農村景観の保全・活用に係る事例集
1 農村景観とは
農村景観とは、地形、気候による地域独特の風土のもと、農業生産活動により形作られた水田等の農地、水路・ため池等の農業水利施設、人々の生活の営みの場となる集落、雑木林・鎮守の森等により、歴史的・文化的な背景をもとに形成された景観です。
農村景観は価値のある原風景として認識されており、これを地域資源の一つとして活用したイベント及び地域づくりも行われています。
なお、良好な農村景観は、地域の自然と人々の暮らし・文化の継承を背景として、農業が持続的に行われるとともに、農村の活力が維持・向上されることにより保たれます。
2 農業農村整備での景観配慮に当たって
農地、用水路、ため池等の農業水利施設等は農村景観を構成する重要な要素であることから、農業農村整備事業の実施に当たっては、周辺景観との調和への配慮を含む環境配慮の検討を行うことが原則化されています。
農村景観への配慮には、地域の個性、正確などに応じた設計を取り入れ洗練することが重要です。また、地域の景観づくりの主役は農家を含めた地域住民であり、整備後の保全活動、景観の地域資源としての活用なども念頭に置きつつ、地域住民と行政が連携・協力して取り組むことも重要です。
3 事例地区の選定について
近年、このように地域住民と行政等が連携しつつ、農業農村整備事業によって美しい農村景観の形成・維持が行われています。そして、この農村景観を地域資源の一つとして活用したイベントや地域づくりも増加しています。
そこで、今後の取組の参考になるよう、全国から水田や畑、平地農業地域や中山間地域の様々な条件で行われている事例を16地区選定し、整理しました。
4 農村景観の保全・活用に係る事例
農業農村整備事業により形成した景観を地域づくりに活用している事例を紹介します。
5 事例地区関連情報
地区事例に参加している団体の活動状況やイベント情報等は、以下を参考にしてください(リンク先は外部リンクです)。
○世界農業遺産登録を契機とした取組 【宮城県大崎市等】 ・大崎地域世界農業遺産推進協議会ホームページ |
○調整池の造成を契機とした地域づくり 【栃木県市貝町】 ・芳那の水晶湖ふれあいの郷協議会 |
○ダム建設を契機とした棚田の保全活動 【新潟県佐渡市】 ・佐渡棚田協議会ホームページ |
○散居景観の保全に向けた取組 【富山県砺波市、南砺市】 ・となみ散居村ミュージアムホームページ ・となみ野田園空間博物館推進協議会ホームページ |
○樹園地の景観を活かした取組 【山梨県甲州市】 ・甲州市公式ホームページ |
○棚田景観の保全に向けた取組 【愛媛県松野町】 ・松野町公式ホームページ ・奥内の里保存会(facebook) |
6 手引き、技術指針等の紹介
農業農村整備事業における景観配慮の手引き、技術指針等は以下のとおりです。ご活用ください。
- 農業農村整備事業における景観配慮の手引き(平成18年8月)
- 農村環境の広域的な保全に向けた構想づくりガイドブック(平成22年8月)
- 農業農村整備事業における景観配慮の技術指針(平成30年5月)
- 景観配慮における小型UAVの活用(youtube)(令和2年3月)(外部リンク)
お問合せ先
農村振興局整備部設計課計画調整室
担当者:環境計画班
代表:03-3502-8111(内線5515)
ダイヤルイン:03-3502-4167