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農林水産省

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 かんきつ園地転換特別対策事業の実施について

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16生産第8113号
平成17年3月25日
最終改正:平成18年3月28日 17生産第7870号

地方農政局長あて
沖縄総合事務局長あて
北海道知事あて
全国農業協同組合中央会会長あて
全国農業協同組合連合会経営管理委員会会長あて
日本園芸農業協同組合連合会代表理事会長あて
財団法人中央果実生産出荷安定基金協会理事長あて
全国果実生産出荷安定協議会会長あて
日本蜜柑缶詰工業組合理事長あて
全国青果物移出業協会会長あて

農林水産省生産局長


果実等生産出荷安定対策実施要領(平成13年4月1に付け12生産第2775号農林水産省生産局長通知)第2の2の(1)のイの規定に基づき、別紙のとおり標記事業の実施について必要な事項を定めたので、御了知の上、事業の実施について適切なご指導をお願いする。

別紙
かんきつ園地転換特別対策事業実施要領
第1 趣旨
FTA交渉等の進展により、果実をめぐる国際環境が変化する中、かんきつ産地は、需要の低迷による価格の低下、担い手の高齢化や後継者不足、基盤整備の遅れ等により、生産基盤が弱体化し産地の脆弱化の進展が懸念されていることから、輸入果実等の増加に対処し、今後とも国産かんきつを安定的に供給し得る生産体制を早急に整備することが必要である。
このため、担い手への園地集積を図りつつ、国産果実の端境期需要に対応し得る優良晩かん類等への転換及び高品質なかんきつ生産が期待できない生産条件の不利なかんきつ園地の伐採・植林等(以下「転換等」という。)を推進することにより、かんきつ産地の構造改革を図る。
第2 実施期間
本対策の実施期間は、平成17年度から平成21年度までとする。
第3 推進体制
1 本対策は、産地の自主性の発現を旨として、農業者・生産出荷団体の主体的責任を持った取組を基礎に、行政機関、生産出荷団体等産地における関係者が一体となって推進するものとする。
2 全国段階においては、財団法人中央果実生産出荷安定基金協会(以下「中央果実基金」という。)及び農林水産省が連携して、本対策の推進指導に当たる。
3 都道府県段階においては、道府県果実基金協会(以下「県基金協会」という。県基金協会の設立されていない都府県にあっては、都府県農業協同組合連合会。以下同じ。)が事業実施主体となり、都道府県と連携して、本対策の推進指導に当たる。
4 産地段階においては、「果樹産地構造改革計画について」(平成17年3月25日付け16生産第8112号農林水産省生産局長通知)に基づき設置され、果樹産地構造改革計画(以下「産地計画」という。)を策定した産地協議会が、本対策の推進指導に当たる。
第4 転換等の態様等
1 転換等の態様
(1) 本対策において実施できる転換等の態様は、次の表に掲げるいずれかとする。

転換等の態様 内容
ア 優良晩かん類等への転換 うんしゅうみかん、なつみかん、はっさく、いよかん、ネーブルオレンジその他中央果実基金が認めるかんきつ(以下「みかん等」という。)の果樹園(以下「対象果樹園」という。)において、みかん等の樹体を伐採し、跡地等に優良晩かん類等を植栽することをいう。
イ 植林等 対象果樹園において、みかん等の樹体を伐採し、跡地に果樹以外の樹木を植栽すること等跡地を果樹の栽培に利用しないことをいう。


(2) (1)の「伐採」とは、みかん等の樹体を根本から切断し、抜根するか又は枯死させることをいう。
(3) (1)のアの優良晩かん類等への転換の取扱は、次によるものとする。
ア 転換先である果樹の品目及び品種は、不知火、せとか、はるみ、あまか及び産地計画に今後振興すべき果樹として明記されている品目及び品種とする。
ただし、うんしゅうみかんの早生種及び極早生種を転換先とする場合は、転換元をうんしゅうみかんの早生種及び極早生種に限るものとする。
また、転換元と同じ品種への転換は対象としない。
イ 転換後の果樹園は、当該地域における栽培として通常の収穫をあげうるに十分な植栽密度で植栽されなければならない。
ウ 「跡地等に優良晩かん類等を植栽すること」とは、跡地に優良晩かん類等を植栽すること、又はみかん等の樹体の伐採を実施した対象果樹園と同等の面積を有する他の農地に優良晩かん類等を植栽すること(以下「移動改植」という。)をいう。
(4) (1)のイの植林等の取扱は、次によるものとする。
ア 間伐を目的とした伐採は対象としない。
イ 「跡地に果樹以外の樹木を植栽すること等跡地を果樹の栽培に利用しないこと」とは、跡地に果樹以外の樹木を植栽すること、被覆植物を植栽すること、牛等の家畜を放牧するための牧草地とすること、野菜等果樹以外の作物を植栽すること等跡地を果樹の栽培に利用しないことをいう。
2 転換等の要件
転換等を実施する場合にあっては、次に掲げるすべての要件を満たすこととする。
(1) 産地計画の対象となっている農業者が実施すること。
(2) みかん等が平成16年3月31日以降に植栽(みかん等以外のかんきつ類にみかん等の高接が行われた場合を含む。)された果樹園でないこと。
(3) 当該地域の生産出荷団体、普及指導センター等が定めた栽培指導指針等(以下「栽培指導指針等」という。)、当該果樹園のみかん等の樹齢、栽培方式に照らし、当該地域における栽培として通常の収穫をあげうるに十分な植栽密度があるみかん等果樹園であること。
(4) 転換等の実施年度まで過去5年間以上、栽培指導指針等に即して、施肥、防除等の栽培管理が行われ、更に結果樹園にあっては収穫の作業が行われている果樹園であること。
(5) 1ヶ所当たり地続きでおおむね2アール以上であること。
(6) 農地法(昭和27年法律第229号)第4条、第5条又は第73条に基づく農地転用の許可申請書が提出された果樹園ではないこと。
(7) 当該果樹園を農地以外のものにすることを前提とした所有権の移転又は賃貸借等使用収益権の設定若しくは移転に関する協議が、当該果樹園に係る農業者と第三者(地方公共団体を含む。)との間において整った果樹園でないこと。
(8) 1の(1) のアの優良晩かん類等への転換を実施する場合にあっては、次に掲げるいずれかの要件を満たすこと。
ア 産地計画において担い手と定められた者(以下「担い手」という。)が栽培管理する果樹園であること。
イ 転換等の実施後一年以内に担い手に集積されることが確実な果樹園であること。
(9) 1の(1) のイの植林等を実施する場合にあっては、産地計画に定める産地の範囲内における転換面積と同等以上の面積の果樹園が、原則として転換等の実施年度の翌年度までに、産地内の担い手に集積されることが確実であること。
第5 転換等の実施
1 かんきつ園地転換特別対策事業転換等計画の作成
(1) 転換等を実施しようとする農業者(以下「転換農業者」という。)は、かんきつ園地転換特別対策事業転換等計画(以下「転換計画」という。)を作成し、生産出荷団体に提出するものとする。
(2) 転換計画の作成にあたっては、産地計画に適合したものとなるよう、次の事項に留意するものとする。
ア 第4の1の(1) のアの優良晩かん類等への転換の対象となる園地及び第4の1の(1) のイの植林等の実施に伴い担い手に集積される園地は、産地計画において「維持する園地」とされた園地であること。
イ 第4の1の(1) のイの植林等の対象となる園地は、産地計画において「廃園する園地」とされた園地であること。
ウ 第4の1の(1) のイの植林等の対象となる園地については、みかん等の樹体を伐採後、土砂崩壊等による災害発生の恐れがある場合には裸地としないこと。
2 転換計画の承認等
(1) 産地協議会は、1の(1) により転換農業者から生産出荷団体に転換計画が提出されたときは、4の(1)に基づき事前に確認(以下「事前確認」という。)するものとする。
(2) 生産出荷団体は、(1) の確認後、転換農業者から提出された転換計画が産地計画に照らして適切であると認められるときは、これを基に産地総括表を作成し、県基金協会に協議するものとする。
(3) 県基金協会は、(2) により生産出荷団体から提出された産地総括表が適切であると認められるときは、これを基に都道府県総括表を作成し、都道府県知事に協議するものとする。
(4) 県基金協会は、(3) の協議の終了後、事業を実施する面積規模について、都道府県総括表を基に、中央果実基金に協議(以下「面積協議」という。)するものとする。
(5) 中央果実基金は、(4) により県基金協会から提出された都道府県総括表を集約し、必要がある場合は、当該年度の予算の範囲内での事業規模となるよう調整した上で、生産局長に協議するものとする。
(6) (5) による面積協議の結果、都道府県総括表の面積規模を修正する場合は、中央果実基金は県基金協会へ修正面積を提示し、県基金協会は都道府県知事と調整の上、生産出荷団体ごとに修正面積を配分し、生産出荷団体に通知する。生産出荷団体は、転換農業者と調整の上、転換計画を修正し、県基金協会に協議するものとする。生産出荷団体から県基金協会への協議及び県基金協会から都道府県知事への協議については、(2) 及び(3) に準じて行う。
(7) 県基金協会は、(3) の協議及び(4)、(5)、(6) の面積協議の終了後、転換農業者に対し、転換計画を承認するものとする。
3 転換等の実施
(1) 転換農業者は、2の(7)による転換計画の承認を受けた後、転換計画に基づき転換等を実施するものとする。
(2) 第4の1の(1)のアの優良晩かん類等への転換を実施する場合においては、転換先作物である果樹の植栽は、みかん等の樹体を伐採した年度又はその翌年度までに行うものとする。
(3) 転換農業者は、転換等の実施後速やかに、生産出荷団体を経由して産地協議会に転換等を実施した旨を報告するものとする。
(4) 第4の1の(1) のイの植林等を実施する産地の産地協議会は、転換等の円滑な実施を推進するとともに、転換等の実施年度の翌年度までに、植林等を実施した面積と同等以上の面積の果樹園が担い手に集積されるよう、産地内の園地の流動化を推進するものとする。
4 確認
産地協議会は、転換農業者から提出された転換計画に掲げるみかん等の果樹園が対象果樹園の要件を満たすこと及び転換計画に基づきみかん等の果樹園の転換等を適正に実施したこと等について、次により、確認を行うものとする。
(1) 産地協議会は、転換農業者からの転換計画の提出後速やかに、転換計画に掲げるみかん等の果樹園が第4の2の転換等の要件を満たすことについて確認を行うものとする。
(2) 産地協議会は、3の(3)により転換等を実施した旨の報告を受けたときは、速やかに転換等の実施状況について、次による確認(以下「事後確認」という。)を実施するものとする。
ア 転換計画に掲げるみかん等の果樹園において転換等が適正に実施されたこと。
イ 転換等が実施された果樹園の面積。
ウ 転換計画に基づいてみかん等の果樹園の転換等が実施され、補助金が交付された果樹園等について、転換等の態様が維持されていること。
エ 第4の2の(8)のイにより、転換等の実施後又は転換等の実施に併せて果樹園を担い手に集積する場合においては、集積予定年月に集積がなされていること。
(3) (2)のウ及びエに係る確認は、転換等の実施後4年間に少なくとも1回、8年後に1回実施し、県基金協会に報告するものとする。
(4) 第4の1の(1)のイの植林等により転換等を実施した産地の産地協議会は、転換等の実施年度の翌々年度に、第4の2の(9)の転換等の要件を満たすことについて確認を行い、県基金協会に報告するものとする。
5 出作地の確認
出作地(転換農業者の住所地を管轄する産地協議会の区域外に所在する対象果樹園)については、次により確認を行うものとする。
(1) 確認は、当該果樹園に係る転換農業者の所属する産地協議会が行うものとする。ただし、当該果樹園が遠隔地に所在し、当該産地協議会による確認が困難な場合においては、当該産地協議会は、当該果樹園の所在地を管轄する産地協議会(産地協議会の設立されていない産地にあっては、市町村又は生産出荷団体。以下(2)において同じ。)に、当該転換農業者の転換計画の写しを添付して確認を依頼することができるものとする。
(2) 当該果樹園の所在地を管轄する産地協議会が確認を行う場合は、当該果樹園の所在地を管轄する産地協議会は、確認を実施した結果について転換農業者の住所地を管轄する産地協議会に回答するものとする。
(3) 確認の内容等については、4に準じるものとする。
第6 補助金の交付
1 補助金の交付対象
(1) 交付対象者
補助金の交付を受けることができる者(以下「交付対象者」という。)は、対象果樹園において転換等を実施した転換農業者とする。
(2) 助成果樹園
補助金の交付を受けることができる果樹園(以下「助成果樹園」という。)は、第5の4の(2) のアにより転換等が適正に実施されたことについて確認を受けた対象果樹園とする。
2 補助金の額等
(1) 補助金の単価
補助金の10アール当たりの単価は、第4の1の(1)に掲げる転換等の態様に応じて、次のとおりとする。
ア 優良晩かん類等への転換
22万円
イ 植林等
10万円
(2) 補助金の額等
交付対象者ごとの補助金の額は、助成果樹園ごとに、第5の4の(2) のイにより確認された助成果樹園の面積に、(1)に定める単価を乗じて得た額とする。
3 補助金の交付手続き等
(1) 交付の申請
ア 補助金の交付を受けようとする交付対象者(以下「交付申請者」という。)は、交付申請書を県基金協会に提出して補助金の交付を申請するものとする。
イ アの交付申請は、生産出荷団体を経由して行うこととする。
ウ 生産出荷団体は、交付申請者がアにより交付申請を行う際に、次に定める事項について確認し、県基金協会に提出するものとする。
(ア) 交付申請者が第5の2の(7)により転換計画の承認を受けていること。
(イ) 交付申請書の内容が当該転換計画の内容に照らし適正と認められること。
エ 県基金協会は、ウによる申請を受けたときには、ウに定める事項について審査するとともに、第5の4の(2)のアにより転換等が適正に実施されたことについて確認を受けていることを確認の上、補助金交付申請書を作成して中央果実基金に提出するものとする。
(2) 実績報告書の提出
ア 交付申請者は、転換等を実施したときは、速やかに県基金協会に実績報告書を提出するものとする。
イ 実績報告書の提出は、生産出荷団体を経由して行うこととする。
ウ 生産出荷団体は、アによる実績報告書を受理したときは、速やかに県基金協会に提出するものとする。
エ 県基金協会は、ウによる実績報告書を受理したときは、速やかに都道府県知事及び中央果実基金に提出するものとする。
オ 中央果実基金は、エによる実績報告書を受理したときは、速やかに生産局長に提出するものとする。
(3) 交付の決定及び交付
ア 中央果実基金は、(1)のエによる補助金交付申請書の提出があったときは、その内容を審査して、予算の範囲内において、速やかに補助金の交付を決定し、補助金交付決定通知書を県基金協会に送付の上、補助金を交付するものとする。
イ 県基金協会は、アによる補助金交付決定通知を受けたときは、速やかに補助金の交付を決定し、生産出荷団体を経由して、交付申請者に通知するとともに、アによる補助金の交付があったときには、生産出荷団体を経由して、速やかに交付申請者に補助金を交付するものとする。
(4) 補助金の返還
ア 県基金協会は、交付申請者が補助金の交付を受けた年度の翌年度から起算して8年を経過しない間に、次に掲げる事項に該当することとなった場合には、原則として、当該補助金の交付を受けた者をして当該果樹園に係る補助金を返還させるものとする。
(ア) 第4の1の(1) のアの優良晩かん類等への転換として補助金が交付された果樹園において、みかん等(産地計画に今後振興すべき果樹として明記されている品目及び品種を除く)に改植又は高接(同一種類の果樹の場合を除く。)した場合においては、補助金の全額を返還させるものとする。
(イ) 第4の1の(1) のアの優良晩かん類等への転換のうち、第4の2の(8)のイにより、転換等の実施後に果樹園を担い手に集積する場合において、計画通り集積が行われなかった場合においては、補助金の全額を返還させるものとする。
(ウ) 第4の1の(1) のイの植林等として補助金が交付された園地において、果樹を栽培した場合においては、補助金の全額を返還させるものとする。
(エ) 第4の1の(1) のイの植林等により転換等を実施した産地において、第5の4の(4)の確認により、植林等による転換面積とおおむね同等の面積が産地内の担い手に集積されたと認められない場合においては、植林等による転換面積と担い手に集積された面積の差に相当する面積に係る補助金額を返還させるものとする。
イ 産地協議会は、第5の4の(2)のウ及びエによる確認の実施により補助金の返還事由に該当する事実を把握した場合は、速やかに県基金協会に報告するものとする。
ウ 県基金協会は、イによる通知を受けたときは、その都度補助金の交付を受けた農業者をして補助金を返還させるものとし、県基金協会は、速やかに当該補助金を中央果実基金に返還するものとする。
4 補助金の交付手続き等の委任
交付申請者は、3に関する事務を、生産出荷団体に委任することができるものとする。
第7 様式
本事業の実施に必要な手続きに係る様式は、別表に定める。
第8 その他
17年度及び18年度については、当該年度中に産地計画の策定が確実に見込まれる産地については、産地計画の策定と併行して、産地計画の案をもって第5の1、2に定める手続きを実施して当該転換計画の仮承認を受けることができるものとし、仮承認をもって、第5の3、4、5に定める転換等及び確認を実施することができるものとする。この場合、仮承認を受けた転換計画については、産地計画の承認をもって承認されたものとみなす。
附則 この要領の一部改正は、平成18年4月1日から施行する。