸、谷口扇状地等で洪水又は土石流流下のおそれのある土地
エ 森林保健施設の整備に起因して、飲料水等の取水口に汚濁水の流入のおそれのある土地
オ 貴重な動植物の生息地又は景観の核となっている箇所等で、森林保健施設の整備に起因して自然環境の保全又は景観の維持に支障を及ぼすおそれのある土地
[2] 規則別表の2の項の(2)の「傾斜度」は、次により測定するものとする。
ア 特定の地点の傾斜度は、当該地点から上方の最大傾斜方向へ水平距離10メートルの地点までの間を測定した傾斜度と下方へ同様に測定した傾斜度との平均値
イ 森林保健施設の区域の土地の傾斜度は、当該区域内の土地の傾斜度が最も高いとみられる適宜の数点を選定し、アの方法により測定したそれぞれの傾斜度のうち最大値
(3) 森林保健施設の規模
[1] 規則別表の3の項の(1)の森林保健施設の一施設当たりの面積の取扱いは、次のよるものとする。
ア 森林の土地を非植生状態又は植生状態として利用するため立木の伐採又は土地の形質の変更を行う連続した区域(遊歩道及びこれに類する施設を除く。)を一施設とすること
イ 小規模建築物を分散して建築する場合は、小規模建築物、連絡路等が一体となっている整備されるひとまとまりの区域を一施設とすること
[2] 規則別表の3の項の(1)のロの「樹冠疎密度が10分の3以上」とは、森林保健施設の区域において、おおむね20メートル平方の区域ごとに樹冠投影面積を当該区域面積で除して算出したあらゆる樹冠疎密度が10分の3以上となるものとし、その他は樹冠疎密度10分の3未満として取り扱うものとする。
[3] 規則別表の「建築物」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に定める建築物をいうものとする。
[4] 規則別表の3の項の(3)の遊歩道等の「傾斜度」は、次により測定するものとする。
ア 特定の地点の傾斜度は、(2)の2のアによること。
イ 遊歩道等の傾斜度は、当該遊歩道等の延長20メートルごとに傾斜度が最も高いとみられる地点を選定し、そのセンターラインの地点からアの方法により測定したそれぞれの傾斜度
(4) 森林保健施設の配置

  規則別表の4の項に定める森林保健施設間の距離は、駐車場、料金所等その外縁部に設置する必要のある施設を除き、森林保健施設(遊歩道等を除く。)と対象森林の境界までの距離についても同様に取り扱うものとする。

(5) 森林保健施設の構造
[1] 規則別表の5の項の(1)の「期待平均樹高」は、市町村森林整備計画において樹種ごとに定める「期待平均樹高」のうち、森林保健施設のおおむね20メートル周辺において現にある立木の樹種(立木の樹種が2以上ある時は占有度最大立木の樹種)によるものとする。
[2] 切土、盛土等の工法及び保全施設等の設置は、「開発行為の許可基準の運用細則について」(平成14年5月8日付け14林整治第25号林野庁長官通知)によるものとする。
[3] 自然と調和した建物となるよう、木造であること、森林と調和する色彩であること等の指導を行うものとすること。
4  保安林の指定の目的の達成に支障を及ぼさないこと(法第6条第3項第4号の要件)

  森林保健施設の設置予定箇所が保健保安林以外の保安林に指定されている場合には、保安林の指定目的の達成に支障を及ぼさないこととするため、当該区域及びその周辺の地況や林況、保安林の配備状況、保全対象等を勘案するとともに、次の点に留意することとされたい。

[1] 指定施業要件(森林法第33条第1項に規定する指定施業要件をいう。以下同じ。)において主伐に係る伐採の方法が禁伐とされている保安林については、森林保健施設が設置されないこと。
[2] 指定施業要件において主伐に係る伐採の方法が択伐とされている保安林については、当該指定施業要件に該当しない森林保健施設の設置が行われないこととすること。
[3] 指定施業要件において主伐に係る伐採の方法を定めないこととされており、かつ、皆伐をすることができる1箇所当たりの面積の限度が定められている保安林については、1森林保健施設当たりの敷地面積は当該指定施業要件で定める限度面積の範囲内とされていること。
5  その他森林経営計画の認定に当たっての留意点

  法第6条第3項の規定に基づき森林経営計画を認定するに当たっては、対象森林の区域に隣接する国有林野の一体的整備が計画されている場合には事前に当該国有林野を所管する森林管理署長と連絡調整を図るほか、多面にわたる他の行政分野との調整に関し、以下の点に留意することとされたい。

[1] 第6条第3項に規定する認定に当たっての要件の1つとして、森林法第11条第5項第3号において当該認定に係る計画の内容が市町村森林整備計画の内容に照らして適当であると認められることが認定の要件の1つとされ、市町村森林整備計画の内容について同法第10条の5第5項は同法第4条第3項を準用していること等から、「自然環境の保全に適切な考慮が払われたものであること」という内容が含まれるものであること。
[2] 土砂流出、林野火災等の災害の防止の観点から所轄の消防機関と十分協議すること。
[3] 対象森林に自然公園地域を含む場合には、国立公園にあっては、自然保護事務所と、国定公園及び都道府県立自然公園にあっては都道府県林務担当部局と調整を図りつつ都道府県自然保護担当部局と事前に連絡調整すること。また、当該森林保健機能増進計画には当該自然公園の利用計画に沿わない森林保健施設は計画されないこと。
[4] 対象森林に臨港地区内の民有林を含む場合には、当該臨港地区内の森林保健機能増進計画につき事前に十分な時間的余裕をもって港湾管理者と協議すること。
[5] 森林保健施設に「教養文化施設」又は「スポーツ又はレクリエーション施設」が含まれている場合には、スポーツ及び文化の振興並びに社会教育に係る学習活動の推進を図る観点から都道府県教育委員会の意見を聴くこと。
[6] 法第6条第1項に規定する森林保健機能増進計画の作成は、総合保養地域整備法に基づく基本構想、多極法に基づく基本構想の推進にも寄与する面を持つものであること。
[7] 都市計画区域内において、地方公共団体が森林保健施設の整備を計画しようとする場合に、都市公園として整備することが可能かつ適切な森林については、都市公園として設置及び管理が行われること。
[8] 本法は、林地開発許可制度等従来の制度の変更を行っていないことから、本法の施行によって森林経営計画の対象とならない土地の形質の変更等に不利益を及ぼすものではないこと。
[9] 市町村において林務担当部局が総合保養地域整備担当部局と連携を図ること。
6  都道府県知事の同意に当たっての留意点
(1) 都道府県知事は、法第6条第4項に基づき、森林保健機能増進計画を全部又は一部とする森林経営計画の認定につき同意を求められたときは、森林の土地の保全及び保安林の機能の維持の観点から法第6条第3項各号に掲げる要件への適合について確認を行うほか、都道府県における他の行政分野との調整に関し、以下の点に留意することとされたい。
[1] 都道府県内の都市計画・開発担当部局、土木担当部局、砂防担当部局及び関係河川管理者、総合保養地域整備担当部局及び振興拠点整備担当部局等と十分協議を行うこと。
[2] 水道施設の整備状況及び整備方針、一般廃棄物処理計画及び産業廃棄物処理計画との整合性を十分確保する観点から、水道行政担当部局及び廃棄物処理行政担当部局と林務担当部局との間で十分協議すること。
[3] 当該森林保健機能増進計画に係る区域を管轄する都道府県公安委員会の意見をあらかじめ聴くこと。
[4] 対象森林に農用地地域が含まれる場合には、林務担当部局は農務担当部局と協議すること。
[5] 地方公共団体が、都市計画区域内において、法第6条第1項の規定に基づき森林保健機能増進計画を含む森林経営計画の認定を求めた場合には、都道府県の林務担当部局は、都市公園担当部局と協議し、協議が整った上で同意すること。
[6] 都道府県の林務担当部局は、森林保健施設の整備により新たに整備が必要となる林道について、森林保健機能増進計画を含む森林経営計画を同意する際に、都道府県道路担当部局と協議調整を行うこと。

 

第4 森林組合の員外利用等
1  森林組合の積極的役割

  地域一体となった森林の保健機能の増進により林業・山村の活性化及び事業範囲の拡大による森林組合自身の経営基盤の安定に資するため、市町村の長は次の事項に留意して森林組合が積極的な役割を果たすことができるよう指導するものとする。

[1] 森林経営計画の変更等
森林所有者は、森林保健機能増進計画を森林経営計画の全部又は一部として定め市町村の長の認定を求めることができるが、森林組合は、その変更等について組合員の相談に応じるとともに、組合員に代わってその変更等の事務の全部又は一部を行うことができるものであること。(森林組合法(昭和53年法律第36号)第9条第2項第10号)
[2] 森林保健機能増進事業
森林組合は、法第6条第5項に規定する特定認定森林所有者の委託を受けて、森林保健施設の整備・維持・運営及び森林の有する保健機能を高度に発揮させるための森林の施業を一体的に行う事業を員外利用の制限を超えて推進することができるようになったものであること。(森林組合法第9条第2項第8号及び法第9条)
[3] 森林経営の指導等
森林所有者自身が森林保健施設の整備・維持・運営を行う場合であっても、森林組合は、要望に応じて個別経営の指導等を行うことができるものであること。(森林組合法第9条第1項第1号等)
2  森林組合模範定款例の改正
本法の施行に伴い、別途森林組合模範定款例の改正が行われるので、改正後の模範定款例を踏まえて定款の改正を指導し、本法に基づく森林の施業と森林保健施設の整備の一体的な推進を円滑に図っていくことが必要である。

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