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農林水産省

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18年4月号文字情報

味の再発見! 昔ながらのニッポンの郷土料理 第12回

沖縄県 ラフテー

豚肉料理が多い沖縄で、とりわけ特別な郷土の味
ぽってりと厚く切られた豚肉の煮込み料理、ラフテー。「お正月や、特別な日のお祝いによく作ります」という県人は多く、沖縄ではハレの日のごちそうの一つである。もともとは琉球王国の宮廷料理で、交易のあった中国からその作り方が伝わった。いわゆる「東坡肉(トンポーロウ)」がその原型とされる。

豚バラ肉を鍋に入れて、水から火にかけて一度ゆでこぼす。しょうがと一緒にもう一度下煮をしてから、角切りにする。今度はかつおだしと泡盛(沖縄産の米が原料の焼酎)、しょうゆ、みりん、そして黒糖も加えて、じっくりと煮込めば出来上がり。

「角煮との違いは?」と思われる方もいるだろう。まず大きな違いは豚肉が皮つきであること、そしてかつおだしと泡盛が加わることで、ラフテー独特の味わいとなる。それからしょうゆ、黒糖はたっぷりと使う。塩けと甘みをきかすのは、高温多湿な沖縄で保存性を高めるための工夫でもあった。

「食べられないのは、ひづめと鳴き声だけ」と言われるほどに、沖縄では豚食が盛んで、調理法もさまざまだ。モツ類(内臓)もよく食べるし、「足ティビチ」という豚足の汁ものは人気料理の一つ。豚の耳を加熱して細切りにした「ミミガー」は全国的にも有名になったが、豚の顔から骨を抜いてまるごと加工した「チラガー」をご存じだろうか?  市場に行くとよく置かれてあり、初めて見たときは一瞬固まってしまった(笑)。真空パックになったものはお土産売り場などにもよく置かれている。

もしラフテーをつくることがあったら、煮汁はぜひ取っておいてほしい。ゆで卵を一晩漬けておくと実にうまい味つけ卵になる。弁当のおかずやおつまみにもぴったりなので、ぜひお試しあれ。

[写真1]
撮影/島 誠 料理制作/三好弥生

[写真2]
首里城(沖縄県那覇市)

[写真3]
沖縄の特産、黒糖。こってり 木工職人が仕上げた木製の腕時計スタンド
岐阜県産のケヤキ材を使用し、"時計を休ませる"をコンセプトに鳥の巣をイメージして製作。「ケヤキのウォッチネスト」(カシオマーケティングアドバンス株式会社)

[写真4]
完全手づくりのモミの木の小物入れ
外装に国産のモミの木を使用。他に、お菓子のケースや文具などもある。「macaron mou case 木と革の小物入れ(もみの木)」(LIFE & Shine Piece)★

[写真5]
群馬県の工房による創作こけし
全国一の創作こけしの産地、群馬県で生まれた国産材を使ったキャラクターこけし。「ウルトラマンこけし」(株式会社卯三郎こけし)

[写真6]
ボディ全体が国産ブナ材で形づくられたヘッドホン
木ならではの質感と、高品質な音質を実現したヘッドホン。「KONOHAZUK H3」(合同会社コノハズク)★

[写真7]
防虫作用のあるクスノキの端材を生かしたハンガー
捨てられがちな端材を製品化。他には、ティッシュのケースや健康器具なども。「くすのき防虫ハンガー」(株式会社土佐龍)

[写真8]
曲線フォルムのティッシュボックスケース
柔らかな曲線が特徴的なティッシュボックスケース。デザイン性だけでなく使い勝手もいい。「SWING」(ブナコ株式会社)

[写真9]
心地よいスギの香りが眠りを誘う枕
強度検査で弾かれた柔らかいスギの間伐材割りばしを約500膳刻んだチップを中材にした枕。「眠り杉枕」(株式会社磐城高箸/遠山産業株式会社)★

[写真10]
子どもたちの心を育むブロック
山形県産の広葉樹でつくられたブロックは、今や世界30カ国で販売されている。「もくロック」(株式会社ニューテックシンセイ)

[写真11]
日本けん玉協会認定のけん玉
日本けん玉協会の製造指定工場でつくられた競技用けん玉。素材はブナとサクラの木材。「大空(おおぞら)」(有限会社山形工房)★

[写真12]
国産のサクラ材と遠州織物を組み合わせたバッグ
洋服や和服にも合うクラッチバッグ。「augmenter(ウォグモンティ)」(有限会社豊岡クラフト)★

★=ウッドデザイン賞受賞

取材・文/下境敏弘


輝く! 未来を担う生産者 vol.12

高知県立林業大学校/高知県
これからの林業をけん引する"若木"たち

就業者の高齢化や後継者不足は、林業も同じ。先人が思いを託して育てた木と山を守り、生かすために、即戦力となる人材育成に積極的に取り組んでいます。

[写真1]
昨年末に完成した新校舎の前で。平成29年度の基礎課程の研修生たち。

林業の未来を担う若手を育成
県土の84パーセントを森林が占める、森林率日本一の高知県。木材需要が高まる一方、関係者の高齢化と後継者不足という課題を抱えています。そこで、担い手の確保と人材育成を目的に、高知県立林業学校が設立されたのは平成27年のこと。

林業に携わるうえで必要な知識と技術を学べる基礎課程と、林業従事者がさらに技術を学べる短期課程を開講。基礎課程の定員は20名で研修期間は1年。これまで卒業した第1期生14名、第2期生19名は県内の森林組合(所有者に委託され森林を管理する組織)などに就職し、現場で活躍しています。

「若い人たちにとっては、林業というと遠い世界で、きつい、危ないというイメージがあるかもしれません。事実、何の知識もなく就職すると離職率も高い。でも、必要な知識や技術を身に付ければ、これほどやりがいのある仕事はありません。そのやりがいを胸に、林業を一生の仕事にしていこうという人材の育成に努めています」と、高知県森づくり推進課林業大学校準備室チーフの遠山純人(すみと)さん。

4月からは建築家の隈研吾(くまけんご)さんを校長に、「林業大学校」に改称し、3つの専攻課程を開講して、さらなる人材育成に力を注ぎます。

林業分野で役立つ12の修了証を取得
3期生として基礎課程を学んだ岩本捷(しょう)さん(19歳)は、今春、地元の森林組合に就職した一人。高知県生まれの高知県育ちです。

「農業高校の授業で、チェーンソーを使う実習が大好きでした。卒業後すぐに林業の道に進もうと思っていたら、先生から『資格を取得してからのほうがいい』とアドバイスされて林業学校へ。フォークリフト運転技能など12の修了証を1年の研修で取得することができ、大きな自信になりました」

技術面だけではなく、高校で培った森林に関する知識がさらに深まったのも、大きな収穫です。

「山を手入れすることで、土砂災害も防げます。小さいころから身近にあった高知の山を、これからは自分の手で大事にできると思うと胸が躍ります」

知識が深まるほど募る山や木への畏敬の念
林業大学校は研修生の約3割が県外出身者で、18歳から50歳代までと幅広いのも特徴。同じく基礎課程を学び、今春、県内の森林組合に就職した小笠原誠さん(43歳)は、福島県出身です。

「東京の会社から転勤で四国へ。サーフィンが大好きなので、きれいな海と波のよさ、土地と人柄のよさに感動。会社を辞め、四国で携帯電話基地局の折衝、管理などをする会社に再就職したんです」

そのうち、海がきれいなのは、きれいな山があってこそだと気づき、林業に携わろうと入学。

「前職では分からなかった山を計画的に整備することの重要性など、学べば学ぶほど山は暮らしに欠かせない大切な存在であるという認識を深めました。農家さんが悩んでいる鳥獣被害も、里山を保全・活用すれば少なくなります。また、日本の木は中身が詰まっていて質がとてもいいので、もっと使ってほしいという思いも強い。先人たちが残してくれた山や海という宝を、後世に引き継いでいきたいと思っています」

この春も日本の林業をけん引していく卵たちが、新たに夢を抱いて集まっています。

[写真2]
林業技術や林業機械の操作、森林作業道の開設など、野外実習が約7割を占める充実した研修内容。

[写真3]
新建材「CLT(直交集成板)」などを活用した新校舎。ここが"新しい森や木の文化、技術を熟成し、世界に発信する"未来の林業従事者たちの基盤になる。

[写真4]
高知県林業労働力確保支援センターの協力のもと、就職相談会を実施。研修生一人一人の個性や適性に合った就職先が見つかる。

[写真5]
今春、地元の森林組合に就職した岩本さん。県庁の林業職員である父に続き、親子2代で高知の林業に携わる。

[写真6]
サーフィンがきっかけで山の偉大さに気づいた小笠原さん。「ゆくゆくは自分の山を持ちたい」と夢は大きい。

Profile
高知県立林業大学校
平成27年4月に「林業学校」として基礎課程と短期課程を開講。30年4月には「林業大学校」に改称し、森林管理コース、林業技術コース、木造設計コースの3コースからなる専攻課程を開講。これからの日本の林業を支え、守っていく人材育成に貢献している。
所在地/高知県香美市土佐山田町大平80
高知県森林総合センター内
https://kochi-forestry.ac.jp/[外部リンク]

取材・文/岸田直子

特集2 桜

さまざまな桜
日本を代表する花の一つ、「桜」。最も親しまれているソメイヨシノの他にも多くの種類があり、その特徴も異なります。

ソメイヨシノは江戸時代から愛され続けてきた
古くから、春の訪れを私たちに告げてくれる桜。日本には桜をめでる文化があり、平安時代の宮廷に始まり一般化してきたとされています。庶民の間では、桜の開花に合わせて祭りを行ったり、農作業の目安にもしていたようです。

桜というと、すぐに思い浮かぶのはソメイヨシノ。日本の桜の代名詞ともいえます。ソメイヨシノは江戸時代の終わりに、江戸の染井村で売り出された栽培品種。生長が速く、たくさんの花を咲かせることから人気となり、明治時代以降、全国の学校や公園などに植えられて広まっていきました。そして現在では、最もなじみ深い、桜の代表となったのです。

ソメイヨシノは、「接ぎ木」という技術で増やされてきました。これは、幹を根元で切った台木に、増やしたい親木から切った芽のついた枝をつなぐなどして、親木と同じ形質を持つ木を育てる技術です。こうすると、気温などの条件が整えば、どのソメイヨシノも同じように花を咲かせます。

さまざまな種類があり栽培品種は100種以上
桜には100以上もの種類があり、ヤエザクラやシダレザクラなども有名です。その特徴や栽培地域などの名前がつけられ、親しまれている桜も多くあります。

また、天気予報などでよく耳にするのが、気象庁発表の「開花宣言」。この目安になっている桜の木が全国58カ所の気象観測点付近にあり、標本木と呼ばれています。基本はソメイヨシノですが、北海道の一部ではエゾヤマザクラ、沖縄県ではヒカンザクラが代替木として観測されます。

標本木の多くは、各気象台の敷地内にあるため、一般の人が見る機会はありませんが、街の公園や神社にある桜を標本木としているところが二十数カ所あります。そのうちのいくつかをご紹介します。

主な桜の種類

[写真1]
ソメイヨシノ
花は一重咲き。咲き始めは淡紅色で、満開になると白色に近くなる。エドヒガンとオオシマザクラの種間雑種の栽培品種。写真は青森県の弘前公園。日本最古のソメイヨシノや、日本最大幹周のソメイヨシノなどが見られる。

[写真2]
ヤエザクラ
花が八重咲きになる品種の総称。ほとんど栽培品種で花色はさまざま。ソメイヨシノより開花の遅いものが多い。

[写真3]
エドヒガン
東北から九州に分布。花は白色から紅色。開花時に葉芽が開かないのが特徴で、ウバザクラとも呼ばれる。

[写真4]
シダレザクラ
平安時代から栽培されているエドヒガンの栽培品種で、寺社などに老大木が多い。枝は下向きに垂れる。

[写真5]
カンザクラ
花は薄い淡紅色の中輪一重。秋から咲き続けるものもある。ヒカンザクラとヤマザクラの雑種の栽培品種。

[写真6]
オオシマザクラ
関東南部の伊豆諸島、伊豆半島、房総半島、三浦半島に分布している。花は白色で花びらは大きい。芳香がある。

[写真7]
ヤマザクラ
東北南部から九州に分布する、白い花と赤い若葉をつける野生種。江戸時代までは桜の代表でもあった。

[写真8]
エゾヤマザクラ
北海道、本州、四国に分布する野生種。花は淡紅色でオオヤマザクラとも呼ばれる。北海道では花見の対象に。

[写真9]
ヒカンザクラ
花弁はあまり開かず花は濃赤色。別名、カンヒザクラ。沖縄では花見の対象となっており、単に「サクラ」と呼ぶ。

※各桜の紹介は、多摩森林科学園Webサイトの「サクラガイド」を参考にして作成しました。

取材・文/Office彩蔵


全国の主な桜の標本木
桜の開花宣言は、標本木で5~6輪以上の花が開いた状態で行われます。満開は八分咲きともいわれ、8割以上のつぼみが開いた状態です。

[写真1]
熊谷桜堤(くまがやさくらづつみ)[埼玉・熊谷市]
江戸時代から桜の名所として知られ、約500本のソメイヨシノが2キロメートルにおよぶ桜のトンネルをつくる。標本木は熊谷市民体育館付近にある。

[写真2]
靖國(やすくに)神社[東京・千代田区]
靖國神社の桜は明治3年ごろに植えられたのが始まりといわれており、境内には約500本の桜がある。標本木は能楽堂の脇にある。

[写真3]
紀三井寺(きみいでら)[和歌山・和歌山市]
西国三十三所第2番札所の観音霊場。春の到来を告げる早咲き桜の名所として有名。境内には約500本の桜があり、標本木は本堂前にある。
写真提供/(一社)和歌山市観光協会

[写真4]
大阪城 西の丸庭園[大阪・大阪市]
大阪城天守閣の西にある約6.5ヘクタールの西の丸庭園。ソメイヨシノを中心に約300本の桜が。標本木は庭園入口から約30メートル直進した右手側に。

[写真5]
鳥取城跡・久松(きゅうしょう)公園[鳥取・鳥取市]
鳥取城跡を中心に、仁風閣(じんぷうかく)や県立博物館など見どころの多い公園。400本を超えるさまざまな桜が咲き、標本木は公園入口付近にある。

[写真6]
縮景園(しゅっけいえん)[広島・広島市]
幾多の景勝を集め、縮めて表現していることで縮景園という名称に。四季折々の表情を見せる回遊式庭園。標本木は「泉水亭」横にある。

[写真7]
高知城 高知公園[高知・高知市]
四季の彩りあふれる名城。ソメイヨシノをはじめヤマザクラなど数々の桜が見られ、花見客でにぎわう。標本木は三ノ丸の広場内にある。

[写真8]
道後公園(湯築〈ゆづき〉城跡)[愛媛・松山市]
道後温泉で有名な愛媛県松山市道後地区にある県立都市公園。桜の名所で多くの人が訪れる。標本木は「いこいの広場」付近にある。

[写真9]
宮崎県総合文化公園[宮崎・宮崎市]
2つの広場と3つの文化施設がある緑豊かな公園。多くの種類の桜が見られ、桜のライトアップも好評。標本木は県立美術館西側にある。

[コラム]
桜を使ったいろいろな製品
花を観賞するだけでなく、昔からさまざまな用途に利用されてきた桜。現在も染料をはじめ、食品などにも使われています。

[写真10]
桜もち
桜の葉で包む桜もち。主に小麦粉の皮であんを包んだ関東風の長命寺と、道明寺粉を蒸したものであんを包んだ関西風の道明寺の2種類がある。

[写真11]
あんぱん(桜)
ヤエザクラの塩漬けと北海道産小豆を使用。明治天皇に献上したことが、あんぱんを世に広めるきっかけに。
「酒種あんぱん桜」(木村屋總本店)

[写真12]
さくらビール
長野県伊那市高遠の桜の花と葉を使った、桜もち風味のビール。食用のヤエザクラを使用。
「サンクトガーレン さくら」(サンクトガーレン)

[写真13]
桜染め
桜で染め上げた柔らかい絹のストール。独自のつくり方で中の絹糸が動き、立体的な風合いに。
「桜染 絹二重羽衣ストール」(工房夢細工)

取材・文/Office彩蔵
イラスト/中山ゆかり


MAFF TOPICS

MAFFとは農林水産省の英語表記「Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries」の略称です。「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。


あふラボ 国産トリュフの人工栽培化を目指す
生態を明らかにしてトリュフをもっと身近に
トリュフは、キャビア、フォアグラと並んで世界三大珍味の一つに数えられる高級食材。「黒いダイヤ」や「白いダイヤ」とも呼ばれ、ヨーロッパでは古くから珍重されています。最近の研究で、実は日本にも20種以上のトリュフが存在する可能性があることが明らかになりました。

国立研究開発法人森林総合研究所は、東京大学、菌類懇話会と共同で、国内で採取された2種のトリュフを新種と確認し、「ホンセイヨウショウロ」と「ウスキセイヨウショウロ」と名付けました。

特に白色をしたホンセイヨウショウロは、日本各地に生息しており、欧米の白トリュフ同様の独特の風味から食材にも適しているため、人工栽培技術の開発に取り組んでいます。

現在売られている食用きのこは、おがくずなどに菌を植えつける「菌床栽培」や、樹木に菌を植えつける「原木栽培」によるもの。トリュフはこれらと違い、「菌根栽培」になります。菌根とは、土中で菌糸が樹木の根と共生しながら生育するもので、野外でしか栽培できません。また、発生条件もよく分かっていないため、人工栽培は難しいとされています。ちなみに、マツタケも同じく菌根栽培。これらの人工栽培技術の開発には、樹木との共生関係を明らかにすることが重要です。

「トリュフは意外と和食にも合います。現在はヨーロッパ、中国などから輸入していますが、安価な国産が出回ることで、もっと皆さんに楽しんでいただけるよう、人工栽培の実現を目指していきます」(森林総研森林研究部門きのこ・森林微生物研究領域・山中高史〈たかし〉さん)

[写真1]
「黒いダイヤ」と呼ばれる黒トリュフ。

[写真2]
黒トリュフを使った料理。

[写真3]
人工栽培を目指す、日本で新種の白トリュフ・ホンセイヨウショウロ。

[図]
樹木との共生で育つ

トリュフは樹木の根と共生しながら増殖する菌根菌のきのこ。土中の菌糸が窒素やリンを吸収して樹木に提供し、代わりに樹木が光合成で得た産物で生育する。

[写真4]
形成初期の菌根。

あふトリビア
豚がトリュフ探しをできるわけ
野外でトリュフの採取に豚を用いるのは、トリュフの香りがオスのフェロモンと似ているため。したがって、メスの豚が使われています。ただ、最近は扱いやすいという理由などから、訓練された犬を使うことが多くなっています。


NEWS1 みどりとふれあう月間
みどりへの関心を高める体験イベントも開催
毎年4月15日から5月14日は「みどりの月間」です。期間中は多くの方に、自然に親しみ、理解を深めてもらえるよう、全国各地で行事が開催されます。

まず、4月27日に、第12回「みどりの式典」が開催され、みどりに関する功績があった方々に賞の授与などがあります。

5月12、13日には「みどりの感謝祭」を日比谷公園などで開催。2日間にわたって行われる「みどりとふれあうフェスティバル」では、森林(もり)づくりをテーマとした展示が行われ、都会に暮らす方々が森林とどのように関われるかが分かります。全国の森の恵みを販売する物産展もあります。このほか、ボルダリングやチェーンソーを体験できたり、木のクラフトなどで遊べたりする、子どもから大人まで楽しめるイベントです。

また、森林づくりや地球温暖化の防止に役立てられる「緑の募金」運動が、各地で重点的に実施されます。

青葉が薫る季節になります。全国に約1000カ所あるレクリエーションの森では、美しい森林風景や野外スポーツを楽しめます。この機会に、みどりを感じてみてはいかがでしょうか。

みどりとふれあうフェスティバル

[写真5]
全国の木のおもちゃで遊べるひろば。

[写真6]
チェ-ンソーで木を切る体験。

[写真7]
木の壁でボルダリングも体験できる。

みどりとふれあうフェスティバル
日時:平成30年5月12日(土曜日)11~17時/5月13日(日曜日)10~16時
会場:東京都千代田区日比谷公園にれのき広場等
入場料:無料

詳細はこちらへ!
みどりとふれあうフェスティバル
http://midorinokanshasai.com/[外部リンク]

みどりの式典

[写真8]
天皇皇后両陛下ご臨席のもとに行われた昨年の式典の様子。

レクリエーションの森

[写真9]
上高地自然観察教育林の河童橋。

[写真10]
笹ヶ峰自然休養林の木道。

詳細はこちらへ!
レクリエーションの森
https://www.rinya.maff.go.jp/j/kokuyu_rinya/kokumin_mori/katuyo/reku/rekumori/rekumori.html

※写真はすべて平成29年度のものです。


NEWS2 食のプロから学べるおいしいイベント
楽しく豊かな食生活を目指した体験型フェア
第11回「ホビークッキングフェア2018」が、4月26日から28日に開催されます。

「米や米粉などの国産食材の魅力」や「おいしい作り方と食べ方」をテーマに、食に関するプロによるセミナーや、クッキング教室などに参加できる体験型料理フェア。来場者は新しい食材を発見したり、料理づくりを楽しんだり、プロのコツや知恵も学んだりすることができます。前回は外国人もお好み焼きづくりなどに挑戦し、大好評でした。体験教室の多くは、当日先着順での受付になります。

料理をつくるのが好きな人も、これから挑戦する人も楽しめる、このフェアに参加してみてはいかがでしょうか。

[写真1]
主催者スペース「ごちそうさまレッスン」では、説明を受けながら実際に調理などを体験できる。

[写真2]
こいのぼりの巻きずし。趣向を凝らしたレシピも紹介。

[写真3]
食のプロによるおいしい料理のつくり方の実演。

[コラム]
「漬物グランプリ2018」も同時開催
第11回ホビークッキングフェア期間中に、「漬物グランプリ2018」が開催されます。伝統的な食文化である「漬物」を通じて、漬物の価値の再認識、日本の食文化のさらなる発展、地域の活性化などを目指して実施されます。

1次審査、2次審査を経て、「法人の部」「個人の部」各10作品程度が決勝大会に進出します。

決勝大会は、ホビークッキングフェア内の特設会場で開催。審査員による評価に加え、イベント来場者の一般投票結果も加味してグランプリを決定します。多くのご参加をお待ちしています。

[写真4]
法人の部グランプリの「あんず梅」。

[写真5]
個人の部グランプリの「彩り野菜でご飯のおとも」。

[写真6]
展示・試食コーナーに集まる参加者。

第11回ホビークッキングフェア2018
日時:平成30年4月26日(木曜日)~28日(土曜日)10~18時(最終日は17時まで)
場所:東京ビッグサイト(東京国際展示場)東4ホール 東京都江東区有明3-11-1
入場料:1,500円(当日券)※3日間有効

詳細はこちらへ!
ホビークッキングフェア2018
https://www.hobbycook.jp/fair/overview[外部リンク]

漬物グランプリ2018
http://tsukemono-gp.jp/[外部リンク]

※写真はすべて平成29年度のものです。


多面的機能支払交付金[第8回] シバザクラを活用した棚田の保全管理
山口県周南(しゅうなん)市大道理(おおどうり)地区の向道(こうどう)環境保全会は、シバザクラを活用した棚田の保全管理に努めています。

棚田の法面(のりめん)(斜面)は傾斜が急で、そこでの草刈りは危険で重労働です。そこで労力軽減を図るため、交付金を活用して棚田の法面にシバザクラの植栽を実施。植栽には都市部のボランティアも募りました。また、シバザクラ植栽のデザインは、市内のデザイン専門学校の学生など若者の意見を取り入れました。

1ヘクタールの法面に10万本のシバザクラが咲いた棚田は観光名所となって、毎年多くの見学者が訪れるようになり、これをきっかけとして見学者をもてなすための地元主婦による弁当販売も始まりました。

こうした活動により、住民同士の連帯感が生まれるとともに、「自分たちの地域は自分たちで守る」といった意識が生じて地域は活性化。シバザクラの植栽は、地域資源の保全、多面的機能の維持・発揮、地域振興の大きな原動力になっています。

地域振興の大きな力に!

[写真7]
法面に咲くシバザクラ。

[写真8]
市内に飛来するナベヅル(国の天然記念物)のデザインは、選考会で決定。
写真提供/大道理夢求の里交流館

[写真9]
植栽作業には、都市部からも参加。

[写真10]
地元主婦の加工グループ・ほたる工房による「まんかい弁当」。地域内で収穫された野菜などを使った手づくり。

多面的機能支払交付金とは…
農業・農村の有する多面的機能が、適切に維持・発揮されるよう、農用地や水路、農道等の地域資源を保全している地域の共同活動を支援するための交付金です。

取材・文/細川潤子

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