無登録農薬問題の経緯について
1.主な経過
(1)平成14年7月30日に山形県において無登録農薬(ダイホルタン及びプリクトラン)を販売していた2業者が農薬取締法違反及び毒物及び劇物取締法違反の容疑で逮捕され、8月9日には、更に山形の業者に販売していた東京の業者が、農薬取締法違反の容疑で逮捕された。
(2)その後、東京の業者が販売していた他の都府県の販売業者への立入検査の結果をもとに、他の販売業者及び購入農家への立入検査も進み、平成14年末までに44都道府県で無登録農薬の販売(約270営業所(個人を含む。))又は購入(約4,000農家)が行われていたことが判明している。
2.農林水産省のこれまでの対応
(1)各都道府県への情報提供と立入検査等の指示
[1]7月30日に山形の業者が逮捕されて以降、全都道府県にこの問題に関する情報を随時提供。
[2]8月12日に東京の業者が山形県以外の業者にも販売していたとの情報を入手し、翌8月13日には、関係する都府県に対し、情報の収集、販売業者等への農薬取締法に基づく立入検査を早急に実施するよう指導し、各都府県で立入検査が開始された(農林水産省、独立行政法人農薬検査所も立入検査に協力)。
[3]立入検査の際、購入農家まで立ち入り、無登録農薬がこれ以上流通・使用されないように、無登録農薬の封かん等の措置を行うとともに、無登録農薬が使用された農産物について、衛生部局と連携を取りつつ安全性の確保措置(出荷自粛、残留農薬分析等)が図られるよう指導した。
(2)対策本部の設置
無登録農薬の販売に対する今回の問題は、食の安全性を脅かす重大な問題と認識し、8月30日に遠藤副大臣を本部長とする「農林水産省動植物検疫・農薬問題等食品安全性対策本部」を設置し、以下の取組事項を決定した。
[1]都道府県知事に、すべての農薬販売業者(業者数4万、営業所数7万)への無登録農薬販売の総点検の実施と結果報告を指示(10月23日に結果を公表)
[2]全中に対し、農協における無登録農薬の販売に関する総点検の実施、結果報告、公表を要請(10月23日に公表)
[3]個人輸入代行業者への立入検査の実施
[4]無登録農薬の販売に関与した業者の早急な処分(11月29日に処分を決定し業者名等を公表)
[5]山形県における衛生部局と農林部局との連携の不備等を踏まえ、問題点の把握、農林部局と衛生部局、県と国の間の連携システムの構築
[6]生産者に対する無登録農薬の使用規制等、臨時国会での対処を視野に入れた農薬取締法の改正作業の加速化
(3)情報の提供
多くの方からの問い合わせに対し、常時最新の情報を伝えるため、各都道府県における無登録農薬の販売・購入・使用に関する状況、各無登録農薬のプロフィール等について農林水産省ホームページに掲載している(8月26日から掲載中)。
3.農薬取締法の一部改正
このような事態を踏まえ、農薬取締法の一部を改正する法律案を第155回臨時国会に提出した。
10月25日 閣議決定
11月21日 衆議院可決
12月4日 参議院可決、成立
12月11日 公布
お問合せ先
消費・安全局農産安全管理課農薬対策室
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