国内産農産物における農薬の使用状況及び残留状況調査結果について(平成22年度)
農林水産省は、平成22年度に実施した農薬の適正使用・管理を確認するための標記調査について、結果を公表します。
使用状況調査においては、調査した農家のほとんどで不適正な農薬の使用は見られませんでした。
また、残留状況調査においては、分析した農産物のうち、2検体を除いて、食品衛生法による残留基準値を超えるものがないことが確認されました。
今回残留基準値を超えて農薬を含有していた農産物は、通常摂食する量を摂取しても健康に影響を及ぼすおそれはありません。
調査目的と結果
農薬の適正使用の推進、農産物の安全性の向上に関する施策の企画立案のための基礎資料を得ることを目的として、農産物を生産している農家における農薬の使用状況及び産地段階における農産物への農薬の残留状況の調査を実施しました。
(1)農薬の使用状況
4,745戸の農家について、記入又は聞き取りにより農薬の使用状況の調査を行いました。
その結果、不適正な使用が見られたのは、1戸(0.02%)だけでした。昨年に引き続き、ほぼすべての農家で農薬が適正に使用されており、生産現場における農薬の適正使用についての意識が高いと考えられます。本来使用できない農産物に農薬を使用した不適正な使用のあった農家に対しては、地方農政局及び都道府県が農薬の適正使用について改めて指導を行いました。
(2)農薬の残留農薬状況
1,437検体の農産物について残留農薬の分析を行いました。その結果、2検体(ほうれんそう、にら)を除いて、農薬の残留濃度は食品衛生法による残留基準値を超えていませんでした。
これは、ほとんどの農家が適正に農薬を使用しているとした農薬の使用状況調査結果を反映していると考えられます。
残留基準値を超えた試料は、ほうれんそう99検体中1検体と、にら100検体中1検体でした。これらについては、関係都道府県に情報提供を行うとともに、当該農家について、使用状況の調査をさらに行いました。その結果、このほうれんそうと、にらを生産した農家は、当該農薬を使用基準どおりに使用していました。なお、当該農薬のほうれんそうに対する残留基準値は、昨年12月に今回の調査で確認された残留量を上回る残留基準値に改正されています。また、にらについては、明確な原因が確認できなかったことから、検出された成分の残留状況について、平成23年度以降も注視していきます。
なお、今回の調査で残留基準値を超えて農薬を含有していた農産物は、通常摂食する量を摂取しても健康に影響を及ぼすおそれはありません。
調査結果を受けた対応
(1)都道府県等にこの結果を通知し、農薬の適正使用の推進のための農家等への指導に活用していただく予定です。
(2)農林水産省では、農薬の適正使用の指導に資するため、平成23年度も調査を行っております。また、これまでの調査で得られた結果を基に調査方法や内容を検討し、平成24年度以降も本調査を継続して、結果を提供していくこととしています。
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課農薬対策室
農薬指導班
代表:03-3502-8111(内線4500)
ダイヤルイン:03-3501-3965
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