このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

MAFF TOPICS(2) NEWS ドキュメント映画『いただきます~みそをつくるこどもたち』を応援


園児たちの日常を通じて食の大切さを伝える
2015年に公開され、話題を集めた映画『はなちゃんのみそ汁』は、乳がんで闘病中の妻と、その最中に産まれた娘のはな、夫の生活をつづった書籍を映像化したものでした。

そのモデルとなったはなちゃんが、5年間通った社会福祉法人福栄会高取保育園(福岡市早良〈さわら〉区)を舞台とした映画『いただきます~みそをつくるこどもたち』ができました。はなちゃんの父親である安武信吾氏がプロデュースし、VIN OOTA(太田敏)氏が監督・撮影をしています。

この映画は「食育」という概念がなかった時代から玄米、みそ汁、納豆、季節の野菜という給食を実践する高取保育園の1年間を追ったドキュメンタリーです。高取保育園では麹を使い、毎月100キログラムのみそを子どもたち自身が作ります。こうしたみそ作りや食事の用意を通じて、子どもたちが「食が命をつくること」を学ぶ様子が撮影されています。

映画から「食べること」「自分でつくること」の大切さが伝わり、観終わると温かい気持ちになります。子どもたちはカメラを気にすることなく、ふだん通りにのびのびとふるまい、自然な姿が描かれています。

ナレーションは女優の石田ゆり子さんが担当。東京農業大学名誉教授・小泉武夫先生は「発酵食品であるみそは先人たちの英知の結晶。自分たちのみそを作り、毎日食べる高取保育園の子どもたちは日本一幸せです。こんな子どもたちが増えたら日本も安心だと思えますね」と語っています。

この映画は、趣旨に賛同した個人の協賛金のみで作られた"市民が作った映画"です。DVDを有料で貸し出し、自主的に上映会を催してもらう仕組み。学校のPTA行事や自治体の子育て支援の行事などに「手作りみそワークショップ」などと組み合わせて行う上映会や、3歳児以下の子連れ上映会を勧めています。

「いただきます」公式ホームページで上映会の申し込みができます。
予告編も観ることができます。
www.itadakimasu-miso.jp[外部リンク]


高取保育園の1年を映画に
みその作り方を5歳児が4歳児に教えるシーンもある。子どもたちは食育をまさに生活の中で体験する。
みその作り方を5歳児が4歳児に教えるシーンもある。子どもたちは食育をまさに生活の中で体験する。
「映画を通じて食べることを次世代に伝える大切さとこの仕事のすばらしさを改めて感じました」と語る西福江先生(87歳)。
「映画を通じて食べることを次世代に伝える大切さとこの仕事のすばらしさを改めて感じました」と語る西福江先生(87歳)。

園児たちははだしで園庭を駆け回る。空腹こそが最高の調味料。運動した子どもたちは食欲旺盛で、給食の食べ残しはゼロ。
園児たちははだしで園庭を駆け回る。空腹こそが最高の調味料。運動した子どもたちは食欲旺盛で、給食の食べ残しはゼロ。

高取保育園の給食。「自分が育った土地の旬の食材を食べることが健康につながる」という
高取保育園の給食。「自分が育った土地の旬の食材を食べることが健康につながる」という"身土不二(しんどふじ)"の食養思想に基づき、地元の野菜がふんだんに使われている。

東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生がコメント。「日本人の生活環境に即した食事は、みそなどの伝統的な和食です」。
東京農業大学名誉教授の小泉武夫先生がコメント。「日本人の生活環境に即した食事は、みそなどの伝統的な和食です」。




取材・文/細川潤子




読者アンケートはこちら