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農林水産省

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野村農林水産大臣記者会見概要

日時 令和4年12月16日(金曜日)10時29分~10時48分 於: 本省7階講堂
主な質疑事項
  • 令和5年度畜産物価格の決定等について
  • 沖縄県における高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜の確認について
  • 今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの要因等について
  • インド太平洋経済枠組み(IPEF)の交渉官会合について

質疑応答

  • 令和5年度畜産物価格の決定等について

記者

  一昨日、来年度の畜産酪農対策が正式に決まりました。飼料コストの増加などを受けて、補給金や集送乳調整金も上がりましたが、まずこちらの受け止めをお伺いしたいと思います。また、コストの増加に対する対策についてもお伺いしたいと思います。コストの増加分は価格に転嫁するのが基本ですが、小売の現場では赤字になっても販売価格を上げないところも多くあります。こうした価格転嫁について農林水産省として対策や支援できることはないのかどうか、お考えをお伺いできればと思います。

大臣

  御承知のとおり14日に(食料・農業・農村政策審議会)畜産部会を開いて、それまで党、また役所の方で検討してきたこの畜産物価格や関連対策等について、御了解をいただいて発表したところでございますけれども、今御質問にありましたように、特に畜産の中でも酪農部門が非常に厳しいという声がたくさんございました。したがいまして、補給金単価は11円34銭としまして、49銭のアップ。11円34銭では低すぎると、こういう御意見もありました。しかしながら、これはもう前から言っておりますように、物価高や、あるいはそういったコスト上昇に見合うものとして、一つのルールに従って計算式がありますから、それに基づいてはじき出した結果、11円34銭という価格を決定させていただきました。ただ、(酪農家の)皆さんはそれだけでは、なかなかやっていけないよという声も随分ありました。したがってルールはルールとして、生産者補給金は、ちゃんとルール通りに決定させていただいて、集送乳調整金もそうでありますが、その他、特に北海道の皆さん方の要求の強かったような内容を関連対策として、別途に打ち出しておりますので、(農林水産)委員会では補給金に上乗せしろなどいろいろありましたけれども、それをやってしまうと毎年毎年いろんなやり方で計算しなければいけませんので、それよりもルールはルールとしてやらせていただいて、なおかつ不足というか、今の状況、国会議員の皆さん方、役所の皆さんもよく分かっておりましたので、関連対策として措置をしたということでございます。そういう対策をしました。


記者

  それでもなかなか小売価格への転嫁の部分はしづらいという意見は多いと思うんですけれども、特にその小売とか販売店の方では。そうした適正な価格転嫁について、農林水産省として対策、支援できる部分というのはあるんでしょうか。

大臣

  前も申し上げたように、価格転嫁ができる、そういう交渉ができるのは、酪農の世界だけなんです。他の米にしてもそうですが、あるいは牛にしても豚にしてもそうなんですが、これらについては全く交渉というのはあり得ませんで、相対取引での価格になっているわけですけども、酪農については、メーカーと指定団体が交渉して、今年は11月に10円アップをしましたが、こういったようなことを唯一できるのがこの団体の皆さん方でありますので、価格転嫁はそういうところでやって欲しいと。ただ、前提となるのは、需給がやっぱり締まっていないと、需給が緩いと、生産者側の皆さん方の意見というのはメーカーはなかなか聞き入れてくれません。したがって、今一生懸命やっているのは、需給のバランスを取ろうということで、消費拡大であったり、あるいは生乳を絞る量を減らす努力を生産者側の方でしていただいたりしておりまして、こういったものが相乗して、今から来年度の価格交渉に入っていくわけですから、価格が決まっていくだろうと、こんなふうに思います。それには、需給がやっぱり締まってないと、これはなかなか交渉になりにくいと思います。ですから生産者の皆さん一生懸命、今、生乳の出荷を抑えています。


  • 沖縄県における高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜の確認について(1)

記者

  本日午前9時に沖縄県が、沖縄県金武町の養鶏農場の家きんから検出された鳥インフルエンザウイルスについて、遺伝子検査の結果、高病原性と確認したと発表しました。既に農場の全ての家きんについて殺処分する作業を開始したとのことですが、高病原性鳥インフルエンザの確認というのは、沖縄では初めてとなります。この件に関しての受け止めと、感染ルートなど現時点で判明していること、また県内農家への影響や鶏肉・鶏卵が今後不足してくる可能性などですね、今後懸念される点などについても御教示いただければと思います。

大臣

  昨日、(高病原性鳥インフルエンザの)疑いがあるということで、昨日午後5時半から、「農林水産省鳥インフルエンザ防疫対策本部」を開きまして、どうするかということを決めさせていただきました。いずれにしても、昨日の段階で、今朝、確定するということでありましたので、多分そうなるだろうということで我々も想定しながら、農水省からも職員を派遣し、なお今日、初めてのことですから、どういうことをやればいいのかということをですね、知事と直接、藤木政務官がオンラインでお話をさせていただくということでございます。前も豚熱が沖縄で発生した時もですね、なかなか対応が、初めての経験だったもんですから非常に対応が遅くなってしまったというか、それで今回は、即、藤木政務官と知事と話をしていただいて、知事の御判断を仰ぐところが一番多いものですから、知事の指示で、こういうことをすぐやってくださいとか、あるいはこういうことは我々の方でやりますからとか、いろんなことを、例えば埋却地があるのかどうか、埋却処分は県の職員や、団体の皆さんだけでやるのか、あるいは衛生管理がどうだったのかとかいういろんな細々したことがあるものですから、玉城さんと直接話をしながらやっていこうというふうに思っているところです。


  • 今シーズンの高病原性鳥インフルエンザの要因等について

記者

  今の鳥インフルエンザに関連してお伺いいたします。今シーズンですが、感染の確認の時期がいつもより早かったり、感染拡大のスピードがいつもよりも早いというような特徴があるかと思います。また沖縄で初めて感染が確認されるということもありました。今回そういった状況になっている要因、何か分析しているものがあれば教えていただけると助かります。

大臣

  発生するたびに我々も対策本部を開きながら、いろいろ対応しているんですが、これがどういう要因なのかということは、なかなか難しい御質問なんですけれども。ただ専門家の皆さんの話を聞きますと、今年は異常に各地で発生するし、そしてまた発生件数が非常に多いと。これは専門家の先生方の言葉ですけども、環境中のウイルスの濃度が非常に高くなっていると。いわば、コロナウイルスと一緒で、空気中にコロナのそういったウイルスが蔓延しているということと同じではないのかと。コロナの方は空気感染はないんですけれども、鳥の場合の環境中のウイルス濃度が非常に高くなっているというのはどう受け止めればいいのかというのは、私も分からなかったものですから、空気中にそのウイルスが浮かんでいるのかなと思っていたら、そうではなくて、たとえば野鳥の羽根とか糞だとか、こういったものが相当ばらまかれるというか、あちこちに飛んでいるのではないかと。ですから空気中に浮かんでいるのではなくて、羽根なんかが運んでくるとか、羽根に付いているとか、あるいはもちろん糞にはウイルスが含まれておりますから。だからそういったものが非常に多いのではないかと、こういうような専門家の皆さんのお話ですから、多分そうなのかなと。今年はもう非常に多いんで、もう我々もこれは正月なしだぞと、昨日は皆にはそういう言い方をしまして、何とか収めて欲しいなとこんなふうに思います。


記者

  もう1点鶏卵価格に関してなんですけれども、前回の会見などでは、あまり大きな影響はない、鳥の飼育・飼養を長くすることによって調整できるというようなお話だったかと思います。ただ一方で青森では最多の処分数が出るなど、処分数の影響は大きくなっていると思います。今後のまた価格の見通し、改めてお話を伺えればと思います。

大臣

  先般も同じような御質問があって、あまり価格には大きく影響しておりませんよということを申し上げましたが、この鳥インフルだけで価格が上がっているということにはなりません。通常でも、今の季節ちょうど需要期ですから、正月に向けて。したがって値段が上がっていく時期であることは間違いない。それにプラス、鳥インフル(の影響)が入って、(前年同月比)133%と上がっております。ですからそういう意味では、鳥インフルだけの原因で上がったのではなくて、先ほど言いました、通年で見ても、今ちょうど上がる時期だと。ですから、正月が明けますと、ある程度落ち着いて下がるのではないかと、こんなふうに見ていますが、今後、まだまだ鳥インフルの感染が拡大していきますと、それもなかなか難しいのかなとこんなふうに思っております。ただですね、気を付けていただきたいのは、だからといって卵が足らないということはないんですよ。鶏は大体1年半ぐらい卵を産ませるんですが、それを2年間産ませるとか、まだ産めるんですよ。産めるけれども卵のサイズは、1年半ぐらいのやつがちょうどいいわけで、その後1年半を超えますと、卵が大きくなってくるわけ。ですから、価格が下がるとかということで、1年半でほとんど処分(リタイア)して、新しい鶏と入れ替える。こういうやり方をしているんですが、また卵自体中身は変わらないわけですから、あと半年延ばすとか、1年延ばすとかそういう形で卵を産ませて、供給量は変わらないようにしようというふうには思っておりますけど、どうなっていくのか、今後、価格のところやら、あるいは仕向け先の量が非常に減ってきたとかという時にはそういうことも考えて、(生産者に)呼びかけをしなければならないと思っています。


  • インド太平洋経済枠組み(IPEF)の交渉官会合について

記者

  話題変わりまして、IPEFに関して伺います。昨日までですね、オーストラリアで参加14カ国による初めての交渉官会合が開かれました。報道では、貿易の分野では農業を中心に議論したですとか、農水省からも課長級の幹部が出席したとかそういう情報が出ていますけれども、今回の会合の受け止めと、もし農業分野で何か進展があったりとかしたら、教えていただければと思います。

大臣

  IPEF(インド太平洋経済枠組み)の事務レベルの交渉官会合でありますが、オーストラリアで開会されました。農業分野におきましては、(各国の)輸入制限措置の改善などに関するルールは議論されましたが、関税、市場アクセスなんかは、全く議論になってないということでありますので、それ以外は我々も存じ上げておりません。いずれにしましても、アメリカが音頭をとって会合を開くようになったわけですけれども、具体的なTPPだとか、そういったようなところでの枠組みでもないものですから、貿易に関する話は、個別の措置が議論されたとは聞いておりません。


  • 沖縄県における高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜の確認について(2)

記者

  先ほどの鳥インフルに関連して、ちょっと追加で1問お伺いします。先ほど大臣の話の中でですね、御発言のあった職員の派遣についてなんですけれども、11時からとおっしゃっていたその政務官による玉城知事とのオンライン会談以外に、担当者が現地に行かれたということなのでしょうか。専門家などが行かれたのか。行かれたのであればその人数とどういう役割の方なのかというのも併せてお伺いできればと思います。

大臣

  リエゾン1名と、疫学調査チームが3名。


事務方

  リエゾンは昨晩もう着いておりまして、疫学調査チームは午前中には着いて、午後からですね、調査に入ると思います。

大臣

  本当心配ですよね。初めて出たわけだから。なぜ沖縄で出たんだろうと昨日も。魔訶不思議なんですけど、渡り鳥は沖縄にも飛来するそうですね。


報道官

  よろしいでしょうか。それでは、これで大臣会見を終わります。

以上