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農薬の飛散による周辺作物への影響防止対策について

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17消安第8282号
平成17年12月20日

北海道知事あて
各地方農政局長あて
内閣府沖縄総合事務局長あて

消費・安全局長
生産局長
経営局長

 

 農薬の飛散による危害を防止する観点から、これまで農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15年農林水産省・環境省令第5号)の周知徹底の取組や農薬危害防止運動の実施等、農薬使用者に対し、農薬の適正使用及び農薬の飛散防止措置の実施を図るよう、指導の徹底に努めてきたところである。
一方、平成15年の食品衛生法(平成15年法律第55号)の改正により、平成18年5月から同法に基づく残留基準値が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の販売等を原則禁止する制度(いわゆる「ポジティブリス
ト制度」)が導入されることとなっている。また、ここでいう一定量とは、「食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」(平成17年11月29日厚生労働省告示第497
号)により0.01ppm とするとされたところである。
 こうしたことを踏まえ、今後農薬散布を行う場合には、当該農薬が散布されるほ場のみならず、その周辺で栽培されている食用農作物(以下「周辺農作物」という。)の収穫物についても、食品衛生法の基準を超えた農薬が残留することがないよう、農薬の飛散防止措置の一層の徹底を図る必要がある。
 ついては、別紙のとおり、「農薬の散布による周辺農作物への影響防止対策」をとりまとめたので、(管内都府県に対し通知するとともに)*2 本対策を踏まえ、指導の周知徹底が図られるよう協力をお願いする。
なお、関係団体には、別添のとおり通知しているので併せてお知らせする。

 

別記あて

農林水産省  消費・安全局長
生産局長
経営局長

 農薬の飛散による危害を防止する観点から、これまで農薬を使用する者が遵守すべき基準を定める省令(平成15年農林水産省・環境省令第5号)の周知徹底の取組や農薬危害防止運動の実施等、農薬使用者に対し、農薬の適正使用及び農薬の飛散防止措置の実施を図るよう、指導の徹底に努めてきたところです。
一方、平成15年の食品衛生法(平成15年法律第55号)の改正により、平成18年5月から同法に基づく残留基準値が設定されていない農薬等が一定量以上含まれる食品の販売等を原則禁止する制度(いわゆる「ポジティブリス
ト制度」)が導入されることとなっています。また、ここでいう一定量とは、「食品衛生法第11条第3項の規定により人の健康を損なうおそれのない量として厚生労働大臣が定める量」(平成17年11月29日厚生労働省告示第497
号)により0.01ppm とするとされたところです。
 こうしたことを踏まえ、今後農薬散布を行う場合には、当該農薬が散布されるほ場のみならず、その周辺で栽培されている食用農作物(以下「周辺農作物」という。)の収穫物についても、食品衛生法の基準を超えた農薬が残留することがないよう、農薬の飛散防止措置の一層の徹底を図る必要があります。
 つきましては、別紙のとおり、「農薬の飛散による周辺農作物への影響防止対策」をとりまとめたので、御了知頂くとともに、本対策の推進に特段の協力をお願いします。
なお、都道府県知事には、農政局等を通じ、別添のとおり通知しているので、併せてお知らせします。

 

別記(PDF:9KB)

 

別紙


農薬の飛散による周辺農作物への影響防止対策

1.地域として取り組むべき農薬飛散影響防止のための体制整備

 農薬散布に伴う飛散による周辺農作物への影響防止を効果的に実施するためには、地域の農業者が協力して飛散防止に取り組む必要がある。
このため、都道府県の農作物病害虫防除指導関係、生産振興関係及び普及関係の行政部局、農業者団体等が連携して、農薬の飛散影響防止対策の指導・啓発のための指導体制を整備し、都道府県の対策方針を定め、農薬飛散影響防止対策に取り組むものとする。
 また、都道府県の指導体制のもとに、効果的に対策が講じられるよう地域の実情に応じて、病害虫防除所、普及指導センタ-、市町村等が連携して地域単位の指導体制(以下「地域組織」という。)を整備するものとする。その際、農業協同組合等の生産者団体や病害虫防除組織とも連携して整備することが望ましい。さらに、農薬販売業者や防除業者等についても極力参画を得るものとする。地域組織は以下の取組を行うものとする。

(1)地域組織は、ポジティブリスト制度の導入に伴う農薬使用上の問題点の抽出とその対応策について検討を行い、その結果を踏まえて地域の農業者に対し啓発を行う。また、農薬の飛散影響防止のための農業者相互の連絡体制を整備する。

(2)地域組織は、2に掲げる対策の実施について、農業者に対して指導を行う。特に、散布される農薬の種類、散布方法及び周辺農作物の収穫時期等の状況から、農薬の飛散による影響が特に大きいと予想される場合には、農薬散布を行う農業者又は周辺農作物の栽培者に対し2の(2)の[4]及び[5]の対策を徹底するよう指導する。

(3)農薬の飛散により食品衛生法の基準を超える農薬の残留があった場合には、地域組織は、再発防止のため、地域の作物品目、使用農薬、防除方法等について見直しを行う。

2.個々の農業者が行う農薬の飛散影響防止対策等

(1)病害虫防除については、病害虫の発生や被害の有無にかかわらず定期的に農薬を散布することを見直し、以下の3点の取組からなる総合的病害虫・雑草管理(IPM)に努める。

[1] 輪作、抵抗性品種の導入や土着天敵等の生態系が有する機能を可能な限り活用すること等により、病害虫・雑草の発生しにくい環境を整える。

[2] 病害虫発生予察情報の積極的な活用等による病害虫・雑草の発生状況の把握を通じて、防除の要否及び防除適期を適切に判断する。

[3] 防除が必要と判断された場合には、病害虫・雑草の発生を経済的な被害が生じるレベル以下に抑制するために、多様な防除手段の中から適切な手段を選択し、病害虫・雑草管理に努める。

(2)病害虫の発生状況を踏まえ、農薬使用を行う場合には、次の事項の励行に努め、農薬の飛散により周辺農作物に被害を及ぼすことがないように配慮する。

[1] 周辺農作物の栽培者に対して、事前に、農薬使用の目的、散布日時、使用農薬の種類等について、連絡する。

[2] 当該病害虫の発生状況を踏まえ、最小限の区域における農薬散布に留める。

[3] 農薬散布は、無風又は風が弱いときに行うなど、近隣に影響が少ない天候の日や時間帯を選ぶとともに、風向き、散布器具のノズルの向き等に注意する。

[4] 特に、周辺農作物の収穫時期が近いため農薬の飛散による影響が予想される場合には、状況に応じて使用農薬の種類を変更し、飛散が少ない形状の農薬を選択し、又は農薬の散布方法や散布に用いる散布器具を飛散の少ないものに変更する。

[5] 上記の[2]から[4]の対策をとっても飛散が避けられないような場合にあっては、農薬使用者は散布日の変更等の検討を行い、その上でやむを得ないと判断される場合には、周辺農作物の栽培者に対して収穫日の変更、圃場の被覆等による飛散防止対策を要請する。

[6] 以下の項目について記録し、一定期間保管する。

ア.農薬を使用した年月日、場所、対象農作物、気象条件(風の強さ)等

イ.使用した農薬の種類又は名称及び単位面積当たりの使用量又は希釈倍数

[7] 農薬の飛散が生じた場合には、周辺農作物の栽培者等に対して速やかに連絡するとともに、地域組織と対策を協議する。

 

 

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