このページの本文へ移動

農林水産省

メニュー

野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年9月9日(金曜日)11時49分~12時09分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • (大臣から)第1回食料安定供給・農林水産業基盤強化本部について
  • 物価・賃金・生活総合対策本部について
  • 食料・農業・農村基本法の見直しについて
  • 輸入小麦の政府売渡価格の緊急措置について
  • 総理指示について

冒頭発言

大臣

  皆さん方から御質問をいただく前に、1点だけ御報告がございます。本日、総理を本部長とする第1回食料安定供給・農林水産業基盤強化本部が開催されました。総理からは、全ての農政の根幹である食料・農業・農村基本法について、制定後、約20年間が経過しておりまして、初めての法改正を見据えて、関係閣僚連携の下に総合的な検証を行い、見直しを進めるようにという御指示がありました。これを受けて本日、農林水産省に私を本部長とする食料安定供給基盤強化本部を設置いたしまして、省を挙げて、食料・農業・農村基本法の検証を行い、見直しに向けた検討を進めていくよう指示いたしたところでございます。農林水産省としては、食料・農業・農村基本法が今日的課題に応え、将来を見据えたものとなるよう、検証、見直しにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。詳細につきましては、この後、事務方から説明いたします。私の方から以上です。

質疑応答

  • 物価・賃金・生活総合対策本部について

記者

  今朝の物価高本部が開かれましたけれども、急速な円安で輸入飼料や、肥料価格の上昇の収束が見通せない状況ですけれども、大臣として更なる何か対策の必要性について御見解をお願いいたします。

大臣

  前からずっと今のような御指摘はございました。それで、これも本日開かれたんですが、物価・賃金・生活総合対策本部が開催されまして、食料品の価格高騰への対応等についてもありましたが、輸入小麦の価格抑制、それから飼料の価格高騰対策、それからもう一つが食品ロス削減の抜本的な強化、この3点について、追加策として取りまとめられたところでございます。今後、これらの取組を着実に進め、パンや麺類等の原料となる小麦価格の上昇を抑制し、また、生産・流通段階でのコスト削減を図ることによって、生産資材や食品の原材料の価格高騰が事業者や消費者に与える影響を緩和していきたいというふうに思っているところでございます。今の話を具体的に申し上げますとね、小麦の価格については、もう御存知のように4月と10月が価格改定になっているんです。それで10月の価格改定については、もうこれ今の(6ヵ月の算定期間)でいくと2割程度の上昇になるんですが、これを4月から9月までの価格に据え置くという、そういうような対策で消費者の皆さん方に小麦の価格のアップによって、パンであるとか麺であるとか、こういったものが直接的に上がらないようにということで対応しようとしているのですが、パンを作るのに小麦だけで作るわけじゃありませんし、これにはやっぱり油がいるとか、あるいは電気がいるとか、いろんなものがあるわけですから、これらの要素も踏まえると、実質的には上がってしまう恐れもありますが、少なくとも原料である小麦は据え置くという考え方で、農水省としては整理をさせていただきます。


  • 食料・農業・農村基本法の見直しについて

記者

  基本法の見直しの関連でお伺いします。大臣、先ほどの農水省の本部でも、農家のみならず、国民的なコンセンサスの必要性を強調しておりましたけれども、なぜそこを強調されたのかっていうことと、あと、今後1年ほどかけて検討を進めるということですけれども、再来年の通常国会での法改正を念頭に置いているということでしょうか。

大臣

  一応、いつとは、国会の関係もいろいろあるんで、いつの国会に出すのかっていうことは、なかなか今の段階で言えませんが、とにかく1年ぐらいはかけて検証、そして方向性を見出していこうという考えはもう間違いないところでございます。おおよそ1年をかけてとなると、今もう9月ですから、そうすると来年の9月ということになると、通常国会はもう閉まってるはずですから、臨時国会なのかどうか分かりませんが、いずれにしても、これはいろんな議論を重ねていかなければなりませんし、先ほども申し上げましたように、国民的コンセンサスを得るためには、いろんな各界各層の御意見をいただくということですから、丁寧にやっぱり進めていかないと。拙速にただ作ればいいというもんじゃありませんし。私は先ほど農水省の幹部の皆さん方で、本部を作ったわけですから、とにかく、私はずっと言い続けてきているんですが、今年がターニングポイントになるよと、来年以降から日本の農業は大きく変わるんだという、その方向性をきちっとやっぱり基本法の中に謳って欲しいということを申し上げてきたところですから、そういったことも各界各層の人たちの御意見もいただきながらですね、やっていこうと思っております。今おっしゃったように、1年かけて整理したい。これは検証もしていかなきゃなりませんし、そしてその中で今度は方向性の検討もしていかなきゃならない。あまり拙速なことにはならないようにしたいというふうに、私個人的に思っております。(職員の)皆さんがどれだけのスピード感を持ってやってもらえるかということも、もう一つありますけれども。あんまり拙速に作るといいものができないというか。今の基本法が20年経過していますから、これからの20年の日本の農業をどうするかという大変大きな岐路ですから、真剣にこれは議論をさせていただきたいと思います。来年中には作り上げるということだけは申し上げられると思います。どの国会(で提出する)かは分かりません。


  • 物価・賃金・生活総合対策本部、輸入小麦の政府売渡価格の緊急措置について

記者

  先ほどの物価対策の本部の方についてなんですけれども、大臣の話でもありましたように、小麦の価格の据え置き等の施策が今日、正式に決定したということですが、やはり消費者が実際にその施策の効果をどの程度を実感できるとお考えでしょうかという質問なんですけれども、先ほどの話でもやはり、パンとかはいろんな原材料のコストや物流費もありますし、そういった部分については、今回の施策の効果がどの程度あるのかということと、今後、更なる対策についても検討するよう総理から指示があったということですけれども、更には、今後は、施策についてはどういった視点での対策が必要になってくるとお考えなのか、お願いします。

大臣

  それ小麦について、それとも他の資材についてですか。物価対策本部でしたから、生産資材も入ってたし、その中の一つに小麦も入っていてですね。


記者

  最初の(質問は)消費者が実感できるというところは小麦についてで、(二つ目の質問の)今後の対策については、広く、農水省に関連する全般の中で特にどこが重要になってくるのかということです。

大臣

  先ほどもちょっと申し上げましたようにね。パンの原料としての小麦の価格に占める割合は、8%ぐらいですよ。ですから他のものが入っていて、一緒にパンが作られていくわけです。ですから、小麦だけを安くしたから、あるいは据え置いたから、じゃあパンは今までどおりの価格ですねというふうには、なかなか難しいのではないかなあとそういうふうに思うんですね。だけど、少なくとも原料を提供している我が省としては、できるだけやっぱりそういうのを、製造者の方、製品を作ってる方々に、ぜひ理解をいただきながら、低価で、消費者に御提供いただければなと思うんですが、なかなかそこは、メーカーの方がどこまで耐えられるのか、どこまで圧縮できるのかですね、その辺にもかかっていると思います。


記者

  今日の対策はまとまったと思うんですが今後秋に向けての対策は、今後の秋以降も切れ目ない対策ということで、総理からも引き続き検討するようにという指示があったと思うんですが、農水省としては更にどんなことが特に必要になってくるのかお願いします。

大臣

  いやもう小麦の売渡価格についてはですよ、来年の3月まではもう変えません。今年の4月から来年の3月までのこの1年間は同じ価格でやっていきます。要は、これは小麦の出来にもよるんでしょうけど、あるいはまたウクライナの情勢にもよるんでしょうけれども、今ウクライナから、もう港から出ておりますから、これがどういう影響に今後なっていくのか。あるいは相当小麦が不足しているアフリカだとか、他のそういった経済の非常に困難な国もあるわけですから、どういう価格になっていくのか分かりませんが、日本の場合は少なくとも今の価格は据え置いて、業者の粉屋さんの方に提供するというのが今の段階で、今後、小麦情勢がどうなっていくのかというのは、これはよくよく見極めていかないと。場合によっては相当安くなってくる要素もあるわけですが、しかし分かりません。ですからもう少し、来年の3月まで今の価格でいって、様子を見て、それから後の4月以降のことはまたその時点で考えざるを得ないなというふうに思います。


  • 総理指示について(1)

記者

  今日の基盤強化本部の終わった後の総理の発言で緊急パッケージを策定するような指示というのがありましたけど、その中身というのが、一部の物価高騰対策の資料にあったようなものと重なってるようにも見えまして、ちょっとこの緊急パッケージというのと物価高騰対策の位置付けといいますか、何が違うのかというところを伺いたいなと。緊急パッケージというのはいつまでに取りまとめる予定なのかということを教えてください。

大臣

  緊急パッケージって、他にいろんなものがあるのかという御質問の趣旨だと思うんですけれども、我が省にこのパッケージの策定指示が出ましたが、三つあります。それは何かというと一つは、これは生産資材の方なんですが、肥料が非常に上がっているということもありまして、下水汚泥や堆肥等の未利用資源の利用拡大、それとグリーン化の推進、そして肥料の国産化・安定供給、これが一つでございます。それから二つ目は、小麦・大豆・飼料作目の国産化の推進、やっぱり自給率が低いというのは、これはもう皆さんが御存知のことでありますので、これらの国産化の推進をやれというのが二つ目です。それからもう一つは、食品ロス削減対策の強化でありまして、食品アクセスが困難な社会的弱者への対応の充実強化の3点についてパッケージ策定の指示を受けたところでございます。二つ目の小麦・大豆・飼料作目の国産化の拡大は、これはもうみんなもう皆さん方もよく分かっておられることですが、特に食品ロスの削減対策については、非常に賞味期限が短いものも、これはメーカーの方の都合でやっているというのもありますので、これらについての検討も進めていったらどうかというのがあります。ですから、こういった食品ロス対策についても、農水省としてもよくよく検討してくれ、というのが総理の指示でございます。以上申し上げました三つが、パッケージとして総合的に検討するということの指示だと私は受けとめております。


記者

  緊急パッケージというのはいつまでに取りまとめるというのは、目安はあるんでしょうか。

大臣

  いつまでということはなかったんですが、ただ、やっぱり緊急パッケージという、字面からしても、早急にまとめ上げるということでありますので、具体的な取りまとめ方針については、本部の中で、この農水省の本部の中でよく調整をしてまいりたいと思っておりますが、今日の段階ではいつまでという期限はまだ示されておりません。


記者

  物価本部の方で、今日取りまとまった大きくまた3点ありますけど、その中にも肥料の国産化だとか、食品ロス削減対策という内容がありましたが、その内容と重複しているように思われるんですけど、これはどうのように整理されていくんでしょうか。

大臣

  いや、重複してるというよりも、やっぱりそういう食品に関わる、この時に出たのが三つだったんですね。輸入小麦の価格抑制、それから飼料の価格高騰対策、それから、今おっしゃった食品ロス削減の抜本的な強化というのが追加策として示されたわけでありますので、これらを中心に我が省の課題として、他にもあるわけですけども、今申し上げた三つを我が農水省の課題として、パッケージとして検討をしていけということだと思います。


記者

  追加で行うということになるんですかね。物価本部で決まったことに、更に追加で緊急パッケージも行うということになるんでしょうか。

大臣

  そうですね。食料品についてということで、総理からの指示があったんですが、ほかにもまだやっぱり油の問題であるとか、いろんな他の、物価・賃金・生活総合対策本部でありますから、他のものもいっぱい入っております。各省庁に跨っております。ただ我々農水省に対しては今申し上げたようなことを中心に検討しなさいという指示です。


  • 総理指示について(2)

記者

  その緊急パッケージのことについてですね、麦・大豆とか、飼料作物の国産化の推進とかですね、食料安全保障に関わる問題かと思うんですけども、これは今回の概算要求で事項要求にした食料安全保障予算の中で緊急パッケージを具体化していくという理解でいいんですか。

大臣

  どういう財源で、それらの対策を打っていくのかというところまではありません。だから財源の在り方も含めて、まずは施策の内容をしっかりと検討して、そして、どういう財源でお願いを今後していくのか、まだまだ予備費もありますし、補正もありますし、来年度の本予算も概算要求も出てくるし、どれでいくのかというのはまだ、財源問題までは検討しておりません。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上