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農林水産省

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野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年11月22日(火曜日)10時22分~10時39分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 中国による農林水産物・食品の輸入規制について
  • 農林水産物・食品の輸出実績について
  • 今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの発生について
  • 生乳の需給対策等について

質疑応答

  • 中国による農林水産物・食品の輸入規制、農林水産物・食品の輸出実績について

記者

  先日の日中首脳会談で岸田首相が日本産食品に対する輸入規制の早期撤廃を求めました。今後の交渉についての期待をお伺いしたいというのが1点です。併せて、日本の農林水産物・食品の輸出額も、過去最高となった昨年を上回るペースで今年増加していますけれども、これについても期待をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いいたします。

大臣

  中国への輸出については、いろんな機会を通じて今までも話を持ちかけていたんですが、なかなかお国柄といいますか、難しいところがあって、日本の方から日本食品に対する輸入規制の早期撤廃を強く求めたということは総理の方からの話として聞いておりますが、ただ、早期撤廃に向けて一層働きかけていかなきゃならないんですが、なかなか中国の方からいい返事をいただいていないということでございまして、今までも他の国に対しても、特に福島なり、9都道府県の全ての食品や飼料の輸入停止を解いてくれということでやっていて、(中国も)新潟県産の米については輸入停止を解除していただいたということでありますが、その他はまだ(放射性物質)検査証明書の内容の合意が至ってないと。中身のお話ですよ、検査証明書の。肉なども開きかけたんですけど、日本と中国との関係が少し良くなくなってきたものですから、これらについてもほとんど現地調査は、中国は鹿児島、宮崎の食肉処理場なども事務レベルでは見てくれたんですけど、それ以上、(レベルが)上がっていかないというふうな状況ですから、できたら早めにそういったことを解いていただきたいなとこんなふうに思っています。それが一つ目です。それから輸出につきましては、おかげさまで1兆円を超えました。10月の食料品の輸出が1069億円。まだ非食料品が入っていませんが、それで1兆円を10月で超えたと。だからまだ伸びしろはあるわけで、まだ統計的に確定しておりませんが、ある程度の数値が期待できるのではないかなと、こんなふうに輸出は思っております。


  • 今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの発生について

記者

  2つ伺います。一つは鳥インフルに関してです。今シーズン既に200万羽以上の殺処分が行われている計算になろうかと思います。昨シーズンが189万羽でしたので、既に昨シーズン全体の分を超えるペースで殺処分が進んでいる現状があります。このペースについて、どのような御見解をお持ちでしょうか。あとこういう今状況になってることに対する評価と対策ですね、ございましたら、教えてください。

大臣

  鳥インフル、昨年よりも早く10月に発生したということで、岡山で出ました。北海道も出ました。ですから、そういったことで、今年は早いなという印象はございます。その後、今14例まで出てきましたので、私の地元・鹿児島もそれから隣の宮崎でももう発生したし、今年はちょっと早いなということで、皆大変な緊張感でもって、養鶏団地のところには注意喚起をしているところですが、こんなことが日本各地で起こってくるものですから、できるだけということで、これまで14例ありますけれども、10県では私なり、あるいは(政務)三役で知事さんと直接話をしながら、直接私が会ったのは2県ですけれど、他の二役にも現地に出張してもらったり、あるいはウェブでやったり、いろんな形で知事とも話をしておりまして、注意の喚起をしているところでございますが、今シーズンは一層の厳重な警戒が必要だと。対策には決め手というのはなかなか、いろんなケースが考えられますので、要は農家の皆さん方の飼養衛生管理を徹底する以外ないと。こういうことを私は知事さんなどにも申し上げておりまして、石灰を撒く、あるいは鶏舎に穴が開いているようなところは全部ふさいでいくなど、できるだけリスクを高めないようにということで、今警鐘を鳴らしているところで、各県ともそういう意味では相当皆緊張感を持って取り組んでいただいている、こんなふうに思います。また一方で、発生したところの処理ですけども、非常に各県とも対応が良くてですね、2、3日でほぼ殺処分・埋却が終わったようであります。ですから、そういう意味では、各県の皆さん方の大変な御努力に感謝を申し上げたいと思いますし、これは発生したところはもうしょうがないと、ただ拡大をしないようにということで、二次感染が出ないようにということで、今、各県とも取り組んでいただいているところでございます。


  • 生乳の需給対策等について(1)

記者

  2点目は牛乳です。11月1日から大手乳業メーカーも値上げをし、農水省さんも市場動向をお調べになっていると思います。一方で過去を振り返れば、平成18年に大量の牛乳を廃棄したという事態もありました。今期そういう牛乳の需給が緩んでいるという実態もありますが、そういう中で牛乳余りの中でそういう廃棄という最悪の事態を防ぐために今、どのように牛乳消費を御覧になってますでしょうか。牛乳を消費拡大するための対策もあろうかと思いますので、そちらも併せて伺います。

大臣

  頭数が多くなって搾乳量が増えてきたというのは、もう御承知のとおりでありまして、需要と供給のアンバランス、それによって余ってきていることは事実でありまして、何年前ですかね、牛乳を廃棄処理したことがありますが、そういうことはもうやっちゃいかんということで、可能な限り他の乳製品に変えていったり、あるいは飼料に混ぜたり、いろんな形で牛乳というよりも、脱脂粉乳などにして、そしてそれを餌に混ぜたりしながら、可能な限り廃棄をしない方法でやってきました。しかしながらどうしてもやっぱり供給量が上回っているものですから、何とかこれを抑えていかなきゃいかんということで、今現在それの対策として、農家自体が搾乳を抑えている状況があります。これは自分たちとメーカーの皆さんと金を出しあって、そしてできるだけ抑えようじゃないかということで、いわば成績の悪い乳牛を淘汰して(リタイアさせて)いくという、いわば生産調整ですね、そういうことを自主的にやっておられますので、我々の方としても、来年のいつになっていくか、今度の補正予算が通れば、そういった酪農家の皆さん方への支援をしていきたいとこんなふうに思います。いずれにしても、今(牛)乳余り現象が出ていますので、それをどう抑え込んでいくかということに、生産者団体あるいはメーカー、そしてまた国も後押しをしていくという形で、可能な限り需給をひっ迫じゃなく、ある程度需給バランスがとれるようにということでやらしていただいておりますので、特に冬場にかけては不需要期と言われて、なかなか牛乳が出ない時期なんです。ですからこれには今おっしゃったように、消費キャンペーンもやりますが、その一方では、先ほど言いましたようにあんまり成績の良くない牛については、淘汰していく(リタイアさせていく)ということも、もう一つの方法として考えていかなきゃならないことだろうと思って、その方にも支援をしていきたいとこんなふうに思っております。


  • 生乳の需給対策等について(2)

記者

  続けて酪農について伺います。需給は緩んでいる中だとは思うんですけれども、一方で生産量の方は前年同月を下回るような状態が続いているかと思います。その要因として、離農の影響を指摘する声もあるんですけれども、離農の状況について農水省の方で把握していらっしゃいましたら教えていただきたいというのと、改めて酪農の経営状況の厳しさについて受け止め、認識についてお聞かせいただければと思います。

大臣

  要因としてはいろんなことがあるんですけれども、離農とかいうのはまだ統計的に把握しておりません。ただ、ちらほらと(国会の)委員会でもそういう質問が出てくるし、それから私の地元でも数戸辞めた人たちもおられるし、借金がかさまないうちにもう辞めた方がいいなっていう高齢者の酪農家の方々もおられるようでございます。今おっしゃったような統計的な数字というのを押さえておりませんが、全国でちらほらとそういう議論をする方もあるということは聞いております。ですから、これがどのぐらいまでの影響になっていくのか分かりませんけれども、これは注視していく必要があるなと。どういうようなことをやらなきゃいけないのかというのはちょっと検討をしてみたいと思っています。酪農家の方々は投資が大きいですから。また、毎月の餌代などが溜まってしまっている方々も多いですから、こういう方々へどういうような救いの手を伸べるかということもまた一方では考えていかなきゃいかんというふうに思って、できるだけ辞めないでいただきたいなと思うんですけども、しかしながら今のこういう御時世ですから、見切りをつけられる方もやっぱり出てしまってきたのは残念な思いがしてなりません。


  • 生乳の需給対策等について(3)

記者

  先ほどの酪農の件で重ねてなのですが、補正予算でそういった乳量の少ない牛とかを処分した場合に補助金を出した場合に、その支援を元に廃業を検討する酪農家も増えると、その支援があるがゆえに廃業が増えるというふうに団体の方では指摘する声もありますけれども、それについてはいかがでしょうか。ある程度、今生産量が多いので需給バランスを根本的に解決するためには必要な対策ということなのか、処分が進みすぎるとそれはそれで弊害もあると思うんですけれども、その辺りのお考えを聞かせていただきたいと思います。

大臣

  結局、供給過剰になっている状況ですが、牛は搾らないと病気になってしまいますから、これはもう農家は無理してでも搾るわけですよ。だけれども、牛によっては乳量が少ない牛だとか、あるいは種をつけても(人工授精しても)妊娠しない牛がいるとか、こういうあんまり成績の良くない牛については、可能な限り、自分たちでも基金を造成して、そういう人たちが牛を淘汰した(リタイアさせた)場合には5万円やろうということでやっておられるようです。ただそれを我々も国として、皆さん方の自主的な取組だけに任せていくのかという議論もありまして、何らかの対策を打ちたいということで、この補正予算が決まりさえすれば皆さん方にも発表できるんですけど、まだ今から検討していただく、議論をしていただくという最中でありますので、数字は申し上げられませんが、何らかの後押しを我々の方でもさせていただきたいとこんなふうに思っております。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上