
私を支えた「食」
池田信太郎さん(バドミントン元日本代表)

東京2020オリンピック・パラリンピック大会開催に向け、
トップアスリートなどの地元食材を生かした思い出深い「和食」を紹介します。


郷里の「明太子」と母の手料理が
パワーの源
私の郷里は福岡県遠賀郡岡垣町。両親の影響もあって5歳からバドミントンを始めました。健康的な身体をつくるために、いつも母が栄養バランスの良い和食を作ってくれていましたね。
我が家では、必ず家族そろって「いただきます」をする、「ながら食べ」はしない、なるべく残さず食べるなど、食事の作法には特に厳しかったのを覚えています。
料理好きな母がこだわっていた食材のひとつが福岡の名産「明太子」。いつも専門店で購入していました。ピリッとした辛味とプリプリの身は食べ応えがあり、ご飯にのせてもいいし、軽くあぶってもおいしい。明太子はシンプルな食べ方がいちばん好きです。
他には、小麦粉で作った団子や野菜がたっぷり入っている「だご汁」が好きでした。豚汁のような味わいでご飯とよく合うんですよ。
大学卒業後、実業団チームに所属してからは体脂肪率やBMIなど数値で客観的に身体の状態を把握。そして、不足している栄養の摂取やエネルギーになる高たんぱくの食材を使うなど、栄養価を考えた和食中心の食事を心掛けていました。
日本代表に選出されてからは練習がいっそうハードになり、疲労回復のために練習後30分以内に食事を取っていました。早めに栄養を補給しないと、次の練習時に力が出せません。あっさりした和食は、きつい練習後でも食べやすかったですね。


迫力のあるスマッシュと
ギネス級のスピードに注目
バドミントンは球技の中で最も速いスピードが出る競技。初速493キロメートルのスピードは、ギネス世界記録に認定されています。試合中は300キロメートルを超える速さのシャトルが打ち込まれ、試合会場で観るとよりスピードを体感できると思います。
シャトルは非常に軽いため、ネットを越えてから選手の手元に来るまでの落差が激しい。打った直後の初速と相手のコートに落ちる終速のスピードも大きく違います。
コートのギリギリにシャトルが来たとき、選手がどんな動きをして、どこまで拾えるか。相手選手の動きを予測し、意表を突くような多彩なショットを打ち合うのが見どころですね。
今、日本のバドミントン選手も実力者がそろい、メダルも期待できる選手に成長しています。持ち前の粘り強さを生かして、力を発揮してほしいですね。
東京2020を契機に
GAPや日本の農業を世界へ
現役引退後は、民間企業でPRコンサルタントとして活動する傍ら、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会アスリート委員会WG2のリーダーを務めています。
また、2019年3月には、大会における持続可能性に配慮した食材の調達基準である「GAP(農業における食品安全、環境保全、労働安全などの持続可能性を確保する生産工程管理)」認証食材を中心としたレストラン「グランイート銀座」のプロジェクトディレクターに就任しました。レストランでは、全国のGAP認証農場に協力を呼びかけ、食材を出荷してもらっています。東京2020を契機に、GAPや日本の農業に対する認知を世界へ広げていきたいですね。

バドミントンのルールとメダルへの道

東京2020オリンピックのバドミントンは、男女シングルス・男女ダブルス・混合ダブルスで行われ、武蔵野の森総合スポーツプラザが試合会場。2020年7月25日から予選ラウンドが開始され、7月31日から8月3日に準々決勝、準決勝、決勝が行われる(2019年9月時点)。
試合は2ゲーム先取の3ゲームマッチ。各ゲーム21点を先取したほうが勝ちとなるが、細かい反則規定もある。例えば、ラケットがネットを越えた状態でシャトルを打ってはいけないオーバー・ザ・ネット、ダブルスではシャトルをプレイヤーとパートナーが続けて打ってはいけないダブル・タッチなど。ミスを減らし、粘り強く打ち合うことが勝利への道。
お問合せ先
大臣官房広報評価課広報室
代表:03-3502-8111(内線3074)
ダイヤルイン:03-3502-8449
FAX番号:03-3502-8766