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17年11月号文字情報

味の再発見! 昔ながらのニッポンの郷土料理 第7回

富山県 昆布じめ

魚も野菜も昆布でしめて、ふだんのおかずに
一見ごく普通の野菜と刺身の盛り合わせに見えるひと皿だが、実は、すべて昆布に挟んでおいたもの。いわゆる昆布じめがなされている。昆布じめといえば、小料理店や割烹(かっぽう)などの料理と思われるかもしれない。高級な印象を受ける人もいるだろうが、富山人にとってはごく日常的なものと言ったら驚かれるだろうか。

「海が近くて魚は豊富ですからね。お刺身が余ったときはもちろん、野菜もよく昆布じめにしますよ」とは地元の方の談。用いられる具として聞かれたのは、サス(ザス、サシ)と呼ばれるカジキや、フクラギ(ハマチ)、富山の特産品でもある白エビなど。「いえいえ、なんでも挟みますよ。白身魚はもとよりイカやマグロの赤身、たまに牛肉も挟みます」なんて声も聞かれた。野菜なら、ふきやたけのこなどの山菜から青菜類、れんこん、かぶなども挟む。富山の昆布じめは総じてひと晩からそれ以上時間をかけることが多い。うまみをしっかり食材に移すのだ。食べてみれば、それぞれ調理前のときとはまったく違う味わいを見せる。これが楽しい。

しかしなぜ昆布なのか。これは江戸中期から明治にかけて、北海道から昆布をはじめ、さまざまな食物を各地に運んだ北前船(きたまえぶね)が関係する。富山は北前船の船主が多く、昆布が定期的にもたらされたことで日常的に活用されたと考えられている。昆布と共に運ばれたニシンは「ニシン昆布巻き」という料理に昇華され今も名物だし、ほかにも昆布を使った郷土の味は数多い。ちなみに総務省統計局の家計調査によると、昆布における年間支出金額の全国トップは富山市である。

立山連峰を望む富山湾は景観の美しさでも名高い。この海を前に、かつて寄港した北前船の姿を夢想するのもまた楽しいものだ。

[写真1]
撮影/島 誠  料理制作/三好弥生

[写真2]
雨晴(あまはらし)海岸(富山県高岡市)

[写真3]
昆布じめにされた状態。左が白身魚で、右はおぼろ昆布(薄く昆布を削ったもの)に挟まれた白エビ。この状態でスーパーなどでも売られている。

文/白央篤司
フードライター。研究テーマは日本の郷土食と「健康と食」で、月刊誌『栄養と料理』(女子栄養大学出版部)などで執筆。著書に『にっぽんのおにぎり』(理論社)『ジャパめし。』(集英社)などがある。
ブログhttp://hakuoatsushi.hatenablog.com/[外部リンク]

特集 じゃがいも さつまいも

寒冷で乾燥した気候が適したじゃがいも、暖かい気候が適したさつまいも。中南米の生まれで異なる自然環境を好む2つのいもは、今や世界で育てられる重要な作物になっています。

[イラスト1]
じゃがいもとさつまいも

じゃがいも

起源と名前の由来
南米のアンデス山脈が原産地とされます。現地では乾燥させたものを保存食として利用していました。日本には17世紀に現在のインドネシアのジャカルタの港を経て持ち込まれたため「じゃがいも」と呼ばれるようになったとする説があります。また「馬鈴薯(ばれいしょ)」ともいいますが、これは「マレーいも」が転じたとも。分類学では、なすの仲間です。

栄養素
主成分が炭水化物で、主食にする国もあります。ビタミンCも豊富です。ビタミンCは熱に弱い性質がありますが、じゃがいもの場合、でん粉に守られているため壊れにくいのが特徴です。食物繊維やカリウムも豊富で、ポリフェノールの一種で抗酸化作用があるとされるクロロゲン酸が含まれます。

じゃがいも 塊茎、生(可食部100グラム)
エネルギー 76キロカロリー
水分 79.8グラム
たんぱく質 1.6グラム
炭水化物 17.6グラム
カルシウム 3ミリグラム
ビタミンC 35ミリグラム
食物繊維 1.3グラム

[イラスト2]
育て方と旬
種をまくのではなく、「栄養繁殖」といって種いもを植えつけて育てるのが一般的な栽培方法です。種いもに強い光を当てて、芽が出たら、いもを切り分けて、畑に植えつけます。いもが育ってきたら、土をかぶせます。こうすることで、育ちやすくなるとともに日に当たって緑に変色するのを防げるのです。
国内最大の産地である北海道では4~5月に植えつけて8~10月に収穫します。また長崎県や鹿児島県など暖かい九州地方の産地では年2回、春と秋に収穫することができます。
収穫後は倉庫に貯蔵しておいて、少しずつ出荷します。九州から北海道へと収穫時期が移っていくうえ、保存がきく作物のため、一年中店頭に並びます。

さつまいも

起源と名前の由来
中南米の熱帯地域が原産地とされます。日本には中国から琉球(沖縄県)に入り、薩摩(さつま)(鹿児島県)を経て全国に広まったことから、「唐(から)いも」、「琉球いも」「薩摩いも」などと呼ばれます。ほかに中国と同じ「甘藷(かんしょ)」という呼び方もあります。ヒルガオ科の植物であり、アサガオのようなピンク色の花が咲きます。

栄養素
炭水化物が多いですが、主食用としてじゃがいもほど利用されていないのはたんぱく質が不足しがちになるためです。しかし食物繊維はきわめて豊富で、ビタミン類やミネラルのカリウム、カルシウムも多く含みます。整腸作用があるとされるヤラピンという成分もあります。

さつまいも 塊根、皮つき、生(可食部100グラム)
エネルギー 140キロカロリー
水分 64.6グラム
たんぱく質 0.9グラム
炭水化物 33.1グラム
カルシウム 40ミリグラム
ビタミンC 25ミリグラム
食物繊維 2.8グラム

[イラスト3]
育て方と旬
種いもを湿らせて芽が出たら苗床で育てます。畑を耕して、肥料をやり、地面の温度が18度以上になったら苗の茎(つる)を土にさすと、やがていもができます。追加で肥料を与えますが、窒素が多すぎると、「つるぼけ」といって葉やつるばかりが育ってしまい、いもが大きくなりません。病気や虫の被害が比較的出にくい作物ですが、生産者は、良質な種いもを用いるなど、同じ畑で続けて作らないといった工夫をしています。植えつけてから4~5カ月で収穫できます。
旬は晩秋からの寒い時期です。収穫時期は8~12月ですが、収穫後は適切な温度と湿度で2~3カ月貯蔵すると甘みが増すため、食べごろは10月から翌年1月にかけて、ということになります。

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

取材・文/下境敏弘
イラスト/あべかよこ

世界のじゃがいもとさつまいも
世界で見れば、じゃがいもとさつまいもの生産量はともに中国が最大で、他国よりも抜きん出ています。1人当たりの消費量は、じゃがいもが欧州、さつまいもが熱帯地域で多いのがわかります。

ヨーロッパに伝えられて広まったじゃがいも
インカ帝国ではじゃがいもを乾燥させた「チューニョ」という食べものを作っていました。これを航海中の保存食として利用したのがスペイン人です。ヨーロッパに持ち込まれたのが15世紀か16世紀とされます。しばらく花を楽しむ観葉植物の扱いでしたが、18世紀になり、ドイツなどで食用のものが本格的に作られるようになります。荒れた土地でも育ち、飢きんの際、飢えをしのげる作物だったこともあって広まっていきました。

現在、世界で年間4億トン近くが生産されています。最も多く生産しているのは中国です。これにインド、ロシア、ウクライナ、アメリカが続きます。

1人当たりの消費量が多いベラルーシでは主食とするだけでなく、スープの具やデザートの材料など幅広く用いられます。

主にアジアやアフリカで生産されるさつまいも
中南米の熱帯地域が原産のさつまいもを15世紀にクリストファー・コロンブスがヨーロッパに持ち帰ったのですが、気候が涼しすぎて、あまり作られませんでした。

その後、ヨーロッパの人々の移動にともない、アフリカやアジアに広がったとされますが、これよりずっと古い時代にアメリカ大陸から太平洋の島々を経て東南アジアに持ち込まれたという説もあります。

現在、全世界のさつまいもの生産量は約1億トンで、その7割を占めているのが中国です。中国における用途別消費量の約半分が家畜の飼料用です。

2位以下にはアフリカやアジアの国が続きます。1人当たり消費量の多いソロモン諸島や中部アフリカでは主食として食べられています。

[図1]
じゃがいも・さつまいもの生産量(2014年)

[表1]
じゃがいもの消費量(2013年) さつまいもの消費量(2013年)

出典:国連食糧農業機関「FAO STAT」

取材・文/下境敏弘

日本のじゃがいもとさつまいも
日本列島は南北に長いことから、ともに盛んに栽培されるようになり、食文化に根づいています。

幅広い用途で活用されるじゃがいもとさつまいも
日本のじゃがいもの年間生産量(平成27年産)は241万トンです。都道府県別では北海道が圧倒的に1位であり、全国生産量の8割を占めています。2位と3位は九州地方の長崎県、鹿児島県です。

じゃがいもの用途は多様です。家庭やレストランで調理する生食用、工場でポテトチップスやポテトサラダなどに加工する加工用、でん粉の原料用などさまざまな形で利用されます。でん粉は片栗粉として販売するほか、はるさめや冷麺、酒類の原料になり、さらに接着剤や医薬品(点滴・オブラート)の原料にもなっています。

さつまいもは江戸幕府8代将軍、徳川吉宗のころ、蘭学者の青木昆陽(こんよう)が東日本に広めた作物です。当初は飢きんに備える作物とみなされていましたが、江戸後期に焼きいもが人気となって商品作物として作られるようになりました。

日本のさつまいもの年間生産量(平成27年産)は81万トンです。1位の鹿児島県が大産地で、全国生産量の4割を占めます。2位に茨城県、3位に千葉県と関東地方が続きます。
用途は生食用が半分ですが、焼酎などのアルコール用も4分の1を占めます。

[図1]
じゃがいも・さつまいもの生産量(平成27年産)

生産量全国調査(平成27年産)
じゃがいも 2,406,000トン
さつまいも 814,200トン

[グラフ1]
じゃがいも用途別消費割合

[グラフ2]
さつまいも用途別消費割合

出典:農林水産省「作物統計」「平成28年度いも・でん粉に関する資料」※計と内訳が一致しないのはラウンドのため。

取材・文/下境敏弘

じゃがいも さつまいも 代表的な品種
農林水産省の品種登録では、じゃがいもは132種、さつまいもは100種ありますが、そのほかにもさまざまな品種があります。ここでは、特徴的な主な品種を紹介します。

じゃがいも

[写真1]
男爵薯(いも)
栽培を試作させた川田龍吉男爵が名前の由来
明治41年に栽培され始めたとされる。生食用品種としては最も生産量が多い。球形で皮は黄褐色、果肉は白。肉質はやや粉質で、ほくほく感が強い。

[写真2]
グラウンドペチカ
外見や中身がさつまいもに似たじゃがいも
形状や皮色、果肉も黄色でさつまいものように見える品種。平成5年にレッドムーンという品種の変異株から生まれた。やや煮崩れしやすいので、揚げ物やフライに向く。

[写真3]
インカのひとみ
滑らかな食感とナッツに似た風味が特徴
くぼみの周囲が黄色で、その他が赤色であることから平成18年に命名された品種。でん粉価が高く、煮崩れは少ない。食感もよく、チップスやフライ料理に向いている。

[写真4]
トヨシロ
ポテトチップスやサラダ用途に
昭和35年に交配・育成された品種。皮は淡い黄褐色で果肉は白。収量は多く、でん粉価も16パーセント前後と多い。ポテトチップス用の主力品種。

[写真5]
ニシユタカ
育ちが早く収量が多い暖地向けのじゃがいも
昭和45年に開発された品種。九州ではじゃがいも作付面積の半数を占める主力品種。皮は淡いベージュ、果肉は淡い黄色でやや粘質。カレーや肉じゃがなどの煮込み料理に適している。

[写真6]
シャドークイーン
アントシアニン(※)を含む紫色の外観と中身
平成18年に命名された品種。皮、果肉ともに紫色で、長楕円形。アントシアニンを1グラム当たり約7.4ミリグラム含有している。色素濃度が高いため、煮たり蒸したりしても紫の色は残る。

[写真7]
メークイン
村祭り(メーデー)の女王が名前の由来
大正2年以前にイギリスから導入された品種。北海道の十勝・檜山地方が主産地。果肉は黄白色で、やや粘質。煮崩れが少ないため、煮ものが多い関西方面で人気がある。

さつまいも

[写真8]
安納(あんのう)こがね
安納いもよりさらに甘みがある
種子島の在来品種である安納いもの突然変異個体。皮は淡い黄褐色で、果肉は淡い黄色。形状は円筒形。粘り気があり、甘みが強く食感がよい。平成10年に品種登録。

[写真9]
ベニアズマ
生食用で最も栽培されている
昭和52年に九州で選抜された品種。形状は長紡錘形。皮は鮮やかな濃い赤紫色で果肉は黄色。ほくほく感が強く、関東では作付面積の3分の1を占める。

[写真10]
アヤムラサキ
アントシアニン(※)色素の含有量が高い
昭和63年に選抜、平成7年に命名された。皮は濃い赤紫色で、果肉は濃い紫色。色素の色調が明るく、においもほとんどないため、漬けものや梅干しなどの着色に利用されている。

[写真11]
高系14号
広域適用性がある西日本中心の品種
昭和10年に高知県で選抜された品種。昭和20年に命名された。皮は赤紫色で、果肉は黄白色。ペーストから焼きいもまで汎用性が高い。主な産地は徳島県、宮崎県、鹿児島県。

[写真12]
べにはるか
形がよく、上品な甘みが特徴
平成8年に選抜され、平成19年に命名された。皮は赤紫色で、果肉は黄白色。肉質はやや粉質で甘みが強く、口当たりがよい。形状の揃いもよいので、普及が期待されている品種。

[写真13]
コガネセンガン
焼酎用の代表品種
昭和33年に選抜、昭和41年に命名された。形状は短めの紡錘形で、皮と果肉の色は黄白。肉質は粉質で、食感もいい。南九州を中心に焼酎用や加工用として栽培され、品種別の作付面積が最も多い。

※アントシアニンは、ポリフェノールの一種で紫色の天然色素成分のこと。眼精疲労回復への効果や抗酸化作用があるといわれる。

出典:一般財団法人 いも類振興会『ジャガイモ事典』『サツマイモ事典』

取材・文/葵和みどり


じゃがいもの生産地を訪ねて 広大な十勝平野で育てるポテトチップス用のいも [北海道・芽室町]
じゃがいも作りに適した気候の北海道。主要産地の十勝平野では生産者と食品製造業者が協力してポテトチップス用のじゃがいもを生産しています

北海道で生まれたさまざまな品種
北海道では江戸時代からじゃがいもが育てられていましたが、明治に入ると欧米から新たな品種が導入されます。アメリカから入った男爵薯(いも)やイギリスからのメークインは今でも生食用の代表的な品種です。その後も道内の品種改良で多くの品種が生まれました。

「現在、北海道では60種類以上が作られています。地域独自のものもあります。たとえば芽室(めむろ)町の『マチルダ』は甘くて、小さいまま完熟する特産の品種です」と言うのは、道内有数の産地であり、日高山脈の東に広がる十勝平野の芽室町を管轄するJAめむろ農畜産部青果課の服部昭久さんです。

芽室町では生食用のほか、コナフブキやコナユキなどでん粉用の品種も生産していますが、主力は加工用です。

加工用の中でポテトチップス用のトヨシロ、スノーデン、きたひめなどの品種は、くぼみが浅くて皮をむきやすく、油で揚げたとき焦げにくく、水分が少ないため薄くスライスできるといった特徴があります。

「芽室町のじゃがいもの作付面積は3247ヘクタールありますが、50パーセント強が加工用です。また種いもの畑も8パーセントあり、35戸が生産しています」

種いもはウイルスや細菌などに感染していない健康なものでなければなりません。そのため専用の畑で徹底した管理が行われます。植物防疫法に基づく検査が行われていて、これに通ったものだけが種いもになります。こうして供給地である北海道から全国の産地に送られているのです。

食品製造業者との二人三脚で加工用のじゃがいもを生産
十勝平野の雄馬別(おまべつ)地区にある43‌ヘクタールという広大な畑でじゃがいもを生産している土屋貴宏さんに、作り方をお聞きしました。

「同じ畑で作り続けると連作障害といって収穫量が減ったり、病気にかかりやすくなったりするので、じゃがいも、豆類、てん菜、小麦、トウモロコシという5種類の作物を順番に作っています」

4月、雪が解け、地面の温度が10度になり、乾いて耕すことができるようになったら植えつけます。夏を越して、9月に入り、葉や茎が枯れ、収穫時期を迎えたらハーベスターという専用の機械で掘り出します。

土屋さんが手がけるのは、主に加工用です。これを納めるのがカルビー株式会社の関連会社で隣の帯広市に本社を置くカルビーポテト株式会社です。同社には土づくりや先進的な栽培方法を研究したり、最適な収穫時期を契約生産者に伝えたりする「フィールドマン」という専門家がいます。

「カルビーさんはとても品質に厳しく、その要求に応える努力は栽培技術の向上に結びつきます。また契約農家が生産した分は全量、買い取ってくれるので経営安定のためなくてはならない作物ですね」と土屋さん。

カルビーにとっても十勝地方は国産じゃがいもの43パーセントを調達する重要な産地となっています。

[写真1]
土屋さんは生産性向上のため一昨年、近隣の生産者3戸と農事組合法人雄馬別農場を立ち上げた。

[写真2]
広々とした農地の地中には水はけをよくするためパイプが通っている。

[写真3]
秋口からじゃがいもの収穫が始まる。年間生産量は約1,500トン。

[写真4]
北海道の大規模農家では収穫作業の機械化が進んでいる。

[写真5]
畑の脇に置いたトレーラーに積み、工場や倉庫に輸送する。

[コラム]
ポテトチップスができるまで
カルビー新宇都宮工場
1年間に日本で生産される加工用じゃがいもの60パーセントほどを使っているのがカルビー株式会社です。1975年にポテトチップスの製造を始めた同社は素材に強くこだわっています。原料としてふさわしいじゃがいもを求め、これまで150以上の品種を試したほど。使用している加工用じゃがいもは契約農家が生産したものです。産地や生産者の情報を管理し、生産に活かしています。また、これらの情報は「顔の見える原料」ということで消費者にも開示しています。
以下の写真のように製造工程はいくつもありますが、新鮮さが勝負。原料が工場に運び込まれてから、わずか20分で製品ができあがります。

[写真6]
東日本エリアに製品を出荷。時期によっては3交代で24時間稼働する。

[写真7]
(1)皮むき(剥〈はく〉皮)
貯蔵庫に蓄えていたじゃがいもを工場に運び込み、水洗いしてからピーラー(皮むき器)で皮をむく。

[写真8]
(2)トリミング
じゃがいもの芽を取る工程のことを「トリミング」という。傷があるなどポテトチップスの原料に適していないものは取り除く。

[写真9]
(3)スライス
回転する機械の遠心力を利用して1.0~1.5ミリメートルの薄切りにする。この後、切り口の余分なでん粉を洗い流す。

[写真10]
(4)フライ
じゃがいもをフライヤーでこんがりした色になるまで揚げる。揚げ上がったら、焦げてしまったものは除く。

[写真11]
(5)計量・袋詰め
味つけをしてから、1袋の量を機械で量り、自動包装機で袋詰めに。この際、酸化が進まないよう窒素を充てんする。

取材・文/下境敏弘
撮影/島 誠

さつまいもの生産地を訪ねて シラス台地で育てる焼酎用のいも [鹿児島県・枕崎市]
さつまいも生産量日本一の鹿児島県。その中でも、焼酎用さつまいものコガネセンガンが約半数を占めています。

焼酎づくりには欠かせないコガネセンガンの特徴
薩摩半島の南西に位置する鹿児島県枕崎市は、JR日本最南端の始発・終着駅がある場所としても有名なところ。かつおの街としても知られ、枕崎港の水揚げ量は約3万5千トン(平成27年)で焼津(やいづ)港に次いで全国2位です。

農業も盛んで、市の基幹二大作物となっているのが茶とさつまいもです。

温暖な気候に加え、日照時間が長く、風通しのよい立地。通気性がよく保水力のある黒土は、もともと火山の噴火で堆積していったもの。さつまいもの栽培にはうってつけの土地です。

枕崎市では、さつまいもの栽培品種のほとんどを占めるのがコガネセンガン。地元で生産される焼酎の原料として、最も需要のある品種です。

「コガネセンガンは、でん粉が豊富なうえに、風味や酒質が圧倒的に他の品種とは違います」と言うのは、薩摩酒造株式会社の小峯修一製造本部長。

黄金色で、収量が高いことから名付けられたというコガネセンガン(黄金千貫)。この品種が焼酎の主原料になったのは、約40年前からだそうですが、その後も数多くの品種で焼酎づくりを試してきたものの、いまだにコガネセンガンを超え、常用できる品種は見つかっていません。

苗を植えたあとにビニールをかけて保護

自らも約16‌ヘクタールの畑でさつまいもの生産をしながら、薩摩酒造へ出荷する仲買も務めているのが、駒水憲一郎さんです。

「薩摩酒造に納品するさつまいもなので、厳しい基準があります。下処理をしやすい形や大きさに合った良質ないもを選りすぐって収穫しています」

さつまいもの苗植えは3月下旬くらいからはじめます。苗は前の年に収穫され、選抜されたいもからつくられます。畝(うね)は、半円状に黒いビニール(マルチ)で覆います。保水・地温上昇効果のほか、雑草駆除の面でも優れた栽培法です。

収穫したいもを土に埋めて保存期間を長く
収穫は8月の盆明けから12月まで続けられます。

「焼酎のためのいもなので、安定した出荷量を心掛けていますが、最盛期は10月から11月です」と駒水さん。

収穫時期になると、近隣の生産者が協力し合い、計画的に作業をします。

収穫しはじめの8月ごろは、30アールの畑で約7トンの収穫ですが、10月ごろになれば10トンにまで収量は増えます。最近では、出荷期間を長くするため寒さに耐える工夫をした畑の土の中に保存し、1月以降に再度掘り出して出荷する取り組みも始めています。

「薩摩酒造さんと協働して品質にこだわってつくっているので、おいしい焼酎になる。全国のみなさんにもっと飲んでほしい」と駒水さんは終始笑顔でした。

[写真1]
「害虫駆除や除草に気遣って大切に育ててます」と言う、さつまいも生産者の駒水さん。

[写真2]
薩摩富士とも呼ばれる開聞岳(かいもんだけ)を望む広大なさつまいも畑。

[写真3]
トラクターで茎と葉を刈り取って、いもを掘りやすくする。

[写真4]
収穫用ハーベスターは3~4名の人員を乗せて、いもを掘り起こしながら進む。

[写真5]
収穫されたさつまいもはいったん大きな袋にまとめられる。1袋で約500キログラム。

[コラム]
芋焼酎ができるまで
薩摩酒造 花渡川(けどがわ)蒸溜所
地元で収穫されたコガネセンガンは、そのほとんどがその日のうちに下処理されて蒸されます。焼酎は、仕込みを二度行い、二度目に原料のさつまいもを混ぜる(二次仕込み)のが特徴です。

薩摩酒造株式会社では、純度の高いアルコールをつくる連続式蒸留ではなく、原料の風味がより残る単式蒸留による本格焼酎づくりをしています。

本格焼酎は、リキュールと違い、着色を促すようなものは使われていません。「黒白波」「赤薩摩」といった銘柄のついた製品の色は、使用される麹やさつまいもの色に由来します。

[写真6]
花渡川蒸溜所では、製造時期には仕込みの様子を見学できる。

[写真7]
(1)製麹(せいきく)・一次仕込み
蒸した米に、種麹(たねこうじ)を散布して培養する。この麹づくりも重要。できた米麹を水と酵母に加えて、よく混ぜて約1週間発酵させる。

[写真8]
(2)櫂(かい)入れ
発酵中の液体のことを「もろみ」という。このもろみと麹を櫂棒(かいぼう)でかき混ぜて発酵を促す。

[写真9]
(3)いも処理
選別・洗浄された良質のいもを、蒸しやすい大きさに切り揃える。この後、皮ごと蒸し、冷ましてから砕く。

[写真10]
(4)二次仕込み
一次仕込みが終わると、蒸して砕いたいもを入れる。もろみや麹がさらに発酵し、ぷくぷくぶつぶつ音を立てる。

[写真11]
(5)蒸留
約10日間発酵されたもろみを蒸留器に移し、アルコールと水を蒸発させる。これを冷やして、焼酎の原酒をつくる。

取材・文/葵和みどり
撮影/島 誠

じゃがいも さつまいもでできるもの
キッチンの常備品のじゃがいもと、お菓子作りに人気のさつまいも。選び方や調理のこつを覚えて、旬の味覚をたっぷり楽しみましょう。

じゃがいもは品種の特徴に合わせた調理で
じゃがいもには加熱するとホクホクした食感になる粉質タイプと、ねっとりとして煮くずれしにくい粘質タイプがあります。粉質タイプを代表するのは「男爵薯」や「キタアカリ」など。コロッケをはじめ、じゃがバターやサラダなどに適しています。粘質タイプの代表は「メークイン」で、カレーやシチューのようによく煮込みたい料理におすすめ。フライドポテトには、「ホッカイコガネ」という品種が合うといわれています。

タイプにかかわらず、選ぶときは緑に変色していないことや傷がないこと、皮にハリがあることを確認しましょう。調理の際は、あくがあるので、切ったらすぐに水にさらし、変色を防ぐことが基本です。また、ほくほく感を味わうには、じゃがいもをまるごと蒸したりゆでたりするとよいといわれますが、電子レンジを使うのもおすすめ。皮をむかないで洗って水気をつけたままラップで包み、2個につき7~8分程度加熱(途中で一度上下を返す)するだけでよく、じゃがバターやポテトサラダの調理に便利です。

じゃがいもでできるもの

[写真1]
肉じゃが

[写真2]
ポテトサラダ

[写真3]
フライドポテト

[写真4]
ポテトグラタン

[写真5]
ポテトコロッケ

[写真6]
じゃがバター

[写真7]
ポテトチップス

でん粉

[写真17]
片栗粉

[写真16]
でん粉は国産はるさめの原料にも
じゃがいもやさつまいものでん粉は国産はるさめの主原料にもなっています。緑豆が原料のはるさめに比べ、柔らかくて口当たりがよいのが特徴。サラダや鍋物などにもよく合う食材です。

さつまいもはスイーツにも煮ものや炒めものにもおすすめ
スイートポテトや大学いも、焼きいもなど、秋のスイーツに欠かせないさつまいも。加熱すると甘みが増すのが特徴ですが、実は塩やしょうゆとも好相性。炊き込みご飯やみそ汁の具、肉や魚介と合わせた炒めものや煮ものにしてもよく、キムチなどを使ったピリッと辛い味つけとも合います。どの場合もさつまいもの甘さがほどよく引き立って、ご飯のおかずやおつまみになります。

さつまいもは皮の色が鮮やかで傷や黒ずみがないものがよく、ひげ根が少ないことも選ぶときのポイント。調理にはじゃがいもと同様、切ったものから水にさらしてあくを抜く必要があります。保存する場合は、さつまいもは寒さに弱い性質のため、新聞紙などに包んで冷暗所に置きましょう。

また、いも焼酎の原料としてもおなじみ。そのほか、でん粉も豊富で、清涼飲料水の甘味料の原料などに用いられています。

さつまいもでできるもの

[写真8]
焼きいも

[写真9]
ふかしいも

[写真10]
大学いも

[写真11]
いもけんぴ

[写真12]
干しいも

[写真13]
いもようかん

[写真14]
スイートポテト

[写真15]
焼酎

[写真16]
でん粉

はるさめ

取材・文/三浦良江

輝く! 未来を担う生産者 vol.7

Patch Farm(パッチファーム)/愛知県
みんなが笑顔になる野菜を届けたい
夫婦で2年前に新規就農。点在する狭い農地を"パッチワーク"のように有効活用し、試行錯誤しながら、数多くの彩り豊かで目新しい野菜の栽培に励んでいます。

[写真1]
「かぼちゃ、とれたよ!」と家族でにっこり。長女・陽菜(はるな)ちゃんと長男・陽一朗くん、中川さん夫妻。

パッチワークのように野菜作りを楽しむ
愛知県・渥美半島の温暖な気候のもと、彩り豊かな旬の野菜を栽培しているパッチファーム。夫婦で新規就農して3年目ですが、なんと年間50種類以上の野菜を作っています。

「同じ野菜でも品種の違うものを栽培すると同時に、同品種でも収穫のタイミングをずらすなどしてお客様に野菜の新たな魅力やおいしさを提供したいと思っています。例えばオクラの場合、大きく育ったものは種のプチプチした食感が、小さいものは生でもポリポリ食べられるやわらかさが楽しめます」と、代表の中川貴文さん。

名古屋大学農学部を卒業後、9年間の会社勤めを経て、実家のある渥美半島でパッチファームを立ち上げました。

「何かで独立したいという思いはずっとありました。地に足をつけた、ものを作る仕事がしたい、と。実家は農家ではありませんが、狭いながらもいくつか農地を持っていたので、農業をやろうと思ったんです」。点在する畑で、パッチワークのようにいろいろな野菜を栽培しよう。貴文さんの提案に、もともと市民農園を借りて野菜作りを楽しんでいた妻の倫子(ともこ)さんも賛成。夫婦で取り組むことに。

習うより慣れよ 試行錯誤の繰り返し
近くの農家で2~3カ月研修させてもらい、いざ野菜づくりに挑戦。地元農家とのネットワークはできましたが、栽培に関しては未知数に近い始まりでした。

「慣れていないのでスケジュール管理がうまくできず、苗をダメにしてしまったり、片付け作業の手順がわからなかったり。今はまだ失敗することのほうが多いです」

多品目栽培ならではの難しさに直面しながら、習うより慣れよ、と試行錯誤の真っ最中です。それでも販路は、食材宅配を手がける会社、スーパー、レストラン、インターネットによる個人直送などを確保。市場には出回らない、目新しい旬の野菜で、着実に顧客を増やしています。

「珍しい野菜が多いので、主人はレストラン向け、私は宅配向けと、野菜の特徴や食べ方を紹介する便りを作っています。また、人気インスタグラマーにレシピを考案してもらって、親しみやすいよう情報提供しています」と倫子さん。

農業体験や交流イベント、やりたいことはたくさん
「多品目栽培は繁閑期がない分、安定した雇用ができるのが強みです。今は夫婦2人で、休日は両親に手伝ってもらっていますが、これからは規模を拡大して、人材を増やしていきたいと思っています」

農業体験や交流イベントなどにも積極的に取り組み、ゆくゆくは観光農園のように県外から人を呼べるようにしたい、という中川さん夫妻。結婚前はベーグル店の店長まで務めた倫子さんの腕を生かし、自家製野菜を使ったパンで店を開き、6次産業化も果たしたい、と夢は広がる一方です。

「渥美半島は農業が盛んな土地なので、新規就農で移住してくる人も増えています。慣れない土地で寂しい思いをしないように、ママ同士が子連れで交流できたり、県内外の人に田原市の情報提供ができる場をつくれれば」と倫子さん。

ロゴマークにも入れている「おいしい たのしい うれしい」を合言葉に、若き農家の挑戦は始まったばかりです。

[写真2]
畑で収穫したばかりのかぼちゃ。

[写真3]
ねっとりした食感と強い甘みが特徴のバターナッツ(かぼちゃの一種)。

[写真4]
仮面をかぶっているように見えることから「デストロイヤー」の愛称を持つ、珍しいじゃがいも・グラウンドペチカも作っている。

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大学生の農業体験希望者。これからは積極的に受け入れていく予定。

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4歳の陽菜ちゃんも畑仕事が大好き。「生の落花生が食べたい」という顧客の要望に、「作ってみます!」と栽培中の落花生に水やり。

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畑で収穫した野菜を出荷する際は、箱やパッケージに、倫子さん作のかわいいロゴマーク入りシールが貼られる。

自分の時間は自家製野菜を使ったパン作りを楽しんでいます!

[写真8]
倫子さんの趣味はパン作り。「子どもが起き出す前の早朝に、粉をこねて発酵させています。時には夕方、娘と一緒に楽しむことも」。畑仕事のおやつタイムにパクリ。モロヘイヤ入りや、ナッツとベリー入りベーグルなど種類も豊富。

Profile
中川貴文さん、倫子さん
ともに1983年生まれ、名古屋大学農学部卒業。貴文さんは同大学院修士課程終了後、9年間の会社勤めを経て、2015年にパッチファームを立ち上げ、就農。倫子さんは2012年に貴文さんと結婚。2児の子育てと畑仕事に励みながら、農業女子プロジェクトのメンバーとしても活躍。
所在地/愛知県田原市赤羽根町中瀬古1
http://patchfarm.biz[外部リンク]

取材・文/岸田直子
撮影/原田圭介

MAFF TOPICS

MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。

あふラボ 渋皮が簡単にむける新品種「ぽろすけ」
同タイプ「ぽろたん」の受粉樹としても活躍
秋の味覚の代表として親しまれるクリ。ただし、昨今は収穫量が減少傾向にあります。ニホングリは甘くてホクホクとしていて味はよいものの、渋皮がむきにくいことが、その原因のひとつと考えられています。

そこで、国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)では渋皮のむけやすい品種育成に取り組み、平成19年に簡単に渋皮が向ける品種として「ぽろたん」を開発しました。ただ、ぽろたんの収穫期間が9月上旬~中旬の2週間程度に限られていたため、ぽろたんより1週間程度早く収穫できる新品種「ぽろすけ」を育成しました。

「ぽろすけはぽろたん同様、果実が大きく食味に優れるとともに、家庭用のオーブントースターや電子レンジで加熱するだけで簡単に渋皮をむくことができます。鬼皮と渋皮をくっつけている接着物質がはがれやすい遺伝子を明らかにし、品種交配をして育成しました。ぽろすけというネーミングは研究員たちの間で案を出し合い決めたもの。"ぽろ"はぽろっとむけることを強調、"すけ"は助けるという意味があります」(農研機構果樹茶業研究部門品種育成研究領域ナシ・クリ育種ユニット長・齋藤寿広(としひろ)さん)

クリは同じ品種の花粉では実がつきにくい性質があるため、花粉用に別の品種を混ぜて植える必要があります。ぽろすけは、ぽろたんと相互に受粉樹として利用できるのもいいところ。この2品種を植栽することで、渋皮がむけやすいクリを安定して生産できることになり、今後の需要拡大が期待されます。

[写真1]
「ぽろすけ」の結実する様子。

[写真2]
鬼皮に長さ2センチメートル、深さ3ミリメートル程度の切れ目を入れ、オーブントースターで7分加熱したもの。早生クリの代表的品種「丹沢」と比べて「ぽろたん」と「ぽろすけ」はするりと渋皮が取れている。

[表1]
「ぽろすけ」の果実特性

[図1]
「ぽろたん」と「ぽろすけ」を交互に植えることでお互いに受粉樹になる。

[コラム]
あふトリビア
「丹波栗」は品種ではない!?
クリの中でも最も古い栽培の歴史があるのは「丹波栗」。日本書紀にも「丹波栗」を思わせる記載があるほどです。ただしこれは品種名ではなく、大粒のクリを総称したもの。丹波地方に育ったクリを指しますが、特定した品種が存在するわけではありません。

NEWS1 「第5回Fish-1グランプリ」を開催
みんなの一票で決定 魚づくしの祭典
「Fish-1グランプリ」は、おいしいのに今まで知らなかったり、食べたことがなかった国産水産物に出合える魚の祭典です。「地域を元気にする 国産魚ファストフィッシュ商品コンテスト」と「漁師自慢の魚 プライドフィッシュ料理コンテスト」をメインとしたイベントで、第5回となる今年度は、11月19日に開催されます。

ファストフィッシュとは手軽・気軽においしく水産物を食べられる商品や食べ方のこと。商品コンテストでは、その中でも国産魚を使い、地域水産物の活用や発展が期待される商品が出品されます。

プライドフィッシュは全国のJF(漁協)グループが、季節ごとに今いちばん食べてほしい水産物を選定。料理コンテストでは、プライドフィッシュのおいしさを伝える郷土料理等が出品されます。皆様の投票で今年度のグランプリが決まります。

コンテスト以外にも、さかなクンによるステージイベント、水産高校生によるPRブースや魚を見て触れるタッチプールなど、たくさんの楽しい催しがあります。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

[画像1]
「Fish-1グランプリ」ロゴマーク。

[写真3]
おいしい魚を求める人々でにぎわう会場の様子。

[写真4]
イベントの「親子さかな教室」。

[写真5]
全国の自慢の魚が食べられるチャンス。

[写真6]
審査員の審査とイベントに来た人の投票によって受賞作品・商品が決定する。

昨年度の受賞作品・商品

【 プライドフィッシュ 】
グランプリ
[写真7]
JF滋賀漁連(青年会)「天然ビワマスの親子丼」。

準グランプリ
[写真8]
JF愛媛漁連「宇和島鯛めし」。

【 ファストフィッシュ 】
グランプリ
[写真9]
株式会社東平商会の「いとうナゲット」。いとう漁協サバ男くんすり身(R)を使用。

準グランプリ
[写真10]
山口県ふるさと萩食品協同組合「オイル・ルージュ イタリアン」のパスタ。

※写真は平成28年度のものです。

第5回Fish-1グランプリ
開催日:平成29年11月19日(日曜日)
会場:ジャパン・フィッシャーマンズ・フェスティバル会場内(東京・日比谷公園)
入場料:無料(飲食代は別)

詳しくはこちら
http://www.pride-fish.jp/F1GP/[外部リンク]


NEWS2 「第2回全国子ども和食王選手権」を実施
子どもたちに和食文化をもっと身近に
「全国子ども和食王選手権」は、日本の伝統的な食文化である「和食」や、ふるさとの「郷土料理」に、子どもたちの強い関心と理解を育むことを目的に行われるイベントです。平成28年から開催され、今年は第2回になります。

小学校1年生~3年生は和食や郷土料理に関する作品を描いてもらう「和食お絵かき部門」。小学生4年生~6年生が対象の「和食王部門」は、チーム3名で協力しながら和食や郷土料理に関する発表や和食の知識や技を競います。

12月3日に開催される全国大会では「お絵かき部門」は全国8ブロック金賞受賞者の中から総合金・銀・銅賞を決定し表彰します。また、「和食王部門」は、各8ブロックの代表チームが和食文化の知識を問うクイズ、箸で豆を運ぶなどの実技や各チーム趣向を凝らした自由発表を通じて和食王を含め各賞を決定します。

昨年の「お絵かき部門」総合金賞には、チョークアートの力作が選ばれました。「和食王部門」では、ご当地ヒーローや和食料理人に扮(ふん)した児童が郷土料理を紹介する寸劇を披露したチームが和食王に輝きました。今年はどんな作品や発表が行われるか楽しみです。

[写真1]
第1回の和食王部門優勝は、東北ブロック代表秋田大学教育文化学部附属小学校6年生による「きりたんぽ鍋」。

[写真2]
予選を勝ち抜いた近畿ブロック代表・八幡市立有都(ゆうと)小学校4~6年生3名のチームによる発表の様子。

[写真3]
和食文化の知識を競う和食クイズのほか、五感を使って回答するだしあてクイズなどもある。

[写真4]
「まめ運び競争」では、箸使いを通じて和食文化の実技を競う。

[写真5]
お絵かき部門で総合金賞に選ばれた九州沖縄ブロックの作品「重箱料理」。

※写真は平成28年度のものです。

「第2回全国子ども和食王選手権」全国大会
開催日:平成29年12月3日(日曜日)
会場:日本科学未来館 東京都江東区青海2‐3‐6
入場料:無料

詳しくはこちら
http://www.washoking2017.com/[外部リンク]



多面的機能支払交付金[第5回] 棚田を保全し、耕作放棄地を観光地へ
日本の山あいに見られる棚田では、険しい地形を巧みに利用した農業が営まれており、農村の美しい風景を形づくったり、地域の伝統や文化を次世代に引き継いだりする場としての役割も担っています。しかし、高齢化や農家の後継ぎ不足といった理由から、維持管理が難しくなっている地域もあります。

岡山県美咲町(みさきちょう)の境地区協議会では、地域にある棚田を守るため、農家や地域住民が協力して、法面(のりめん)(斜面)の草刈りや水路、農道の補修などを行っています。

このような取り組みにより保全された棚田では、赤い花が咲く「赤そば」が栽培され、その美しい景観を楽しみに、観光客やカメラマンなど多くの人が集落を訪れるようになり、地域のPR活動につながりました。

そばは、地元で作られるそば加工品の原料や11月下旬に開催されるそば祭りに活用され、地域の元気の源にもなっています。

そばを通じた地域のPR活動

[写真6]
保全された棚田で栽培された「赤そば」は秋が見ごろ。

[写真7]
農家や地域住民による棚田法面の草刈り。

[写真8]
地元のそばを使ったアイス、まんじゅうとクッキー。

[写真9]
地域を盛り上げる「そば祭り」。

[写真10]
農道の砂利敷きも協力して行う。

多面的機能支払交付金とは…
農業・農村の有する多面的機能が、適切に維持・発揮されるよう、農用地や水路、農道等の地域資源を保全している地域の共同活動を支援するための交付金です。

取材・文/細川潤子

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