中山間地域等について
1 中山間地域とは
中山間地域とは、農業地域類型区分のうち中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域を指しています。中山間地域は、全国の耕地面積の約4割、総農家数の約4割、農業産出額の約4割を占めるなど、我が国の農業において重要な役割を担っています。
また、雨水を一時的に貯留する機能(洪水防止機能)、土砂崩れを防ぐ機能(土砂崩壊防止機能)といった多面的機能が適切に発揮されている中山間地域は、国民の大切な財産です。




中山間地域の主要指標(令和2年) | ||||
区 分 | 全 国 (A) |
中山間地域 (B) |
割 合 (B/A) |
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(ア)人 口 | 1億2,615万人 | 1,336万人 | 10.6% | |
(イ)総土地面積 | 3,780万ha | 2,412万ha | 63.8% | |
(ウ)耕 地 面 積 | 437万ha | 167万ha | 38.2% | |
(エ)総 農 家 数 | 175万戸 | 78万戸 | 44.6% | |
(オ)販売農家数 | 103万戸 | 44万戸 | 42.7% | |
(カ)農業産出額 | 8兆9,557億円 | 3兆5,856億円 | 40.0% |
資料: | 農林水産省統計部「2020年農林業センサス」((イ)総土地面積、(エ)総農家数、(オ)販売農家数) |
農林水産省「令和2年耕地及び作付面積統計」((ウ)耕地面積) | |
農林水産省「令和2年生産農業所得統計」((カ)農業産出額) | |
総務省「令和2年国勢調査」((ア)人口) | |
※1 | 中山間地域(B)の値の集計に用いる農業地域類型区分は、農林統計に基づく区分(令和5年3月改定)。 |
※2 | 「(ウ)耕地面積」、「(カ)農業産出額」の中山間地域(B)の値は、農林水産省農村振興局地域振興課の推計値。 |
※3 | 「(ア)人口」の中山間地域(B)の値は、農林水産省「地域の農業を見て・知って・活かすDB」を基に、農林水産省農村振興局地域振興課が推計。 |
※4 | 「(イ)総土地面積」の中山間地域(B)の割合は、旧市区町村別の総土地面積を用いて算出しており、北方四島や境界未定の面積を含まない。 |
農林統計上の定義 | ||
農業地域類型 (注1) |
基準指標 (注1) |
該当地域を含む市区町村数(注2) |
都市的地域 | 可住地に占めるDID面積が5%以上で、人口密度500人/㎢以上又はDID人口2万人以上の市区町村及び旧市区町村。 可住地に占める宅地等率が60%以上で、人口密度500人/㎢以上の市区町村及び旧市区町村。ただし、林野率80%以上のものは除く。 |
900 |
平地農業地域 | 耕地率20%以上かつ林野率50%未満の市区町村及び旧市区町村。ただし、傾斜20分の1以上の田と傾斜8度以上の畑との合計面積の割合が90%以上のものを除く。 耕地率20%以上かつ林野率50%以上で、傾斜20分の1以上の田と傾斜8度以上の畑の合計面積の割合が10%未満の市区町村及び旧市区町村。 |
754 |
中間農業地域 | 耕地率が20%未満で、都市的地域及び山間農業地域以外の市区町村及び旧市区町村。 耕地率が20%以上で、都市的地域及び平地農業地域以外の市区町村及び旧市区町村。 |
980 |
山間農業地域 | 林野率80%以上かつ耕地率10%未満の市区町村及び旧市区町村。 | 730 |
注1 | (1) | 決定順位:都市的地域→山間農業地域→平地農業地域・中間農業地域 |
(2) | DIDとはDensely Inhabited Districtの略で人口集中地区のこと。原則として人口密度が4千人/㎢以上の国勢調査基本単位区等が市区町村内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が5千人以上を有する地区をいう。 | |
(3) | 傾斜は、1筆ごとの耕作面の傾斜ではなく、団地としての地形上の主傾斜をいう。 | |
(4) | 農業地域類型区分の中間農業地域と山間農業地域を合わせた地域を中山間地域という。 | |
(5) | 旧市区町村とは、昭和25(1950)年2月1日時点での市区町村をいう。 | |
注2 | (1) | 該当地域を含む市町村数については、農林水産省農村振興局農村政策部地域振興課による集計。 |
(2) | 令和5年4月1日現在の市区町村(1,719市区町村)の状況。東京特別区は1自治体扱い。 | |
(3) | 各農業地域類型別の市区町村数は、「農林統計に用いる地域区分」(令和5年3月改定)において、旧市区町村(昭和25年2月1日現在の市区町村)を単位として分類された地域を全部又は一部含んでいる市区町村を集計したものであり、各農業地域類型別の市区町村数には重複しているものも含まれるため、各区市町村数の計と実際の市区町村数(1,719市区町村)は一致しない。 | |
(4) | 各農業地域類型別の市区町村数のうち、中間農業地域と山間農業地域とで重複している市区町村を除いた市区町村数(中山間地域の市区町村数)は1,191市区町村。 |
2 中山間地域等とは
食料・農業・農村基本法第35条においては、「山間地及びその周辺の地域その他の地勢等の地理的条件が悪く、農業の生産条件が不利な地域」を「中山間地域等」として規定しています。この「中山間地域等」には上記1の中山間地域に加え、特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律、山村振興法、過疎法、半島振興法、離島振興法などの地域振興立法の指定を受けている対象地域が含まれています。
地域振興立法の指定地域を含む市町村数 | |
基準指標 | 指定地域を含む市町村数 |
特定農山村地域における農林業等の活性化のための基盤整備の促進に関する法律第二条第一項に該当する「特定農山村地域」 [1]勾配20分の1以上の田面積が全田面積の50%以上、但し全田面積が全耕地面積の33%以上 [2]勾配15度以上の畑面積が全畑面積の50%以上、但し全畑面積が全耕地面積の33%以上 [3]林野率75%以上 (上記のいずれかに該当) [4]総土地面積に対する農林地割合81%以上、又は15歳以上人口に対する農林業従事者数の割合が10%以上 [5]人口10万人未満 |
959 市町村 一覧(PDF : 272KB) 一覧(詳細)(PDF : 1,039KB) |
山村振興法第七条第一項により指定された「振興山村」 [1]林野率75%以上(1960年農林業センサス) [2]人口密度1.16未満(1960年農林業センサス) |
734 市町村 |
過疎地域の持続的発展の支援に関する特別措置法第二条に該当する「過疎地域」 [1]S55~R2年の人口減少率が30%以上 [2]S55~R2年の人口減少率が25%以上、高齢者比率(65歳以上)38%以上 [3]S55~R2年の人口減少率が25%以上、若年者比率(15歳以上30歳未満)11%以下 [4]H7~R2年の人口減少率が23%以上 (上記のいずれかに該当) [5]財政力指数0.51以下 |
885 市町村 |
半島振興法第二条第一項により指定された「半島振興対策実施地域」 三方が海に囲まれた地域(架橋等により本土との陸上交通が確保された島を含む。)であって、2以上の市町村の区域からなり、一定の社会的経済的規模を有する地域 |
194 市町村 |
離島振興法第二条第一項により指定された「離島振興対策実施地域」 外海離島指定基準、又は内海・内水面離島指定基準、若しくは離島一部地域指定基準に該当するもの。 |
111 市町村 |
沖縄振興特別措置法第三条第一項により定義された「沖縄」 沖縄県の区域 |
41 市町村 |
奄美群島振興開発特別措置法第一条に規定された「奄美群島」 鹿児島県奄美市及び大島郡の区域 |
12 市町村 |
小笠原諸島振興開発特別措置法第四条第一項により定義された「小笠原諸島」 孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島 |
1 市町村 |
注1 令和5年4月1日現在の市町村(1,719市町村)の状況。東京特別区は1自治体扱い。 |
お問合せ先
農村振興局農村政策部地域振興課
担当者:多面的機能班
代表:03-3502-8111(内線5608)
ダイヤルイン:03-6744-2081