卵のお母さんを一緒に探してみよう
答えは下にあるよ。確認してみてね!
卵の種類
G:海藤花(かいとうげ)
[写真7]
海藤花の写真
H:明太子・たらこ
[写真8]
明太子・たらこの写真
魚の種類
スケトウダラ
産地は、主に北海道。卵粒が細かく、生や塩漬はねっとりした食感が特徴です。人気が高いのは、唐辛子味を利かせたもの。ご飯のおともとして大人気です。
[写真10]
スケトウダラの写真
サケ
一腹に二本一体の卵巣があります。卵巣に入ったままか、ほぐしたかで、それぞれ呼び名が異なります。塩漬やしょうゆ漬にして食べられます。
[写真11]
サケの写真
ニシン
「黄色いダイヤ」と呼ばれる、おせちには欠かせない食材。名前の由来は、よく獲れる秋田で、ニシンは「カド」と呼ばれるため、その子どもの呼び名がなまったとされています。
[写真12]
ニシンの写真
アユ
卵の直径は1ミリメートル程度。卵巣や白子を塩で漬けこんで熟成させた加工品をこう呼びます。味はからすみに似ているとも言われ、酒肴として珍重されています。
[写真13]
アユの写真
マダコ
一粒が粟くらいの大きさの卵で、それを春から初夏にかけて塊で岩陰などに産みつけます。房状の塊がフジの花のように見えることから、この名前で呼ばれています。
[写真14]
マダコの写真
トビウオ
一粒の卵は1ミリメートル程度の大きさですが、一万粒以上の卵が絡まって海藻や岩礁に産みつけられます。軍艦寿司のネタとして食卓に上ることが多く、かずのこに似た食感です。
[写真15]
トビウオの写真
ハタハタ
晩秋から冬にかけて浅瀬の藻場などに産卵。江戸時代に秋田に国替えになった殿様がブリの代用でハタハタを食べたことが、名前の由来となっています。
[写真16]
ハタハタの写真
ボラ
日本三大珍味のひとつで独特の風味があります。卵を塩漬にした後、じっくりと干して作られ、形状が中国(唐)の墨に似ていたことからこう呼ばれています。
[写真17]
ボラの写真
チョウザメ
世界三大珍味のひとつ。最も高価な「ベルーガ」と呼ばれるものは、体長3メートルを超えることもあるオオチョウザメの卵です。カスピ海や黒海産のものが特に有名。
[写真18]
チョウザメの写真
【答え】A:ニシン、B:サケ、C:ハタハタ、D:トビウオ、E:ボラ、F:アユ、G:マダコ、H:スケトウダラ、I:チョウザメ
明太子
日本人が慣れ親しんでいる明太子ですが、どのように作られているか知らない方も多いのでは?製造工程や歴史を通じて、明太子のさらなる魅力に迫りましょう。
明太子ができるまで
明太子は一体どのように製造され、食卓まで届くのか、明太子メーカー「ふくや」の製造工程を見てみましょう!
製造工程は各製造会社によって異なります。
[写真1]
1. 産地で吟味して仕入れた新鮮なたらこを塩漬にして冷凍し、それを明太子の加工場に輸送します。届いた塩たらこは調味液に漬けやすいようにバットにそろえていきます。
[写真2]
2. 明太子の味の決め手となる調味液。各社が最も工夫を凝らす部分です。「ふくや」では、厳選された新鮮なたらこを仕入れているので臭みを抜くための酒類は入れず複数の微粉唐辛子を使っているのが特徴。
[写真3]
3. たらこを調味液に漬ける時間も各社さまざま。1週間置く店もありますが、「ふくや」は24時間から48時間程度漬ける“浅漬”です。時間が経ったら漬け込み過ぎないよう調味液を切ります。
[写真4]
4. できあがった明太子を大きさごとに手作業でそろえて、重さを計量。膜が切れているなどして通常の「明太子」の商品にできないものは取り除いて、別の商品にします。
[写真5]
完成! 唐辛子の辛さや、塩分の違い、着色のあるなしなど、商品ごとに異なるパッケージを施して商品を発送します。たくさんの卵がつまった明太子は縁起物として贈答品としても人気です。
株式会社ふくや
福岡県福岡市博多区中洲2丁目6番10号
電話:092-291-3575
[QRコード1]
http://www.fukuya.com/〔外部リンク〕
「なぜ、日本人はこんなに明太子が好きなのか」~明太子メーカー「ふくや」川原武浩社長に聞く~
明太子の起源は諸説あるようですが、私の祖父母が、戦前、韓国に住んでいたときに食べた「明卵漬(みょんらんじょ)」を懐かしみ作ったものが現在の明太子になったと聞いています。日本人の口にあうよう改良を重ね、現在のような味にたどりつくまでに約10年の歳月をかけました。
この明太子の味のベースを担っているのは、日本人がだしとして長く口にしてきた昆布や鰹節のうま味成分であるグルタミン酸とイノシン酸です。そのうえに唐辛子のインパクトのある味が加わって、明太子はとても炭水化物にあう味となっています。米はもちろん、パンやパスタにもあう万能選手なので、日本人の食が洋食化しても、明太子のおいしさを求める人が多かったのではないでしょうか。さらに崩せばすぐに粒状になるのでほかの食材と混ぜたりあえたりしやすく、食事を手軽に作りたい人にとってうってつけの食材だったことも支持されてきた理由のひとつだと思います。
[写真6]
ご飯に乗った明太子の写真
川原 武浩さん
1971年、福岡県福岡市生まれ。國學院大学卒業。2017年4月より株式会社ふくや代表取締役社長を務める。全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会副会長も兼任
[写真7]
川原 武浩さんの写真
新しい楽しみ方
チューブ型や缶に入った明太子をご紹介。いろいろな味付けを少量ずつ楽しめることも魅力です。
[写真8、写真9]
tubu tube(ツブチューブ)
使いたい分だけ、ワンプッシュで押し出すことができる手軽な明太子。さまざまな料理に便利に使えます。540円(税込)から
[写真10]
缶明太子
明太子のツブに食用油の中でも最高級とされる綿実油を加えた、缶詰仕様の明太子。うま味が際立つ味です。756円(税込)
[写真11、写真12]
めんツナかんかん
ツナを明太子で味付けした、ほどよい辛さとうま味がクセになる明太子とツナのコラボレーション。食べ比べ3缶セット 1,000円(税込)
世界一魚卵が好きな民族・日本人
日本だけでなく、ロシアやトルコ、ギリシャやポルトガルなど、魚卵を食べる国はほかにもありますが、日本人ほどここまで保存方法を工夫して、さまざまな魚卵を食べる民族はいないでしょう。潮流がぶつかり合って魚が集まる海を擁していることや、火山地帯のため海底に漁礁が多く、魚をたくさん獲ることができたということのほかに、塩を作ることができたので卵巣を保存しやすかったことが考えられます。さらには無駄を出すのが嫌いでとことん食べ尽くすことを好んだ日本人の気質も大いに関係しているように思います。
魚卵は、魔性の食べ物です。とろみがある食感、味は濃厚なのにマイルド、そして栄養価が高く、一度食べたらそのおいしさに取り憑かれてしまいます。そこで私たちの先祖は魚卵を食べるさまざまな方法を考え出してきました。
塩漬、しょうゆ漬、粕漬などいろいろな方法がありますが、魚卵を乾燥させて食べるのは、世界を見渡してもとても珍しいと思います。例えば、現在売られているかずのこは塩漬けされたものが多いですが、以前は乾燥させたものも多く売られていました。塩漬けされたものに比べて風味豊かで味が複雑でとてもおいしい。またクチコもナマコの卵巣を乾燥させたものです。ナマコを食べようとするだけでも、おいしいものを求める日本人の気質が浮かび上がるようですが、さらにその卵巣までおいしく食べようとするのだからすごい。乾燥からは離れますが、猛毒のあるフグの卵巣すら糠を使い解毒して食べる方法を思いついたくらい、日本人の魚卵に対する思いは強いのです。
明太子も同様です。もとは朝鮮半島の食べ物ですが、日本人の舌にあうような味付けにされて福岡の名物となっているのですから、おいしい魚卵を食べたいという意欲たるやすごいものだと思います。
私もご多分に漏れず魚卵は大好きです。真っ白なごはんと一緒に食べる筋子や、熱燗をかけたコノワタは最高ですね。
小泉武夫さん
醸造学・発酵学・食文化論を専攻とした農学博士。食に関する著書も多く、2016年には随筆『粗料理』が日本文藝家協会が編集した『ベスト・エッセイ』に選ばれている。
[写真13]
小泉武夫さんの写真