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「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」の一部改正について(令和3年2月9日)

「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」の一部改正について(2生畜第1812号)
「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」のうち指定団体の取組について(2生畜第1813号)

「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」の一部改正について

2生畜第1812号
令和3年2月9日

都道府県知事 殿
第1号対象事業者代表者 殿
一般社団法人中央酪農会議会長 殿

農林水産省生産局長


生乳流通体制の合理化については、「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」(平成27年10月16日付け27生畜第1115号農林水産省生産局長通知。以下「本通知」という。)により、一般社団法人中央酪農会議(以下「中央酪農会議」という。)及び加工原料乳生産者補給金等暫定措置法(昭和40年法律第112号)に規定された指定生乳生産者団体における取組を推進してきたところである。

生乳流通を取り巻く環境については、平成29年に畜産経営の安定に関する法律(昭和36年法律第183号。以下「法」という。)が改正され、平成30年4月1日から施行されたことにより、加工原料乳生産者補給交付金又は加工原料乳生産者補給金の交付対象事業者が拡大した一方で、生産者数が減少し、都府県では生乳生産量も減少している。さらに、輸送業界における働き方改革の進展や燃油価格の高騰等輸送環境が変化することにより、物流コストは上昇傾向にあるなど、状況が大きく変化しているところである。

生乳生産基盤の強化及び生乳の安定的な供給のためには、引き続き生乳流通体制の合理化を図り物流コストを圧縮することが喫緊の課題であることから、農林水産省としては従来の指定生乳生産者団体から法第2条第4項第1号に規定する第1号対象事業を行う事業者(以下「第1号対象事業者」という。)に本通知の対象を拡大することとし、生乳流通体制の合理化を引き続き推進していく考えである。このため、本通知を改正することとしたので、第1号対象事業者におかれては、下記に従い、生乳流通体制の合理化に取り組むようお願いする。また、第1号対象事業者のうち法第10条第1項に規定する指定事業者であって生乳生産者団体であるもの(以下「指定団体」という。)の長及び中央酪農会議会長におかれては、生乳流通体制の課題を踏まえ、会員である農業協同組合連合会等及びその会員である農業協同組合等(以下「会員等」という。)との連携を図るとともに、改正後の本通知について周知・指導をお願いする。

さらに、都道府県知事におかれては、会員等が生乳流通体制の合理化に向けて強力に取り組むよう周知・指導をお願いする。

第1 第1号対象事業者の取組

第1号対象事業者は、契約に基づく年間を通じた安定した生乳取引に努めるとともに、集送乳の合理化を推進し、集送乳に係る経費の削減に努めること。なお、国は、法第5条第8項及び畜産経営の安定に関する法律施行規則(昭和36年農林省令第58号)第16条第1項第2号の規定に基づく報告により、毎年その実態を把握するものとする。
また、第1号対象事業者は、精度管理がなされた適切な生乳検査の実施及び検査結果に基づく生産者への適切な指導の実施により、安全な生乳の安定供給に努めること。


第2 指定団体の取組

農林水産省生産局長が別に定めるものとする。


「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」のうち指定団体の取組について

2生畜第1813号
令和3年2月9日

都道府県知事 殿
指定事業者代表者 殿
一般社団法人中央酪農会議会長 殿

農林水産省生産局長


「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」(平成27年10月16日付け27生畜第1115号農林水産省生産局長通知)の第2の指定団体の取組については、別添のとおりとする。



(別添)
「生乳流通体制の合理化の総合的な推進について」のうち第2の指定団体の取組

1 指定団体のあるべき姿の検討

一般社団法人中央酪農会議(以下「中央酪農会議」という。)は、畜産経営の安定に関する法律(昭和36年法律第183号。以下「法」という。)第10条第1項に規定する指定事業者であって生乳生産者団体であるもの(以下「指定団体」という。)の代表者、学識経験者等の意見を聴き、生産者数の減少、大規模農場の増加や広域で流通する生乳量の増加を踏まえた望ましい指定団体の姿を含めた以下の事項を検討の上、その実現に向けた再編計画を策定し、農林水産省に報告すること。
(1)望ましい指定団体の姿とその実現に向けた工程
(2)(1)における指定団体の会員である農業協同組合連合会及びその会員である農業協同組合等(以下「会員等」という。)の機能と在り方
(3)指定団体及び会員等の手数料の在り方
(4)必要な情報収集及び生産者への情報開示の具体的な方法
(5)その他必要な事項
なお、検討に際しては、地域によって乳価や控除経費の水準等に差があること、管内の生産基盤の状況に差があること等に留意すること。また、生産者を直接の組合員とする広域農協化に向けた体制の在り方や指定団体の更なる広域化も検討するなど可能な限りの合理化を目指すものとすること。

2 指定団体等の生乳取引体制の合理化の推進

輸送環境が年々厳しくなっている一方、生産者ごとの輸送条件に有利・不利が生じている中で、指定団体が集送乳業務等を一元的に集約することにより、地域全体が負担する経費の削減につながることから、指定団体は、会員等と連携し、次の事項からなる生乳受託販売業務の合理化に係る推進計画(以下「業務推進計画」という。)を策定し、中央酪農会議を経由して農林水産省に報告すること。業務推進計画は、おおむね5年に一度見直すこと。
(1)生乳受託販売業務の指定団体への一元化と会員等との業務・役割分担の見直しを含む組織体制の整備
(2)(1)を踏まえた手数料の見直し
(3)集送乳経費、手数料等の控除経費に係る情報開示の徹底
(4)集送乳や手数料等の合理化の数値目標と具体的な方策
(5)集送乳業者との価格交渉
(6)その他必要な事項
なお、検討に際しては、地域の実態に応じて一県一団体化など会員等の組織の再編整備の検討が必要な場合は適宜必要な助言等を行うなど、都道府県の指導・監督の下で、可能な限りの合理化を目指すものとすること。

3 1及び2の推進に当たって留意すべき事項

中央酪農会議及び指定団体並びに会員等は、生乳流通体制の合理化を総合的に推進するため、以下の取組を着実に実施することとし、1及び2に基づき策定する計画に的確に織り込むものとする。

(1)集送乳の実態の把握及び合理化の計画的な推進

ア 集送乳の実態の把握
指定団体から生産者に至るまでに乳代から控除される経費、集送乳の路線数、生乳検査の実施状況、域内の乳質自主基準に関する実態等について、常時正確に把握すること。

イ 今後の生乳生産基盤の予測に基づく計画策定
業務推進計画の策定に当たっては、会員等における策定基準年度(令和3年度)から5カ年間の生産者数及び生乳生産量の見通し、乳業工場の再編の進展等の前提条件を設定した上で、それらに見合った組織や必要な業務の見直しを計画的に進めること。

(2)組織体制の整備

組織体制の整備に当たっては、(1)の現状等を踏まえ、生産者団体としての機能を効率的かつ効果的に発揮できる体制となるよう、以下の事項について、組織内で十分協議した上で推進すること。

ア 生乳受託販売業務の指定団体への一元化
生産者数が今後も減少傾向で推移すると見込まれる一方、大規模農場が増加するなど、生産者間の規模の格差が広がっている中、生産者団体として生産者に求められる機能を維持するため、都道府県の指導の下、生乳受託販売業務の指定団体への一元化等を進めることが重要である。
なお、生乳受託販売業務の指定団体への一元化に当たっては、指定団体が生産者から手数料等を一元的に徴収し、会員等が行う業務に対して指定団体が会員等に委託料として支払う仕組みを構築するなど、生産者と生乳受託販売契約の直接契約に当たって必要となる規程や組織間の役割分担の整備を行った上で実施すること。

イ 役割分担の明確化
アの推進に当たっては、以下の事項について指定団体と会員等との間で認識を共有した上で、指定団体と会員等の役割分担を明確にすること。
(ア)指定団体は、一元的な配乳権の下にその販売を行う組織であり、乳業者との生乳取引交渉、乳代請求、販売実績数量の管理、域内生乳流通量の調整等のみならず、生乳検査、生乳の流通に係る情報の迅速な集約化及びその一元管理体制の整備を通じ、集送乳路線の管理、施設の管理・運営、個人別乳代精算データの管理等についても実施(会員等への業務委託を含む。)するものであること。
(イ)会員等は、指定団体と連携し、生産者に対して、乳質管理をはじめとする生産面及び経営技術面の指導を行う組織であること。ただし、地域の実情や合理性を踏まえ、その一部又は全部を指定団体が自ら担うことも検討すること。

ウ 手数料体系の見直しと経費の一括控除等
指定団体及び会員等は、役割分担の明確化と併せて、生乳受託販売業務とその他業務に手数料を区分するなど手数料体系の見直しを図ること。
また、生乳受託販売業務の指定団体への集約に伴い、会員等の施設等の維持・運営経費、生乳運送経費等の生乳受託販売に必要な経費等について、指定団体が乳代から一括して控除し、経費等を控除した乳代を会員等その他の委託者に支払う仕組みとすること等について検討すること。

エ 情報公開の推進
指定団体及び会員等は、生産者に対し、指定団体の果たす役割、一元化がもたらすメリット等を明確に示すこと。また、法第9条第3項の規定に基づき、会員別受託数量、用途別の販売実績数量、販売価格、生産者に至るまでに控除される指定団体、会員等の段階ごとの集送乳等経費の内訳、乳価交渉の概要等について情報を公開すること。

(3)集送乳の合理化のための条件整備

ア 集送乳等経費のプール化
集送乳等経費については、輸送環境が年々厳しくなっている状況を踏まえ、都道府県域や農業協同組合等の境界を越えた集送乳路線の合理化を早急に進める観点から、管内でプール精算を実施すること。

イ 乳質自主基準の統一等
指定団体の管内における乳質自主基準を統一するとともに、乳質に基づき生産者に支払う格差金も統一すること。
また、管内で乳質の平準化を図るために、会員等に対して生産者に適切な指導を行うよう周知すること。

ウ 広域的な生乳検査体制の効率化
生乳検査効率の向上による検査コストの低減と、検査の内容の充実や精度の向上を図るため、生産者の求める検査内容・分析結果の提供を可能とすることも含め、生乳検査体制の充実強化とともに、指定団体間の連携、将来的な第三者機関への委託を含めた検査施設の広域統合等を検討すること。

(4)集送乳の実施体制の見直し

ア 運送契約の見直し
運送業者との運送契約については、輸送環境が年々厳しくなっている状況を踏まえ、運送業者に集送乳業務についての理解を求め、適切な価格交渉を実施すること。

イ 集送乳車の大型化等
一輸送当たりの乳量の増加等による集送乳の合理化を図るため、区域内の道路事情等に応じて、集乳車の大型化や指定団体間での集乳車の共同利用等を検討すること。

ウ 集送乳路線の合理化と既存の貯乳施設の再編整備
同一地域内で複数の事業者の集送乳路線が混線している地域では、重複路線の解消に向けて協議すること。また、生産者数の減少、交通事情の改善など情勢の変化に応じて、最も効率的な集送乳路線の設定について、都道府県域を越えた路線の設定を含め、常に見直しを行うこと。
既存の貯乳施設について、その容量、利用率、集送乳路線との位置関係等を踏まえ、統廃合等の再編整備を行うとともに、指定団体間の連携等も検討すること。

(5)域外流通の合理化の推進

ア 指定団体による域外送乳の一元化
域内の生産状況及び全国的な生乳需給状況を迅速かつ的確に把握し、効率的な域外移送を実施するため、指定団体は、全国を地区とする農業協同組合連合会(以下「全国連」という。)と連携し、需給変動に応じた域外送乳を一元的に実施する体制を構築すること。

イ 拠点的貯乳施設の整備等
一輸送当たり乳量の増加、輸送距離の短縮等によるコスト削減を図るため、域外送乳のための拠点的な貯乳施設の整備を検討すること。

ウ 全国連と指定団体間との連携の強化
全国的な生乳需給情報を共有し、全国的な生乳需給の安定を図るため、全国連及び他の指定団体との連携を強化し、地域間の生乳流通の合理化に努めること。

4 関係団体等との連携

生乳流通体制の合理化を進めるに当たり、指定団体は、全国連及び中央酪農会議と密接かつ十分な連携を行うこと。
また、指定団体及び会員等は、生乳検査体制の広域化など都道府県内の関係団体との調整が必要な事項、会員等組織の再編整備など都道府県単位での協議・調整等が必要な事項その他必要な事項について、都道府県と密接かつ十分な連携を図ること。

5 進捗状況等の報告

指定団体は、農林水産省生産局畜産部牛乳乳製品課長が別に定めるところにより、2に基づき策定した計画の進捗状況等について、中央酪農会議を経由して農林水産省に報告すること

お問合せ先

生産局 牛乳乳製品課

直通:03-3502-5988

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