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農林水産省

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畜産経営の安定に関する法律及び独立行政法人農畜産業振興機構法の一部を改正する法律等の制定について(平成29年10月27日)

平成29年10月27日付け29生畜751号
農林水産省生産局長通知
改正平成30年3月31日付け29生畜1494号
改正平成30年5月17日付け30生畜278号

1 生産者補給金の交付(年間販売計画、交付対象数量、実績報告等)

(1)年間販売計画の提出

法第12条第1項においては、生産者補給交付金又は生産者補給金の交付を受けようとする対象事業者に、飲用牛乳向けと乳製品向けの生乳の需給調整の実効性が担保されるよう、年間販売計画の提出を求めている。当該提出については、別記様式第1号及び第2号により行うものとし、農林水産省生産局長が別に定める日までに提出するものとする。

(2)年間販売計画の基準
畜産経営の安定に関する法律施行規則(昭和36年農林省令第58号。以下「施行規則」という。)第14条に規定する年間販売計画の基準のうち、同条第1号イ、第2号イ及び第3号イの年間を通じた用途別の需要に基づく安定取引又は特定乳製品の製造であると認められることの考え方については、最低限、年間の加工原料乳又は特定乳製品の販売予定総数量を12等分した数量の概ね2割を超えていることを基本とする。

(3)年間販売計画の変更
対象事業者は、年間販売計画の内容に変更が見込まれるときは、別記様式第3号により年間販売計画変更書を農林水産大臣に提出することができることとする。ただし、次のいずれかに該当するときは、速やかに提出しなければならない。

1. 対象事業を中止し、又は廃止しようとするとき

2. 年間販売計画に記載した事項のうち、以下の事項に変更があるとき
ア 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
イ 対象事業に係る生乳の生産される地域
ウ 生産者補給金の交付の業務の内容

(4)農林水産大臣への実績報告、交付対象数量の変更
法第12条第8項の規定による報告については、別記様式第4号及び第5号により行うものとする。農林水産大臣は、年間販売計画に記載の販売予定数量と、四半期ごとに報告された実績が大幅に乖離する際には、2割以上の乖離を目安として、生乳や乳製品の需給状況等を勘案しながら、必要に応じて、当該対象事業者に乖離の理由を記載した書類の提出を求めるものとする。この場合において、

1. 計画に比べた実績の増加がやむを得ないと認められるときには、必要に応じ、総交付対象数量の範囲内で、当該年度の残期間に係る交付対象数量を追加するものとする。

やむを得ない例:
天候不順や食品事故等による全国的な飲用牛乳の消費減退
販売している乳製品の当初の想定以上の大ヒット
牧場新設、新規就農等による年度途中からの生乳の取扱量の増加
地震、台風等の災害や疾病等

2. 計画に比べた実績の減少がやむを得ないと認められないときには、当該年度の残期間に係る交付対象数量を削減するものとする。

やむを得ない例:
抗生物質残留事故等による生乳の取扱量の減少
地震、台風等の災害や疾病等

(5)生乳生産者への販売数量等の報告

  • 法第16条第3項の数量、価格及び経費の報告については、生乳生産者が自らの生乳の代金とその販売等に係る諸経費がどのように構成されて生乳生産の対価を得たのかを把握できるよう、当該事業者に委託又は売渡しを行った者(以下「委託・売渡者」という。)から生産者に至るまで、生乳代金の精算に併せて行うことが望ましい(報告に変更の必要がある場合も同様とする。)。
  • この報告にあたり、施行規則第17条第2号の対象事業の実施に要した経費については、生乳1キログラム当たりの生乳又は特定乳製品の集送に要した経費、販売に要した経費、検査に要した経費及びその他経費並びにそのうち生乳の生産者が負担する額を報告するものとする。
  • これらの報告は、対象事業者から生乳生産者に対する説明責任が十分に果たされることで、対象事業者にコスト削減のインセンティブが働き、酪農家の所得向上に資するよう規定しているものである。この趣旨を踏まえ、事業の実績に加え、乳業者等との乳価交渉が妥結したときには、遅滞なくその概要を生乳の生産者まで明らかにすることが望ましい。

 

2 集送乳調整金の交付(第1号対象事業者の指定、集送乳調整金の交付)


(1)第1号対象事業者の指定の要件の主な留意点

1. 委託又は売渡しの申出を拒まないこと(法第17条第1項第2号)
生乳の取引が年間を通じて安定的に行われる見込みがない場合その他の施行規則第19条に規定する以下の正当な理由がある場合を除き、年間販売計画に記載の事業者が集乳を行う事業範囲の地域内で生産される生乳についての委託又は売渡しの申出を拒んではならない旨が定款その他の基本約款において定められていることを要件としている。
ア 季節的な変動要因を超えた増減(施行規則第19条第1号)
イ 短期間の取引(施行規則第19条第2号) 短期間の例:飲用需要が減少する年末年始のみ等
ウ 特定の用途への生乳販売(施行規則第19条第3号) 特定の用途の例:飲用牛乳向けのみを条件とするような場合 特定の乳業者への販売のみを条件とするような場合等
エ 生乳の品質が統一的に定める基準に不適合(施行規則第19条第4号) 統一的に定める基準の例:無脂乳固形分の含有比率等の乳成分、体細胞数等の生乳の品質に関わる規格等
オ 生乳の数量が当事者が合意することなく約定の数量から大幅に増減(施行規則第19条第5号)
カ 生乳買取販売のみを行うこととしている指定事業者に対する委託の申出若しくは業務規程において生乳受託販売のみを行うこととしている指定事業者に対する売渡しの申出又は次条第一号から第三号までに掲げる業務規程の基準に適合しない申出(施行規則第19条第6号)
キ 偽りその他不正の行為(施行規則第19条第7号)又は法令の規定又は公の秩序 若しくは善良の風俗に反するもの(施行規則第19条第8号)
該当する場合の例:
契約上明記された生乳生産に係る農薬等の使用の記録及び保管が適正に行われないため、事業者が改善を要求したにもかかわらず、依然として措置がとられない場合等

2. 業務規程が基準に適合していること(法第17条第1項第4号)
事業者が定める業務規程が施行規則第20条に規定する基準に適合していることを要件としている。
ア 集送乳に係る経費の平準化の措置(施行規則第20条第2号)

  • 集送乳に要した経費について、委託・売渡者間での平準化の措置をとることとするものである。
  • 平準化の実効性を担保するため、委託・売渡者に対する乳代の支払に当たっては、その委託又は売渡しに係る生乳の数量を基準とすること(=乳代のプール)が基本である。このため、例えば牧場所在地を基準として乳代を変えることはできない。
  • ただし、乳代について、本規定により、品質規格、特色ある生乳等の合理的な基準を考慮した算定の方法が否定されるものではない。

イ 特定の条件を求める取引の禁止(施行規則第20条第4号)
特定の条件の例:
生乳生産者に対し、全量委託又は全量売渡しを求めること
生乳の受渡場所や数量について、生乳生産者に不利益を強要する条件をあらかじめ定めること等
ウ 業務規程、契約のその他留意事項

  • ア及びイのほか、業務規程及びその前提となる定款その他基本約款の留意事項等について別紙1のとおり示すこととするので、十分留意の上、定款その他基本約款及び業務規程の策定、個々の生乳販売契約、生乳取引契約の締結をされたい。
  • なお、業務規程に基づき締結される生乳販売契約及び生乳取引契約は、公正かつ安定的な取引の実施や生産者補給金等の適正な執行の基礎となるものであることから、書面契約とするとともに、取引当事者は、契約上の権利の行使及び義務の履行を信義に従い誠実に行わなければならないことについて十分留意の上、個々の契約を締結することが必要である。
  • また、生乳生産者等との生乳販売契約については、個々の取引当事者間で協議し、合意した上で締結することが必要であり、合意があれば全量委託など様々な形態での契約が可能である(なお、全量委託契約又は全量売渡契約を強制した場合には、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)に違反する可能性)。

3. 指定申請に当たり添付書類を提出すること

  • 指定申請に当たっては、法第17条第2項において、定款その他の基本約款及び業務規程の添付を求めているほか、施行規則第21条第2号において、指定に係る地域内の全部又は大部分の区域から集送乳を行い、又は行う見込みが確実であると認められることを証する書類等の提出を求めている。
  • 指定した以上は集送乳調整金が交付される法制度であること、また、一度行った指定を解除した際に不利益を被るのは、集送乳調整金の交付先である生産者であることから、指定権者である農林水産大臣及び都道府県知事は、指定を行うに当たっては、これら添付書類により上記1.及び2.を確認するとともに、集送乳業務の確実な実施が担保され、申出を拒まないことが担保されていることを確認する必要がある。
  • 集送乳調整金は、例えば、酪農家の牧場所在地が乳業工場から距離が遠い等により相対的に高い集送乳経費を要する区域を含め、指定地域内であまねく集送乳を行うことを確保するために交付するものであり、単に形式が整っているだけではなく、相対的に高い集送乳経費を要する区域を含めて確実にあまねく集送乳を行う者に交付するものである。
  • このため、特に、全部又は大部分の区域から集送乳を行う見込みが確実であることについては、指定申請に係る年度において、指定地域内の全部又は大部分の区域内の酪農家との契約又は取決めが行われており、かつ、当該契約又は取決めに係る集送乳に係る設備を有しているか、運送手段を有する者との業務提携等を行っていることにより確認するものとする。


(2)第一号対象事業者の指定

  • 第1号対象事業者の指定申請は、別紙2の様式により行うこととする。
  • 指定に当たっては、上記の集送乳調整金の趣旨を踏まえ、事業者の申請について、(1)に照らし、総合的に判断するものとする。


附則
この通知は、平成30年4月1日から施行する。

 

お問合せ先

生産局牛乳乳製品課

担当:生乳班
代表:03-3502-8111(内線0000)
ダイヤルイン:03-3502-5988

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