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農林水産省

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19年1月号 文字情報

aff(あふ)agriculture forestry fisheries:January 2019

平成31年1月4日発行(毎月1日発行)


[表紙]
今月の「手」

鹿児島県長島町東町漁協に所属する(有)植元水産代表 植元勇蔵さん
生け簀にてブリの稚魚を手に
撮影/キッチンミノル


CONTENTS

  • 連載 私のおもいで弁当[愛知県]vol.9 … 2ページ
  • 特集1 養殖 … 4ページ
  • 特集2 魚卵アクアリウム … 14ページ
  • 全国の日本一を訪ねて vol.9 … 18ページ
  • MAFF TOPICS … 20ページ
    News
    「全国ジビエフェア(冬)」開催中
    農泊を楽しもう
    食の専門家が選ぶ「ニッポンの逸品」
    ご当地鍋日本一決定
  • 読者の声 … 23ページ

今月のクイズ

養殖魚がある程度の大きさに育ったとき、病気から守るために行うことは何でしょうか。(答えは23ページ)



広報誌『aff(あふ)』について
農林水産業や農山漁村は、食料の安定供給はもちろんのこと、国土や自然環境の保全、良好な景観の形成などの多面的機能の発揮を通じ、国民の皆さまの毎日の生活において重要な役割を担っております。また、農林水産行政は、生産などの現場に密着したものであると同時に、毎日の生活に深く関わっています。農林水産省では 「aff」を通じ、農林水産業における先駆的な取り組みや農山漁村の魅力、食卓や消費の現状などを紹介しております。

Webサイトのご案内
「aff」は農林水産省のWebサイトでもご覧になれます。
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/

本誌に掲載した論文などで、意見にわたる部分は、それぞれ筆者の個人的見解であることをお断りします。


私のおもいで弁当

子どもたちに伝えたい郷土料理や懐かしいふるさとの食材を使ったお弁当を、著名人が、お弁当へのあふれる想いと共に紹介します。全国のふるさとの美味を、あなたもお弁当に入れてみませんか?


【vol.9】愛知県 キャベツ

愛知県は日本一の作付面積を誇るキャベツの産地。豊橋市は一年を通して温暖な気候に恵まれており、日照時間が長く、栽培に欠かせない水が豊富にあることから栽培が盛ん。甘くみずみずしいキャベツが採れる。

[写真1]
キャベツ

[写真2]
松井玲奈
Rena Matsui

1991年生まれ。愛知県出身。2008年、SKE48のメンバーとして活動を開始。2015年グループを卒業。その後は女優としてTVドラマや映画、舞台などで幅広い役柄をこなし活躍中。

[写真3]
松井玲奈さんのど うまい弁当


キャベツ一玉をペロリ
豊橋のキャベツは格別

数年前に舞台を経験して、体力や筋力をつけなければいけないなと実感。そこから体作りのために食事を見直して、自炊もよくするようにしています。

私が作るのは、主に和食です。出身地の愛知県豊橋市はキャベツの一大産地なので、いただくこともあって、よく料理に使っています。豊橋のキャベツは特に甘くて、水分量も豊富でおいしいです。冬ならお鍋やスープも良いですし、今なら貝と一緒に酒蒸しにして食べたいな。こんな風に一玉くらいなら、あっという間に食べ切っちゃいます。

もう一つ、地元の特産品ではずせないのは、ヤマサのちくわです。高校のころにお仕事をはじめて一気に世界が広がりましたが、それと同時に、日本中でこのちくわを食べているわけではないことも知りました(笑)。また、初めて他のちくわを食べた時、食感や香りの違いに驚いたことをよく覚えています。定番メニューは、ちくわにキュウリを通してカットしたおつまみ的なものですが、ちくわはいろいろな料理に使えるので便利ですよ。


ミニトマトが原因で母娘のケンカが勃発!?

キンピラごぼうやほうれん草のおひたしも簡単なので、よく作るメニューですが、うちのキンピラには、ごぼうとにんじんのほかに、細かな鶏肉が入っています。私は嚥下力が弱くて、小さいころはお肉が飲みこめませんでした。でも小さくカットすれば食べられるので、もしかしたら少しでもお肉の栄養を取ってほしいと、母が心配して工夫してくれたのかもしれません。

そうとは知らず、お弁当では母によく文句を言っていました。偏食のうえにこだわりも強かった私は、大好きなミニトマトに油がついているのが許せない。「油モノの隣にミニトマトを置かないで!」と怒ったものです。ただ豊橋市は給食だったので、母がお弁当を作る機会はそんなにありません。次のお弁当を作るころには母はすっかり忘れていて、私がまた文句を言う、その繰り返しが、私のお弁当にまつわる一番の思い出なのかもしれません。そうそう、ミニトマトも豊橋の特産です。特に「あまえぎみクレア」という黄色のミニトマトはフルーツのように甘く絶品なので、どうぞお見知り置きを!


[レシピ]キャベツとあさりの酒蒸し

【材料(4人分)】

キャベツ(ざく切り)…2分の1玉
あさり…500グラム
酒…50cc
A
しょうが(みじん切り)…小さじ2
オリーブオイル…大さじ2
B
塩・コショウ…少々
しょうゆ…大さじ1
唐辛子(輪切り)…少々

【作り方】

  1. あさりを洗い、砂抜きする
  2. フライパンにAを入れて熱し、香りが出てきたらあさり、酒の順に加え、蓋をする
  3. あさりの口が開いたら、キャベツを加えて蓋をし、しんなりしてきたらBを鍋肌からまわし入れ、全体に混ぜれば完成

監修/飯倉孝枝、取材・文/柳澤美帆、撮影/三村健二


特集1 養殖 おいしく育てて食卓へ

日本は、世界有数の漁業国ですが、漁業生産は減少傾向です。一方で、世界の水産物需要は拡大しています。

[写真1]
生け簀で回遊する黒瀬ぶり
日本では養殖生産量が半数以上を占めるブリ。最大手の黒瀬水産(宮崎県)は、ブリ類としては世界初のASC(水産養殖管理協議会)認証も取得しています。

漁業をめぐる環境が激変中
養殖が注目を浴びています

農産物や畜産物は、野生のものはごくわずかであり、そのほとんどが人工的に飼育および育成されたものですが、水産物の場合、日本の漁業および養殖生産量430万トン(2017年)のうち、天然ものの漁獲生産量は328万トン。養殖は102万トンと、依然として約24パーセントに留まっています(海面および内水面生産量の合計)。

しかし世界全体では、1960年代の人口1人当たりの魚介類供給量は9.9キログラムでしたが、2014年には20キログラムに達するとともに、この時期に養殖生産量が天然の漁獲生産量をはじめて超えました。また、世界銀行、国連食糧農業機関(FAO)と国際食料政策研究所(IFPRI)による共同研究では、今後、特にアジア地域およびアフリカ地域での水産物消費の拡大を背景として、2030年には食用水産物の6割以上が養殖水産物になるとの予測を発表しています。

このように、養殖は今、実に多彩な広がりを見せ注目を集めています。地域ごとに独自の品種改良を行いブランド化した「ご当地サーモン」が人気ですし、エサにかんきつ類を混ぜたフルーツ魚も各地で誕生。さらに、IoTやAIを活用した最新の技術も登場し、日本の養殖業をめぐる環境は大きく変わっています。70年ぶりに漁業法が改正されて、2019年はさらに、水産改革を進めていく年になります。消費者に安全でおいしい水産物を供給できるよう、適切な資源管理と水産業の成長産業化に積極的に取り組んでいきます。

[図1]
世界の漁獲量・養殖生産量(単位:万トン)
出典:FAO「Fishstat」

[図2]
日本の漁獲量・養殖生産量(単位:万トン)
出典:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」

[図3]
日本の漁業・養殖業生産量に占める養殖の割合(2017年)
ブリ類(256,600トン)養殖:54パーセント/天然:46パーセント
マダイ(77,900トン)養殖:80パーセント/天然:20パーセント
クロマグロ(26,100トン)養殖:61パーセント/天然:39パーセント
ウナギ(20,993トン)養殖:99.6パーセント/天然:0.4パーセント
ホタテガイ(371,100トン)養殖:36パーセント/天然:64パーセント
コンブ類(78,000トン)養殖:42パーセント/天然:58パーセント

総生産量(4,304,000トン)養殖:24パーセント/天然:76パーセント
出典:農林水産省「漁業・養殖業生産統計」


もし、養殖がなくなったら…

日本人は天然ものが大好きですが、もし養殖魚がなくなったら、寿司ネタのうち、どれだけのものが食べられなくなるのでしょうか。マグロ、サーモン、ハマチ(ブリ)、カンパチ、ヒラメ、タイ、アジ、エビ、ホタテガイなどの他、100パーセント養殖ののりがなければ、軍艦ものも食べられません。コハダ、甘エビ、イカにタコは今のところすべて天然ものですが、昨年、タコは完全養殖技術が開発されたため、今後、徐々に養殖ものを口にする機会が増えてくるかもしれません。

[写真2、写真3]
養殖がなくなった場合の寿司ネタの写真


養殖魚の育て方

天然の稚魚を採捕して育てる手法が広く普及している養殖。また、近年、人工ふ化から育てた成魚に産卵させ、その卵をふ化させて再び成魚に育成する、「完全養殖」の技術開発も進みつつあります。ここでは、私たちの食卓にのぼる半数以上が養殖で育てられているブリの養殖の主な流れを、養殖ブリの一大産地である鹿児島県長島町・東町漁業協同組合を例に紹介します。

種苗(しゅびょう)の確保
ブリの稚魚が流れ藻につく習性を利用して、流れ藻と一緒に稚魚を採捕する漁法が「モジャコ漁」です。東町漁協にはモジャコ漁を専門とする漁業者と自ら行う養殖業者もおり、漁は主に4月に行われています。

[写真1]
モジャコ漁の写真

[写真2]
ブリの稚魚の写真

ワクチン接種
モジャコが30グラムから50グラムに育ったころ、病気にかかるのを防ぐために漁業者の手で一尾ずつ丁寧に注射器でワクチンを接種します。

[写真3]
ワクチン接種の写真

エサやり
海上の大きな生け簀に、長いパイプの給餌機を使って漁船から空気圧でポンポンとエサを飛ばします。毎日エサを与えるか、2日に1回にするかなど、魚や海の状況を見ながら給餌します。

[写真4]
エサやりの写真

エサの種類
東町漁協で養殖のブリに与えているエサは2種類。魚に最適な栄養の配合を考えて作られた漁協オリジナル飼料の「エクストルーデットペレット(EP)」と、魚粉に生魚や栄養剤を混ぜ合わせた「モイストペレット」があり、出荷計画に基づき、適切な飼料を選択して給餌します。

[写真5]
モイストペレット

[写真6]
エクストルーデットペレット(EP)

フルーツ魚を知っていますか?

かんきつ類をエサとして与えたフルーツ魚が人気です。ブリだけでも、こんなにたくさん

[写真7]
ブリの写真
フルーツ魚とは、「フルーツがエサに入っている」、「抗酸化効果など、鮮度維持効果がある」、「魚臭低減」、「かんきつ香などの付与」のいずれかの特徴があるものの総称です。

すだちぶり(徳島県)
すだちの果皮抽出エキスを用い、鳴門の渦潮の側で育てたブリ。身質の良さに加え、通常の3倍以上のビタミンEを検出。

[写真8]
すだちの写真

かぼすブリ(大分県)
かぼすの果皮、果汁の活用により香り、抗酸化作用、うま味成分が向上した「味よし、香りよし、見た目よし」なブリ。

[写真9]
かぼすの写真

へべすぶり(宮崎県)
日向市特産の香酸かんきつ「へべす(平兵衛酢)」の、未利用だった果汁を搾った後の果皮の乾燥粉末を与えたもの。生臭さも消え、食味も好評。

[写真10]
へべすの写真

ボンタンぶり(鹿児島県)
地元の鶴長水産が、阿久根産ボンタンの外皮と実をシャーベット状にして約半年間給餌。生臭さがなく、骨から味が入るという。

[写真11]
ボンタンの写真

みかんブリ(愛媛県)
イヨカンの果皮と、果汁搾取時に出るオイルをエサに用いることで、日持ち、味わいに加え香りも付加。サーモン、サバ、タイもあり。

[写真12]
みかんの写真

平戸なつ香ブリ(長崎県)
「みかん鯛」に感動した坂野水産の社長が一念発起。地元平戸産の夏みかん「夏香」を冷凍・破砕して与えたブリからは、塩焼きやアラ汁までかんきつの香りが。

[写真13]
平戸なつ香の写真

かんきつ以外のブランド魚も話題です

オリーブぶり(香川県)
抗酸化作用の強いポリフェノールの一種オレウロペインが豊富なオリーブの葉をエサに配合。脂質を抑えつつ、甘味成分が向上する。

[写真14]
オリーブの写真

チョコブリ(愛媛県)
出荷前20日間、チョコレートをエサに10%混ぜることで、カカオポリフェノールによりかんきつ類より高い抗酸化作用を発揮。

[写真15]
チョコレートの写真


世界初のフルーツ魚「柚子鰤王(ゆずぶりおう)」誕生秘話

[写真16]
柚子の写真

フルーツ魚の定義を教えてくださった高知大学水族栄養学研究室の深田陽久准教授は、その先駆けとなった「柚子鰤王」の開発者。ここではその開発秘話を伺いました。

血合い筋の褐変を抑制するため、研究がはじまった
ブリは、酸化により血合い筋が褐色に変化する褐変により商品価値が落ちるのが問題でした。一方、ビタミン類やポリフェノールなどをエサに添加することで褐変を抑えられることは以前より知られており、当研究室の餌の研究を生かすことができそうだったこともあり、抗酸化物質を多く含む柚子を利用して、ブリの褐変を抑制することを目的に2005年より研究がはじまりました。

[写真17]
当初は柚子果汁のみでしたが、後に果皮のペーストも与えるように

柚子の香りがほのかに…
「学内プロジェクトでブランド魚を作れ」との命を受けて必死でしたので、褐変の抑制効果が得られた時はほっとしたのが本音です。また、試験終了時に試食したブリの身からほのかにかんきつ香がしたため、はじめは信じられませんでしたが、香気成分の抽出が確認され、特色のあるブランド養殖魚を作ることができる!と高揚したことを覚えています。そして鹿児島県長島町の岩本水産との共同開発により、2007年に「柚子鰤王」が誕生しました。

[写真18]
ペレット状の飼料に柚子の果皮ぺーストを練りこんでいる様子

生産者と共に歩みたい
現在はDHAの含有率が高い「プレミアムDHAブリ」を尾鷲物産と共同開発しています。これからも将来を見据えて生産できる漁業者と企業のサポートをしていきたいと思います。

[図1]
柚子鰤王:ブリの身からかんきつ由来の香気成分「リモネン」を検出
通常のブリ:検出されず


ウニがキャベツでおいしくなる!?厄介者ムラサキウニを食用に

[写真19]
ムラサキウニとキャベツの写真

沿岸魚場から海藻がいなくなる磯焼けの原因生物となるウニ。神奈川県水産技術センターが、そのムラサキウニに三浦特産キャベツの流通規格外品を与えたところ、身入り率が向上し、甘味成分のグリシンなどが増加して、甘くておいしくなることが分かりました。そこで、同県の海洋科学高校の生徒と共に、飼育実験を開始。また、地元漁協での陸上施設による大量飼育の研究も続いています。この取り組みは水産流通業者に注目され、試食会も行われるなど、食用利用が期待されています。

[写真20]
神奈川県立海洋科学高校の皆さんによる身入り検査


生け簀の引っ越し
稚魚のうちは小さな生け簀で養殖しますが、魚の成長に従って大きな生け簀に移動させます。生け簀を大きくすると、網の目も大きくなり、潮通しが良くなります。酸欠や病気の予防になるなど、魚が育つ環境が良くなるので、大きな生け簀への引っ越しは欠かせません。

[写真21]
生け簀の引っ越しの写真

環境調査
東町漁協では、過去に大きな赤潮被害を受けた経験から、環境調査の強化に取り組んでいます。漁場周辺はもちろん、八代海全域を半日かけて水温、塩分、透明度や、特に赤潮の原因となるプランクトンの有無を調査します。ほかにも魚の病気や薬効の検査、指導なども行っています。

[写真22、写真23]
環境調査の様子

水揚げ
早朝暗いうちから、海上にある生け簀に網を入れて、その日に必要な数だけ生け簀の片側に魚を集めます。次に大きなタモ網を入れて魚をすくい、船の上に設置された台の上に揚げます。すぐに専用の締め機を使って一尾ずつ魚を活き締めし、氷水で満たされた魚倉に入れて鮮度を保ちます。

[写真24]
水揚げの様子

加工・出荷
船から港に水揚げされた魚の重さを養殖業者が一尾ずつ量り、重さごとに魚を分けてその後の加工作業をしやすくします。一本丸ごと箱詰めにしたり、頭を落として、内臓を抜き、三枚におろしたフィレを真空パックにするなど、注文にあわせた加工を施し出荷します。

[写真25、写真26]
魚の重さを量る写真と出荷される魚の写真

最新技術を用いた次世代養殖の世界

IoTで大規模沖合養殖を実現(新日鉄住金エンジニアリング)

沖合での大規模養殖を可能にするシステムが登場
養殖業への新規参入や拡大を検討しても、海面養殖が可能な入江はすでに飽和状態。その解決方法の一つとして、大規模沖合養殖システムを開発したのが新日鉄住金エンジニアリングです。三重県尾鷲市の沖合で、生け簀システムの実証試験を実施し、また、鳥取県境港市の沖合で、(国研)農研機構 生研支援センターから委託を受けた“「知」の集積と活用の場による研究開発モデル事業”の一環として、IoT、AIを活用した自動給餌システムの実証実験を実施しています。生け簀は浮沈機能を有し、非常に強い波や潮流にも耐えられるなど、沖合養殖の可能性が広がっています。

[写真27]
境港市の弓ヶ浜水産が実際に稼働している自動給餌システム

[写真28]
境港沖合3キロメートルの美保湾内に、約300平方メートルの自動給餌システムを設置。ここに飼料サイロを設置し、生け簀内に設置された給餌タンクへ圧縮空気で飼料を搬送し、給餌。これにより従来の3分の1程度に省力化が可能となります

衛星からの観測データを活用した効率的な自動給餌(ウミトロン)

持続可能な水産養殖のために
IoT、AI技術を用い、洋上の生け簀を衛星からの観測データに基づいてモニタリングすることで、効率的で最適な自動給餌システムを提供する「ウミガーデン」を運用するウミトロン。生産コストの6割から7割を占める餌を、モニタリングとその解析技術を用いて給餌のタイミングと量を最適化することによりコントロールし、高効率の養殖生産を可能にしています。また、同システムを発展させ、赤潮など環境変化の早期発見技術にも期待が集まっています。

[写真29]
愛媛県愛南町の生け簀で実証実験を行いながら運用されているウミガーデン

海洋観測データの活用や、スマホで水中カメラをモニタリングし、給餌調整などを遠隔地から操作。PCでデータを蓄積し、成長予測に役立てます

[写真30]
給餌システムのインターフェイス画面。給餌のスピードや時間などが簡単に設定でき、自動的にそのデータを蓄積できます

[写真31]
生け簀センサーが魚群行動や捕食状況を検出し、スマホやPCにデータを送ります

[写真32]
スマホがコントローラーとなり、自宅など遠隔地からのリモート給餌が可能になります


陸上養殖には水が重要

地下海水を用いた陸上養殖をプロデュース(JR西日本)

瀬戸内の美しい塩田跡で育つ 「オイスターぼんぼん」
JR西日本が、温暖な瀬戸内海に浮かぶ広島県大崎上島で、養殖業者ファームスズキと共に、地下海水を用いた陸上養殖を行っています。瀬戸内海に隣接する約1.5万平方メートルの塩田跡の人口池で、地下海水を自然ろ過し、生活排水の流入もなく、ノロウイルスの影響を受けにくい地の利を生かして育てられているのが、広島県原生種を丁寧に育てた「オイスターぼんぼん」です。

[写真33]
瀬戸内海のすぐ隣に養殖池が広がっています

[写真34]
1年ものでサイズは小ぶりですが、磯臭さやえぐ味もなく美味。国内のホテルやレストランで使われています

マサバも陸上養殖なら生で食べられる「お嬢サバ」
JR西日本は、鳥取県でマサバの陸上養殖も行っています。 完全養殖の稚魚を、自然ろ過された綺麗な地下海水を用いて、アニサキスなどの寄生虫がつきにくい安心安全なマサバに育てます。 青魚独特の臭みがなく、白子や真子、肝も楽しめ、脂乗りがよく甘いのが特徴です。

[写真35]
1年もので、産卵前に出荷するため小ぶりですが、甘みがあり脂がよく乗っています

[写真36]
完全養殖による稚魚を9基の水槽で育てています

養殖用水浄化システムでエビを飼育(日本水産)

新鮮で食味もよい「白姫えび」
日本水産はエビの完全陸上養殖の事業化試験を鹿児島県の南九州市で進めています。品種はバナメイエビ。1グラムの稚エビが約90日後には出荷サイズの20グラムに成長します。生食も可能で、「甘みが強く、歯ごたえもある」と評判も上々。

微生物で水を浄化するバイオフロックシステム
飼育水槽内に微生物集合体(フロック)を浮遊させて養殖用水を浄化する、閉鎖式バイオフロック養殖システムを採用。水質の浄化に優れ、防疫が確実にできることに加えて、飼育水を取水・排水し続ける従来の方法と比較して環境負荷も低減でき、設備も簡易なため事業コストの低減も期待できます。

[写真37]
元気に泳ぐ白姫えび


取材・文/柳澤美帆(6ページから9ページ)


個性派ぞろい
ご当地サーモン

全国各地でご当地サーモンが生まれているのをご存知ですか。その数なんと100以上というからビックリです。ここではユニークな生い立ちのご当地サーモンをご紹介。

イラスト:サタケシュンスケ

【青森県】海峡サーモン

津軽海峡の荒波が、極上サーモンを育てます。
「獲る漁業」から「育てる漁業」への転換を目指して、大畑さけます養殖漁業研究会(現・北彩漁業生産組合)が、平成元年にドナルドソンニジマスの養殖を開始。津軽海峡の冷たい潮流と荒波に揉まれることで、引き締まった身と脂乗りを実現。活締めから切身、生ハム仕立てやマリネ、バジルステーキなど、食卓を彩る加工品も多彩です。

[イラスト1、写真1]
海峡サーモン

北彩漁業生産組合
むつ市大畑町上野152-2
電話:0175-31-1868

[QRコード1]
https://www.kaikyou.com/〔外部リンク〕


【愛知県】絹姫サーモン

愛知県の英知を結集し、12年かけて作出!
見た目も美しい「ホウライマス」(無斑ニジマス)のメスと、サケ科の川魚の中でも味がよい「アマゴ」(海に降りないサツキマス)のオスを交配。成長しても成熟しない(卵を持たない)性質を持つ、通称「ニジアマ」こと絹姫サーモン。昭和63年に愛知県水産試験場が開発に着手し、平成11年の出荷まで実に12年の月日を経て誕生しました。

[イラスト2、写真2]
絹姫サーモン

愛知県淡水養殖漁業協同組合
北設楽郡設楽町豊邦字豊詰27
電話:0536-64-5311

[QRコード2]
http://www.tansui.net/brand_kinuhime〔外部リンク〕


【鳥取県】境港サーモン

魚へのストレスを減らし、より新鮮な状態で食卓へ
ニッスイグループの弓ヶ浜水産が美保湾で育てるサーモンが、ギンザケを用いた「境港サーモン」です。無駄のない給餌管理がパソコンやスマホでできる独自の自動給餌システムで生産。また、海上の生け簀から工場の水揚げ場まで、フィッシュポンプで海水とともにダイレクトに送られます。これにより、魚体を傷つけずに即時活締めができ、鮮度を保ったまま出荷が可能に。

[イラスト3、写真3]
境港サーモン

弓ヶ浜水産
境港市竹内団地205
電話:0859-30-2721

[QRコード3]
http://www.yumisui.jp/jigyo/e370/salmon/〔外部リンク〕


【静岡県】富士山サーモン

世界遺産の恵みと、人の手による愛情と。
富士山の大自然のもと、バナジウム水で有名な猪之頭湧水と芝川の豊かな水と、だしの搾りかすから抽出する鰹節ミールなど独自配合のエサで、2年半以上の時間をかけて育てられたニジマスが、「富士山サーモン」(2.5キログラム)。人の手で大切に育てられ、甘みのある味わい。また、大きくなる前(200グラムから300グラム)のサーモンを白身のままで提供するベビーサーモンもおすすめです。

[イラスト4、写真4]
富士山サーモンとベビーサーモン

柿島養鱒(ようそん)
田方郡函南町新田125-1
電話:055-970-3031

[QRコード4]
http://kakishima-troutfarm.com/〔外部リンク〕


【福島県】阿武隈川メイプルサーモン

サケマス養殖一筋80年、老舗の自信作です。
養殖場の老舗、林養魚場がカナダのB.C.州カムループス地方原産のニジマスを日本ではじめて発眼卵(成長が進み卵の中に黒い眼が見える段階の卵)で空輸し、自社でふ化。育成を続ける中で何代もの選抜育種を繰り返し、品種改良により作出された大型のトラウトサーモンです。産卵用の親魚の飼育も行われており、レッドキャビア(ニジマスの卵)が味わえるのも魅力。

[イラスト5、写真5]
阿武隈川メイプルサーモン

林養魚場
西白河郡西郷村大字小田倉字後原66
電話:0248-25-2041

[QRコード5]
http://maple.hayashitrout.com/〔外部リンク〕


サケもマスもサーモン?

サーモンは、魚種の分類が難しい魚です。サケ(サーモン)とマス(トラウト)には、実は明確な区別はありません。かつては淡水で育ったもの(河川残留型)はマス、海水で育ったもの(降海型)はサケとされていましたが、養殖方法が多様化した現在では一概には言えず、「サケ類」と「マス類」は、11属約66種もありますが、その分類は曖昧です。

ブランドサーモンは、肉質もさまざまな上、それぞれに味わいが異なります。お魚屋さんで、ぜひ自分好みのサーモンを見つけてみてください。


おいしい養殖魚を食べたい!

誌面でご紹介した養殖魚を食べるならココ!というお店をご紹介します。提供時期は魚種によりまちまちなので、訪れる際は事前に確認を。
(税別)表記のない価格はすべて税込です。

和びすとろ ぶり中野〔東京都〕

ブリの魅力を堪能したいなら都内唯一のブリ料理専門店へ
フルーツブリはもちろん、その時期一番おいしいブリを仕入れ、刺身は当然、中落ち、燻製、カマ焼き、ブリカツ、ブリ大根にぶりしゃぶまで、“ブリ尽くし”が堪能できる唯一のお店。

[写真1、写真2]
(上)「愛媛みかんぶり刺」850円、(右)「徳島すだちぶり中落ち」980円(価格は仕入れにより変動します)

[写真3]
店内の様子

中野区東中野1-45-4
電話:050-5592-7967

[QRコード1]
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131901/13198910/〔外部リンク〕


長島大陸市場食堂〔鹿児島県〕

定番にして最強の「鰤王定食」。海鮮丼やブリカツも人気です
身がプリッと引き締まり、サラリと優しい脂が広がる「鰤王」がたっぷり食べられる「鰤王定食」が人気です。新鮮な刺身、あら煮、あらの味噌汁と「鰤王」尽くしのメニューです。

[写真4]
お店の外観写真

[写真5]
「鰤王定食」。刺身とあら煮などがついて1,200円

出水郡長島町諸浦1232-1
電話:0996-86-0780

[QRコード2]
https://nagashimatairiku.com/restaurant/〔外部リンク〕


那須白河フォレストスプリングス FS Cafe〔福島県〕

大自然の中で良質なサーモンを 鮮度抜群でぷりぷりな身は絶品
林養魚場が運営する管理釣り場なので、鮮度抜群の阿武隈川メイプルサーモンが食べられる。マリネのほかにスモークなど、古き良きアメリカの風情あふれる本格ランチが楽しめます。

[写真6]
「メイプルサーモンのマリネ」630円(税別)。フレッシュで爽やかな味わい

[写真7]
店内の様子

西白河郡西郷村小田倉字金子石16
電話:0248-25-3535

[QRコード3]
http://shirakawa.forest-springs.com/institutions/fs-cafe.htm〔外部リンク〕


アグレアーブル〔青森県〕

青森で本格的なフレンチ&イタリアンを。名店が引き出す海峡サーモンの上品な味わい
オーナーシェフの竹川氏が、銀座「アズカフェ・ミクニ」での料理長を経て帰郷し、むつ市にオープンした同店。本州最北端の下北半島で、地場の旬の食材を用いた逸品を提供しています。

[写真8]
「大畑町産海峡サーモンのミキュイ」1,680円(税別)。ミキュイは「半生」を意味する、絶妙な火加減が味を決めるフランス料理。コース料理各種の一品としても提供可能

[写真9]
お店の外観写真

むつ市小川町2-17-1
電話:0175-23-9114

[QRコード4]
http://www.agreable2008.com/home.html〔外部リンク〕


境港のさかな塾〔鳥取県〕

人気の丼メニューは3種あり!境港サーモンは春の主力商品です。
境港漁港の魚市場に隣接した共同店舗「境港水産物直売センター」内にあり、紅ズワイガニをはじめ旬の魚介を堪能できます。センター内の「さんまき漁協直売店」では鮮魚の購入も可能。

[写真10]
3種の「境港サーモン丼」があり、「生」1,000円、「生・炙り」1,500円、イクラも入った「親子」が2,000円。いずれも4月から5月頃の水揚げ時期限定です

[写真11]
店内の様子

境港市昭和町9-5
電話:0859-44-0311

[QRコード5]
http://www.sanmaki.jp/news.html〔外部リンク〕


トゥーランドット 臥龍居〔東京都〕

やわらかで張りのある白姫えびにコクのある味が絡んでうま味も上々
中華にフレンチの要素を取り入れた「ヌーベルシノワ」の先駆けとして人気の同店。店内の生け簀から水揚げした白姫えびを用い、ボイルや湯葉巻きなど鮮度が味の決め手となるメニューも提供します。

[写真12]
えびの頭を煮込んで濃厚なコクを引き出した「白姫えびと春雨のピリ辛煮込み」2人前から3人前2,500円(税別)。殻までおいしく食べられます

[写真13]
店内の様子

港区赤坂6-16-10 Y's CROSS ROAD1,2F
電話:03-3568-7190

[QRコード6]
https://www.wakiya.co.jp/restaurants/akasaka/〔外部リンク〕


海のレストラン海鮮館〔宮崎県〕

へべすぶりと生シラスがあう!道の駅「北浦」に絶品丼あり
延岡市北浦町は、日豊海岸国定公園内にある風光明媚な漁師町。お隣日向市特産のへべすを用いたへべすぶりと、生シラスにイクラが絶妙にマッチ。北浦自慢の冬限定メニューです。

[写真14]
旬と鮮度にこだわった「へべすぶり生シラス丼」1,380円

[写真15]
お店の外観写真

延岡市北浦町古江3337-1
電話:0982-45-3811

[QRコード7]
http://michinoeki-kitaura.com/cms/equipment/kaisenkan/〔外部リンク〕


握手カフェ〔広島県〕

広島の新名所おりづるタワーでオイスターぼんぼんとワインに舌鼓
平和公園に隣接するおりづるタワー1階にあり、海外からの来客も多い同店。冬の間は「HIROSHIMA OYSTER BAR」と称し、さまざまなスタイルでカキが楽しめます。

[写真16]
大崎上島ファームスズキ産「オイスターぼんぼん」はレモンがセットで3ピースから(1,200円から)。10ピースはトマトやバジルベースのカクテルソース付きで3,400円(すべて税別)。販売期間は3月末頃まで

[写真17]
店内の様子

広島市中区大手町1-2-1
電話:082-569-6802

[QRコード8]
https://akushucafe.com/〔外部リンク〕


浜焼き しんちゃん〔静岡県〕

嚙むごとに甘みが増す富士山サーモン。カルパッチョと刺身で堪能
大正2年創業の老舗「佐政水産」の直営店。地元・沼津港で水揚げされた魚介を中心にした「浜焼き」スタイルのお店ですが、新鮮なお刺身、創作料理もバラエティ豊富に提供しています。

[写真18]
富士山サーモンを使った「カルパッチョサラダ」880円。この他、「刺身」680円、食べ比べできる「海鮮カルパッチョ」1,280円もあります(すべて税別)

[写真19]
お店の外観写真

沼津市千本港町83
電話:055-954-0605

[QRコード9]
http://www.minato83.com/store_guide.html#shinchan〔外部リンク〕


漁協食堂うずしお〔徳島県〕

大浦漁港の目の前で、すだちぶりを満喫。室外エリアで海鮮焼きも楽しめます
鳴門の地魚を用いた漁師料理が自慢の同店は、5種類の海鮮丼などが選べるランチメニューも人気。ビタミンEが豊富でさっぱりとした風味の「すだちぶり」は、11月から1月上旬の限定メニューです。

[写真20]
すだちぶりを使った「刺身」1,050円、「カルパッチョ」900円はいずれもプラス200円で定食に。「漬け丼」1,000円も人気です

[写真21]
店内の様子

鳴門市北灘町宿毛谷字相ヶ谷23
電話:088-682-0037

[QRコード10]
http://jf-kitanada.com/publics/index/10/〔外部リンク〕


他にもある、養殖魚が食べられるお店

誌面でご紹介した養殖魚が食べられるお店一覧です。魚種によって提供時期が異なりますので、気になるお店は事前にお問い合わせください。

養殖魚:絹姫サーモン
店名:レストラン楓
メニュー:絹姫サーモンの蒸し料理セット
住所:愛知県豊田市足助町東貝戸10 百年草
電話:0565-62-0100
提供時期:通年

養殖魚:お嬢サバ
店名:海陽亭 きなんせ岩美店
メニュー:お嬢サバ姿造り
住所:鳥取県岩美郡岩美町新井337-4 道の駅 きなんせ岩美内
電話:0857-73-1115
提供時期:3月から7月初旬

養殖魚:オリーブぶり
店名:讃岐酒菜 きらり
メニュー:オリーブ鰤しゃぶコース
住所:香川県高松市今新町6-8
電話:087-823-0051
提供時期:9月から2月

養殖魚:平戸なつ香ブリ
店名:平戸瀬戸市場
メニュー:平戸海鮮丼他
住所:長崎県平戸市田平町山内免345-15
電話:0950-57-1057
提供時期:通年

養殖魚:かぼすぶり
店名:臼杵ふぐ 割烹みつご
メニュー:かぼすブリコース
住所:大分県臼杵市臼杵524-1
電話:0972-62-5107
提供時期:11月から3月

養殖魚:ボンタンぶり
店名:黒まぐろ専門店 黒紋
メニュー:西郷桜島丼
住所:鹿児島県鹿児島市上之園町14-28
電話:099-251-5620
提供時期:通年



特集2 魚卵アクアリウム

日本の食卓に欠かせない食材、魚卵。縁起物もあるなど、古くから暮らしの中に浸透していますが、それぞれの魚卵が何の卵なのか、下のクイズで一緒に考えてみましょう!

イラストはイメージです。実際の生育環境とは異なります。

卵のお母さんを一緒に探してみよう

答えは下にあるよ。確認してみてね!


卵の種類

A:かずのこ

[写真1]
かずのこの写真

B:いくら・筋子

[写真2]
いくら・筋子の写真

C:ぶりこ

[写真3]
ぶりこの写真

D:とびこ

[写真4]
とびこの写真

E:からすみ

[写真5]
からすみの写真

F:子うるか

[写真6]
子うるかの写真

G:海藤花(かいとうげ)

[写真7]
海藤花の写真

H:明太子・たらこ

[写真8]
明太子・たらこの写真

I:キャビア

[写真9]
キャビアの写真


魚の種類

スケトウダラ
産地は、主に北海道。卵粒が細かく、生や塩漬はねっとりした食感が特徴です。人気が高いのは、唐辛子味を利かせたもの。ご飯のおともとして大人気です。

[写真10]
スケトウダラの写真

サケ
一腹に二本一体の卵巣があります。卵巣に入ったままか、ほぐしたかで、それぞれ呼び名が異なります。塩漬やしょうゆ漬にして食べられます。

[写真11]
サケの写真

ニシン
「黄色いダイヤ」と呼ばれる、おせちには欠かせない食材。名前の由来は、よく獲れる秋田で、ニシンは「カド」と呼ばれるため、その子どもの呼び名がなまったとされています。

[写真12]
ニシンの写真

アユ
卵の直径は1ミリメートル程度。卵巣や白子を塩で漬けこんで熟成させた加工品をこう呼びます。味はからすみに似ているとも言われ、酒肴として珍重されています。

[写真13]
アユの写真

マダコ
一粒が粟くらいの大きさの卵で、それを春から初夏にかけて塊で岩陰などに産みつけます。房状の塊がフジの花のように見えることから、この名前で呼ばれています。

[写真14]
マダコの写真

トビウオ
一粒の卵は1ミリメートル程度の大きさですが、一万粒以上の卵が絡まって海藻や岩礁に産みつけられます。軍艦寿司のネタとして食卓に上ることが多く、かずのこに似た食感です。

[写真15]
トビウオの写真

ハタハタ
晩秋から冬にかけて浅瀬の藻場などに産卵。江戸時代に秋田に国替えになった殿様がブリの代用でハタハタを食べたことが、名前の由来となっています。

[写真16]
ハタハタの写真

ボラ
日本三大珍味のひとつで独特の風味があります。卵を塩漬にした後、じっくりと干して作られ、形状が中国(唐)の墨に似ていたことからこう呼ばれています。

[写真17]
ボラの写真

チョウザメ
世界三大珍味のひとつ。最も高価な「ベルーガ」と呼ばれるものは、体長3メートルを超えることもあるオオチョウザメの卵です。カスピ海や黒海産のものが特に有名。

[写真18]
チョウザメの写真


【答え】A:ニシン、B:サケ、C:ハタハタ、D:トビウオ、E:ボラ、F:アユ、G:マダコ、H:スケトウダラ、I:チョウザメ


明太子

日本人が慣れ親しんでいる明太子ですが、どのように作られているか知らない方も多いのでは?製造工程や歴史を通じて、明太子のさらなる魅力に迫りましょう。

明太子ができるまで

明太子は一体どのように製造され、食卓まで届くのか、明太子メーカー「ふくや」の製造工程を見てみましょう!
製造工程は各製造会社によって異なります。

[写真1]
1. 産地で吟味して仕入れた新鮮なたらこを塩漬にして冷凍し、それを明太子の加工場に輸送します。届いた塩たらこは調味液に漬けやすいようにバットにそろえていきます。

[写真2]
2. 明太子の味の決め手となる調味液。各社が最も工夫を凝らす部分です。「ふくや」では、厳選された新鮮なたらこを仕入れているので臭みを抜くための酒類は入れず複数の微粉唐辛子を使っているのが特徴。

[写真3]
3. たらこを調味液に漬ける時間も各社さまざま。1週間置く店もありますが、「ふくや」は24時間から48時間程度漬ける“浅漬”です。時間が経ったら漬け込み過ぎないよう調味液を切ります。

[写真4]
4. できあがった明太子を大きさごとに手作業でそろえて、重さを計量。膜が切れているなどして通常の「明太子」の商品にできないものは取り除いて、別の商品にします。

[写真5]
完成! 唐辛子の辛さや、塩分の違い、着色のあるなしなど、商品ごとに異なるパッケージを施して商品を発送します。たくさんの卵がつまった明太子は縁起物として贈答品としても人気です。

株式会社ふくや
福岡県福岡市博多区中洲2丁目6番10号
電話:092-291-3575

[QRコード1]
http://www.fukuya.com/〔外部リンク〕


「なぜ、日本人はこんなに明太子が好きなのか」~明太子メーカー「ふくや」川原武浩社長に聞く~

明太子の起源は諸説あるようですが、私の祖父母が、戦前、韓国に住んでいたときに食べた「明卵漬(みょんらんじょ)」を懐かしみ作ったものが現在の明太子になったと聞いています。日本人の口にあうよう改良を重ね、現在のような味にたどりつくまでに約10年の歳月をかけました。

この明太子の味のベースを担っているのは、日本人がだしとして長く口にしてきた昆布や鰹節のうま味成分であるグルタミン酸とイノシン酸です。そのうえに唐辛子のインパクトのある味が加わって、明太子はとても炭水化物にあう味となっています。米はもちろん、パンやパスタにもあう万能選手なので、日本人の食が洋食化しても、明太子のおいしさを求める人が多かったのではないでしょうか。さらに崩せばすぐに粒状になるのでほかの食材と混ぜたりあえたりしやすく、食事を手軽に作りたい人にとってうってつけの食材だったことも支持されてきた理由のひとつだと思います。

[写真6]
ご飯に乗った明太子の写真

川原 武浩さん
1971年、福岡県福岡市生まれ。國學院大学卒業。2017年4月より株式会社ふくや代表取締役社長を務める。全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会副会長も兼任

[写真7]
川原 武浩さんの写真


新しい楽しみ方

チューブ型や缶に入った明太子をご紹介。いろいろな味付けを少量ずつ楽しめることも魅力です。

[写真8、写真9]
tubu tube(ツブチューブ)
使いたい分だけ、ワンプッシュで押し出すことができる手軽な明太子。さまざまな料理に便利に使えます。540円(税込)から

[写真10]
缶明太子
明太子のツブに食用油の中でも最高級とされる綿実油を加えた、缶詰仕様の明太子。うま味が際立つ味です。756円(税込)

[写真11、写真12]
めんツナかんかん
ツナを明太子で味付けした、ほどよい辛さとうま味がクセになる明太子とツナのコラボレーション。食べ比べ3缶セット 1,000円(税込)

世界一魚卵が好きな民族・日本人

日本だけでなく、ロシアやトルコ、ギリシャやポルトガルなど、魚卵を食べる国はほかにもありますが、日本人ほどここまで保存方法を工夫して、さまざまな魚卵を食べる民族はいないでしょう。潮流がぶつかり合って魚が集まる海を擁していることや、火山地帯のため海底に漁礁が多く、魚をたくさん獲ることができたということのほかに、塩を作ることができたので卵巣を保存しやすかったことが考えられます。さらには無駄を出すのが嫌いでとことん食べ尽くすことを好んだ日本人の気質も大いに関係しているように思います。

魚卵は、魔性の食べ物です。とろみがある食感、味は濃厚なのにマイルド、そして栄養価が高く、一度食べたらそのおいしさに取り憑かれてしまいます。そこで私たちの先祖は魚卵を食べるさまざまな方法を考え出してきました。

塩漬、しょうゆ漬、粕漬などいろいろな方法がありますが、魚卵を乾燥させて食べるのは、世界を見渡してもとても珍しいと思います。例えば、現在売られているかずのこは塩漬けされたものが多いですが、以前は乾燥させたものも多く売られていました。塩漬けされたものに比べて風味豊かで味が複雑でとてもおいしい。またクチコもナマコの卵巣を乾燥させたものです。ナマコを食べようとするだけでも、おいしいものを求める日本人の気質が浮かび上がるようですが、さらにその卵巣までおいしく食べようとするのだからすごい。乾燥からは離れますが、猛毒のあるフグの卵巣すら糠を使い解毒して食べる方法を思いついたくらい、日本人の魚卵に対する思いは強いのです。

明太子も同様です。もとは朝鮮半島の食べ物ですが、日本人の舌にあうような味付けにされて福岡の名物となっているのですから、おいしい魚卵を食べたいという意欲たるやすごいものだと思います。

私もご多分に漏れず魚卵は大好きです。真っ白なごはんと一緒に食べる筋子や、熱燗をかけたコノワタは最高ですね。

小泉武夫さん
醸造学・発酵学・食文化論を専攻とした農学博士。食に関する著書も多く、2016年には随筆『粗料理』が日本文藝家協会が編集した『ベスト・エッセイ』に選ばれている。

[写真13]
小泉武夫さんの写真


取材・文/柳澤美帆、イラスト/三木もとこ


あっぱれ 全国の日本一を訪ねて vol.9

養殖ほたて生産量日本一!青森県 平内町

ほたての養殖に情熱を注いだ先人の思いを受け継ぎ、市町村別の養殖ほたての生産量日本一を誇る平内町。豊かな自然が育んだその味は、ほかとはひと味違うようです。


漁業者たちの熱意が実り養殖方法を確立

平内町でほたての養殖が発展したのは、1960年代から1970年代のこと。それまでは自然に生息していたほたてを漁獲していましたが、平内町の漁業者の豊島友太郎が、自分たちで作り育てることの大切さを訴え、自ら育苗に取り組んだことが大きな転換点となりました。

また、稚貝の採取法や育苗法を考案した工藤豊作や、東北大学青森県水産実験所の山本護太郎などが、今に受け継がれる漁法を確立させていきました。こうして1973年には、ほたての水揚げのうち半数以上が養殖ほたてとなるほど、漁獲量を安定的に確保できるようになり、平内町の養殖業は飛躍的に発展を遂げました。今ではまちを支える大きな産業となり、2016年の漁獲量は約6万トンにも及んでいます。

[写真1]
ほたての水揚げの様子

[図1]
青森県 平内町
【DATA】青森県のほぼ中央に位置する人口1万人強のまちで、北側は陸奥湾に面し海と山に囲まれた風光明媚な土地。


平内町ってこんなところ

その1 白鳥の渡来地

[写真2]
夏泊(なつどまり)半島一帯は、白鳥の飛来地として全国で唯一「特別天然記念物」に指定されています。冬の寒さが訪れだす10月末頃から800羽ほどの白鳥がシベリアから飛来します。


その2 自生椿の北限の地

[写真3]
浅虫夏泊県立自然公園椿山には、樹齢200年を超えるヤブツバキが6カ所に群生。その数は1万数千本あり、4月下旬から6月上旬にかけて丘陵地一帯に見事な紅色の花を咲かせます。


その3 ほたての祭典を開催

[写真4]
平内町漁業協同組合が主催する、ほたて尽くしのイベント。ほたて汁やほたてカレーなどのグルメはもちろん、貝むき競争やほたて釣りなどの体験コーナーも充実。


日本一にズームイン

深い甘みのあるほたては山と海の恵みの結晶

平内町には現在、約600人のほたて漁業者がいて、生産量日本一になるほど養殖が盛んですが、これは養殖法を確立させた先人のおかげです。それまで多くの漁業者は出稼ぎをしなくては生活が成り立ちませんでした。その感謝の念を常に持ち、大切にほたてを育てています。

陸奥湾で獲れるほたては、とても澄んだ甘みがあるのが特徴です。これは八甲田山系にある深いブナ林が蓄えた栄養豊富な水が陸奥湾に注いでいるためです。養殖ほたてですが、貝が食べているのは自然からの恵み。豊富な植物プランクトンが、うま味のあるほたてを育てています。


受け継がれた養殖法でほたてを大事に育てる

3月頃に生まれたほたての幼生は海に浮遊していますが、桜が開花するころに物に付着します。この習性を利用し採苗器で稚貝を確保。稚貝が落下しないように、タマネギ袋で覆うのが、平内町の養殖の特徴です。

その後、ネットの収容枚数を順次減らし、成長を促します。そして翌年の1月から4月にかけて大きくなったほたての殻に穴を開けて耳吊りをします。こうすることでさらに立派なほたてに成長します。

ほたては環境の影響を受けやすく大きく育てるには労力が必要ですが、今後も消費者に喜ばれるほたてを作る努力をしていきたいと思います。

[写真5]
青森県漁協青年部連絡協議会 会長 後藤 石雄さん
ほたての養殖をはじめとする漁業者のまとめ役として、生産効率向上に力を尽くす。自身もほたて養殖業者として、質の高いほたてを生産している。


うまさ満喫!
平内ホタテ活御膳

活ホタテの刺身、活ホタテのステーキ、ベビーホタテの寿司や澄まし汁、さらにはホタテアイス!まで味わえる、平内町でしか食べられない、ほたて三昧のおもてなし膳。

[写真6]
平内ホタテ活御膳の写真


タマネギ袋を使って稚貝をキャッチ!

[写真7]
稚貝がやや大きくなり、自重で海中に落下するのを、タマネギ袋で防ぐ


耳吊りで、ほたてを大きく成長させる

[写真8]
殻の耳に穴を開け、テグスを通して海中につるす「耳吊り」。より一層豊かな自然環境に育まれ、ほたてが大きく育つ
写真提供:浅虫水族館


ブイロボットで海の情報を収集

[写真9]
ほたては高水温に弱く、また潮流が速いと互いにぶつかり傷つく。そこで、海や気象の情報を集めるブイロボットが活躍


取材・文/柳澤美帆、撮影/大久保恵造


MAFF TOPICS

「MAFF TOPICS」では、農林水産省からの最新ニュースなどを中心に、暮らしに役立つさまざまな情報をお届けいたします。

NEWS1

「全国ジビエフェア(冬)」開催中

自然で育ったシカやイノシシなど野生鳥獣のお肉、ジビエ。おいしいことはもちろん、ヘルシーな点も注目され、近年、増えすぎたシカやイノシシを新たな地域食材として活用する取り組みが広がりを見せています。

そんなジビエ料理の魅力をより多くの皆さんに知ってもらうため、全国の飲食店などが参加する「全国ジビエフェア(冬)」が12月10日(月曜日)から2月10日(日曜日)まで開催されています。

ジビエ料理といっても扱う動物の種類も料理方法もさまざま。フェアでは、一般社団法人日本ラーメン協会との連携を通じてジビエラーメンが提供されるなど、これまで食材としてあまり使われていなかったジャンルでもジビエを楽しむことができます。フェア特設Webサイトでは、全国各地のフレンチ、居酒屋、ファストフード店など、期間中にジビエ料理を提供するたくさんの参加店舗を紹介しています。

ジビエを身近に感じ、気軽に味わえるチャンスです。この機会に、ぜひ各店が趣向を凝らしたおいしいジビエ料理を食べに行ってみてください。

山の恵み 鴨と鹿のジビエ白湯そば

店名:拳ラーメン
住所:京都府京都市下京区朱雀正会町1-16
電話:075-351-3608
提供予定期間:2019年1月24日(木曜日)から1月31日(木曜日)

[写真1]
山の恵み 鴨と鹿のジビエ白湯そば


ごちそう ジビエトリュフ香る鹿肉バーガー

店名:佐世保バーガー 古賀サービスエリア店
住所:福岡県古賀市筵内1-1-5 九州自動車道古賀サービスエリア上り線
電話:092-946-3039
提供予定期間:通年

[写真2]
ごちそう ジビエトリュフ香る鹿肉バーガー


北海道産天然エゾシカのロースト

店名:ミア アンジェラ 霞が関
住所:東京都千代田区霞が関3-2-6 東京倶楽部ビルディング霞ダイニング3F
電話:03-3539-3539
提供予定期間:通年

[写真3]
北海道産天然エゾシカのロースト


鹿肉のジビエピッツァ

店名:ハレとケ珈琲
住所:徳島県三好市池田町大利大西15(旧出合小学校)
電話:0883-75-2208
提供予定期間:通年

[写真4]
鹿肉のジビエピッツァ


特製鹿肉つくね 卵黄添え

店名:をどり虎の門飯野ビル店
住所:東京都千代田区内幸町2-1-1 飯野ビルディングB1
電話:03-3539-3877
提供予定期間:2019年1月9日(水曜日)から2月10日(日曜日)

[写真5]
特製鹿肉つくね 卵黄添え


イノシシ餃子

店名:ジビエぎょうざ家
住所:富山県黒部市中新823
電話:0765-32-3888
提供予定期間:通年

[写真6]
イノシシ餃子


全国ジビエフェア特設Webサイトはこちらから
[QRコード1]
https://gibierfair.jp/〔外部リンク〕


NEWS2

農泊を楽しもう

いつもと違うことを体験したいなら農泊。農泊とは、農山漁村に滞在しながら日本の伝統的な生活を体験し、地域の人々との交流を楽しむことができる旅行のこと。農家民宿や古民家への宿泊、その土地ならではの料理、地域行事など、体験と交流を通じて地域の魅力を感じられる新しい旅行の形として人気が高まり、各地で受け入れも盛んになっています。

昨年9月には、全国各地の農泊地域に関する情報を一元的に集約し、発信する「農泊ポータルサイト」がオープンしました。サイトでは農泊の情報を「泊まる」、「楽しむ」、「味わう」の3つのジャンルに分けて紹介。情報は、地域別や好きなキーワードから検索することもできます。また、さまざまな地域で開催されるお祭りやツアーなど最新のイベント情報も掲載しているので、要チェックです。

「古民家に泊まりたい」、「伝統工芸を体験したい」など、目的に応じて施設や体験プログラムを組み合わせ、自分だけの農泊を組み立ててみるのも楽しそう。その地域の人や伝統に触れ、心がほっと温かくなる旅、農泊。皆さんも自分にぴったりの農泊先を探して、旅に出かけてみませんか?


全国の農山漁村をまるっと楽しもう

味わう
Food and Eat

地域ならではの農産物や地域食材の料理
穫れたての野菜や魚介類、昔ながらの知恵がつまった伝統料理、ジビエ料理やオーベルジュ、農泊地域には四季折々の“おいしい”がつまっています。

[写真7]
沖縄県 今帰仁村
農家の食卓

[写真8]
熊本県 球磨村
ひまわり亭


泊まる
Stay

都市部にはない日常と違った宿泊体験を
農家民宿や古民家、廃校を利活用した宿泊施設など、都市部にはない、農泊地域ならではのステイをお楽しみいただけます。泊まることでよりその地域を知るきっかけに。農泊がもっと好きになること間違いなし。

[写真9]
静岡県 川根本町
いにしえの風

[写真10]
千葉県 南房総市
古民家ろくすけ


楽しむ
Experience

伝統的な生活体験や地元の人々との交流を楽しむ
農業・林業・漁業体験や地域の伝統料理を一緒に作る体験、スノートレッキングなどの自然と遊ぶ体験など、農泊地域には子どもから大人まで楽しめる体験がたくさん。

[写真11]
高知県 東洋町
カツオのワラ焼き体験

[写真12]
島根県 松江市
バーバリウム作り体験

[写真13]
北海道 美瑛町
ガイド付きサイクリングツアー体験


[ロゴ1]
nohaku.net
農泊ポータルサイト

農泊ポータルサイトはこちらから
[QRコード2]
https://nohaku.net/〔外部リンク〕


NEWS3

食の専門家が選ぶ「ニッポンの逸品」

[ロゴ2]
「フード・アクション・ニッポン アワード2018」のロゴ

「フード・アクション・ニッポン アワード」は、地域の魅力的な国産農林水産物をコンテスト形式で発掘し、表彰する取り組みです。

和食がユネスコ無形文化遺産に登録されて5周年を迎える2018年のテーマは「おいしさで心をつなぐ ニッポンの逸品」。日本の豊かな食文化を体現する地域産品で、日本の食を次の世代につなぎたいという想いが込められています。

応募があった1125産品の中から、1次審査で入賞100産品が選ばれ、最終審査会で受賞10産品が決定。また、官民協働プロジェクト「Let's!和ごはんプロジェクト」の趣旨に沿った産品を特別賞として3産品選定しました。

受賞産品は、審査委員である大手百貨店、流通、外食事業者の販路を通じて皆さまの元へ届けられます。

受賞10産品

モチソース
モチクリームジャパン株式会社

かけるだけ、混ぜるだけで新しいおいしさが楽しめるモチソース。ほのかな甘みとほどよい粘りでどの食材にもあわせることができる
【イオンリテール株式会社選定】

[写真14]
モチソースの写真


格之進 牛醤
株式会社門崎

「日本料理にしょうゆが欠かせないように、熟成肉に欠かせない調味料を作りたい」。その想いを形にした黒毛和牛で作った調味料
【日本料理日本橋ゆかり選定】

[写真15]
格之進 牛醤の写真


占冠(しむかっぷ)村産メープルシロップ「トペニワッカ」
一般社団法人 占冠村木質バイオマス生産組合

占冠村のイタヤカエデの樹液を、村の間伐材を利用した薪を燃やして煮詰めて作った国産メープルシロップ
【アマゾンジャパン合同会社選定】

[写真16]
占冠村産メープルシロップ「トペニワッカ」の写真


茶ノベーゼ
有限会社海田園黒坂製茶

いにしえより伝わる美作番茶と地域特産の黒大豆“作州黒”という地域の特産品をコラボレーションさせたパスタソース
【株式会社トランジットジェネラルオフィス選定】

[写真17]
茶ノベーゼの写真


おぶせのたまご
社会福祉法人 くりのみ園

田園環境の中で平飼いし、四季の野草を食べて育った鶏の卵。黄身がタンポポ色をしているのが特徴
【株式会社フォーシーズ選定】

[写真18]
おぶせのたまごの写真


福ノ誉 じゃことらっきょうの生ラー油
宝福一有限会社

鳥取県福部町産のらっきょうと瀬戸内産のちりめんじゃこを豆板醤、コチュジャンで味付けした生ラー油
【株式会社阪急阪神百貨店選定】

[写真19]
福ノ誉 じゃことらっきょうの生ラー油の写真


とろたまぷりん
株式会社ましこカンパニー

薄羽養鶏場(栃木県益子町)の良質な卵をまるごと1個使用した、濃厚かつなめらかな舌触りが特徴の道の駅ましこオリジナルプリン
【株式会社ローソン選定】

[写真20]
とろたまぷりんの写真


DREETS CHOCOLAT
ふたみ青果株式会社

国産いちごを特許取得のフリーズドライ技術で加工し、色、香りもそのままにサクサクの状態でホワイトチョコを浸み込ませた
【株式会社紀ノ國屋選定】

[写真21]
DREETS CHOCOLATの写真


もちピザシート
有限会社安田屋

シートにお好みの具材をのせ、フライパンで焼くだけで、もちもちサクサクのグルテンフリーもちピザを作ることができる
【株式会社イトーヨーカ堂選定】

[写真22]
もちピザシートの写真


小国ジャージーバターサンド
小国おみやげプロジェクト

ジャージー牛乳のバターをふんだんに使ったクリームに、小国の旬の農産物を加え、ミルククッキーで挟んだ新しいお菓子
【株式会社オンワードホールディングス選定】

[写真23]
小国ジャージーバターサンドの写真


「FAN特別賞」受賞産品

審査委員の投票で選ばれた身近・手軽に「和ごはん」を食べる機会を増やすことが期待できる産品

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「Let's!和ごはんプロジェクト」のロゴ

[写真24]
紀州梅真鯛梅(株式会社岩谷)

[写真25]
ごはんにかけるごぼうと昆布(株式会社すが野)

[写真26]
金華鯖ずし(株式会社エムコーポレーション)


フード・アクション・ニッポン アワードはこちら
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http://syokuryo.jp/award/#〔外部リンク〕


NEWS4

ご当地鍋日本一決定

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「ニッポン全国鍋グランプリ」のロゴ

全国各地の鍋料理が一堂に会し、その年ナンバーワンのご当地鍋を決定する「ニッポン全国鍋グランプリ」。これまでは、埼玉県和光市で行われていましたが、今年は1月26日と27日に兵庫県姫路市で開催されます。関西ならではの「人情と人の温かさと笑い」をコンセプトに掲げ、2005年のスタート以来初となる西日本開催を盛り上げます。

審査は来場者の投票で行われ、優勝(金の鍋賞)、準優勝(銀の鍋賞)、第3位(銅の鍋賞)などの各賞を決定。上位3つの鍋には、2020年に開催予定の「グランドチャンピオン大会(仮称)」への出場権が与えられます。さらに、入賞した鍋には商品化や全国販売のチャンスも。ぜひ会場で各地の自慢の鍋を食べ比べてみてください。

[画像1]
「ニッポン全国鍋グランプリ2019」の画像

金の鍋賞
「本場和歌山日高町の天然クエ鍋」(和歌山県日高町)

[写真27]
本場和歌山日高町の天然クエ鍋の写真


銀の鍋賞
「牛すじシチュー鍋」(埼玉県和光市)

[写真28]
牛すじシチュー鍋の写真


銅の鍋賞
「名取せり鍋」(宮城県名取市)

[写真29]
名取せり鍋の写真


写真はすべて昨年度のものです。


ニッポン全国鍋グランプリ
開催日:2019年1月26日(土曜日)、27日(日曜日)
場所:兵庫県姫路市「大手前公園」

詳しくはこちら
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https://nabegra.jp/join/〔外部リンク〕


取材・文/丸山 こずえ

クイズの答え

ワクチン接種

1990年に、マダイイリドウイルス病が国内で初めて発生し、多くの養殖魚が被害を受けました。国立研究開発法人 水産研究・教育機構では、このウイルスから魚を守るためにワクチンを開発。その製剤作成方法で特許を取得しました。

ちなみに、海水魚のウイルス病を対象に開発されたワクチンとしては、世界で初めて実用化されたものです。

[写真30]
注射器で接種したワクチンは免疫だけが体に残って働くため、薬剤が残留する心配はありません



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編集/中村麻由美、小尾悠梨子、糸瀬早紀、 藤田紫糸、小竹結女、伊藤高
アートディレクション/釜内由紀江
デザイン/石川幸彦、清水桂