大中型まき網漁業のミニ船団化試験操業の取扱方針について
本通知の第2には機種依存文字が含まれているため、当該文字は変換して表示しています。 |
16水管第498号
平成16年5月21日
一部改正 平成19年7月30日 19水管第1395号
都道府県知事
各漁業調整事務所長
関係団体の長
水産庁長官
第1 趣旨
従来、我が国周辺海域で操業する大中型まき網漁業については、網船と複数の附属船で一つの船団を構成し、全部で4~6隻以上の船舶と概ね50人以上の乗組員を必要とする多投資及び多人数型の操業を行ってきたところであるしかしながら、このような操業形態は、海況等の影響を受けて大きく変動するマサバやマイワシのような主要漁獲対象資源の変動に応じて、柔軟に省人化等を図り経費の削減を行うことが困難なことから、経営的に脆弱な体質を有している。
このため、これまで独立行政法人水産総合研究センター(旧海洋水産資源開発センター)等により、漁獲努力量を増大させることなく、より少ない投資額及び人数でも安定的な経営が図れるような合理的な操業体制を構築するための調査が実施されてきたところである。
その結果、運搬機能を備えた網船と探索機能を備えた運搬船の2隻体制による操業の採算性について一定の成果が得られ、平成16年3月29日の漁船漁業構造改革推進会議の中間とりまとめにおいて、「漁業者による実用化に向けた作業を早急に開始すべき」との報告がなされたところである。
本取扱方針は、2隻体制による大中型まき網漁業の操業について必要な情報を収集し、効率的かつ安定的な漁業経営を推進するために行う試験操業の取扱いについて定めるものである。
第2 試験操業の許可
現に大中型まき網漁業の許可を受けて従来型の船団で操業している者が、漁業の方法を1そうまきとする大中型まき網漁業の試験操業の許可を申請した場合であって、次の各号の一に該当するものにつき、漁業の方法を1そうまきとする大中型まき網漁業の試験操業の許可をするものとする。
(1)許可申請対象の船舶のトン数が属することとなる階層が40トン以上300トン以下の場合には、当該申請の内容が次の各号の全てに該当すること。
[1] 大中型まき網漁業の許可等に関する取扱方針(平成19年7月30日付け19水管第1395号。)第7の規定による補充トン数として、100トンに相当する大中型まき網漁業の許可又は認可の凍結を見合いとすること。
[2] 申請に係る船舶が、運搬機能を有するものであること。
[3] 申請に係る船舶が、水産庁長官が別に定める基準に合致するものであること。
(2)許可申請対象の船舶のトン数が属することとなる階層が40トン以上270トン以下の場合には、当該申請の内容が次の各号の全てに該当すること。
[1] 大中型まき網漁業の許可等に関する取扱方針第7の規定による補充トン数として、60トンに相当する大中型まき網漁業の許可又は認可の凍結を見合いとすること。
[2] 申請に係る船舶が、運搬機能を有するものであること。
[3] 申請に係る船舶が、水産庁長官が別に定める基準に合致するものであること。
[4] 申請に係る船舶が、船舶のトン数の測度に関する法律(昭和55年法律第40号)第5条第3項の規定を適用する二層以上の甲板を備える船舶でないこと。
第3 試験操業許可船舶の総トン数の最高限度
300トンとする。
第4 操業区域
凍結する大中型まき網漁業の許可又は認可に係る区域(大中型まき網漁業の許可等に関する取扱方針別表2の北部太平洋海区及び中部太平洋海区に限る。)
第5 操業期間
原則として1年(事業年度は4月1日から3月31日とする。)とする。
第6 制限又は条件
(1)使用可能な附属船は一隻とし、当該附属船の船舶の総トン数の上限は、許可船舶のトン数が属することとなる階層が40トン以上300トン以下の場合には300トン、許可船舶のトン数が属することとなる階層が40トン以上270トン以下の場合には130トンとする。ただし、既存の運搬船を有効利用するため、水産庁長官が特に認める場合は、この限りでない。
(2)漁業調整その他公益上の必要性から、操業区域等に関し、水産庁長官が必要な事項を指示したときは、これに従わなければならない。
(3)試験操業許可指令書は、試験操業期間中船内に保持しなければならない。
(4)試験操業中は、別記様式第1号の旗流を掲揚しなければならない。
(5)試験操業の結果については、漁獲成績報告書(様式は大中型まき網漁業の例による)を月毎に取りまとめ、翌月の十日までに農林水産大臣に報告しなければならない。また、試験操業結果報告書(別記様式第2号)を4半期毎に取りまとめ、翌月の末日までに農林水産大臣に報告しなければならない。さらに、操業年度終了後、試験操業収支報告書(別記様式第3号)を5月末日までに農林水産大臣に報告しなければならない。
(6)許可船舶に当該船舶を特定できる情報、当該船舶の位置を示す情報並びに当該位置における日付及び時刻を水産庁長官の要求に応じてに水産庁長官に報告する機能を備えた衛星船位測定送信機を備付するとともに、許可期間中、正常に作動するよう維持しなければならない旨の制限又は条件を付ける。
(7)指定漁業の許可及び取締り等に関する省令(昭和38年農林省令第5号)中、大中型まき網漁業者に適用される規定は、遵守しなければならない。
(8)上記のほか、凍結する許可又は認可と概ね同様の制限又は条件を付する。
第7 許可申請
本試験操業許可を受けようとする者は、別記様式第4号の試験研究等に関する許可申請書に次に掲げる書類を添え、農林水産大臣に提出しなければならない。
(1)漁船法による漁船の登録謄本
(2)船舶安全法に基づく船舶検査証書の写し(複写機による鮮明な写しについては、海運局の証明は要しない。)
(3)申請にかかる船舶を使用する権利が所有権以外の場合には、当該権利を有することを証する書面
第8 その他
(1)試験操業許可内容又は許可に係る制限又は条件に違反した場合には、試験操業の停止又は試験操業の許可の取消しを行うことがある。
(2)本試験操業を実施するために凍結されている起業の認可については、本試験操業の有効期間中、その延長を認めるものとする。
附則 経過措置
この取扱方針の施行前にした改正前の取扱方針の規定による許可申請であって、この取扱方針の施行の際、許可をするかどうかの処分がされていないものについては、この取扱方針の規定に基づいてしたものとみなす。